説明

コネクタ

【課題】高電圧、直流に対応したコネクタを提供する。
【解決手段】導電性を有するプラグ電極端子と筐体枠部とを有する他のコネクタと嵌合することにより電気的に接続されるコネクタにおいて、ジャック端子開口部と、絶縁体材料により形成された可動接触部と、導電性を有する可動端子部と、導電性を有する固定端子部と、を有し、前ジャック端子開口部に挿入された前記プラグ電極端子と前記可動端子部とが接触した後、前記プラグ電極端子により前記可動接触部を介し前記可動端子部が押されることにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触し、前記プラグ電極端子と、前記固定端子部とが、前記可動端子部を介し電気的に接続されるものであることを特徴とするコネクタを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電気機器は、電源等より電力の供給を受け動作するものであり、電源より電力の供給を受ける際には、通常コネクタを介し電源より電気機器へ電力が供給される。この際用いられるコネクタは、特許文献1、2に開示されているように、凸状の雄型タイプのコネクタと、凹状の雌型タイプのコネクタを嵌合することにより、電気的に接続を行うものである。
【0003】
一方、近年では、地球温暖化等に対する対策の一つとして、ローカルエリアにおける送電においても、電圧変換や送電等における電力損失が少なく、ケーブルの太さも太くする必要のない、直流で高電圧の電力の供給が検討されている。特に、サーバ等の情報機器においては、大量に電力を消費するためこのような電力供給が望ましいものとされている。
【0004】
ところで、電気機器に供給される電力に関しては、電圧が高いと人体に影響を及ぼす場合や、電子部品の動作に影響を与える場合がある。このような高電圧の電力をサーバ等の情報機器に用いる場合、装置の設置やメンテナンスの際においては、人により作業が行われるため、電気的接続がされている部分であるコネクタは通常の交流の商用電源に用いられるコネクタとは異なるものとする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−82208号公報
【特許文献2】特開2003−31301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、電源から供給される電圧が100V以上の場合、または、高電圧で直流である場合、例えば、電源から供給される電力が直流400Vの場合等では、現在の交流100Vに用いられているコネクタでは、十分な安全性や信頼性が確保されていないため、そのまま使用することは危険である。
【0007】
よって、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、高電圧の電力を安全に供給することが可能なコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、導電性を有するプラグ電極端子と筐体枠部とを有する他のコネクタと嵌合することにより電気的に接続されるコネクタにおいて、ジャック端子開口部と、絶縁体材料により形成された可動接触部と、導電性を有する可動端子部と、導電性を有する固定端子部と、を有し、前ジャック端子開口部に挿入された前記プラグ電極端子と前記可動端子部とが接触した後、前記プラグ電極端子により前記可動接触部を介し前記可動端子部が押されることにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触し、前記プラグ電極端子と、前記固定端子部とが、前記可動端子部を介し電気的に接続されるものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、を有しており、前記筐体枠部には、前記突起部に対応した形状の枠部開口部が設けられており、前記ロックピンは、前記突起部が設けられている側と反対側に押え部が設けられており、前記他のコネクタと嵌合している状態においては、前記枠部開口部に前記突起部が入り込み、前記押え部が前記可動接触部と接触することにより前記可動接触部の位置が固定されるものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記他のコネクタとの接続を外す際には、前記枠部開口部より前記突起部が出ることにより、前記押え部と前記可動接触部との接触が離れて、前記可動接触部が可動することにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが離れ、電気的接続が解除されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記可動端子部は、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触している状態において、前記可動接触部の向きに力が働くバネ性を有していることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、を有しており、前記筐体枠部が、前記接続枠溝部に挿入されることにより、前記筐体枠部によりロックピンが押され、前記可動端子部が前記固定端子部側に移動可能となるものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、一方のコネクタと他方のコネクタを嵌合することにより電気的に接続されるコネクタにおいて、前記一方のコネクタには導電性を有するプラグ電極端子と、筐体枠部とを有しており、前記他方のコネクタにはジャック端子開口部と、絶縁体材料により形成された可動接触部と、導電性を有する可動端子部と、導電性を有する固定端子部とを有しており、前記一方のコネクタと前記他方のコネクタとの嵌合は、前ジャック端子開口部に挿入された前記プラグ電極端子と前記可動端子部とが接触した後、前記プラグ電極端子により前記可動接触部を介し前