説明

コミュニケーションイベントログ作成システム、コミュニケーションイベントログ作成方法およびプログラム

【課題】コミュニケーションアクティビティを解析するために、複数のコミュニケーションツールに分散したコミュニケーションイベントログおよび複数の異なる人物のコミュニケーションイベントログを統合的に取り扱うことができるコミュニケーションイベントログ作成システムを提供する。
【解決手段】コミュニケーションイベントログ作成システム100は、イベントデータ取得部21、ログ抽出部22、中間記憶部23および統合記憶部26を備える。イベントデータ取得部21は、異なる種類の複数のコミュニケーションツール10で行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得する。中間記憶部23および/または統合記憶部26は、取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーションイベントログ作成システム、コミュニケーションイベントログ作成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人やグループおよびコミュニティにおいて、コミュニケーションアクティビティを解析することは、マーケティングや社会調査、チーム単位で問題解決にあたる場合などに非常に有益な情報として利用できる。コミュニケーションアクティビティの解析は、コミュニケーションアクティビティ・アナリシス(コミュニケーションの活動分析)とも言われる。
【0003】
例えば、医療現場や航空管制のような一つの問題解決に取り組むチーム内において、コミュニケーションが必要な状況であるにもかかわらず、充分なコミュニケーションが行われないことによる事故の発生という問題が重要視されており、このような状況を把握し、異状を検知するためには、チームのコミュニケーションアクティビティを解析することが極めて有効である。
【0004】
一方、情報化が進む中で、電子メールをはじめとするコミュニケーションツールは我々の日常生活になくてはならないものになりつつある。インターネットの発達により、チャット、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS:Social Networking Service)、ブログ、動画共有サービス、などその他のコミュニケーションツールも広く用いられるようになっている。このため、複数のコミュニケーションツールに分散したコミュニケーションイベントログ、または複数の人物のコミュニケーションイベントログを統合的に解析しなければ、コミュニケーションの解析ができない状況となっている。
【0005】
特許文献1では、後からコミュニケーション記録を見直すことによって、実世界上のユーザ行動を確認することが可能な実世界コミュニケーション管理装置が記載されている。発話の検出とその検出した時刻を関連づけ、発話通知の送受信と同期することにより、電子メールと対話ログとを組み合わせて管理する方法である。
【0006】
特許文献3では、コミュニケーションサービスシステムのソーシャルネットワークサービスにおいて、効果的な情報の開示制限を行い、ユーザの参加する複数のコミュニティから複合的かつ効果的な情報を提供することが記載されている。
【0007】
特許文献2では、組織や集団の活動のログをデータベース等に格納し、指定された分析条件に応じて組織や集団の活動を組み合わせて分析することで、簡易に社会調査分析を実施することができるシステムが記載されている。
【0008】
また、特許文献4では、会員情報DBを参照して、検索対象者の登録内容と他者の登録内容とを比較し、類似性の高いユーザIDを検索し、また、類似性の高いスポットIDを検索することで、関連情報を提供すると共に、両ユーザを繋ぐことで情報交換、並びに人と人とのコミュニケーションを円滑化することができる情報検索システムが記載されている。
【0009】
さらに、特許文献5では、インフォバブルを用いて、ユーザのネットワーク行動を分析する情報処理装置、分析システム、ネットワーク行動の分析方法およびプログラムが記載されている。インフォバブルとは、特徴パラメータを含む抽出した情報に対するネットワークでのユーザ関わり度を使用して、少なくとも1つのユーザを登録し生成したもので、読み出してネットワーク行動の分析を行う際に用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−25859号公報
【特許文献2】特開2007−226618号公報
【特許文献3】特開2008−140174号公報
【特許文献4】特開2008−165761号公報
【特許文献5】特開2009−301334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
メッセージを特定の受信者に伝えること(事象)を、コミュニケーションイベントと称する。コミュニケーションアクティビティの解析においては、あるコミュニケーションイベントについて、発生時間、誰から、誰へのコミュニケーションか、どういうタイプのコミュニケーションか、の情報が解析に必要である。これらコミュニケーションイベントは、電話、電子メール、チャットなど様々なコミュニケーションツールで行われるため、情報収集することが困難となることが多い。また、複数のユーザが対象となるため、プライバシー保護の観点からも情報収集することが困難となることがある。
【0012】
さらに、コミュニケーションアクティビティの解析を行う際に、コミュニケーションイベント属性の情報が必要となる場合がある。コミュニケーションイベント属性とは、コミュニケーションイベント間の関連性をいう。コミュニケーションイベント属性には、発信情報かどうか、何人から受信したか、何人に転送したか、何回転送したか、などの情報を含む必要がある。
【0013】
しかしながら、メーリングリスト、チャット、Twitterなどにおいては、個別の“To(誰へ)”情報はクライアント側に記録されないため、クライアント側でこれらの情報を取得してデータベースを構築することができない。さらに、特定の組織のメールサーバから情報取得できても、他組織のサーバ、例えば、Microsoft、Google、Yahooなどのサーバからの情報取得が困難であるため、複数のユーザに対して情報提供を依頼し、統合データベースを構築する必要がある。
【0014】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、コミュニケーションアクティビティを解析するために、複数のコミュニケーションツールに分散したコミュニケーションイベントログおよび複数の異なる人物のコミュニケーションイベントログを統合的に取り扱うことができるコミュニケーションイベントログ作成システム、コミュニケーションイベントログ作成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の観点に係るコミュニケーションイベントログ作成システムは、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得手段と、
前記イベントデータ取得手段で取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の観点に係るコミュニケーションイベントログ作成方法は、
コンピュータにより、コミュニケーションイベントログを作成する方法であって、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得ステップと、
前記イベントデータ取得ステップで取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得ステップと、
前記イベントデータ取得ステップで取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コミュニケーションアクティビティを解析するために、複数のコミュニケーションツールに分散したコミュニケーションイベントログおよび複数の異なる人物のコミュニケーションイベントログを統合的に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るコミュニケーションイベントログ作成システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】コミュニケーションイベントログ共通データベースフォーマットのリスト表記の一例を示す図である。
