説明

コミュニケーション支援システム及びプログラム

【課題】 利用者が目的に合った他の利用者を容易に見つけてコンタクトすることが可能なコミュニケーション支援システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、コミュニケーション支援システムに関する。そして、コミュニケーション支援システムは、利用者がデータ送信手段を用いて送信した送信データから所定の項目のキーデータを抽出した通信履歴データを保持して蓄積する手段と、利用者から問合せデータの入力を受け付ける手段と、蓄積されている内容に基づいて、それぞれの利用者と問合せデータとの適合度と、利用者間の通信の活性度を求める手段と、問合せデータに対する適合度に応じた利用者を抽出し、抽出した利用者へのコンタクトを支援するためのコミュニケーション支援情報を生成して出力する手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーション支援システム及びプログラムに関し、例えば、企業等の組織内での各利用者間のコミュニケーションを支援するシステムに適用することができる。
【背景技術】
【0002】
企業などの組織において、業務内容に関連した連絡や相談を行う場合、コンタクトすべき相手の名前やコンタクト方法が明確である場合、電話や電子メールによるコミュニケーションを利用できる。この場合、コミュニケーションを行う端末が電話帳を内蔵しており、利用者はこの電話帳を参照することにより、通話する相手にコンタクトを取っていた。
【0003】
特許文献1の記載技術では、端末内の電話帳とネットワーク上の電話帳データベースを同期する仕組みにより、任意の端末の電話番号(コンタクト方法)が変更された場合に、電話帳データベースを介して、他の端末にその旨を通知する技術が記載されている。これにより、相手の電話番号が変更された後でも、相手に簡単にコンタクトすることができる。
【0004】
このように、コンタクトすべき相手の名前などが明確である場合には、特許文献1の記載技術により、相手にコンタクトすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−23414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、コンタクトすべき相手の情報が明確でなければ、知り合い、文書、社内ウェブシステムなどの情報に基づいて、相手を探し、その電話番号や電子メールアドレスを調べ、相手にコンタクトを取っていた。
【0007】
しかしながら、これらの情報のみでは、コンタクトすべき相手を特定できない場合がある。例えば、あるキーワードの有識者にコンタクトを行いたい場合、文書や社内ウェブシステムに該当するキーワードが明示的に記録されていない、もしくは、そのキーワードに関連した人の情報が明示的に記録されていないことがある。また、面識のない特定の人の情報を、他の誰かに確認しようとする場合、一般には、勘と経験を頼りに、複数の知り合いにコンタクトを取らなければ、情報を入手できなかった。
【0008】
以上のように、従来、目的に応じてコンタクトに適した相手を容易に見つけ出すのは困難であるという問題点があった。
【0009】
そこで、利用者が目的に合った他の利用者を容易に見つけてコンタクトすることが可能なコミュニケーション支援システム及びプログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明のコミュニケーション支援システムは、(1)複数の利用者がデータ送信手段を用いて他の利用者の利用者識別子宛に送信した送信データから、所定の項目のキーデータを抽出した通信履歴データを保持する通信履歴データ保持手段と、(2)上記通信履歴データ保持手段が保持した通信履歴データを蓄積記憶する通信履歴データ蓄積手段と、(3)利用者に、1又は複数のキーワードを含む問合せデータを入力させる問合せデータ入力手段と、(4)上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容に基づいて、それぞれの利用者と、上記問合せデータに含まれるキーワードとの適合度を求める適合度算出手段と、(5)上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容から、利用者間の通信の活性度を求める活性度算出手段と、(6)上記適合度算出手段及び上記活性度算出手段の算出結果を利用して、上記問合せデータに対する適合度に応じた利用者を抽出し、上記問合せデータを入力した利用者に対して、抽出した利用者へのコンタクトを支援するためのコミュニケーション支援情報を生成して出力する支援情報出力手段とを有することを特徴とする。
【0011】
第2の本発明のコミュニケーション支援プログラムは、コミュニケーション支援システムを構成するコンピュータを、(1)複数の利用者がデータ送信手段を用いて他の利用者の利用者識別子宛に送信した送信データから、所定の項目のキーデータを抽出した通信履歴データを保持する通信履歴データ保持手段と、(2)上記通信履歴データ保持手段が保持した通信履歴データを蓄積記憶する通信履歴データ蓄積手段と、(3)利用者に、1又は複数のキーワードを含む問合せデータを入力させる問合せデータ入力手段と、(4)上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容に基づいて、それぞれの利用者と、上記問合せデータに含まれるキーワードとの適合度を求める適合度算出手段と、(5)上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容から、利用者間の通信の活性度を求める活性度算出手段と、(6)上記適合度算出手段及び上記活性度算出手段の算出結果を利用して、上記問合せデータに対する適合度に応じた利用者を抽出し、上記問合せデータを入力した利用者に対して、抽出した利用者へのコンタクトを支援するためのコミュニケーション支援情報を生成して出力する支援情報出力手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
利用者が目的に合った他の利用者を容易に見つけてコンタクトすることが可能なコミュニケーション支援システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るコミュニケーションシステムの全体構成について示したブロック図である。
【図2】実施形態に係る端末の機能的構成について示したブロック図である。
【図3】実施形態に係る端末から出力される実況データの内容例について示した説明図である。
【図4】実施形態に係る実況データベースに蓄積されるデータの内容例について示した説明図である。
【図5】実施形態に係るコミュニケーション支援システムの動作を示したシーケンス図である。
【図6】実施形態に係る、実況データ処理部において、利用者ごとの問合せデータに対する適合度を算出する処理について示したフローチャートである。
【図7】実施形態に係る実況データ処理部によるコミュニケーション活性度の算出処理について示したフローチャートである。
【図8】実施形態に係る実況データ処理部の処理で用いるデータ送受信カウントテーブル(Table1)の内容例について示した説明図である。
【図9】実施形態に係る実況データ処理部の処理で用いる活性度算出テーブル(Table2)の内容例について示した説明図である。
【図10】実施形態に係る実況データ処理部が生成するリコメンドデータを構成する情報の例について示した説明図である。
【図11】実施形態に係るリコメンド処理部によりリコメンドデータを表示した表示画面の例(1)である。
【図12】実施形態に係るリコメンド処理部によりリコメンドデータを表示した表示画面の例(2)である。
【図13】実施形態の変形例に係るリコメンド処理部によりリコメンドデータを表示した表示画面の例(1)である。
