説明

コネクタ装置

【課題】固定体と可動体との間の電気的接続手段として用いられるコネクタの損傷を防止
することが可能な構成のコネクタ装置を提供する。
【解決手段】コネクタ1は、プラグハウジング20とレセプタクルハウジング60とを嵌
合させたときに、枢支軸部28が枢支孔71と係合して当該嵌合方向と略直交する方向に
延びる揺動軸をなし、レセプタクルコネクタ50を揺動軸を中心としてプラグコネクタ1
0に対して相対的に揺動させたときに、レセプタクルコネクタ50とプラグコネクタ10
との相対位置に拘わらずレセプタクルコンタクト80,90とプラグコンタクト30,4
0とが常時接触した状態を維持しながら相対変位する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定体と可動体との間の電気的接続手段として好適に用いられるコネクタ装
置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からコネクタ装置として、プラグ嵌合部を有したハウジングにコンタクトを備えて
なるプラグコネクタと、プラグ嵌合部と嵌脱可能なレセプタクル嵌合部を有したハウジン
グにコンタクトを備えてなるレセプタクルコネクタとから構成され、プラグコネクタとレ
セプタクルコネクタとのハウジング同士を嵌合させたときに互いのコンタクトが接触して
両コネクタが電気的に接続される構成の嵌合型の電気コネクタが知られている。
【0003】
このようなコネクタ装置は、近年では、パチンコ機等の遊技機の前扉と本体枠、自動車
等の車両のドアとボディ、開閉式の操作パネルが有る制御機器や装置など、又は折り畳み
式の携帯型端末やノート型パーソナルコンピュータなど、ヒンジ構造等により互いに開閉
可能(揺動自在)に構成された固定体と可動体との間の電気的接続手段として、所謂ボー
ド・トゥ・ケーブル型(基板対ケーブル型)などの形態で広く利用されている。
【0004】
例えば、パチンコ機においては、ヒンジ構造により開閉可能なガラス扉の後面に電飾装
置(LED)や音響装置(スピーカ)に基板を介して接続される基板側のコネクタを取り
付け、本体枠の前面にパチンコ機背面に設けられた制御装置にケーブルを介して接続され
るケーブル側のコネクタを取り付けて、ガラス扉を本体枠に対して閉止させたときに、基
板側のコネクタとケーブル側のコネクタとが嵌合して電気接続される構成が知られている
(例えば、特許文献1を参照)。このようなコネクタ装置では、ガラス扉が閉じられて遊
技に供される状態で両コネクタを介して電力の供給や制御信号の送受信が可能となり、遊
技展開に応じた演出として電飾装置や音響装置を作動させることができるが、一方でパチ
ンコ機の調整やメンテナンスの際に、ガラス扉を開放した状態でも両コネクタ間の通電状
態を維持しておきたいというニーズもある。
【0005】
そこで、本体枠にケーブル引出孔を開設して、パチンコ機背面に設けられた制御装置に
繋がるケーブルをこのケーブル引出孔を通して本体枠の前面側へ引き出すとともに、この
ケーブルの端部に繋がるケーブル側コネクタを、ガラス扉の後面に取り付けられた基板側
コネクタに接続して、ガラス扉の開閉位置に拘わらず常に両コネクタを電気的に接続した
構成が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−135792号公報
【特許文献2】特開平8−187344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記構成のコネクタ装置では、ガラス扉を閉止したときにケーブルが挟み込まれないよ
うに、当該ケーブルの長さは大きな弛みが生じない程度に調節されているが、両コネクタ
はガラス扉に対して常に一定の取付姿勢で固定されているため、ガラス扉の開閉姿勢によ
ってはケーブルが無理やり曲げられて、ケーブルに曲げモーメント等の過度のストレスが
生じることで、コネクタ及びケーブルが損傷する原因にもなる。特に、ケーブルにおける
コネクタとの接続部分の近傍は他の部分よりも可撓性が低く、過度のストレスが生じるこ
とでケーブルが断線し易いという問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、固定体と可動体との間の電気
的接続手段として用いられるコネクタの損傷を防止することが可能な構成のコネクタ装置
を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るコネクタ装置は、ケーブルの端部に取り付けら
れたケーブル側ハウジング(例えば、実施形態におけるレセプタクルハウジング60)及
び当該ハウジング内に設けられてケーブルの信号線に接続されたケーブル側コンタクト(
例えば、実施形態におけるレセプタクルコンタクト80,90)を備えてなるケーブル側
コネクタ(例えば、実施形態におけるレセプタクルコネクタ50)と、基板上に取り付け
られた基板側ハウジング(例えば、実施形態におけるプラグハウジング20)及び当該ハ
ウジング内に設けられて基板上の信号端子に接続された基板側コンタクト(例えば、実施
形態におけるプラグコンタクト30,40)を備えてなる基板側コネクタ(例えば、実施
形態におけるプラグコネクタ10)とから構成され、ケーブル側ハウジングと基板側ハウ
ジングとを嵌合させたときに、ケーブル側コンタクトと基板側コンタクトとが接触してケ
ーブル側コネクタと基板側コネクタとが電気的に接続される構成のコネクタ装置であって
、ケーブル側ハウジング及び基板側ハウジングの一方に軸部(例えば、実施形態における
枢支軸部28)が形成され、ケーブル側ハウジング及び基板側ハウジングの他方に軸部と
係合する受容部(例えば、実施形態における枢支孔71)が形成され、ケーブル側ハウジ
ングと基板側ハウジングとを嵌合させたときに、軸部が受容部と係合して当該嵌合方向と
略直交する方向に延びる揺動軸をなし、ケーブル側コネクタを揺動軸を中心として基板側
コネクタに対して相対的に揺動させたときに、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの
相対位置に拘わらずケーブル側コンタクトと基板側コンタクトとが常時接触した状態を維
持しながら相対変位するように構成される。
【0010】
なお、上記構成のコネクタ装置において、ケーブル側ハウジングと基板側ハウジングと
の嵌合状態を保持するためのロック手段を有し、ロック手段が、嵌合状態を保持しながら
ケーブル側コネクタ及び基板側コネクタを相対的に揺動自在に係合させる軸部(例えば、
実施形態における枢支軸部28)及び受容部(例えば、実施形態における枢支孔71)か
らなることが好ましい。
【0011】
また、上記構成のコネクタ装置において、ケーブル側ハウジング及び基板側ハウジング
に、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの相対的な揺動範囲を制限する制限手段(例
えば、実施形態におけるV字溝29の内壁面29a及び連結部51)が設けられているこ
とが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコネクタ装置は、ケーブル側ハウジングと基板側ハウジングとを嵌合させ
たときに、軸部が受容部と係合して当該嵌合方向と略直交する方向に延びる揺動軸をなし
、ケーブル側コネクタを揺動軸を中心として基板側コネクタに対して相対的に揺動させた
ときに、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの相対位置に拘わらずケーブル側コンタ