【図3】図2に係るコミュニケーションイベントログ共通データベースのフォーマットを、DTD形式で表記した一例を示す図である。
【図4】図3に係るDTD形式の表記の、その他の例を示す図である。
【図5】コミュニケーションイベントログ共通データベースフォーマットのリスト表記の、その他の例を示す図である。
【図6】図5に係るコミュニケーションイベントログ共通データベースのフォーマットを、XML形式で表記した一例を示す図である。
【図7】特定のコミュニケーションツールを共通データベースに登録した例である。
【図8】コミュニケーションイベントログ共通データベースの共通フォーマットのリスト表記の一例を示す図である。
【図9】実施の形態に係るコミュニケーションイベントログ作成の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】具体例1を示す図である。
【図11】具体例2を示す図である。
【図12】具体例3を示す図である。
【図13】具体例1ないし3のデータ集計を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るコミュニケーションイベントログ作成システムのハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0021】
本発明の実施の形態において、コミュニケーションイベントとは、メッセージを特定の受信者に伝える(送信する)ことをいう。また、メッセージとは、1回のコミュニケーションイベントで送信されるひとまとまりの情報をいう。メッセージは、文字データおよび/または音声データから構成される言語情報を含む。メッセージには、画像データおよび/または音データ(音楽など)を含む場合がある。以下では、コミュニケーションイベントを略して単にイベントということがある。
【0022】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るコミュニケーションイベントログ作成システムの構成例を示すブロック図である。コミュニケーションイベントログ作成システム100は、統合的に統計処理された複数のコミュニケーションアクティビティを解析し、その解析結果をもとに、対象人物、対象チーム、対象期間などの状況判断を行い、対象人物、対象チーム、対象期間などにおける状況の結果を通知する。
【0023】
コミュニケーションイベントログ作成システム100は、イベントデータ取得部21、ログ抽出部22、中間記憶部23、イベント属性解析部24およびイベント情報登録部25、統合記憶部26を備える。
【0024】
イベントデータ取得部21は、ユーザがコミュニケーションに利用するコミュニケーションツール10と接続しており、各コミュニケーションツール10に対応してイベントデータ取得部21は設置される。
【0025】
コミュニケーションイベントログ作成システム100を利用するユーザは、コミュニケーションツール10を使用して、他のユーザとのコミュニケーションを行う。コミュニケーションツール10は、例えば、電子メール11、電話12、FAX13、SNS14、ブログ15、チャット16、Twitter17および動画共有サービス18をいう。他に、直接対面する(Face to Face)形式(以下、F2Fと記載する)であってもよく、コミュニケーションを行う手段であれば、特に形式は問わない。
【0026】
ユーザが、コミュニケーションツール10を使用して、他のユーザとのコミュニケーションを行うときのコミュニケーションイベントに関する生のデータを、イベントデータという。イベントデータは、電子メール11や電話12、会話などのコミュニケーションにおける全てのデータを指し、例えば、送信者、受信者、送信時刻、受信時刻および内容部分であるメッセージなどを含む。
【0027】
イベントデータ取得部21は、コミュニケーションツール10によって行われたコミュニケーションイベントのイベントデータを取得し、イベントデータを保存する。イベントデータ取得部21で取得するイベントデータのメッセージは、例えば、電子メール11であればテキストデータや添付された画像データなど、電話12であれば音声データなど、F2Fであれば音声データおよび画像データなど、の形式で取得する。
【0028】
イベントデータ取得部21に、イベントデータ保存の機能を備えずに、イベントデータ取得のみ実行させてもよい。その場合は、イベントデータ取得部21に、イベントログを記憶・保存する記憶部を備えるか、外部の記憶装置と接続することが好ましい。
【0029】
ログ抽出部22は、イベントデータ取得部21で取得したイベントデータからイベントログを一定のフォーマットで抽出する。イベントログとして抽出する項目は、送信者、受信者、送信時刻、受信時刻およびメッセージなどが挙げられる。一定のデータフォーマットとは、イベントデータに含まれる情報を、誰から、誰へ、受信時間、送信時間などの項目毎にイベントログをデータ管理したデータベースなどを指す。一定のデータフォーマットにより、コミュニケーションイベントログ作成システム100で行うイベントログの検索や管理が容易となる。
【0030】
中間記憶部23は、複数のコミュニケーションツール10のそれぞれに対応するログ抽出部22で抽出したイベントログを記録する。中間記憶部23は、ログ抽出部22で抽出した一定のデータフォーマットで記録してもよいし、規定された共通のデータフォーマットで記録してもよい。規定された共通のデータフォーマットとは、全てのコミュニケーションツール10のイベントログを網羅した形式のデータフォーマットをいう。
【0031】
このとき、中間記憶部23は、イベントログの送受信者に含まれるユーザについて、整合できるようにしておいてもよい。例えば、あるユーザAについて、電子メール11のアドレス(携帯電話端末とパソコン端末のそれぞれのメールアドレス)、ブログ15のURL(Uniform Resource Locator)、チャット16のユーザID、などをコミュニケーションイベントログ作成システム100に予め登録しておく。ユーザの整合により、ログ抽出部22で、異なる複数のコミュニケーションツール10から複数のイベントログを抽出した場合であっても、共通するユーザの情報について、情報を抽出したり検索したりすることが可能となる。
【0032】
イベント属性解析部24は、中間記憶部23に蓄積された複数のコミュニケーションイベントのイベントログを統合的に分析し、各コミュニケーションイベントについて、イベント属性を解析する。イベント属性は、コミュニケーションイベントと、当該コミュニケーションイベントより前に発生したコミュニケーションイベントとの関係を表す情報である。たとえば、メッセージの送信者がそのイベントまでに受信したメッセージとは関係のない(送信者にとって)新たな発信情報かどうか、メッセージの送信者がそのメッセージを何人から受信したか、何人に転送したか、イベントのメッセージはそれまでに何回転送されたか、などの情報を含み、コミュニケーションイベント間の関連性を示す指標となるものである。
【0033】
イベント属性解析部24は、たとえば、あるイベントXでメッセージを送信したユーザがユーザAの場合、そのイベントXの送信時刻より前に発生したイベントで、受信者にユーザAが含まれるものを、中間記憶部23の共通データフォーマットより抽出する。そして、抽出したイベントのメッセージと、イベントXのメッセージについて、含まれる単語の一致度などから、メッセージの類似度を判定し、解析する。例えば、類似度が所定の値より大きいと判定した場合に、その2つのイベントに関連性があると判断する。イベント属性は、返信、転送および働きかけを含む。
【0034】
返信とは、広義には、後のイベントの送信者が先のイベントの受信者に含まれ、先のイベントの送信者が後のイベントの受信者に含まれており、2つのイベントのメッセージの属する分野が同じであるものと考えることができる。さらに、主題が類似もしくは共通するもの、あるいは、問いかけと応答の関係を含む場合に限定してもよい。後のイベントXが先のイベントYの返信と判断される場合、後のイベントXのイベント属性情報に、返信の元になったイベントYの返信であることを表す情報を含める。
【0035】
