説明

コヒーレンス度適応超音波撮像

【課題】非集束又は弱集束の送信ビームに対してもコヒーレンス度を用いたクラッタの抑制を可能にする。
【解決手段】画像領域データの少なくとも第1及び第2のフレームを取得するステップと、ただし、第1及び第2のフレームは両方とも走査領域内の複数の場所を表すものであり、画像領域データの関数として前記第1及び第2のフレームからコヒーレンス度を決定するステップと、画像データ、ビーム形成パラメータ、画像形成パラメータ、画像処理パラメータ、又はこれらのパラメータの組合せを含む情報を前記コヒーレンス度の関数として生成するステップを有することを特徴とする適応超音波撮像のための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコヒーレンスの関数として超音波撮像を適応させることに関する。特に、撮像は取得したデータのコヒーレンスの関数として行われる。
【背景技術】
【0002】
コヒーレンスの欠如は収差補正とアレイ校正とによって制限することができる。収差補正は適切な点物標の不在などの様々な問題を被り、補正は伝搬経路に依存し、組織とトランスデューサの動きのため時間とともに変化し、推定及び補正は細かい空間サンプリングと高い計算コストを必要とする。アレイ校正はソフトウェアとシステムプローブの組込みが複雑なため実際には一般に使用されていない。
【0003】
クラッタはコヒーレンス度を用いて抑制することができる。例えば、特許文献1はコヒーレンス測度の使用を開示している。なお、特許文献1の開示内容は参照により本願に取り込まれている。コヒーレンス度は集束送信ビームに応答して受信したチャネルデータを用いて計算される。ランダムな散乱体の場合ならびに伝搬収差がない場合には、チャネルデータのコヒーレンスは送信ビーム幅に逆比例する。したがって、もっともコヒーレントなエコーは通常は送信焦点深度から返ってくる。しかし、送信焦点よりも浅い又は深い深度においてのように送信ビームが広い又は集束していない場合には、個々のエレメントにより受信された波形を用いて計算されたコヒーレンス度は収差及びクラッタの程度に関係なく低く、実際の物標に関連したクラッタを区別して抑制するには役立たないことがある。
【0004】
送信ブロードビームは走査速度を増すために益々使用されるようになってきている。しかし、送信焦点が弱い又は存在しないため、集束送信ビームを使用する従来の撮像に比べて通常はクラッタのレベルが高い。このクラッタは組織の収差、アレイの不均一性、及びビーム形成の量子化効果に起因している。
【特許文献1】アメリカ合衆国特許出願第10/814,959号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、非集束又は弱集束の送信ビームに対してもコヒーレンス度を用いたクラッタの抑制を可能にする超音波撮像方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、画像領域データの少なくとも第1及び第2のフレームを取得するステップと、ただし、前記第1及び第2のフレームは両方とも走査領域内の複数の場所を表すものであり、前記画像領域データの関数として前記第1及び第2のフレームからコヒーレンス度を決定するステップと、画像データ、ビーム形成パラメータ、画像形成パラメータ、画像処理パラメータ、又はこれらのパラメータの組合せを含む情報を前記コヒーレンス度の関数として生成するステップを有することを特徴とする適応超音波撮像のための方法により解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
前置きとして述べておくと、以下で説明する有利な実施形態は適応超音波撮像のための方法及びシステムを含んでいる。対象物から得られたN×M個の信号から成る1つの集合を考える。ここで、Nはアレイエレメントの数であり、Mはデータ取得及び/又は処理のパラメータのバリエーションに対応している。データ取得及び処理のパラメータは、送信アパーチャ関数、送信波形、受信アパーチャ関数、ならびに、空間及び/又は時間における受信フィルタリング関数を含んでいる。コヒーレンス度は、少なくとも部分的にインコヒーレントなチャネルの和のエネルギー又は少なくとも1つの異なるパラメータを用いて取得した画像信号のエネルギーに対するコヒーレントな和のエネルギーの比として計算される。
【0008】
1つの実施形態では、成分画像はそれぞれ異なる送信ビーム又は受信アパーチャ関数について形成され、コヒーレンス度画像はこれらの成分画像を用いて計算される。コヒーレンス度は、チャネルデータのコヒーレント和とインコヒーレント和を用いてではなく、画像領域内のデータから計算される。
【0009】
第1の観点からは、適応超音波撮像のための方法が提供される。画像領域データの第1及び第2のフレームを取得する。第1及び第2のフレームは両方とも走査領域内の複数の場所を表している。コヒーレンス度は画像領域データの関数として第1及び第2のフレームから決定される。コヒーレンス度の関数として情報が生成される。
【0010】
第2の観点からは、適応超音波撮像のための方法が提供される。第1及び第2の送信ブロードビームを送信する。それぞれ第1及び第2の送信ブロードビームに応じて、第1及び第2のデータセットが得られる。これらのデータセットはチャネル又は画像領域データに対応している。第1のデータセットは、画像領域データの第2フレームとは異なる送信アパーチャ関数、送信波形、受信アパーチャ関数、受信フィルタリング関数、又は、空間、時間、もしくは空間と時間の両方におけるこれらの組合せの関数として得られる。コヒーレンス度は第1及び第2のデータセットの関数として決定される。
【0011】
