説明

コネクタ

【課題】嵌合したコネクタ間に十分な結合力を持たせること。
【解決手段】雌コネクタ200に雄コネクタ100を嵌合した状態で、雄ハウジング110のカセット型挿入部115に挿入した固定用ブラケット400が雌ハウジング210のフード215の開口から外部に延出する。そして、雌ハウジング210に対する雄ハウジング110の挿入方向にそれぞれ延在するカセット型挿入部115の各側面115a〜115cは、フード215の対応する内面215a〜215cに面接触する。この面接触により、雌ハウジング210に対する雄ハウジング110の挿入方向と交わる面内の各方向、言い換えると、雌コネクタ200に対する雄コネクタ100の嵌合方向と交わる面内の各方向について、雌コネクタ200と雄コネクタ100との間にガタ付きの無い強固で十分な結合力を持たせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コネクタの第1ハウジングに第2コネクタの第2ハウジングを挿入することで両者を嵌合し各ハウジング内の端子どうしを接続させるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、第1コネクタの第1ハウジングに第2コネクタの第2ハウジングを挿入することで両者を嵌合し各ハウジング内の端子どうしを接続させるコネクタが知られている。雌コネクタのハウジングに雄コネクタのハウジングを挿入して両者の端子どうしを接続させるコネクタは、その顕著な一例である。
【0003】
この種のコネクタは、例えば車両の内部で種々の電線どうしの接続に利用される。車両の内部では、限られた空間に電線を配索することが多いため、コネクタの車両側への固定には、狭小空間でも実現できるように種々の工夫が加えられる。その一例として、雌雄の各コネクタ又は一方のコネクタのハウジングの側面にカセット型挿入部を形成し、車両側に固定したブラケットの先端をカセット型挿入部に挿入しクランプすることで、コネクタを車両側に固定するものがある(例えば、特許文献1の図5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−330026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したコネクタには、近年の電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)等の普及により高電圧仕様で形成されるものもあり、そのような仕様のコネクタは、在来の低電圧仕様のコネクタよりも大型化する傾向にある。そのため、車両の振動がブラケットを介して伝わったときのコネクタの振動も大きくなる嫌いがある。したがって、特にシールドコネクタ等の高電圧仕様の大きなコネクタでは、雌雄のコネクタどうしが係合状態においてガタ付き無く強固に結合されていることが望ましい。
【0006】
その観点からすると、高電圧仕様のコネクタよりも軽量小型な在来のコネクタでは、嵌合方向における結合力は端子どうしの接続を確実にするため十分に確保されているが、嵌合方向と交わる面内の各方向については、必要性がないため、雌雄のコネクタどうしの嵌合力で十分な結合力を得られるような構成が採られていない。よって、大型化の傾向が強い高電圧仕様のコネクタにおいては特に、在来のコネクタでは採られていない結合力向上のための新たな構成が求められる可能性がある。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、嵌合方向と交わる面内の各方向においてもコネクタ間に十分な結合力を持たせることができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、請求項1に記載した本発明のコネクタは、
第1端子が収容された第1ハウジングを有する第1コネクタと、前記第1ハウジングに第2ハウジングを挿入することで前記第1コネクタと嵌合し前記第2ハウジングに収容した第2端子が前記第1端子に接続される第2コネクタとを備え、前記第2ハウジングの側面に形成したカセット型挿入部に固定用ブラケットを挿入することで該固定用ブラケットに前記第2コネクタが取り付けられるコネクタであって、
前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングを挿入することで該第2ハウジングの挿入方向から前記カセット型挿入部が挿入されるフードを有しており、
前記第1コネクタに前記第2コネクタを嵌合した状態で、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの挿入方向に延在する前記カセット型挿入部の各側面が、前記フードの対応する各内面とそれぞれ面接触すると共に、前記フードの開口から該フードの外部に前記固定用ブラケットが延出する、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載した本発明のコネクタによれば、第1コネクタに第2コネクタを嵌合した状態で、第2ハウジングのカセット型挿入部に挿入した固定用ブラケットが第1ハウジングのフードの開口から外部に延出する。このため、カセット型挿入部は、第1ハウジングに対する第2ハウジングの挿入方向におけるフードの開口側とは反対側の端面に、固定用ブラケットを挿入するための開口を有することになる。また、カセット型挿入部の各側面は、第1ハウジングに対する第2ハウジングの挿入方向にそれぞれ延在することになる。