クトと基板側コンタクトとが常時接触した状態を維持しながら相対変位するように構成さ
れる。従って、本発明のコネクタ装置では、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの間
の通電状態を維持しながらもケーブル側コネクタを基板側コネクタに対して相対的に揺動
させ得る構成が実現されるため、固定体と可動体との間の電気的接続手段として好適に用
いることが可能である。特に、本発明に係るコネクタ装置を固定体と可動体との間の電気
的接続手段として適用した場合、可動体が固定体に対して相対的に移動してケーブル側コ
ネクタに繋がるケーブルが無理やり曲げられようとしても、このケーブルに生じる張力に
よりケーブル側コネクタに対して揺動軸回りのモーメント(力のモーメント)が作用する
ことで、可動体の動作に追従するようにケーブル側コネクタが基板側コネクタに対して両
コネクタ間の通電状態を維持しながらも相対的に揺動運動して、この曲げ応力を逃がすよ
うに柔軟に姿勢変化することができるため、ケーブルに局所的な応力集中が生じるのを回
避してコネクタの損傷を未然に防止することが可能である。また、このように可動体の相
対移動によってケーブルが大きく曲げられることがないため、ケーブルには若干の遊び代
を付与すればよく、可動体の相対移動に際して固定体と可動体との間にケーブルが挟み込
まれる事態を防止することができる。
【0013】
また、上記構成のコネクタ装置において、ケーブル側ハウジングと基板側ハウジングと
の嵌合状態を保持するためのロック手段が、嵌合状態を保持しながらケーブル側コネクタ
及び基板側コネクタを相対的に揺動自在に係合させる軸部及び受容部からなることが好ま
しく、このような構成によれば、ケーブル側ハウジングと基板側ハウジングとが嵌合した
ときに軸部と受容部とが係合して適度なクリック感が得られるため、両コネクタの嵌合の
完了を確実に認識することができ、操作性を向上させることが可能になる。
【0014】
また、上記構成のコネクタ装置において、ケーブル側ハウジング及び基板側ハウジング
に、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの相対的な揺動範囲を制限する制限手段が設
けられていることが好ましく、このような構成によれば、揺動範囲を固定体に対する可動
体の可動範囲に対応させて設定することで、この揺動範囲内でケーブル側コンタクトと基
板側コンタクトとが常時接触するように設計すれば、固体体との可動体との間の電気的接
続手段としての要求を満足することができ、この揺動範囲内での両コネクタ間の通電状態
を保証することができる。また、ケーブル側コネクタを基板側コネクタに対して過度に揺
動させてケーブルを損傷させてしまうような事態が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る可動型コネクタを示す斜視図である。
【図2】上記可動型コネクタを構成するプラグコネクタを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】上記プラグコネクタの側面図である。
【図4】図2における矢印IV−IVに沿って示す断面図である。
【図5】上記プラグコネクタを構成する第1プラグコンタクトを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図6】上記プラグコネクタを構成する第2プラグコンタクトを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】上記可動型コネクタを構成するレセプタクルコネクタを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】上記レセプタクルコネクタの側面図である。
【図9】図7における矢印IX−IXに沿って示す断面図である。
【図10】図8における矢印X−Xに沿って示す断面図である。
【図11】上記レセプタクルコネクタを構成するレセプタクルコンタクトの斜視図である。
【図12】上記レセプタクルコンタクトを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図13】(a)は図12における矢視Aから見た上記レセプタクルコンタクトの矢視図、(b)は図12における矢印XII−XIIに沿って示す断面図である。
【図14】上記可動型コネクタが嵌脱位置にある状態を示す側断面図である。
【図15】レセプタクルコネクタをプラグコネクタに対して所定角度だけ揺動させた状態を示す側断面図である。
【図16】上記可動型コネクタが揺動限界位置にある状態を示す側断面図である。
【図17】固定体と可動体との間の電気的接続手段として上記可動型コネクタを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図18】可動体を固定体に対して開放した状態を示す斜視図である。
【図19】可動体を固定体に対して閉止した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の一実
施形態に係る可動型コネクタ1の斜視図を図1に示している。この可動型コネクタ1は、
基板B上に取り付けられたプラグコネクタ(基板側コネクタ)10と、複数のケーブルC
の端部に取り付けられたレセプタクルコネクタ(ケーブル側コネクタ)50とから構成さ
れており、両コネクタ10,50を嵌合させることによりケーブルCと基板Bとが電気的
に接続されるようになっている。以下の説明では便宜上、前後左右及び上下の方向を図1
に示す状態を基準として定義しており、この図1に示す矢印の方向を前後、左右、上下と
称して説明する。
【0017】
まず、プラグコネクタ10の構成について、図2〜図6を参照して説明する。このプラ
グコネクタ10は、相手方コネクタ(レセプタクルコネクタ50)との嵌脱方向が基板B
に対して垂直方向である立設型コネクタとして構成されており、基板B上に取り付けられ
たプラグハウジング20と、このハウジング20の幅方向に沿って整列状態で保持された
複数個(計32個)のプラグコンタクト30,40とを備えて構成される。なお、前述し
た図1に示す矢印の方向において、ハウジング20の幅方向を左右方向、ハウジング20
の厚さ方向を前後方向、ハウジング20の高さ方向を上下方向として定義している。
【0018】
プラグハウジング20は、樹脂等の電気絶縁性材料を用いて一体成型されており、直方
体状のベース部21と、このベース部21の上方に立設された左右の側壁25,25及び
前壁26とを有して、全体として上面及び後面開放の矩形箱形状をなし、中央にこれらの
壁面に囲まれた嵌合凹部(相手方のレセプタクルコネクタ50の嵌合凸部62,63を受
容する空間)27が形成されている。
【0019】
ベース部21には、下方に延びる円筒状の位置決め突起22が左右一対に形成されてお
り、この位置決め突起22を基板Bに表裏貫通して形成された位置決め穴(図示せず)に
嵌入させることにより、このプラグコネクタ10が基板Bに対して位置決めされるように
なっている。また、ベース部21の底面の四隅には断面矩形状の脚部23が突出形成され
ており、この4箇所の脚部23を介してプラグハウジング20が基板B上に載置される。
このベース部21には、上下に貫通する複数のコンタクト圧入孔24が左右方向に並んで
(ここでは、プラグコンタクト30,40の個数と同じで計32個のコンタクト圧入孔2
4が、左右方向に沿って16個ずつ前後二列に並んで)形成されている。
【0020】