【図14】実施形態の変形例に係るリコメンド処理部によりリコメンドデータを表示した表示画面の例(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(A)主樽の実施形態
以下、本発明によるコミュニケーション支援システムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0015】
(A−1)実施形態の構成
図1は、第1の実施例によるコミュニケーション支援システム1の構成図である。
【0016】
コミュニケーション支援システム1には、コミュニケーションサーバ10、コミュニケーション支援サーバ20及び24台の端末30−A〜30−Z(配置される端末30の台数は限定されないものである)が配置されているものとする。なお、コミュニケーション支援システム1内の装置のぞれぞれはネットワークNに接続されており、相互に通信可能であるものとする。
【0017】
次に、コミュニケーションサーバ10について説明する。
【0018】
コミュニケーションサーバ10は、コミュニケーション提供部11及びプレゼンス情報管理部12を有している。
【0019】
コミュニケーションサーバ10は、例えば、既存のPCやワークステーション等の情報処理装置に、実施形態のコミュニケーションサービスプログラムをインストールすることにより構築しても良く、その場合でもコミュニケーションサーバ10の機能的構成は図1のように表わすことができる。
【0020】
コミュニケーション提供部11は、端末30−A〜30−Zの利用者へ、利用者同士のコミュニケーション手段を提供する機能を担っている。コミュニケーション提供部11が利用者(端末30−A〜30−Z)に提供するコミュニケーション手段(メディア)としては、例えば、テキストデータによるコミュニケーション手段(メール、チャット、インスタントメッセージ等)、音声によるコミュニケーション手段(電話(2者通話)、会議電話等)、映像データを含むコミュニケーション手段(ビデオ電話等)等が挙げられる。言い換えると、端末30−A〜30−Zは、コミュニケーションサーバ10(コミュニケーション提供部11)を介して、種々のメディアに係るデータ(以下、「コミュニケーションデータ」という)を送受信することにより、各利用者(端末30)へコミュニケーション手段を提供している。
【0021】
コミュニケーション提供部11は、既存の各種メディアのコミュニケーション手段を提供するサーバと同様のものを用いることができる。また、図1においては、説明を簡易にするために、コミュニケーションサーバ10は、1台の構成として図示しているが、複数台(例えば、提供するコミュケーション手段の種類毎に異なるサーバとしても良い)で構成するようにしても良い。
【0022】
プレゼンス情報管理部12は、各端末30から送られてくる当該端末30の利用者に係るプレゼンス情報を受信して、受信したプレゼンス情報に基づいて、各端末30の利用者のプレゼンス情報を把握する。なお、プレゼンス情報とは、現在の当該利用者の状態(「オンライン中」、「取り込み中」、「会議中」等)、及び、現在の当該利用者へコンタクト可能な手段及びコンタクトに必要なID(電話番号やメールアドレス等)等を表わす情報であるものとする。ここでは、プレゼンス情報管理部12が管理するプレゼンス情報としては、現在の当該利用者の状態及びコンタクト可能な手段の情報が含まれるものとして説明する。なお、プレゼンス情報管理部12が受信するプレゼンス情報の形式や、プレゼンス情報の管理手段としては、既存のプレゼンス情報を管理するサーバと同様のものを適用することができる。既存のプレゼンス情報を管理するサーバとしては、例えば、ネットワーク上で、インスタントメッセージ、チャット等のサービスを提供するサーバであって、各利用者のプレゼンス情報を管理し、それぞれのプレゼンス情報を所定範囲の利用者に提供する手段も備えているものがある。
【0023】
また、プレゼンス情報管理部12は、把握した各利用者のプレゼンス情報を、コミュニケーション支援サーバ20に与える。
【0024】
なお、ここでは、説明を簡易にするために、コミュニケーションサーバ10と端末30との間でコミュニケーションデータを送受信する際に用いられる利用者の識別子(以下、「利用者ID」という)は、プレゼンス情報を管理する際に用いられる識別子と同じものが用いられるものとして説明する。コミュニケーション支援システム1では、端末30ごとに利用者が異なっており、各端末30−A〜30−Zの利用者の利用者IDをそれぞれA〜Zであるものとして説明する。例えば、端末30−Aの利用者の利用者IDは「A」、端末30−Bの利用者の利用者IDは「B」であるものとする。また、コミュニケーション支援システム1では、当該利用者の呼び名(例えば、名前やハンドルネーム等)が、そのまま利用者IDとして用いられているものとして説明する。したがって、以下では、例えば、利用者IDがAの利用者を「Aさん」、利用者IDがBの利用者を「Bさん」と呼ぶものとする。なお、利用者IDと呼び名は異なるものを用いるようにしても良いが、その場合、コミュニケーション支援システム1上で、それらの対応関係を管理する構成が必要となる。
【0025】
次に、各端末30の内部構成について説明する。ここでは、各端末30は全て同じ構成であるものとして説明する。
【0026】
図2は、各端末30の機能的構成について示したブロック図である。
【0027】
端末30は、コミュニケーションアプリケーション31、実況分析部32、セキュリティ管理部33、及びリコメンド処理部34を有している。
【0028】
端末30は、例えば、既存のPCや携帯電話端末等の情報処理装置に、図2に示す各構成要素に該当する処理プログラムをインストールすることにより構築しても良く、その場合でも、端末30の機能的構成は、図2のように示すことができる。
【0029】
なお、図2においては、図示を省略しているが、端末30には、ディスプレイ、スピーカ等の利用者に情報を出力するための出力手段や、キーボード、マウス、マイク等の入力手段等が備えられているものとする。ここでは、端末30には、それぞれの端末におけるコミュニケーションアプリケーション31に応じた、入力手段及び出力手段が搭載されているものとする。
【0030】
コミュニケーションアプリケーション31は、コミュニケーションサーバ10とコミュニケーションデータを送受信し、利用者に1種類以上のメディアによるコミュニケーション手段を提供するインタフェースの機能を担っている。コミュニケーションアプリケーション31としては、例えば、メールクライアント用のソフトウェア、インスタントメッセージ用のクライアントソフトウェア、IP電話サービスを提供するクライアントソフトウェア(ソフトフォン)等を適用することができる。
【0031】
実況分析部32は、コミュニケーションアプリケーション31から送信されるコミュニケーションデータを保持し、保持したコミュニケーションデータから、所定のキーとなる情報を抽出し、当該端末30の利用者による他の利用者とのコミュニケーションの状況(すなわち、通信の履歴)を示す実況データを生成する。そして、実況分析部32は、生成した実況データを、コミュニケーション支援サーバ20に送信する。
【0032】
図3は、実況データ収集部21が生成する実況データの内容例について示した説明図である。
【0033】
実況データには、図3に示すように、時刻、送信者ID、受信者ID、メディア種別、キーワードの項目の情報を有している。なお、メディア種別、時刻の項目については、後述するコミュニケーション支援サーバ20等の処理において、必要無い場合には省略するようにしても良い。
【0034】
「時刻」の項目は、当該実況データに係る時刻を示す情報である。時刻の項目には、例えば、当該実況データが生成された時刻、当該実況データに係るコミュニケーションデータが送信された時刻、又は当該実況データに係るコミュニケーションデータのタイムスタンプの時刻を適用するようにしても良い。以下では、「時刻」の項目の情報を「T」と表わすものとする。
【0035】
