コネクタ
【課題】小型化を実現しつつ接触不良を防止できるコネクタに関する。
【解決手段】当該コネクタ1は、一本以上の第1被覆導線を含む第1ケーブルL1が両端から延び且つ当該第1ケーブルの外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有する第1保持部2と、一本以上の第2被覆導線L2が少なくとも一端から延び且つ当該第2被覆導線L2の外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有する第2保持部3と、第1保持部2の下部に設けられた一以上の第1開口部を介して第1被覆導線L1の導体に接続し、且つ第2保持部3の上部に設けられた一以上の第2開口部を介して第2被覆導線L2の導体に接続するための所定の数の端子を有し、第1保持部2と第2保持部3とを連結する本体部4とを備える。
【解決手段】当該コネクタ1は、一本以上の第1被覆導線を含む第1ケーブルL1が両端から延び且つ当該第1ケーブルの外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有する第1保持部2と、一本以上の第2被覆導線L2が少なくとも一端から延び且つ当該第2被覆導線L2の外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有する第2保持部3と、第1保持部2の下部に設けられた一以上の第1開口部を介して第1被覆導線L1の導体に接続し、且つ第2保持部3の上部に設けられた一以上の第2開口部を介して第2被覆導線L2の導体に接続するための所定の数の端子を有し、第1保持部2と第2保持部3とを連結する本体部4とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹線ケーブルから分岐ケーブルを分岐させるコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、バス配線には、幹線ケーブルから分岐ケーブルを分岐させるためのコネクタが用いられている。このコネクタは、メインユニットに接続された幹線ケーブルと分岐ケーブルとの分岐位置に設けられ、幹線ケーブルと分岐ケーブルとを電気的に接続する。
【0003】
このようなコネクタについて、特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、FA(ファクトリーオートメーション)においては、コントロールユニットと複数の入出力機器との間をケーブルで接続することにより、ケーブルを通じてコントロールユニットと入出力機器との間の信号の伝送を行うようにすることが記載されており、並列多芯の幹線ケーブルと並列多芯の分岐ケーブルとを電気的に接続するための並列多芯ケーブル相互接続用コネクタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−222291号公報
【特許文献2】特開平7−18357号公報
【特許文献3】特開2001−35554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、上記従来技術について検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、上記のコネクタを小型の装置などに用いる場合、コネクタの小型化に伴い、幹線ケーブル及び分岐ケーブルも当然細くなる。ケーブルが細くなると、接続端子とケーブルとの接触面積が小さくなるため、接続端子とケーブルとの接続が不確実となり接触不良が生じるおそれがある。このような接触不良を防止するためには、接続端子に対してケーブルを精度良く圧入させる必要がある。このような問題は、上記FAの分野など、ある程度の太さを有するケーブルが用いられるコネクタでは考慮する必要がなく、従来のコネクタでは検討されていなかった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、小型化を実現しつつ接触不良を防止できるコネクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るコネクタは、一本以上の第1被覆導線を含む第1ケーブルが両端から延び且つ当該第1ケーブルの外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第1保持部と、一本以上の第2被覆導線が少なくとも一端から延び且つ当該第2被覆導線の外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第2保持部と、第1保持部の下部に設けられた一以上の第1開口部を介して第1被覆導線の導体に接続し、且つ第2保持部の上部に設けられた一以上の第2開口部を介して第2被覆導線の導体に接続するための所定の数の端子を有し、第1保持部と第2保持部とを連結する本体部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記第1保持部は、第1ケーブルの一方側に配置されるボトムカバーと、第1ケーブルの他方側に配置され、端子が挿通される第1開口部が形成されたボトムサブカバーとを有し、ボトムカバー及びボトムサブカバーによって、第1ケーブルを一方側及び他方側から挟持することが可能にされており、第2保持部は、第2被覆導線の一方側に配置されるトップカバーと、第2被覆導線の他方側に配置され、端子が挿通される第2開口部が形成されたトップサブカバーとを有し、トップカバー及びトップサブカバーによって、第2被覆導線を一方側及び他方側から挟持することが可能にされている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上部及び下部を有する第1保持部及び第2保持部によって第1被覆導線及び第2被覆導線を保持し、第1保持部の下部に設けられた第1開口部を介して第1被覆導線と端子とが接続すると共に、第2保持部の上部に設けられた第2開口部を介して第2被覆導線と端子とが接続する。したがって、第1被覆導線及び第2被覆導線を高精度に位置決めして保持することができ、端子に第1被覆導線及び第2被覆導線を精度良く圧入できる。これにより、小型化を実現しつつ接触不良を防止できる。また、第1ケーブルを保持する第1保持部、第2被覆導線を保持する第2保持部、及び、第1保持部及び第2保持部を上下方向において連結する本体部を備えている。したがって、第1保持部、本体部、第2保持部の順に配置して上下方向から力を加えることによって組み立てることができる。つまり、各パーツを配置し、上下方向から押し込むだけで幹線ケーブルと分岐ケーブルとを電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係るコネクタの斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタの分解斜視図である。
【図3】図1に示すコネクタの分解斜視図である。
【図4】第1保持部を示す斜視図である。
【図5】第1保持部を構成するボトムカバーを示す斜視図である。
【図6】第1保持部を構成するボトムサブカバーを示す斜視図である。
【図7】第2保持部を示す斜視図である。
【図8】第2保持部を構成するトップカバーを示す斜視図である。
【図9】第2保持部を構成するトップサブカバーを示す斜視図である。
【図10】本体部を示す斜視図である。
【図11】本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示すa−a線(図1)断面図である。
【図12】本体部と第1保持部及び第2保持部とが連結した状態を示すa−a線(図1)断面図である。
【図13】コネクタの一使用形態を示す分解斜視図である。
【図14】コネクタの一使用形態を示す斜視図である。
【図15】第2実施形態に係るコネクタの斜視図である。
【図16】第2保持部を示す斜視図である。
【図17】図16に示す第2保持部を構成するトップカバーを示す斜視図である。
【図18】第3実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。
【図19】図18に示すコネクタの分解斜視図である。
【図20】本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るコネクタの各実施形態を、図1〜図20を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコネクタの斜視図である。図2は、図1に示すコネクタの分解斜視図である。また、図3は、図1に示すコネクタの分解斜視図である。以下の説明では、図1〜図3におけるコネクタ1において、X方向を幅方向(左右方向)、Y方向を長さ方向(前後方向)、Z方向を高さ方向(上下方向)とする。
【0013】
図1〜図3に示すコネクタ1は、幹線ケーブル(第1ケーブル)L1と、この幹線ケーブルL1から分岐される分岐ケーブルL2とを電気的に接続する部品である。より詳細には、このコネクタ1は、例えばコントロールユニットに接続された幹線ケーブルL1から分岐ケーブルL2を分岐させるための配線手段であり、コントロールユニットと分岐ケーブルL2に接続されたアドレスユニット(入出力機器)との間で信号の通信などを可能にする。コネクタ1は、例えば小型電気機器に用いられ、より詳細には、例えばプリンターやFAX等のオフィスオートメーション機器、自動販売機、医療器械、家庭用電化製品等の電子機器の内部や、センサーネットワーク、屋内空調コントロール、自動車センサシステムにおいて分岐配線に用いられる。
【0014】
コネクタ1は、幹線ケーブルL1を保持する第1保持部2と、分岐ケーブルL2を保持する第2保持部3と、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とを電気的に接続すると共に、第1保持部2及び第2保持部3を連結する本体部4とを備えている。コネクタ1の外形寸法は、第1保持部2及び第2保持部3が本体部4に連結された図1に示す状態において、例えば長さが9.4mm、幅が11.4mm、高さが7.3mm程度となっている。コネクタ1は、例えば材料としては、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、非晶ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等様々な樹脂を使用できる。更に透明(乳白色透明等、色付きの透明も含む)な材料から形成されている。なお、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2は、複数の被覆導線(第1被覆導線、第2被覆導線)を含んで構成されおり、複数の被覆導線が絶縁被覆を介して一体的に並列に配された並列多芯ケーブルである。被覆導線の外径は、例えばφ0.8〜1.4mm程度である。
【0015】
最初に、第1保持部2について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、第1保持部を示す斜視図である。図5は、第1保持部を構成するボトムカバーを示す斜視図である。また、図6は、第1保持部を構成するボトムサブカバーを示す斜視図である。
【0016】
図4〜図6に示すように、第1保持部2は、ボトムカバー20と、ボトムサブカバー21とから構成されている。図5に示すように、ボトムカバー20は、矩形状の基体部23と、この基体部23の両端側に立設された一対の側壁部24a,24bとを有している。基体部23は、平坦な第1面23aと、この第1面23aの反対側の第2面23bとを有している。第2面23b側には、複数(ここでは4つ)のガイド溝25が設けられている。ガイド溝25は、断面半円形状を呈しており、基体部23の長さ方向に延在していると共に、基体部23の幅方向(一対の側壁部24a,24bの対向方向)に並設されている。つまり、ガイド溝25は、基体部23の長さ方向における一端から他端にわたって形成されている。ガイド溝25は、幹線ケーブルL1の被覆導線の本数及び外形形状に応じて形成されている。
【0017】
基体部23には、この基体部23を厚み方向に貫通する挿入孔26が設けられている。挿入孔26は、基体部23に複数(ここでは4つ)設けられており、基体部23の角部付近に配置されている。すなわち、挿入孔26は、ガイド溝25を挟んで対向し、且つ基体部23の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。挿入孔26には、後述するボトムサブカバー21の突出部31が係止される。また、基体部23には、複数(ここでは4つ)の凹部27が設けられている。凹部27は、平面視において矩形状を呈しており、千鳥状に配置されている。凹部27は、後述する接続端子63の先端部分を収容する。
【0018】
