説明

コフェロンならびにその作製および使用方法

治療的化合物の調製において有用な単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、該多様性要素に接続するリンカー要素とを含む。リンカー要素は、500ダルトン未満の分子量を有し、かつ直接的にまたは接続部を介して間接的に上記多様性要素に接続し、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる。単量体は、共有結合的または非共有結合的に結合して、治療的多量体またはそれらの前駆体を形成することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、治療的化合物の調製において有用な単量体:
300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素(diversity element)、および
500ダルトン未満の分子量を有するリンカー要素であって、前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に前記多様性要素に接続し、かつ生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素。
【請求項2】
前記多様性要素が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合する、請求項1に記載の単量体。
【請求項3】
前記リンカー要素が、補因子とともに、または補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有する、請求項1に記載の単量体。
【請求項4】
前記リンカー要素が、45ダルトン〜450ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の単量体。
【請求項5】
コード要素(encoding element)をさらに含む単量体であって、前記多様性要素、前記リンカー要素、および前記コード要素が連結している、請求項1に記載の単量体。
【請求項6】
前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、請求項5に記載の単量体。
【請求項7】
前記コード要素が、標識されたビーズまたは固体支持体である、請求項5に記載の単量体。
【請求項8】
前記コード要素が、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである、請求項7に記載の単量体。
【請求項9】
前記オリゴヌクレオチドが、約20塩基の共通配列Cに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約15塩基の共通配列Bに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約20塩基の共通配列Aを含む、請求項8に記載の単量体。
【請求項10】
前記ビーズまたは固体支持体の有効表面の一部分上が官能化されている、請求項9に記載の単量体。
【請求項11】
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、単量体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、請求項1に記載の単量体:

式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH基がその位置に存在し得る;

式中、
=H、‐OH、−CH、−F、−CF、または別の電子求引性官能基であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=R=−H、

であり、
=R=H、−OH、または−CHOHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;および

式中、
=R=−H、−OH、−CH、−F、または−CFであり、
=−H、−CHNH、

であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項12】
前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると以下の式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、請求項1に記載の単量体:

式中、
Rは、‐H、‐CH、または‐CFを含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は‐H、−OHまたは−CHより選択されてもよい。
【請求項13】
前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、請求項1に記載の単量体:

式中、
R=H、B(OH)

(CHOH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CHOH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
【請求項14】
前記リンカー要素が、芳香族複素環化合物または非複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素とその結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する、単量体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、請求項1に記載の単量体:

式中、
=−H、−(CHOH、−(CHSH、B(OH)であり、
n=0〜3であり、
=R

であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)および式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=−(CHOH、−(CHSH、

であり、
n=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(X)、式(IX)、式(XI)、および式(XII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項15】
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と自身の結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、前記結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、単量体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、請求項1に記載の単量体:

式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、

n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)または(XIV)の分子の1つ以上の前記多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
【請求項16】
前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、単量体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナート基のアルコール保護から構成される群より選択される、請求項1に記載の単量体。
【請求項17】
共有結合的または非共有結合的に結合した複数の単量体を含む、治療的多量体前駆体であって、それぞれの単量体が以下を含む、治療的多量体前駆体:
300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素、
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができる、リンカー要素であって、それぞれの単量体の前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続し、かつ複数の前記単量体が、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合し、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子中の近接した位置に結合する、リンカー要素、ならびに
コード要素であって、1つ以上の単量体について、前記多様性要素、前記リンカー要素、および前記コード要素が連結している、コード要素。
【請求項18】
前記多量体が二量体である、請求項17に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項19】
前記結合した単量体のうちの1つ以上における前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、請求項17に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項20】
1つの単量体における前記コード要素が、標識されたビーズまたは固体支持体である、請求項17に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項21】
前記コード要素が、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである、請求項20に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項22】
前記オリゴヌクレオチドが、約20塩基の共通配列Cに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約15塩基の共通配列Bに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約20塩基の共通配列Aを含む、請求項21に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項23】
前記ビーズまたは固体支持体の有効表面の一部分上が官能化されている、請求項22に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項24】
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、治療的多量体前駆体であって、前記単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項17に記載の治療的多量体前駆体:

式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH基がその位置に存在し得る;

