説明

コネクタ

【課題】コネクタを大型化することなく、相手側コネクタの取付位置のズレを吸収すること。
【解決手段】コネクタ(1)が、収容空間(14)を有するハウジング(2)と、相手側コネクタ(96)に対する導体パターン(76)が形成された中継部材(3)と、収容空間内において中継部材を浮動可能に支持する一対の板バネ部(5)と、ハウジングに形成された開口(12)から突出して相手側コネクタに連結されるように、中継部材に固定されたプラグ(4)とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、特に、テレビジョン装置に使用されるCIカード用の小型のコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタとして、フローティング構造を実装したものが知れている(例えば、特許文献1参照)。このコネクタは、固定ハウジングから延びる多数の端子の自由端側に浮動ハウジングを固定して構成されている。多数の端子の自由端側は、接点部を露出させた状態で浮動ハウジングに一体に保持されている。コネクタが相手側コネクタに抜き差しされると、多数の端子の弾性変形によって浮動ハウジングが固定ハウジングに対して移動される。この浮動ハウジングの移動により、相手側コネクタの取付位置のズレを吸収するようにしてコネクタ同士が連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−48982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来のコネクタにおいては、多数の端子の弾性変形によって相手側コネクタの位置ズレが吸収されるため、このズレを吸収できる程度に端子の長さを確保しなければならなかった。このため、コネクタが大型化するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、コネクタを大型化することなく、相手側コネクタの位置ズレを吸収できるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、収容空間を有するハウジングと、相手側コネクタに対する導通経路が形成された中継部材と、前記収容空間内において前記中継部材を浮動可能に支持する支持部材と、前記ハウジングに形成された開口から突出して前記相手側コネクタに連結されるように、前記中継部材に固定された連結部材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、連結部材が固定された中継部材がハウジングに対して浮動されるため、相手側コネクタの位置にズレが生じる場合に、このズレを吸収してコネクタを相手側コネクタに適切に接続できる。また、従来のように端子の弾性変形を利用する構成と異なり、支持部材によって中継部材が浮動されるため、導通経路に長尺状の端子を用いる必要がなくコネクタが大型化することがない。
【0008】
また本発明は、上記コネクタにおいて、前記支持部材は、前記相手側コネクタに連結される連結方向に直交する側方から前記中継部材に対して弾接する板バネである。この構成によれば、板バネの弾接力によって中継部材を浮動可能に支持することができ、簡易な構成で相手側コネクタの位置ズレを吸収できる。
【0009】
また本発明は、上記コネクタにおいて、前記ハウジングの収容空間にはカードが装着され、前記中継部材の導通経路は、前記カード及び前記相手側コネクタを導通させるように形成される。この構成によれば、カード用のコネクタにおいてコネクタ全体を大型化することなく、相手側コネクタの位置ズレを吸収できる。
【0010】
また本発明は、上記コネクタにおいて、前記中継部材は、前記連結部材が固定された縦向きの基板を有しており、前記基板では、前記連結部材に対する電極ピッチが、前記カードに対する電極ピッチよりも小さくなるように導体パターンが形成される。この構成によれば、基板においてカードに合わせた電極ピッチよりも連結部材に合わせた電極ピッチが小さいため、カードよりも連結部材を小型化できる。よって、連結部材に連結される相手側コネクタを小型化することができ、メイン基板に対する相手側コネクタの実装面積を省スペース化できる。また、ハウジング内において基板が縦向きに収容されるため、コネクタ全体の寸法増加を最小限に抑えることができる。
【0011】
また本発明は、上記コネクタにおいて、前記支持部材は、前記中継部材及び前記カードを前記収容空間において浮動可能に支持する。この構成によれば、ハウジング内において中継部材と共にカードが浮動可能に支持されるため、ハウジング内でカードが揺れ動いて雑音を立てることがない。
【0012】
また本発明は、上記コネクタにおいて、前記支持部材は、前記相手側コネクタに連結される連結方向に直交する側方から前記中継部材及び前記カードに対して弾接する板バネである。この構成によれば、板バネの弾接力によって中継部材と共にカードを浮動可能に支持することができ、簡易な構成でハウジング内のカードの揺れを防止しつつ、相手側コネクタの取付位置のズレを吸収できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コネクタを大型化することなく、相手側コネクタの取付位置のズレを吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係るカードの斜視図である。