記可動端子部が押されることにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触し、前記プラグ電極端子と、前記固定端子部とが、前記可動端子部を介し電気的に接続されるものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記他方のコネクタには、前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、を有しており、前記筐体枠部には、前記突起部に対応した形状の枠部開口部が設けられており、前記ロックピンは、前記突起部が設けられている側と反対側に押え部が設けられており、前記一方のコネクタと前記他方のコネクタとが嵌合している状態においては、前記枠部開口部に前記突起部が入り込み、前記押え部が前記可動接触部と接触することにより前記可動接触部の位置が固定されるものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記一方のコネクタと前記他方のコネクタの接続を外す際には、前記枠部開口部より前記突起部が出ることにより、前記押え部と前記可動接触部との接触が離れて、前記可動接触部が可動することにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが離れ、電気的接続が解除されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記可動端子部は、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触している状態において、前記可動接触部の向きに力が働くバネ性を有していることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記他方のコネクタには、前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、が設けられており、前記一方のコネクタにおける筐体枠部が、前記接続枠溝部に挿入されることにより、前記筐体枠部によりロックピンが押され、前記可動端子部が前記固定端子部側に移動可能となるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、現状の商用電源の電圧よりも高い電圧の電源、または、直流電源に対応したコネクタであって、これらの電源からの電力を安全に供給することが可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態におけるプラグコネクタの斜視図
【図2】本実施の形態におけるジャックコネクタの斜視図
【図3】本実施の形態におけるプラグコネクタ及びジャックコネクタの断面図(1)
【図4】本実施の形態におけるプラグコネクタ及びジャックコネクタの断面図(2)
【図5】本実施の形態におけるジャックコネクタの内部の説明図
【図6】ロックピン及び可動接触部の斜視図
【図7】ロックピン及び可動接触部の構造図
【図8】ロックピンと可動接触部とが分離した状態の斜視図
【図9】ロックピンの構造図
【図10】可動接触部の構造図
【図11】本実施の形態におけるコネクタの接続の説明図(1)
【図12】本実施の形態におけるコネクタの接続の説明図(2)
【図13】図11の要部拡大図
【図14】本実施の形態におけるコネクタの接続の説明図(3)
【図15】本実施の形態におけるコネクタの接続の説明図(4)
【図16】図15の要部拡大図
【図17】本実施の形態におけるコネクタの接続の説明図(5)
【図18】本実施の形態におけるコネクタの接続の説明図(6)
【図19】図18の要部拡大図
【図20】図17の要部拡大図
【図21】本実施の形態におけるコネクタの抜去の説明図(1)
【図22】本実施の形態におけるコネクタの抜去の説明図(2)
【図23】図21の要部拡大図(1)
【図24】図21の要部拡大図(2)
【図25】図22の要部拡大図(1)
【図26】図22の要部拡大図(2)
【図27】本実施の形態におけるコネクタの抜去の説明図(3)
【図28】本実施の形態におけるコネクタの抜去の説明図(4)
【図29】図27の要部拡大図
【図30】図28の要部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】
(コネクタの構造)
本実施の形態におけるコネクタの構造について説明する。本実施の形態におけるコネクタは、図1及び図2に示されるプラグコネクタ100及びジャックコネクタ200、または、ジャックコネクタ200であり、プラグコネクタ100とジャックコネクタ200とを接続することにより電気的に接続されるものである。
【0022】
図1に示されるように、プラグコネクタ100は、筐体部分が絶縁体で形成されており、金属等の導電性材料により形成された3つのプラグ電極端子111、112、113が設けられており、3つのプラグ電極端子111、112、113の周囲には筐体枠部120が設けられている。また、これらのプラグ電極端子111、112、113は不図示の電源ケーブルが接続されている。尚、本実施の形態における説明では、一例として、プラグ電極端子111は電源のプラスに、プラグ電極端子112は電源のGND(接地電位)に、プラグ電極端子113は電源のマイナスに接続されているものとする。
【0023】
図2に示されるように、ジャックコネクタ200は、筐体部分が絶縁体で形成されており、プラグコネクタ100とジャックコネクタ200とを接続した際に、プラグ電極端子111、112、113が挿入されるジャック端子開口部211、212、213が設けられている。また、プラグコネクタ100とジャックコネクタ200とを接続した際に、プラグコネクタ100の筐体枠部120が挿入される接続枠溝部220が設けられている。
【0024】