転送とは、後のイベントの送信者が先のイベントの受信者に含まれ、後のイベントの受信者は先のイベントの送信者以外の者を含み、後のイベントのメッセージは、先のイベントのメッセージの文を含む場合と考えることができる。その場合、後のイベントXのイベント情報に、転送の元になったイベントYの転送であることを表す情報を含める。
【0036】
働きかけとは、後のイベントの送信者が先のイベントの受信者に含まれ、先のイベントのメッセージに、後のイベントの発生のきっかけとなりうる指示、依頼もしくは示唆を表す語句が含まれる場合をいう。広義の働きかけには、返信または転送の場合が含まれる。イベント属性情報としては、返信または転送を優先して記録する。返信または転送に該当しない働きかけの場合、後のイベントXのイベント情報に、先のイベントYに働きかけられたイベントであることを表す情報を含める。
【0037】
イベント情報登録部25は、中間記憶部23に蓄積されたイベントログと、イベント属性をあわせて登録する。詳しくは、同一のコミュニケーションイベントの、イベントデータに対応する部分であるイベント基本情報(イベントログを指す)と、イベント属性を示すイベント属性情報を統合させたイベント情報を統合して登録する。
【0038】
統合記憶部26は、イベント情報登録部25が登録したイベント属性情報を統合させたイベント情報を共通データベースに記憶し保存する。
【0039】
コミュニケーションイベントログ作成システム100の統合記憶部26は、外部のアプリケーション部27と接続される。
【0040】
アプリケーション部27の各アプリケーション(アプリケーションAP1、アプリケーションAP2およびアプリケーションAPnからなるアプリケーション群をいう)は、共通データベースに記憶しているイベント属性情報を含むイベント情報の記録を利用する。
【0041】
コミュニケーションイベントログ作成システム100のアプリケーション部27が、コミュニケーションイベントの記録を利用するとは、コミュニケーションイベントログ作成システム100により作成したコミュニケーションイベントログを取得し、ユーザの検索したい条件に合わせた情報を抽出することを指す。具体的には、アプリケーション部27が、統合記憶部26の共通データベースを用いて、対象人物、対象チーム、対象期間などのコミュニケーションアクティビティを解析することをいう。必要に応じて、解析結果を表示するなど、通知を行う。
【0042】
本実施の形態では、アプリケーション部27は、アプリケーションAP1、アプリケーションAP2およびアプリケーションAPnで表される複数のアプリケーションで構成された例を挙げているが、1つでもよい。また、コミュニケーションイベントログ作成システム100の外部に接続しているが、コミュニケーションイベントログ作成システム100に含めて備えてもよい。アプリケーション部27は、コミュニケーションイベントログ作成システム100により作成したコミュニケーションイベントログを取得し、利用することができればよく、コミュニケーションイベントログ作成システム100に備えなくてもよいし、外部に備えた装置であってもよい。アプリケーション部27またはアプリケーション装置は、検索エンジンまたは検索条件を設定するアシスタントを含むものとする。
【0043】
コミュニケーションイベントログ作成システム100の各機能部は、それぞれ次のように動作する。まず、ユーザが各コミュニケーションツール10を用いてコミュニケーションを行う。イベントデータ取得部21は、コミュニケーションツール10によって行われたコミュニケーションイベントのイベントデータを取得し、イベントデータを保存する。
【0044】
ログ抽出部22は、それぞれのコミュニケーションツール10で用いるコミュニケーションの形態に対応する共通データフォーマットに合わせて、イベントデータからイベントログを抽出する。そして中間記憶部23は、ログ抽出部22で抽出したイベントログを記録する。
【0045】
イベント属性解析部24は、中間記憶部23に蓄積された複数のコミュニケーションイベントのイベントログを統合的に分析し、各コミュニケーションイベントについて、イベント属性を解析する。イベント情報登録部25は、中間記憶部23に蓄積されたイベントログと、そのコミュニケーションイベントに対応するイベント属性を統合して登録する。統合記憶部26は、その統合した情報であるイベント情報を、共通データベースに記憶して保存する。
【0046】
そして、コミュニケーションイベントログ作成システム100に接続されたアプリケーション部27は、統合記憶部26の共通データベースを用いて、コミュニケーションアクティビティの解析を行う。コミュニケーションの活動分析は、ユーザがコミュニケーションイベントログ作成システム100に入力した条件や予め設定された条件に沿って、対象人物、対象チーム、対象期間などのコミュニケーションアクティビティについて行われる。
【0047】
具体的には、コミュニケーションイベントログ作成システム100を利用するユーザが、条件を入力し、アプリケーション部27がその条件に合わせたデータを抽出する。例えば、ユーザAは、チャット16を利用してコミュニケーションを行うあるコミュニティに所属しており、どんなメンバーがいるか把握したいとする。そのときユーザAは、自分と同時刻にチャット16を行っているメンバーについて1ヶ月分のデータを抽出し、かつ、出現頻度の高い人から降順でメンバー名を表示するように条件の入力を行う。アプリケーション部27は条件に沿ったメンバーのデータを共通データベースから抽出し、かつ、並べ替えをしたものを、コミュニケーションイベントログ作成システム100の表示部(図示せず)などに表示する。ユーザAは、通知された(表示された)メンバーのデータを見て、コミュニティメンバーである人、またはコミュニティメンバーである可能性の高い人を把握することができる。
【0048】
図2は、コミュニケーションイベントログ共通データベースフォーマットのリスト表記の一例を示す図である。コミュニケーションイベント共通データフォーマットはイベント情報を含む。イベント情報は、少なくとも、時刻情報(“Time”)、誰からの送信か(“From”)、誰への送信か(“To”)および情報のタイプは何か(“Type”)のイベント基本情報とコミュニケーションイベント属性(“Attribute”)を示すイベント属性情報を含む。
【0049】
また、これらのイベント情報がイベントログ内で明確でない場合は、特定の方法に従って情報を抽出し、格納する。具体的な例として、コミュニケーションイベントがチャット16で行われる場合において、イベントデータからイベントログを抽出する手法を説明する。
【0050】
まず、タイムウィンドT(例えば、T=1時間)として、連続なチャットの一部を抽出、すなわちイベントデータを取得する。タイムウィンド内に最初に特定のユーザ(例えばユーザA)が出現してから、最後にユーザAが出現するまでの時間、チャット内で送信された他のユーザからの情報はすべてユーザAが受信したという基準で、イベントデータからイベントログの抽出を行なう。
【0051】
例えば、ユーザAの送信のイベントログを記録する場合は、あるタイムウィンド内でユーザAが初めて発言してから2度目に発言するまでにユーザB,D,Eが初めて発言したとする。このときAの最初の発言は誰へ送信した発言か(“To”)は、ユーザB,D,Eへの送信とみなしてイベントログを抽出し記録する。
【0052】
情報のタイプ(“Type”)の例としては、コミュニケーションツール10の種類を表す情報(F2F、電話、メール、Twitterなど)を指す。さらに、情報のタイプ(“Type”)に、情報の特徴を含めて記録してもよい。
【0053】
情報の特徴とは、例えば、メッセージの主題が属する分野を表す情報であり、分野は、例えば、業務内容、趣味、料理、スポーツなどが挙げられる。分野を表す情報には、タグまたはキーワードを含むものをいう。メッセージの目的を表す情報があってもよい。目的を表す情報とは、業務内容の打ち合わせ時刻や、新製品の紹介、料理の季節の野菜を使ったレシピの紹介、サッカーの試合結果連絡などが挙げられる。目的を表す情報には、タグまたはキーワードを含み、日時・紹介・結果などの単語や、“14:30”など時刻を表す数値や“3−1”など試合結果のスコアを表す形式の表示が挙げられる。
【0054】
