説明

コミュニケーション支援システム

【課題】ユーザに操作上の負担を強いることなく各ユーザの滞在位置とその集合状態を検出して各ユーザにリアルタイムに通知し、これにより各ユーザのコミュニケーション意欲を効果的に喚起する。
【解決手段】ユーザが集まりやすい複数の場所にそれぞれポッドPS1〜PS3を設置し、このポッドPS1〜PS3に対するユーザのバッジMS1〜MS8の位置を、無線信号の電波強度を段階的に可変することで検出する。そして、その検出結果からバッジMS1〜MS8ごとに予め設定した距離の範囲内で近接するポッドを特定して、この特定した近接するポッドとバッジとを関連付ける情報を各バッジMS1〜MS8に送信し、この情報を個々のユーザの滞在位置を表す情報として表示するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばオフィス内に散在する複数のユーザ間のコミュニケーションを支援するために用いるコミュニケーション支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、遠隔地に散在する複数のユーザ間で会議等のコミュニケーションを行う場合、主催者たるユーザは参加者たる他のユーザに対し電話を用いてコミュニケーションの開始を連絡するか、又はファクシミリや電子メールを使用して連絡を行うのが一般的である。しかし、電話を用いた連絡手法では、参加者ユーザが作業を中断して電話に応答しなければならないため、その応答操作が非常に煩わしい。また、参加者ユーザが複数存在する場合に同報を使用することが困難なため、主催者ユーザの負担も大きくなる。一方、ファクシミリや電子メールを使用する連絡手法によれば、参加者ユーザは作業が一段落したときに受信文を確認すればよくなり、また主催者ユーザは複数の参加者ユーザに対し同報により連絡をすることが可能となるので負担が軽減される。しかしながら、参加者が受信文をすぐに確認するとは限らないのでリアルタイム性が失われる。
【0003】
そこで、各ユーザが所持するデータ入出力装置によりユーザが在席中か否かといった情報を取得し、この取得情報をコミュニケーションサーバを介して転送することにより、相手ユーザが置かれている状況をリアルタイムに知ることができるようにしたコミュニケーションシステムが提案されている。このようなシステムによれば、ユーザ相互間で相手ユーザの存在感やつながり感を実感することが可能となる(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−234590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近、仕事環境の変化により多数のオフィスワーカが同一の時間帯に同一の場所に集まって仕事をする必要性が少なくなっている。このため、オフィスワーカ間のコミュニケーションが減り、単純なミスが発生したりオフィスワーカ間の意志疎通が困難になってきている。そのため、インフォーマルコミュニケーションの重要性が指摘されている。
【0006】
しかしながら、前記従来提案されているシステムは、ユーザが在席中か否かといった情報が単に個別に通知されるだけであるため、他のユーザと会話しようとしてもその場所等が分からず、コミュニケーションを開始するまでの手続きが煩雑となる。このため、ユーザにとっては他ユーザとのコミュニケーション意欲を掻き立てられることは少なく、実用性に乏しいという課題があった。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ユーザに操作上の負担を強いることなく各ユーザの滞在位置とその集合状態を検出して各ユーザにリアルタイムに通知できるようにし、これにより各ユーザのコミュニケーション意欲を効果的に喚起することを可能にしたコミュニケーション支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、以下のような手段を講じたものである。すなわち、ユーザが滞在する可能性がある場所に複数の中継装置を分散して配置すると共に、複数のユーザにそれぞれ上記複数の中継装置との間で無線通信を行うことが可能な携帯端末を所持させる。そして、上記複数の中継装置の各々において、上記複数の携帯端末との間で無線通信を試行してその試行結果をもとに各中継装置に対する各携帯端末の相対位置をそれぞれ検出し、この検出結果をもとに携帯端末ごとに予め設定した距離の範囲内で近接する中継装置を検出してこの携帯端末と当該携帯端末が近接する中継装置との関連付けを表す通知情報を各携帯端末へ送信する。そして、複数の携帯端末において、上記中継装置との間で上記試行のための無線通信を行うと共に、上記中継装置から送信された通知情報を受信してこの受信された通知情報を個々のユーザの滞在位置を表す情報として表示するように構成したものである。
【0009】
したがって、この発明の第1の観点によれば、中継装置において、各携帯端末との間で無線通信の試行の結果から携帯端末ごとに予め設定した距離の範囲内で近接する中継装置が自動的に検出される。そして、この携帯端末と当該携帯端末が近接する中継装置との関連付けを表す通知情報が個々のユーザの滞在位置を表す情報として携帯端末に通知されて表示される。このため、ユーザは操作上の負担をまったく強いられることなく、各ユーザの滞在位置を簡単かつリアルタイムに知ることができ、これにより希望するユーザが滞在する場所へ出向いて会話を始めることが可能となる。
