説明

コネクタ

【課題】印刷配線板に取り付けられるコネクタであって、小型化を図ることができるとともに容易に印刷配線板に取り付けることができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ1は印刷配線板2に取り付けられるハウジング5と端子金具8とを備えている。端子金具8は二つの端子列16,17を構成している。各端子列16,17では端子金具8の一端部が互いに平行な状態でハウジング5の相手方のコネクタが嵌合する嵌合板部9に重ねられかつ印刷配線板2の表面と平行に並べられている。端子金具8の中央部8bが屈曲し他端部8cが印刷配線板2の導体パターン4に接続される。端子金具8の他端部8cにはハウジング5の幅方向の外側に向かって屈曲した外側屈曲部14が設けられている。全ての端子金具8の他端部8cの先端がハウジング5の幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷配線板に固定されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷配線板に実装されるコネクタ(例えば、特許文献1)は、ハウジングを印刷配線板に固定し、またハウジングに装着した端子金具を印刷配線板上に半田付けにより固定する。前記端子金具は、一端部が前記ハウジング内に位置し、かつ互いに間隔をあけて前記印刷配線板の表面と平行に並べられている。端子金具は、その中央部が前記ハウジングを貫通しているとともに、前記印刷配線板に向かって略90度屈曲している。端子金具は、他端部が印刷配線板の導体パターンに半田などにより固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−179960号公報
【特許文献2】特開2009−21152号公報
【特許文献3】特開2010−27456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1ないし特許文献3に示されたコネクタでは、端子金具の中央部が前記印刷配線板に向かって略90度に屈曲しているだけであるために、これら端子金具のうちの互いに隣り合う端子金具の一端部間の間隔と、互いに隣り合う端子金具の他端部間の間隔とが等しくなっている。
【0005】
一方、端子金具の一端部は、ハウジングに嵌合する相手方のコネクタの絶縁性のハウジング内に侵入するのに対し、端子金具の他端部は、前記印刷配線板の表面上で露出されてしまう。これら端子金具同士が短絡しないためには、前記端子金具の他端部間の間隔を所定の間隔よりも狭くすることができない。このため、端子金具の一端部間の間隔も前述した所定の間隔よりも狭くすることができなくなり、特許文献1ないし特許文献3に示されたコネクタでは、ハウジング即ちコネクタを小型化することが困難であった。
【0006】
また、前述した特許文献1乃至特許文献3に示されたコネクタでは、端子金具が印刷配線板の厚み方向に間隔をあけて複数列設けている。このために、特許文献1乃至特許文献3に示されたコネクタでは、複数の端子金具の他端部が、これら端子金具の一端部の長手方向に並んでしまい、特にハウジング寄りの端子金具の他端部を印刷配線板に導体パターンに半田により取り付けることが困難となる問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、印刷配線板に取り付けられるコネクタであって、小型化を図ることができるとともに容易に印刷配線板に取り付けることができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のコネクタは、印刷配線板に取り付けられるハウジングと、一端部が互いに平行な状態で前記ハウジングの相手方のコネクタが嵌合する被嵌合部に重ねられかつ前記印刷配線板の表面と平行に並べられ、中央部が屈曲し、他端部が前記印刷配線板の導体パターンに接続される端子金具を複数有した端子金具列と、を備えたコネクタにおいて、前記端子金具列の前記複数の端子金具のうち少なくとも一つの端子金具の前記他端部には、前記ハウジングの幅方向の外側に向かって屈曲した外側屈曲部が設けられて、前記複数の端子金具の前記他端部の先端が前記ハウジングの幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の本発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記端子金具列が、前記印刷配線板の表面に対して交差する方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、全ての前記端子金具列の前記端子金具の前記他端部の前記先端が前記ハウジングの幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられるように、前記外側屈曲部が前記端子金具の前記他端部に設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の本発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記端子金具列が、前記印刷配線板の表面に対して交差する方向に互いに間隔をあけて二つ設けられ、前記二つの端子金具列の前記端子金具の前記他端部の前記先端が前記ハウジングの幅方向に沿って互いに間隔をあけて交互に並べられるように、前記外側屈曲部が前記端子金具の前記他端部に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の本発