説明

コミュニケーション支援装置、コミュニケーション支援方法およびプログラム

【課題】発言に対する聞き手の理解を促進し、その結果として探究型プロセスによる議論を実施させる。
【解決手段】発言意図選択部10の選択肢提示部11は、会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、選択入力部12は、参加者のうちの発言者から発言意図の選択の入力を受け付ける。発言意図記憶部13は、発言者の識別情報と発言意図選択部10で選択された発言意図を対応づけて記憶する。立場判定部14は、発言意図選択部10で選択された発言意図に基づいて、発言者の立場を判定する。立場表示部15は、参加者ごとの、立場判定部14で判定した立場を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議における参加者間の発言の理解を促進するコミュニケーション支援に関する。
【背景技術】
【0002】
企業などの組織においては複数人、いわゆるグループで協調して業務を行うことが活動の中心であり、グループ内でのコミュニケーションは円滑な業務の遂行に欠かせない。とりわけ、会議は日常的に行われ情報交換および情報共有のための重要な手段であるといえる。
【0003】
会議は様々な目的・形態で行われる。その中には、プロジェクトや組織などのグループで、今後の戦略や方針について合意するための会議である、意思決定会議がある。意思決定会議で合意した事項は、その後のグループ目標に限らず、グループ内の各メンバの業務活動の内容を左右する。したがって意思決定会議においては、参加者が決定事項について納得することが重要である。
【0004】
グループにおける意思決定のプロセスは大きく“主張型”と“探究型”の2種類に大別される(非特許文献1)。“主張型”プロセスの会議とは、提案を支持する者が主に発言し、他の参加者を説得するような議論プロセスである。一方、“探究型”プロセスとは、各参加者が等しく議論に参加し、それぞれの参加者の意図を考慮して提案を検討する議論プロセスである。“探究型”プロセスは、ほぼすべての参加者が決定事項に対して納得する議論プロセスとして有効であるとされる。
【0005】
しかしながら、一般に意思決定会議では様々な要因によって探究型プロセスの議論の実施が阻害される(非特許文献2)。主な要因として、発言者の発言意図が曖昧であることが挙げられる。なお、発言意図とは「発言に際する発言者の考え」と定義する。例えば、ある提案に対して説明するために発言するとき、「説明する」という考えが発言意図として挙げられる。
【0006】
発言意図が曖昧であることに対して、司会者が発言内容を確認するという対処の仕方がある。しかし、そうした一連の会話が議論の流れを乱してしまうことを考えると、司会者の立場で常に確認を行うのは困難である。また、議論の前に考えを明確にして発言することをルールとして設けて、参加者に委ねるような対処の仕方は積極的な支援と言えず、発言者が考えを明確にして発言したつもりでも聞き手には曖昧であると捉えられることが起こりえるので効果は望めない。そこで、何らかの手段によって曖昧さを抑制するか、明確にする必要がある。
【0007】
特許文献1では、入力されたテキスト文あるいは音声に含まれるキーワードを形態素解析により抽出し、キーワード辞書を用いたマッチングを行なって、キーワードの尤度から文の意図を抽出することが開示されている。
【0008】
非特許文献3では、参加者間でのコミュニケーションに“判断メタ情報”を用いて知識、専門性と関心、配慮に関する知覚を支援することで、グループの参加者が有する知識や価値観に対する気づきを促し、お互いの意思が伝わりやすくする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−81632号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Garvin D.A. & Roberto M.A.(DIAMOND ハーバードビジネスレビュー編集部),“意思決定の技術”, 第1章,pp2-33, ダイアモンド社,2006.
【非特許文献2】黒須正明, 山寺仁, 三村到, “実会議の分析(1)−グループウェアによる支援可能性の検討−”, 情報処理学会研究報告, Vol.95, No38, pp.25-30, 1995.