「送信者ID」の項目には、当該実況データに係るコミュニケーションデータの送信者(送信元の利用者)を示す利用者IDが入力される。例えば、当該実況データに係るコミュニケーションデータがメールの場合には、そのデータやメールのデータに挿入されている送信者のデータを送信者IDとして適用するようにしても良い。以下では、「送信者ID」の項目の情報を「S」と表わすものとする。
【0036】
「受信者ID」の項目には、当該実況データに係るコミュニケーションデータの受信者(宛先の利用者)の利用者IDが入力される。なお、当該実況データが複数の利用者へ送信されたものであった場合には、「受信者ID」の項目には、送信先の全ての利用者IDが入力されることになる。以下では、「受信者ID」の項目の情報を、「R−1、R−2、R−3、…」と表わすものとする。
【0037】
「メディア種別」の項目には、当該実況データに係るコミュニケーションデータのメディアの種別の情報が入力される。例えば、メール、チャット等の各メディアごとにその種別を示す識別子(以下、「メディア識別子」という)を付与しておき、そのメディア識別子を、メディア種別の項目に入力するようにしても良い。以下では、「メディア種別」の項目の情報を「M」と表わすものとする。
【0038】
「キーワード」の項目には、当該実況データに係るコミュニケーションデータから抽出された所定のキーワードの情報が入力される。以下では、「キーワード」の項目の情報を、「K−1、K−2、K−3、…」と表わすものとする。
【0039】
実況分析部32が、コミュニケーションデータから抽出を試みるキーワードについては、予め1又は複数の所定のキーワードが設定されているものとする。実況分析部32は、コミュニケーションデータを保持する度に、当該コミュニケーションデータから上述のキーワードの抽出を試みて、抽出ができたキーワードについてだけ、実況データの「キーワード」の項目に入力する。
【0040】
実況分析部32による、コミュニケーションデータからのキーワードの抽出処理は、公知の方法を用いることができる。例えば、当該コミュニケーションデータのメディアの種別が電話や会議であれば、実況分析部32は、音声データをテキストデータに変換して、当該テキストデータの解析により、キーワードを抽出する。また、当該コミュニケーションデータのメディアの種別がチャットやメールであれば、実況分析部32は、テキストデータの解析によりキーワードを抽出する。なお、ここでは、キーワードの抽出を実時間にて行うものとするが、適用するメディアによっては、必ずしも実時間でなくてもよい。
【0041】
セキュリティ管理部33は、実況分析部32による実況データの生成及び又は送信を制御するためのポリシーデータを保持しているものである。
【0042】
コミュニケーション支援システム1の運用上、通信内容の秘匿性が求められる場合もあるため、ここでは、セキュリティ管理部33に、所定のキーワードを含むコミュニケーションデータに係る実況データについては送信させないように制御するためのポリシーデータを保持させておき、実況分析部32が、そのポリシーデータに従った動作をするものとする。なお、そのようなセキュリティ管理が必要ない端末30については、セキュリティ管理部33を省略するようにしても良い。
【0043】
セキュリティ管理部33に保持させておくポリシーデータとしては、例えば、実況データの送信を規制するキーワード等を定義したものを適用するようにしても良い。ポリシーデータの具体例としては、人事部所属者へのコミュニケーションデータに係る実況データを送信しないために、「秘密」というキーワードを定義しておくことが挙げられる。そして、実況分析部32は、セキュリティ管理部33が保持しているポリシーデータを参照して、実況データをコミュニケーション支援サーバ20に送るか否かを判断する。
【0044】
リコメンド処理部34は、端末30の利用者が、他の利用者の中から、目的に適した相談相手となる者を見つけ、コンタクトしたい場合に、その支援をするインタフェースの機能を担っている。
【0045】
リコメンド処理部34は、キーボードや音声などの、当該端末30に搭載された入力手段を用いて、利用者の目的に適したキーワードの入力を受付ける。そして、リコメンド処理部34は、利用者が入力したキーワードに基づいて、問合せデータをコミュニケーション支援サーバ20に送信する。例えば、利用者が、「テレビ会議技術に関する特許調査について相談をする利用者をさがしている」場合、問合せデータは「テレビ会議&特許&調査」のような記述としてもよい。
【0046】
端末30のリコメンド処理部34は、コミュニケーション支援サーバ20に問合せデータを送信し、その問合せデータに応じて返答されたデータ(以下、「リコメンドデータ」という)に基づいて、当該端末30の利用者の目的に適した相談相手の利用者に係る情報を、当該端末30の利用者に出力する処理等を行う。この処理については後述する動作説明において詳述する。
【0047】
次に、コミュニケーション支援サーバ20の詳細構成について説明する。
【0048】
コミュニケーション支援サーバ20は、実況データ収集部21、実況データベース22、プレゼンス情報取得部23、実況データ処理部24を有している。
【0049】
コミュニケーション支援サーバ20は、例えば、既存のPCやワークステーション等の情報処理装置に、実施形態のコミュニケーション支援プログラムをインストールすることにより構築しても良く、その場合でもコミュニケーション支援サーバ20の機能的構成は図1のように表わすことができる。
【0050】
実況データ収集部21は、各端末30から実況データを収集し、実況データベース22に引き渡すものである。
【0051】
実況データベース22は、実況データ収集部21から与えられた実況データを蓄積記憶する手段である。
【0052】
図4は、実況データベース22に蓄積される内容例について示した説明図である。
【0053】
図4に示すように、実況データベース22では、エントリ番号に対応付けて、端末30から受信した実況データ(図3参照)の各項目の情報を記憶している。なお、以下では、実況データベース22に格納されている各実況データ(行)を「エントリ」とも呼ぶものとする。
【0054】
図4では、実況データベース22に、エントリ番号が1〜nのエントリが記憶されている様子について示している。
【0055】
例えば、実況データベース22において、エントリ番号が1のエントリとして、時刻(T1)、送信者ID(S1)、受信者ID(S1−1、S1−2、…)、メディア種別(M1)、キーワード(K1−1、K1−2、…)の情報が登録されており、エントリ番号が2〜nのエントリについても同様の形式で、対応する実況データの各項目の情報が登録されている。
【0056】
また、実況データベース22では、所定期間以上前のエントリについては、削除するようにしても良い。例えば、時刻Tが1年以上前となっているエントリについては削除するようにしても良い。
【0057】
プレゼンス情報取得部23は、コミュニケーションサーバ10から、各利用者のプレゼンス情報を取得して、各利用者のプレゼンス情報を把握するものである。プレゼンス情報取得部23が、コミュニケーションサーバ10からプレゼンス情報を取得するタイミングは限定されないものであるが、例えば、定期的なタイミングや、いずれかの利用者のプレゼンス情報が更新されたタイミングとしても良い。プレゼンス情報取得部23が、コミュニケーションサーバ10からプレゼンス情報を取得する際には、その都度全ての利用者のプレゼンス情報を取得するようにしても良いし、前回までに取得したプレゼンス情報との差分(プレゼンス情報が更新された利用者の分)だけを取得するようにしても良い。
【0058】
また、プレゼンス情報取得部23自体は、全ての利用者のプレゼンス情報を記憶せずに、当該コミュニケーション支援サーバ20において必要となった利用者のプレゼンス情報だけを、その都度取得するようにしても良い。
【0059】