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記端子金具列の前記複数の端子金具のうちの前記ハウジングの幅方向の中央寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部よりも、前記ハウジングの幅方向の外側寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部が、前記中央部寄りに設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の本発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記端子金具列の前記複数の端子金具のうちの前記ハウジングの幅方向の中央寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部の屈曲角度よりも、前記ハウジングの幅方向の外側寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部の屈曲角度が、大きいことを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載した本発明のコネクタによれば、少なくとも一つの端子金具の他端部にハウジングの幅方向の外側に屈曲した外側屈曲部を設けているので、互いに隣り合う端子金具の他端部間の間隔を、互いに隣り合う端子金具の一端部間の間隔よりも大きくすることができる。
【0014】
また、端子金具の他端部の先端がハウジングの幅方向に並べられているので、当該端子金具の他端部の先端が当該端子金具の一端部の長手方向に沿って並ぶことがない。
【0015】
請求項2に記載した本発明のコネクタによれば、全ての端子金具列の端子金具の他端部の先端がハウジングの幅方向に並んでいるので、当該端子金具の他端部の先端が当該端子金具の一端部の長手方向に沿って並ぶことがない。
【0016】
請求項3に記載した本発明のコネクタによれば、二つの端子金具列の端子金具の他端部の先端がハウジングの幅方向に並んでいるので、当該端子金具の他端部の先端が当該端子金具の一端部の長手方向に沿って並ぶことがない。
【0017】
請求項4に記載した本発明のコネクタによれば、ハウジングの中央寄りに位置する端子金具の外側屈曲部よりも外側寄りに位置する端子金具の外側屈曲部が、当該端子金具の中央部寄りに設けられているので、外側寄りの端子金具の他端部の先端がよりハウジングの幅方向の外側に位置付けられることとなる。
【0018】
請求項5に記載した本発明のコネクタによれば、ハウジングの中央寄りに位置する端子金具の外側屈曲部の屈曲角度よりも外側寄りに位置する端子金具の外側屈曲部の屈曲角度が大きいので、外側寄りの端子金具の他端部の先端がよりハウジングの幅方向の外側に位置付けられることとなる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明は、互いに隣り合う端子金具の他端部間の間隔を、互いに隣り合う端子金具の一端部間の間隔よりも大きくすることができる。即ち、互いに隣り合う端子金具の一端部間の間隔を、互いに隣り合う端子金具の他端部間の間隔よりも狭くすることができる。このため、ハウジングの幅即ちコネクタ自体の小型化を図ることが可能となる。
【0020】
また、端子金具の他端部の先端が当該端子金具の一端部の長手方向に沿って並ぶことがないので、当該端子金具の他端部の先端を半田などにより容易に印刷配線板の導体パターンに接続することができる。
【0021】
よって、小型化を図ることができるとともに容易に印刷配線板に取り付けることができる。
【0022】
請求項2に記載の本発明は、全ての端子金具列の端子金具の他端部の先端がハウジングの幅方向に並んでいるので、当該端子金具の他端部の先端が当該端子金具の一端部の長手方向に沿って並ぶことがない。このために、当該端子金具の他端部の先端を半田などにより容易に印刷配線板の導体パターンに接続することができる。
【0023】
請求項3に記載の本発明は、二つの端子金具列の端子金具の他端部の先端がハウジングの幅方向に並んでいるので、当該端子金具の他端部の先端が当該端子金具の一端部の長手方向に沿って並ぶことがない。このために、当該端子金具の他端部の先端を半田などにより容易に印刷配線板の導体パターンに接続することができる。
【0024】
請求項4に記載の本発明は、外側寄りの端子金具の他端部の先端がよりハウジングの幅方向の外側に位置付けられることとなるので、端子金具の他端部同士を接触させることなく、互いに隣り合う端子金具の一端部間の間隔を、互いに隣り合う端子金具の他端部間の間隔よりも狭くすることができる。このため、ハウジングの幅即ちコネクタ自体の小型化を図ることが可能となる。
【0025】
請求項5に記載の本発明は、外側寄りの端子金具の他端部の先端がよりハウジングの幅方向の外側に位置付けられることとなるので、端子金具の他端部同士を接触させることなく、互いに隣り合う端子金具の一端部間の間隔を、互いに隣り合う端子金具の他端部間の間隔よりも狭くすることができる。このため、ハウジングの幅即ちコネクタ自体の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタを下方からみた斜視図である。
【図3】図1に示されたコネクタを後方からみた斜視図である。
【図4】図1に示されたコネクタの背面図である。
【図5】図4に示されたコネクタの第1の端子列の端子金具の位置関係を示す背面図である。