【図2】本実施の形態に係るコネクタの上方を開放した斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る端子保持体の斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る中継基板の平面図である。
【図5】本実施の形態に係るコネクタの取付状態の説明図である。
【図6】本実施の形態に係るコネクタのズレ吸収構造の説明図である。
【図7】変形例に係るカードコネクタの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、CI(Common Interface)を備えたテレビジョン装置向けのカード用コネクタを例示して説明する。しかしながら、コネクタは、カード用コネクタに限定されるものではなく適宜変更可能である。例えば、本発明のコネクタを、ケーブルコネクタにも適用可能である。
【0016】
まず、本実施の形態に係るコネクタについて説明する前に被装着部材となるカードについて説明する。図1は、本実施の形態に係るカードの斜視図である。
【0017】
図1に示すように、カード9は、テレビジョン装置等のCIスロットに差し込まれるCIカードであり、上面視長方形状に形成されている。カード9の長手方向における一端面には、複数のソケット端子91が上下2列で設けられており、このソケット端子91が設けられる側が挿入方向の先端側とされ、逆側が挿入方向における後端側とされる。カード9の先端側の両側面には、先端から後端側に向って切り欠かれた切欠部92a、92bが形成されている。切欠部92aは、厚み方向の中間部分が切り欠かれて形成され、切欠部92bは、厚み方向の下端部分を残して切り欠かれて形成される。
【0018】
この左右の切欠部92a、92bの形状の違いによって、カード9の表裏が識別される。本実施の形態では、カード9の先端側において切欠部92bによって切り欠かれた一面が表面となり、その逆側が裏面になっている。カード9は、切欠部92bが上方を向いた状態でコネクタ1に対して挿入されたときのみ、コネクタ1の奥方まで装着される。
【0019】
次に、図2から図4を参照して、コネクタの全体構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るコネクタの上方を開放した斜視図である。図3は、本実施の形態に係る端子保持体の斜視図である。図4は、本実施の形態に係る中継基板の平面図である。
【0020】
図2に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1は、合成樹脂製のハウジング2を有している。ハウジング2は、上面及び前面を開口した下部ハウジング21に対して、下面及び前面を開口した上部ハウジング22が装着されることで、前面に挿入口を有する箱状に形成される。ハウジング2の奥方には、カード9と相手側コネクタ96(図5参照)とを中継する中継部材3が収容されている。中継部材3には、カード9のソケット端子91に挿通される多数のピン端子61が保持されている。
【0021】
また、中継部材3には、ハウジング2の奥壁部23の開口12(図6参照)を介して外方に突出するプラグ(連結部材)4が固定されている。この開口12は、プラグ4よりも僅かに大きく形成されており、遊び(隙間)を持ってプラグ4を外方に突出させている。プラグ4内には、多数のピン端子61のそれぞれに導通する多数の端子(不図示)が設けられている。また、ハウジング2には、両側壁部24に沿って挿入口11側(図5参照)から略中間位置まで延在する一対の隔壁部25が設けられている。一対の隔壁部25は、カード9の側面をガイドすると共に、中継部材3の挿入口11側への移動を規制(抜け止め)している。また、一対の隔壁部25と両側壁部24との間には、一対の板バネ(支持部)5が設けられている。
【0022】
一対の板バネ5は、金属板材を折り曲げて形成されており、幅方向に延在する連結板部51によって奥壁部23側で連結されている。各板バネ5には、両側壁部24に沿う側板部52に前後一対の弾接片53a、53bが形成されている。弾接片53aは、側板部52の中間位置を基端として奥側を切り起こした片持バネであり、中継部材3の側面に弾接する。弾接片53bは、側板部52の中間位置を基端として前側を切り起こした片持バネであり、隔壁部25に設けた切欠き13を介してカード9の側面に弾接する。中継部材3及びカード9は、一対の板バネ5によって両側方から弾接されることで、収容空間14内において浮動可能に支持される。
【0023】
また、中継部材3及びカード9は、一対の板バネ5の弾性力によってハウジング2内で揺れ動かないように支持されている。このため、中継部材3及びカード9の揺れ動きによって発生するハウジング2内の雑音が抑制される。一対の側板部52の奥壁部23側には、収容空間14側に折り曲げた弾接片53cが形成されており、中継部材3のグラウンド端子73(図4参照)に弾接される。このため、弾接片53bに弾接されたカード9の側面とグラウンド端子73とが板バネ5を介して電気的に接続され、カード9の外面に発生する静電ノイズ等がグラウンド端子73に流される。