これらのイベントログに対応する共通データフォーマットはXML(eXtensible Markup Language)の外部読み込み文章型宣言DTD(Document Type Definition)などを用いて文章型を決めてもよいし、自由記載としてもよい。共通データフォーマットは、コミュニケーションイベントの、イベント基本情報およびイベント属性情報を含むイベント情報を記録できれば形式を問わず、任意に設定可能である。
【0055】
イベント属性の例としては、イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントが返信でも転送でもなく、送信するメッセージに、その送信者が当該コミュニケーションイベントより前の所定の期間に受信したメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を含まない、新規の発信情報であるか否かを表す情報を含んでもよい。
【0056】
また、イベント属性は、イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文が、当該コミュニケーションイベントの送信者が当該文を受信するまでに転送された回数の情報を含んでもよい。
【0057】
さらに、コミュニケーションイベント属性は、イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントの発生のきっかけとなりうるメッセージを含み、当該コミュニケーションイベントの送信者を受信者に含むコミュニケーションイベントの発生から、当該コミュニケーションイベントが発生するまでの時間、および、きっかけとなりうるメッセージを含むコミュニケーションイベントの送信者、の情報を含んでもよい。
【0058】
「きっかけ」には、返信される元のメッセージ、転送される元のメッセージ、および、メッセージ送信の指示・依頼・示唆を含むメッセージがある。それぞれ、異なる種類のコミュニケーションツールで送信されたメッセージどうしの関係の場合を含む。例えば、チャットで依頼しメールで返信または転送する場合や、メールで示唆しチャットで情報提供する場合、チャットで受信しメールで内容を転送する場合などがある。
【0059】
コミュニケーションイベントは、働きかけのあった送信情報と、新規の発信情報に分けることができる。働きかけのあった送信情報は、返信と転送の場合を含む。返信または転送以外の働きかけのあった送信情報には、例えば、指示・依頼・示唆を含むメッセージを受信して、それに基づいて、受信したメッセージの文を含まない別のメッセージを、受信したメッセージの送信者以外の第三者に送信する場合がある。
【0060】
新規の発信情報とは、コミュニケーションイベントが返信でも転送でもなく、送信するメッセージに、その送信者が当該コミュニケーションイベントより前の所定の期間に受信したメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を含まないコミュニケーションイベントのことをいう。
【0061】
コミュニケーションイベントログ作成システム100は、類似の判断を行う際は、まず、類義語辞書で代表の語に変換し、異なる語順を許容して比較する。一致する度合が所定の値以上の場合に「類似する」と判断することができる。可能な語順の内、最も一致する度合が大きいものを採用して一致もしくは類似を判断してもよい。
【0062】
「働きかけ」とは、コミュニケーションイベントの発生のきっかけとなりうるメッセージを含むものをいう。具体的には、コミュニケーションイベントに対する提案や誘い、コミュニケーションイベントに関する疑問文などを含むメッセージを送信することをいい、メッセージを受信する側が、コミュニケーションイベントに対して何らかの興味を持つきっかけとなるものなどの、コミュニケーションイベントに対して何らかの行動を起こすきっかけとなるものをいう。
【0063】
働きかけは、コンピュータが次のように認識・検出することができる。具体的には、ユーザAがメッセージRを受け、次に、ユーザAがユーザBにメッセージSを送る場合について、メッセージSにおける働きかけの確認を例に挙げて説明する。メッセージRとメッセージSは、同一のコミュニケーションツール10であってもよいし、異なるコミュニケーションツール10であってもよい。
【0064】
例えば、コミュニケーションイベントログ作成システム100のイベントデータ取得部21はそれぞれのメッセージR,Sのイベントデータを取得する。そして、ログ抽出部22はイベントデータから、メッセージR,Sそれぞれのイベントログを抽出し、中間記憶部23はメッセージR,Sそれぞれのイベントログを共通データフォーマットで記録する。
【0065】
次に、イベント属性解析部24は、メッセージSのイベント属性を解析する。まず、イベント属性解析部24は、中間記憶部23に保存されている共通データフォーマットを参照し、メッセージSの題名に、返信を示す“Re”や、転送を示す“Fw”がないか確認する。あれば、メッセージSは働きかけがあるものとして処理が行われる。なければ、さらに、メッセージSの“From”および“To”がないか確認する。ここでは、“From”はユーザA、“To”はユーザBであることが分かる。そして、イベント属性解析部24は、“From”に該当したユーザAについて、ユーザAの受信したコミュニケーションイベントのイベント情報を、メッセージSを受信した時刻より前のものについて確認する。
【0066】
そして、イベント属性解析部24は、ユーザAがメッセージRを受信していたことを確認し、メッセージRを参照する。このとき、イベント属性解析部24は、メッセージRの中に、ユーザBそのものを示す言葉や、ユーザBへメッセージの送信を促すような語句の有無を確認する。そして、メッセージRの中にそれらの語句があれば、働きかけがあるものとして処理が行われる。
【0067】
また、イベント属性解析部24は、メッセージRとメッセージSのコミュニケーションイベントのメッセージを比較し、文章の全体または部分の一致や、単語の重複度などを元に、メッセージRとメッセージSのコミュニケーションイベントの類似度を判断する。コミュニケーションイベントの類似度が所定の値を満たしていれば、働きかけがあるものとして処理が行われる。
【0068】
なお、イベント属性解析部24は、イベント属性のきっかけについて、コミュニケーションツール10の種類によるが、返信と転送が区別できる場合は、返信と転送を異なるものとして処理する。また、イベント属性のきっかけについて、指示・依頼・示唆をそれぞれ異なるもの(きっかけレベル)として処理してもよい。
【0069】
ここでは、メッセージSを受信した時刻より前に受信したメッセージ(メッセージRを含むメッセージ群)が1つのみの場合を例に挙げたが、複数あってもよく、例えば、1週間前まで遡る、1ケ月前まで遡る、など、あらかじめ確認する受信メッセージの期間を設定しておくことが望ましい。
【0070】
なお、メッセージSは働きかけがあるものと処理しなかった場合においても、イベント属性解析部24は、さらに、メッセージRおよびそれ以前に受信したメッセージと、メッセージSのコミュニケーションイベントの類似度を判断することが好ましい。その結果、類似度が所定の値を満たしていれば、転送であるとみなしてもよい。
【0071】
イベント属性解析部24は、メッセージSを解析した結果について、コミュニケーションイベントが返信でも転送でもなく働きかけもなく、かつ、メッセージRを含むメッセージ群とのコミュニケーションイベントの類似度が所定の値を満たさなければ、メッセージSは新規の発信情報であると判断することができる。
【0072】
図3は、図2に係るコミュニケーションイベントログ共通データベースのフォーマットを、DTD(Document Type Definition、文書型定義)形式で表記した一例を示す図である。
【0073】
図4は、図3に係るDTD形式の表記の、その他の例を示す図である。図4(a)は、図3の(S)部分にあるコミュニケーションツールの記載形式を書き換えた例を示す。図4(b)は、図3の(T)部分にある構成要素を含む部分の記載形式を書き換えた例を示す。図4(b)の(U)および(W)部分が、図3の(T)部分に相当する。
【0074】