プラグハウジング20には、左右の側壁25から外方へ突出して側面視において略小判
状に形成された一対の枢支軸部28が同一軸線上に形成されており、相手方のレセプタク
ルコネクタ50に開口形成された枢支孔71と係脱自在に係合するようになっている。こ
の枢支軸部28には、上記枢支孔71への挿入を容易にするために、左右外方へ向かって
斜め下方に傾斜する傾斜面28aが形成されている。また、左右の側壁25の上端部には
、側面視において上方に向かって拡開する略V字状に切り欠いたV字溝29が形成されて
おり、このV字溝29における二つの内壁面29a,29bの開き角度(内角)は約10
0度に設定されている。
【0021】
プラグコンタクト30,40は、金属製の導電性材料を用いて縦長の平板状に形成され
ており、ベース部21の各コンタクト圧入孔24に圧入保持されて嵌合凹部27内を上方
に向かって延びている。このプラグコンタクト30,40は、その表面に金(Au)など
の薄膜を被覆する所要の表面処理(メッキ)が施されている。
【0022】
各プラグコンタクト30,40は、プラグハウジング20に取り付けられたときに、嵌
合凹部27内に突出する接触部31,41と、コンタクト圧入孔24に圧入保持される圧
入部32,42と、この圧入部32,42から下方に延びて形成されて基板Bの信号端子
に接続されるリード部33,43とを有して一体的に構成されている。なお、第1プラグ
コンタクト30と第2プラグコンタクト40とは、圧入部32,42及びリード部33,
43がほぼ同一の形状寸法を有しているが、接触部31,41の長さが互いに異なるよう
に形成されている。
【0023】
プラグコンタクト30,40の接触部31,41は、詳細は後述するが、このプラグコ
ネクタ10に対してレセプタクルコネクタ50を枢支軸部28を中心として相対的に揺動
させたときに、この枢支軸部28の軸方向(左右方向)から見て、レセプタクルコンタク
ト80,90の接触部85,95の揺動軌跡とそれぞれ重なるように形成されており、第
1プラグコンタクト30の接触部31の長さ寸法は第2プラグコネクタ40の接触部41
の長さ寸法よりも大きく(すなわち、嵌合凹部27内での突出長も大きく)形成されてい
る。なお、第1プラグコンタクト30の接触部31の先端は略台形形状に形成されている
のに対して、第2プラグコンタクト40の接触部41の先端は上方に向かうに従って幅狭
となる先細り形状に形成されている。
【0024】
圧入部32,42には、その板幅方向(前後方向外方)に突出する矢羽根状の第1圧入
突起34,44が4箇所形成されるとともに、その板厚方向(左右方向外方)に突出する
矩形状の第2圧入突起35,45が1箇所形成されており、プラグコンタクト30,40
がコンタクト圧入孔24に下方から挿入されたとき、第2圧入突起35,45によってプ
ラグコンタクト30,40がコンタクト圧入孔24の内壁面に寄せられて板厚方向(コン
タクトの隣接ピッチ方向)の位置決めがなされ、第1圧入突起34,44がコンタクト圧
入孔24に圧入されて係止されることで、プラグコンタクト30,40がコンタクト圧入
孔24にしっかりと固定されるようになっている。
【0025】
リード部33,44は、プラグコンタクト30,40がプラグハウジング20のベース
部21に取り付けられたときに、このベース部20の底面より下方に突出して延びるよう
になっており、その下面は基板Bの配線パターン上に半田付けにより接合されている。
【0026】
このプラグコネクタ10の基板B上への取り付けは、プラグハウジング20の底面から
下方に突出する二つの位置決め突起22を基板Bに形成された位置決め孔(図示せず)に
上方から挿入して基板B上での位置決めを行った上で、プラグコンタクト30,40のリ
ード部33,43と基板B上に形成された配線パターン(図示せず)とを半田接合するこ
とによりなされる。なおこのとき、プラグハウジング20は基板Bに対して計4箇所の脚
部23のみが接触して、ベース部21の底面と基板Bの表面とは所定の隙間をあけて離間
している。
【0027】
次に、上記プラグコネクタ10と組み合わされて用いられる相手方コネクタであるレセ
プタクルコネクタ50の構成について、図7〜図13を追加参照して説明する。このレセ
プタクルコネクタ50は、相手方のプラグコネクタ10の幅方向(左右方向)とほぼ対応
するように横長に延びて設けられたレセプタクルハウジング60と、このレセプタクルハ
ウジング60の幅方向(左右方向)に沿って整列状態で保持された複数個(ここではプラ
グコンタクト30,40の個数と同じで計32個)のレセプタクルコンタクト80,90
とを有して構成される。なお、前述した図1に示す矢印の方向において、ハウジング60
の幅方向を左右方向、ハウジング60の厚さ方向を前後方向、ハウジング60の高さ方向
(プラグコネクタ10との嵌脱方向)を上下方向として定義している。
【0028】
レセプタクルハウジング60は、上記プラグハウジング20と同様に樹脂等の電気絶縁
性材料を用いて一体成形されており、レセプタクルコンタクト80,90を収容保持する
ハウジング本体61と、このハウジング本体61の左右側壁に連結部51を介して繋がる
左右一対のロックアーム70とを有して構成される。
【0029】
ハウジング本体61には、プラグコネクタ10の嵌合凹部27に嵌挿される突起状の二
つの嵌合凸部62,63が前方に段差状をなして突出形成されている(上段嵌合凸部62
の方が下段嵌合凸部63よりも前方に突出している)。ハウジング本体61の基端側(後
面側)には、前後に貫通するコンタクト挿入孔64が左右方向に並んで(ここでは、レセ
プタクルコンタクト80,90の個数と同じで計32個のコンタクト挿入孔64が、左右
方向に沿って16個ずつ上下2列に並んで)形成されており、このコンタクト挿入孔64
からレセプタクルコンタクト80,90がレセプタクルハウジング61内に挿入されるよ
うになっている。
【0030】
上段嵌合凸部62には、上列の各コンタクト挿入孔64に連通して前後方向に延びる長
孔状のコンタクト収容空間62aが左右に並んで複数(ここでは、第1レセプタクルコン
タクト80の個数と同じで計16個)形成されており、各コンタクト収容空間62a内に
第1レセプタクルコンタクト80をそれぞれ収容し得るようになっている。各コンタクト
収容空間62aは、前後方向に延びる横長板状の隔壁62bによって相互に仕切られてお
り、隣接する第1レセプタクルコンタクト80が電気的、機械的に絶縁されている。また
、上段嵌合凸部62の先端には、相手方の第1プラグコンタクト30の差込口としてコン
タクト収容空間62aを上下及び前方に開放するためのコンタクト差込口62cが開口形
成されており、これによりコンタクト収容空間62aに収容された第1レセプタクルコン
タクト80がコンタクト差込口62cを通して上下及び前方に露出されるようになってい
る。なお、このコンタクト差込口62cの開口幅(左右方向の開口幅)は、第1レセプタ
クルコンタクト80の板厚みより小さいが、相手方の第1プラグコンタクト30の板厚よ
りも大きく形成されている。
【0031】
下段嵌合凸部63には、下列の各コンタクト挿入孔64に連通して前後方向に延びる長
孔状のコンタクト収容空間63aが左右に並んで複数(ここでは、第2レセプタクルコン
タクト90の個数と同じで計16個)形成されており、各コンタクト収容空間63a内に
第2レセプタクルコンタクト90をそれぞれ収容し得るようになっている。各コンタクト
収容空間63aは、前後方向に延びる横長板状の隔壁63bによって相互に仕切られてお
り、隣接する第2レセプタクルコンタクト90が電気的、機械的に絶縁されている。また