【0024】
図3A、Bに示すように、中継部材3は、カード9の前端側が装着されるカード保持部6に、プラグ4が固定された中継基板(基板)7を取り付けて構成される。カード保持部6は、収容空間14内を幅方向に延在する端子保持部62に多数のピン端子61を保持している。多数のピン端子61は、端子保持部62の延在方向に沿って上下2列で並んでおり、挿入口11に向って突出してカード9の多数のソケット端子91にそれぞれ接続される。また、カード保持部6は、端子保持部62の延在方向の両端部から前方に延出する一対のガイド部63によって、一対の隔壁部25と共にカード9の挿入をガイドしている。
【0025】
一対のガイド部63には、カード9の表面、裏面、側面に沿って上壁部64、底壁部65、側壁部66が形成されている。各ガイド部63の側壁部66には、カード9の切欠部92a、92bに対応した凸部67a、67bが形成されている。凸部67a、67bは、ピン端子61よりも挿入口11側に延びている。したがって、カード9が表裏反転状態で挿入されたときは、凸部67bによってカード9の挿入が規制され、ソケット端子91にピン端子61が挿入されることが防止される。このように、一対のガイド部63によってコネクタ1に対するカード9の誤挿入が防止される。
【0026】
また、カード保持部6には、端子保持部62の両端部から奥方に突出する一対の突起部68が設けられている。一対の突起部68には、カード挿入方向に板面を向けた縦向きの中継基板7が取り付けられている。中継基板7は、収容空間14内を幅方向に延在しており、カード保持部6とは逆側の裏面にプラグ4が固定されている。中継基板7の両板面には、ピン端子61とプラグ4内の端子を導通するための導通経路が形成されている。中継基板7には、導通経路の一部として上下2列に並んだ多数の電極穴74が設けられている。各電極穴74には、それぞれ端子保持部62から奥方に突出したピン端子61が挿通される。
【0027】
中継基板7の導通経路は、裏面72においてプラグ4の電極ピッチが電極穴74の電極ピッチよりも小さく形成されている。すなわち、本実施の形態に係るコネクタ1では、中継基板7の導通経路を介して、カード9に対する電極ピッチから相手側コネクタ96に対する電極ピッチに変換されている。このように、導通経路が形成された中継基板7を介してピン端子61をプラグ4に電気的に接続することで、ピン端子61の電極ピッチに依存しない小型のプラグ4を用いることができる。
【0028】
ここで、図4を参照して、中継基板について簡単に説明する。図4Aに示すように、中継基板7は、高さ方向の中間部分に多数の電極穴74が上下2列に横並びに配置されている。多数の電極穴74は、スルーホールとなっており、表面71から裏面72に向けて貫通している。また、図4Bに示すように、中継基板7の裏面72には、電極穴74から上下方向に外れたスペースにプラグ4用の多数の電極パッド75が設けられている。多数の電極パッド75は、電極穴74よりも小さな電極ピッチで横並びに配置されている。
【0029】
中継基板7は、複数の層からなる多層基板であり、層間に破線に示すような導体パターン(導通経路)76が形成されている。これら導体パターン76は、電極穴74と電極パッド75とを接続しており、多数の電極穴74が配置された高さ方向における中間領域の上下のスペースに配置されている。このように、中継基板7の導体パターン76を介してピン端子61とプラグ4の端子とが導通されるため、ハウジング2を大型化することなく電極ピッチの異なるカード9と小型のプラグ4とを接続できる。
【0030】
また、中継基板7の裏面72には、延在方向の両端部に一対のグラウンド端子73が形成されている。この一対のグラウンド端子73には、上述したように一対の板バネ5を介してカード9の側面が電気的に接続されている。このように構成されたコネクタ1は、テレビジョン装置の相手側コネクタに連結されることで、テレビジョン装置のカードスロットとして機能する。
【0031】
以下、図5を参照して、テレビジョン装置の背面パネルに対するコネクタの取り付けについて説明する。図5は、本実施の形態に係るコネクタの取付状態の説明図である。なお、図5においては、説明の便宜上、テレビジョン装置の背面パネルを破線で示している。
【0032】
図5Aに示すように、テレビジョン装置の背面パネル8は、コネクタ1を取り付けるための段差が設けられている。背面パネル8の上段部分81の内側には、メイン基板95が配置されており、メイン基板95上にはソケット型の相手側コネクタ96が取り付けられている。背面パネル8の上端部分と下段部分との間の側壁部分82には、相手側コネクタ96の挿入口を外部に露出する開口84が形成されている。また、背面パネル8の下段部分83には、開口84を挟んで相手側コネクタ96に対向するように、コネクタ1の取付領域が設けられている。
【0033】