【0010】
次に、この発明の第2の観点は、以下のような手段を講じたものである。すなわち、複数の中継装置の各々において、複数の携帯端末との間で無線通信を試行してその試行結果をもとに各中継装置に対する各携帯端末の相対位置をそれぞれ検出し、この検出結果をもとに中継装置から予め設定した距離の範囲内に複数の携帯端末が集まっている中継装置を特定して、この特定された中継装置を表す通知情報を前記複数の携帯端末へ送信する。そして、各携帯端末において、上記中継装置との間で上記試行のための無線通信を行うと共に、上記中継装置から送信された通知情報を受信してこの受信された通知情報をユーザの集合状態を表す情報として表示するように構成したものである。
【0011】
したがって、この発明の第2の観点によれば、上記第1の観点と同様に、中継装置において各携帯端末との間で無線通信の試行の結果から携帯端末ごとに予め設定した近接範囲内に位置する中継装置が自動的に検出される。そして、この検出結果をもとに、中継装置から予め設定した距離の範囲内に複数の携帯端末が集まっている中継装置が特定され、この特定された中継装置を表す通知情報がユーザの集合状態を表す情報として携帯端末に通知されて表示される。このため、ユーザは操作上の負担を何ら求められることなく、複数のユーザが集合している場所を簡単かつリアルタイムに知ることができ、これにより当該集合場所へ気軽に出向いてコミュニケーションに加わることが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
すなわちこの発明によれば、ユーザに操作上の負担を強いることなく各ユーザの滞在位置とその集合状態を検出して各ユーザにリアルタイムに通知することができ、これによりユーザのコミュニケーション意欲を効果的に喚起することを可能にしたコミュニケーション支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第1の実施形態におけるコミュニケーション支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示したシステムで使用されるバッジの外観と表示結果の一例を示す正面図である。
【図3】図1に示したシステムで使用されるポッド(Pod)のハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示したシステムで使用されるバッジのハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示したポッドのうちサーバ機能付きポッドによるサーバプロセス(個別モード)の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図6】図3に示したポッドによる標準プロセス(個別モード)の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図7】図4に示したバッジによる呼出応答及び表示変更制御の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第2の実施形態におけるコミュニケーション支援システムの全体構成を示す図である。
【図9】図8に示したシステムで使用されるバッジの外観と表示結果の一例を示す正面図である。
【図10】図3に示したポッドのうちサーバ機能付きポッドによるサーバプロセス(集合モード)の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図11】ポッドに接続される保守用端末において表示される条件設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
この発明の第1の実施形態は、ユーザが集まりやすい複数の場所にそれぞれ中継装置としてのポッドを設置すると共に、各ユーザにそれぞれ携帯端末としてのバッジを所持させる。そして、上記各ポッドに対する各バッジの位置を、無線呼出信号の電波強度を段階的に可変することで検出して、その検出結果からバッジごとに予め設定した距離の範囲内で近接するポッドを特定し、この特定した近接するポッドとバッジとを関連付ける情報を、各バッジに送信して個々のユーザの滞在位置を表す情報として表示するようにしたものである。
【0015】
図1は、この発明の第1の実施形態に係わるコミュニケーション支援システムの概略構成図である。
このシステムは、中継装置としての複数のポッド(pod)PS1〜PS3と、これらのポッドPS1〜PS3の無線通信機能を担う無線機BS1〜BS3と、携帯端末としての複数のバッジMS1〜MS8とから構成される。
【0016】
ポッドPS1〜PS3は、例えばオフィスビル内のユーザが集まりやすい場所に分散配置される。ポッドPS1〜PS3のうち1台PS1はサーバ機能を備え、このサーバ機能付きポッドPS1と他の標準ポッドPS2,PS3との間はLAN(Local Area Network)を介して接続されている。
【0017】