式中、
=H、−OH、−CH、−F、−CF、または他の電子求引性官能基であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、

=R=H、−OH、または−CHOHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=R=−H、−OH、−CH、−F、または−CFであり、
=−H、−CHNH

であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項25】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると以下の式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、請求項17に記載の治療的多量体前駆体:

式中、
Rは、−H、−CH、または−CFを含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は、−H、−OHまたは−CHから選択されてもよい。
【請求項26】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、請求項17に記載の治療的多量体前駆体:

式中、R=H、B(OH)

(CHOH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CHOH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
【請求項27】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、芳香族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する、治療的多量体前駆体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、請求項17に記載の治療的多量体前駆体:

式中、
=−H、−(CHOH、または−(CHSHであり、
n=0〜3であり、
=R

であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)または式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=−(CHOH、−(CHSH、または

であり、
n=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IX)、式(X)、式(XI)、および式(XIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項28】
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、自身の結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、治療的多量体前駆体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項17に記載の治療的多量体前駆体:

式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、

n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の前記多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
【請求項29】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、治療的多量体前駆体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナート基のアルコール保護から構成される群より選択される、請求項17に記載の治療的多量体前駆体。
【請求項30】
以下の工程を含む、症状に関連する標的分子に結合する治療的化合物前駆体をスクリーニングする方法:
複数の単量体を提供する工程であって、それぞれの単量体が、
300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素、および
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素
を含み、それぞれの単量体の前記多様性要素と前記リンカー要素とが、直接的にまたは接続部を介して間接的に連結する、工程;
前記標的分子に結合することができる多様性要素が、前記結合を行うのに有効な条件下で、前記複数の単量体を前記標的分子に接触させる工程;
異なる単量体の前記リンカー要素が、共有結合または非共有結合性の相互作用を行って、治療的多量体前駆体を形成するのに有効な反応条件に単量体を供する工程であって、前記供する工程が、前記接触させる工程の前、後、または最中に実行され得る、工程;ならびに
それぞれの治療的多量体前駆体を形成している前記単量体を同定する工程。
【請求項31】
前記接触させる工程が、前記リンカー要素間に高い解離定数をもたらし、異なる多様性要素に接続されたリンカー要素の再会合を可能にする条件と、前記リンカー要素間に低い解離定数をもたらし、最も高い親和性を示す多様性要素を有する単量体が、前記標的に優先的に結合することを可能にする条件とを繰り返すことにより実行される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記条件の繰り返しが、カチオンおよび水に対して透過性の膜を用いてpHまたは亜鉛濃度を増減させることにより達成される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記単量体を同定する工程が、どの治療的多量体前駆体が前記標的分子に強固に結合しているかを決定することにより実行される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
それぞれの単量体が、それぞれの単量体の前記多様性要素および前記リンカー要素に連結されたコード要素をさらに含み、前記同定する工程が、前記治療的多量体前駆体における前記コード要素を検出することにより実行される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記暗号化要素(encryption element)が、末端普遍的プライマー結合部位を含み、前記同定する工程が以下を含む、請求項35に記載の方法:
前記治療的多量体前駆体を普遍的プライマーに接触させて増幅混合物を形成すること;
前記増幅混合物をポリメラーゼ連鎖反応に供して増幅産物を形成すること;
前記増幅産物を同定すること;および
前記増幅産物と、前記治療的多量体前駆体を形成している前記単量体の前記オリゴヌクレオチドとを関連付けること。
【請求項37】