コネクタ1の取付領域は、側壁部分82に近い側が僅かに低く形成され、側壁部分82から離れた側が僅かに高く形成されている。僅かに低く形成された部分は、ハウジング2の前端部分26を支持する前端支持面85となっており、僅かに高く形成された部分は、ハウジング2の後方部分27を支持する後方支持面86となっている。前端支持面85には、ハウジング2を位置決めする一対の長穴87が形成されている。一対の長穴87は、所定の間隔を空けてコネクタ1の連結方向に沿って平行に延在している。後方支持面86には、ハウジング2をフック止めするための係合穴88が形成されている。
【0034】
コネクタ1は、ハウジング2の開口からプラグ4を突出させている。ハウジング2の上下面は、前端支持面85に支持される前端部分26が、後方支持面86に支持される後方部分27よりも高くなるように形成されている。ハウジング2の前端部分26には、一対の長穴87に対応して一対の位置決めピン28が設けられ、ハウジング2の後方部分27には、係合穴88に対応してフック29が設けられている。
【0035】
図5Bに示すように、コネクタ1は、一対の位置決めピン28及びフック29がそれぞれ一対の長穴87及び係合穴88に差し込まれることで、開口部84に対する左右方向の位置決めが行われる。そして、開口84に向けてコネクタ1がスライドされることで、プラグ4が相手側コネクタ96(ソケット)に差し込まれる。フック29は、ハウジング2の後端から前方に向う略L字状に形成されているため、コネクタ1のスライドによって背面パネル8に係止される。背面パネル8に取り付けられたコネクタ1には、ハウジング2の挿入口11からカード9が装着される。
【0036】
このように構成されたコネクタ1は、カード9に対する電極ピッチよりもプラグ4に対する電極ピッチが小さく形成されるため、プラグ4が小型化されている。このため、コネクタ1に連結される相手側コネクタ96を小型化することができ、相手側コネクタ96のメイン基板95に対する実装面積を省スペース化できる。また、コネクタ1は、ハウジング2内に設けた板バネ5によってハウジング2に対してプラグ4が浮動可能に支持されている。したがって、TVのパネルに対するメイン基板95と相手側コネクタ96の取付位置にズレが生じる場合でも、このズレを吸収してコネクタ1を相手側コネクタ96に接続できる。
【0037】
図6を参照して、相手側コネクタの取付け位置にズレが生じた場合におけるコネクタのズレ吸収について説明する。図6は、本実施の形態に係るコネクタのズレ吸収構造の説明図である。
【0038】
図6Aに示すように、TVの背面パネル8に対して、メイン基板95が僅かに横ズレして取付られている。これに対して、ハウジング2が背面パネル8に対して左右方向に位置決め状態で取り付けられているため、プラグ4の中心線L1と相手側コネクタ96の中心線L2との間に僅かなズレが生じている。本実施の形態に係るコネクタ1では、プラグ4が固定された中継部材3は、一対の板バネ5によって側方から浮動可能に支持され、プラグ4は、ハウジング2の開口12から遊びを持った状態で突出されている。
【0039】
このため、左右の板バネ5の撓み量の違いによって、背面パネル8に位置決め状態で取り付けられたハウジング2に対して中継部材3が左右方向に移動される。より具体的には、一方の板バネ5の撓み量が大きくなり、他方の板バネ5の撓み量が小さくなることで、撓み量が減少した板バネ5側に中継部材3が移動される。この構成により、ハウジング2に対してプラグ4を左右方向に移動させて、図6Bに示すように、中心線L1、L2を合わせてプラグ4を相手側コネクタ96に連結できる。
【0040】
なお、図6Bにおいては、コネクタ1にカード9を装着した状態で相手側コネクタ96にプラグ4を連結させているが、この構成に限定されない。プラグ4と相手側コネクタ96とを連結した後でカード9を装着してもよい。また、一対の板バネ5の弾接片53a、53bにより、カード9の前端部及び中間部が両側方から弾接されるため、ハウジング2に対するカード9の傾きが抑えられる。
【0041】
以上のように、本実施の形態に係るコネクタ1によれば、ハウジング2に対して中継部材3が浮動されるため、相手側コネクタ96の取付位置にズレが生じる場合に、このズレを吸収してプラグ4と相手側コネクタ96とを適切に接続できる。また、従来のように端子の弾性変形を利用する構成と異なり、導通経路に長尺状の端子を用いる必要がなくコネクタ1が大型化することがない。また、中継基板7においてカード9に対する電極ピッチよりもプラグ4に対する電極ピッチが小さいため、カード9よりもプラグ4を小型化できる。よって、プラグ4に連結される相手側コネクタ96を小型化することができ、メイン基板95に対する相手側コネクタ96の実装面積を省スペース化できる。また、ハウジング2に中継基板7が縦向きに収容されるため、コネクタ全体の寸法増加を最小限に抑えることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0043】
