説明

コマ玩具

【課題】誰でも容易に分解でき、また確実に組み立てることができ、単一のコマでも多彩な視覚効果を得ることが可能なコマ玩具を提供する。
【解決手段】連結機構9の上連結体10と下連結体11との間に回転板2を挟持する。回転板2は視覚効果生成部8(例えば回転模様)が付された中間板7を含む。種々の仕様の視覚効果生成部8を有する複数の中間板7を択一的に用いる。上連結体10の係合凸部22を下連結体11の係合凹部31を嵌合させて、上連結体10と下連結体11の相対回転を規制する。係合凸部22及び係合凹部31に設けられた第1及び第2の永久磁石33,34間の磁気吸引力によって、係合凸部22と係合凹部31の嵌合状態を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コマ玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コマ玩具は、子供の遊び道具としてポピュラーである。特に、自分でコマ玩具を回せるようになった幼児が興味を持つものの一つとして、コマ玩具が回ったときに表れる回転模様等がある。
また、ラックベルトの引き抜き動作により、強い回転力をコマ玩具に与えて発射するコマ玩具発射装置が種々提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−103062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コマ玩具の数が数種類程度では、変化に乏しいため、比較的に直ぐに飽きてしまう。
そこで、コマ玩具の回転板を上下から挟む一対の連結軸の一方に設けたねじを他方に設けたねじ孔にねじ嵌合して、回転板を固定するようにすることが考えられる。この場合、回転板を取り替えて、遊ぶことができる。
【0005】
しかしながら、ねじを強く締め込んだ場合、今度分解するときに、容易に分解できなくなることがある。また、ねじの締め込みが弱いと、連結軸と回転体が相対回転してしまい、コマ玩具が上手く回らない。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、誰でも容易に分解でき、また確実に組み立てることができ、多彩な視覚効果を得ることが可能なコマ玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、回転に伴って視覚効果を生成する視覚効果生成部(8;44〜46;53a〜53d,54a〜54d,55a〜55d,56a〜56d)を有する回転板(2)と、前記回転板の上方に突出する上軸体(4;39)と、回転板の下方に突出する下軸体(3)と、前記上軸体と前記下軸体とを取り外し可能に連結する連結機構(9)と、を備え、前記連結機構は、互いに連結可能な上連結体(10)および下連結体(11)と、前記上連結体および前記下連結体の相対回転を規制する相対回転規制部(22,31)と、前記上連結体および前記下連結体を前記下軸体の軸方向に近づける磁気吸引部(33,34)と、を含み、前記相対回転規制部は、前記上連結体および前記下連結体の何れか一方に設けられた係合凸部(22)と、他方に設けられれ前記係合凸部に嵌合する係合凹部(31)と、を有し、前記磁気吸引部は、前記係合凸部および前記係合凹部に、それぞれ、保持された一対の永久磁石(33,34)を含むコマ玩具を提供する。
【0007】
本発明では、係合凸部および係合凹部を嵌合させることにより、上連結体と下連結体の相対回転を確実に規制することができる。また、係合凸部および係合凹部に設けられた一対の永久磁石間の磁気吸引力によって、係合凸部と係合凹部の嵌合状態を確実に維持することができる。すなわち、容易にコマ玩具のパーツを分解したり組み立てたりすることができ、且つその組立て状態を確実に保持することができる。したがって、視覚効果生成部の交換も容易となるので、多数のコマ玩具を所有せずとも、変化に富んだ視覚効果を容易に得ることができる。したがって、飽きがこない。特に、脳の発達段階にある幼児に対して、格段の興味を与えることができ、知育玩具として優れた効果を得ることができる。
【0008】
また、前記回転板は、下板(5)と、透明な上板(6)と、前記下板および前記上板の間に択一的に挟持される複数の仕様の中間板(7)と、を含み、前記視覚効果生成部は、各仕様の中間板の上面(7a)にそれぞれ付された、形状、模様若しくは色彩又はこれらの組合せである場合がある(請求項2)。この場合、中間板として,例えば紙の表面に図柄や絵柄等を印刷したものを複数仕様、用意しておき、それらを択一的に用いることにより、異なった視覚効果を容易に得ることができる。