【図6】図4に示されたコネクタの第2の端子列の端子金具の位置関係を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態にかかるコネクタを、図1ないし図6を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかるコネクタ1は、高速デジタル信号を伝送するために用いられ、印刷配線板2に取り付けられて、相手方のコネクタと嵌合する。印刷配線板2は、図1に示すように、絶縁性の基板3と、この基板3の表面上に所定のパターンで設けられた導電性の導体パターン4とを備えている。
【0028】
コネクタ1は、図1、図2及び図3に示すように、ハウジング5と、シールドシェル6と、固定部材7と、複数の端子金具8と、を備えている。
【0029】
ハウジング5は、絶縁性の合成樹脂からなる。ハウジング5は、図1に示すように、被嵌合部としての嵌合板部9と、仕切り壁部10(図3に示す)とを一体に備えて、扁平に形成されている。嵌合板部9は、扁平な平板状に形成されている。嵌合板部9の両表面には、端子金具8の後述する一端部8aが互いに平行な状態で重ねられる。嵌合板部9は、相手方のコネクタのハウジング内に進入するなどして、当該相手方のコネクタのハウジングが嵌合する。
【0030】
なお、本明細書では、端子金具8の一端部8aの長手方向と平行で相手方のコネクタと嵌合する方向を嵌合板部9即ちハウジング5の長手方向とよび、端子金具8の一端部8aの長手方向即ち相手方のコネクタと嵌合する方向と直交しかつ端子金具8の一端部8a同士が並ぶ方向を嵌合板部9即ちハウジング5の幅方向とよぶ。
【0031】
仕切り壁部10は、嵌合板部9の長手方向の一方の縁に連なった扁平な平板状に形成されている。仕切り壁部10の両表面は、嵌合板部9の両表面に対して直交している。また、本実施形態では、仕切り壁部10は、嵌合板部9の一方の縁の全周から当該嵌合板部9の外側に向かって突出した格好となっている。
【0032】
シールドシェル6は、厚手の板金に折り曲げ加工などが施されて得られ、ハウジング5の嵌合板部9の周りを覆って、仕切り壁部10の外縁に取り付けられている。シールドシェル6は、ハウジング5の嵌合板部9と間隔をあけている。シールドシェル6は、端子金具8などに電気的なのノイズが侵入することを防止する。
【0033】
固定部材7は、厚手の板金で構成され、シールドシェル6の幅方向の両側面に重ねられて、当該シールドシェル6に取り付けられる。また、固定部材7は、突出部11(図2及び図3などに示す)が印刷配線板2に設けられた孔12内に挿入されて、半田などにより図示しないアース回路に電気的及び機械的に接続される。固定部材7は、シールドシェル6即ちハウジング5を印刷配線板2に固定する。
【0034】
端子金具8は、導電性の金属で構成され、棒状に形成されている。端子金具8は、一端部8a(図1に示す)が互いに平行な状態でハウジング5の嵌合板部9の両表面に重ねられる。また、複数の端子金具8の一端部8aは、印刷配線板2の基板3の表面と平行に互いに間隔をあけて並べられている。端子金具8は、中央部8b(図3に示す)が仕切り壁部10を貫通して、印刷配線板2に向かって略90度屈曲している。端子金具8は、他端部8c(図2及び図3に示す)の先端に印刷配線板2の導体パターン4に重ねられて、当該導体パターン4に半田などにより接続される接続部13が設けられている。接続部13の長手方向は、一端部8aの長手方向と平行である。
【0035】
複数の端子金具8の他端部8cには、図4に示すように、外側屈曲部14と、鉛直屈曲部15とが設けられている。外側屈曲部14は、鉛直屈曲部15よりも端子金具8の中央部8b寄りに設けられている。外側屈曲部14は、中央部8bから他端部8cに向かうにしたがって、ハウジング5の幅方向の外側に向かって屈曲している。なお、本明細書において、ハウジング5の幅方向の外側に向かって屈曲するとは、各端子金具8の他端部8cから近いほうのハウジング5の幅方向の外側面に向かって屈曲することをいう。鉛直屈曲部15は、中央部8bから他端部8cに向かうにしたがって、印刷配線板2の基板3の表面に対して直交する方向に沿って、当該印刷配線板2に向かって屈曲している。このように、端子金具8の他端部8cには、その中央部8b側から順に外側屈曲部14、鉛直屈曲部15及び接続部13が設けられている。
【0036】
また、端子金具8のうちの嵌合板部9の図1中上側の表面に一端部8aが重ねられる端子金具8は、端子金具列としての第1の端子列16を構成し、端子金具8のうちの嵌合板部9の図1中下側の表面に一端部8aが重ねられる端子金具8は、端子金具列としての第2の端子列17を構成する。このため、勿論、第1及び第2の端子列16,17は、複数の端子金具8を備えている。このように、第1及び第2の端子列16,17は、印刷配線板2の基板3の表面に対して直交(交差)する方向に沿って互いに間隔をあけて設けられている。
【0037】
第1の端子列16の端子金具8の他端部8cでは、図5に示すように、外側屈曲部14の屈曲角度が互いに等しくなっている。なお、本明細書において、屈曲角度とは、互いの間に外側屈曲部14を挟む部分同士のなす角度を示している。また、第1の端子列16の端子金具8の他端部8cでは、ハウジング5の幅方向の中央から幅方向の外側に向かうにしたがって、外側屈曲部14が、徐々に端子金具8の中央部8bに近くなる位置に設けられている。即ち、第1の端子列16の互いに隣り合う端子金具8の他端部8cでは、ハウジング5の幅方向の中央寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14よりもハウジング5の幅方向の外側寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14が、当該端子金具8の中央部8b寄りに設けられている。