本発明は以下の請求項により規定され、このセクションにおけるどの事項もこれらの請求項に対する限定ととってはならない。本発明のさらなる側面及び利点は以下において有利な実施形態との関連で論じられる。
【実施例】
【0012】
対象物からN×M個の信号から成る1つの集合を取得する。ここで、Nはアレイエレメントの数であり、Mはデータ取得及び/又は処理のパラメータのバリエーションに対応している。これらのパラメータは、送信アパーチャ関数、送信波形、受信アパーチャ関数、及び、空間と時間の両方における受信フィルタリング関数を包摂している。コヒーレンス度はこれらの信号の少なくとも部分的にインコヒーレントな和のエネルギーに対するコヒーレントな和のエネルギーの比として計算される。1つの実施形態では、コヒーレンス度画像は、異なるパラメータで形成された成分画像のコヒーレント和とインコヒーレント和の関数として、画像領域内で計算される。少なくとも1つのパラメータはコヒーレンス度の関数として変更される。1つの実施形態では、コヒーレンス度は、成分画像を用いて合成された画像のグレーレベル又は色を変調するために使用される。
【0013】
図1には、適応超音波撮像システム10の1つの実施形態が示されている。システム10は超音波撮像システムであるが、複数の送信又は受信アンテナ(すなわち、エレメント)を用いた他の撮像システムを使用してもよい。システム10はトランスデューサ12、送信ビームフォーマ14、受信ビームフォーマ16、コヒーレンス度プロセッサ18、検出器20、画像プロセッサ22、ディスプレイ24、バッファ26,28、及び加算器30,32を含んでいる。付加的な構成要素、異なる構成要素、又は、ディスプレイ24なしのシステム10のようにより少数の構成要素を設けてもよい。
【0014】
トランスデューサ12は複数のエレメントから成るアレイである。これらのエレメントは圧電又は容量性の膜素子である。上記アレイは1次元アレイ、2次元アレイ、1.5Dアレイ、1.25Dアレイ、1.75Dアレイ、環状アレイ、多次元アレイ、これらの組合せ、又は、現在公知のもしくはこれから開発される他の任意のアレイである。トランスデューサエレメントは音響エネルギーを電気エネルギーに変換する。トランスデューサ12は送/受信スイッチを介して送信ビームフォーマ14と受信ビームフォーマ16とに接続しているが、他の実施形態では別個の接続を用いてよい。
【0015】
システム10内には、送信ビームフォーマ14と受信ビームフォーマ16の2つの異なるビームフォーマが示されている。別個のものとして示されているが、送信ビームフォーマ14と受信ビームフォーマ16はいくつかの構成要素を又はすべての構成要素を共有していてよい。両方のビームフォーマともトランスデューサアレイ12に接続している。
【0016】
送信ビームフォーマ14は、プロセッサ、遅延、フィルタ、波形発生器、メモリ、位相回転子、ディジタルアナログ変換器、増幅器、これらの組合せ、又は、現在公知のもしくはこれから開発される他の任意の送信ビームフォーマ構成要素である。1つの実施形態では、送信ビームフォーマ14はアメリカ合衆国特許第5,675,554号に開示されている送信ビームフォーマである。上記アメリカ合衆国特許の開示内容は参照により本願に取り込まれている。送信ビームフォーマは、トランスデューサ12の送信アパーチャの各エレメントに対して送信波形の電気信号を発生させる複数のチャネルとして構成されている。波形はユニポーラ、バイポーラ、階段波、正弦波、又は、1つのサイクル数、整数倍もしくは小数倍のサイクル数を持つ所望の中心周波数もしくは周波数帯域の他の波形である。波形は音響エネルギーを集中させるための相対的な遅延もしくは位相同期と振幅とを有している。送信ビームフォーマ14は、アパーチャ(例えば、アクティブエレメントの数)、複数のチャネルにわたるアポダイゼーションプロファイル、複数のチャネルにわたる遅延プロファイル、複数のチャネルにわたる位相プロファイル、中心周波数、周波数帯域、波形、サイクル数、及びこれらの組合せを変えるためのコントローラを含んでいる。走査線焦点はこれらのビーム形成パラメータに基づいて生成される。ビーム形成パラメータを変化させることで収差又はクラッタは補正される。
【0017】
受信ビームフォーマ16は、前置増幅器、フィルタ、位相回転子、遅延、加算器、ベースバンドフィルタ、プロセッサ、バッファ、メモリ、これらの組合せ、又は現在公知のもしくはこれから開発される他の任意の受信ビームフォーマ構成要素である。1つの実施形態では、受信ビームフォーマはアメリカ合衆国特許第5,555,534号及び第5,685,308号に開示されている受信ビームフォーマである。これらのアメリカ合衆国特許の開示内容は参照により本願に取り込まれている。受信ビームフォーマ16は、トランスデューサ12に衝突するエコー又は音響エネルギーを表す電気信号を受信するための複数のチャネル34から構成されている。受信ビーム形成のために、受信アパーチャ(例えば、受信処理に使用されるエレメントの数)、アポダイゼーションプロファイル、遅延プロファイル、位相プロファイル、周波数、及びこれらの組合せを含むビーム形成パラメータが受信信号に適用される。例えば、相対的な遅延と振幅又はアポダイゼーションが音響エネルギーを1つ又は複数の走査線に沿って集中させる。制御プロセッサは受信ビーム形成のために種々のビーム形成パラメータを制御する。受信ビームフォーマ16のビームフォーマパラメータは送信ビームフォーマ14と同じ又は異なっている。例えば、受信ビーム形成のために適用される収差又はクラッタ補正は、信号振幅の違いのゆえに、送信ビーム形成のための収差補正とは異なっている。
【0018】