側壁部24a,24bは、基体部23の幅方向の両端側において、基体部23の長さ方向に沿って設けられている。側壁部24a,24bの高さは、後述するボトムサブカバー21の基体部30の厚みと略同等となっている。側壁部24a,24bの中央部分には、高さ方向に沿って溝28a,28bがそれぞれ設けられている。この溝28a,28bの深さは、側壁部24a,24bの厚みと略同等となっている。したがって、図5(a)に示すように、側壁部24a,24bには、中央部分に間隙が形成されている。また、側壁部24a,24bには、高さ方向の先端側に係止爪29a,29bがそれぞれ設けられている。係止爪29a,29bは、側壁部24a,24bの外表面から外側に突出しており、溝28a,28bを挟んで離間して配置されている。この係止爪29a,29bは、断面台形状を呈しており、側壁部24a,24bの先端側に向かって下り勾配となる傾斜面を有している。係止爪29a,29bは、後述する本体部4の係止受部65a,65bに係合する。
【0019】
図6に示すように、ボトムサブカバー21は、矩形状の基体部30と、この基体部30に立設された複数(ここでは4つ)の突出部31とから構成されている。基体部30は、平坦な第1面30aと、この第1面30aの反対側の第2面30bとを有している。第2面30bには、複数(ここでは4つ)のガイド溝32が設けられている。ガイド溝32は、ボトムカバー20の基体部23に形成されたガイド溝25と同様の構成を有している。すなわち、ガイド溝32は、断面半円形状を呈しており、基体部30の長さ方向に延在していると共に、基体部30の幅方向に並設されている。つまり、ガイド溝32は、基体部30の長さ方向における一端から他端にわたって形成されている。
【0020】
基体部30には、本体部4に設けられた接続端子63が挿通される開口部(第1開口部)33が複数(ここでは4つ)形成されている。開口部33は、矩形状を呈しており、基体部30に千鳥状に配置されている。具体的には、図6(b)に示すように、基体部30の幅方向において一直線上に並置された2つの開口部33の組が、基体部30の長さ方向において前後に配置されている。前方の開口部33の組は、基体部30の幅方向の一端側寄りに配置されており、後方の開口部33の組は、基体部30の幅方向の他端側寄りに配置されている。
【0021】
突出部31は、円柱状を呈しており、ボトムカバー20の挿入孔26に対応する位置に配置されている。すなわち、突出部31は、基体部30の角部付近に配置されている。具体的には、突出部31は、ガイド溝32を挟んで対向し、且つ基体部30の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。突出部31の先端は、テーパー形状を呈しており、その径は挿入孔26の径よりも小さくなっている。また、突出部31の基端側の径は、ボトムカバー20の挿入孔26の径よりも約20%程度大きくなっている。これにより、ボトムサブカバー21の突出部31は、ボトムカバー20の挿入孔26に圧入される。
【0022】
上記ボトムカバー20及びボトムサブカバー21から構成される第1保持部2は、幹線ケーブルL1を挟持可能な構成とされている。具体的には、図3に示すように、幹線ケーブルL1の下方側(他方側)にボトムカバー20を配置し、幹線ケーブルL1の上方側(一方側)にボトムサブカバー21を配置する。そして、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21によって幹線ケーブルL1を上下方向から挟むことにより、ボトムサブカバー21の突出部31がボトムカバー20の挿入孔26に圧入される。これにより、幹線ケーブルL1は、ボトムカバー20のガイド溝25及びボトムサブカバー21のガイド溝32に挟まれて保持され、第1保持部2によって幹線ケーブルL1が挟持される。この状態において、図4に示すように、幹線ケーブルL1は、第1保持部2の長さ方向の両端から延びている。また、ボトムカバー20の側壁部24a,24bの端面とボトムサブカバー21の基体部30の第1面30aとは、略面一となる。
【0023】
第1保持部2に保持された幹線ケーブルL1は、ガイド溝25,32によって幅方向への移動が規制され、アライメント(ピッチ)が調整される。また、図4に示すように、第1保持部2は、幹線ケーブルL1に対してガイド溝25,32に沿って摺動可能となっている。したがって、第1保持部2と幹線ケーブルL1とは、幹線ケーブルL1の延在方向において相対的に移動可能(相対位置を変更可能)となっている。
【0024】
次に、第2保持部3について、図7〜図9を参照して説明する。図7は、第2保持部を示す斜視図である。図8は、第2保持部を構成するトップカバーを示す斜視図である。また、図9は、第2保持部を構成するトップサブカバーを示す斜視図である。
【0025】
各図に示すように、第2保持部3は、トップカバー40と、トップサブカバー41とから構成されている。図8に示すように、トップカバー40は、矩形状の基体部43と、この基体部43に立設された側壁部44a,44b,44cとを有している。基体部43は、平坦な第1面43aと、この第1面43aの反対側の第2面43bとを有している。第2面43b側には、複数(ここでは4つ)のガイド溝45が設けられている。ガイド溝45は、断面半円形状を呈しており、基体部43の長さ方向に延在していると共に、基体部43の幅方向(一対の側壁部44a,44bの対向方向)に並設されている。ガイド溝45は、分岐ケーブルL2の被覆導線の本数及び外形形状に応じて形成されている。
【0026】
基体部43には、この基体部43を厚み方向に貫通する挿入孔46が設けられている。挿入孔46は、基体部43に複数(ここでは4つ)設けられており、基体部43の角部付近に配置されている。すなわち、挿入孔46は、ガイド溝45を挟んで対向し、且つ基体部43の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。挿入孔46には、後述するトップサブカバー41の突出部52が係止される。また、基体部43には、複数(ここでは4つ)の凹部47が設けられている。凹部47は、平面視において矩形状を呈しており、千鳥状に配置されている。凹部47は、後述する接続端子63の先端部分を収容する。
【0027】
側壁部44a,44bは、基体部43の幅方向の両端側において、基体部43の長さ方向に沿って設けられている。また、側壁部44cは、基体部43の長さ方向の一端側において基体部43の幅方向に沿って設けられており、側壁部44a,44bと離間している。また、側壁部44cとガイド溝45の一端との間には、矩形状の貫通孔48が設けられている。側壁部44a,44b,44cの高さは、後述するトップサブカバー41の基体部51の厚みと略同等となっている。
【0028】
一対の側壁部44a,44bの中央部分には、高さ方向に沿って溝49a,49bが設けられている。この溝49a,49bの深さは、側壁部44a,44bの厚みと略同等となっている。したがって、図8(a)に示すように、側壁部44a,44bには、中央部分に間隙が形成されている。また、側壁部44a,44bには、高さ方向の先端側に係止爪50a,50bがそれぞれ設けられている。係止爪50a,50bは、側壁部44a,44bの外表面から外側に突出しており、溝49a,49bを挟んで離間し且つボトムカバー20の係止爪29a,29bよりも間隔を空けて配置されている。この係止爪50a,50bは、断面台形状を呈しており、側壁部44a,44bの先端側に向かって下り勾配となる傾斜面を有している。係止爪50a,50bは、後述する本体部4の係止受部67a,67bに係合する。
【0029】
図9に示すように、トップサブカバー41は、矩形状の基体部51と、この基体部51に立設された複数(ここでは4つ)の突出部52とから構成されている。基体部51は、平坦な第1面51aと、この第1面51aの反対側の第2面51bとを有している。第2面51b側には、複数(ここでは4つ)のガイド溝53が設けられている。ガイド溝53は、トップカバー40の基体部43に形成されたガイド溝45と同様の構成を有している。すなわち、ガイド溝53は、断面半円形状を呈しており、基体部51の長さ方向に延在していると共に、基体部51の幅方向に並設されている。つまり、ガイド溝53は、基体部51の長さ方向における一端から他端にわたって形成されている。
【0030】
基体部51には、本体部4に設けられた接続端子63が挿通される開口部(第2開口部)54が複数(ここでは4つ)形成されている。開口部54は、矩形状を呈しており、基体部51に千鳥状に配置されている。具体的には、図9(b)に示すように、基体部51の幅方向において一直線上に並置された2つの開口部54の組が、基体部51の長さ方向において前後に配置されている。前方の開口部54の組は、基体部51の幅方向の他端側寄りに配置されており、後方の開口部54の組は、基体部51の幅方向の一端側寄りに配置されている。つまり、トップサブカバー41の開口部54の位置は、トップサブカバー41の基体部51の第1面51aとボトムサブカバー21の基体部30の第1面30aとが対向配置された状態において、ボトムサブカバー21の開口部33と同じ位置となっている。
【0031】
突出部52は、円柱状を呈しており、トップカバー40の挿入孔46に対応する位置に配置されている。すなわち、突出部52は、基体部51の角部付近に配置されている。具体的には、突出部52は、ガイド溝53を挟んで対向し、且つ基体部51の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。突出部52の先端は、テーパー形状を呈しており、その径は挿入孔46の径よりも小さくなっている。また、突出部52の基端側の径は、ボトムカバー20の挿入孔46の径よりも約20%程度大きくなっている。これにより、トップサブカバー41の突出部52は、トップカバー40の挿入孔46に圧入される。
【0032】
上記トップカバー40及びトップサブカバー41から構成される第2保持部3は、分岐ケーブルL2を挟持可能な構成とされている。具体的には、図3に示すように、分岐ケーブルL2の下方側にトップサブカバー41を配置し、分岐ケーブルL2の上方側にトップカバー40を配置する。そして、トップカバー40及びトップサブカバー41によって分岐ケーブルL2を上下方向から挟むことにより、トップサブカバー41の突出部52がトップカバー40の挿入孔46に圧入される。これにより、分岐ケーブルL2は、トップカバー40のガイド溝45及びトップサブカバー41のガイド溝53に挟まれて保持され、第2保持部3によって分岐ケーブルL2が挟持される。この状態において、図7に示すように、分岐ケーブルL2は、トップカバー40の側壁部44cに一端が当接するため、第2保持部3の一端から延びている。第2保持部3に保持された分岐ケーブルL2は、ガイド溝45,53によって幅方向への移動が規制され、アライメントが調整される。また、トップカバー40の側壁部44a,44bの端面とトップサブカバー41の基体部51の第1面51aとは、略面一となる。
【0033】
続いて、本体部4について、図10を参照して説明する。図10は、本体部を示す斜視図である。図10に示すように、本体部4は、板状の連結部60と、第1側壁部61a,61bと、第2側壁部62a,62bとを有している。連結部60の長さは、ボトムサブカバー21の基体部23及びトップサブカバー41の基体部51の長さと略同等となっている。連結部60は、第1面60aと、この第1面60aの反対側の第2面60bとを有している。連結部60には、板状の接続端子63が配設されている。接続端子63は、本体部4を厚み方向に貫通して設けられており、第1面60a及び第2面60bの面外方向に突出している。
【0034】
接続端子63は、例えば金属などの導電部材からなり、高さ方向の両端側にスリット63aが形成された二又形状となっている。この接続端子63は、連結部60に千鳥状に配置されている。具体的には、連結部60の幅方向において一直線上に並置された2つの接続端子63の組が、連結部60の長さ方向において前後に配置されている。前方の接続端子63の組は、連結部60の幅方向の一端側寄りに配置されており、後方の接続端子63の組は、連結部60の幅方向の他端側寄りに配置されている。このような配置により、接続端子63のスリット63aは、本体部4を長さ方向からみた場合に、他の接続端子63と重ならないようになっている(図11参照)。
【0035】
本体部4では、第1保持部2及び第2保持部3が連結されたときに、接続端子63のスリット63aに幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が挿入(圧入)され、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が接続端子63に電気的に接続される。すなわち、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆カバーに接続端子63が切り込み、接続端子63が幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体まで到達して電気的に接続される。
【0036】
第1側壁部61a,61bは、第1面60aの幅方向の両端に立設されている。第1側壁部61a,61bの高さは、ボトムカバー20の高さと略同等となっており、その長さは、連結部60の長さと略同等となっている。一対の第1側壁部61a,61bの間の寸法は、第1保持部2のボトムカバー20の幅と略同等となっている。本体部4には、第1面60aと一対の第1側壁部61a,61bとによって第1保持部2が収容される第1収容空間S1が形成されている。第1収容空間S1に第1保持部2が収容されたとき、第1側壁部61a,61bの端面とボトムカバー20の第1面23aとは略面一となる。