実況データ処理部24は、端末30から問合せデータが与えられると、実況データベース22に蓄積された実況データ群(エントリ群)を参照して、問合せデータに適合した1又は複数人の利用者を選択する。そして、実況データ処理部24は、選択した利用者のプレゼンス情報や、問合せデータに適合した実況データ(エントリ)を含むデータ等を、リコメンドデータとして、問合せデータの送信元の端末30に与えるものとする。実況データ処理部24による処理の詳細については、後述する動作説明において説明する。
【0060】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態のコミュニケーション支援システム1の動作を説明する。
【0061】
図5は、コミュニケーション支援システム1の動作を示したシーケンス図である。
【0062】
なお、コミュニケーション支援サーバ20では、プレゼンス情報取得部23により各利用者のプレゼンス情報は把握されており、さらに、実況データベース22には既に複数のエントリ(実況データ)が蓄積されているものとする。
【0063】
まず、ここでは、端末30−Zの利用者であるZさんが、目的に適した相談相手を見つけ、コンタクトするために、その目的に応じたキーワードを、端末30−Z(リコメンド処理部34)に入力したものとする(S101)。
【0064】
端末30−Zのリコメンド処理部34では、キーワードが入力されると、その入力されたキーワードに応じた問合せデータが作成され(S102)、コミュニケーション支援サーバ20に送信される(S103)。
【0065】
リコメンド処理部34が入力されたキーワードに基づいて問合せデータを生成する処理は限定されないものである。リコメンド処理部34は、例えば、入力されたキーワードを単にリスト化したものを問合せデータとして生成するようにしても良い。また、リコメンド処理部34は、例えば、入力されたキーワードを、所定の記号(例えば、「&」等)で区切った形式で表現するようにしても良い。
【0066】
ここでは、例として、リコメンド処理部34は、入力されたキーワードを全て、「&」という記号で区切ったものを問合せデータとして生成するものとする。具体的には、例えば、端末30−Zの利用者(Zさん)が、テレビ会議技術に関する特許調査を目的として、他の利用者の中から相談相手を見つけたい場合に、キーワードとして、「テレビ会議」、「特許」、「調査」の3つを入力したものとする。そうすると、端末30−Zは、それらのキーワードを「&」で区切った問合せデータ「テレビ会議&特許&調査」を作成する。
【0067】
端末30−Zから問合せデータが与えられると、コミュニケーション支援サーバ20の実況データ処理部24では、実況データベース22に蓄積された実況データ群を参照して、問合せデータに適合した1又は複数人の利用者(利用者ID)を選択する処理が行われる(S104)。なお、ステップS104の処理の詳細については後述する。
【0068】
そして、実況データ処理部24では、上述のステップS104の処理により選択された利用者(利用者ID)に応じたリコメンドデータを生成して(S105)、端末30−Zに対して送信(S106)する。なお、ステップS105の処理の詳細については後述する。
【0069】
次に、リコメンドデータが与えられると、端末30−Zでは、リコメンド処理部34により、受信したリコメンドデータに応じた情報が利用者(Zさん)に出力される(S107)。なお、ステップS107の処理の詳細については後述する。
【0070】
[利用者(利用者ID)の選択処理(ステップS104の処理)]
次に、上述のステップS104における、実況データ処理部24の処理の詳細について説明する。
【0071】
実況データ処理部24は、問合せデータを受信すると、まず、実況データベース22の実況データ郡を参照して、利用者(利用者ID)ごとに問合せデータとの適合度を数値化した値が算出される。
【0072】
具体的には、実況データ処理部24は、利用者ごとに、当該利用者が送信者となっている実況データのエントリを、実況データベース22から検出する。そして、実況データ処理部24は、抽出したエントリのうち、問合せデータのキーワードと一致するキーワードが含まれているエントリの数をカウントする。そして、実況データ処理部24は、当該利用者が送信者となっている実況データのエントリの数に対して、カウントしたエントリの数の比率が高いほど、当該利用者を問合せデータとの適合度が高いと判定するものとする。
【0073】
図6は、実況データ処理部24において、利用者ごとの問合せデータに対する適合度を算出する処理について示したフローチャートである。
【0074】
まず、実況データ処理部24に問合せデータが入力されたものとする(S201)。
【0075】
そして、次に、実況データ処理部24は、問合せデータに対する適合度を算出する対象となる利用者の利用者IDを選択する(S202)。
【0076】
ステップS202において、選択する利用者IDの順番は限定されないものであり、最終的には、ループ処理により全ての利用者が選択されれば良い。なお、問合せデータの送信元となる利用者の利用者ID(Z)は選択しないようにしても良い。
【0077】
次に、問合せデータに対する適合度を算出する対象となる利用者IDが選択されると、実況データ処理部24は、以降の処理で使用する変数i及びjを初期化する(i=0、j=0に設定する)(S203)。
【0078】
次に、実況データ処理部24は、実況データベース22に蓄積されているエントリのうち、選択設定された利用者IDが送信者となっているエントリを1つ選択する(S204)。
【0079】
ここでは、実況データ処理部24が、エントリを選択する順番は限定されないものであるが、最終的には、ループ処理により、実況データベース22に蓄積されているエントリのうち、選択設定された利用者IDが送信者となっているエントリが全て実況データ処理部24により選択される。ステップS204では、例えば、実況データ処理部24が、エントリ番号を昇順に検索していき、選択設定された利用者IDが送信者となっているエントリを順番に検出することを繰り返すようにしても良い。
【0080】
次に、実況データ処理部24は、当該エントリに問合せデータのキーワードのいずれかが含まれているか否かを確認し(S205)、含まれていると確認された場合には、変数iをインクリメント(i=i+1)し(S206)、そうでない場合にはインクリメントは行わない。
【0081】
次に、実況データ処理部24は、変数jをインクリメント(j=j+1)し、さらに、当該エントリが、実況データベース22において最後のエントリか否か(すなわち、当該利用者が送信者となっているエントリが全て選択済みであるか否か)を判定する(S208)。そして、実況データ処理部24は、最後のエントリと判定した場合には、後述するステップS209の処理から動作し、そうでない場合には、上述のステップS204の処理から動作し次のエントリの処理を行う。
【0082】
上述のステップS208において、当該エントリが、最後のエントリと判定された場合には、実況データ処理部24は、問合せデータと当該利用者IDの利用者の適合度をi/jと算出する(S209)。ここで、jは当該利用者IDが送信者となっているエントリの総数を表している。また、iは、当該利用者IDが送信者となっているエントリのうち問合せデータのキーワードのいずれかが含まれているエントリの数を表している。なお、問合せデータと当該利用者IDの利用者の適合度については、iとしても良い。
【0083】
そして、上述のステップS209において、当該利用者IDの利用者に係る適合度が算出されると、実況データ処理部24は、当該利用者IDが最後のものか否か(すなわち、全ての利用者IDについて適合度を算出済みか否か)を判定する(S210)。そして、実況データ処理部24は、当該利用者IDが最後のものと判定した場合には、適合度算出に係る処理を終了し、そうでない場合には、上述のステップS202に戻って、次の利用者IDに係る適合度算出の処理を行う。
【0084】