前記複数の単量体を提供する工程と、前記複数の単量体を接触させる工程と、前記単量体を反応条件に供する工程と、前記単量体を同定する工程とを繰り返して、前記治療的多量体前駆体のうちのどれが前記標的分子に対して好適な結合親和性を有するかを決定する工程をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記コード要素が、標識されたビーズまたは固体支持体である、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記コード要素が、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記オリゴヌクレオチドが、約20塩基の共通配列Cに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約15塩基の共通配列Bに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約20塩基の共通配列Aを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ビーズまたは固体支持体の有効表面の一部分上が官能化されている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の単量体を提供する工程と、前記単量体を接触させる工程と、前記単量体を供する工程と、前記単量体を同定する工程とを繰り返して、前記治療的多量体前駆体のうちのどれが前記標的分子に対して好適な結合親和性を有するかを決定する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
前記同定する工程からもたらされる前記単量体を連結させることにより、治療的多量体を提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、前記選択された対象に前記治療的多量体を投与する工程
をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記同定する工程からもたらされる前記単量体を、治療的単量体として提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、前記選択された対象に前記治療的単量体を投与する工程
をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
以下の工程を含む、相互に結合することができるリンカー要素をスクリーニングする方法:
第1の単量体のセットを提供する工程であって、前記第1のセット中の前記単量体のそれぞれが、
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素、および
スルフヒドリル基であって、前記第1の単量体のセットのそれぞれの単量体について前記リンカー要素と前記スルフヒドリル基とが連結している、スルフヒドリル基
を含む、工程;
第2の単量体のセットを提供する工程であって、前記第2のセット中の前記単量体のそれぞれが、
生理的条件下で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または可逆的な非共有結合を形成することができる、リンカー要素、
コード化ビーズ(encoded bead)、および
スルフヒドリル基であって、前記第2の単量体のセットのそれぞれの単量体について前記リンカー要素、前記コード化ビーズ、および前記スルフヒドリル基が連結している、スルフヒドリル基
を含む、工程;
生理的条件下で、前記第1および第2のセットの単量体を相互に接触させる工程であって、それにより前記第1の単量体のセットからの単量体と前記第2の単量体のセットからの単量体が、結合して、それらのスルフヒドリル基から形成されたジスルフィド結合、および可能性として、それらのリンカー要素間の共有結合または非共有結合性の相互作用によって結合される多量体を形成する、工程;
前記第1および第2の単量体のセットの前記単量体からの前記リンカー要素が共有結合するかまたは非共有結合的に結合している二量体を、候補多量体として同定する工程;ならびに
前記候補多量体において、共有結合するかまたは非共有結合的に連結している前記第1および第2の単量体からの前記リンカー要素を同定する工程。
【請求項46】
前記多量体を同定する工程が、どの多量体が、強固に結合する第1および第2の多量体を有するかを決定することにより実行される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記同定されたリンカー要素を有する前記単量体に対して、前記第1のセットの単量体を提供する工程と、前記第2のセットの単量体を提供する工程と、前記接触させる工程と、前記二量体を同定する工程と、前記候補二量体において前記リンカー要素を同定する工程とを1回以上繰り返して、前記第1および第2のセットの単量体からのどの前記リンカー要素が好適な結合親和性を有するかを決定する工程
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第1および第2のセットの単量体が、コード要素をさらに含み、前記多様性要素、前記リンカー要素、および前記コード要素が連結している、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記コード要素が、標識されたビーズである、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
以下を含む、治療的多量体:
複数の共有結合的または非共有結合的に結合した単量体であって、それぞれの単量体が、
300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素、
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができるリンカー要素であって、それぞれの単量体について、前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に連結する、リンカー要素
を含み、前記複数の単量体が、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合し、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子中の近接した位置に結合する、単量体。
【請求項52】
前記多様性要素が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合し得る、請求項51に記載の治療的多量体。
【請求項53】
前記多様性要素が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、請求項52に記載の治療的多量体。
【請求項54】
前記可逆的な共有結合が、前記多様性要素上のカルボニルと前記標的分子上のアミンの間、前記多様性要素上のアミンと前記標的分子上のカルボニルの間、前記多様性要素上のボロナートと前記標的分子上のヒドロキシル基の間、または前記多様性要素上のスルフヒドリルと前記標的分子上のスルフヒドリルの間にある、請求項53に記載の治療的多量体。
【請求項55】
前記リンカー要素が、補因子とともに、または補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有する、請求項51に記載の治療的多量体。
【請求項56】
前記リンカー要素が、解離定数または極性を調整するように化学的に修飾されて、細胞への取り込みを向上させる、請求項55に記載の治療的多量体。
【請求項57】
前記リンカー要素が、45ダルトン〜450ダルトンの分子量を有する、請求項51に記載の治療的多量体。
【請求項58】
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、治療的多量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項51に記載の治療的多量体:

式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH基がその位置に存在し得る;