【0037】
第1側壁部61a,61bの中央部分には、ガイド部64a,64bがそれぞれ設けられている。ガイド部64a,64bは、第1側壁部61a,61bの内面から内側に突出する板状部材であり、第1側壁部61a,61bの高さ方向に沿って設けられている。ガイド部64a,64bは、ボトムカバー20の溝28a,28bに挿入される。また、第1側壁部61a,61bの内面には、係止受部65a,65bが設けられている。係止受部65a,65bは、ボトムカバー20の係止爪29a,29bに対応する位置、つまりガイド部64a,64bを挟んで離間して配置されている。係止受部65a,65は、ボトムカバー20の係止爪29a,29bと係合して、ボトムカバー20(第1保持部2)の上下方向の移動を規制する。係止受部65a,65bと係止爪29a,29bとは、ラッチ機構となっている。
【0038】
第2側壁部62a,62bは、第2面60bの幅方向の両端に立設されている。第2側壁部62a,62bの高さは、トップカバー40の高さと略同等となっており、その長さは、連結部60の長さと同等となっている。一対の第2側壁部62a,62bの間の寸法は、第2保持部3のトップカバー40の幅と略同等となっている。本体部4には、第2面60bと一対の第2側壁部62a,62bとによって第2保持部3を収容する第2収容空間S2が形成されている。第2収容空間S2に第2保持部3が収容されたとき、第2側壁部62a,62bの端面とトップカバー40の第1面43aとは略面一となる。
【0039】
第2側壁部62a,62bの中央部分には、ガイド部66a,66bがそれぞれ設けられている。ガイド部66a,66bは、第2側壁部62a,62bの内面から内側に突出する板状部材であり、第2側壁部62a,62bの高さ方向に沿って設けられている。ガイド部66a,66bは、トップカバー40の溝49a,49bに挿入される。また、第2側壁部62a,62bの内面には、係止受部67a,67bが設けられている。係止受部67a,67bは、トップカバー40の係止爪50a,50bに対応する位置、つまりガイド部66a,66bを挟んで離間し、且つ係止受部65a,65よりも間隔を空けて配置されている。係止受部67a,67bは、ボトムカバー20の係止爪50a,50bと係合し、トップカバー40(第2保持部3)の上下方向の移動を規制する。係止受部67a,67bと係止爪50a,50bとは、ラッチ機構となっている。
【0040】
第1側壁部61a,61bは、第2側壁部62a,62bよりも肉厚に形成されており、第2側壁部62a,62bよりも幅方向に突出している。したがって、第1側壁部61a,61bと第2側壁部62a,62bとの間に段差が形成されている。これにより、本体部4では、強度が確保されている。また、この段差は、第1側壁部61a,61bが幹線ケーブルL1側、第2側壁部62a,62bが分岐ケーブルL2側に確実に結線されるような誤配線防止機構として機能する。
【0041】
続いて、上述の第1保持部2、第2保持部3及び本体部4を有するコネクタ1の組み立て方法について説明する。図11は、本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示すa−a線(図1)断面図である。より詳細には、本体部4の連結部60において前方に位置する2つの接続端子63の前面に沿った断面図である。また、図12は、本体部と第1保持部及び第2保持部とが連結した状態を示すa−a線(図1)断面図である。
【0042】
幹線ケーブルL1に対して分岐ケーブルL2を分岐させる位置が決定、すなわち、コネクタ1の取り付け位置が決定されると、まず図4に示すように、幹線ケーブルL1に第1保持部2が取り付けられる。また、図7に示すように、分岐ケーブルL2に第2保持部3が取り付けられる。そして、第1保持部2と第2保持部3との間に本体部4が配置される。つまり、図2に示すように、連結部60の第1面60aとボトムサブカバー21の第1面23aとが対向配置されると共に、連結部60の第2面60aとトップサブカバー41の第1面43aとが対向配置される。
【0043】
そして、第1保持部2及び第2保持部3に上方、または下方方向から力を加えることにより、第1収容空間S1に第1保持部2が押し込まれると共に、第2収容空間S2に第2保持部3が押し込まれる。また、第1保持部2及び第2保持部3と本体部4との両方を挟むように上下方向に力を加えてもよい。このとき、接続端子63の下端がボトムサブカバー21の開口部33に挿通されると共に、接続端子63の上端がトップサブカバー41の開口部54に挿通される。そして、接続端子63のスリット63aに幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が圧入されて接続端子63と幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体とが電気的に接続され、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とが接続端子63によって電気的に接続される。
【0044】
なお、コネクタ1の組み立て方法は、以下のような方法であってもよい。すなわち、図3に示すように、コネクタ1の取り付け位置が決定されると、ボトムカバー20、幹線ケーブルL1、ボトムサブカバー21、本体部4、トップサブカバー41、分岐ケーブルL2及びトップカバー40がこの順で配置され、上方及び下方の一方、または上下方向から力を加える。これにより、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21によって第1保持部2が構成されて幹線ケーブルL1が挟持されると共に、トップカバー40及びトップサブカバー41によって第2保持部3が構成されて分岐ケーブルL2が挟持される。
【0045】
これと同時に、第1収容空間S1に第1保持部2が押し込まれると共に、第2収容空間S2に第2保持部3が押し込まれる。このとき、接続端子63の下端がボトムサブカバー21の開口部33に挿通されると共に、接続端子63の上端がトップサブカバー41の開口部54に挿通される。そして、接続端子63のスリット63aに幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が圧入されて接続端子63と幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体とが電気的に接続され、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とが接続端子63によって電気的に接続される。
【0046】
第1保持部2及び第2保持部3が本体部4に連結されると、図12に示すように、第1保持部2の係止爪29a,29bと本体部4の係止受部65a,65bとが係合する。また、第2保持部3の係止爪50a,50bと本体部4の係止受部67a,67bとが係合する。これにより、第1保持部2及び第2保持部3の上下方向の移動が規制され、本体部4に第1保持部2及び第2保持部3が保持される。また、第1側壁部61a,61bのガイド部64a,64bがボトムカバー20の溝28a,28bに挿入され、第2側壁部62a,62bのガイド部66a,66bがトップカバー40の溝49a,49bに挿入される。これにより、本体部4において、第1保持部2及び第2保持部3の前後方向の移動が規制される。また、ガイド部64a,64b及びガイド部66a,66bによって前後方向の引っ張り強度が確保される。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係るコネクタ1は、幹線ケーブルL1を上下方向で挟持することにより保持する第1保持部2、分岐ケーブルL2を上下方向で挟持することにより保持する第2保持部3、及び第1保持部2及び第2保持部3を上下方向において連結する本体部4を備えている。したがって、コネクタ1は、第1保持部2、本体部4、第2保持部3の順に配置して上下方向から力を加えることによって組み立てることができる。つまり、各パーツを配置し、上下方向から押し込むだけで幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とを電気的に接続することができる。したがって、組み立てが簡易化され、現場で組み立てる際の操作性の向上を図れる。また、コネクタ1は、例えばオートフォーメーション化された装置などによって自動で結線を行う場合にその効果が特に顕著となる。
【0048】
また、第1保持部2を構成するボトムカバー20及びボトムサブカバー21には、ガイド溝25,32が形成されている。これにより、第1保持部2と幹線ケーブルL1とは、幹線ケーブルL1の延在方向において相対的に移動可能となっている。そのため、コネクタ1を用いて幹線ケーブルL1から分岐ケーブルL2を分岐させる際に、最初に幹線ケーブルL1に第2保持部2を取り付けることにより、第2保持部2を移動させて分岐ケーブルL2の分岐位置を決めることができる。つまり、第2保持部2を本体部4に連結させるまでは、分岐ケーブルL2の分岐位置を容易に変更することができる。したがって、分岐ケーブルL2の長さに合わせて分岐位置を容易に設定できるため、分岐ケーブルL2の余長を短くすることができる。そのため、配線スペースの効率化を容易に実現できる。
【0049】
ところで、コネクタが小型化すると、以下のような問題が顕著となる。すなわち、小型のコネクタでは、必然的にケーブルも細くなるが、ケーブルが細いと、接続端子と幹線ケーブル及び分岐ケーブルとの接触面積が小さくなり、接続不良が生じるおそれがある。そのため、接続端子に対して幹線ケーブル及び分岐ケーブルを精度良く圧入させる必要がある。このような問題は、例えばFA(factory automation:ファクトリーオートメーション)など、通信用あるいは一部電源用に用いられるケーブル外径φ3mm程度以上の被覆導線が用いられるコネクタでは考慮する必要がなく、従来のコネクタでは検討されていなかった。
【0050】
本実施形態のコネクタ1では、小型化により生じる上記問題を鑑みて、幹線ケーブルL1を保持する第1保持部2において、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21にガイド溝25,32を形成すると共に、分岐ケーブルL2を保持する第2保持部3において、トップカバー40及びトップサブカバー41にガイド溝45,53を形成している。これらガイド溝25,32,45,53に沿って幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が配列されることにより、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2のアライメントが調整される。したがって、ケーブルを精度良く位置決めでき、その結果、接続端子63に対して幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2を精度良く圧入させることができる。これにより、コネクタ1では、構成を小型化し且つ細いケーブルを接続する場合であっても、接続不良を防止できる。
【0051】
また、コネクタ1では、第1保持部2の係止爪29a,29b及び本体部4の係止受部65a,65bの係合位置と、第2保持部3の係止爪50a,50b及び本体部4の係止受部67a,67bの係合位置とが異なっている。したがって、誤って本体部4の第1収容空間S1に第2保持部3を押し込んでも連結されない。同様に、本体部4の第2収容空間S2に第1保持部2を押し込んでも連結されない。したがって、誤って実装されることを防止できる。
【0052】
さらには、コネクタ1では、小型化に伴い接続端子63も小さくなる。つまり、接続端子63の断面積が小さくなると共に、長さが短くなる。これにより、従来のコネクタに比べて、電流が流れたときの発熱量(=断面積×長さ)を小さくできる。したがって、コネクタ1では、損失を小さくできると共に、大電流に対応できる。
【0053】
上記の形態では、幹線ケーブルL1から分岐ケーブルL2を1本だけ分岐させる、いわゆるT分岐の構成を一例に説明したが、図13及び図14に示すように、幹線ケーブルL1から複数(ここでは2本)の分岐ケーブルL2,L3を分岐させる、いわゆるH分岐であってもよい。
【0054】
図13に示すように、例えば幹線ケーブルL1において分岐ケーブルL2,L3の分岐位置を決定し、第1保持部2を幹線ケーブルL1のそれぞれの位置において取り付ける。そして、第1保持部2と本体部4とを連結する。これにより、接続端子63に幹線ケーブルL1の被覆導線が圧入され、幹線ケーブルL1の被覆電線の導体と接続端子63とが電気的に接続される。
【0055】
第1保持部2と本体部4とを連結した後に、図14に示すように、一方の本体部4に分岐ケーブルL2を保持した第2保持部3を連結すると共に、他方の本体部4に分岐ケーブルL3を保持した第2保持部3を連結する。これにより、接続端子63に分岐ケーブルL2,L3の被覆導線が圧入され、分岐ケーブルL2,L3の被覆導線の導体と接続端子63とが電気的に接続される。したがって、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2,L3とが電気的に接続される。