次に、図3及び図4に基づきプラグコネクタ100及びジャックコネクタ200についてより、詳細に説明する。図3は、プラグ電極端子112及びジャック端子開口部212において切断した断面図であり、図4は、プラグ電極端子113及びジャック端子開口部213において切断した断面図である。尚、ジャックコネクタ200の内部には、プラグ電極端子112と接続される不図示のジャック電極端子が設けられているものとする。
【0025】
プラグコネクタ100における筐体枠部120には、枠部開口部131が設けられている。本実施の形態では、この枠部開口部131は、プラグ電極端子112の直下に相当する位置に設けられているが、筐体枠部120の他の位置に設けることも可能である。
【0026】
また、本実施の形態におけるジャックコネクタ200の内部には、ロックピン230、可動接触部240、可動端子部250及び固定端子部260が設けられている。尚、図5は、ジャックコネクタ200の内部において、ロックピン230、可動接触部240、可動端子部250及び固定端子部260が配置されている状態を示す斜視図である。図6は、ロックピン230と可動接触部240とが配置されている状態を示す斜視図であり、図7(a)は上面図、図7(b)は正面図、図7(c)は裏面図、図7(d)は左側面図、図7(e)は右側面図である。図8は、分離した状態のロックピン230及び可動接触部240を示すものである。図9は、ロックピン230を示すものであり、図9(a)は正面図、図9(b)は側面図、図9(c)は上面図である。図10は、可動接触部240を示すものであり、図10(a)は上面図、図10(b)は側面図、図10(c)は背面図である。
【0027】
ロックピン230は、プラグコネクタ100とジャックコネクタ200とが接続されていない状態では、接続枠溝部220の側に突起部231が突き出しており、プラグコネクタ100とジャックコネクタ200とが接続された状態では、突き出している突起部231は、一旦筐体枠部120により持ち上げられた後、プラグコネクタ100における枠部開口部131に入り込むように形成されている。
【0028】
また、可動接触部240は絶縁体により形成されており、2つの接触ピン241と2つの接触ピン241を接続する接続部242とを有している。可動接触部240における2つの接触ピン241は、ジャック端子開口部211及び213の奥に、プラグ電極端子111及び113が挿入される方向に移動可能な状態で設置されている。また、ジャックコネクタ200には、接触ピン241が設けられている部分よりも奥に、可動端子部250及び固定端子部260が設けられており、接触ピン241が移動することにより、接触ピン241により可動端子部250における内部可動端子252を押し、可動端子部250と固定端子部260とが接触するように形成されている。
【0029】
ロックピン230には、突起部231が設けられている側とは反対側に押え部232が設けられている。ジャックネクタ200にプラグコネクタ100が挿入されていない状態では、押え部232により、可動接触部240の接続部242が押えられており、この状態では、可動接触部240が、可動端子部250の設けられている側に移動しないように形成されている。
【0030】
また、可動端子部250と固定端子部260は、各々導電性を有する金属材料等により形成されており、ジャックネクタ200とプラグコネクタ100とが接続されていない状態では、可動端子部250と固定端子部260とは接触してはいない。尚、可動端子部250は、一方の側にジャック側端子251を有し、他方の側に内部可動端子252を有しており、内部可動端子252はバネ性を有している。また、固定端子部260には、内部固定端子261を有している。
【0031】
ジャックネクタ200とプラグコネクタ100とが嵌合し接続されている状態においては、プラグ電極端子111及び113は、各々に対応する可動端子部250のジャック側端子251と接触し、更に、内部可動端子252と内部固定端子261とが接触しており、プラグコネクタ100からジャックコネクタ200に電力が供給される。
【0032】
(接続)
次に、プラグコネクタ100とジャックコネクタ200との接続について説明する。
【0033】
最初に、図11及び図12に示すように、プラグコネクタ100をジャックコネクタ200に差込む。具体的には、プラグコネクタ100のプラグ電極端子111、112、113をジャックコネクタ200のジャック端子開口部211、212、213に挿入し、プラグコネクタ100の筐体枠部120をジャックコネクタ200の接続枠溝部220に挿入する。図11は、プラグ電極端子112及びジャック端子開口部212において切断した断面図であり、図12は、プラグ電極端子113及びジャック端子開口部213において切断した断面図である。
【0034】
筐体枠部120を接続枠溝部220に挿入することにより、図13に示すように、接続枠溝部220に出っ張っているロックピン230の突起部231が筐体枠部120により押されて、ロックピン230全体が上方向に移動する。これにより、可動接触部240の接続部242を押えていた押え部232も上昇し、接続部242における押さえが外され、可動接触部240が移動可能な状態となる。
【0035】
次に、図14及び図15に示すように、プラグコネクタ100をジャックコネクタ200にさらに差込む。図14は、プラグ電極端子112及びジャック端子開口部212において切断した断面図であり、図15は、プラグ電極端子113及びジャック端子開口部213において切断した断面図である。これにより、プラグ電極端子111及び113は、各々に対応する可動端子部250におけるジャック側端子251と接触し、プラグ電極端子111及び113と各々に対応する可動端子部250とが電気的に接続される。また、図16に示すように、プラグ電極端子111及び113は、可動接触部240の接触ピン241と接触し押してはいるものの、可動接触部240の接触ピン241は、可動端子部250とは接触していないため、可動端子部250の内部可動端子252と固定端子部260の内部固定端子261とは接触しておらず、電気的には接続されてはいない。よって、この状態では、プラグコネクタ100よりジャックコネクタ200には、電力は供給されていない。