【0009】
また、前記回転板は、下板(47)と、透明な上板と、前記視覚効果生成部としての複数種の色要素部材(44〜46;53a〜53d,54a〜54d,55a〜55d,56a〜56d)と、を含み、前記色要素部材は、前記下板上に配列を変更できるように保持されている場合がある(請求項3)。この場合、互いに色の異なる色要素部材を並べ替えて配列を変更することで、予期しない格段の視覚効果を得ることが可能となる。色要素部材は、例えばジクソーパズルのような薄板片であってもよいし、また、下板上に設けられた突起に嵌合する嵌合孔を有する、例えばおはじき状のチップであってもよい。
【0010】
また、前記下板、前記下連結体および前記下軸体が一体に形成されていてもよいし(請求項4)、また、前記上連結体および前記上板が一体に形成されていてもよい(請求項5)。これらの場合、部品点数を削減して製造コストを安くするとともに、組立て工数を削減して、組み立て易くすることができる点で非常に好ましい。
また、前記上連結体は、被駆動ブロック(21)を含み、前記被駆動ブロックの外周には、ラック(27)を有する駆動部材(26)の直線運動によって回転駆動可能なピニオン(28)が形成され、前記上軸体として、手回し軸(4)と、ラックガイド(38)付きの手持ち軸(39)と、が択一的に用いられ、前記手回し軸は、前記被駆動ブロックに形成された嵌合孔(25)に相対回転不能に嵌合可能であり、前記手持ち軸は、前記嵌合孔に相対回転可能に嵌合可能であり、前記ラックガイドと前記ピニオンとの間に、前記駆動部材の前記直線運動を案内する案内空間(S1)が形成されるようにしてある場合がある(請求項6)。この場合、コマ玩具を手回し軸によっても駆動できるし、また、手回し軸よりも格段に強い回転力を与えることのできる駆動部材のラックによっても駆動できるので、使い勝手がよい。しかも、手回し軸とラックガイド付きの手持ち軸とを容易に交換して用いることができ、この点からも使い勝手がよい。
【0011】
なお、前記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態のコマ玩具の斜視図である。
【図2】図1のコマ玩具の分解断面図である。
【図3】(a)および(b)はそれぞれ視覚効果生成部の仕様の異なる中間板の斜視図である。
【図4】コマ玩具の断面図である。
【図5】図4の要部を拡大した断面図である。
【図6】駆動部材を用いる場合のコマ玩具の斜視図である。
【図7】図6のコマ玩具の分解斜視図である。
【図8】図6のコマ玩具の断面図である。
【図9】本発明の別の実施の形態のコマ玩具の斜視図である。
【図10】図9のコマ玩具の分解斜視図である。
【図11】本発明のさらに別の実施の形態のコマ玩具の斜視図である。
【図12】図11のコマ玩具の分解斜視図である。
【図13】(a)および(b)は、本発明のさらに別の実施の形態のコマ玩具の分解側面図である。(a)は手回し軸を用いる場合を示し、(b)は駆動部材を用いる場合を示している。
【図14】(a)、(b)および(c)は、図13(a)の構成を図2、図10および図12の各実施形態に適用した例を示すコマ玩具の分解斜視図である。
【図15】(a)、(b)および(c)は、図13(b)の構成を図2、図10および図12の各実施形態に適用した例を示すコマ玩具の分解斜視図である。
【図16】(a)および(b)は本発明のさらに別の実施の形態のコマ玩具の分解斜視図である。
【図17】(a)および(b)は本発明のさらに別の実施の形態のコマ玩具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい態様を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態のコマ玩具の分解斜視図である。図1を参照して、本コマ玩具1は、回転板2と、回転板2の下方で回転板2の回転の支軸となる下軸体3と、回転板2の上方へ延び、回転板2を回転させるときに用いる上軸体としての手回し軸4とを主要部として備えている。
【0014】
図2に示すように、回転板2は、環状の下板5と、透明な環状の上板6と、下板5と上板6の間に挟持される環状の中間板7とを有しており、その中間板7の上面7aには、コマ玩具1の回転に伴って視覚効果を生成する視覚効果生成部8が設けられている。