式中、
=H、−OH、−CH、−F、−CF、または他の電子求引性官能基であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=R=−H、

であり、
=R=H、−OH、または−CHOHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;および

式中、
=R=−H、−OH、−CH、−F、または−CFであり、
=−H、−CHNH

であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項59】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、請求項51に記載の治療的多量体:

式中、
Rは、−H、−CH、または−CFを含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は−H、−OHまたは−CHより選択されてもよい。
【請求項60】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、請求項51に記載の治療的多量体:

式中、
R=H、B(OH)

、(CHOH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CHOH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
【請求項61】
前記リンカー要素が、芳香族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間の1つ以上の共有結合の形成を誘導する、治療的多量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項51に記載の治療的多量体:

式中、
=−H、−(CHOH、または−(CHSH、B(OH)であり、
n=0〜3であり、
=R

であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)または式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=−(CHOH、−(CHSH、または

であり、
n=0〜3であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IX)、式(X)、式(XI)、および式(XIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項62】
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と自身の結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、前記結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、治療的多量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項51に記載の治療的多量体:

式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、

n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
【請求項63】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、治療的多量体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナート基のアルコール保護から構成される群より選択される、請求項51に記載の治療的多量体。
【請求項64】
以下の工程を含む、前記標的分子に関連する症状について対象を治療する方法:
請求項51に記載の前記治療的多量体を提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、選択された前記対象に前記治療的多量体を投与する工程。
【請求項65】
前記標的分子が、以下から構成される群より選択される、請求項64に記載の方法:
(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、および(29)ウイルスカプシド。
【請求項66】
前記治療的多量体が、1つ以上の公知のリガンドを多様性要素として含有し、かつ前記標的分子の野生型および突然変異体の両方に対して、単一リガンドを用いて達成されるよりも高い有効性を達成する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記治療的多量体が、SH2、FHA、14−3−3、WW、WD40、MH2、BROMO、UBA、PTB、SH3、EVH1、GYF、VHS、PDZ、PUF、TUBBY、SAM、DD、CARD、PyD、PB1、BRCT、PH、FYVE、C1、FERM、C2、PX、およびENTHから構成される群より選択される1つ以上のドメインに結合するかまたは前記ドメインの1つ以上を模倣する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記治療的多量体が、
(1)前記標的からの基質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、基質の標的切断、
(2)結合タンパク質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、前記結合タンパク質の標的への結合、
(3)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる標的の不活性化、
(4)不活性化結合パートナー−標的複合体または不活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の不活性化、
(5)標的に結合して、前記標的および多量体に結合するように第2の結合パートナーを動員し、解離定数が前記第1の結合タンパク質の解離定数以下である多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、第1の結合パートナーの標的への結合、
(6)受容体標的に結合して、受容体の二量体形成を妨害することにより、前記受容体標的への結合、
(7)受容体標的に対する結合パートナーの動員を低減すること、前記受容体標的にリガンド結合部位で結合してアンタゴニストとして作用すること、または前記受容体標的に前記結合パートナー結合部位で結合してアンタゴニストとして作用することにより、結合パートナーへの結合、
(8)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的のフィラメントへの重合、および
(9)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的の凝集
について、妨害するか、結合を阻害するか、または活性化を阻害するかのいずれかである、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
前記治療的多量体が、
(1)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる前記標的の活性化、
(2)活性化結合パートナー−標的複合体または活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の活性化、
(3)標的に結合して、前記標的、多量体、および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成するか、または多量体−標的−第1の結合タンパク質−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、標的への第1の弱い結合パートナー、
(4)リガンド結合部位で受容体標的に結合し、受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、
(5)受容体標的上のアロステリック部位に結合して、活性化リガンドの存在下において受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、および