、下段嵌合凸部63の先端には、相手方の第2プラグコンタクト40の差込口としてコン
タクト収容空間63aを上下及び前方に開放するためのコンタクト差込口63cが開口形
成されており、これによりコンタクト収容空間63aに収容された第2レセプタクルコン
タクト90がコンタクト差込口63cを通して上下及び前方に露出されるようになってい
る。なお、このコンタクト差込口63cの開口幅(左右方向の開口幅)は、第2レセプタ
クルコンタクト90の板厚みより小さいが、相手方の第2プラグコンタクト40の板厚よ
りも大きく形成されている。
【0032】
レセプタクルハウジング60には、ハウジング本体61の上壁を上下に貫通する平面視
矩形状の第1ラッチ解除孔65及び第2ラッチ解除孔66が左右方向に並んで複数(ここ
では、第1レセプタクルコンタクト80、第2レセプタクルコンタクト90の個数とそれ
ぞれ同じで計16個ずつ)形成されている。また、ハウジング本体61には、第1ラッチ
解除孔65と位置整合して(下方に位置して)第1レセプタクルコンタクト80の抜け止
め用の第1ラッチ係止壁67が形成され、第2ラッチ解除孔66と位置整合して(下方に
位置して)第2レセプタクルコンタクト90の抜け止め用の第2ラッチ係止壁68が形成
されている。
【0033】
このようなハウジング本体61に挿着されるレセプタクルコンタクト80,90は、金
属等の導電性材料の薄平板にプレス加工(打ち抜き加工及び曲げ加工)を施すことにより
一体的に形成され、全体として当該薄平板をコ字状に屈曲した形状を有しており、このコ
字形状の開口側が下方を向いてハウジング本体61のコンタクト差込口62c,63cに
対向する収容姿勢で各コンタクト収容空間62a,63a内に取り付けられる。このレセ
プタクルコンタクト80,90には、その表面に金(Au)などの薄膜を被覆する所要の
表面処理(メッキ)が施されている。なお、第1レセプタクルコンタクト80と第2レセ
プタクルコンタクト90とは同一の形状寸法である。
【0034】
第1レセプタクルコンタクト80は、左右の側板部81a及びこれらを繋ぐ上板部81
bとからなるコンタクト本体81と、このコンタクト本体81の後部に繋がって形成され
てケーブルCの端部が接続される被覆かしめ部89a及び芯線かしめ部89bとを有して
一体的に構成されている。
【0035】
レセプタクルコンタクト80,90に接続されるケーブルCは、複数本の極細電線を寄
り合わせて作られた芯線(信号線)Caが絶縁材料からなる絶縁被覆Cbにより覆われて
構成されており、絶縁被覆Cbが部分的に除去されてケーブルCの端部において芯線Ca
が露出するようになっている。このケーブルCの絶縁被覆Cbを被覆かしめ部89aによ
ってその周囲からカシメ固定し、ケーブルCにおける露出した芯線Ca部分を芯線かしめ
部89bによってかしめ固定(必要に応じて半田付け)することで、芯線Caが第1レセ
プタクルコンタクト80に電気接続されるようになっている。
【0036】
コンタクト本体81における左右の側板部81aには、この側板部81aの一部を切り
欠いて内側に折り曲げ形成されて側板部81aの下端から片持ち状に延設される左右一対
二組の弾性変形部82が設けられている(すなわち、弾性変形部82は計4個設けられて
いる)。
【0037】
左右一対の弾性変形部82は、全体として正面視で略ハ字状(末広がり)に形成されて
おり、上方に向かって互いの間隔が狭くなるように傾斜する一対の案内部83と、案内部
83の端部に繋がり互いに対向して配置される一対の挟持部84と、挟持部84から互い
に内向き凸状に突設された一対の接触部85とを有しており、左右の弾性変形部82のハ
字状に開いた下方開放端には相手方の第1プラグコンタクト30を受け入れるためのコン
タクト受入口86が形成されている。
【0038】
左右一対の接触部85は、側板部81aの下端側を固定端として幅厚方向に撓み変形可
能な弾性変形部82における自由端側にそれぞれ形成されており、この弾性変形部82の
撓み変形に応じて当該対向する方向(すなわち、互いに接近又は離間する方向)に変位可
能になっている。この一対の接触部82間の間隙は、第1プラグコンタクト30の接触部
31の厚みよりも幾分小さく形成されており、弾性変形部82の弾性力(復元力)に基づ
いて第1プラグコンタクト30の接触部31を両側から挟み込んだ状態で弾性的に接触可
能になっている。
【0039】
このように第1レセプタクルコンタクト80には、左右一対二組の弾性変形部82(す
なわち、計4個の接触部85)がそれぞれ形成されているため、詳細が後述するが、第1
レセプタクルコンタクト80と第1プラグコンタクト30とは互いに2点(第1プラグコ
ンタクト30の接触部31が第1レセプタクルコンタクト80の一組の弾性変形部82と
のみ接触する場合)又は4点(第1プラグコンタクト30の接触部31が第1レセプタク
ルコンタクト80の二組の弾性変形部82と接触する場合)で接触することが可能である

【0040】
左右の側板部81aを繋ぐ上板部81bには、この上板部81bの長手方向(前後方向
)に沿って延びる矩形状のコンタクト逃げ孔87が開設されており、このコンタクト逃げ
孔87は相手方の第1プラグコンタクト30の接触部31先端が通過可能な大きさに形成
されている。また、上板部81bには、この上板部81bの一部にコ字状に切り込みを入
れて上方向に折り曲げ形成された板バネ状のラッチ部88が設けられている。
【0041】
この第1レセプタクルコンタクト80は、レセプタクルハウジング60のハウジング本
体61に開口形成された上列のコンタクト挿入孔64から挿入され、コンタクト受入口8
6が下方を向いてコンタクト差込口62cと対向する収容姿勢で、コンタクト収容空間6
2a内に取り付けられる。このとき、第1レセプタクルコンタクト80の上板部81bに
形成されたラッチ部88がハウジング本体61に形成された第1ラッチ係止壁67に係合
して、第1レセプタクルコンタクト80の後方への移動が制止されるとともに、コンタク
ト本体81がコンタクト収容部62a内の側壁と当接して前方及び上下左右への移動が制
止され、これにより第1レセプタクルコンタクト80が抜け止め状態でレセプタクルハウ
ジング60内に固定保持される。なお、第1レセプタクルコンタクト80をレセプタクル
ハウジング60から抜脱する場合には、ハウジング本体61の第1ラッチ解除孔65を通
してラッチ部88を弾性的に押し下げた状態で、第1レセプタクルコンタクト80をまっ
すぐ後方へ引き抜けばよい。
【0042】
第2レセプタクルコンタクト90は、左右の側板部91a及びこれらを繋ぐ上板部91
bとからなるコンタクト本体91と、このコンタクト本体91の後部に繋がって形成され
てケーブルCの端部が接続される被覆かしめ部99a及び芯線かしめ部99bとを有して
一体的に構成されている。
【0043】
この第2レセプタクルコンタクト90において、ケーブルCの絶縁被覆Cbを被覆かし
め部99aによってその周囲からカシメ固定し、ケーブルCにおける露出した芯線Ca部
分を芯線かしめ部99bによってかしめ固定(必要に応じて半田付け)することで、芯線
Caが第2レセプタクルコンタクト90に電気接続されるようになっている。
【0044】
コンタクト本体91における左右の側板部91aには、この側板部91aの一部を切り
欠いて内側に折り曲げ形成されて側板部91aの下端から片持ち状に延設される左右一対
二組の弾性変形部92が設けられている(すなわち、弾性変形部92は計4個設けられて
いる)。
【0045】
左右一対の弾性変形部92は、全体として正面視で略ハ字状(末広がり)に形成されて