【0038】
第2の端子列17の端子金具8のうちのハウジング5の幅方向の中央に位置する端子金具8は、図6に示すように、前述した外側屈曲部14及び鉛直屈曲部15とが設けられていない。第2の端子列17の端子金具8の他端部8cでは、ハウジング5の幅方向の中央から幅方向の外側に向かうにしたがって、外側屈曲部14が、徐々に中央部8bに近くなる位置に設けられている。即ち、第2の端子列17の互いに隣り合う端子金具8の他端部8cでは、ハウジング5の幅方向の中央寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14よりもハウジング5の幅方向の外側寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14が、当該端子金具8の中央部8b寄りに設けられている。
【0039】
さらに、第2の端子列17の端子金具8の他端部8cでは、図6に示すように、ハウジング5の幅方向の中央から幅方向の外側に向かうにしたがって、外側屈曲部14の屈曲角度が、徐々に大きくなるように形成されている。即ち、第2の端子列17の互いに隣り合う端子金具8の他端部8cでは、ハウジング5の幅方向の中央寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14の屈曲角度よりもハウジング5の幅方向の外側寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14の屈曲角度が、大きくなっている。
【0040】
各端子列16,17の端子金具8の他端部8cの外側屈曲部14が、前述したように形成されていることで、これら二つの端子列16,17の端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13が、図2及び図3に示すように、ハウジング5の幅方向に沿って互いに間隔をあけかつ交互に並べられている。要するに、二つの端子列16,17の端子金具8の接続部13が、ハウジング5の幅方向に沿って互いに間隔をあけかつ交互に並べられるように、外側屈曲部14が各端子金具8の他端部8cに設けられている。
【0041】
また、各端子列16,17の端子金具8の他端部8cの外側屈曲部14が、前述したように形成されていることで、全ての端子列16,17の端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13が、図2及び図4に示すように、ハウジング5の幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられている。要するに、全ての端子列16,17の端子金具8の接続部13が、ハウジング5の幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられるように、外側屈曲部14が各端子金具8の他端部8cに設けられている。即ち、本実施形態のコネクタ1では、複数の端子金具8の他端部8cに設けられた接続部13が、ハウジング5の幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられている。
【0042】
前述した構成のコネクタ1は、端子金具8のうちの一部の端子金具8が高速デジタル信号伝送用の差動ペアとなる一対の端子金具のうちの一方をなし、他の一部の端子金具8が前述した差動ペアとなる一対の端子金具のうちの他方をなし、残りの端子金具8がアース回路に接続されるグランド用の端子金具をなして、高速デジタル信号伝送に用いられる。
【0043】
本実施形態によれば、端子金具8の他端部8cにハウジング5の幅方向の外側に屈曲した外側屈曲部14を設けているので、互いに隣り合う端子金具8の他端部8c間の間隔を、互いに隣り合う端子金具8の一端部8a間の間隔よりも大きくすることができる。即ち、互いに隣り合う端子金具8の一端部8a間の間隔を、互いに隣り合う端子金具8の他端部8c間の間隔よりも狭くすることができる。このため、ハウジング5の幅即ちコネクタ1自体の小型化を図ることが可能となる。
【0044】
また、端子金具8の他端部8cの先端がハウジング5の幅方向に並べられているので、当該端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13が当該端子金具8の一端部8aの長手方向に沿って並ぶことがない。このために、端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13を半田などにより容易に印刷配線板2の導体パターン4に接続することができる。
【0045】
よって、小型化を図ることができるとともに容易に印刷配線板に取り付けることができる。
【0046】
また、全て即ち二つの端子列16,17の端子金具8の他端部8cの先端がハウジング5の幅方向に並んでいるので、当該端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13が当該端子金具8の一端部8aの長手方向に沿って並ぶことがない。このために、端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13を半田などにより容易に印刷配線板2の導体パターン4に接続することができる。
【0047】