(6)受容体標的にリガンド結合部位で結合し、結合パートナーを動員および活性化させるアゴニストとして作用することにより、または前記受容体標的と前記リガンド、もしくは前記受容体標的と前記結合パートナーに結合し、前記結合パートナーの動員および活性化を加速させることにより、前記受容体標的にリガンド結合することによって受容体標的に動員される結合パートナー
について、活性化を促進するか、結合を促進するか、または活性化するかのいずれかである、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記治療的多量体が、以下によりタンパク質の代謝を変化させる、請求項64に記載の方法:
(1)標的または突然変異標的のフォールディングを安定させること、(2)共有結合的なシグナル伝達事象を促進させるかもしくは妨害すること、(3)共有結合的なシグナル伝達事象を模倣すること、(4)マルチサブユニットの集合を阻害すること、(5)マルチサブユニットの脱集合を阻害すること、または(6)標的または標的結合パートナーに結合することにより分解を阻害すること。
【請求項71】
前記治療的多量体が、前記標的または前記標的−修飾酵素複合体に結合して、さらなるタンパク質相互作用を介して、タンパク質のシグナル伝達、輸送、または分解を阻害、活性化、促進、または調整することによって、リン酸化、脱リン酸化、アセチル化、メチル化、SUMO化、ユビキチン化、プレニル化、ならびに糖および糖鎖の付加による、前記標的の共有結合的修飾を、妨害、活性化、促進、または模倣する、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記治療的多量体が、
(1)第1の部位で結合することができる複数の単量体、および隣接する第2の部位で結合することができる複数の単量体であって、ウイルス標的および突然変異ウイルス標的の広範な阻害を提供する治療的多量体のカクテルを作製する、複数の単量体を提供することにより、逆転写酵素、プロテアーゼ、またはウイルス組込みタンパク質を含む一連の標的からの本質的なウイルス標的、
(2)ウイルス侵入の補助に関与する細胞受容体に結合することおよびそれを阻害することにより、ウイルスの細胞内侵入、
(3)ウイルスの機能を補助する細胞タンパク質、または
(4)宿主防御タンパク質をそれ以上阻害しないように、ウイルスタンパク質
のいずれかを阻害する、請求項64に記載の方法。
【請求項73】
前記治療的多量体の標的分子からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質を、前記標的タンパク質との結合から取り外すために、前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分となるように、または、所望の治療効果達成のため、前記標的細胞内の前記標的分子の約70%から100%が治療的多量体に結合し、前記標的分子またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するために、前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分に強固な結合となるように、前記治療的多量体が、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内での前記標的分子からの解離定数を有する、方法であって、
ここで、方法が以下の工程を含む、請求項65記載の方法:
第1の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、100nMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程;および
第2の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程であって、ここで、前記第1の単量体の前記リンカー要素と前記第2の単量体の結合パートナーとの間の解離定数が、10μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内であり、前記リンカー要素をそれぞれの単量体の前記多様性要素に連結する接続部が、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内であり、前記治療的多量体を提供する工程において、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲である、工程。
【請求項74】
結合して治療的多量体を形成することができる複数の治療的単量体であって、それぞれの単量体が以下を含む、複数の治療的単量体:
300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素、および
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができるリンカー要素であって、それぞれの単量体について、前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続し、かつ複数の単量体が、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合することができ、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子中の近接した位置に結合する、リンカー要素。
【請求項75】
前記多様性要素のうちの1つ以上が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合し得る、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項76】
前記多様性要素のうちの1つ以上が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項77】
前記可逆的な共有結合が、前記多様性要素上のカルボニルと前記標的分子上のアミンの間、前記多様性要素上のアミンと前記標的分子上のカルボニルの間、前記多様性要素上のボロナートと前記標的分子上のヒドロキシル基の間、または前記多様性要素上のスルフヒドリルと前記標的分子上のスルフヒドリルの間にある、請求項76に記載の複数の治療的単量体。
【請求項78】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、補因子とともに、または補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有する、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項79】
前記リンカー要素が、化学的に修飾されて解離定数または極性を調整し、細胞への取り込みを向上させる、請求項78に記載の複数の治療的単量体。
【請求項80】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、45ダルトン〜450ダルトンの分子量を有する、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項81】
前記多様性要素が、標的核酸配列に結合する約9〜12塩基の核酸またはヌクレオチド類似体配列を含む、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項82】
前記多様性要素が、核酸またはヌクレオチド類似体配列の細胞内への輸送を促進するように、前記配列に対する親和性を有するアミノグリコシドまたは親油性分子を含む、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項83】
前記多様性要素が、二本鎖核酸またはヌクレオチド類似体配列であって、それぞれの鎖が約10〜約15塩基であり、かつ前記二本鎖が、少なくとも一つの端に一本鎖のオーバーハングをともなって、互いにハイブリッド形成し、かつ一本鎖が標的核酸配列に相補的である、二本鎖核酸またはヌクレオチド類似体配列を含む、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項84】
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、複数の治療的単量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項74に記載の複数の治療的単量体:

式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH基がその位置に存在し得る;

式中、
=H、‐OH、‐CH、‐F、‐CF、または他の電子求引性官能基であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=R=−H、

であり、
=R=H、−OH、または−CHOHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=R=−H、−OH、−CH、−F、または−CFであり、

であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項85】
前記リンカー要素が、芳香族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する、複数の治療的単量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項74に記載の複数の治療的単量体:

式中、
=−H、−(CHOH、または、−(CHSH、B(OH)であり、
n=0〜3であり、
=R

であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)または式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;

式中、
=−(CHOH、−(CHSH、または

であり、
n=0〜3であり、かつ、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IX)、式(X)、式(XI)、および式(XII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
【請求項86】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、請求項74に記載の複数の治療的単量体:

式中、
Rは、−H、−CH、または−CFを含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3、およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は−H、−OHまたは−CHより選択されてもよい。
【請求項87】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、請求項74に記載の複数の治療的単量体:

式中、
R=H、B(OH)

(CHOH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CHOH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
【請求項88】
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、自身の結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、複数の治療的単量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、請求項74に記載の複数の治療的単量体:

式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、

n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
【請求項89】
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、複数の治療的単量体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナートのアルコール保護から構成される群より選択される、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項90】
結合して治療的多量体を形成する、請求項74に記載の複数の治療的単量体。
【請求項91】
以下の工程を含む、前記標的分子に関連する症状について対象を治療する方法:
請求項74に記載の前記複数の治療的単量体を提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、選択された前記対象に前記複数の治療単量体を投与する工程。
【請求項92】
前記標的分子が、以下から構成される群より選択される、請求項91に記載の方法:
(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、および(29)ウイルスカプシド。
【請求項93】
前記治療的単量体が、1つ以上の公知のリガンドを多様性要素として含有し、かつ前記標的分子の野生型および突然変異体の両方に対して、単一リガンドを用いて達成されるよりも高い有効性を達成する、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記治療的単量体が、SH2、FHA、14‐3‐3、WW、WD40、MH2、BROMO、UBA、PTB、SH3、EVH1、GYF、VHS、PDZ、PUF、TUBBY、SAM、DD、CARD、PyD、PB1、BRCT、PH、FYVE、C1、FERM、C2、PX、およびENTHから構成される群より選択されるドメインのうちの1つ以上に結合するかまたは前記ドメインの1つ以上を模倣する、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記治療的単量体が、
(1)標的からの基質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、基質の標的切断、
(2)結合タンパク質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、前記結合タンパク質の標的への結合、
(3)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる前記標的の不活性化、
(4)不活性化結合パートナー−標的複合体または不活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の不活性化、
(5)標的に結合して、前記標的および多量体に結合する第2の結合パートナーを動員し、解離定数が前記第1の結合タンパク質の解離定数以下である多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、第1の結合パートナーの標的への結合、
(6)受容体標的に結合して、受容体の二量体形成を妨害することにより、前記受容体標的への結合、
(7)受容体標的に対する結合パートナーの動員を低減すること、前記受容体標的にリガンド結合部位で結合してアンタゴニストとして作用すること、または前記受容体標的に前記結合パートナー結合部位で結合してアンタゴニストとして作用することにより、結合パートナーへの結合、
(8)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的のフィラメントへの重合、および
(13)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的の凝集
について、妨害するか、結合を阻害するか、または活性化を阻害するかのいずれかである、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記治療的単量体が、
(1)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる前記標的の活性化、
(2)活性化結合パートナー−標的複合体または活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の活性化、
(3)標的に結合して、前記標的、多量体、および第1の結合パートナーに結合する第2の結合パートナーを動員し、多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成するか、または多量体−標的−第1の結合タンパク質−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、標的への第1の弱い結合パートナー、
(4)リガンド結合部位で受容体標的に結合し、受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、
(5)受容体標的上のアロステリック部位に結合して、活性化リガンドの存在下において受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、および