バッジMS1〜MS8は、ユーザがそれぞれ衣服等に取着することにより持ち運び可能な小型軽量のものからなり、1台ごとにシステム内でユニークな識別番号(ID=1,2,…8)が予め割り当てられる。また、バッジMS1〜MS8の表面には、例えば図2に示すように複数の発光ダイオード(LED)28が配設されている。これらのLED群28は、一つのコミュニケーション・グループを構成する各ユーザ、つまりバッジMS1〜MS8に一対一に対応付けられる。図2では、8人のユーザに対応して8個のLEDを設置した場合を例示している。
【0018】
また、バッジMS1〜MS8は、上記ポッドPS1〜PS3に付設された無線機BS1〜BS3との間で無線通信を行う機能を有する。無線通信方式としては、例えばZigBeeが用いられる。すなわち、バッジMS1〜MS8と、上記無線機BS1〜BS3が付設されたポッドPS1〜PS3とにより、ZigBeeによるスター型ネットワークが構成される。なお、上記無線通信方式としては、他にBluetooth(登録商標)や無線LAN等を使用することも可能である。
【0019】
ところで、上記ポッドPS1〜PS3のうち、サーバ機能を備えたポッドPS1は以下のように構成される。図3はそのハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
すなわち、サーバ機能付きポッドPS1は、マイクロプロセッサからなる中央処理部(CPU)11を備え、このCPU11にバス12を介してプログラムメモリ13、データメモリ14、ポッド間通信インタフェース15及びバッジ間通信インタフェース16を接続したものとなっている。
【0020】
ポッド間通信インタフェース15は、CPU11の制御の下で、他のポッドPS2,PS3との間でLANを介してデータ伝送を行う。バッジ間通信インタフェース16は、CPU11の制御の下で、無線機BS1を用いてバッジMS1〜MS8との間でZigBeeによる無線通信を行う。
【0021】
データメモリ14には、ユーザ位置情報と、予め設定されたシステムの動作条件を表す情報が格納される。ユーザ位置情報には、バッジMS1〜MS8との間の無線信号の送受信動作により検出された、ポッドPS1〜PS3に対するバッジMS1〜MS8の位置を表す情報が含まれる。システムの動作条件を表す情報には、ポッドPS1〜PS3ごとに予め設定されたポッドPS1〜PS3の識別色(例えば赤、緑、青)と、バッジMS1〜MS8の位置を検出するために使用する電波強度のしきい値と、個別モードであるか又は集合モードであるかを指定する動作モード情報が含まれる。
【0022】
プログラムメモリ13には、この発明を実現するために使用されるアプリケーション・プログラムとして、ユーザ位置サーチ制御プログラム131と、表示変更制御プログラム132と、表示変更通知制御プログラム133が格納されている。なお、このうち表示変更制御プログラム132はサーバ機能付きポッドPS1のみに設けられ、ユーザ位置サーチ制御プログラム131と、表示変更通知制御プログラム133は、サーバ機能付きポッドPS1及び標準ポッドPS2,PS3に設けられる。
【0023】
ユーザ位置サーチ制御プログラム131は、以下の処理を上記CPU11に実行させる。
(1) バッジMS1〜MS8を順次選択し、この選択したバッジに対し電波の送信電力を段階的に可変しながら無線呼出信号を繰り返し送信し、この無線呼出信号送信するごとに当該送信に対するバッジMS1〜MS8からの無線応答信号の受信の有無を判定する。そして、その判定結果をもとに上記応答信号を受信できたときの最大の送信電力値を求め、この最大の送信電力値をバッジの識別番号(ID)に対応付けてデータメモリ14にユーザ位置情報として記憶させる処理。
(2) 自ポッドが標準ポッドPS2,PS3の場合に、上記データメモリ14から上記記憶したユーザ位置情報を読み出し、この読み出したユーザ位置情報をポッド間通信インタフェース15からLANを介してサーバ機能付きポッドPS1へ送信する処理。
【0024】
表示変更制御プログラム132は、以下の処理をCPU11に実行させる。
(1) 標準ポッドPS2,PS3からLANを介して伝送されたユーザ位置情報をポッド間通信インタフェース15により受信し、データメモリ14に記憶させる処理。
(2) サーバ機能付きポッドPS1により検出されたユーザ位置情報と、上記標準ポッドPS2,PS3から伝送されたユーザ位置情報をデータメモリ14から読み出し、この読み出した各ユーザ位置情報をもとに、バッジMS1〜MS8ごとに予め設定した距離の範囲内で近接するポッドを特定する処理。
(3) 上記バッジMS1〜MS8ごとに特定された、当該バッジMS1〜MS8が近接するポッドを表す情報を、表示変更通知情報としてポッド間通信インタフェース15からLANを介して標準ポッドPS2,PS3へ送信する処理。
【0025】
表示変更通知制御プログラム133は、以下の処理を上記CPU11に実行させる。
(1) 自ポッドがサーバ機能付きポッドPS1であれば、上記表示変更制御プログラム132によりバッジMS1〜MS8ごとに特定された上記近接するポッドを表す情報を、自ポッドとの間で通信可能な位置に存在するバッジに向け、表示変更通知情報としてバッジ間通信インタフェース16から送信させる処理。