おり、上方に向かって互いの間隔が狭くなるように傾斜する一対の案内部93と、案内部
93の端部に繋がり互いに対向して配置される一対の挟持部94と、挟持部94から互い
に内向き凸状に突設された一対の接触部95とを有しており、左右の弾性変形部92のハ
字状に開いた下方開放端には相手方の第2プラグコンタクト40を受け入れるためのコン
タクト受入口96が形成されている。
【0046】
左右一対の接触部95は、側板部91aの下端側を固定端として幅厚方向に撓み変形可
能な弾性変形部92における自由端側にそれぞれ形成されており、この弾性変形部92の
撓み変形に応じて当該対向する方向(すなわち、互いに接近又は離間する方向)に変位可
能になっている。この一対の接触部92間の間隙は、第2プラグコンタクト40の接触部
41の厚みよりも幾分小さく形成されており、弾性変形部92の弾性力(復元力)に基づ
いて第2プラグコンタクト40の接触部41を両側から挟み込んだ状態で弾性的に接触可
能になっている。
【0047】
このように第2レセプタクルコンタクト90には、左右一対二組の弾性変形部92(す
なわち、計4個の接触部95)がそれぞれ形成されているため、詳細が後述するが、第2
レセプタクルコンタクト90と第2プラグコンタクト40とは互いに2点(第2プラグコ
ンタクト40の接触部41が第2レセプタクルコンタクト90の一組の弾性変形部92と
のみ接触する場合)又は4点(第2プラグコンタクト40の接触部41が第2レセプタク
ルコンタクト90の二組の弾性変形部92と接触する場合)で接触することが可能である

【0048】
左右の側板部91aを繋ぐ上板部91bには、この上板部91bの長手方向(前後方向
)に沿って延びる矩形状のコンタクト逃げ孔97が開設されており、このコンタクト逃げ
孔97は相手方の第2プラグコンタクト40の接触部41先端が通過可能な大きさに形成
されている。また、上板部91bには、この上板部91bの一部にコ字状に切り込みを入
れて上方向に折り曲げ形成された板バネ状のラッチ部98が設けられている。
【0049】
この第2レセプタクルコンタクト90は、レセプタクルハウジング60のハウジング本
体61に開口形成された下列のコンタクト挿入孔64から挿入され、コンタクト受入口9
6が下方を向いてコンタクト差込口63cと対向する収容姿勢で、コンタクト収容空間6
3a内に取り付けられる。このとき、第2レセプタクルコンタクト90の上板部91bに
形成されたラッチ部98がハウジング本体61に形成された第2ラッチ係止壁68に係合
して、第2レセプタクルコンタクト90の後方への移動が制止されるとともに、コンタク
ト本体91がコンタクト収容部63a内の側壁と当接して前方及び上下左右への移動が制
止され、これにより第2レセプタクルコンタクト90が抜け止め状態でレセプタクルハウ
ジング60内に固定保持される。なお、第2レセプタクルコンタクト90をレセプタクル
ハウジング60から抜脱する場合には、ハウジング本体61の第2ラッチ解除孔66を通
してラッチ部98を弾性的に押し下げた状態で、第2レセプタクルコンタクト90をまっ
すぐ後方へ引き抜けばよい。
【0050】
一方、ハウジング本体61の左右に形成される各ロックアーム70は、その板厚方向(
左右方向)に弾性変形可能な厚みを有した略矩形板状に形成されており、ハウジング本体
61から左右外方に突出する連結部51を介してハウジング本体61に一体的に繋がって
いる。ロックアーム70の中央には、プラグコネクタ10の枢支軸部28の軸径よりも幾
分大きな円孔状に形成された枢支孔71が開設されており、この枢支孔71に枢支軸部2
8が係合(嵌入)可能になっている。ロックアーム70の内面側には、その下端から上方
に延びる凹状の案内溝72が形成されており、この案内溝72の上端に上記枢支孔71と
滑らかに繋がる傾斜面73が形成されている。これにより、レセプタクルコネクタ50の
左右の案内溝72をプラグコネクタ10の左右の枢支軸部28に概略位置合わせして下方
に移動させることで、枢支軸部28と案内溝72とが互いの傾斜面によって相互に案内さ
れて、枢支孔71を枢支軸部28に係合させることができ、該係合状態でレセプタクルコ
ネクタ50がプラグコネクタ10に対して枢支軸部28を中心として揺動可能になる。な
お、この枢支軸部28の軸線中心(揺動軸の軸線中心)に符号Xを付して適宜図示してい
る。
【0051】
ロックアーム70の反係合部の端部(上端)には、このロックアーム70の係合状態を
解除させるべく押圧操作される操作部74が形成されており、この操作部74を左右内方
に押圧操作することで、枢支孔71を有するロックアーム70の下端を連結部51との接
合部を中心として左右外方に撓み変形させて、枢支孔71を枢支軸部28に対して係合を
解除し得る位置に変位させることができる。
【0052】
なお、このようにレセプタクルコネクタ50は枢支軸部28を中心としてプラグコネク
タ10に対して相対的に揺動可能であるが、レセプタクルコネクタ50の一方向(図14
における時計回り方向)への揺動は、連結部51がV字溝29の内壁部29aに当接した
ところで制限され、他方向(図14における反時計回り方向)への揺動は、レセプタクル
ハウジング60のハウジング本体61下端がベース部21の前壁26上端に当接したとこ
ろで制限される。ここで、嵌合凸部62,63と嵌合凹部27とを互いに嵌合・抜脱させ
る位置(「嵌脱位置」と称する)では、ハウジング本体61下端とベース部21の前壁2
6上端との間には僅かな隙間しかないため、この嵌脱位置を上記の一方向(時計回り方向
)への揺動が制限される位置としてみなすことができる。よって、レセプタクルコネクタ
50は、実質的にみて、嵌合凸部62,63と嵌合凹部27とが嵌合・抜脱する嵌脱位置
(「揺動初期位置」とも称する)と、連結部51がV字溝29の内壁面29aに当接する
位置(「揺動限界位置」と称する)との間で(本実施形態では約60度の角度範囲で)揺
動し得る。
【0053】
次に、このように構成されるコネクタ1において、レセプタクルハウジング60の嵌合
凸部62,63とプラグハウジング20の嵌合凹部27とを嵌合接続する場合には、レセ
プタクルコネクタ50の嵌合凸部62,63をプラグコネクタ10の嵌合凹部27に位置
合わして、レセプタクルコネクタ50をプラグコネクタ10の真上から降下させる。こう
してレセプタクルコネクタ50を上方からプラグコネクタ10に接近させると、プラグコ
ネクタ10の枢支軸部28がプラグコネクタ10の案内溝72に入り込んでこの案内溝7
2の内面に摺接する。そして、枢支軸部28の傾斜面28aが案内溝72の傾斜面73に
当接したところで、互いの傾斜面の作用を受けてこの枢支軸部28がロックアーム70を
左右外方に押圧してロックアーム70をこの枢支軸部28から離れる方向に撓み変形させ
る。枢支軸部28の傾斜面28aが案内溝72の傾斜面73を乗り越えたところで、左右
外方へ撓み変形していたロックアーム70が自身の復元弾性により垂直姿勢に復帰し、枢
支軸部28が枢支孔71に係合する。このように枢支軸部28が枢支孔71に係合したと
きにクリック感が得られ、これと同時に嵌合凸部62,63が嵌合凹部27内に嵌入して
、レセプタクルハウジング60とプラグハウジング20とが嵌合することで、レセプタク
ルコネクタ50とプラグコネクタ10とが結合状態となる。
【0054】
また、このとき同時に、第1プラグコンタクト30の接触部31が、コンタクト差込口
62cを通して第1レセプタクルコンタクト80のコンタクト受入口86から一対の弾性
変形82間に入り込み、第1レセプタクルコンタクト80の左右の接触部85に挟み込ま