図4(b)の(V)部分のような重要度の低い項目については、(U)部分から(W)部分を離して記載したように、最後にまとめてデータベースへ記載してもよい。具体的には、図4(b)のDTD形式のその他の例では、(V)部分のように、DTDに定義されるタグの中に“others”などの自由記載を許すタグを設けることも考えられる。タグの拡張性に関して、どの程度の自由度を持たせたいかによって、例えば、“others”の要素に文字列が入っていた場合、その文字列をDTDの新たなタグとして自動的に更新させてもよい。また、複数回同じ文字列が出現した場合(例えば10回以上)、DTDを更新させたり、DTDへの反映は行わず例外として取り扱ったりすることが可能である。また、これらの例では各要素の値を文字列として処理しているが、数値情報はあらかじめ数値として取り扱ってもよい。
【0075】
図5は、コミュニケーションイベントログ共通データベースフォーマットのリスト表記の、その他の例を示す図である。図6は、図5に係るコミュニケーションイベントログ共通データベースのフォーマットを、XML形式で表記した一例を示す図である。DTDに関しては、図6のようにXML形式で表記してもよいし、別の形式でもよい。
【0076】
図7は、特定のコミュニケーションツールを共通データベースに登録した例を示す図である。具体的には、コミュニケーションツール10が電子メール11とF2Fの場合のコミュニケーションを保存した共通データベースである。図7(a)では、時系列に沿って二つのコミュニケーションイベントログを表示している。図7(b)は、コミュニケーションツール10毎に、図7(a)を並び替えた例である。
【0077】
図8は、コミュニケーションイベントログ共通データベースの共通フォーマットのリスト表記の一例を示す図である。情報特性データおよび応答特性データをもとに作成された共通フォーマットのデータベースは、図8(a)に示すように、コミュニケーションイベントログ作成システム100を使用するユーザ毎に、コミュニケーションツール10毎に分けてデータベースやファイルなどの形式で記憶し保存される。図8(b)は、図8(a)に保存されたデータベースの一部の例であり、例えばユーザAの、コミュニケーションツール10が電子メール11の場合である。
【0078】
次に、図9を参照して、コミュニケーションイベントログ作成システム100の動作について説明する。図9は、実施の形態に係るコミュニケーションイベントログ作成の動作の一例を示すフローチャートである。
【0079】
ユーザがコミュニケーションツール10を用いてコミュニケーションを行う。このとき、イベントデータ取得部21は、ユーザがミュニケーションツール10を用いて発するメッセージを、コミュニケーションイベントに関する情報であるイベントデータとして取得・記憶を行う(ステップS11)。次に、ログ抽出部22は、イベントデータ取得部21に保存されたイベントデータから一定のデータフォーマットに合わせて抽出し(ステップS12)、一定のデータフォーマットを作成する(ステップS13)。そして、中間記憶部23は、作成された一定のデータフォーマットを記憶する(ステップS14)。ステップS12ないしステップS14のデータフォーマットは、一定のデータフォーマットでもよく、共通のデータフォーマットでもよい。
【0080】
次に、イベント属性解析部24は、中間記憶部23に蓄積されたデータフォーマットから、複数のコミュニケーションイベントのイベントログを統合的に分析し、各コミュニケーションイベントについて、イベント属性を解析・計算する(ステップS15)。そして、イベント情報登録部25は、中間記憶部23に蓄積されたイベントログ(イベント基本情報)と、そのコミュニケーションイベントに対応するイベント属性(イベント属性情報)を統合して登録する(ステップS16)。
【0081】
そして、統合記憶部26は、イベント情報登録部25で登録した、イベント属性情報を含むイベント情報を記憶し(ステップS17)、同時に、コミュニケーションイベントに対応するイベント情報を共通データベースへ保存し(ステップS18)、コミュニケーションイベントログ作成動作を終える。
【0082】
ここで、共通データベースはユーザごとに保持または分散して保持し、必要な情報のみを複数の人物分収集し、複数のユーザ間で交換してもよい。また、一つのチームや組織もしくは全世界に一つのデータベースを保持し、共通で管理してもよい。
【0083】
そして、アプリケーション部27は、複数のコミュニケーションツール10で行われたコミュニケーションイベントのイベント情報に処理を施し、得られた結果をユーザに提示する。具体的には、アプリケーション部27は、ユーザの入力した条件や予め設定された条件に沿って、統合記憶部26の共通データベースを用いて、対象人物、対象チーム、対象期間などのコミュニケーションアクティビティの解析を行う。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態のコミュニケーションイベントログ作成システムによれば、コミュニケーションアクティビティを解析するために、複数のコミュニケーションツールに分散したコミュニケーションイベントログおよび複数の異なる人物のコミュニケーションイベントログを統合的に取り扱うことができる。また、コミュニケーションイベント属性情報を含む統合コミュニケーションイベントログ作成することができる。
【0085】
コミュニケーションイベントログ作成システムは、コミュニケーションイベントを検出するごとに、属性情報を抽出しているが、必ずしも属性情報を記憶していなくてもよく、その都度ログを分析して属性情報を抽出する方法であってもよい。しかし、この方法は、処理に多くの時間を必要とするため、コミュニケーションイベントを検出するごとに、属性情報を抽出して、コミュニケーションイベントログから抽出できる属性情報を記憶することが好ましい。これにより、ログを分析した属性情報をもとに、アプリケーションで条件の検索などの処理をすることができるので、検索時間を短縮することができる。
【0086】
また、複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントのイベントデータについて、共通のデータ構造を持たせた中間データフォーマットを定義し、コミュニケーションイベントを記録するとともに、イベント属性を管理することにより、解析の高速化や保持データの圧縮が可能となる。さらに、余分なデータを保持しないことにより、異なる人物のコミュニケーションイベントログの統合が必要な場合における個人情報の保護にも有効である。
【0087】
本実施の形態において、中間記憶部および統合記憶部にてデータなどの記憶・保存を行っているが、上述は一例であり、統合記憶部で共通データベースを記憶できればよい。中間記憶部と統合記憶部に分けてデータの記憶・保存を行うことで、条件の検索を行いやすくし、短時間でのデータの検索や、保存するデータ量の低減を可能とする。なお、取得したイベントデータおよび抽出したイベントログの両方を中間記憶部で記憶してもよいし、イベントデータを記憶する記憶部を別途備えておき、中間記憶部ではイベントログのみを記憶してもよい。また、中間記憶部および統合記憶部で記憶・保存するデータベースまたはデータベースのデータフォーマットを、XMLやDTDを例にあげて説明したが、任意に設定可能である。
【0088】
共通データベースのファイリング方法についても、ユーザ毎かつコミュニケーションツール毎でファイリングを行っているが、ユーザの所属するグループ毎などでファイリングしてもよく、任意に設定可能である。
【0089】
本実施の形態において、コミュニケーションツールに、インターネットを含めてもよい。例えば、電子メールの本文中にリンク可能なインターネットアドレスを記載しておき、電子メールを送信した時刻から、その記載されたインターネットアドレスを用いてネットにリンクした時刻までの時間差を情報として取得することができる。さらに、インターネットサイトからの情報の入力、例えば、サイトへの登録やログイン、アンケートへの回答や質問の送付なども、応答情報の送信に関する情報として取得することができる。
【0090】
次に、具体的な具体例を用いて本発明を実施するための形態の作用効果を説明する。実際にコミュニケーションイベントログ作成システム100を利用する際に設定するコミュニケーションイベント属性の条件には、コミュニケーションイベントの関連性を示すものだけでなく、コミュニケーションイベントの情報の特徴、例えば、メッセージの主題が属する分野を表す情報であり、分野は、例えば、業務内容、趣味、料理、スポーツなどを含む。また、分野を表す情報には、タグまたはキーワードを含む。これらコミュニケーションイベントの情報の特徴などを組み合わせて検索条件を設定する。図10ないし図12は、ある旅行会社での、異なる状況に対するコミュニケーションイベントログ作成システム100を利用する具体例を示す図である。また、図13は、具体例1ないし3のデータ集計を示す図である。