(2) 自ポッドが標準ポッドPS2,PS3であれば、上記サーバ機能付きポッドPS1から伝送された表示変更通知情報を、自ポッドと通信可能な位置に存在するバッジに向けてバッジ間通信インタフェース16から送信させる処理。
【0026】
次に、バッジMS1〜MS8は以下のように構成される。図4はそのハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
バッジMS1〜MS8は、マイクロプロセッサからなる中央処理部(CPU)21を備え、このCPU21にバス22を介してプログラムメモリ23、データメモリ24、無線インタフェース25及び表示インタフェース27を接続したものとなっている。なお、バッジMS1〜MS8は、図示しない内蔵又は付属するバッテリの出力をもとに生成される電源により動作する。
【0027】
無線インタフェース25は、CPU21の制御の下で、上記ポッドPS1〜PS3に付設された無線機BS1〜BS3との間でZigBeeによる無線通信を行う。表示インタフェース27には、先に図2に示した複数(8個)のLED群28が接続される。表示インタフェース27は、CPU21の制御の下で、後述する表示制御プログラム232に従い上記複数のLED群28を選択的に点灯制御する。
【0028】
データメモリ24には、発光制御テーブルが記憶されている。この発光制御テーブルは、近接するポッドから受信した表示変更通知情報に基づいて上記LED群28を選択的にかつポッドごとに異なる発光色で点灯させるために使用するもので、バッジMS1〜MS8のIDとLED群28の対応関係を表すデータと、ポッドPS1〜PS3のIDと発光色との対応関係を表すデータを記憶している。
【0029】
プログラムメモリ23には、この発明を実施するために必要なアプリケーション・プログラムとして、呼出応答制御プログラム231と、表示制御プログラム232が格納されている。
呼出応答制御プログラム231は、ポッドPS1〜PS3から送信された無線呼出信号を無線インタフェース25で受信した場合に、そのデータを解析して自IDに対する呼出しか否かを判定し、自IDに対する呼出しだった場合に無線応答信号を返送する処理を、CPU21に実行させる。
【0030】
表示制御プログラム232は、ポッドPS1〜PS3から送信された無線呼出信号が表示変更通知情報だった場合に、この受信された表示変更通知情報と上記データメモリ24に記憶された発光制御テーブルに基づいてLED群28を点灯制御する処理を、上記CPU21に実行させる。
【0031】
次に、以上のように構成されたシステムによるコミュニケーション支援動作を説明する。
(1)システム動作条件の設定
先ず、システムの運用開始に先立ち、各ポッドPS1〜PS3に対しシステムの動作条件を設定する処理が以下のように行われる。すなわち、システムオペレータは各ポッドPS1〜PS3に保守用端末を接続し、この保守用端末においてポッドPS1〜PS3に対し上記動作条件の入力設定を行う。
【0032】
図11は保守用端末に表示される動作条件設定画面の一例を示すものである。動作条件設定画面には、接続管理部31と、バッジ番号表示部32と、バッジライフ表示部33と、応答電波強度表示部34と、しきい値設定部35と、バッジのLED状態表示部36と、ポッドの色設定部37と、動作モード設定部38が設けられ、ポッドPS1〜PS3から出力される動作条件及び動作状態を示すデータが上記動作条件設定画面の各部に表示される。
【0033】
システムオペレータは、しきい値設定部35において、バッジが近接中と判断するときの電波強度のしきい値を設定する。図11ではしきい値を−80dBに設定した場合を例示している。またシステムオペレータは、ポッドの色設定部37において、接続中のポッドの表示色を設定する。図11ではポッドPS2に「緑」を設定した場合を例示している。さらにシステムオペレータは、動作モード設定部38において「個別モード」と「集合モード」のいずれかを選択して設定する。図11では、「個別モード」を選択した場合を例示している。
【0034】
なお、システムオペレータは、接続管理部31において現在オンライン中のポッドと現在接続中のポッドを確認することができ、またバッジライフ表示部33及び応答電波強度表示部34によりそれぞれ、バッジMS1〜MS8ごとの呼出応答回数(バッジライフ)と、応答があったときの送信電波強度を確認することができる。バッジライフは、呼出しに対しバッジから応答がなかった場合に数値を「3」から順次減算していき、数値が「0」になった時、つまり3回呼び出してもバッジからの応答がなかった時に、当該バッジはポッドに対し予め設定された距離の範囲内に存在しないと判断するために用いられる。これは、一時的な無線環境の劣化により無線呼出信号の送受信に失敗した場合に、これを即時上記予め設定された距離の範囲外と判定しないようにするためである。バッジがポッドに対し予め設定された距離の範囲内に存在しないと判断した場合には、当該バッジはポッドに近接していないと判断して、対応するLEDは消灯される。システムオペレータは、さらにバッジのLED状態表示部36によりバッジMS1〜MS8における現在のLED群28の表示状態を確認することができる。
【0035】
(2)システムの運用開始後におけるコミュニケーション支援動作