図1は、受信ビームフォーマ16の1つの可能な実施形態を示している。アレイ12内の受信アパーチャの各エレメントからのチャネル34は、アポダイゼーション増幅を施す増幅器及び/又は遅延36に接続されている。アナログディジタル変換器は増幅されたエコー信号をディジタル化する。ディジタル無線周波数受信データはベースバンド周波数に復調される。つぎに、動的受信遅延及び/又は位相回転子のような任意の受信遅延が増幅器及び/又は遅延36により施される。受信ビームフォーマで遅延又は位相回転された各チャネルのベースバンドデータは、チャネルに基づいたコヒーレンスの決定のために、バッファに供給してもよい。バッファは所定のレンジからの受信アパーチャのすべて又は一部分にわたって受信ビームフォーマ16のディジタルサンプルを格納するのに十分である。ビームフォーム加算器38は、受信アパーチャの異なるチャネル34からのデータを結合して1つ又は複数の受信ビームを形成する1つ又は複数のディジタルもしくはアナログの加算器である。加算器38は単独の加算器又は縦続接続された加算器である。加算器38は相対的に遅延したアポダイズされたチャネル情報を足し合わせて、1つのビームを形成する。1つの実施形態では、ビームフォーム加算器38は、形成されたビームに関して位相情報が維持されるように、同位相のチャネルデータと直角位相のチャネルデータを複雑な仕方で加算する。択一的には、ビームフォーム加算器は位相情報を維持せずにデータ振幅又は強度を加算する。
【0019】
1つの実施形態では、送信ビームフォーマ14と受信ビームフォーマ16はブロードビーム伝送を用いて動作する。例えば、アメリカ合衆国特許第6,685,641号に開示されている送信ビームフォーマ及び/又は受信ビームフォーマが使用される。このアメリカ合衆国特許の開示内容は参照により本願に取り込まれている。変換を用いて画像データを生成する又は択一的に逐次的もしくは並列に画像データを生成する受信ビームフォーマ16は、送信ブロードビームに応答して複数の受信ビームを形成する。ブロードビーム伝送は、走査すべき2次元領域の大部分などの領域に1つ又は複数の角度から高周波音波を当てる非集束又は弱集束の超音波を含む。送信ブロードビームを画定するために、アレイの背後で長い距離又は実質的に無限の距離をおいた位置に仮想点源を使用してもよい。仮想点源は送信ブロードビームのステアリングのためにアレイに対して横方向に動かしてもよい。不所望の発散を補償するには、送信ブロード波面として弱集束平面波を発生させる。トランスデューサアレイ12の各エレメントにより発生させられたエネルギーは、平面波のステアリングのため又は平面波を弱集束させるために、他のエレメントに対して遅延させられる。トランスデューサアレイ12により与えられる有限のアパーチャによって発生するエッジ波を低減するために、トランスデューサアレイ12の全域にガウシアン又はハミングアポダイゼーション関数が適用される。特定の送信焦点はまったく規定されていないので、動的送信集束はトランスデューサアレイ12に対してそれぞれ異なる角度で送信平面波を重ね合わせることにより実現される。他の種類のアポダイゼーションを使用する又は弱発散平面波を使用するなど、平面波を発生させる他の技法を使用してもよい。
【0020】
受信ビームフォーマ16は、操作領域の異なる空間的な場所を表す画像データを出力する。これらの画像データはコヒーレントである(すなわち、位相情報を維持している)が、インコヒーレントなデータを含んでいてもよい。画像データは、走査線の合成(すなわち、コヒーレントな結合)、複数の走査線からのデータの混合(すなわち、インコヒーレントな結合)、又は、受信情報から画像を形成するために使用されるデータを生成するなどの他の受信データ処理によって形成することができる。例えば、ビーム間位相補正を1つ又は複数のビームに適用し、つぎに位相補正されたビームをコヒーレントな(すなわち、位相に敏感な)フィルタを通して結合し、合成超音波線を形成する及び/又はビーム間に挿入して新たな超音波線を形成する。いったんチャネルデータがビーム形成されると、或いは、そうでなく、走査領域の空間的場所を表すように結合されると、データはチャネル領域から画像データ領域へ変換される。
【0021】
検出器20は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、制御プロセッサ、ディジタル回路、加算器、フィルタ、有限インパルス応答プロセッサ、乗算器、これらの組合せ、又は、受信信号からインコヒーレントな画像データを形成する現在公知のもしくはこれから開発される他のプロセッサである。検出器20は、対数圧縮付き又は無しの単一又は複数のプロセッサを含んでいる。検出器20は、ビーム形成された信号の振幅、強度、対数圧縮された振幅、又は電力を検出する。例えば、検出器20はBモード検出器である。空間フィルタ又は時間フィルタのような1つ又は複数のフィルタを検出器20に設けてもよい。検出器20はインコヒーレント画像データを出力する。
【0022】
バッファ26及び28は、先入れ先出しバッファ、メモリ、コーナーターニングメモリ、又は、画像データを記憶する現在公知のもしくはこれから開発される他のメモリである。例えば、バッファ26,28はそれぞれ走査全体に関連したデータを記憶する。一方のバッファ26はコヒーレント画像データを記憶し、他方のバッファ28はインコヒーレント画像データを記憶する。同じバッファ26,28をインコヒーレントデータとコヒーレントデータの両方を記憶するために使用してもよい。1つより多くの先行する走査からのデータを記憶するために、付加的なバッファ26,28を使用してもよい。
【0023】