中間板7は、紙製または合成樹脂製の環状シートであり、複数設けられている。各中間板7には、互いに仕様の異なる視覚効果生成部8が設けられている。遊戯者は、複数の仕様の中間板7から択一的に選択した中間板7を、下板5と上板6との間に挟持するように、コマ玩具1を組み立てて遊ぶ。
【0015】
視覚効果生成部8は、中間板7の上面7aに付された形状、模様若しくは色彩又はこれらの組合せである。視覚効果生成部8は、例えば図3(a)のようなモザイク模様であってもよいし、図3(b)に示すような渦巻き模様であってもよい。中間板7が回転すると、回転方向に並ぶ色が溶け合い異なる色が浮かびあがる。例えば黄色と空色が溶け合うと緑色の光が反射されてくる。また、蛍光灯の光のもとで見ると、回転している模様が止まったり、逆回転したりする場合があり、多彩な視覚効果を得ることができる。中間板7の下面7bにも、視覚効果生成部8が設けられていてもよい。その場合、中間板7を裏返して、異なる視覚効果を得ることができるので、少ない中間板7の枚数で、多くの視覚効果を得ることができる。
【0016】
コマ玩具1は、図2に示すように、回転板2の下板5、中間板7および上板6を、上下から挟持して連結する連結機構9を備えており、その連結機構9は、互いの間に回転板2を挟持するように互いに連結可能な上連結体10と下連結体11とを有している。上連結体10には、上軸体としての手回し軸4が、離脱可能に連結されるようになっている。下連結体11および下軸体3は、一体に形成された第1のユニットU1(回転軸ユニット)を構成しており、部品点数および組立て工数の削減が図られている。
【0017】
上板6は、例えば六角孔からなる中心孔12を有する環状をなしている。上板6の外周縁には、下方に延びる周壁13が延設されている。また、上板6は、上面6aおよび下面6bを有しており、その上面6aには、中心孔12と同心の環状突起14が形成されている。上板6の上面6aにおいて、環状突起14内に上連結体10を受ける環状の受け部15が区画されている。下板5は、円孔からなる中心孔16を有する環状をなしており、上面5aおよび下面5bを有している。
【0018】
中間板7は、円孔からなる中心孔17を有する環状をなしている。下板5および中間板7は、中間板7が下板5よりも薄いことを除いて、同じ形状に形成されている。回転板2の組み立て状態では、下板5および中間板7の外周が、上板6の周壁13の内周に嵌合または遊嵌されるようなっている。
手回し軸4の上端には、指を滑りにくくするための太径部18が設けられており、手回し軸4の下端には、当該手回し軸4を上連結体10と相対回転不能に連結するための連結部19が設けられている。連結部19の断面は、例えば六角形状その他の多角形形状、D形形状、または2面幅形状に形成されている。
【0019】
図4および拡大図である図5に示すように、上連結体10は、回転板2の上板6に係合する本体20と、本体20から上方へ延びる被駆動ブロック21と、本体20から下方へ延びる係合凸部22とを有している。
本体20は、上板6の中心孔12に嵌合する六角形状の嵌合部23と、上板6の上面6aの環状突起14内に遊嵌され、受け部15によって受けられる環状板24とを有している。本体20の嵌合部23が上板6の中心孔12に嵌合することにより、本体20および上連結体10が同伴回転できるようになっている。
【0020】
被駆動ブロック21の上面には、手回し軸4の例えば六角断面の連結部19を嵌合させる六角断面の嵌合孔25が形成されている。被動ブロック21の外周には、後述する駆動部材26(図6〜図8を参照)のラック27に係合する被動部材としてのピニオン28が形成されている。すなわち、被駆動ブロック21は、手回し軸4によっても駆動できるし、また、手回し軸4よりも格段に強い回転力を与えるための駆動部材26のラック27によっても駆動できるようになっている。
【0021】
再び図5を参照して、第1のユニットU1(回転軸ユニット)の下連結体11は、回転板2の下板5の下面5bを受ける環状の受け部29と、受け部29の径方向内方に設けられ、下板5の中心孔16内に遊嵌される環状のボス30とを有している。ボス30には、上連結体10の係合凸部22が嵌合する係合凹部31が形成されている。係合凹部31は、係合凸部22と同じ形状、例えば六角断面形状に形成されている。また、下連結体11には、下軸体3が挿入固定される固定孔32が形成されている。
【0022】