システムの運用が開始されると、サーバ機能付きポッドPS1及び標準ポッドPS2,PS3は、以下のようにコミュニケーション支援のための処理動作を実行する。
図5はサーバ機能付きポッドPS1のサーバプロセス、つまり表示変更制御プログラム132による表示変更制御の処理手順と処理内容を示すフローチャート、図6はサーバ機能付きポッドPS1及び標準ポッドPS2,PS3の標準プロセス、つまりユーザ位置サーチ制御プログラム131及び表示変更通知制御プログラム133によるユーザ位置サーチ制御及び表示変更通知制御の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
サーバ機能付きポッドPS1及び標準ポッドPS2,PS3は、後述する表示変更制御プログラム132により新たな表示変更通知情報が生成されるごとに、当該表示変更通知情報をステップS62により各バッジMS1〜MS8へ送信し、この送信終了後にユーザ位置サーチ制御プログラム131により以下のようにユーザ位置サーチ制御を実行する。
【0037】
すなわち、先ずステップS63によりバッジN(N=1〜8)の一つを選択する。例えばバッジMS1を選択する。次にステップS64において、予め用意された複数の送信電波強度Kの一つを選択する。例えば、送信電波強度Kとしては、最大送信電力を100%としたとき、50%、25%、10%、5%が用意され、この中から先ず100%を選択する。そして、ステップS65において、上記選択したバッジMS1の識別番号ID=1を含む無線呼出信号を生成し、この無線呼出信号をバッジ間通信インタフェース16へ出力して、無線機BS1〜BS3から上記選択された最大送信電力値(100%)によりバッジMS1へ送信する。
【0038】
これに対しバッジMS1〜MS8は、以下のような処理を実行する。図7はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。すなわち、バッジMS1〜MS8はステップS81で無線信号の受信を監視している。なお、この監視はバッテリの節約のため間欠受信動作により行われる。
【0039】
この状態で上記ポッドPS1〜PS3から送信された無線呼出信号が無線インタフェース25で受信されたとする。そうすると、この受信された無線信号のデータをステップS82で解析し、その解析結果から上記無線信号が自己宛か否かをステップS83で判定する。この判定の結果、自己宛と判定すると、ステップS84により無線応答信号を生成してこの無線応答信号を無線インタフェース25から送信元のポッドPS1〜PS3に向け返信する。
【0040】
ポッドPS1〜PS3は、上記無線呼出信号の送信に対し、バッジMS1から返信された無線応答信号が無線機BS1〜BS3を介してバッジ間通信インタフェース16で受信されたとする。そうするとステップS66において、上記受信された無線応答信号の送信元であるバッジMS1のIDと、このときの送信電力値(100%)を表す情報とを相互に関連づけて、データメモリ14に保存する。
【0041】
次に、ポッドPS1〜PS3は、ステップS67からステップS64に戻って最大送信電力の50%を選択し、ステップS65により無線呼出信号を上記50%の送信電力値でバッジMS1に向け送信する。そして、この無線呼出信号に対するバッジMS1からの無線応答信号の返送を監視し、無線応答信号がバッジ間通信インタフェース16で受信されると、この無線応答信号の送信元であるバッジMS1のIDと、このときの送信電力値(50%)を表す情報とを相互に関連づけて、データメモリ14に保存する。
【0042】
以後同様に、ステップS64により送信電力値を最大送信電力値の25%、10%、5%の順に段階的に変化させながら、無線呼出信号の送信及び無線応答信号の受信動作を行う。そして、無線応答信号が検出された場合に、その送信元であるバッジMS1のIDと、このときの送信電力値を表す情報とを相互に関連づけてデータメモリ14に保存する。そうして、すべての送信電力値による無線信号の送受信が終了すると、ステップS68において上記データメモリ14に一時保持されている応答信号の受信結果を表す情報をもとに自ポッドに対するバッジMS1の位置を特定する。そして、データメモリ14に記憶されているユーザ位置情報を、上記新たに特定した位置情報に更新する。
【0043】
次にポッドPS1〜PS3は、ステップS69からステップS63に戻り、未選択のバッジ(例えばMS2)を一つ選択する。そして、この選択したバッジMS1に対し、ステップS64〜S67により送信電力値を段階的に変化させながら無線信号の送受信を繰り返し実行し、応答信号の受信結果を表す情報をデータメモリ14に保存する。そして、すべての送信電力値による無線信号の送受信が終了すると、ステップS68において上記データメモリ14に一時保持されている応答信号の受信結果を表す情報をもとに自ポッドに対するバッジMS2の位置を特定する。そして、データメモリ14に記憶されているユーザ位置情報を、上記新たに特定した位置情報に更新する。
【0044】
以後同様にポッドPS1〜PS3は、未選択のすべてのバッジMS3〜MS8に対し、上記した無線信号の送受信動作を順次実行してバッジMS3〜MS8の位置を特定し、ユーザ位置情報を更新する。