れた状態で弾性的に接触する。また同様に、第2プラグコンタクト40の接触部41が、
コンタクト差込口63cを通して第2レセプタクルコンタクト90のコンタクト受入口9
6から入り込み、第2レセプタクルコンタクト90の左右の接触部95に挟み込まれた状
態で弾性的に接触する。これにより、レセプタクルコンタクト80,90に接合されたケ
ーブルCとプラグコンタクト30,40に接合された基板Bとが、両コンタクトを介して
電気的に接続された状態となって、両コネクタ10,50間における信号伝送が可能とな
る。
【0055】
ここで、各レセプタクルコンタクト80,90は、前述したように、左右一対二組の弾
性変形部82,92をそれぞれ有しており(すなわち、計4個の接触部85,95をそれ
ぞれ有しており)、レセプタクルコンタクト80,90とプラグコンタクト30,40と
は最大で4点接触が可能である。この両コネクタ10,50の嵌脱位置では、第1プラグ
コンタクト30の接触部31は第1レセプタクルコンタクト80の一組の接触部85との
み接触しているため、第1レセプタクルコンタクト80と第1プラグコンタクト30とは
2点で接触する。一方、第2プラグコンタクト40の接触部41は第2レセプタクルコン
タクト90の二組の接触部85と接触しているため、第2レセプタクルコンタクト90と
第2プラグコンタクト40とは4点で接触する。
【0056】
なお、レセプタクルハウジング60の嵌合凸部62,63とプラグハウジング20の嵌
合凹部27との誤嵌合を防止するために、プラグハウジング20にはベース部21から上
方に突出する前壁26が立設されており、レセプタクルハウジング20とプラグハウジン
グ70とが互いに正規の向きの場合に両者の嵌合を許容し、レセプタクルハウジング20
とプラグハウジング70とが互いに正規の向きでない場合に両者の嵌合を規制する(前壁
26とハウジング本体61とが当接して嵌合凸部62,63が嵌合凹部27内に嵌入され
ない)ようになっており、これにより両コネクタ10,50の誤嵌合によって互いのコン
タクト30,40,80,90が破損することなく、安定した接続を得ることができる。
また、この前壁26は、前述したように、レセプタクルコネクタ50の他方向(図14等
における時計回り方向)への揺動を制限する揺動範囲制限手段としての機能も果たしてい
る。
【0057】
続いて、このようにレセプタクルハウジング60の嵌合凸部62,63とプラグハウジ
ング20の嵌合凹部27とが嵌合接続された状態において、レセプタクルコネクタ50を
プラグコネクタ10に対して枢支軸部28を中心として相対的に揺動させると、レセプタ
クルコンタクト80,90がプラグコンタクト30,40を挟み込んで弾性的に接触した
状態を維持しながら揺動する。ここで、前述したように、レセプタクルコネクタ50はプ
ラグコネクタ10に対し嵌脱位置と揺動限界位置との間で揺動することが可能であるが、
この動作の流れを図14〜図16(基板B及びケーブルCの図示省略)に示しており、以
下において簡潔に説明する。なお、図中において、レセプタクルコネクタ50におけるレ
セプタクルコンタクト80,90の接触部85,95の揺動軌跡(換言すれば、レセプタ
クルコンタクト80,90とプラグコンタクト30,40との接点の軌跡)を太線で付記
している。
【0058】
まず、図14に示すように、レセプタクルハウジング60の嵌合凸部62,63とプラ
グハウジング20の嵌合凹部27とが嵌合・抜脱する嵌脱位置(揺動初期位置)では、前
述したように、第1レセプタクルコンタクト80と第1プラグコンタクト30とは2点で
接触し、第2レセプタクルコンタクト90と第2プラグコンタクト40とは4点で接触し
ている。
【0059】
この状態から、図15に示すように、レセプタクルコネクタ50を揺動初期位置から所
定角度だけ枢支軸部28まわりに揺動させると、第1プラグコンタクト30の接触部31
が第1レセプタクルコンタクト80の二組の弾性変形部62の両者に入り込んでこれら計
4個の接触部85と弾性的に接触し、第1レセプタクルコンタクト80と第1プラグコン
タクト30とは4点で接触する。一方、第2プラグコンタクト40の接触部41は第1レ
セプタクルコンタクト90の二組の接触部95と弾性的に接触して互いに4点で接触した
状態を維持している。
【0060】
そして、図16に示すように、レセプタクルコネクタ50が揺動限界位置に達すると、
レセプタクルコネクタ50の連結部51がV字溝29の内壁面29aに当接して、これに
よりレセプタクルコネクタ50の揺動が制限される。なお、この揺動限界位置において、
第1レセプタクルコンタクト80と第1プラグコンタクト30とは4点で接触した状態を
維持するとともに、第2レセプタクルコンタクト90と第2プラグコンタクト40とは4
点で接触した状態を維持している。このようにレセプタクルコネクタ50を揺動させたと
き、枢支軸部28の軸方向(図14等の紙面直交方向)から見て、各レセプタクルコンタ
クト80,90の接触部85,95の揺動軌跡はプラグコンタクト30,40の接触部3
1,41と重なるようになっており、換言すれば、レセプタクルコンタクト80,90と
プラグコンタクト30,40との接点の位置が枢支軸部28まわりに円弧を描くように変
位していることが分かる。
【0061】
なお、レセプタクルコンタクト80,90の上板部81b,91bにはコンタクト逃げ
孔87,97が形成されているため、レセプタクルコンタクト80,90の奥行き(上下
方向寸法)を小さくしても、プラグコンタクト30,40の接触部31,41の先端は上
板部81b,91bに干渉することなくコンタクト逃げ孔87,97から突出してスムー
ズに揺動変位することができる。
【0062】
以上のことからも分かるように、レセプタクルハウジング60とプラグハウジング20
とが嵌合したときにプラグコンタクト30,40の接触部31,41がレセプタクルコン
タクト80,90の接触部85,95に挟み込まれた状態で弾性的に接触するようになっ
ており、レセプタクルコネクタ50をプラグコネクタ10に対して相対的に揺動させた場
合に、レセプタクルコンタクト80,90の接触部85,95がプラグコンタクト30,
40に対して弾性的に接触した状態を維持しながらそれぞれ摺動する。そのため、レセプ
タクルコネクタ50をプラグコネクタ10に対して相対的に揺動させても、これらレセプ
タクルコネクタ50及びプラグコネクタ10の相対位置に拘わらず、レセプタクルコンタ
クト80,90とプラグコンタクト30,40とは常時接触しており、これによりプラグ
コネクタ10とレセプタクルコネクタ50とを常に電気的に接続された状態とすることが
できる。
【0063】
なお、このように両コネクタ10,50が嵌合接続した状態から両コネクタ10,50
を分離するには、レセプタクルコネクタ50をプラグコネクタ10に対して嵌脱位置に位
置させた上で、ロックアーム70の左右の操作部74を互いに内向き方向(互いに接近す
る方向)に押圧操作して、レセプタクルコネクタ50の枢支孔71とプラグコネクタ10
の枢支軸部28との係合を解除した状態で、レセプタクルコネクタ50をプラグコネクタ
10から引き離せばよい。
【0064】
従って、本実施形態に係る可動型コネクタ1によれば、レセプタクルコンタクト80,
90及びプラグコンタクト30,40の双方をそれぞれ二列配置とした場合でも、プラグ
コネクタ10とレセプタクルコネクタ50との間の通電状態を維持しながらもレセプタク
ルコネクタ50をプラグコネクタ10に対して相対的に揺動させ得る構成が実現されるた
め、固定体と可動体との間の電気的接続手段として好適に用いることが可能であるととも