【0036】
次に、図17及び図18に示すように、プラグコネクタ100をジャックコネクタ200にさらに差込む。図17は、プラグ電極端子112及びジャック端子開口部212において切断した断面図であり、図18は、プラグ電極端子113及びジャック端子開口部213において切断した断面図である。これにより、図19に示すように、プラグ電極端子111及び113は、可動接触部240の接触ピン241を押し、接触ピン241により内部可動端子252が押されて、内部可動端子252と内部固定端子261とが接触し、電気的に接続される。このようにして、プラグコネクタ100よりジャックコネクタ200側に電力が供給される。この際、図20に示すように、ロックピン230の突起部231は、プラグコネクタ100の筐体枠部120に設けられた枠部開口部131に入り込む。これにより、ロックピン230は全体が下方向に移動し、押え部232と可動接触部240の接続部242とが接触し、可動接触部240が固定される。このようにして、可動接触部240における接触ピン241の位置が保たれるため、内部可動端子252と内部固定端子261との接触状態が維持され、プラグコネクタ100よりジャックコネクタ200に電力が供給されている状態が維持される。
【0037】
(抜去)
次に、ジャックコネクタ200からプラグコネクタ100の抜去について説明する。ジャックコネクタ200からプラグコネクタ100を引抜き抜去することにより、プラグコネクタ100からジャックコネクタ200への電極の供給は停止する。
【0038】
図21及び図22に示すように、ジャックコネクタ200よりプラグコネクタ100を引抜き始めの段階では、図23に示されるように、プラグコネクタ100の筐体枠部120に設けられた枠部開口部131より、ロックピン230の突起部231が出始めて、ロックピン230全体が上昇し始める。この状態では、図24に示すように、ロックピン230の押え部232により、可動接触部240の接続部242が押えられたままであり、接触ピン241の位置は固定されたままである。従って、図25及び図26に示すように、プラグ電極端子111及び113と可動接触部240の接触ピン241とは離れている状態にあるが、図23及び図24に示されるように、ロックピン230の押え部232により接触ピン241の位置が保たれるため、可動端子部250における内部可動端子252は、接触ピン241により押され、内部可動端子252と内部固定端子261とが接触している状態が保たれている。よって、この状態においては、プラグコネクタ100からジャックコネクタ200への電力が供給されている。尚、図21は、プラグ電極端子112及びジャック端子開口部212において切断した断面図であり、図22は、プラグ電極端子113及びジャック端子開口部213において切断した断面図である。
【0039】
この後、図27及び図28に示すように、ジャックコネクタ200よりプラグコネクタ100をさらに引抜くことにより、図29に示されるように、プラグコネクタ100の筐体枠部120に設けられた枠部開口部131から、ロックピン230の突起部231が完全に出て、ロックピン230全体が上昇する。これにより、可動接触部240の接続部242を押えていたロックピン230の押え部232も上昇し、可動接触部240における接続部242とロックピン230の押え部232との接触が離れる。この際、図30に示されるように、可動端子部250の内部可動端子252におけるバネ性により、接触ピン241が、プラグ電極端子111及び113の存在している方向に、押されて移動する。
【0040】
これにより、プラグ電極端子111及び113とジャック側端子251とは接触しているものの、内部可動端子252と内部固定端子261との接触が離れているため、プラグコネクタ100からジャックコネクタ200への電力の供給が停止する。
【0041】
この後、ジャックコネクタ200よりプラグコネクタ100をさらに引抜くことにより、プラグ電極端子111及び113とジャック側端子251との接触も離れ、ジャックコネクタ200とプラグコネクタ100とが完全に離れる。
【0042】
本実施の形態におけるコネクタでは、電力の供給のオンオフの接触は、プラグコネクタ100のプラグ電極端子111及び113とジャックコネクタ200のジャック側端子251との間で行なわれるのではなく、ジャックコネクタ200内における可動端子部250の内部可動端子252と固定端子部260の内部固定端子261との間で行なわれる。よって、プラグコネクタ100におけるプラグ電極端子111及び113とジャックコネクタ200におけるジャック側端子251との間等でアークが発生することはなく、コネクタの寿命及び信頼性を高めることができる。また、内部固定端子261に内部可動端子252が接触している状態から内部可動端子252が離れる際には、可動端子部250の内部可動端子252における強いバネ性の復元力によるものであるため、迅速に離すことができ、例え、この間でアークが発生したとしてもアークが発生している時間は極めて短く、内部固定端子261及び内部可動端子252においてアークによるダメージは極めて少ない。
【0043】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0044】
100 プラグコネクタ
111 プラグ電極端子
112 プラグ電極端子
113 プラグ電極端子
120 筐体枠部
131 枠部開口部
200 ジャックコネクタ
211 ジャック端子開口部
212 ジャック端子開口部
213 ジャック端子開口部
220 接続枠溝部
230 ロックピン
231 突起部
232 押え部
240 可動接触部
241 接触ピン
242 接続部
250 可動端子部
251 ジャック側端子
252 内部可動端子
260 固定端子部