加算器30,32は、ディジタル又はアナログ加算器、複数のプロセッサ、同じ1つのプロセッサ、加算ノード、論理回路、コヒーレンス度プロセッサ18、又は、現在公知のもしくはこれから開発される他の加算器である。加算器30,32は、同じ又は実質的に同じ空間的な場所を表すが、異なる送信アパーチャ関数(アポダイゼーション、遅延プロファイル、アパーチャ位置、アパーチャ形状、又はアパーチャサイズ)、送信波形、受信アパーチャ関数、及び/又は受信フィルタリング関数に反応する画像データを加算する。送信又は受信パラメータは2つの画像データセットの間で変更される。バッファ26,28は早い方の画像データセットを記憶し、その間に後続の画像データセットが取得される。つぎに2つの画像データセットが結合される。加算器30は維持された位相情報を用いてこれらの画像データセットをコヒーレントに結合する。加算器32はこれらの画像データセットをインコヒーレントに結合する。
【0024】
コヒーレンス度プロセッサ18は、加算器30,32の出力から画像領域内のデータのコヒーレンスの度合いを求める。コヒーレンス度プロセッサ18は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、制御プロセッサ、特定用途向け集積回路、ディジタル回路、ディジタル信号プロセッサ、アナログ回路、これらの組合せ、又は、送信ビームフォーマ14、受信ビームフォーマ16、検出器20、画像プロセッサ22、もしくはシステム10の他の構成要素を制御する現在公知のもしくはこれから開発される他のプロセッサである。1つの実施形態では、コヒーレンス度プロセッサ18はビームフォーマ又はシステムのコントローラであるが、他の実施形態においては別個の又は専用のプロセッサを使用してもよい。コヒーレンス度プロセッサ18は超音波画像データの関数としてコヒーレンス度を求める。コヒーレンス度は画像データによって表される1つ又は複数の空間的場所について計算される。例えば、コヒーレンス度の値はオーバーラップした走査領域の中の各々の空間的場所について計算される。付加的に又は択一的に、コヒーレンス度プロセッサ18は、チャネル領域内のコヒーレンスを求める目的で受信アパーチャの各チャネルからの遅延された又は位相回転されたチャネルデータを得るために、受信ビームフォーマ16とバッファに接続される。
【0025】
コヒーレンス度プロセッサ18は、時間又は空間の関数としてローパスフィルタリングされたコヒーレンス度を求めるために、ローパスフィルタを有していてよい。例えば、オーバーラップした走査領域に関するコヒーレンス度は空間的変動を低減させるためにローパスフィルタリングされる。コヒーレンス度プロセッサ18は、検出器又はコヒーレントに結合されたデータを検出器20へルーティングするための経路を有していてよい。コヒーレントに結合されたデータは検出され、撮像に使用される。
【0026】
コヒーレンス度プロセッサ18は、ビーム形成パラメータ、画像形成パラメータ、又は、適応撮像のための画像処理パラメータを、コヒーレンス度の関数として決定する。つぎに、パラメータは最終的な画像におけるサイドローブクラッタを低減させるために適応的に変更される。送信ビームフォーマ14、受信ビームフォーマ16、検出器20、及び/又は画像プロセッサ22により使用されるビーム形成パラメータのいずれもがコヒーレンス度プロセッサ18により計算されたコヒーレンス度に反応するようにしてもよい。適応撮像は、付加的に又は択一的に、コヒーレンス度を表す画像を生成するなどのように、コヒーレンス度の関数として画像を生成することにより提供されるようにしてもよい。
【0027】
画像データは画像プロセッサ22に出力される。画像プロセッサ22は、ディスプレイのダイナミックレンジを設定し、線形又は非線形のフィルタを用いて空間及び時間においてフィルタリングを行い、線形又は非線形のマップの関数として値を表示するために信号振幅をマッピングする。ここで、上記線形又は非線形のフィルタはFIRもしくはIIRフィルタ、又はテーブルに基づいたフィルタであってよい。非線形マップは、相応する輝度を選択する際に入力されたデータのフィルタリングされたものとフィルタリングされていないものの両方など、様々な入力のいずれを使用してもよい。コントラストの最適化されたデータは、空間分解能の最適化された同一又は類似のデータをもった入力であってよい。入力データはつぎに輝度又は表示強度を選択するために使用される。画像プロセッサ22のデータを走査変換し、データを1次元,2次元,又は3次元表示としてディスプレイ24上に出力する。ビーム形成パラメータ、画像形成パラメータ、ダイナミックレンジ、非線形マッピング、非線形フィルタリング、又はこれらの組合せのうちの1つがコヒーレンス度の関数として選択又は変更されるので、結果として得られる画像はサイドローブの寄与によるアーチファクトのない所望の物標を示す見込みがより高い。例えば、コヒーレンス度は、ビーム形成パラメータに対する収差補正の調整や画像形成プロセッサ20により行われる合成及び混合の種類及び度合いの調整など、後の撮像のためのパラメータを適応的に変化させるために使用される。別の実施形態では、画像プロセッサ22は、色、色相、輝度、明度、又は他の撮像値をコヒーレンス度の関数として変調するなどのように、コヒーレンス度を表す画像を生成する。
【0028】
図2には、適応超音波撮像のための方法が示されている。この方法は図1のシステム10又は別のシステムにより実施される。付加的な動作、異なる動作、又はより少数の動作を設けてもよい。例えば、動作48,50及び/又は54を設けない。別の例としては、2004年3月31日提出のアメリカ合衆国特許出願第10/814,959号に開示されているように、チャネルデータに関するコヒーレンス度を決定するための付加的又は代替的な動作を設ける。なお、上記アメリカ合衆国特許出願は参照により本願に取り込まれている。チャネル又は画像データに関するコヒーレンス度は異なるパラメータ値に応じて得られた2つ以上のデータセットから決定される。