に、信号線(極数)が増加しても各コンタクトを一列配置とした場合と比してハウジング
の幅方向寸法を略半分に短小化して、コネクタ全体の小型化を図ることができる。
【0065】
また、この可動型コネクタ1において、枢支軸部28の軸線(揺動軸の軸線)が複数の
第1プラグコンタクト30と複数の第2プラグコンタクト40との間に配置されており、
第1レセプタクルコンタクト80及び第2レセプタクルコンタクト90が枢支軸部28を
中心として第1プラグコンタクト30及び第2プラグコンタクト40に対して相対的に揺
動したときの各レセプタクルコンタクト80,90の接触部85,95の揺動半径を小さ
く抑えることができるため、コネクタ全体の更なる小型化が可能である。
【0066】
また、このように構成される可動型コネクタ1によれば、レセプタクルコネクタ50が
プラグコネクタ10に対して相対的に揺動した場合に、レセプタクルコンタクト80,9
0の一対の接触部85,95とプラグコンタクト30,40の接触部31,41とは安定
した挟み込みによる接触状態を維持できるため、レセプタクルコンタクト80,90とプ
ラグコンタクト30,40との相対位置に拘わらず両者間の接触不良が生じ難く、これに
より電気的接続の信頼性を向上させることが可能である。
【0067】
また、この可動型コネクタ1において、レセプタクルコンタクト80,90が一対の弾
性変形部82,92を二組有しており、レセプタクルコネクタ50とプラグコネクタ10
との相対位置に拘わらず、レセプタクルコンタクト80,90とプラグコンタクト30,
40とが弾性的に4点で接触し得るため、電気的接触点を更に増大させることができると
ともに、両コンタクト間の位置ズレに対しても接触不良が生じ難くなり、電気的接続の信
頼性をより高めることが可能である。
【0068】
また、この可動型コネクタ1において、レセプタクルハウジング60とプラグハウジン
グ20とを嵌合させたときに、プラグコンタクト30,40の接触部31,41がレセプ
タクルコンタクト80,90における一対の弾性変形部82,92の間で案内部83,9
3によって一対の接触部85,95と弾性的に接触する位置へ案内される構成であるため
、レセプタクルハウジング60とプラグハウジング20とを嵌合させたときに、プラグコ
ンタクト30,40の接触部31,41をレセプタクルコンタクト80,90の一対の接
触部85,95間により一層円滑に導入することが可能になる。
【0069】
また、この可動型コネクタ1において、レセプタクルコンタクト80,90の上板部8
1b,91bには、レセプタクルコネクタ50をプラグコネクタ10に対して枢支軸部2
8を中心として相対的に揺動させたときに、プラグコンタクト30,40の接触部31,
41が通過可能なコンタクト逃げ孔87,97が形成されており、レセプタクルコネクタ
50がプラグコネクタ10に対して相対的に揺動して、レセプタクルコンタクト80,9
0とプラグコンタクト30,40との相対位置が変位したときに、プラグコンタクト30
,40の接触部31,41がレセプタクルコンタクト80,90の奥行き側にある上板部
81b,91bに干渉することなくコンタクト逃げ孔87,97を通過することができる
ため、レセプタクルコンタクト80,90内にプラグコンタクト30,40における接触
部31,41の揺動スペースを大きく確保する必要はなく、レセプタクルコンタクト80
,90の奥行き方向の寸法を短小化することができる。
【0070】
次に、本実施形態に係る可動型コネクタ1を固定体110と可動体120との間の電気
的接続手段として適用した構成について、図17〜図19を追加参照して説明する。可動
体120は固定体110の前面において互いの正面左側上下に配設されたヒンジ機構(図
示せず)を利用して前方に横開き開閉可能に取り付けられており、固定体110の後面側
に取り付けられた制御装置111と可動体120の前面側に取り付けられた電装品(電気
部品)121とが電気的に接続されて、制御装置111により電装品121の作動が制御
されるように構成されている。ここで、固定体110及び可動体120の組み合わせを、
例えばパチンコ機に適用した場合には、遊技盤を立設姿勢で収容保持する本体枠部材が固
定体に該当し、本体枠の前面側にヒンジ機構を介して横開き開閉及び着脱が可能に取り付
けられ電飾装置(LED等)や音響装置(スピーカ)等を備えるガラス枠部材が可動体に
該当する。なお、本実施形態の可動型コネクタ1は、パチンコ機に代表される遊技機に限
定されず、開閉式の操作パネルが有る制御機器や装置など、又は折り畳み式の携帯型端末
やノート型パーソナルコンピュータ等の他の装置にも適用可能である。
【0071】
可動型コネクタ1は、固定体110と可動体120との間の電気的接続手段として、固
定体110に取り付けられた制御装置111と可動体120に取り付けられた電装品12
1との間を電気的に接続する役割を担っている。
【0072】
プラグコネクタ10は、可動体120の前面側に配設された電装品121に電線(図示
せず)を介して接続された基板B上に実装されており、プラグコンタクト30,40のリ
ード部33,44が接続された当該基板Bを介して電装品121に接続されている。
【0073】
レセプタクルコネクタ50は、レセプタクルコンタクト80,90が接続されたケーブ
ルCを介して制御装置111と接続されており、固定体110の左側縁部に表裏貫通して
形成されたケーブル引出孔112を通して固定体110の前面側に引き出されている。ケ
ーブル引出孔112は、可動体120が固定体110に対し閉止された状態で、可動体1
20の後面側に取り付けられた基板B及びプラグコネクタ10と前後に対向するように配
置されている。
【0074】
可動型コネクタ1は、固定体110に対し可動体120を開放した状態(可動体110
を開いた状態)で、可動体120の後面側に基板Bを介して固定されたプラグコネクタ1
0に、固定体110の前面側に引き出されたレセプタクルコネクタ50が嵌合接続されて
、可動体120の後面側に一体的に取り付けられる。こうしてプラグコネクタ10とレセ
プタクルコネクタ50とが嵌合接続されると、両コネクタ10,50を介してケーブルC
に接続された制御装置111と基板Bに接続された電装品121とが電気的に接続された
状態となって、両者間の信号伝送によって電装品121の作動が可能となる。
【0075】
このように可動体120が固定体110に対し開放された状態では、図18に示すよう
に、レセプタクルコネクタ50はプラグコネクタ10に対して嵌脱可能な揺動初期位置に
位置し、ケーブルC端部におけるレセプタクルコネクタ50からケーブル引出孔112に
至る部分(ケーブル引出孔112から前方に引き出されたケーブル部分)は前後方向に延
びている。
【0076】
そして、図19に示すように、可動体120をヒンジ機構により後方に揺動させると、
レセプタクルコネクタ50はケーブルCに生じる張力によって(自己の位置を維持するよ
うに)プラグコネクタ10に対して相対的に揺動する。このようにレセプタクルコネクタ
50はプラグコネクタ10に対して相対的に揺動自在であり、可動体120の動作に起因
してケーブルCが無理やり曲げられて過度なストレス(主に曲げ応力)が生じようとして
も、このケーブルCに生じる張力によりレセプタクルコネクタ50に対して枢支軸部28
回りのモーメント(力のモーメント)が作用することで、可動体120の動作に追従する
ようにレセプタクルコネクタ50がプラグコネクタ10に対して相対的に揺動運動して、
この曲げ応力を逃がすように柔軟に姿勢変化することができるため、ケーブルCに局所的