そうして、すべてのバッジMS1〜MS8についてその位置情報の更新処理が終了すると、ポッドPS1〜PS3はステップS70により各バッジMS1〜MS8の現在位置を表すユーザ位置通知情報を作成する。そして、自ポッドが標準ポッドPS2,PS3であれば、上記作成したユーザ位置通知情報をポッド間通信インタフェース15からLANを介してサーバ機能付きポッドPS1へ送信する。
【0045】
これに対しサーバ機能付きポッドPS1は、表示変更制御プログラム132に従い個別モードによる表示変更制御手順を以下のように実行する。すなわち、図5に示すようにステップS51で設定した検出タイミング(例えば1秒間隔)になるごとに、サーバ機能付きポッドPS1はステップS52に移行して、上記各標準ポッドPS2,PS3から送信されるユーザ位置通知情報をパッド間通信インタフェース15により受信し、この受信したユーザ位置通知情報をデータメモリ14に保存する。
【0046】
次にステップS53において、自ポッドPS1で作成したユーザ位置情報と、上記各標準ポッドPS2,PS3から送られたユーザ位置通知情報をデータメモリ14から読み出し、これらのユーザ位置情報をもとにバッジMS1〜MS8ごとに予め設定した距離の範囲内で近接するポッドを特定する。続いて、ステップS54において、バッジMS1〜MS8ごとにそのIDと上記特定された近接するポッドのIDとを関連づけた表示変更通知情報を作成する。そして、ステップS55において、上記作成された表示変更通知情報をバッジ間通信インタフェース16から自ポッドと通信可能なバッジに向け同報送信する。またそれと共に、ステップS56において、上記作成された表示変更通知情報をポッド間通信インタフェース15からLANを介して標準ポッドPS2,PS3へ転送する。
【0047】
標準ポッドPS2,PS3は、上記サーバ機能付きポッドPS1から転送された表示変更通知情報をステップS61で受信すると、この受信された表示変更通知情報をステップS62においてバッジ間通信インタフェース16からバッジへ向け同報送信する。
【0048】
バッジMS1〜MS8は、ポッドPS1〜PS3から個別呼出以外の無線信号を受信すると、この無線信号に含まれるデータが上記表示変更通知情報であるか否かを図7に示すようにステップS85により判定する。この判定の結果、表示変更通知情報であれば、ステップS86において上記表示変更通知情報と上記データメモリ24に記憶された発光制御テーブルに基づいてLED群28を点灯制御する。
【0049】
例えば、いま図1に示すようにバッジMS2,MS4,MS5,MS6,MS7がそれぞれポッドPS1,PS2,PS2,PS3の近くに存在し、バッジMS1,MS3,MS8はいずれのポッドの近くにも存在していなかったとすると、各バッジMS1〜MS8のLED群28は図2に示すようにバッジMS2,MS4,MS5,MS6,MS7に対応するLEDのみが点灯する。また、その発光色は、図2に示すように、バッジMS2,MS4,MS5,MS6,MS7が近接するポッドに対応して予め設定された色となるように制御される。
【0050】
以上詳述したように第1の実施形態では、ユーザが集まりやすい複数の場所にそれぞれポッドPS1〜PS3を設置し、このポッドPS1〜PS3に対するユーザのバッジMS1〜MS8の位置を、無線呼出信号の電波強度を段階的に可変することで検出する。そして、その検出結果からバッジMS1〜MS8ごとに予め設定した距離の範囲内で近接するポッドを特定して、この特定した近接するポッドとバッジとを関連付ける表示変更通知情報を各バッジMS1〜MS8に送信し、この表示変更通知情報と発光制御テーブルに基づいて各バッジMS1〜MS8に対応付けられたLED群28を点灯制御し、これにより各ユーザの滞在位置を表示するようにしている。
【0051】
したがって、各ポッドPS1〜PS3において、バッジMS1〜MS8ごとに予め設定した距離の範囲内に位置するポッドが自動的に検出される。そして、このバッジMS1〜MS8と近接するポッドとの関連付けを表す表示変更通知情報が、個々のユーザの滞在位置を表す情報としてバッジMS1〜MS8に通知されてLED28により表示される。このため、ユーザは操作上の負担をまったく強いられることなく、他のユーザの滞在位置を簡単かつリアルタイムに知ることができ、これにより希望するユーザが滞在する場所へ出向いて会話を始めることが可能となる。
【0052】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、ユーザが集まりやすい複数の場所にそれぞれ中継装置としてのポッドを設置すると共に、各ユーザにそれぞれ携帯端末としてのバッジを所持させる。そして、上記各ポッドに対する各バッジの位置を、無線呼出信号の電波強度を段階的に可変することで検出して、その検出結果から複数のユーザが集まっているポッドを特定し、この特定したポッドを表す情報を各バッジに送信してユーザの集合状態を表す情報として表示させるようにしたものである。
【0053】
図8は、この発明の第2の実施形態に係わるコミュニケーション支援システムの概略構成図である。
この第2の実施形態に係わるシステムも、前記第1の実施形態と同様に、人が集まる場所に分散配置されるサーバ機能付きポッドPS1′及び標準ポッドPS2,PS3と、これらのポッドPS1′〜PS3の無線通信機能を担う無線機BS1〜BS3と、携帯端末としての複数のバッジMS1〜MS8とから構成される。