また、上連結体10および下連結体11のそれぞれには、磁気吸引部として第1および第2の永久磁石33,34が内蔵されている。具体的には、手回し軸4が嵌合される上連結体10の嵌合孔25は、係合凸部22内まで延びており、その嵌合孔25の底に、第1の永久磁石33が収容され保持されている。手回し軸4の下端と第1の永久磁石33との間には、スペーサ35が介在している。
【0023】
また、下軸体3が挿入される固定孔32の底に、第2の永久磁石34が収容され保持されている。第1および第2の永久磁石33,34は、互いに反対の極性(S極に対してN極)を対向させており、これら第1および第2の永久磁石33,34の働きで、上連結体10および下連結体11が下軸体3の軸方向X1に強固に連結される。また、上連結体10の係合凸部22と下連結体11の係合凹部31との嵌合により、上連結体10と下連結体11の相対回転が規制されている。
【0024】
図6および図7に示すように、駆動部材26は、片側または両側にラック27が形成された長尺の本体36と、本体36に一体に連結された指入れ環37とを有している。駆動部材26を用いてコマ玩具1を回転させるときは、手回し軸4を取り外して、ラックガイド38付きの手持ち軸39(上軸体に相当)を装着するようにしている。
図8に示すように、上軸体としての手持ち軸39の下端には、例えば円柱状をなす連結部としての支軸19Aが、同軸上に延設されており、その支軸19Aが嵌合孔25に相対回転可能に遊嵌されるようになっている。手持ち軸39の上端には、指を滑り難くするために複数の縦方向の突起40が周方向に並んで設けられている。
【0025】
また、手持ち軸39と支軸19Aとの間には、鍔部41が形成されており、その鍔部41からクランク状をなして前記のラックガイド38が延設されている。そのラックガイド38は、上連結体10の被動ブロック21のピニオン28に径方向に間隔を隔てて対向する第1規制部42と、上連結体10の本体20と間隔を隔てて対向する第2規制部43とを有している。
【0026】
ピニオン28、本体20、第1規制部42および第2規制部43によって、駆動部材26の長尺の本体36の移動を案内する案内空間S1が区画されている。案内空間S1内に、駆動部材26の本体36が挿通されて、ラック27が上連結体10のピニオン28に噛み合わされた状態で、指入れ環37に引っ掛けた指で駆動部材26を長手方向に引っ張る(案内空間S1から引き抜く)ことにより、手持ち軸39(すなわち支軸19A)の回りに、コマ玩具1が、勢い良く回転駆動される。回転駆動した後は、手持ち軸39を上方へ引き抜くようにする。
【0027】
本実施の形態によれば、連結機構9の係合凸部22および係合凹部31を嵌合させることにより、上連結体10と下連結体11の相対回転を確実に規制することができる。また、係合凸部22および係合凹部31に設けられた第1および第2の永久磁石33,34間の磁気吸引力によって、係合凸部22と係合凹部31の嵌合状態を確実に維持することができる。すなわち、コマ玩具1の分解、組立が容易であり、且つその組立て状態を確実に保持することができる。したがって、多数のコマ玩具を持たずとも、コマ玩具1の回転に伴う視覚効果を容易に変更することができ、変化に富んだ視覚効果を得ることができる。したがって、飽きがこない。特に、脳の発達段階にある幼児に対して、格段の興味を与えることができ、知育玩具として優れた効果を得ることができる。
【0028】
特に、視覚効果生成部8の仕様の異なる複数の中間板7を択一的に用いることにより、異なった視覚効果を容易に得ることができる。
また、下連結体11および下軸体3が一体に形成されているので、部品点数を削減して製造コストを安くできるとともに、組立て工数を削減して、組み立て易くすることができる点で非常に好ましい。
【0029】
また、コマ玩具1は、手回し軸4によって駆動する利用形態と、手回し軸4よりも格段に強い回転力を与える駆動部材26によって駆動する利用形態を選択できるようになっており、使い勝手がよい。駆動部材26を用いた場合には、コマ玩具1を長時間回転させることができ、速度の変化に伴う視覚効果の変化を容易に体感することができる。
次いで、図9および図10は本発明の別の実施の形態を示している。本実施の形態が図1および図2の実施の形態と主に異なるのは、視覚効果生成部として複数種の色要素部材44,45,46を用い、これらの色要素部材44,45,46を保持板としての下板47上で配列を変更できるように保持した点にある。