【0029】
動作40においては、画像領域データの2つ以上のフレームが取得される。1つの実施形態では、画像領域データの各フレームはそれぞれの送信ブロードビームの伝送に応じて取得される。各送信ブロードビームは走査領域にわたって2次元平面の大部分をカバーする。代替的には、より小さなエリアがカバーされる。単一の送信ブロードビームは関心領域全体の画像形成を可能にし、その結果として高いフレームレートが得られる。代替的には、異なるエリアへの複数の伝送が関心領域全体を走査する。この走査は2次元又は3次元撮像のためのものである。送信ブロードビームは2次元又は3次元に沿って広がってよい。
【0030】
伝送に応じて、チャネルデータが受信される。画像領域データのフレームは、複数の場所の各々について、受信アパーチャのすべてのエレメントからのチャネルデータを足し合わせることによって形成される。代替的には、走査領域の空間的な場所を表す画像データを生成するために、フーリエ変換のような変換又は他の処理がチャネルデータに施される。画像データは走査領域内の複数の場所を表す値を含んでいる。データのフレームは特定の走査又は走査の組合せに関連したデータセットを含んでいる。データがフレームフォーマットで伝送されようとされまいと、データの1フレームは関心領域を表すデータを含んでいる。
【0031】
部分的なビーム形成又はビーム和を用いてもよい。例えば、アレイを撮像システムに接続するケーブルの数を制限するために、多次元トランスデューサアレイを用いたサブアレイビーム形成が提供される。各サブアレイについて部分的にビーム和をとったデータがチャネルデータとして扱われる。このチャネルデータは画像領域データからコヒーレンス度を求めるためにまとめてビーム形成される。択一的には、チャネル領域におけるコヒーレンス度を求めるために、部分ビーム和がチャネルデータとして使用される。
【0032】
取得した画像データには位相情報が含まれている。画像データは無線周波数(RF)又は同相直交(IQ)フォーマットをとっている。画像データの各データセット又は各フレームは数学的にS(x,y)として表すことができる。ここで、(x,y)は画像内の点であり、nは特定の送信及び受信関数の設定を表している。画像データの異なるデータセット又はフレームは、異なる送信アパーチャ関数、送信波形、受信アパーチャ関数、受信フィルタリング関数、又はこれらの組合せに応答する。パラメータ又は関数設定における違いは、空間、時間、又は、空間と時間にある。例えば、送信アパーチャ関数は異なる位置にある仮想点源の関数として変化する。画像データの第1のデータセットはアレイに対して第1の角度で送信された送信ブロードビームによって得られ、画像データの第2のデータセットはアレイに対して第2の異なる角度で送信された送信ブロードビームによって得られる。1つの実施形態では、−10°〜10°の範囲にある2°刻みの平面波入射角によって、データの11個の成分画像又はフレームが得られる。別の例としては、アレイの別の部分又はアポダイゼーションを使用するために、受信アパーチャ関数が変化する。さらに別の例として、受信フィルタリング関数は時間的に変化する。データの第1フレームは、例えば、一方のデータセットに対しては基本周波数帯域で、他方のデータセットに対しては調和周波数帯域でというように、データの第2フレームとは異なる周波数帯域において取得される。別の例として、受信フィルタリング関数は空間的に変化する。データの第1フレームは、第2フレームとは異なる目視方向又はフィルタリング方向に沿って取得される。データの2つ以上の成分フレームの取得の間に、他の関数、パラメータ、変数、又は設定を調整又は変化させてもよい。
【0033】
得られたデータセットは2次元画像又は領域を表している。3次元画像又は体積を表すデータセットを用いてもよい。
【0034】
動作42においては、コヒーレント画像データのフレームを検出する。振幅、強度、電力、又は信号の他の特性が検出される。検出は対数領域においてでもよいし、対数圧縮なしでもよい。振幅検出は、ヒルベルト変換を使用したり、すなわち、軸方向に沿ってIQ信号を変調したり、振幅として(I+Q1/2を使用したりするなどのように、さまざまな方法で行うことができる。検出は位相情報を除去するので、結果としてインコヒーレントデータが得られる。
【0035】
動作44においては、画像領域データの2以上のフレームが加算される。同じ又は実質的に同じ場所を表す値はコヒーレントに加算される。データ間の位相関係は維持される。成分画像のコヒーレント和はコヒーレント画像を生じる:
【0036】
【数1】

この和は、平均、真の和、加重和、又は、別の結合関数である。線形結合又は非線形結合としてもよい。
【0037】
動作46では、画像データの2つ以上のフレームが再び加算される。同じ又は実質的に同じ場所を表す値がインコヒーレントに加算される。検出されたデータ又はインコヒーレントデータは、振幅領域、強度領域、又は対数領域における加算などにより加算される。動作46では、動作44において使用されたものと同じであるが検出ありのデータセット又は異なるデータセットが使用される。動作42における振幅検出がインコヒーレント画像データのフレームA(x,y)を提供する。成分振幅画像が足し合わされる:
【0038】
【数2】

この和は、平均、真の和、加重和、又は、別の結合関数である。線形結合又は非線形結合としてもよい。
【0039】