【0054】
サーバ機能付きポッドPS1′は、表示変更制御プログラム132及び表示変更通知制御プログラム133に、集合モードに対応するための以下の制御機能を備えている。すなわち、表示変更制御プログラム132は、自己のサーバ機能付きポッドPS1′により検出されたユーザ位置情報と、上記標準ポッドPS2,PS3から伝送されたユーザ位置情報をデータメモリ14から読み出し、この読み出した各ユーザ位置情報をもとに、複数(例えば2、或いは3以上でもよい)のユーザが集まっているポッドを特定する。
【0055】
表示変更通知制御プログラム133は、上記表示変更制御プログラム132により特定された複数のユーザが集まっているポッドを表す情報を、自ポッドとの間で通信可能な位置に存在するバッジに向け、表示変更通知情報としてバッジ間通信インタフェース16から送信する。その際、複数のユーザが集まっているポッドが複数存在する場合には、これらのポッドのIDを一定の時間間隔で順次送信する。
【0056】
このような構成であるから、サーバ機能付きポッドPS1′は、表示変更制御プログラム132に従い集合モードに対応する表示変更制御手順を以下のように実行する。すなわち、図10に示すようにステップS51で設定した検出タイミング(例えば1秒間隔)になるごとに、サーバ機能付きポッドPS1′はステップS52に移行して、上記各標準ポッドPS2,PS3から送信されるユーザ位置通知情報をパッド間通信インタフェース15により受信し、この受信したユーザ位置通知情報をデータメモリ14に保存する。
【0057】
次にステップS91において、自ポッドPS1′で作成したユーザ位置情報と、上記各標準ポッドPS2,PS3から送られたユーザ位置通知情報をデータメモリ14から読み出し、これらのユーザ位置情報をもとに2以上のバッジが近くに存在するポッドを検出する。そして、2以上のバッジが近くに存在するポッドが検出されると、ステップS92からステップS93に移行し、上記2以上のバッジが近くに存在するポッドのIDを表す表示変更通知情報を作成する。そして、ステップS55において、上記作成された表示変更通知情報をバッジ間通信インタフェース16から自ポッドと通信可能なバッジに向け同報送信する。またそれと共に、ステップS56において、上記作成された表示変更通知情報をポッド間通信インタフェース15からLANを介して標準ポッドPS2,PS3へ転送する。
【0058】
標準ポッドPS2,PS3は、上記サーバ機能付きポッドPS1′から転送された表示変更通知情報をステップS61で受信すると、この受信された表示変更通知情報をステップS62においてバッジ間通信インタフェース16からバッジへ向け同報送信する。
【0059】
バッジMS1〜MS8は、ポッドPS1′〜PS3から個別呼出以外の無線信号を受信すると、この無線信号に含まれるデータが上記表示変更通知情報であるか否かを図7に示したようにステップS85により判定する。この判定の結果、表示変更通知情報であれば、ステップS86において上記表示変更通知情報と上記データメモリ24に記憶された発光制御テーブルに基づいてLED群28を点灯制御する。
【0060】
例えば、いま図8に示すように2以上のバッジMS4,MS5,MS6がポッドPS2の近くに存在したとする。この場合、ポッドPS2のIDが表示変更情報として各バッジMS1〜MS8に通知される。このため、バッジMS1〜MS8では、LED群28のすべてのLEDが図9に示すように「緑」に点灯する。したがって、ユーザは「緑」に対応するポッドPS2に2以上のユーザが集まっていることを認識することができ、ポッドPS2の設置場所に行くことでコミュニケーションに参加することが可能となる。
【0061】
なお、複数のポッドにそれぞれ複数のユーザが集まっている場合には、ポッドPS1′〜PS3からこれらのポッドのIDが一定の時間間隔でバッジMS1〜MS8へ送信される。このため、バッジMS1〜MS8では、上記一定の時間間隔で複数のポッドの表示色が交互に点灯される。例えば、いまポッドPS2とPS3にそれぞれ複数のバッジが集まっている場合には、LED群28の全体が「緑」と「青」に交互に点灯する。
【0062】
以上詳述したように第2の実施形態では、上記各ポッドPS1′〜PS3に対する各バッジMS1〜MS8の位置を、無線呼出信号の電波強度を段階的に可変することで検出して、その検出結果から複数のユーザが予め設定した距離の範囲内に集まっているポッドを特定し、この特定したポッドを表すIDを各バッジMS1〜MS8に送信してユーザの集合状態を表す情報としてLED群28全体で点灯表示するようにしている。
【0063】
したがって、サーバ機能付きポッドPS1′において、2以上のバッジが近くに存在するポッドが自動的に検出される。そして、この検出されたポッドの表示色がバッジMS1〜MS8のLED群28において点灯表示される。このため、ユーザは操作上の負担を何ら求められることなく、複数のユーザが集合している場所を簡単かつリアルタイムに知ることができ、これにより当該集合場所へ気軽に出向いてコミュニケーションに加わることが可能となる。