【0056】
このように、第2保持部3は、本体部4に対して取り付け方向が一方向に定められていない。すなわち、トップサブカバー41に形成された開口部54は、本体部4のいずれの方向から押し込んだ場合であっても、接続端子63を挿通する配置となっている。したがって、コネクタ1では、装置内などにおいて、分岐ケーブルL2,L3の取り回しを容易に行える。
【0057】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。図15は、第2実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。図16は、図15に示す第2保持部材を示す斜視図である。また、図17は、図16に示す第2保持部のトップカバーを示す斜視図である。
【0058】
図15及び図16に示すように、コネクタ1Aでは、第2保持部3Aの両端から分岐ケーブルL2が延在している。つまり、幹線ケーブルL1に1本の分岐ケーブルL2を接続して、2つの例えばアドレスユニットに接続できる構成となっている。第2保持部3Aは、トップカバー40Aの構成が図8に示すトップカバー40と異なっており、その他の構成は第2保持部3と同様である。
【0059】
図17に示すトップカバー40Aは、図8に示すトップカバー40に設けられた側壁部44cを有していない点で、トップカバー40と異なっている。すなわち、トップカバー40Aは、矩形状の基体部43と、この基体部43に立設された側壁部44a,44bとを有している。第2保持部3Aでは、トップカバー40A及びトップサブカバー41によって分岐ケーブルL2を上下方向から挟むことにより、トップサブカバー41の突出部52がトップカバー40Aの挿入孔46に圧入される。これにより、分岐ケーブルL2は、トップカバー40Aのガイド溝45及びトップサブカバー41のガイド溝53に挟まれて保持され、第2保持部3Aによって分岐ケーブルL2が挟持される。
【0060】
この第2実施形態に係るコネクタ1Aにおいても、上記コネクタ1と同様の作用効果をえることができる。すなわち、小型化を実現しつつ接触不良を防止できる。
【0061】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。図18は、第3実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。図19は、図18に示すコネクタの分解斜視図である。また、図20は、本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示す断面図である。
【0062】
第3実施形態に係るコネクタ1Bは、接続端子63に変えて接続端子70が設けられて点で、第1実施形態のコネクタ1と異なっている。
【0063】
本体部4Bは、板状の連結部60Aと、第1側壁部61a,61bと、第2側壁部62a,62bとを有している。連結部60Aは、第1面60Aaと、この第1面60Aaの反対側の第2面60Abとを有している。連結部60Aには、接続端子70が配設されている。接続端子70は、本体部4を厚み方向に貫通して設けられており、第1面60Aa及び第2面60Abの面外方向に突出している。
【0064】
接続端子70は、例えば金属などの導電部材からなり、接触端70a,70bを有している。接続端子70は、連結部60Aの幅方向に並置されている。接触端70a,70bは、断面が三角形状を呈しており、刃状部となっている。接触端70a,70bは、接続端子70において前後方向に設けられている。
【0065】
ボトムサブカバー21Bは、矩形状の基体部30Aと、この基体部30Aに立設された複数(ここでは4つ)の突出部31とから構成されている。基体部30Aには、基体部30と同様に、複数(ここでは4つ)のガイド溝32が設けられている。
【0066】
基体部30Aには、本体部4Aに設けられた接続端子70が挿通される開口部33Aが複数(ここでは4つ)形成されている。開口部33Aは、基体部30Aの長さ方向に延在する長方形状を呈しており、基体部30Aの幅方向に並置されている。
【0067】
トップサブカバー41Bは、矩形状の基体部51Aと、この基体部51Aに立設された複数(ここでは4つ)の突出部52とから構成されている。基体部51Aには、基体部51と同様に、複数(ここでは4つ)のガイド溝53が設けられている。
【0068】
基体部51Aには、本体部4Aに設けられた接続端子70が挿通される開口部54Aが複数(ここでは4つ)形成されている。開口部54Aは、基体部51Aの長さ方向に延在する長方形状を呈しており、基体部51Aの幅方向に並置されている。
【0069】
コネクタ1Bの本体部4Bでは、第1保持部2B及び第2保持部3Bが連結されたときに、接続端子70の接触端70a,70bが幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2に挿入され、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が接続端子70に電気的に接続される。すなわち、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆カバーに接続端子70の接触端70a,70bが突き刺さり、接続端子63が幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体にまで到達して電気的に接続される。
【0070】
第3実施形態に係るコネクタ1Bにおいても、上記コネクタ1と同様の作用効果をえることができる。すなわち、小型化を実現しつつ接触不良を防止できる。また、コネクタ1Bでは、板状の接続端子70Aが連結部60Aの長さ方向に沿って配置されている。そのため、接続端子63よりも狭いピッチで配置することができるため、コネクタ1Bの更なる小型化を実現できる。
【0071】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、接続端子63を千鳥状に配置しているが、接続端子63を連結部60において幅方向に一直線上に配置することもできる。これに応じて、ボトムサブカバー21の開口部33及びトップサブカバー41の開口部54を配置すればよい。
【0072】
また、上記実施形態では、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21、及びトップカバー40及びトップサブカバー41を連結するための、挿入孔26,46に突出部31,52を圧入させているが、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21、及びトップカバー40及びトップサブカバー41の連結手段はこれに限定されない。例えば、突出部31,52の先端に係止部を設けて、この係止部が挿入孔26,46に係止される形態であってもよい。また、接着剤によって連結させてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、ボトムカバー20及びトップカバー40に挿入孔26,46をそれぞれ形成し、ボトムサブカバー21及びトップサブカバー41に突出部31,52をそれぞれ形成しているが、ボトムカバー20及びトップカバー40に突出部をそれぞれ形成し、ボトムサブカバー21及びトップサブカバー41に挿入孔をそれぞれ形成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、被覆導線が並列配置されて一体的に被覆されている幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2を用いる形態について説明したが、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2は、被覆導線がそれぞれ独立しているものであってもよい。また、被覆導線は、一本であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1A,1B…コネクタ、2,2B…第1保持部、3,3A,3B…第2保持部、26,46…挿入孔(第1挿入孔、第2挿入孔)、28a,28b,49a,49b…溝(第1溝、第2溝)、31,52…突出部(第1突出部、第2突出部)、33,33A…開口部(第1開口部)、54,54A…開口部(第2開口部)、20…ボトムカバー、21,21B…ボトムサブカバー、40,40A…トップカバー、41,41B…トップサブカバー、60…連結部、60a…第1面、60b…第2面、61a,61b…第1側壁部、62a,62b…第2側壁部、64a,64b,66a,66b…ガイド部(第1ガイド部、第2ガイド部)、65a,65b,67a,67b…係止受部、L1…幹線ケーブル、L2,L3…分岐ケーブル、S1…第1収容空間、S2…第2収容空間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹線ケーブルから分岐ケーブルを分岐させるコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、バス配線には、幹線ケーブルから分岐ケーブルを分岐させるためのコネクタが用いられている。このコネクタは、メインユニットに接続された幹線ケーブルと分岐ケーブルとの分岐位置に設けられ、幹線ケーブルと分岐ケーブルとを電気的に接続する。
【0003】
このようなコネクタについて、特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、FA(ファクトリーオートメーション)においては、コントロールユニットと複数の入出力機器との間をケーブルで接続することにより、ケーブルを通じてコントロールユニットと入出力機器との間の信号の伝送を行うようにすることが記載されており、並列多芯の幹線ケーブルと並列多芯の分岐ケーブルとを電気的に接続するための並列多芯ケーブル相互接続用コネクタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−222291号公報
【特許文献2】特開平7−18357号公報
【特許文献3】特開2001−35554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、上記従来技術について検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、上記のコネクタを小型の装置などに用いる場合、コネクタの小型化に伴い、幹線ケーブル及び分岐ケーブルも当然細くなる。ケーブルが細くなると、接続端子とケーブルとの接触面積が小さくなるため、接続端子とケーブルとの接続が不確実となり接触不良が生じるおそれがある。このような接触不良を防止するためには、接続端子に対してケーブルを精度良く圧入させる必要がある。このような問題は、上記FAの分野など、ある程度の太さを有するケーブルが用いられるコネクタでは考慮する必要がなく、従来のコネクタでは検討されていなかった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、小型化を実現しつつ接触不良を防止できるコネクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るコネクタは、一本以上の第1被覆導線を含む第1ケーブルが両端から延び且つ当該第1ケーブルの外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第1保持部と、一本以上の第2被覆導線が少なくとも一端から延び且つ当該第2被覆導線の外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第2保持部と、第1保持部の下部に設けられた一以上の第1開口部を介して第1被覆導線の導体に接続し、且つ第2保持部の上部に設けられた一以上の第2開口部を介して第2被覆導線の導体に接続するための所定の数の端子を有し、第1保持部と第2保持部とを連結する本体部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記第1保持部は、第1ケーブルの一方側に配置されるボトムカバーと、第1ケーブルの他方側に配置され、端子が挿通される第1開口部が形成されたボトムサブカバーとを有し、ボトムカバー及びボトムサブカバーによって、第1ケーブルを一方側及び他方側から挟持することが可能にされており、第2保持部は、第2被覆導線の一方側に配置されるトップカバーと、第2被覆導線の他方側に配置され、端子が挿通される第2開口部が形成されたトップサブカバーとを有し、トップカバー及びトップサブカバーによって、第2被覆導線を一方側及び他方側から挟持することが可能にされている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上部及び下部を有する第1保持部及び第2保持部によって第1被覆導線及び第2被覆導線を保持し、第1保持部の下部に設けられた第1開口部を介して第1被覆導線と端子とが接続すると共に、第2保持部の上部に設けられた第2開口部を介して第2被覆導線と端子とが接続する。したがって、第1被覆導線及び第2被覆導線を高精度に位置決めして保持することができ、端子に第1被覆導線及び第2被覆導線を精度良く圧入できる。これにより、小型化を実現しつつ接触不良を防止できる。また、第1ケーブルを保持する第1保持部、第2被覆導線を保持する第2保持部、及び、第1保持部及び第2保持部を上下方向において連結する本体部を備えている。したがって、第1保持部、本体部、第2保持部の順に配置して上下方向から力を加えることによって組み立てることができる。つまり、各パーツを配置し、上下方向から押し込むだけで幹線ケーブルと分岐ケーブルとを電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係るコネクタの斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタの分解斜視図である。