実況データ処理部24は、以上のように、利用者(利用者ID)ごとに、問合せデータとの適合度を算出し、算出した適合度の値に応じて、1又は複数の利用者(利用者ID)を選択するものとする。この場合の利用者(利用者ID)の選択は、例えば、適合度が所定値以上のものを選択するようにしても良いし、適合度の上位(例えば、1位から10位程度まで)の利用者(利用者ID)を選択するようにしても良い。
【0085】
ここでは、上述のステップS104において、実況データ処理部24により、Aさん〜Jさん(利用者ID:A〜J)の10人が選択されたものとして以降の処理を説明する。なお、ステップS104において、適合度に応じて、利用者(利用者ID)を絞らずに、Zさん以外の全ての利用者(利用者ID:A〜Y)について以降の処理を行なうようにしても良い。
【0086】
[コミュニケーション活性度の算出(ステップS105の処理)]
次に、実況データ処理部24によりリコメンドデータが生成される処理の詳細について説明する。
【0087】
まず、実況データ処理部24では、上述のステップS104で選択された利用者(利用者ID:A〜J)及び、問合せデータの送信元の利用者(利用者ID:Z)の間でのコミュニケーション(通信)に係る活性度(以下、「コミュニケーション活性度」という)を数値化した値が算出される。具体的には、実況データ処理部24では、それぞれの利用者(利用者ID)の間で送受信されたコミュニケーションデータの数に応じてコミュニケーション活性度の算出が行われる。
【0088】
図7は、実況データ処理部24によるコミュニケーション活性度の算出処理について示したフローチャートである。
【0089】
まず、実況データ処理部24は、コミュニケーション活性度の算出に用いる2次元テーブル(2次元配列の変数)であるデータ送受信カウントテーブル(以下、「Table1」と呼ぶ)を初期化(テーブル領域の確保やテーブルの各値を0を入力)する(S301)。
【0090】
図8は、データ送受信カウントテーブル(Table1)の内容例について示した説明図である。
【0091】
図8に示すように、データ送受信カウントテーブル(Table1)では、送信元の利用者IDと、受信者の利用者IDとの組み合わせごとにカウント値が入力されている。例えば、図8の例では、送信者の利用者IDがAで、受信者の利用者IDがZのカウント値は、2となっている。これは、AさんからZさんへ送信されたコミュニケーションデータに係るエントリが、実況データベース22に2つ蓄積されていたことを示している。また、図8では、問合せデータの送信元の利用者(利用者ID:Z)及び、上述のステップS104で選択された利用者(利用者ID:A〜J)に係るカウント値だけを表示している。
【0092】
なお、以下では、データ送受信カウントテーブル(Table1)の各カウント値を、「Table1(送信者の利用者ID、受信者の利用者ID)」と示すものとする。例えば、送信者の利用者IDがAで、受信者の利用者IDがZのカウント値は、「Table1(A、Z)」と示される。
【0093】
次に、実況データ処理部24では、実況データベース22から、エントリを1つ抽出して選択する(S302)。ここでは、実況データ処理部24が、エントリを抽出する順番は限定されないものであるが、最終的には、ループ処理により、コミュニケーション活性度の算出対象となっている利用者(利用者ID:A〜J、Z)が送信者ID及び受信者IDに含まれているエントリが全て選択されるものとする。
【0094】
次に、上述のステップS301で選択されたエントリ内の全ての受信者IDに対して、Table1(送信者の利用者ID、受信者の利用者ID)の値をインクリメント(+1)する(S303)。例えば、あるエントリについて、送信者の利用者IDが「A」、受信者の利用者IDが「B、C」となっていた場合には、Table1(A、B)、Table1(A、C)の2つの値がインクリメントされることになる。なお、ステップS303では、コミュニケーション活性度の算出対象となっている利用者(利用者ID:A〜J、Z)が送信者ID及び受信者IDに含まれているエントリについてだけ処理が行われるものとする。
【0095】
次に、実況データ処理部24では、当該エントリ(上述のステップS302で選択されたエントリ)が最後のエントリであるか否かが判定され(S304)、最後のエントリと判定された場合には、実況データ処理部24は、後述するステップS305の処理から動作し、そうでない場合には、上述のステップS302の処理から動作する。
【0096】
このように上述のステップS302〜S304のループ処理により、実況データ処理部24は、データ送受信カウントテーブル(Table1)を完成させる。ここでは、上述のステップS302〜S304のループ処理により、実況データ処理部24が完成させたデータ送受信カウントテーブル(Table1)の内容は、図8の内容であるものとする。
【0097】
そして、データ送受信カウントテーブル(Table1)を完成させると、実況データ処理部24は、後述するステップS305からのループ処理により、各利用者(利用者ID)の間のコミュニケーション活性度を示す2次元テーブル(2次元配列の変数)である活性度算出テーブル(以下「Table2」と呼ぶ)の各値を、データ送受信カウントテーブル(Table1)の内容を利用して算出する。
【0098】
図9は、活性度算出テーブル(Table2)の内容例について示した説明図である。
【0099】
図9に示すように、活性度算出テーブル(Table2)では、2つの利用者IDの組み合わせごとのコミュニケーション活性度の値が入力されている。例えば、図9の例では、利用者ID「A」と、利用者ID「Z」の組み合わせのコミュニケーション活性度の値は、0.5となっている。なお、図9では、問合せデータの送信元の利用者(利用者ID:Z)と、上述のステップS104で選択された利用者(利用者ID:A〜J)に係るコミュニケーション活性度だけを表示している。
【0100】
また、以下では、活性度算出テーブル(Table2)の各値を、「Table2(第1の利用者ID、第2の利用者ID)」と示すものとする。例えば、利用者ID「A」と、利用者ID「Z」の組み合わせのコミュニケーション活性度の値は、「Table2(A、Z)」と示される。また、活性度算出テーブル(Table2)の各値では、送信元及び受信者は考慮されない(すなわち、コミュニケーションデータの指向性は考慮されない)ため、同じ組み合わせについてテーブル上に存在する値は1つだけとなっている。例えばTable2(A、B)の値はテーブル上に存在するが、Table2(B、A)はテーブル上に存在しない。
【0101】
次に、実況データ処理部24による活性度算出テーブル(Table2)の各値の算出処理について説明する。
【0102】
実況データ処理部24は、まず、2つの利用者IDの組(第1の利用者ID、第2の利用者ID)を選択設定するものとする(S305)。なお、以下では、ここで選択した第1の利用者IDを「ID1」、第2の利用者IDを「ID2」と呼ぶものとする。なお、ステップS305では、コミュニケーション活性度の算出対象となっている利用者の利用者ID(利用者ID:A〜J、Z)の中から選択されるものとする。ステップS305において、選択する利用者IDの組み合わせの順番は限定されないものであり、最終的に、活性度算出テーブル(Table2)に存在する値の全ての組み合わせが選択されれば良い。
【0103】
次に、実況データ処理部24は、以下の(1)式に従って、選択した第1の利用者ID(ID1)と、第2の利用者ID(ID2)との組み合わせのコミュニケーション活性度の値「Table2(ID1、ID2)」を算出して、入力する(S306)。
【0104】
Table2(ID1、ID2)
=k*{Table1(ID1、ID2)+Table1(ID2、ID1)}…(1)
なお、(1)式において、kは任意の定数であり、ここではk=0.1であるものとする。
【0105】
例えば、Table2(A、Z)について、上記の(1)式を適用すると、以下の(2)式のように算出される。
【0106】
Table2(Z、A)
=k*{Table1(Z、A)+Table1(A、Z)}
=0.1*{3+2}=0.5 …(2)