動作48では、コヒーレントに加算された画像領域データが振幅検出される。検出は動作42において行われた検出と同じであるか又は異なっている。検出は動作44から出力された画像領域データを動作46から出力された画像領域データと同じフォーマットで又は類似の処理に従って供給する。インコヒーレント加算とは対照的にコヒーレント加算であるため、データは異なる。
【0040】
動作50では、コヒーレンス度の決定に先立って、付加的なオプション動作が実行される。例えば、コヒーレントに加算された画像データとインコヒーレントに加算された画像データの両方が平方される。
【0041】
動作52では、第1及び第2のデータセット又は第1及び第2のフレームからの画像領域データの関数としてコヒーレンス度が決定される。コヒーレンス度の値は、例えば走査された関心領域全域などの複数の場所の各々について決定される。択一的には、コヒーレンス度の単一値が計算される。さらに他の実施形態では、コヒーレンス度の1つ又は複数の値が1つより多くの空間的場所を表すデータからそれぞれ計算される。
【0042】
コヒーレンス度はコヒーレント和とインコヒーレント和の関数として計算される。例えば、コヒーレンス度はインコヒーレント和のエネルギーに対するコヒーレント和のエネルギーの比である。B(x,y)をS(x,y)の振幅検出の結果であるとすると、コヒーレンス度はつぎのように計算される:
【0043】
【数3】

ここで、Bはコヒーレントな振幅であり、Aはインコヒーレントな振幅である。コヒーレンス度は0〜1の範囲に入る。振幅を平方しない、又は対数領域内での差として計算を行うなどのように、画像データのコヒーレンスを計算するための他の関数を使用してもよい。
【0044】
通常、コヒーレント画像B(x,y)はインコヒーレント画像A(x,y)よりも高い横分解能と大きなスペックル分散を有している。異なる空間的場所を表すコヒーレンス度の値(コヒーレンス度画像)の振幅変動は動作54において平滑化してよい。空間ローパスフィルタリングはコヒーレンス度画像内のスペックルを抑圧又は制限することができる。ローパスフィルタリングはまた、精度を高め、計算されたコヒーレンス度の分散を低下させるために、コヒーレンス度を局所的に平均化する。
【0045】
チャネルからのものであろうと画像領域計算からのものであろうと、コヒーレンス度は、情報の生成に使用される。例えば、2004年3月31日提出のアメリカ合衆国特許出願第10/814,959号に開示されているように、送信又は受信パラメータはコヒーレンス度の関数として調整される。コヒーレンス度画像は後続の画像情報を変更するために使用される。例えば、チャネルに基づいたコヒーレンスを計算するために、部分ビーム和信号が使用される。コヒーレンス度はつぎに送信又は受信ビーム形成又はフィルタリング関数を変化させるために使用される。
【0046】
コヒーレンス度情報又は画像は、成分画像、コヒーレントに加算された画像、インコヒーレントに加算された画像、後続の画像情報、送信ブロードビームもしくは集束送信ビームにより別個に得られた画像、これらの組合せ、又は他の画像情報を加重ないし変更するために使用することができる。検出されたデータの輝度、色、色相、明度、又はこれらの組合せがコヒーレンス度の関数として変調される。例えば、加重は線形振幅領域内で行うことができる。
【0047】
O(x,y)=I(x,y)×f[CFID(x,y)]
ここで、f(u)は一般に何らかの非線形関数であり、I(x,y)は入力画像であり、O(x,y)は出力画像である。f(u)=uならば、この演算は各々の画像の場所においてコヒーレンス度に比例して画像振幅を低下させる。f(u)に対する閾関数によってゲイン抑制のダイナミックレンジを制限してもよい。
【0048】
インコヒーレント加算(混合)はスペックルを抑制し、境界描画を改善することができる。成分画像は、部分的にオーバーラップするサブアパーチャのように、ことによると異なる受信アパーチャ選択スキームを有する異なる送信ステアリングを用いて形成される。コヒーレンス度情報はそれぞれ送信/受信アパーチャスキームに対応した成分画像を用いて計算される。そうすれば、このコヒーレンス度画像を混合画像の輝度又は色の変調に使用することができる。
【0049】
コヒーレント画像とインコヒーレント画像以外に、複合画像も個々の成分画像から形成することができる。いくつかの成分画像がコヒーレントに足し合わされ、それらの和がインコヒーレントに加算される。一般に、成分画像をコヒーレントに加算することは横分解能の改善に役立ち、さまざまなソースからのクラッタの低減を助ける画像形成における冗長性を与える。画像をインコヒーレントに加算することはスペックルの低減に役立つ。トランスデューサと組織の動きは、個々の成分画像を取得する間の動きが音波の波長に比べて小さくなるように制限される。
【0050】
1つの実施形態では、画像はコヒーレンス度の関数として表示される。コヒーレンス度情報又は画像の関数はグレースケール画像とともに表示される。例えば、コヒーレンス度のカラーオーバーレイがグレースケールBモード画像の最上部に表示される。これがグレースケール画像上でコヒーレンス度画像の見当を合わせ、組織のどの部分が波の伝搬により強い不均一性をもたらしているのかを特定するのに役立つ。
【0051】
別の実施形態では、第1及び第2のデータセット又はデータの第1及び第2のフレームがコヒーレンス度の関数として混合される。1つの出力画像を生成するために2つの画像を選択的に混合するには、コヒーレンス度又はコヒーレンス度の関数が使用される。例えば、2つの入力画像はコヒーレントに加算された画像とインコヒーレントに加算された画像である。コヒーレンス度は加算された画像を結合する際の相対的な重みを決定する。コヒーレンスが高い場合には、インコヒーレントに加算された撮像情報は比較的重く加重される。別の例は、コヒーレント画像とローパスフィルタリングされたコヒーレント画像をコヒーレンス度の関数として混合することである。