な応力集中が生じるのを回避してコネクタの損傷を未然に防止することが可能である。よ
って、レセプタクルコネクタ50がプラグコネクタ10に対して揺動限界位置に達したと
きでも、ケーブルCは曲げられることなくケーブル引出孔112をほぼ前後に延びた状態
を維持できる。
【0077】
なお、このように可動体120が固定体110に対して揺動開閉したとき(すなわち、
レセプタクルコネクタ50がプラグコネクタ10に対して相対的に揺動したとき)でも、
レセプタクルコンタクト80,90とプラグコンタクト30,40とは常時接触した状態
を維持しながら相対変位し、レセプタクルコネクタ50とプラグコネクタ10との間の通
電状態は維持される。
【0078】
以上、本実施形態に係る可動型コネクタ1によれば、可動体120が固定体110に対
し開閉揺動してレセプタクルコネクタ50に繋がるケーブルCが無理やり曲げられようと
しても、このケーブルCに生じる張力によりレセプタクルコネクタ50に対して揺動軸回
りのモーメント(力のモーメント)が作用することで、可動体の動作に追従するようにレ
セプタクルコネクタ50がプラグコネクタ10に対して両コネクタ10,50間の通電状
態を維持しながらも相対的に揺動運動して、この曲げ応力を逃がすように柔軟に姿勢変化
することができるため、ケーブルCに局所的な応力集中が生じるのを回避してコネクタの
損傷を未然に防止することが可能である。
【0079】
また、このように可動体120の開閉揺動によってケーブルCが大きく曲げられること
がないため、ケーブルCには若干の遊び代を付与すればよく、可動体120の開閉揺動に
際して固定体110と可動体120との間にケーブルCが挟み込まれる事態を防止するこ
とができる。
【0080】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明の範囲は上述の実施形
態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態において可動型コネクタ1に設
けられたレセプタクルコンタクト及びプラグコンタクトの個数(極数)はそれぞれ32個
であったが、これは一例に過ぎず、コンタクトの個数は幾つであってもよい。また、上述
の実施形態では、各コンタクトをハウジングの幅方向に沿って前後2列で配置しているが
、これに限定されるものではなく、ハウジングの幅方向に沿って一列の配置であってもよ
い。さらに、上述の実施形態では、プラグコンタクトが基板に接続されレセプタクルコネ
クタがケーブルに接続された基板対ケーブル型のコネクタであったが、これに限定される
ものではなく、基板対基板型のコネクタや、ケーブル対ケーブル型のコネクタであっても
よい。
【0081】
また、上述の実施形態では、可動体120(揺動側)に基板側コネクタとしてのプラグ
コネクタ10を取り付け、このプラグコネクタ10にケーブル側コネクタとしてのレセプ
タクルコネクタ50を嵌合・抜脱自在に取り付ける構成を例示したが、これに限定される
ものではなく、可動体(揺動側)にケーブル側コネクタ(レセプタクルコネクタ)を取り
付け、このケーブルコネクタに基板側コネクタ(プラグコネクタ)を嵌合・抜脱自在に取
り付ける構成であってもよく、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとが揺動軸を中心と
して互いに相対的に揺動可能であれば特に限定されるものではない。
【0082】
また、上述の実施形態では、プラグコネクタ10に左右方向外方へ突出する枢支軸部2
8を設け、レセプタクルコネクタ50にロックアーム70を左右に貫通する枢支孔71を
設けているが、レセプタクルコネクタ50がプラグコネクタ10に対して相対的に揺動可
能及び係脱可能に取り付けられる構成であればよく、例えば、枢支軸部と枢支孔との配設
関係を逆に構成してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 可動型コネクタ(コネクタ装置)
10 プラグコネクタ(基板側コネクタ)
20 プラグハウジング(基板側ハウジング)
27 嵌合凹部
28 枢支軸部(軸部、ロック手段)
29 V字溝(制限手段)
30 第1プラグコンタクト(基板側コンタクト)
31 接触部
40 第2プラグコンタクト(基板側コンタクト)
41 接触部
50 レセプタクルコネクタ(ケーブル側コネクタ)
51 連結部(制限手段)
60 レセプタクルハウジング(ケーブル側ハウジング)
62 上段嵌合凸部
63 下段嵌合凸部
70 ロックアーム
71 枢支孔(受容部、ロック手段)
74 操作部
80 第1レセプタクルコンタクト(ケーブル側コンタクト)
81 コンタクト本体
81b 上板部
83 案内部
85 接触部
87 コンタクト逃げ孔
90 第2レセプタクルコンタクト(ケーブル側コンタクト)
91 コンタクト本体
91b 上板部
93 案内部
95 接触部
97 コンタクト逃げ孔
C ケーブル
B 基板
X 枢支軸部の軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの端部に取り付けられたケーブル側ハウジング及び当該ハウジング内に設けら
れて前記ケーブルの信号線に接続されたケーブル側コンタクトを備えてなるケーブル側コ
ネクタと、基板上に取り付けられた基板側ハウジング及び当該ハウジング内に設けられて
前記基板上の信号端子に接続された基板側コンタクトを備えてなる基板側コネクタとから
構成され、前記ケーブル側ハウジングと前記基板側ハウジングとを嵌合させたときに、前
記ケーブル側コンタクトと前記基板側コンタクトとが接触して前記ケーブル側コネクタと
前記基板側コネクタとが電気的に接続される構成のコネクタ装置であって、
前記ケーブル側ハウジング及び前記基板側ハウジングの一方に軸部が形成され、
前記ケーブル側ハウジング及び前記基板側ハウジングの他方に前記軸部と係合する受容
部が形成され、
前記ケーブル側ハウジングと前記基板側ハウジングとを嵌合させたときに、前記軸部が
前記受容部と係合して当該嵌合方向と略直交する方向に延びる揺動軸をなし、
前記ケーブル側コネクタを前記揺動軸を中心として前記基板側コネクタに対して相対的
に揺動させたときに、前記ケーブル側コネクタと前記基板側コネクタとの相対位置に拘わ
らず前記ケーブル側コンタクトと前記基板側コンタクトとが常時接触した状態を維持しな
がら相対変位することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記ケーブル側ハウジングと前記基板側ハウジングとの嵌合状態を保持するためのロッ
ク手段を有し、
前記ロック手段が、前記嵌合状態を保持しながら前記ケーブル側コネクタ及び前記基板
側コネクタを相対的に揺動自在に係合させる前記軸部及び前記受容部からなることを特徴
とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記ケーブル側ハウジング及び前記基板側ハウジングに、前記ケーブル側コネクタと前
記基板側コネクタとの相対的な揺動範囲を制限する制限手段が設けられていることを特徴
とする請求項1又は2に記載のコネクタ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−4332(P2013−4332A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134796(P2011−134796)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000105338)ケル株式会社 (51)