【0091】
(具体例1)
図10に示すように、具体例1として、旅行会社でのシステム利用を考える。ある日、人数制限のある人気の沖縄のダイビングツアーに急遽2人の空きが出た。なんとか埋めたいが、顧客データにある沖縄に興味を持っている人物全員に案内の電子メールを送ると、枠が2人しかないため残りの応募者に対して旅行を斡旋出来ない旨を連絡しなければならず、フォローのコストがかかる。しかし、1人ずつ電話や電子メールでコンタクトし、候補者を決めるのには時間がかかる。
【0092】
このような場合、旅行会社のスタッフはコミュニケーションイベントログ作成システム100に対し、“沖縄、レスポンスが早い”というクエリーを入力すると、過去に“沖縄”に興味がある顧客の中で電子メールを送った際のレスポンスが早い顧客を適正な人数抽出(例えばトップ10人)する。そして、リストに従い情報を展開し、選ばれた顧客らの通常の応答時間を閾値として、閾値を超えても予定人数に達しない場合に、さらに所定の人数を応答時間が早い顧客から順に所定の人数(例えば11位〜20位)選んで送信する。その結果、効率よく対象者を見つけることができる。
【0093】
(具体例2)
次に、具体例2として図11に示すような別の利用方法を考える。同じ旅行会社で、沖縄での新プランのパック旅行の発売に向けて、できるだけ顧客が興味を持ちそうなタイミングで宣伝したい場合を想定する。
【0094】
このような場合、旅行会社のスタッフはコミュニケーションイベントログ作成システム100に対し、“沖縄、活性度の高い時期”というクエリーを入力すると、各顧客が過去に“沖縄”の情報に対して反応しやすい時期をリスト化して表示する。スタッフは顧客が反応しやすい時期に合わせて情報を提供することにより、無作為に展開するより高い集客率を見込むことが予測できる。
【0095】
(具体例3)
さらに、具体例3として図12に示すような別の利用法を考える。同じ旅行会社で、新しい沖縄のダイビングツアーを企画したので、できるだけ早く多くの人に広めたい場合を考える。
【0096】
このような場合、旅行会社のスタッフはコミュニケーションイベントログ作成システム100に対し、“沖縄、転送回数の多い人”というクエリーを入力すれば、過去に“沖縄”に興味がある顧客の中で電子メールを送った際、各顧客がその情報を転送した回数の多い顧客を適正な人数(例えばトップ10に入る回数の多い順から10人まで)を抽出する。そして、リストに従い情報を展開し、充分な情報伝播が見られなければ、さらに所定の人数を転送回数が多い顧客から順に所定の人数(例えば11位〜20位)選んで送信する。その結果、効率よく情報を伝播させることができる。
【0097】
これらの例の解決方法はここに記載されているだけでなく、例えば電子メールで広告を送ってから、インターネットにアクセスするまでの時間を分析した結果を用いることもできる。
【0098】
また、具体例1ないし3のような利用例がある旅行会社において、図13のような具体例1ないし3のデータ集計を記録しておいてもよい。データ集計することで、コミュニケーションイベントログ作成システム100を利用する際に、状況に応じた好ましいクエリー(条件)設定が容易となり、より効率よくコミュニケーションイベントログ作成システム100を利用することができる。
【0099】
(具体例4)
具体例4として、個人の携帯電話にすべての機能が集約されており、携帯電話内部で統合コミュニケーションログを持っている場合を例にあげる。ユーザAはユーザCと知り合いであり、ユーザCはユーザBと知り合いであるとする。
【0100】
ユーザAがユーザBに連絡をしたいと考えている場合において、コミュニケーションイベントログ作成システム100を利用して、ユーザAがユーザBとユーザCのコミュニケーションログをユーザCから得ることにより、ユーザAはユーザBに対してコミュニケーションを図るタイミングを知ることができる。
【0101】
その結果、ユーザAはユーザBと初めてコミュニケーションを行う場合であっても、ユーザBにとって好ましいタイミングで連絡することができ、コミュニケーションイベントログ作成システム100を用いることで支援可能であることがいえる。
【0102】
(具体例5)
具体例5として、協働して1つの作業を行うチームの状況を、コミュニケーションイベントログ作成システム100を利用して、コミュニケーションを統合的に解析することで把握・改善するシステムが考えられる。
【0103】
チームにおいて業務遂行のためにコミュニケーションが必要である状況下にもかかわらずコミュニケーションが充分行われない場合がある。その理由として、業務負荷やストレスが指摘されている。例えばチームにおけるメンバー間のコミュニケーションを解析して、返信もしくは転送などの応答が遅くなったメンバー、または応答時間に差がある分野や主題などを抽出することによって、チームやメンバーの負荷を検出することが可能である。
【0104】
上記具体例1ないし5に挙げたようなシステムを実現するためには、それぞれのイベントログのデータフォーマットを備える共通データベースを保持することが重要である。しかし、各コミュニケーションツールのイベントデータより抽出したイベントログから、できるだけ正確にイベント基本情報およびそのイベント属性情報を得るためには、イベントデータから不適切なデータを省く処理をする必要がある。
【0105】
まず、異なるコミュニケーションツールで複数のユーザ名や通称を用いている場合、名寄せを行う必要がある。次に、名寄せされたユーザ名や通称をハッシュ関数によりハッシュ化し、秘匿する。さらに、イベントログの中から、Spamや特定のサーバやマシンからの定期的な連絡のようなものを取り去る。
【0106】
例えば、人間の電子メールの送信時間の間隔は、縦軸をメール数の対数、横軸を時間の対数、とした両対数座標では、右肩下がりのほぼ直線のグラフで表される。充分な数の統計データがある場合、この特徴を満たさないものを削除することにより、特定のサーバやマシンから定期的に送られてくる情報を削除することができる。
【0107】
図14は、本発明の実施の形態に係るコミュニケーションイベントログ作成システムのハードウェア構成の例を示すブロック図である。コミュニケーションイベントログ作成システム100は、図14に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36はいずれも内部バス20を介して制御部31に接続されている。
【0108】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39に従って、コミュニケーションイベントログ作成システム100の処理を実行する。
【0109】
主記憶部32はRAM(Random−Access Memory)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39をロードし、制御部31の作業領域として用いられる。
【0110】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random−Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部31に行わせるための制御プログラム39を予め記憶し、また、制御部31の指示に従って、制御プログラム39が記憶するデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。
【0111】
操作部34はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス20に接続するインタフェース装置から構成されている。ユーザは、操作部34を介して、アプリケーション部27で利用する際の条件の入力などをコミュニケーションイベントログ作成システム100に対して行う。
【0112】
表示部35は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成されている。表示部35により、ユーザは、閲覧したい情報のコミュニケーションイベントログなどを確認することができる。