【0052】
領域全体にわたるコヒーレンス度の空間平均は組織の収差の度合いを示す。収差の度合いは診断において有益な情報を提供する画像品質指標として機能する。例えば、胸部の撮像において、患者の画像が比較的低い平均コヒーレンス度を有している場合には、撮像された組織は比較的に不均質であることが見込まれる。不均質な組織は組織の病理に関連している可能性がある。ファントムの研究では、コヒーレンス度の平均は収差がない場合には0.61であり、収差がある場合には0.41であることが分かっている。
【0053】
組織の収差が激しいときには、その場所での成分画像サンプルと送信アパーチャから離れた他のすべての後続する場所での成分画像サンプルとでは位相がずれている可能性がより高い。このような場所では比較的低いコヒーレンス度の値が期待される。高周波音波照射角度に沿ったコヒーレンス度情報の微分が局所的な組織収差の度合いを近似する。微分なしのコヒーレンス度情報は高周波音波照射の経路に沿った積分された収差の測度である。
【0054】
上では様々な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更及び改良を為すことができることが理解されなければならない。したがって、以上の詳細な記述は限定的なものとしてではなく説明目的のものとして見なされるべきであり、本発明の趣旨と範囲を定めるものは、すべての等価物も含めて、以下の請求項であることが理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】コヒーレンス度の関数としての適応超音波撮像のためのシステムの一実施形態のブロック回路図を示す。
【図2】コヒーレンス度の関数としての適応超音波撮像のための方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0056】
10 適応超音波撮像システム
12 トランスデューサ
14 送信ビームフォーマ
16 受信ビームフォーマ
18 コヒーレンス度プロセッサ
20 検出器
22 画像プロセッサ
24 ディスプレイ
26 バッファ
28 バッファ
30 加算器
32 加算器
36 遅延
38 ビームフォーム加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応超音波撮像のための方法であって、
画像領域データの少なくとも第1及び第2のフレームを取得するステップ(40)と、ただし、前記第1及び第2のフレームは両方とも走査領域内の複数の場所を表すものであり、
前記画像領域データの関数として前記第1及び第2のフレームからコヒーレンス度を決定するステップ(52)と、
画像データ、ビーム形成パラメータ、画像形成パラメータ、画像処理パラメータ、又はこれらのパラメータの組合せを含む情報を前記コヒーレンス度の関数として生成するステップを有することを特徴とする、適応超音波撮像のための方法。
【請求項2】
第1及び第2のフレームを取得する前記ステップ(40)はそれぞれ第1及び第2の送信ブロードビームを送信するステップを含み、前記第1及び第2送信ブロードビームの各々は、走査領域の全域にわたって2次元平面又は3次元体積のオーバーラップ領域をカバーする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
画像領域データの第1及び第2のフレームを取得する前記ステップ(40)は、複数の場所の各々について受信アパーチャのすべてのエレメントからのチャネルデータを足し合わせるステップを含み、足し合わされたチャネルデータが画像領域データである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
画像領域データの第1及び第2のフレームを取得する前記ステップ(40)は、複数の場所の各々を表すデータをフーリエ変換の関数としてチャネルデータから生成するステップ(40)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
画像領域データの第1及び第2のフレームを取得する前記ステップ(40)は、画像領域データの第2フレームとは異なる送信アパーチャ関数、送信波形、受信アパーチャ関数、受信フィルタリング関数、又は、空間、時間、もしくは空間と時間の両方における上記関数の組合せに応じて、画像領域データの第1フレームを取得するステップ(40)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
アポダイゼーション及び遅延プロファイルを含む送信アパーチャ関数を異なる位置における仮想点源の関数として変化させる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
アレイの異なる部分又はアポダイゼーションを使用するために、アポダイゼーション及び遅延プロファイルを含む受信アパーチャ関数を変化させる、請求項5記載の方法。
【請求項8】
受信フィルタリング関数を時間的に変化させ、この変化によりデータの第2フレームとは異なる周波数帯域においてデータの第1フレームを供給する、請求項5記載の方法。
【請求項9】
受信フィルタリング関数を空間的に変化させ、この変化により第2フレームとは異なる目視方向に沿って第1フレームを供給する、請求項5記載の方法。
【請求項10】
コヒーレンス度を決定する前記ステップ(52)は複数の場所の各々についてコヒーレンス度を決定するステップ(52)を含む、請求項5記載の方法。
【請求項11】
コヒーレンス度を決定する前記ステップ(52)は、
画像領域データの第1及び第2のフレームをコヒーレントに加算するステップ(44)と、