261 内部固定端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有するプラグ電極端子と筐体枠部とを有する他のコネクタと嵌合することにより電気的に接続されるコネクタにおいて、
ジャック端子開口部と、
絶縁体材料により形成された可動接触部と、
導電性を有する可動端子部と、
導電性を有する固定端子部と、
を有し、
前ジャック端子開口部に挿入された前記プラグ電極端子と前記可動端子部とが接触した後、前記プラグ電極端子により前記可動接触部を介し前記可動端子部が押されることにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触し、
前記プラグ電極端子と、前記固定端子部とが、前記可動端子部を介し電気的に接続されるものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、
前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、
を有しており、
前記筐体枠部には、前記突起部に対応した形状の枠部開口部が設けられており、
前記ロックピンは、前記突起部が設けられている側と反対側に押え部が設けられており、
前記他のコネクタと嵌合している状態においては、前記枠部開口部に前記突起部が入り込み、前記押え部が前記可動接触部と接触することにより前記可動接触部の位置が固定されるものであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記他のコネクタとの接続を外す際には、前記枠部開口部より前記突起部が出ることにより、前記押え部と前記可動接触部との接触が離れて、
前記可動接触部が可動することにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが離れ、電気的接続が解除されることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記可動端子部は、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触している状態において、前記可動接触部の向きに力が働くバネ性を有していることを特徴とする請求項2または3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、
前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、
を有しており、前記筐体枠部が、前記接続枠溝部に挿入されることにより、前記筐体枠部によりロックピンが押され、前記可動端子部が前記固定端子部側に移動可能となるものであることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
一方のコネクタと他方のコネクタを嵌合することにより電気的に接続されるコネクタにおいて、
前記一方のコネクタには導電性を有するプラグ電極端子と、筐体枠部とを有しており、
前記他方のコネクタにはジャック端子開口部と、絶縁体材料により形成された可動接触部と、導電性を有する可動端子部と、導電性を有する固定端子部とを有しており、
前記一方のコネクタと前記他方のコネクタとの嵌合は、
前ジャック端子開口部に挿入された前記プラグ電極端子と前記可動端子部とが接触した後、前記プラグ電極端子により前記可動接触部を介し前記可動端子部が押されることにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触し、
前記プラグ電極端子と、前記固定端子部とが、前記可動端子部を介し電気的に接続されるものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
前記他方のコネクタには、前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、を有しており、
前記筐体枠部には、前記突起部に対応した形状の枠部開口部が設けられており、
前記ロックピンは、前記突起部が設けられている側と反対側に押え部が設けられており、
前記一方のコネクタと前記他方のコネクタとが嵌合している状態においては、前記枠部開口部に前記突起部が入り込み、前記押え部が前記可動接触部と接触することにより前記可動接触部の位置が固定されるものであることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記一方のコネクタと前記他方のコネクタの接続を外す際には、前記枠部開口部より前記突起部が出ることにより、前記押え部と前記可動接触部との接触が離れて、
前記可動接触部が可動することにより、前記可動端子部と前記固定端子部とが離れ、電気的接続が解除されることを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記可動端子部は、前記可動端子部と前記固定端子部とが接触している状態において、前記可動接触部の向きに力が働くバネ性を有していることを特徴とする請求項7または8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記他方のコネクタには、前記筐体枠部に対応する形状の接続枠溝部と、前記接続枠溝部に突起部が出っ張って設置されているロックピンと、が設けられており、
前記一方のコネクタにおける筐体枠部が、前記接続枠溝部に挿入されることにより、前記筐体枠部によりロックピンが押され、前記可動端子部が前記固定端子部側に移動可能となるものであることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−8593(P2013−8593A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141144(P2011−141144)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】