【0010】
したがって、第1コネクタに第2コネクタを嵌合すると、第1ハウジングに対する第2ハウジングの挿入方向に一定の長さを有する面接触部分が、第1ハウジングのフードと第2ハウジングのカセット型挿入部との間に発生することになる。よって、第1ハウジングに対する第2ハウジングの挿入方向と交わる面内の各方向、言い換えると、第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合方向と交わる面内の各方向について、第1コネクタと第2コネクタとの間にガタ付きの無い強固で十分な結合力を持たせることができる。
【0011】
また、請求項2に記載した本発明のコネクタは、請求項1に記載した本発明のコネクタにおいて、前記フードは、前記第1コネクタに前記第2コネクタを嵌合した状態で、前記カセット型挿入部に挿入した前記固定用ブラケットに当接して、該固定用ブラケットを前記カセット型挿入部の内面に圧接させる押圧部を、前記フードの内部に有していることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した本発明のコネクタによれば、請求項1に記載した本発明のコネクタにおいて、第1コネクタに第2コネクタを嵌合してカセット型挿入部をフードに挿入すると、カセット型挿入部とこれに挿入した固定用ブラケットとの間のガタ付きが、押圧部による固定用ブラケットのカセット型挿入部内面への圧接によって無くなる。このため、第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合方向と交わる面内の各方向について、カセット型挿入部と固定用ブラケットとの間にも、ガタ付きの無い強固で十分な結合力を持たせることができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載した本発明のコネクタは、請求項1又は2に記載した本発明のコネクタにおいて、前記第1コネクタに設けられ、回動によって前記第1コネクタと前記第2コネクタとを嵌合離脱させるレバーを備え、該レバーの回動による前記第2ハウジングの前記第1ハウジングへの挿入に伴い、前記カセット型挿入部が前記フードに挿入されることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載した本発明のコネクタによれば、請求項1又は2に記載した本発明のコネクタにおいて、レバーの回動により第1コネクタと第2コネクタとが係合離脱するコネクタにおいては、第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合方向については、レバーの回動によって第1コネクタと第2コネクタとを強固に結合させることができる。したがって、レバーの回動に伴う第1ハウジングのフードに対する第2ハウジングのカセット型挿入部の挿入によって、レバーの回動により第1コネクタと第2コネクタとを、両者の嵌合方向と交わる面内の各方向においても強固に結合させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコネクタによれば、第1のコネクタに対する第2のコネクタの嵌合方向と交わる面内の各方向においても、第1のコネクタと第2のコネクタとの間に十分な結合力を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るシールドコネクタを示す斜視図である。
【図2】(a),(b)は挿入側と多芯シールドケーブル側とからそれぞれ見た図1の雄コネクタの斜視図である。
【図3】図2の雄コネクタの分解斜視図である。
【図4】(a),(b)は挿入側と多芯シールドケーブル側とからそれぞれ見た図1の雌コネクタの斜視図である。
【図5】図4の雄コネクタの分解斜視図である。
【図6】(a)は図1のシールドコネクタを雄コネクタ側から見た説明図、(b)は(a)のA部を拡大して示す説明図である。
【図7】(a)は図6(a)のB−B線断面図、(b)は(a)のC部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るコネクタについて図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0018】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係るシールドコネクタを示す斜視図である。図1に示す本実施形態のシールドコネクタ1(請求項中のコネクタに相当)は、多芯シールドケーブル105,205の端末にそれぞれ取り付けられる雄コネクタ100(請求項中の第2コネクタに相当)と雌コネクタ200(請求項中の第1コネクタに相当)とを有している。本実施形態のシールドコネクタ1は、低挿入力コネクタ(LIFコネクタ)を構成している。そのため、雌コネクタ200のレバー300を回動させることで雄コネクタ100を雌コネクタ200に対して低操作力で嵌合離脱させることができる。ちなみに、図1では両者が嵌合した状態を示している。