【0113】
送受信部36は、通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部36は、ネットワークを介してコミュニケーションツール10と接続し、コミュニケーションツール10から、コミュニケーションイベントのイベントデータを受信する。コミュニケーションイベントログ作成システム100がコミュニケーションツール10の一部を兼ねる場合は、送受信部36は、ネットワークを介してユーザの端末とメッセージを送受信する。
【0114】
図1のコミュニケーションイベントログ作成システム100の、コミュニケーションツール10、イベントデータ取得部21、ログ抽出部22、中間記憶部23、イベント属性解析部24、イベント情報登録部25および統合記憶部26の処理は、制御プログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0115】
その他、前記ハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0116】
制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、送受信部36などから構成されるコミュニケーションイベントログ作成システム100のための処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するコミュニケーションイベントログ作成システム100を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでコミュニケーションイベントログ作成システム100を構成してもよい。
【0117】
また、コミュニケーションイベントログ作成システム100の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0118】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0119】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0120】
(付記1)
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得手段と、
前記イベントデータ取得手段で取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とするコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0121】
(付記2)
前記イベントデータ取得手段は、特定のメッセージが送信された時刻を基点とし、その前後の所定の時間の間に送信された他のメッセージの送信者を、前記特定のメッセージの受信者に含めて前記イベントデータを処理する手段を備えることを特徴とする付記1に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0122】
(付記3)
前記イベントデータ取得手段は、前記イベントデータに対応するコミュニケーションイベントと、当該コミュニケーションイベントより前に発生したコミュニケーションイベントとの関係を表すイベント属性情報を取得し、
前記一定のデータフォーマットは、前記イベント属性情報の項目を含むことを特徴とする付記1または2に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0123】
(付記4)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントが返信でも転送でもなく、送信するメッセージに、その送信者が当該コミュニケーションイベントより前の所定の期間に受信したメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を含まない、新規の発信情報であるか否かを表す情報を含むことを特徴とする付記3に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0124】
(付記5)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を、当該コミュニケーションイベントの発生以前に、当該コミュニケーションイベントの送信者が受信した回数の情報を含むことを特徴とする付記3または4に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0125】
(付記6)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文が、当該コミュニケーションイベントの送信者が当該文を受信するまでに転送された回数の情報を含むことを特徴とする付記3ないし5のいずれかに記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0126】
(付記7)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントの発生のきっかけとなりうるメッセージを含み、当該コミュニケーションイベントの送信者を受信者に含むコミュニケーションイベントの発生から、当該コミュニケーションイベントが発生するまでの時間、および、前記きっかけとなりうるメッセージを含むコミュニケーションイベントの送信者、の情報を含むことを特徴とする付記3ないし6のいずれかに記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0127】
(付記8)
前記イベントデータは、前記コミュニケーションイベントで用いるコミュニケーション手段の種類を表す情報、前記コミュニケーションイベントで送信するメッセージの主題が属する分野を表す情報、または、前記コミュニケーションイベントで送信するメッセージの目的を表す情報、の少なくとも1つを含むことを特徴とする付記1ないし7のいずれかに記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【0128】
(付記9)
コンピュータにより、コミュニケーションイベントログを作成する方法であって、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得ステップと、
前記イベントデータ取得ステップで取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶ステップと、
を備えることを特徴とするコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0129】
(付記10)
前記イベントデータ取得ステップは、特定のメッセージが送信された時刻を基点とし、その前後の所定の時間の間に送信された他のメッセージの送信者を、前記特定のメッセージの受信者に含めて前記イベントデータを処理するステップを備えることを特徴とする付記9に記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0130】
(付記11)
前記イベントデータ取得ステップは、前記イベントデータに対応するコミュニケーションイベントと、当該コミュニケーションイベントより前に発生したコミュニケーションイベントとの関係を表すイベント属性情報を取得し、
前記一定のデータフォーマットは、前記イベント属性情報の項目を含むことを特徴とする付記9または10に記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0131】
(付記12)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントが返信でも転送でもなく、送信するメッセージに、その送信者が当該コミュニケーションイベントより前の所定の期間に受信したメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を含まない、新規の発信情報であるか否かを表す情報を含むことを特徴とする付記11に記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0132】