次に、実況データ処理部24は、当該組み合わせ(上述のステップS305で選択した利用者IDの組み合わせ)が最終の組であるか否か(すなわち、予定する全ての利用者IDの組み合わせについてコミュニケーション活性度の値を算出したか否か)を判定する(S307)。そして、実況データ処理部24は、当該組み合わせが最終の組であると判定すると、活性度算出テーブル(Table2)の各値の算出処理を終了し、そうでない場合には、上述のステップS305の処理に戻って、次の利用者IDの組み合わせについてコミュニケーション活性度の値を算出する処理を行う。
【0107】
以上のように、実況データ処理部24は、活性度算出テーブル(Table2)を完成させる。
【0108】
そして、実況データ処理部24は、上述のステップS104において算出した、利用者ごとの問合せデータに対する適合度の情報と、利用者間のコミュニケーション活性度に関する情報(活性度算出テーブル(Table2))を利用して、問合せデータの送信元の端末30−Zに対して提供するリコメンドデータを生成する。
【0109】
図10は、リコメンドデータを構成する情報の例について示した説明図である。
【0110】
例えば、図10に示すように、上述のステップS104で選択した利用者ごとの問合せデータに対する適合度と、上述のステップS105で作成した活性度算出テーブル(Table2)の情報とを有する情報を、リコメンドデータに含めるようにしても良い。また、リコメンドデータには、上述のステップS104で選択した利用者ごとに、問合せデータのキーワードを含む実況データを含めるようにしても良い。
【0111】
ここでは、実況データ処理部24が生成するリコメンドデータには、図10に示す形式の情報と、上述のステップS104で選択した利用者ごとの問合せデータのキーワードを含む実況データと、上述のステップS104で選択した各利用者のプレゼンス情報が含まれているものとする。なお、実況データ処理部24が生成するリコメンドデータは、後述するステップS107における端末30での出力処理に必要なものだけを有していれば良い。例えば、実況データ処理部24では、端末30での出力形式によっては、実況データやプレゼンス情報をリコメンドデータに含めないようにしても良い。
【0112】
[リコメンドデータの出力処理(ステップS107)]
次に、リコメンドデータを受信した端末30−Zが、当該端末30−Zの利用者(Zさん)にそのリコメンドデータを出力する処理について説明する。
【0113】
図11、図12は、図10に示すリコメンドデータの出力形式(出力画面)の例について示した説明図である。
【0114】
端末30のリコメンド処理部34における、利用者へのリコメンドデータの提示方法としては、様々な表現形式を適用可能であるが、ここでは、図11、図12の例を挙げる。
【0115】
図11は、端末30−Zのディスプレイ等の表示装置にリコメンドデータを出力する際の出力画面の第1の例を表している。図11では、画面中央に、端末30−Zの利用者であるZさんを示す円形のアイコンI1Z(「私」という文字を付している)を配置し、その周辺に相談可能な他の利用者(Aさん〜Jさん)を示すアイコンI1A〜I1Jが配置されている。すなわち、アイコンI1A〜I1Jはそれぞれ、「A」〜「J」の利用者IDに係る利用者を示すアイコンである。図11では、リコメンドデータにおける問合せデータとの適合度が大きいほど、アイコンを示す円も大きく表示されている。問合せデータに対する適合度が大きいということは、当該端末30−Zの利用者であるZさんが知りたい情報等に詳しいことを示している。そのため、Zさんは、図11の画面を見て、より大きくアイコンが表示されている利用者へコンタクトすることにより、自身の目的が達成されることが視覚的に理解できる。
【0116】
また、図11において、アイコン同士を結ぶ線(リンク)は、当該アイコンに係る利用者間のコミュニケーション活性度を示しており、コミュニケーション活性度が大きいほど(すなわち、交流が深いほど)太い線で結ばれている。また、リコメンドデータにおいて、コミュニケーション活性度の値が0の利用者に係るアイコンの間に線は、特に線で結ばれていない(リンクが張られていない)。したがって、当該端末30−Zの利用者であるZさんは、図11の画面を見て、コンタクトしたい利用者が、自身の直接交流のある利用者でない場合でも、自身の交流のある利用者を介してコンタクトするルートを視覚的に確認することができる。
【0117】
例えば、図11の例では、アイコンI1C、I1Fは大きく表示されているため、CさんやFさんは相談内容に詳しいことを示している。また、アイコンI1Z(私)と、アイコンI1Cは線で結ばれているため、Zさん(私)と、Cさんは交流があることを示している。一方、アイコンI1Z(私)と、アイコンI1Fは、直接線で結ばれていないが、アイコンI1Aを介して到達できる。したがってZさんは、Cさんとは交流があり、一方のFさんとは交流がないが、Aさんを介してコンタクトすることができることを示している。
【0118】
また、図11では、円が点線で表示されているアイコンに係る利用者は、プレゼンス情報に基づいて現在コンタクトを取ることが困難(例えば、「取り込み中」等)であることを示している。例えば、図11では、Eさんに係るアイコンI1Fは、点線で表示されているため、現在コンタクトできないことを示している。なお、コンタクトできない場合のアイコンの表示方法は、色を変えたり、ハッチング表示するなど、他の方法であっても良い。
【0119】
図11では、上述のように、各利用者のコミュニケーション活性度に応じて各アイコン間を線で結んでいく(リンクを張る)処理を行うことにより、結果として、当該端末30−Zの利用者であるZさんを示すアイコンI1Z(私)を頂点のノードとした木構造を構成して表示できることを示している。
【0120】
さらに、図11の出力画面において、端末30−Zの利用者であるZさんが、コンタクトを取りたい利用者に係るアイコンに所定の操作(例えば、マウスやタッチパネル等で当該アイコンをクリックする等)をすると、それに連動して、当該アイコンに係る利用者が受信者又は送信者となっている実況データ(問合せデータのキーワードを含む実況データに限る)の詳細について、リスト化して出力(例えば、上述の図4と同様の形式)するようにしても良い。この場合表示する実況データについては、端末30−Zのリコメンド処理部34が受信したリコメンドデータに含まれている場合には、そこから取り出して表示するようにしても良いし、リコメンドデータに含まれていない場合には、必要の都度コミュニケーション支援サーバ20に問い合わせて保持するようにしても良い。
【0121】
さらにまた、図11の出力画面において、当該端末30−Zの利用者であるZさんが、コンタクトを取りたい利用者に係るアイコンに所定の操作(例えば、マウスやタッチパネル等で当該アイコンをクリックする等)をすると、リコメンド処理部34からコミュニケーションアプリケーション31へ、当該アイコンに係る利用者へのコンタクトを要求するコンタクト要求データが通知されるようにしても良い。このコンタクト要求データにおいて、当該利用者へのコンタクトに用いられるメディアとしては、当該利用者のプレゼンス情報に基づいて現在コンタクト可能なメディアの中から選択される。当該利用者のプレゼンス情報が、コミュニケーション支援サーバ20から通知されたリコメンドデータの中に含まれていれば、リコメンド処理部34は、そのプレゼンス情報を利用してコンタクト要求データにおけるメディアを指定すれば良い。またリコメンドデータの中にプレゼンス情報が含まれていない場合でも、リコメンド処理部34は、当該利用者に係るプレゼンス情報を、コミュニケーションサーバ10又はコミュニケーション支援サーバ20から確認すれば良い。そして、そのコンタクト要求データの通知を受けたコミュニケーションアプリケーション31は、その通知に応じた利用者へコンタクトを開始する(例えば、チャットや音声通話等を開始したり、メールの編集画面を開いたりする)。これにより、当該端末30−Zの利用者であるZさんは、自身の目的を達成するために相談したい利用者へ、容易にコンタクトすることができる。