ハウジング5の中央寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14よりも外側寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14が、当該端子金具8の中央部8b寄りに設けられているので、外側寄りの端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13がよりハウジング5の幅方向の外側に位置付けられることとなる。このために、端子金具8の他端部8c同士を接触させることなく、互いに隣り合う端子金具8の一端部8a間の間隔を、互いに隣り合う端子金具8の他端部8c間の間隔よりも狭くすることができる。このため、ハウジング5の幅即ちコネクタ1自体の小型化を図ることが可能となる。
【0048】
ハウジング5の中央寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14の屈曲角度よりも外側寄りに位置する端子金具8の外側屈曲部14の屈曲角度が大きいので、外側寄りの端子金具8の他端部8cの先端に設けられた接続部13がよりハウジング5の幅方向の外側に位置付けられることとなる。このために、端子金具8の他端部8c同士を接触させることなく、互いに隣り合う端子金具8の一端部8a間の間隔を、互いに隣り合う端子金具8の他端部8c間の間隔よりも狭くすることができる。このため、ハウジング5の幅即ちコネクタ1自体の小型化を図ることが可能となる。
【0049】
前述した実施形態では、被嵌合部としての嵌合板部9が扁平な平板状に形成されていたが、本発明では、被嵌合部が筒状に形成されてもよい。この場合、端子金具8の一端部8aは、被嵌合部内に位置付けられて、当該被嵌合部を構成する壁面から間隔をあけて重ねられることとなる。さらに、本発明のコネクタ1は、シールドシェル6を設けなくてもよい。
【0050】
また、前述した実施形態では、端子列16,17を二つ設けたが、本発明では、これに限定されることなく、端子列16,17を1又は3つ以上設けてもよい。さらに、本発明のコネクタ1は、高速デジタル信号伝送以外の用途にも用いられてもよい。また、本発明では、必ずしも全ての端子金具8に外側屈曲部14を設けなくてもよく、要するに、本発明では、他端部8cの先端に設けられた接続部13がハウジング5の幅方向に並ぶのであれば、少なくとも一以上の端子金具8に設ければよい。
【0051】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 コネクタ
2 印刷配線板
4 導体パターン
5 ハウジング
8 端子金具
8a 一端部
8b 中央部
8c 他端部
9 嵌合板部(被嵌合部)
14 外側屈曲部
16 第1の端子列(端子金具列)
17 第2の端子列(端子金具列)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷配線板に取り付けられるハウジングと、一端部が互いに平行な状態で前記ハウジングの相手方のコネクタが嵌合する被嵌合部に重ねられかつ前記印刷配線板の表面と平行に並べられ、中央部が屈曲し、他端部が前記印刷配線板の導体パターンに接続される端子金具を複数有した端子金具列と、を備えたコネクタにおいて、
前記端子金具列の前記複数の端子金具のうち少なくとも一つの端子金具の前記他端部には、前記ハウジングの幅方向の外側に向かって屈曲した外側屈曲部が設けられて、前記複数の端子金具の前記他端部の先端が前記ハウジングの幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記端子金具列が、前記印刷配線板の表面に対して交差する方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、
全ての前記端子金具列の前記端子金具の前記他端部の前記先端が前記ハウジングの幅方向に沿って互いに間隔をあけて並べられるように、前記外側屈曲部が前記端子金具の前記他端部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記端子金具列が、前記印刷配線板の表面に対して交差する方向に互いに間隔をあけて二つ設けられ、
前記二つの端子金具列の前記端子金具の前記他端部の前記先端が前記ハウジングの幅方向に沿って互いに間隔をあけて交互に並べられるように、前記外側屈曲部が前記端子金具の前記他端部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記端子金具列の前記複数の端子金具のうちの前記ハウジングの幅方向の中央寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部よりも、前記ハウジングの幅方向の外側寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部が、前記中央部寄りに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記端子金具列の前記複数の端子金具のうちの前記ハウジングの幅方向の中央寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部の屈曲角度よりも、前記ハウジングの幅方向の外側寄りに位置する端子金具の前記外側屈曲部の屈曲角度が、大きいことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−54215(P2012−54215A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198068(P2010−198068)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】