(付記13)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を、当該コミュニケーションイベントの発生以前に、当該コミュニケーションイベントの送信者が受信した回数の情報を含むことを特徴とする付記11または12に記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0133】
(付記14)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文が、当該コミュニケーションイベントの送信者が当該文を受信するまでに転送された回数の情報を含むことを特徴とする付記11ないし13のいずれかに記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0134】
(付記15)
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントの発生のきっかけとなりうるメッセージを含み、当該コミュニケーションイベントの送信者を受信者に含むコミュニケーションイベントの発生から、当該コミュニケーションイベントが発生するまでの時間、および、前記きっかけとなりうるメッセージを含むコミュニケーションイベントの送信者、の情報を含むことを特徴とする付記11ないし14のいずれかに記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0135】
(付記16)
前記イベントデータは、前記コミュニケーションイベントで用いるコミュニケーションステップの種類を表す情報、前記コミュニケーションイベントで送信するメッセージの主題が属する分野を表す情報、または、前記コミュニケーションイベントで送信するメッセージの目的を表す情報、の少なくとも1つを含むことを特徴とする付記9ないし15のいずれかに記載のコミュニケーションイベントログ作成方法。
【0136】
(付記17)
コンピュータに、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得ステップと、
前記イベントデータ取得ステップで取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明によれば、コミュニケーションアクティビティを解析するために、複数のコミュニケーションツールに分散したコミュニケーションイベントログおよび複数の異なる人物のコミュニケーションイベントログを統合的に取り扱うための統合コミュニケーションイベントログ作成することができる。コミュニケーションイベントの過去の履歴に基づいて、コミュニケーションを解析し、解析結果と照らして、対象人物、対象チーム、対象期間などのコミュニケーション状態の診断や、対象人物、対象チーム、対象期間などにおける状況を判断することができる。それらの結果をチームリーダや管理者に通知することによって、情報発信や応答の支援、状況把握や状況改善を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0138】
10 コミュニケーションツール
11 電子メール
12 電話
13 FAX
14 SNS
15 ブログ
16 チャット
17 Twitter
18 動画共有サービス
21 イベントデータ取得部
22 ログ抽出部
23 中間記憶部
24 イベント属性解析部
25 イベント情報登録部
26 統合記憶部
27 アプリケーション部(出力部)
31 制御部
32 主記憶部
33 外部記憶部
34 操作部
35 表示部
36 送受信部
39 制御プログラム
100 コミュニケーションイベントログ作成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得手段と、
前記イベントデータ取得手段で取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とするコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項2】
前記イベントデータ取得手段は、特定のメッセージが送信された時刻を基点とし、その前後の所定の時間の間に送信された他のメッセージの送信者を、前記特定のメッセージの受信者に含めて前記イベントデータを処理する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項3】
前記イベントデータ取得手段は、前記イベントデータに対応するコミュニケーションイベントと、当該コミュニケーションイベントより前に発生したコミュニケーションイベントとの関係を表すイベント属性情報を取得し、
前記一定のデータフォーマットは、前記イベント属性情報の項目を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項4】
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントが返信でも転送でもなく、送信するメッセージに、その送信者が当該コミュニケーションイベントより前の所定の期間に受信したメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を含まない、新規の発信情報であるか否かを表す情報を含むことを特徴とする請求項3に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項5】
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文もしくはそれに類似する文を、当該コミュニケーションイベントの発生以前に、当該コミュニケーションイベントの送信者が受信した回数の情報を含むことを特徴とする請求項3または4に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項6】
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントで送信するメッセージに含まれる文が、当該コミュニケーションイベントの送信者が当該文を受信するまでに転送された回数の情報を含むことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項7】
前記イベント属性情報は、当該イベント属性情報に対応するコミュニケーションイベントの発生のきっかけとなりうるメッセージを含み、当該コミュニケーションイベントの送信者を受信者に含むコミュニケーションイベントの発生から、当該コミュニケーションイベントが発生するまでの時間、および、前記きっかけとなりうるメッセージを含むコミュニケーションイベントの送信者、の情報を含むことを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項8】
前記イベントデータは、前記コミュニケーションイベントで用いるコミュニケーション手段の種類を表す情報、前記コミュニケーションイベントで送信するメッセージの主題が属する分野を表す情報、または、前記コミュニケーションイベントで送信するメッセージの目的を表す情報、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコミュニケーションイベントログ作成システム。
【請求項9】
コンピュータにより、コミュニケーションイベントログを作成する方法であって、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得ステップと、
前記イベントデータ取得ステップで取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶ステップと、
を備えることを特徴とするコミュニケーションイベントログ作成方法。
【請求項10】
コンピュータに、
異なる種類の複数のコミュニケーションツールで行われたコミュニケーションイベントの、メッセージの送信者、受信者および送信時刻の情報を含むイベントデータを取得するイベントデータ取得ステップと、
前記イベントデータ取得ステップで取得したイベントデータを、一定のデータフォーマットのデータに変換して記憶する記憶ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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