【0020】
なお、以下の説明においては、多芯シールドケーブル105,205の延在方向をシールドコネクタ1(雄コネクタ100、雌コネクタ200)の「前後方向」と呼ぶことがある。特に、雄コネクタ100と雌コネクタ200との嵌合側を「前側」と呼び、反対の離脱側(多芯シールドケーブル105,205との接続側)を「後側」と呼ぶことがある。
【0021】
雄コネクタ100は、図2(a),(b)に雌コネクタ200への挿入側(前側)と多芯シールドケーブル105の接続側(後側)とからそれぞれ見た斜視図で示すように、絶縁性の樹脂によって形成される雄ハウジング110(請求項中の第2ハウジングに相当)と、導電性のシェル155とを有している。このシェル155には、後に詳述するように、多芯シールドケーブル105の2本の電線101,101を被覆する編組線103が接続される。
【0022】
図3の分解斜視図に示すように、雄ハウジング110は、筒状のインナハウジング111とアウタハウジング112とによる二重構造を有している。インナハウジング111の内部には、各電線101,101にそれぞれ接続された雄端子102,102(請求項中の第2端子に相当)が後側から挿入される。
【0023】
これらの雄端子102,102は、インナハウジング111の内部で前後に移動するムービングプレート120によって、雌コネクタ200への非嵌合時に雄ハウジング110の開口への露出を防止されている。ムービングプレート120は、雄コネクタ100の雌コネクタ200に対する嵌合中に、インナハウジング111に対する移動規制を解除されて後側に移動する。これにより、雄端子102,102が雄ハウジング110の開口に露出し、雌コネクタ200側の雌端子202,202(図5参照)との接続が可能となる。
【0024】
導電性のシェル155は、本実施形態では、シェル本体160と編組線固定部材170との2部材で構成されている。シェル本体160は、前側の大径部161と後側の小径部162とで段差状に形成されている。大径部161は雄ハウジング110のインナハウジング111とアウタハウジング112との隙間に挿入される。小径部162はインナハウジング111の後側の部分を覆う。大径部161は端子部163を複数有している。各端子部163は、雄コネクタ100を雌コネクタ200に嵌合した際に雌コネクタ200側のシェル255(図5参照)と接触する。
【0025】
編組線固定部材170は、シェル本体160の小径部162の内周に嵌合可能な筒状を呈している。小径部162の内周に編組線固定部材170が嵌合すると、小径部162の複数のばね接点164が編組線固定部材170の外周面に弾接する。編組線固定部材170の外周面には、編組線加締部材190によって多芯シールドケーブル105の編組線103が加締め固定される。
【0026】
ゴム栓140とリアホルダ150は編組線固定部材170の内部に収容される。リアホルダ150は電線101,101を雄端子102,102の間隔に応じた位置に編組線固定部材170の内部で位置決めする。ゴム栓140は、編組線固定部材170と電線101,101との隙間を埋めて雄ハウジング110の内部を防水シールする。
【0027】
雌コネクタ200は、図4(a),(b)に雄コネクタ100の挿入側(前側)と多芯シールドケーブル205の接続側(後側)とからそれぞれ見た斜視図で示すように、絶縁性の樹脂によって形成される雌ハウジング210(請求項中の第1ハウジングに相当)と、導電性のシェル255とを有している。このシェル255には、後に詳述するように、多芯シールドケーブル205の2本の電線201,201を被覆する編組線203が接続される。
【0028】
図5の分解斜視図に示すように、雌ハウジング210は、筒状のインナハウジング211とアウタハウジング212とによる二重構造を有している。インナハウジング211の内部には、各電線201,201にそれぞれ接続された雌端子202,202(請求項中の第1端子に相当)が後側から挿入される。これらの雌端子202,202は雌ハウジング210の開口に露出し、雌コネクタ200に雄コネクタ100が嵌合されると雄コネクタ100側の雄端子102,102(図3参照)と接続される。
【0029】
導電性のシェル255は、本実施形態では、シェル本体260と編組線固定部材270との2部材で構成されている。シェル本体260は、後側の筒状部261と、この筒状部261からL字状に複数延出した端子片262とで、段差状に形成されている。各端子片262は雌ハウジング210のインナハウジング211とアウタハウジング212との隙間に挿入されて、雌ハウジング210の内部に露出する。筒状部261はインナハウジング211の後側の部分を覆う。各端子片262は、雌コネクタ200に雄コネクタ100を嵌合した際に雄コネクタ100側のシェル155(図3参照)と接触する。
【0030】