【図3】図1に示すコネクタの分解斜視図である。
【図4】第1保持部を示す斜視図である。
【図5】第1保持部を構成するボトムカバーを示す斜視図である。
【図6】第1保持部を構成するボトムサブカバーを示す斜視図である。
【図7】第2保持部を示す斜視図である。
【図8】第2保持部を構成するトップカバーを示す斜視図である。
【図9】第2保持部を構成するトップサブカバーを示す斜視図である。
【図10】本体部を示す斜視図である。
【図11】本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示すa−a線(図1)断面図である。
【図12】本体部と第1保持部及び第2保持部とが連結した状態を示すa−a線(図1)断面図である。
【図13】コネクタの一使用形態を示す分解斜視図である。
【図14】コネクタの一使用形態を示す斜視図である。
【図15】第2実施形態に係るコネクタの斜視図である。
【図16】第2保持部を示す斜視図である。
【図17】図16に示す第2保持部を構成するトップカバーを示す斜視図である。
【図18】第3実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。
【図19】図18に示すコネクタの分解斜視図である。
【図20】本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るコネクタの各実施形態を、図1〜図20を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコネクタの斜視図である。図2は、図1に示すコネクタの分解斜視図である。また、図3は、図1に示すコネクタの分解斜視図である。以下の説明では、図1〜図3におけるコネクタ1において、X方向を幅方向(左右方向)、Y方向を長さ方向(前後方向)、Z方向を高さ方向(上下方向)とする。
【0013】
図1〜図3に示すコネクタ1は、幹線ケーブル(第1ケーブル)L1と、この幹線ケーブルL1から分岐される分岐ケーブルL2とを電気的に接続する部品である。より詳細には、このコネクタ1は、例えばコントロールユニットに接続された幹線ケーブルL1から分岐ケーブルL2を分岐させるための配線手段であり、コントロールユニットと分岐ケーブルL2に接続されたアドレスユニット(入出力機器)との間で信号の通信などを可能にする。コネクタ1は、例えば小型電気機器に用いられ、より詳細には、例えばプリンターやFAX等のオフィスオートメーション機器、自動販売機、医療器械、家庭用電化製品等の電子機器の内部や、センサーネットワーク、屋内空調コントロール、自動車センサシステムにおいて分岐配線に用いられる。
【0014】
コネクタ1は、幹線ケーブルL1を保持する第1保持部2と、分岐ケーブルL2を保持する第2保持部3と、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とを電気的に接続すると共に、第1保持部2及び第2保持部3を連結する本体部4とを備えている。コネクタ1の外形寸法は、第1保持部2及び第2保持部3が本体部4に連結された図1に示す状態において、例えば長さが9.4mm、幅が11.4mm、高さが7.3mm程度となっている。コネクタ1は、例えば材料としては、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、非晶ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等様々な樹脂を使用できる。更に透明(乳白色透明等、色付きの透明も含む)な材料から形成されている。なお、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2は、複数の被覆導線(第1被覆導線、第2被覆導線)を含んで構成されおり、複数の被覆導線が絶縁被覆を介して一体的に並列に配された並列多芯ケーブルである。被覆導線の外径は、例えばφ0.8〜1.4mm程度である。
【0015】
最初に、第1保持部2について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、第1保持部を示す斜視図である。図5は、第1保持部を構成するボトムカバーを示す斜視図である。また、図6は、第1保持部を構成するボトムサブカバーを示す斜視図である。
【0016】
図4〜図6に示すように、第1保持部2は、ボトムカバー20と、ボトムサブカバー21とから構成されている。図5に示すように、ボトムカバー20は、矩形状の基体部23と、この基体部23の両端側に立設された一対の側壁部24a,24bとを有している。基体部23は、平坦な第1面23aと、この第1面23aの反対側の第2面23bとを有している。第2面23b側には、複数(ここでは4つ)のガイド溝25が設けられている。ガイド溝25は、断面半円形状を呈しており、基体部23の長さ方向に延在していると共に、基体部23の幅方向(一対の側壁部24a,24bの対向方向)に並設されている。つまり、ガイド溝25は、基体部23の長さ方向における一端から他端にわたって形成されている。ガイド溝25は、幹線ケーブルL1の被覆導線の本数及び外形形状に応じて形成されている。
【0017】
基体部23には、この基体部23を厚み方向に貫通する挿入孔26が設けられている。挿入孔26は、基体部23に複数(ここでは4つ)設けられており、基体部23の角部付近に配置されている。すなわち、挿入孔26は、ガイド溝25を挟んで対向し、且つ基体部23の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。挿入孔26には、後述するボトムサブカバー21の突出部31が係止される。また、基体部23には、複数(ここでは4つ)の凹部27が設けられている。凹部27は、平面視において矩形状を呈しており、千鳥状に配置されている。凹部27は、後述する接続端子63の先端部分を収容する。
【0018】
側壁部24a,24bは、基体部23の幅方向の両端側において、基体部23の長さ方向に沿って設けられている。側壁部24a,24bの高さは、後述するボトムサブカバー21の基体部30の厚みと略同等となっている。側壁部24a,24bの中央部分には、高さ方向に沿って溝28a,28bがそれぞれ設けられている。この溝28a,28bの深さは、側壁部24a,24bの厚みと略同等となっている。したがって、図5(a)に示すように、側壁部24a,24bには、中央部分に間隙が形成されている。また、側壁部24a,24bには、高さ方向の先端側に係止爪29a,29bがそれぞれ設けられている。係止爪29a,29bは、側壁部24a,24bの外表面から外側に突出しており、溝28a,28bを挟んで離間して配置されている。この係止爪29a,29bは、断面台形状を呈しており、側壁部24a,24bの先端側に向かって下り勾配となる傾斜面を有している。係止爪29a,29bは、後述する本体部4の係止受部65a,65bに係合する。
【0019】
図6に示すように、ボトムサブカバー21は、矩形状の基体部30と、この基体部30に立設された複数(ここでは4つ)の突出部31とから構成されている。基体部30は、平坦な第1面30aと、この第1面30aの反対側の第2面30bとを有している。第2面30bには、複数(ここでは4つ)のガイド溝32が設けられている。ガイド溝32は、ボトムカバー20の基体部23に形成されたガイド溝25と同様の構成を有している。すなわち、ガイド溝32は、断面半円形状を呈しており、基体部30の長さ方向に延在していると共に、基体部30の幅方向に並設されている。つまり、ガイド溝32は、基体部30の長さ方向における一端から他端にわたって形成されている。
【0020】
基体部30には、本体部4に設けられた接続端子63が挿通される開口部(第1開口部)33が複数(ここでは4つ)形成されている。開口部33は、矩形状を呈しており、基体部30に千鳥状に配置されている。具体的には、図6(b)に示すように、基体部30の幅方向において一直線上に並置された2つの開口部33の組が、基体部30の長さ方向において前後に配置されている。前方の開口部33の組は、基体部30の幅方向の一端側寄りに配置されており、後方の開口部33の組は、基体部30の幅方向の他端側寄りに配置されている。
【0021】
突出部31は、円柱状を呈しており、ボトムカバー20の挿入孔26に対応する位置に配置されている。すなわち、突出部31は、基体部30の角部付近に配置されている。具体的には、突出部31は、ガイド溝32を挟んで対向し、且つ基体部30の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。突出部31の先端は、テーパー形状を呈しており、その径は挿入孔26の径よりも小さくなっている。また、突出部31の基端側の径は、ボトムカバー20の挿入孔26の径よりも約20%程度大きくなっている。これにより、ボトムサブカバー21の突出部31は、ボトムカバー20の挿入孔26に圧入される。
【0022】
上記ボトムカバー20及びボトムサブカバー21から構成される第1保持部2は、幹線ケーブルL1を挟持可能な構成とされている。具体的には、図3に示すように、幹線ケーブルL1の下方側(他方側)にボトムカバー20を配置し、幹線ケーブルL1の上方側(一方側)にボトムサブカバー21を配置する。そして、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21によって幹線ケーブルL1を上下方向から挟むことにより、ボトムサブカバー21の突出部31がボトムカバー20の挿入孔26に圧入される。これにより、幹線ケーブルL1は、ボトムカバー20のガイド溝25及びボトムサブカバー21のガイド溝32に挟まれて保持され、第1保持部2によって幹線ケーブルL1が挟持される。この状態において、図4に示すように、幹線ケーブルL1は、第1保持部2の長さ方向の両端から延びている。また、ボトムカバー20の側壁部24a,24bの端面とボトムサブカバー21の基体部30の第1面30aとは、略面一となる。
【0023】
第1保持部2に保持された幹線ケーブルL1は、ガイド溝25,32によって幅方向への移動が規制され、アライメント(ピッチ)が調整される。また、図4に示すように、第1保持部2は、幹線ケーブルL1に対してガイド溝25,32に沿って摺動可能となっている。したがって、第1保持部2と幹線ケーブルL1とは、幹線ケーブルL1の延在方向において相対的に移動可能(相対位置を変更可能)となっている。
【0024】
次に、第2保持部3について、図7〜図9を参照して説明する。図7は、第2保持部を示す斜視図である。図8は、第2保持部を構成するトップカバーを示す斜視図である。また、図9は、第2保持部を構成するトップサブカバーを示す斜視図である。
【0025】
各図に示すように、第2保持部3は、トップカバー40と、トップサブカバー41とから構成されている。図8に示すように、トップカバー40は、矩形状の基体部43と、この基体部43に立設された側壁部44a,44b,44cとを有している。基体部43は、平坦な第1面43aと、この第1面43aの反対側の第2面43bとを有している。第2面43b側には、複数(ここでは4つ)のガイド溝45が設けられている。ガイド溝45は、断面半円形状を呈しており、基体部43の長さ方向に延在していると共に、基体部43の幅方向(一対の側壁部44a,44bの対向方向)に並設されている。ガイド溝45は、分岐ケーブルL2の被覆導線の本数及び外形形状に応じて形成されている。
【0026】
基体部43には、この基体部43を厚み方向に貫通する挿入孔46が設けられている。挿入孔46は、基体部43に複数(ここでは4つ)設けられており、基体部43の角部付近に配置されている。すなわち、挿入孔46は、ガイド溝45を挟んで対向し、且つ基体部43の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。挿入孔46には、後述するトップサブカバー41の突出部52が係止される。また、基体部43には、複数(ここでは4つ)の凹部47が設けられている。凹部47は、平面視において矩形状を呈しており、千鳥状に配置されている。凹部47は、後述する接続端子63の先端部分を収容する。
【0027】
側壁部44a,44bは、基体部43の幅方向の両端側において、基体部43の長さ方向に沿って設けられている。また、側壁部44cは、基体部43の長さ方向の一端側において基体部43の幅方向に沿って設けられており、側壁部44a,44bと離間している。また、側壁部44cとガイド溝45の一端との間には、矩形状の貫通孔48が設けられている。側壁部44a,44b,44cの高さは、後述するトップサブカバー41の基体部51の厚みと略同等となっている。