【0030】
保持板としての下板47は、中心孔48を有し、中心孔48の周囲にボス49が突出形成されている。また、下板47の外周縁には、上方へ延びる周壁50が延設されている。下板47の上面47aには、ボス49と周壁50との間において、例えば円柱状の係合突起51が多数設けられている。これらの係合突起51は、中心孔48を中心とする複数の同心円上にそれぞれ周方向に等間隔をあけて配置されている。図示していないが、下板47の下面には、ボス49の反対側において、下連結体11の受け部29が嵌合する嵌合凹部が設けられている。
【0031】
色要素部材44,45,46は環状をなすおはじき状のチップであり、係合突起51に遊嵌する係合孔52を中心孔として有している。色要素部材44,45,46の少なくとも上面(全面であってもよい)の色としては、例えば、マゼンタ、シアン、イエローの三原色を用いることができる。図9および図10の構成要素において、図1および図2の実施の形態と同じ構成要素には、同じ参照符号を付してある。
【0032】
本実施の形態によれば、保持板としての下板47上で色要素部材44,45,46を並べ替えて配列を変更することで、コマ玩具1を回したときに、予期し得ない格段の視覚効果を得ることができる。
次いで、図11および図12は本発明の別の実施の形態を示している。本実施の形態が図9および図10の実施の形態と主に異なるのは、下板47の係合突起51を廃止し、視覚効果生成部としての色要素部材を、中心孔48を中心とする同心円状の第1の列53、第2の列54、第3の列55および第4の列56に配列し、各列53〜56において、周方向の任意の位置に配列可能な扇形状をなす色要素部材53a〜53d,54a〜54d,55a〜55d,56a〜56dを設けた点にある。色要素部材の色としては、例えば、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、グリーンを用いることができる。
【0033】
本実施の形態によれば、保持板としての下板47上において、各列53〜56の色要素部材をそれぞれの同心円上でジクソーパズル状に並べ替えて配列を変更することにより、コマ玩具1を回したときに、予期し得ない格段の視覚効果を得ることができる。
本実施の形態は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図13(a)および(b)に示すように、下板5、下連結体11および下軸体3が一体に形成された第2のユニットU2を構成し、上連結体10および上板6が一体に形成された第3のユニットU3を構成していてもよい。下板5の上面に視覚効果生成部(図示せず)が設けられる。本実施の形態では、部品点数の削減を通じてコマ玩具1の製造コストを安くすることができ、また、組立て工数の削減を通じてコマ玩具1を組み立て易くすることができる。
【0034】
図13(a)および(b)のユニット化を図2、図10および図12の実施の形態にそれぞれ適用した例を、図14(a)、図14(b)および図14(c)、並びに図15(a)、図15(b)および図15(c)に示す。
また、図16(a)および(b)に示すように、保持板としての下板に、CD500その他の光ディスクを用いてもよい。この場合、CD500等の光反射面501(視覚効果生成部に相当)からの反射光によって、優れた視覚効果を得ることができる。特に、光反射面501に蛍光灯などからの光を反射しながら行えば、より変化に富んだ視覚効果を得ることができる。また、図3(a)、(b)の中間板7に付した模様等を、CD500の表面に付して視覚効果生成部8(図示せず)を設けるようにしてもよい。
【0035】
また、CD500その他の光ディスクを用いる場合に、図16(a)および(b)に示す上板6を廃止し、図17(a)および(b)に示すように、回転板2をCD500等の光ディスクのみで構成するとともに、スペーサとしての環状板600を用いてもよい。環状板600は、上連結体10の係合凸部22に嵌合する例えば六角孔からなる中心孔120を有している。
【0036】
図17(a)および(b)の実施の形態では、図1〜図5の実施の形態や、図6〜図8の実施の形態や、図9および図10の実施の形態や、図11および図12の実施の形態のように上板6を用いる各実施の形態と同じ上連結体10を用いることができ、部品の共通化を通じて、製造コストを安くすることが可能である。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0037】