編組線固定部材270は、シェル本体260の筒状部261の内周に嵌合可能な筒状を呈している。筒状部261の内周に編組線固定部材270が嵌合すると、筒状部261の複数のばね接点263が編組線固定部材270の外周面に弾接する。編組線固定部材270の外周面には、編組線加締部材290によって多芯シールドケーブル205の編組線203が加締め固定される。
【0031】
ゴム栓240とリアホルダ250は編組線固定部材270の内部に収容される。リアホルダ250は電線201,201を雌端子202,202の間隔に応じた位置に編組線固定部材270の内部で位置決めする。ゴム栓240は、編組線固定部材270と電線201,201との隙間を埋めて雌ハウジング210の内部を防水シールする。
【0032】
図6(a)の説明図に示すように、雄コネクタ100は、雄ハウジング110の下面に、カセット型挿入部115を有している。カセット型挿入部115は、図6(a)のA部を拡大して示す図6(b)の説明図に示すように、雄コネクタ100の後側に開放されたブラケット挿入用開口116を有している。図6(a)のB−B線断面図である図7(a)に示すように、カセット型挿入部115は、雄コネクタ100の前後方向、つまり、雄ハウジング110の雌ハウジング210に対する挿入方向に一定長さ延在している。
【0033】
図7(a)のC部を拡大して示す図7(b)の説明図に示すように、カセット型挿入部115のブラケット挿入用開口116には、後述する雄コネクタ100の固定用ブラケット400の先端が、雄コネクタ100の前側に向けて挿入される。固定用ブラケット400の不図示の基端は、シールドコネクタ1を配置する不図示の車両側に固定されている。したがって、雄コネクタ100は、カセット型挿入部115のブラケット挿入用開口116に挿入した固定用ブラケット400に支持されて、シールドコネクタ1を配置する車両の内部箇所に固定される。
【0034】
カセット型挿入部115は、図6(b)に示すように、カセット型挿入部115は、雄コネクタ100の前後方向、つまり、雄ハウジング110の雌ハウジング210に対する挿入方向に延在する3つの側面を有している。
【0035】
図7(b)に示すように、カセット型挿入部115の側面(下面)115bは、雄コネクタ100の後側の一部が省略されており、雄コネクタ100の前後方向の寸法が全長よりも短く形成されている。そして、側面(下面)115bには、ブラケット挿入用開口116に挿入した固定用ブラケット400に弾接する押圧片117が形成されている。押圧片117は固定用ブラケット400に弾接することで、カセット型挿入部115押圧片117は係止片118を有しており、この係止片118は固定用ブラケット400の不図示の係止孔に係合し、固定用ブラケット400がブラケット挿入用開口116から抜け落ちるのを防止する。
【0036】
上述した雄ハウジング110のカセット型挿入部115に対応して、図4(a)に示すように、雌ハウジング210の開口部には、フード215が形成されている。このフード215は、図6(b)に示すように、雄コネクタ100を雌コネクタ200に嵌合した状態で、カセット型挿入部115の各側面115a〜115cと面接触する内面215a〜215cを有している。図7(b)に示すように、フード215の内部には、テーパ面216(請求項中の押圧部に相当)が形成されている。このテーパ面216は、カセット型挿入部115の側面(下面)115bから露出する固定用ブラケット400の先端部分を、カセット型挿入部115の天井面115dに圧接させる。この圧接により、固定用ブラケット400のカセット型挿入部115内におけるガタ付きが防止される。
【0037】
このように構成された本実施形態のシールドコネクタ1によれば、雌コネクタ200に雄コネクタ100を嵌合した状態で、雄ハウジング110のカセット型挿入部115に挿入した固定用ブラケット400が雌ハウジング210のフード215の開口から外部に延出する。このため、カセット型挿入部115は、雌ハウジング210に対する雄ハウジング110の挿入方向におけるフード215の開口側とは反対側の端面に、ブラケット挿入用開口116を有することになる。また、カセット型挿入部115の各側面115a〜115cは、雌ハウジング210に対する雄ハウジング110の挿入方向にそれぞれ延在することになる。
【0038】
したがって、雌コネクタ200に雄コネクタ100を嵌合すると、雌ハウジング210に対する雄ハウジング110の挿入方向に一定の長さを有する面接触部分が、雌ハウジング210のフード215と雄ハウジング110のカセット型挿入部115との間に発生することになる。よって、雌ハウジング210に対する雄ハウジング110の挿入方向と交わる面内の各方向、言い換えると、雌コネクタ200に対する雄コネクタ100の嵌合方向と交わる面内の各方向について、雌コネクタ200と雄コネクタ100との間にガタ付きの無い強固で十分な結合力を持たせることができる。
【0039】