【0028】
一対の側壁部44a,44bの中央部分には、高さ方向に沿って溝49a,49bが設けられている。この溝49a,49bの深さは、側壁部44a,44bの厚みと略同等となっている。したがって、図8(a)に示すように、側壁部44a,44bには、中央部分に間隙が形成されている。また、側壁部44a,44bには、高さ方向の先端側に係止爪50a,50bがそれぞれ設けられている。係止爪50a,50bは、側壁部44a,44bの外表面から外側に突出しており、溝49a,49bを挟んで離間し且つボトムカバー20の係止爪29a,29bよりも間隔を空けて配置されている。この係止爪50a,50bは、断面台形状を呈しており、側壁部44a,44bの先端側に向かって下り勾配となる傾斜面を有している。係止爪50a,50bは、後述する本体部4の係止受部67a,67bに係合する。
【0029】
図9に示すように、トップサブカバー41は、矩形状の基体部51と、この基体部51に立設された複数(ここでは4つ)の突出部52とから構成されている。基体部51は、平坦な第1面51aと、この第1面51aの反対側の第2面51bとを有している。第2面51b側には、複数(ここでは4つ)のガイド溝53が設けられている。ガイド溝53は、トップカバー40の基体部43に形成されたガイド溝45と同様の構成を有している。すなわち、ガイド溝53は、断面半円形状を呈しており、基体部51の長さ方向に延在していると共に、基体部51の幅方向に並設されている。つまり、ガイド溝53は、基体部51の長さ方向における一端から他端にわたって形成されている。
【0030】
基体部51には、本体部4に設けられた接続端子63が挿通される開口部(第2開口部)54が複数(ここでは4つ)形成されている。開口部54は、矩形状を呈しており、基体部51に千鳥状に配置されている。具体的には、図9(b)に示すように、基体部51の幅方向において一直線上に並置された2つの開口部54の組が、基体部51の長さ方向において前後に配置されている。前方の開口部54の組は、基体部51の幅方向の他端側寄りに配置されており、後方の開口部54の組は、基体部51の幅方向の一端側寄りに配置されている。つまり、トップサブカバー41の開口部54の位置は、トップサブカバー41の基体部51の第1面51aとボトムサブカバー21の基体部30の第1面30aとが対向配置された状態において、ボトムサブカバー21の開口部33と同じ位置となっている。
【0031】
突出部52は、円柱状を呈しており、トップカバー40の挿入孔46に対応する位置に配置されている。すなわち、突出部52は、基体部51の角部付近に配置されている。具体的には、突出部52は、ガイド溝53を挟んで対向し、且つ基体部51の長さ方向において対向する位置にそれぞれ配置されている。突出部52の先端は、テーパー形状を呈しており、その径は挿入孔46の径よりも小さくなっている。また、突出部52の基端側の径は、ボトムカバー20の挿入孔46の径よりも約20%程度大きくなっている。これにより、トップサブカバー41の突出部52は、トップカバー40の挿入孔46に圧入される。
【0032】
上記トップカバー40及びトップサブカバー41から構成される第2保持部3は、分岐ケーブルL2を挟持可能な構成とされている。具体的には、図3に示すように、分岐ケーブルL2の下方側にトップサブカバー41を配置し、分岐ケーブルL2の上方側にトップカバー40を配置する。そして、トップカバー40及びトップサブカバー41によって分岐ケーブルL2を上下方向から挟むことにより、トップサブカバー41の突出部52がトップカバー40の挿入孔46に圧入される。これにより、分岐ケーブルL2は、トップカバー40のガイド溝45及びトップサブカバー41のガイド溝53に挟まれて保持され、第2保持部3によって分岐ケーブルL2が挟持される。この状態において、図7に示すように、分岐ケーブルL2は、トップカバー40の側壁部44cに一端が当接するため、第2保持部3の一端から延びている。第2保持部3に保持された分岐ケーブルL2は、ガイド溝45,53によって幅方向への移動が規制され、アライメントが調整される。また、トップカバー40の側壁部44a,44bの端面とトップサブカバー41の基体部51の第1面51aとは、略面一となる。
【0033】
続いて、本体部4について、図10を参照して説明する。図10は、本体部を示す斜視図である。図10に示すように、本体部4は、板状の連結部60と、第1側壁部61a,61bと、第2側壁部62a,62bとを有している。連結部60の長さは、ボトムサブカバー21の基体部23及びトップサブカバー41の基体部51の長さと略同等となっている。連結部60は、第1面60aと、この第1面60aの反対側の第2面60bとを有している。連結部60には、板状の接続端子63が配設されている。接続端子63は、本体部4を厚み方向に貫通して設けられており、第1面60a及び第2面60bの面外方向に突出している。
【0034】
接続端子63は、例えば金属などの導電部材からなり、高さ方向の両端側にスリット63aが形成された二又形状となっている。この接続端子63は、連結部60に千鳥状に配置されている。具体的には、連結部60の幅方向において一直線上に並置された2つの接続端子63の組が、連結部60の長さ方向において前後に配置されている。前方の接続端子63の組は、連結部60の幅方向の一端側寄りに配置されており、後方の接続端子63の組は、連結部60の幅方向の他端側寄りに配置されている。このような配置により、接続端子63のスリット63aは、本体部4を長さ方向からみた場合に、他の接続端子63と重ならないようになっている(図11参照)。
【0035】
本体部4では、第1保持部2及び第2保持部3が連結されたときに、接続端子63のスリット63aに幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が挿入(圧入)され、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が接続端子63に電気的に接続される。すなわち、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆カバーに接続端子63が切り込み、接続端子63が幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体まで到達して電気的に接続される。
【0036】
第1側壁部61a,61bは、第1面60aの幅方向の両端に立設されている。第1側壁部61a,61bの高さは、ボトムカバー20の高さと略同等となっており、その長さは、連結部60の長さと略同等となっている。一対の第1側壁部61a,61bの間の寸法は、第1保持部2のボトムカバー20の幅と略同等となっている。本体部4には、第1面60aと一対の第1側壁部61a,61bとによって第1保持部2が収容される第1収容空間S1が形成されている。第1収容空間S1に第1保持部2が収容されたとき、第1側壁部61a,61bの端面とボトムカバー20の第1面23aとは略面一となる。
【0037】
第1側壁部61a,61bの中央部分には、ガイド部64a,64bがそれぞれ設けられている。ガイド部64a,64bは、第1側壁部61a,61bの内面から内側に突出する板状部材であり、第1側壁部61a,61bの高さ方向に沿って設けられている。ガイド部64a,64bは、ボトムカバー20の溝28a,28bに挿入される。また、第1側壁部61a,61bの内面には、係止受部65a,65bが設けられている。係止受部65a,65bは、ボトムカバー20の係止爪29a,29bに対応する位置、つまりガイド部64a,64bを挟んで離間して配置されている。係止受部65a,65は、ボトムカバー20の係止爪29a,29bと係合して、ボトムカバー20(第1保持部2)の上下方向の移動を規制する。係止受部65a,65bと係止爪29a,29bとは、ラッチ機構となっている。
【0038】
第2側壁部62a,62bは、第2面60bの幅方向の両端に立設されている。第2側壁部62a,62bの高さは、トップカバー40の高さと略同等となっており、その長さは、連結部60の長さと同等となっている。一対の第2側壁部62a,62bの間の寸法は、第2保持部3のトップカバー40の幅と略同等となっている。本体部4には、第2面60bと一対の第2側壁部62a,62bとによって第2保持部3を収容する第2収容空間S2が形成されている。第2収容空間S2に第2保持部3が収容されたとき、第2側壁部62a,62bの端面とトップカバー40の第1面43aとは略面一となる。
【0039】
第2側壁部62a,62bの中央部分には、ガイド部66a,66bがそれぞれ設けられている。ガイド部66a,66bは、第2側壁部62a,62bの内面から内側に突出する板状部材であり、第2側壁部62a,62bの高さ方向に沿って設けられている。ガイド部66a,66bは、トップカバー40の溝49a,49bに挿入される。また、第2側壁部62a,62bの内面には、係止受部67a,67bが設けられている。係止受部67a,67bは、トップカバー40の係止爪50a,50bに対応する位置、つまりガイド部66a,66bを挟んで離間し、且つ係止受部65a,65よりも間隔を空けて配置されている。係止受部67a,67bは、ボトムカバー20の係止爪50a,50bと係合し、トップカバー40(第2保持部3)の上下方向の移動を規制する。係止受部67a,67bと係止爪50a,50bとは、ラッチ機構となっている。
【0040】
第1側壁部61a,61bは、第2側壁部62a,62bよりも肉厚に形成されており、第2側壁部62a,62bよりも幅方向に突出している。したがって、第1側壁部61a,61bと第2側壁部62a,62bとの間に段差が形成されている。これにより、本体部4では、強度が確保されている。また、この段差は、第1側壁部61a,61bが幹線ケーブルL1側、第2側壁部62a,62bが分岐ケーブルL2側に確実に結線されるような誤配線防止機構として機能する。
【0041】
続いて、上述の第1保持部2、第2保持部3及び本体部4を有するコネクタ1の組み立て方法について説明する。図11は、本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示すa−a線(図1)断面図である。より詳細には、本体部4の連結部60において前方に位置する2つの接続端子63の前面に沿った断面図である。また、図12は、本体部と第1保持部及び第2保持部とが連結した状態を示すa−a線(図1)断面図である。
【0042】
幹線ケーブルL1に対して分岐ケーブルL2を分岐させる位置が決定、すなわち、コネクタ1の取り付け位置が決定されると、まず図4に示すように、幹線ケーブルL1に第1保持部2が取り付けられる。また、図7に示すように、分岐ケーブルL2に第2保持部3が取り付けられる。そして、第1保持部2と第2保持部3との間に本体部4が配置される。つまり、図2に示すように、連結部60の第1面60aとボトムサブカバー21の第1面23aとが対向配置されると共に、連結部60の第2面60aとトップサブカバー41の第1面43aとが対向配置される。
【0043】
そして、第1保持部2及び第2保持部3に上方、または下方方向から力を加えることにより、第1収容空間S1に第1保持部2が押し込まれると共に、第2収容空間S2に第2保持部3が押し込まれる。また、第1保持部2及び第2保持部3と本体部4との両方を挟むように上下方向に力を加えてもよい。このとき、接続端子63の下端がボトムサブカバー21の開口部33に挿通されると共に、接続端子63の上端がトップサブカバー41の開口部54に挿通される。そして、接続端子63のスリット63aに幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が圧入されて接続端子63と幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体とが電気的に接続され、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とが接続端子63によって電気的に接続される。
【0044】
なお、コネクタ1の組み立て方法は、以下のような方法であってもよい。すなわち、図3に示すように、コネクタ1の取り付け位置が決定されると、ボトムカバー20、幹線ケーブルL1、ボトムサブカバー21、本体部4、トップサブカバー41、分岐ケーブルL2及びトップカバー40がこの順で配置され、上方及び下方の一方、または上下方向から力を加える。これにより、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21によって第1保持部2が構成されて幹線ケーブルL1が挟持されると共に、トップカバー40及びトップサブカバー41によって第2保持部3が構成されて分岐ケーブルL2が挟持される。
【0045】