【0122】
図12は、端末30−Zのディスプレイ等の表示装置にリコメンドデータを出力する際の出力画面の第2の例を表している。
【0123】
図12では、相談可能な他の利用者(Aさん〜Jさん)を示すアイコンI2A〜I2Jが配置されている。図12では、アイコンI2A〜I2Jは、それぞれのアイコンに係る利用者の顔画像で構成されているものとする。
【0124】
また、図12では、ハッチングされた表示となっているアイコンに係る利用者は、プレゼンス情報に基づいて現在コンタクトを取ることが困難であることを示している。例えば、図12では、Eさんに係るアイコンI2Fは、ハッチングされた表示となっているため、現在コンタクトできないことを示している。
【0125】
さらに、図12では、当該端末30−Zの利用者であるZさんが直接コンタクトを取ることができない利用者に係るアイコンには、経由する必要がある利用者を示す表示が付されている。例えば、図12では、Fさんに係るアイコンI2Fには、「A経由」という表示が付されており、Zさんにとって、Fさんは直接コンタクトできないが、Aさんを経由すればコンタクトできる旨を示している。これの表示は、図11の場合と同様に、各利用者のコミュニケーション活性度に応じて、当該端末30−Zの利用者であるZさんを頂点のノードとした木構造を論理的に構築し、構築した木構造から、直接Zさんがコンタクトできない利用者と、当該利用者へ到達(コンタクト)するまでに経由する利用者(ルート)を求める処理により実現することができる。
【0126】
さらにまた、図12では、各利用者を示すアイコンの大きさは、当該アイコンに係る利用者の推奨度合に応じた大きさとなっているものとする。ここでの推奨度合とは、例えば、問合せデータに対する適合度の大きさ、当該利用者にコンタクトするまでに経由する利用者の数(ホップ数)、当該利用者にコンタクトするまでに経由する利用者とのコミュニケーション活性度の大きさ等の要素を考慮して算出するようにしても良い。「当該利用者にコンタクトするまでに経由する利用者とのコミュニケーション活性度の大きさ」については、例えば、当該利用者に到達するまでに経由するルートの各コミュニケーション活性度の合計値を、当該利用者にコンタクトするまでのホップ数で割った値を適用するようにしても良い。
【0127】
例えば、当該利用者にコンタクトするまでに経由する利用者の数(ホップ数)が少なくても、コミュニケーション活性度が小さい(すなわち、つながりが弱い)ルートを辿る場合には、容易にコンタクトできない可能性がある。一方、当該利用者にコンタクトするまでに経由する利用者の数(ホップ数)が多くても、コミュニケーション活性度が大きい(すなわち、つながりが強い)ルートを辿る場合には、容易にコンタクトできる可能性がある。そのため、上述の複数の要素を考慮して推奨度合を求め、アイコンの大きさに反映させることにより、利用者にとってより有益な情報を提供することができる。
【0128】
なお、上述の推奨度合を求める際には、上述の3つの要素を全て用いても良いし、一部だけを用いるようにしても良いし、他の要素を組み合わせても良い。また、上述の推奨度合は、上述の例に限定されず、実際の運用に合わせて、算出方法を設定するようにしても良い。
【0129】
また、図12の表示画面では、上述の図11の表示画面と同様に、端末30−Zの利用者であるZさんが、コンタクトを取りたい利用者に係るアイコンに所定の操作をすると、それに連動して、当該アイコンに係る利用者が受信者又は送信者となっている実況データの詳細を表示出力するようにしても良い。さらに、図12の表示画面において、端末30−Zの利用者であるZさんの操作により、問合せデータとの適合度に基づいて画面上に表示された利用者のアイコンを並び替えたり、過去のコミュニケーション活性度に基づいてこれら複数の利用者のアイコンを並び替えて表示するようにしても良い。
【0130】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0131】
この実施形態では、端末30にて、コミュニケーションデータから実況データを抽出し、これをコミュニケーション支援サーバ20で収集蓄積している。そして、コミュニケーション支援サーバ20では、任意の利用者間のつながりの強さ(コミュニケーション活性度)、任意の利用者と任意のキーワード(問合せデータ)との適合度を定量的に把握することができる。また、利用者が目的に適したキーワードを含む問合せデータを端末30に入力すると、コミュニケーション支援サーバ20が、その問合せデータと関連の強い利用者をリストアップすることができるので、端末30では、その関連性の強さに応じた視覚的な表現方法で、目的に合った一人または複数の利用者をリコメンド(推薦)することができる。
【0132】
これにより、コミュニケーション支援システム1では、利用者が目的に合った相手を容易に見つけて、コンタクトすることができる。
【0133】
さらに、この実施形態では、目的に合った利用者へのコンタクトの選択肢として、仲介者を介したコンタクトをリコメンド(推薦)できるので、直接のコンタクトが困難な利用者に対しては、第三者を介したコンタクトのルートを容易にリコメンド(推薦)することができる。
【0134】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0135】
(B−1)上記の実施形態の、リコメンドデータの出力処理(ステップS107)の処理において、端末30−Zの利用者であるZさんが直接面識のない特定の利用者へのコンタクトを誰かに仲介して欲しい場合に、そのコンタクトを支援するデータをZさんに提示するようにしても良い。
【0136】
例えば、端末30−Zのリコメンド処理部34により、上述の図11のような画面が表示されているときに、Zさんが、直接面識の無いFさんにコンタクトしたい場合を想定する。このとき、Zさんが、Fさんに係るアイコンI1Fに所定の操作(例えば、マウスやキーボード等による所定の操作)を行った場合に、リコメンド処理部34は、「Fさんへの仲介」に該当する問合せデータを、コミュニケーション支援サーバ20に送信する。
【0137】
そうすると、コミュニケーション支援サーバ20の実況データ処理部24は、各利用者(Aさん〜Zさん)間のコミュニケーション活性度の値(上述の図7のフローチャートの処理を用いて全利用者について算出された値)に基づいて、端末30−Zの利用者であるZさんを中心としたコミュニケーション活性度に基づいた木構造が論理的に構築される。そして、実況データ処理部24は、その木構造に基づいて、Zさん(私)とFさんの間を仲介可能な利用者を1又は複数選択する。ここでは、Zさん(私)とFさんとの間を仲介可能な利用者として、Rさん、Aさん、Bさんが選択されたものとする。そして、実況データ処理部24は、選択した利用者のプレゼンス情報やFさんとの過去のコミュニケーションの実況データを含むデータをリコメンドデータとして、端末30−Zに送る。そして、端末30−Zのリコメンド処理部34では、受信したリコメンドデータに基づいて、図13のような画面を表示する。
【0138】
図13では、上述の図11と同様の形式により、Zさん(私)、Fさん、Rさん、Aさん、Bさんを示すアイコンI3Z、I3F、I3R、I3A、I3Bが表示されている。図13からは、Aさん、Bさん、Rさんの3名が仲介可能であり、そのうち、AさんがZさん(私)とFさんの両方との間で、過去のコミュニケーションの活性度が高いことが、視覚的に表示されている。
【0139】
(B−2)上記の実施形態の、コミュニケーション支援システムを、任意のキーワードに関連のある利用者間のコミュニケーションが活発に実施されているか否かを視覚的に表示する用途に用いるようにしても良い。
【0140】