なお、本実施形態においてフード215に設けたテーパ面216は、省略してもよい。しかし、テーパ面216をフード215に設けて、カセット型挿入部115の側面(下面)115bから露出する固定用ブラケット400の先端部分を、カセット型挿入部115の天井面115dに圧接させれば、カセット型挿入部115と固定用ブラケット400の間のガタ付きが無くなる。このため、雌コネクタ200に対する雄コネクタ100の嵌合方向と交わる面内の各方向について、カセット型挿入部115と固定用ブラケット400との間にも、ガタ付きの無い強固で十分な結合力を持たせることができる。
【0040】
また、本実施形態では、レバー300の回動により雄コネクタ100を雌コネクタ200に係合離脱させる、低挿入力コネクタ(LIFコネクタ)を例に取って説明したが、本発明は、低挿入力コネクタ以外のタイプのコネクタにも適用可能である。
【0041】
さらに、本実施形態では、雄コネクタ100及び雌コネクタ200の各シェル155,255を、シェル本体160,260と編組線固定部材170,270との2部品で構成したが、単一部品でシェル155,255を構成したシールドコネクタ1にも本発明は適用可能である。また、本実施形態では、高電圧仕様のシールドコネクタ1を例に取って説明したが、本発明は、低電圧仕様のコネクタにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、第1コネクタの第1ハウジングに第2コネクタの第2ハウジングを挿入することで両者を嵌合し各ハウジング内の端子どうしを接続させるコネクタに適用して極めて有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 シールドコネクタ(コネクタ)
21 フード
100 雄コネクタ(第2コネクタ)
101 電線
102 雄端子(第2端子)
103 編組線
105 多芯シールドケーブル
110 雄ハウジング(第2ハウジング)
111 インナハウジング
112 アウタハウジング
115 カセット型挿入部
115a〜115c 側面
115d 天井面
116 ブラケット挿入用開口
117 押圧片
118 係止片
120 ムービングプレート
140 ゴム栓
150 リアホルダ
155 シェル
160 シェル本体
161 大径部
162 小径部
163 端子部
164 ばね接点
170 編組線固定部材
190 編組線加締部材
200 雌コネクタ(第1コネクタ)
201 電線
202 雌端子(第1端子)
203 編組線
205 多芯シールドケーブル
210 雌ハウジング(第1ハウジング)
211 インナハウジング
212 アウタハウジング
215 フード
215a〜215c 内面
216 テーパ面(押圧部)
240 ゴム栓
250 リアホルダ
255 シェル
260 シェル本体
261 筒状部
262 端子片
263 ばね接点
270 編組線固定部材
290 編組線加締部材
300 レバー
400 固定用ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子が収容された第1ハウジングを有する第1コネクタと、前記第1ハウジングに第2ハウジングを挿入することで前記第1コネクタと嵌合し前記第2ハウジングに収容した第2端子が前記第1端子に接続される第2コネクタとを備え、前記第2ハウジングの側面に形成したカセット型挿入部に固定用ブラケットを挿入することで該固定用ブラケットに前記第2コネクタが取り付けられるコネクタであって、
前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングを挿入することで該第2ハウジングの挿入方向から前記カセット型挿入部が挿入されるフードを有しており、
前記第1コネクタに前記第2コネクタを嵌合した状態で、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの挿入方向に延在する前記カセット型挿入部の各側面が、前記フードの対応する各内面とそれぞれ面接触すると共に、前記フードの開口から該フードの外部に前記固定用ブラケットが延出する、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記フードは、前記第1コネクタに前記第2コネクタを嵌合した状態で、前記カセット型挿入部に挿入した前記固定用ブラケットに当接して、該固定用ブラケットを前記カセット型挿入部の内面に圧接させる押圧部を、前記フードの内部に有していることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1コネクタに設けられ、回動によって前記第1コネクタと前記第2コネクタとを嵌合離脱させるレバーを備え、該レバーの回動による前記第2ハウジングの前記第1ハウジングへの挿入に伴い、前記カセット型挿入部が前記フードに挿入されることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−73743(P2013−73743A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210874(P2011−210874)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】