(6)受容体標的にリガンド結合することにより、前記受容体標的にリガンド結合部位で結合し、結合パートナーを動員および活性化させるアゴニストとして作用することにより、または前記受容体標的と前記リガンド、もしくは前記受容体標的と前記結合パートナーに結合し、前記結合パートナーの動員および活性化を加速させることにより、受容体標的に動員される結合パートナー
について、活性化を促進するか、結合を促進するか、または活性化するかのいずれかである、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
治療的単量体が、以下により、タンパク質の代謝を変化させる、請求項91に記載の方法:
(1)標的または突然変異標的のフォールディングを安定させること、(2)共有結合的なシグナル伝達事象を促進させるかもしくは妨害すること、(3)共有結合的なシグナル伝達事象を模倣すること、(4)マルチサブユニットの集合を阻害すること、(5)マルチサブユニットの脱集合を阻害すること、または(6)標的または標的結合パートナーに結合することにより分解を阻害すること。
【請求項98】
前記治療的単量体が、前記標的または前記標的−修飾酵素複合体に結合して、さらなるタンパク質相互作用を介して、タンパク質のシグナル伝達、輸送、または分解を阻害、活性化、促進、または調整することによって、リン酸化、脱リン酸化、アセチル化、メチル化、SUMO化、ユビキチン化、プレニル化、ならびに糖および糖鎖の付加による、前記標的の共有結合的修飾を、妨害、活性化、促進、または模倣する、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
前記治療的多量体が、
(1)第1の部位で結合することができる複数の単量体、および隣接する第2の部位で結合することができる複数の単量体であって、ウイルス標的および突然変異ウイルス標的の広範な阻害を提供する治療的多量体のカクテルを作製する、複数の単量体を提供することにより、逆転写酵素、プロテアーゼ、またはウイルス組込みタンパク質を含む一連の標的からの本質的なウイルス標的、
(2)ウイルス侵入の補助に関与する細胞受容体に結合することおよびそれを阻害することにより、ウイルスの細胞内侵入、
(3)ウイルスの機能を補助する細胞タンパク質、または
(4)宿主防御タンパク質をそれ以上阻害しないように、ウイルスタンパク質
のいずれかを阻害する、請求項91に記載の方法。
【請求項100】
前記治療的単量体が、前記標的に結合して細胞位置に直接的に影響を与えることにより、または細胞位置に影響を与える第2の実体に前記標的分子を結合させることにより、細胞膜、細胞質、ミトコンドリア、リソソーム、プロテアソーム、ゴルジ、小胞体、細胞外空間、核、細胞フィラメントもしくは骨格、または他の細胞内区画もしくは細胞外区画、細胞構造、または空間への標的の動きを妨害するかまたは加速することによって、タンパク質の輸送または細胞局在を変化させる、請求項91に記載の方法。
【請求項101】
前記治療的単量体が、
(1)同じ癌細胞内で癌を標的とする2つの多様性要素であって、それによって、癌細胞死滅の選択性を増加させる、2つの多様性要素、
(2)正常細胞にはないが癌細胞には豊富である標的に結合して、前記同じ細胞内で重要な標的を不活性化させる追加の単量体を濃縮することにより、癌細胞内の致死性癌を標的とする多様性要素、または
(3)輸送体を使用して取り込みを促進することにより、癌細胞内の致死性癌を標的とする多様性要素
の濃度を増加させるために使用される、方法であって、前記輸送体が、グルコース輸送体、タウリン輸送体、カチオン性アミノ酸輸送体、有機アニオン輸送体、プロリン輸送体、モノアミン輸送体、アニオン交換輸送体、葉酸輸送体、モノカルボン酸輸送体、亜鉛輸送体、アミノ酸輸送体、ナトリウム依存性ビタミン輸送体、脂肪酸輸送体、ヌクレオシド輸送体、およびプロトン共役型二価金属イオン輸送体から構成される群より選択される一連の輸送体から、癌細胞内で好ましくはより豊富に発現される、請求項91に記載の方法。
【請求項102】
前記複数の治療的単量体が、排出ポンプに結合して排出チャネルを塞ぐことにより、癌細胞内の薬物排出ポンプタンパク質を妨害し、それにより他の治療に対するこれらの癌細胞の感受性をより高くする、請求項91に記載の方法。
【請求項103】
前記治療的単量体が、輸送体に結合して適切な機能を阻害することにより、癌細胞の代謝を妨害する、方法であって、前記輸送体が、癌細胞内でより豊富に発現され、かつグルコース輸送体、タウリン輸送体、カチオン性アミノ酸輸送体、有機アニオン輸送体、プロリン輸送体、モノアミン輸送体、アニオン交換輸送体、葉酸輸送体、モノカルボン酸輸送体、亜鉛輸送体、アミノ酸輸送体、ナトリウム依存性ビタミン輸送体、脂肪酸輸送体、ヌクレオシド輸送体、およびプロトン共役型二価金属イオン輸送体から構成される一連の群より選択される、請求項91に記載の方法。
【請求項104】
前記治療的多量体の標的分子からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質を、前記標的タンパク質との結合から取り外すために、前記治療的単量体の前記標的分子への結合が十分となるように、または、所望の治療効果達成のため、前記標的細胞内の前記標的タンパク質の約70%から100%が前記治療的単量体に結合し、前記標的タンパク質またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するために、前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分に強固な結合となるように、前記治療的単量体が、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内での前記標的分子からの解離定数を有する、方法であって、
ここで、該方法が以下の工程を含む、請求項91記載の方法:
第1の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程;
第2の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内である、工程であって、ここで、前記第1の単量体の前記リンカー要素と前記第2の単量体の結合パートナーとの間の解離定数が、0から10μMの3倍の範囲内であり、前記リンカー要素をそれぞれの単量体の前記多様性要素に連結する接続部が、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内であり、前記治療的多量体を提供する工程において、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲である、工程。
【請求項105】
前記治療的多量体の標的分子からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質を、前記治療的多量体の前記標的分子への結合から取り外すのに十分となるように、または、所望の治療効果達成のため、前記標的細胞内の前記標的分子の約70%から100%が治療的多量体に結合し、前記標的分子またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するのに前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分に強固な結合であるように、前記治療的多量体が、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内での前記標的分子からの解離定数を有する、方法であって、
ここで、方法が以下の工程を含む、請求項91記載の方法:
第1の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、100nMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程;
第2の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程であって、ここで、前記第1の単量体の前記リンカー要素と前記第2の単量体の結合パートナーとの間の解離定数が、10μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内であり、前記リンカー要素をそれぞれの単量体の前記多様性要素に連結する接続部が、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内であり、前記治療的多量体を提供する工程において、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲である、工程。