これと同時に、第1収容空間S1に第1保持部2が押し込まれると共に、第2収容空間S2に第2保持部3が押し込まれる。このとき、接続端子63の下端がボトムサブカバー21の開口部33に挿通されると共に、接続端子63の上端がトップサブカバー41の開口部54に挿通される。そして、接続端子63のスリット63aに幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が圧入されて接続端子63と幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体とが電気的に接続され、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とが接続端子63によって電気的に接続される。
【0046】
第1保持部2及び第2保持部3が本体部4に連結されると、図12に示すように、第1保持部2の係止爪29a,29bと本体部4の係止受部65a,65bとが係合する。また、第2保持部3の係止爪50a,50bと本体部4の係止受部67a,67bとが係合する。これにより、第1保持部2及び第2保持部3の上下方向の移動が規制され、本体部4に第1保持部2及び第2保持部3が保持される。また、第1側壁部61a,61bのガイド部64a,64bがボトムカバー20の溝28a,28bに挿入され、第2側壁部62a,62bのガイド部66a,66bがトップカバー40の溝49a,49bに挿入される。これにより、本体部4において、第1保持部2及び第2保持部3の前後方向の移動が規制される。また、ガイド部64a,64b及びガイド部66a,66bによって前後方向の引っ張り強度が確保される。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係るコネクタ1は、幹線ケーブルL1を上下方向で挟持することにより保持する第1保持部2、分岐ケーブルL2を上下方向で挟持することにより保持する第2保持部3、及び第1保持部2及び第2保持部3を上下方向において連結する本体部4を備えている。したがって、コネクタ1は、第1保持部2、本体部4、第2保持部3の順に配置して上下方向から力を加えることによって組み立てることができる。つまり、各パーツを配置し、上下方向から押し込むだけで幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2とを電気的に接続することができる。したがって、組み立てが簡易化され、現場で組み立てる際の操作性の向上を図れる。また、コネクタ1は、例えばオートフォーメーション化された装置などによって自動で結線を行う場合にその効果が特に顕著となる。
【0048】
また、第1保持部2を構成するボトムカバー20及びボトムサブカバー21には、ガイド溝25,32が形成されている。これにより、第1保持部2と幹線ケーブルL1とは、幹線ケーブルL1の延在方向において相対的に移動可能となっている。そのため、コネクタ1を用いて幹線ケーブルL1から分岐ケーブルL2を分岐させる際に、最初に幹線ケーブルL1に第2保持部2を取り付けることにより、第2保持部2を移動させて分岐ケーブルL2の分岐位置を決めることができる。つまり、第2保持部2を本体部4に連結させるまでは、分岐ケーブルL2の分岐位置を容易に変更することができる。したがって、分岐ケーブルL2の長さに合わせて分岐位置を容易に設定できるため、分岐ケーブルL2の余長を短くすることができる。そのため、配線スペースの効率化を容易に実現できる。
【0049】
ところで、コネクタが小型化すると、以下のような問題が顕著となる。すなわち、小型のコネクタでは、必然的にケーブルも細くなるが、ケーブルが細いと、接続端子と幹線ケーブル及び分岐ケーブルとの接触面積が小さくなり、接続不良が生じるおそれがある。そのため、接続端子に対して幹線ケーブル及び分岐ケーブルを精度良く圧入させる必要がある。このような問題は、例えばFA(factory automation:ファクトリーオートメーション)など、通信用あるいは一部電源用に用いられるケーブル外径φ3mm程度以上の被覆導線が用いられるコネクタでは考慮する必要がなく、従来のコネクタでは検討されていなかった。
【0050】
本実施形態のコネクタ1では、小型化により生じる上記問題を鑑みて、幹線ケーブルL1を保持する第1保持部2において、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21にガイド溝25,32を形成すると共に、分岐ケーブルL2を保持する第2保持部3において、トップカバー40及びトップサブカバー41にガイド溝45,53を形成している。これらガイド溝25,32,45,53に沿って幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が配列されることにより、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2のアライメントが調整される。したがって、ケーブルを精度良く位置決めでき、その結果、接続端子63に対して幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2を精度良く圧入させることができる。これにより、コネクタ1では、構成を小型化し且つ細いケーブルを接続する場合であっても、接続不良を防止できる。
【0051】
また、コネクタ1では、第1保持部2の係止爪29a,29b及び本体部4の係止受部65a,65bの係合位置と、第2保持部3の係止爪50a,50b及び本体部4の係止受部67a,67bの係合位置とが異なっている。したがって、誤って本体部4の第1収容空間S1に第2保持部3を押し込んでも連結されない。同様に、本体部4の第2収容空間S2に第1保持部2を押し込んでも連結されない。したがって、誤って実装されることを防止できる。
【0052】
さらには、コネクタ1では、小型化に伴い接続端子63も小さくなる。つまり、接続端子63の断面積が小さくなると共に、長さが短くなる。これにより、従来のコネクタに比べて、電流が流れたときの発熱量(=断面積×長さ)を小さくできる。したがって、コネクタ1では、損失を小さくできると共に、大電流に対応できる。
【0053】
上記の形態では、幹線ケーブルL1から分岐ケーブルL2を1本だけ分岐させる、いわゆるT分岐の構成を一例に説明したが、図13及び図14に示すように、幹線ケーブルL1から複数(ここでは2本)の分岐ケーブルL2,L3を分岐させる、いわゆるH分岐であってもよい。
【0054】
図13に示すように、例えば幹線ケーブルL1において分岐ケーブルL2,L3の分岐位置を決定し、第1保持部2を幹線ケーブルL1のそれぞれの位置において取り付ける。そして、第1保持部2と本体部4とを連結する。これにより、接続端子63に幹線ケーブルL1の被覆導線が圧入され、幹線ケーブルL1の被覆電線の導体と接続端子63とが電気的に接続される。
【0055】
第1保持部2と本体部4とを連結した後に、図14に示すように、一方の本体部4に分岐ケーブルL2を保持した第2保持部3を連結すると共に、他方の本体部4に分岐ケーブルL3を保持した第2保持部3を連結する。これにより、接続端子63に分岐ケーブルL2,L3の被覆導線が圧入され、分岐ケーブルL2,L3の被覆導線の導体と接続端子63とが電気的に接続される。したがって、幹線ケーブルL1と分岐ケーブルL2,L3とが電気的に接続される。
【0056】
このように、第2保持部3は、本体部4に対して取り付け方向が一方向に定められていない。すなわち、トップサブカバー41に形成された開口部54は、本体部4のいずれの方向から押し込んだ場合であっても、接続端子63を挿通する配置となっている。したがって、コネクタ1では、装置内などにおいて、分岐ケーブルL2,L3の取り回しを容易に行える。
【0057】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。図15は、第2実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。図16は、図15に示す第2保持部材を示す斜視図である。また、図17は、図16に示す第2保持部のトップカバーを示す斜視図である。
【0058】
図15及び図16に示すように、コネクタ1Aでは、第2保持部3Aの両端から分岐ケーブルL2が延在している。つまり、幹線ケーブルL1に1本の分岐ケーブルL2を接続して、2つの例えばアドレスユニットに接続できる構成となっている。第2保持部3Aは、トップカバー40Aの構成が図8に示すトップカバー40と異なっており、その他の構成は第2保持部3と同様である。
【0059】
図17に示すトップカバー40Aは、図8に示すトップカバー40に設けられた側壁部44cを有していない点で、トップカバー40と異なっている。すなわち、トップカバー40Aは、矩形状の基体部43と、この基体部43に立設された側壁部44a,44bとを有している。第2保持部3Aでは、トップカバー40A及びトップサブカバー41によって分岐ケーブルL2を上下方向から挟むことにより、トップサブカバー41の突出部52がトップカバー40Aの挿入孔46に圧入される。これにより、分岐ケーブルL2は、トップカバー40Aのガイド溝45及びトップサブカバー41のガイド溝53に挟まれて保持され、第2保持部3Aによって分岐ケーブルL2が挟持される。
【0060】
この第2実施形態に係るコネクタ1Aにおいても、上記コネクタ1と同様の作用効果をえることができる。すなわち、小型化を実現しつつ接触不良を防止できる。
【0061】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。図18は、第3実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。図19は、図18に示すコネクタの分解斜視図である。また、図20は、本体部に第1保持部及び第2保持部が連結される前の状態を示す断面図である。
【0062】
第3実施形態に係るコネクタ1Bは、接続端子63に変えて接続端子70が設けられて点で、第1実施形態のコネクタ1と異なっている。
【0063】
本体部4Bは、板状の連結部60Aと、第1側壁部61a,61bと、第2側壁部62a,62bとを有している。連結部60Aは、第1面60Aaと、この第1面60Aaの反対側の第2面60Abとを有している。連結部60Aには、接続端子70が配設されている。接続端子70は、本体部4を厚み方向に貫通して設けられており、第1面60Aa及び第2面60Abの面外方向に突出している。
【0064】
接続端子70は、例えば金属などの導電部材からなり、接触端70a,70bを有している。接続端子70は、連結部60Aの幅方向に並置されている。接触端70a,70bは、断面が三角形状を呈しており、刃状部となっている。接触端70a,70bは、接続端子70において前後方向に設けられている。
【0065】
ボトムサブカバー21Bは、矩形状の基体部30Aと、この基体部30Aに立設された複数(ここでは4つ)の突出部31とから構成されている。基体部30Aには、基体部30と同様に、複数(ここでは4つ)のガイド溝32が設けられている。
【0066】
基体部30Aには、本体部4Aに設けられた接続端子70が挿通される開口部33Aが複数(ここでは4つ)形成されている。開口部33Aは、基体部30Aの長さ方向に延在する長方形状を呈しており、基体部30Aの幅方向に並置されている。
【0067】
トップサブカバー41Bは、矩形状の基体部51Aと、この基体部51Aに立設された複数(ここでは4つ)の突出部52とから構成されている。基体部51Aには、基体部51と同様に、複数(ここでは4つ)のガイド溝53が設けられている。
【0068】
基体部51Aには、本体部4Aに設けられた接続端子70が挿通される開口部54Aが複数(ここでは4つ)形成されている。開口部54Aは、基体部51Aの長さ方向に延在する長方形状を呈しており、基体部51Aの幅方向に並置されている。
【0069】
コネクタ1Bの本体部4Bでは、第1保持部2B及び第2保持部3Bが連結されたときに、接続端子70の接触端70a,70bが幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2に挿入され、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2が接続端子70に電気的に接続される。すなわち、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆カバーに接続端子70の接触端70a,70bが突き刺さり、接続端子63が幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2の被覆導線の導体にまで到達して電気的に接続される。
【0070】
第3実施形態に係るコネクタ1Bにおいても、上記コネクタ1と同様の作用効果をえることができる。すなわち、小型化を実現しつつ接触不良を防止できる。また、コネクタ1Bでは、板状の接続端子70Aが連結部60Aの長さ方向に沿って配置されている。そのため、接続端子63よりも狭いピッチで配置することができるため、コネクタ1Bの更なる小型化を実現できる。
【0071】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、接続端子63を千鳥状に配置しているが、接続端子63を連結部60において幅方向に一直線上に配置することもできる。これに応じて、ボトムサブカバー21の開口部33及びトップサブカバー41の開口部54を配置すればよい。