この場合、例えば、「プロジェクトYYYのコミュニケーション活性度」に該当する問合せデータに対し、コミュニケーション支援サーバ20は、まず、「プロジェクトYYY」との適合度が高い複数人を選定する。具体的には、コミュニケーション支援サーバ20の実況データ処理部24により、上述の図6のフローチャートと同様の処理により、「プロジェクトYYY」というキーワードに対する各利用者の適合度が算出され、適合度の高い複数の利用者(例えば、上位10人等)が選定される。
【0141】
そして、実況データ処理部24により、選定された利用者間のコミュニケーション活性度が上述の図7のフローチャートと同様の処理により算出され、それらの利用者の過去のコミュニケーションの実況データを含むリコメンドデータが生成される。
【0142】
そして、実況データ処理部24により、生成されたリコメンドデータが、問合せ元の端末30に送信される。
【0143】
そして、そのリコメンドデータを受信したリコメンド処理部34では、上述の図11と同様の形式で、リコメンドデータで指定されている各利用者を示すアイコンと、コミュニケーション活性度を示すアイコン間の線(リンク)を、図14のように表示するものとする。
【0144】
図14の表示画面を見た利用者は、アイコンI4Kに係るKさんを中心としてコミュニケーションが活発であることや、コミュニケーションがそれほど活発でない利用者がいること等を視覚的に確認することができる。このように、コミュニケーション支援サーバ20に蓄積されたデータに基づいて、任意の利用者のコミュニケーション上の人間関係を把握できるので、例えば、上述のように、特定の業務に携わる人同士のコミュニケーションの活性化状況を把握することができる。
【0145】
(B−3)上記の実施形態では、実況分析部32及びセキュリティ管理部33は、端末30側に配置されているが、同様の処理を、コミュニケーションサーバ10側で行うようにしても良い。
【0146】
また、リコメンド処理部34による処理の一部をコミュニケーション支援サーバ20側で行うようにしても良い。例えば、コミュニケーション支援サーバ20側で、端末30において表示する画面の生成まで行って、リコメンド処理部34では単に画面表示を行うだけにするようにしても良い。すなわち、端末30は単に、利用者に対する入出力インタフェースとしてだけ用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0147】
1…コミュニケーション支援システム、10…コミュニケーションサーバ、11…コミュニケーション提供部、12…プレゼンス情報管理部、20…コミュニケーション支援サーバ、21…実況データ収集部、22…実況データベース、23…プレゼンス情報取得部、24…実況データ処理部、30、30−A〜30−Z…端末、31…コミュニケーションアプリケーション、32…実況分析部、33…セキュリティ管理部、34…リコメンド処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者がデータ送信手段を用いて他の利用者の利用者識別子宛に送信した送信データから、所定の項目のキーデータを抽出した通信履歴データを保持する通信履歴データ保持手段と、
上記通信履歴データ保持手段が保持した通信履歴データを蓄積記憶する通信履歴データ蓄積手段と、
利用者に、1又は複数のキーワードを含む問合せデータを入力させる問合せデータ入力手段と、
上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容に基づいて、それぞれの利用者と、上記問合せデータに含まれるキーワードとの適合度を求める適合度算出手段と、
上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容から、利用者間の通信の活性度を求める活性度算出手段と、
上記適合度算出手段及び上記活性度算出手段の算出結果を利用して、上記問合せデータに対する適合度に応じた利用者を抽出し、上記問合せデータを入力した利用者に対して、抽出した利用者へのコンタクトを支援するためのコミュニケーション支援情報を生成して出力する支援情報出力手段と
を有することを特徴とするコミュニケーション支援システム。
【請求項2】
上記通信履歴データ保持手段が保持する通信履歴データのそれぞれは、当該通信履歴データに係る送信データの、送信元の利用者識別子、宛先の利用者識別子、及び所定の項目のキーワードのうち当該送信データに含まれていたキーワードの情報を有することを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項3】
上記適合度算出手段は、通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている通信履歴データ群から、利用者ごとに、当該利用者が送信元となっており、かつ、上記問合せデータに係るキーワードを含む通信履歴データの個数をカウントし、カウントした個数を利用して、当該利用の問合せデータとの適合度を算出することを特徴とする請求項2に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項4】
上記活性度算出手段は、通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている通信履歴データから、利用者の組み合わせごとの送信データの送信回数をカウントし、カウントした送信回数を利用して、利用者の組み合わせごとの通信の活性度を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項5】
上記コミュニケーション支援情報提示手段は、コミュニケーション支援情報を出力する際に、各利用者の問合せデータとの適合度を、視覚的に識別し得る態様で出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項6】
上記コミュニケーション支援情報提示手段は、コミュニケーション支援情報を出力する際に、各利用者間の通信の活性度を、視覚的に識別し得る態様で出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項7】
所定の禁止キーワードを含む送信データについて、上記通信履歴データ保持手段による通信履歴データの保持、又は、上記通信履歴データ蓄積手段による通信履歴データの蓄積を禁止する通信履歴データ取得禁止手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項8】
コミュニケーション支援システムを構成するコンピュータを、
複数の利用者がデータ送信手段を用いて他の利用者の利用者識別子宛に送信した送信データから、所定の項目のキーデータを抽出した通信履歴データを保持する通信履歴データ保持手段と、
上記通信履歴データ保持手段が保持した通信履歴データを蓄積記憶する通信履歴データ蓄積手段と、
利用者に、1又は複数のキーワードを含む問合せデータを入力させる問合せデータ入力手段と、
上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容に基づいて、それぞれの利用者と、上記問合せデータに含まれるキーワードとの適合度を求める適合度算出手段と、
上記通信履歴データ蓄積手段に蓄積されている内容から、利用者間の通信の活性度を求める活性度算出手段と、
上記適合度算出手段及び上記活性度算出手段の算出結果を利用して、上記問合せデータに対する適合度に応じた利用者を抽出し、上記問合せデータを入力した利用者に対して、抽出した利用者へのコンタクトを支援するためのコミュニケーション支援情報を生成して出力する支援情報出力手段と
して機能させることを特徴とするコミュニケーション支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−74876(P2012−74876A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217525(P2010−217525)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】