1…コマ玩具、2…回転板、3…下軸体、4…手回し軸(上軸体)、5…下板(保持板)、5a…上面、5b…下面、6…上板、6a…上面、6b…下面、7…中間板、7a…上面、7b…下面、8…視覚効果生成部、9…連結機構、10…上連結体、11…下連結体、12…中心孔、13…周壁、14…環状突起、15…受け部、16…中心孔、17…中心孔、18…太径部、19…連結部、19A…支軸(連結部)、20…本体、21…被駆動ブロック、22…係合凸部(相対回転規制部)、23…嵌合部、24…環状板、25…嵌合孔、26…駆動部材、27…ラック、28…ピニオン、29…受け部、30…ボス、31…係合凹部(相対回転規制部)、32…固定孔、33…第1の永久磁石、34…第2の永久磁石、35…スペーサ、36…本体、37…指入れ環、38…ラックガイド、39…手持ち軸(上軸体)、40…突起、41…鍔部、42…第1規制部、43…第2規制部、44〜46…色要素部材(視覚効果生成部)、47…下板(保持板)、47a…上面、48…中心孔、49…ボス、50…周壁、51…係合突起、52…係合孔、53〜56…列、53a〜53d,54a〜54d,55a〜55d,56a〜56d…色要素部材(視覚効果生成部)、120…中心孔、500…CD(光ディスク)、501…光反射面(視覚効果生成部)、600…環状板(スペーサ)、X1…軸方向、U1…第1のユニット、U2…第2のユニット、U3…第3のユニット、S1…案内空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転に伴って視覚効果を生成する視覚効果生成部を有する回転板と、
前記回転板の上方に突出する上軸体と、
回転板の下方に突出する下軸体と、
前記上軸体と前記下軸体とを取り外し可能に連結する連結機構と、を備え、
前記連結機構は、互いに連結可能な上連結体および下連結体と、前記上連結体および前記下連結体の相対回転を規制する相対回転規制部と、前記上連結体および前記下連結体を前記下軸体の軸方向に近づける磁気吸引部と、を含み、
前記相対回転規制部は、前記上連結体および前記下連結体の何れか一方に設けられた係合凸部と、他方に設けられ前記係合凸部に嵌合する係合凹部と、を有し、
前記磁気吸引部は、前記係合凸部および前記係合凹部に、それぞれ、保持された一対の永久磁石を含むコマ玩具。
【請求項2】
請求項1において、前記回転板は、下板と、透明な上板と、前記下板および前記上板の間に択一的に挟持される複数の仕様の中間板と、を含み、
前記視覚効果生成部は、各仕様の中間板の上面にそれぞれ付された、形状、模様若しくは色彩又はこれらの組合せであることを特徴とするコマ玩具。
【請求項3】
請求項1において、前記回転板は、下板と、透明な上板と、前記視覚効果生成部としての複数種の色要素部材と、を含み、
前記色要素部材は、前記下板上に配列を変更できるように保持されていることを特徴とするコマ玩具。
【請求項4】
請求項2または3において、前記下板、前記下連結体および前記下軸体が一体に形成されていることを特徴とするコマ玩具。
【請求項5】
請求項2,3または4において、前記上連結体および前記上板が一体に形成されていることを特徴とするコマ玩具。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項において、前記上連結体は、被駆動ブロックを含み、
前記被駆動ブロックの外周には、ラックを有する駆動部材の直線運動によって回転駆動可能なピニオンが形成され、
前記上軸体として、手回し軸と、ラックガイド付きの手持ち軸と、が択一的に用いられ、
前記手回し軸は、前記被駆動ブロックに形成された嵌合孔に相対回転不能に嵌合可能であり、
前記手持ち軸は、前記嵌合孔に相対回転可能に嵌合可能であり、
前記ラックガイドと前記ピニオンとの間に、前記駆動部材の前記直線運動を案内する案内空間が形成されるようにしてあることを特徴とするコマ玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−56124(P2011−56124A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210660(P2009−210660)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(501207560)株式会社池田工業社 (1)
【Fターム(参考)】