【0072】
また、上記実施形態では、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21、及びトップカバー40及びトップサブカバー41を連結するための、挿入孔26,46に突出部31,52を圧入させているが、ボトムカバー20及びボトムサブカバー21、及びトップカバー40及びトップサブカバー41の連結手段はこれに限定されない。例えば、突出部31,52の先端に係止部を設けて、この係止部が挿入孔26,46に係止される形態であってもよい。また、接着剤によって連結させてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、ボトムカバー20及びトップカバー40に挿入孔26,46をそれぞれ形成し、ボトムサブカバー21及びトップサブカバー41に突出部31,52をそれぞれ形成しているが、ボトムカバー20及びトップカバー40に突出部をそれぞれ形成し、ボトムサブカバー21及びトップサブカバー41に挿入孔をそれぞれ形成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、被覆導線が並列配置されて一体的に被覆されている幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2を用いる形態について説明したが、幹線ケーブルL1及び分岐ケーブルL2は、被覆導線がそれぞれ独立しているものであってもよい。また、被覆導線は、一本であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1A,1B…コネクタ、2,2B…第1保持部、3,3A,3B…第2保持部、26,46…挿入孔(第1挿入孔、第2挿入孔)、28a,28b,49a,49b…溝(第1溝、第2溝)、31,52…突出部(第1突出部、第2突出部)、33,33A…開口部(第1開口部)、54,54A…開口部(第2開口部)、20…ボトムカバー、21,21B…ボトムサブカバー、40,40A…トップカバー、41,41B…トップサブカバー、60…連結部、60a…第1面、60b…第2面、61a,61b…第1側壁部、62a,62b…第2側壁部、64a,64b,66a,66b…ガイド部(第1ガイド部、第2ガイド部)、65a,65b,67a,67b…係止受部、L1…幹線ケーブル、L2,L3…分岐ケーブル、S1…第1収容空間、S2…第2収容空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一本以上の第1被覆導線を含む第1ケーブルが両端から延び且つ当該第1ケーブルの外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第1保持部と、
一本以上の第2被覆導線が少なくとも一端から延び且つ当該第2被覆導線の外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第2保持部と、
前記第1保持部の前記下部に設けられた一以上の第1開口部を介して前記第1被覆導線の導体に接続し、且つ前記第2保持部の前記上部に設けられた一以上の第2開口部を介して前記第2被覆導線の導体に接続するための所定の数の端子を有し、前記第1保持部と前記第2保持部とを連結する本体部と、
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1保持部は、
前記第1ケーブルの一方側に配置されるボトムカバーと、
前記第1ケーブルの他方側に配置され、前記端子が挿通される前記第1開口部が形成されたボトムサブカバーとを有し、
前記ボトムカバー及び前記ボトムサブカバーによって、前記第1ケーブルを前記一方側及び前記他方側から挟持することが可能にされており、
前記第2保持部は、
前記第2被覆導線の一方側に配置されるトップカバーと、
前記第2被覆導線の他方側に配置され、前記端子が挿通される前記第2開口部が形成されたトップサブカバーとを有し、
前記トップカバー及び前記トップサブカバーによって、前記第2被覆導線を前記一方側及び前記他方側から挟持することが可能にされている、
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記本体部は、
第1面及び当該第1面の反対側の第2面を有し、前記端子が前記第1面及び前記第2面の面外方向に突出するように配置された連結部を有し、
前記第1保持部における前記ボトムサブカバーが前記連結部の前記第1面に対向して配置されると共に、前記第1開口部に前記端子が挿通されることにより、前記第1ケーブルと前記端子とが接続可能に構成されており、
前記第2保持部における前記トップサブカバーが前記連結部の前記第2面に対向して配置されると共に、前記第2開口部に前記端子が挿通されることにより、前記第2被覆導線の導体と前記端子とが接続可能に構成されており、
ことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ボトムサブカバーには、前記ボトムカバー側に突出する第1突出部もしくは第1挿入孔が設けられており、
前記ボトムカバーには、前記第1突出部に対応する位置に第2挿入孔もしくは前記第1挿入孔に対向する位置に前記ボトムサブカバー側に突出する第2突出部が形成されており、
前記ボトムカバーと前記ボトムサブカバーとは、前記第1突出部が前記第2挿入孔に挿入される、或いは前記第2突出部が前記第1挿入孔に挿入されることにより互いに接続固定可能にされており、
前記トップサブカバーには、前記トップカバー側に突出する第3突出部もしくは第3挿入孔が設けられており、
前記トップカバーには、前記第3突出部に対応する位置に第4挿入孔もしくは前記第3挿入孔に対応する位置に前記トップサブカバー側に突出する第4突出部が形成されており、
前記トップカバーと前記トップサブカバーとは、前記第3突出部が前記第4挿入孔に挿入される、或いは前記第4突出部が前記第3挿入孔に挿入されることにより互いに接続固定可能にされている、
ことを特徴とする請求項2又は3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体部は、
前記連結部における前記第1面の両端側に設けられ、前記第1面から立設された一対の第1側壁部と、
前記連結部における前記第2面の両端側に設けられ、前記第2面から立設された一対の第2側壁部とを有し、
前記第1保持部は、前記第1面及び前記一対の第1側壁部により形成された空間に収容可能にされており、
前記第2保持部は、前記第2面及び前記一対の第2側壁部により形成された空間に収容可能にされている、
ことを特徴とする請求項3又は4記載のコネクタ。
【請求項6】
前記一対の第1側壁部には、その対向方向の内側に突出する第1ガイド部が形成されており、
前記ボトムカバーには、前記第1ガイド部に対応する位置に第1溝が形成されており、
前記一対の前記第2側壁部には、その対向方向の内側に突出する第2ガイド部が形成されており、
前記トップカバーには、前記第2ガイド部に対応する位置に第2溝が形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部のそれぞれには、前記第1保持部及び前記第2保持部のそれぞれを前記第1保持部及び前記第2保持部の配置方向において係止する係止部が設けられている、
ことを特徴とする請求項5又は6記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1ケーブル及び前記第2被覆導線は、前記端子に圧入されて接続される、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のコネクタ。
【請求項1】
一本以上の第1被覆導線を含む第1ケーブルが両端から延び且つ当該第1ケーブルの外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第1保持部と、
一本以上の第2被覆導線が少なくとも一端から延び且つ当該第2被覆導線の外周を包囲するように保持すると共に、上部または下部を有し2つの部材から成る第2保持部と、
前記第1保持部の前記下部に設けられた一以上の第1開口部を介して前記第1被覆導線の導体に接続し、且つ前記第2保持部の前記上部に設けられた一以上の第2開口部を介して前記第2被覆導線の導体に接続するための所定の数の端子を有し、前記第1保持部と前記第2保持部とを連結する本体部と、
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1保持部は、
前記第1ケーブルの一方側に配置されるボトムカバーと、
前記第1ケーブルの他方側に配置され、前記端子が挿通される前記第1開口部が形成されたボトムサブカバーとを有し、
前記ボトムカバー及び前記ボトムサブカバーによって、前記第1ケーブルを前記一方側及び前記他方側から挟持することが可能にされており、
前記第2保持部は、
前記第2被覆導線の一方側に配置されるトップカバーと、
前記第2被覆導線の他方側に配置され、前記端子が挿通される前記第2開口部が形成されたトップサブカバーとを有し、
前記トップカバー及び前記トップサブカバーによって、前記第2被覆導線を前記一方側及び前記他方側から挟持することが可能にされている、
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記本体部は、
第1面及び当該第1面の反対側の第2面を有し、前記端子が前記第1面及び前記第2面の面外方向に突出するように配置された連結部を有し、
前記第1保持部における前記ボトムサブカバーが前記連結部の前記第1面に対向して配置されると共に、前記第1開口部に前記端子が挿通されることにより、前記第1ケーブルと前記端子とが接続可能に構成されており、
前記第2保持部における前記トップサブカバーが前記連結部の前記第2面に対向して配置されると共に、前記第2開口部に前記端子が挿通されることにより、前記第2被覆導線の導体と前記端子とが接続可能に構成されており、
ことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ボトムサブカバーには、前記ボトムカバー側に突出する第1突出部もしくは第1挿入孔が設けられており、
前記ボトムカバーには、前記第1突出部に対応する位置に第2挿入孔もしくは前記第1挿入孔に対向する位置に前記ボトムサブカバー側に突出する第2突出部が形成されており、
前記ボトムカバーと前記ボトムサブカバーとは、前記第1突出部が前記第2挿入孔に挿入される、或いは前記第2突出部が前記第1挿入孔に挿入されることにより互いに接続固定可能にされており、
前記トップサブカバーには、前記トップカバー側に突出する第3突出部もしくは第3挿入孔が設けられており、
前記トップカバーには、前記第3突出部に対応する位置に第4挿入孔もしくは前記第3挿入孔に対応する位置に前記トップサブカバー側に突出する第4突出部が形成されており、
前記トップカバーと前記トップサブカバーとは、前記第3突出部が前記第4挿入孔に挿入される、或いは前記第4突出部が前記第3挿入孔に挿入されることにより互いに接続固定可能にされている、
ことを特徴とする請求項2又は3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体部は、
前記連結部における前記第1面の両端側に設けられ、前記第1面から立設された一対の第1側壁部と、
前記連結部における前記第2面の両端側に設けられ、前記第2面から立設された一対の第2側壁部とを有し、
前記第1保持部は、前記第1面及び前記一対の第1側壁部により形成された空間に収容可能にされており、
前記第2保持部は、前記第2面及び前記一対の第2側壁部により形成された空間に収容可能にされている、
ことを特徴とする請求項3又は4記載のコネクタ。
【請求項6】
前記一対の第1側壁部には、その対向方向の内側に突出する第1ガイド部が形成されており、
前記ボトムカバーには、前記第1ガイド部に対応する位置に第1溝が形成されており、
前記一対の前記第2側壁部には、その対向方向の内側に突出する第2ガイド部が形成されており、
前記トップカバーには、前記第2ガイド部に対応する位置に第2溝が形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部のそれぞれには、前記第1保持部及び前記第2保持部のそれぞれを前記第1保持部及び前記第2保持部の配置方向において係止する係止部が設けられている、
ことを特徴とする請求項5又は6記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1ケーブル及び前記第2被覆導線は、前記端子に圧入されて接続される、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−221812(P2012−221812A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87706(P2011−87706)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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