【0064】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、ポッドに対する各バッジMS1〜MS8の位置の検出手段として、ポッドから送信する無線呼出信号の送信電力値を段階的に可変し、その無線応答信号が受信できるか否かを判定する手段(第1の検出手段)を用いた。しかし、これに限定されるものではなく、例えばポッドは予め決められた送信電力値で無線呼出信号を送信し、その無線応答信号の受信電界強度をポッドで測定し、その測定値をもとにポッドに対する各バッジMS1〜MS8の距離、つまり位置を検出する手段(第2の手段)を採用してもよい。また、上記第1の手段と第2の手段の両方を用いて、ポッドに対するバッジMS1〜MS8の位置を検出するようにしてもよい。
【0065】
バッジをカード型に構成し、このカードに複数のLED又は有機ELデバイスなどの薄型の平面型表示器を設ける。そして、この平面型表示器に各ユーザの存在場所を表す情報又は2以上のユーザが集合している場所を表す情報を表示するようにしてもよい。
また、送信電力を段階的に変化させることで検出される、ポッドからのバッジの期間距離を、バッジに表示させるようにしてもよい。その表示手法としては、例えば「ポッド」の表示色の濃さや点滅速度を上記離間距離に応じて可変するものが考えられる。
【0066】
その他、ポッド及びバッジの形状や構成、ユーザ位置サーチ制御、表示変更制御、表示変更通知制御の各処理手順や処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0067】
PS1…サーバ機能付きポッド、PS2,PS3…標準ポッド、BS1〜BS3…ポッド用無線機、MS1〜MS8…バッジ、11,21…CPU、12,22…バス、13,23…プログラムメモリ、14,24…データメモリ、15…ポッド間通信インタフェース、16…バッジ間通信インタフェース、25…バッジの無線インタフェース、26…アンテナ、27…表示インタフェース、28…LED群、31…接続管理部、32…バッジ番号表示部、33…バッジライフ表示部、34…応答電波強度表示部、35…しきい値設定部、36…バッジのLED状態表示部、37…ポッドの色設定部、38…動作モード設定部、131…ユーザ位置サーチ制御プログラム、132…表示変更制御プログラム、133…表示変更通知制御プログラム、231…呼出応答制御プログラム、232…表示制御プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが滞在する可能性がある場所に分散して配置された複数の中継装置と、
ユーザがそれぞれ所持し、前記複数の中継装置との間で無線通信を行うことが可能な複数の携帯端末と
を具備し、
前記複数の中継装置の各々は、
前記複数の携帯端末との間で無線通信を試行して、その試行結果をもとに各中継装置に対する各携帯端末の相対位置をそれぞれ検出する手段と、
前記各携帯端末の相対位置の検出結果をもとに携帯端末ごとに予め設定した距離の範囲内で近接する中継装置を特定し、この携帯端末と当該携帯端末が近接する中継装置との関連付けを表す通知情報を前記複数の携帯端末へ送信する手段と
を備え、
前記複数の携帯端末の各々は、
前記中継装置との間で前記試行のための無線通信を行う手段と、
前記中継装置から送信された通知情報を受信し、この受信された通知情報を個々のユーザの滞在位置を表す情報として表示する手段と
を備えることを特徴とするコミュニケーション支援システム。
【請求項2】
ユーザが滞在する可能性がある場所に分散して配置された複数の中継装置と、
ユーザがそれぞれ所持し、前記複数の中継装置との間で無線通信を行うことが可能な複数の携帯端末と
を具備し、
前記複数の中継装置の各々は、
前記複数の携帯端末との間で無線通信を試行して、その試行結果をもとに各中継装置に対する各携帯端末の相対位置をそれぞれ検出する手段と、
前記各携帯端末の相対位置の検出結果をもとに、中継装置から予め設定した距離の範囲内に複数の携帯端末が集まっている中継装置を特定し、この特定された中継装置を表す通知情報を前記複数の携帯端末へ送信する手段と
を備え、
前記複数の携帯端末の各々は、
前記中継装置との間で前記試行のための無線通信を行う手段と、
前記中継装置から送信された通知情報を受信し、この受信された通知情報をユーザの集合状態を表す情報として表示する手段と
を備えることを特徴とするコミュニケーション支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−15372(P2011−15372A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160254(P2009−160254)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2009年1月15日 社団法人情報処理学会発行の「情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Reports 学術刊行物 情処研報 Vol.2009,No.3 ISSN 0919・6072」に発表
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】