【図1】
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【図2.1】
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【図2.2】
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【図2.3】
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【図2.4】
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【図2.5】
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【図2.6】
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【図2.7】
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【図2.8】
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【図2.9】
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【図2.10】
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【図2.11】
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【図2.12】
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【図2.13】
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【図2.14】
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【図2.15】
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【図2.16】
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【図2.17】
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【図2.18】
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【図2.19】
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【図2.20】
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【図2.21】
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【図2.22】
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【図2.23】
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【図2.24】
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【図2.25】
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【図2.26】
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【図2.27】
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【図2.28】
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【図2.29】
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【図2.30】
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【図2.31】
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【図2.32】
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【図2.33】
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【図2.34】
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【図2.35】
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【図2.36】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【図107】
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【図108】
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【図109】
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【図110】
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【図111】
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【図112】
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【図113】
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【図114】
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【図115】
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【図116】
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【図117】
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【図118】
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【図119】
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【図120】
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【図121】
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【図122】
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【図123】
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【図124】
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【図125】
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【図126】
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【図127】
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【図128】
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【図129】
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【図130】
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【図131】
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【図132】
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【図133】
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【図134】
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【図135】
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【図136】
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【図137】
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【図138】
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【図139】
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【図140】
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【図141】
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【図142】
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【図143】
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【公表番号】特表2011−516547(P2011−516547A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503998(P2011−503998)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/002223
【国際公開番号】WO2009/126290
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(510243539)コーネル ユニバーシティー (5)
【出願人】(598063203)パーデュー・リサーチ・ファウンデーション (59)
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】