画像領域データの第1及び第2のフレームを少なくとも部分的にインコヒーレントに加算するステップ(46)と、
コヒーレント和とインコヒーレント和の関数としてコヒーレンス度を計算するステップ(52)を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項12】
インコヒーレントに加算する前記ステップ(46)は、振幅領域、強度領域、又は対数領域において加算するステップ(46)を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
コヒーレンス度の関数として情報を生成する前記ステップは、複数の場所の各々についてコヒーレンス度の関数として画像を表示するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
コヒーレンス度の関数として情報を生成する前記ステップは、データの第1フレーム、データの第2フレーム、データの第3フレーム、インコヒーレント和からのデータのフレーム、コヒーレント和からのデータのフレーム、又はこれらの組合せの、輝度、色、色相、明度、又はこれらの組合せを、コヒーレンス度の関数として変化させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
コヒーレンス度の関数として情報を生成する前記ステップは、データの第1及び第2のフレームをコヒーレンス度の関数として混合するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
適応超音波撮像のための方法であって、
第1及び第2の送信ブロードビームを送信するステップと、
それぞれ第1及び第2の送信ブロードビームに応じて第1及び第2のデータセットを取得するステップ(40)と、ただし、第1のデータセットは、第2のデータセットとは異なる送信アパーチャ関数、送信波形、受信アパーチャ関数、受信フィルタリング関数、又は空間、時間、もしくは空間と時間の両方におけるこれらの組合せの関数として得られ、
第1及び第2のデータセットの関数としてコヒーレンス度を決定するステップ(52)を有することを特徴とする、適応超音波撮像のための方法。
【請求項17】
前記コヒーレンス度は、第1及び第2のデータセットのインコヒーレント和のエネルギーに対するコヒーレント和のエネルギーの比である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
第1及び第2のデータセットを取得する前記ステップ(40)は画像領域データの第1及び第2のフレームを取得するステップ(40)を含み、第1及び第2のフレームは両方とも走査領域内の複数の場所を表すものである、請求項16記載の方法。
【請求項19】
第1及び第2のデータセットを取得する前記ステップ(40)は送信アパーチャ関数の関数として取得するステップ(40)を含み、ただし、前記送信アパーチャ関数は、第1及び第2のデータセットに対して異なる位置にある仮想点源の関数として変化する、請求項16記載の方法。
【請求項20】
第1及び第2のデータセットを取得する前記ステップ(40)は受信アパーチャ関数の関数として取得するステップ(40)を含み、ただし、前記受信アパーチャ関数は、第1及び第2のデータセットに対してアレイの異なる部分又はアポダイゼーションが使用されるように変化する、請求項16記載の方法。
【請求項21】
第1及び第2のデータセットを取得する前記ステップ(40)は受信フィルタリング関数の関数として取得するステップ(40)を含み、ただし、前記受信フィルタリング関数は、第2のデータセットとは異なる周波数帯域において第1のデータセットが供給されるように時間的に変化する、請求項16記載の方法。
【請求項22】
第1及び第2のデータセットを取得する前記ステップ(40)は受信フィルタリング関数の関数として取得するステップ(40)を含み、ただし、前記受信フィルタリング関数は、第2のデータセットとは異なる目視方向に沿って第1のデータセットが供給されるように空間的に変化する、請求項16記載の方法。
【請求項23】
コヒーレンス度を決定する前記ステップ(52)は、
画像領域データの第1及び第2のフレームをコヒーレントに加算するステップ(44)と、
画像領域データの第1及び第2のフレームを少なくとも部分的にインコヒーレントに加算するステップ(46)と、
コヒーレント和とインコヒーレント和の関数としてコヒーレンス度を計算するステップ(52)を含む、
請求項16記載の方法。
【請求項24】
コヒーレンス度の関数として画像を表示するステップをさらに有する、請求項16記載の方法。
【請求項25】
輝度、色、色相、明度、又はこれらの組合せをコヒーレンス度の関数として変化させるステップをさらに有する、請求項16記載の方法。
【請求項26】
第1及び第2のデータセットをコヒーレンス度の関数として加重して混合するステップをさらに有する、請求項16記載の方法。
【請求項27】
第1及び第2のデータセットを取得する前記ステップ(40)は複数の部分ビーム和を形成するステップを含み、コヒーレンス度を決定する前記ステップ(52)は前記部分ビーム和の関数としてコヒーレンス度を決定するステップを含む、請求項16記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−204923(P2006−204923A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19572(P2006−19572)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】