例えば、上記した実施の形態においては、プラグを中継基板の略中央に設ける構成としたが、この構成に限定されるものではない。中継基板の導体パターンを介してピン端子とプラグの端子が接続される構成であればよく、例えば、図7Aに示すように、中継基板107の略下半部にプラグ104を設ける構成としてもよい。この場合、図7B、Cに示すように、中継基板107の略上半部に多数の電極穴111を上下2列で横並びに配置し、中継基板107の略下半部にプラグ104用の電極パッド112を配置するようにする。なお、図7では説明の便宜上、板バネを省略して記載している。
【0044】
また、本実施の形態においては、一対の板バネによりプラグを浮動可能に支持する構成としたが、この構成に限定されない。プラグを浮動可能に支持する構成であればよく、例えば、板バネの代わりに緩衝材によってプラグを支持してもよいし、ハウジングの一部を切り起こして支持部材を形成してもよい。
【0045】
また、本実施の形態においては、中継部材にプラグを設け、相手側コネクタをソケット型のコネクタとして説明したが、この構成に限定されない。中継部材にソケットを設け、相手側コネクタをプラグ型のコネクタとしてもよい。
【0046】
また、本実施の形態においては、相手側コネクタの左右方向の位置ズレを吸収する構成としたが、この構成に限定されない。コネクタ間の位置ズレを吸収する構成であればよく、例えば、上下方向の位置ズレを吸収する構成としてもよい。この場合、ハウジング内において上下方向から中継部材を支持するようにする。また、一致の板バネによって挟持された中継部材を上下方向に摺動させて、コネクタ間の上下方向の位置ズレを吸収してもよい。
【0047】
また、本実施の形態においては、カードとしてテレビジョン装置に用いられるCIカードを例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。コネクタに対して装着可能なカードであればよく、例えば、マルチメディアカード、SDカード、レデュースサイズマルチメディアカード、メモリースティック、PCIカード等のカード用コネクタに適用してもよい。
【0048】
また、本実施の形態においては、1種類のカードに対応可能な構成としたが、この構成に限定されない。中継基板を用いた電極ピッチの変換や相手側コネクタの位置ズレの吸収構造は、複数の種類に対向可能なコンバイン型のカード用コネクタに適用することも可能である。
【0049】
また、本実施の形態においては、カード用コネクタを例示して説明したが、この構成に限定されない。中継基板を用いた電極ピッチの変換や相手側コネクタの位置ズレの吸収構造は、カード用コネクタ以外のケーブルコネクタに対しても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明は、コネクタを大型化することなく、相手側コネクタの取付位置のズレを吸収できるという効果を有し、特に、テレビジョン装置に使用されるICカード用の小型のコネクタに有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 コネクタ
2 ハウジング
3 中継部材
4 プラグ(連結部材)
5 板バネ(支持部)
7 中継基板(基板)
9 カード
11 挿入口
12 開口
14 収容空間
61 ピン端子
73 グラウンド端子
74 電極穴
75 電極パッド
76 導体パターン(導通経路)
95 メイン基板
96 相手側コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有するハウジングと、
相手側コネクタに対する導通経路が形成された中継部材と、
前記収容空間内において前記中継部材を浮動可能に支持する支持部材と、
前記ハウジングに形成された開口から突出して前記相手側コネクタに連結されるように、前記中継部材に固定された連結部材とを備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記支持部材は、前記相手側コネクタに連結される連結方向に直交する側方から前記中継部材に対して弾接する板バネであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングの収容空間にはカードが装着され、
前記中継部材の導通経路は、前記カード及び前記相手側コネクタを導通させるように形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記中継部材は、前記連結部材が固定された縦向きの基板を有しており、
前記基板では、前記連結部材に対する電極ピッチが、前記カードに対する電極ピッチよりも小さくなるように導体パターンが形成されることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記支持部材は、前記中継部材及び前記カードを前記収容空間において浮動可能に支持することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記支持部材は、前記相手側コネクタに連結される連結方向に直交する側方から前記中継部材及び前記カードに対して弾接する板バネであることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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