【非特許文献3】小柴等, 加藤直孝, 國藤進,“グループ意思決定支援のためのコミュニケーション支援機能の提案”, 情報処理学会論文誌,Vol.49,No.1,pp96-104,2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
議論の中では、参加者が自分の考えを率直に発言しようとしても発言意図が曖昧になってしまうことがある。例えば、発言者が提案するために発言していたとしても、実際には語尾が疑問を表すような発言になってしまい、提案しているのか質問しているのか判然としない場合が挙げられる。その結果、相手が発言者の考えを理解できないことや、誤解を生じさせてしまう可能性が高まる。
【0012】
特許文献1では、キーワードからユーザの発言意図を推定するが、あらかじめ設定されたキーワード以外の推定ができないことや、発言者自身が発言に複数の感情を含めている場合などは正しく推定することができない。非特許文献3では、発言内容に含まれる事象の知識レベルや確信度などの間接的な情報が提示されるが、それだけで発言意図の正しい理解の支援は難しい。
【0013】
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、発言に対する聞き手の理解を促進し、その結果として探究型プロセスによる議論を実施させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るコミュニケーション支援装置は、
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択手段と、
前記発言者の識別情報と前記選択手段で選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶手段と、
前記選択手段で選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定手段と、
前記参加者ごとの、前記判定手段で判定した立場を表示する立場表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るコミュニケーション支援方法は、
会議の参加者のコミュニケーションを支援する装置が行うコミュニケーション支援方法であって、
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択ステップと、
前記発言者の識別情報と前記選択ステップで選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶ステップと、
前記選択ステップで選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定ステップと、
前記参加者ごとの、前記判定ステップで判定した立場を表示する立場表示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに、
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択ステップと、
前記発言者の識別情報と前記選択ステップで選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶ステップと、
前記選択ステップで選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定ステップと、
前記参加者ごとの、前記判定ステップで判定した立場を表示する立場表示ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、分類された意図を発言者に選択させることで、発言の意図が明確になる。また、選択した発言意図に基づいて参加者の立場を表示することで、発言に対する聞き手の理解が促進される。その結果、探究型プロセスの議論が行われ、ほぼすべての参加者が決定事項に対して納得することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコミュニケーション支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における発言意図選択部で得られるデータの例を示す図である。
【図3】実施の形態1における立場の表示例を示す図である。
【図4】実施の形態1における、コミュニケーション支援の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における、参加者の立場を表示する動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2に係るコミュニケーション支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2に係るコミュニケーション支援装置の変形例を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2における発言内容入力部で得られるデータの例を示す図である。
【図9】実施の形態2における発言意図の表示の例を示す図である。
【図10】実施の形態2における提案に対する参加者の発言数の分布を表示する例を示す図である。
【図11】実施の形態2における各参加者の発言意図の種類別の発言数の分布を表示する例を示す図である。
【図12】実施の形態2における発言内容の表示例を示す図である。
【図13】実施の形態2における、コミュニケーション支援の動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態2における、会議に対する参加者の関与バランスを表示する動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態に係るコミュニケーション支援装置を用いる場合と用いない場合の、伝達度の評価の例を示す図である。
【図16】提案に対する参加者の発言の分布を表示しない場合の、発言意図の表示の例を示す図である。
【図17】実施の形態に係る発言数の分布を表示する場合としない場合の、発言数の偏りの評価の例を示す図である。
【図18】参加者の発言の分布を表示しない場合の、発言数の偏りの例を示す図である。
【図19】参加者の発言の分布を表示する場合の、発言数の偏りの例を示す図である。
【図20】実施の形態に係るコミュニケーション支援装置の物理的な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るコミュニケーション支援装置の構成例を示すブロック図である。コミュニケーション支援装置1は、発言意図選択部10、発言意図記憶部13、立場判定部14および立場表示部15を備える。コミュニケーション支援装置1には、共有表示装置2が接続されている。発言意図選択部10は、選択肢提示部11と選択入力部12から構成される。
【0021】
これらの手段は概略次のように動作する。発言意図選択部10の選択肢提示部11は、会議の参加者に対象の提案に対する発言意図の分類に基づく所定の選択肢を提示する。選択入力部12は、参加者のうちの発言者から発言意図の選択の入力を受け付ける。発言意図選択部10は、選択を入力した発言者を識別する符号と選択された発言意図を対応付けて、発言意図記憶部13に記憶する。
【0022】
立場判定部14は、発言者が発言意図選択部10で選択した発言意図に基づいて、各提案に対する立場を判定する。立場判定部14は、判定した立場の情報を立場表示部15に送る。立場表示部15は、発言者と立場を対応づけて表示する情報を生成し、共有表示装置2および/または各参加者の端末(図示せず)に表示する。
【0023】
発言意図選択部10で発言者に選択させる発言意図の分類は、議論に必要であり参加者が扱える程度で提供する。例えば、賛成、反対、疑問、提案、説明、その他、の6種類が挙げられるが、この限りではない。
【0024】
立場判定部14は、発言意図選択部10で選択される発言意図のうち、立場の表明に該当する発言意図から、立場を判定する。ここで、立場とは、「ある事柄に対する態度・観点」である。例えば、各提案に対する賛成、反対、疑問などが挙げられる。
【0025】
立場判定部14は、判定した立場と発言者を識別する情報を対応づけて立場表示部15に送る。立場表示部15は、発言者を識別する情報と立場を対応させて表示する。
【0026】
以下、具体的な例を用いて本実施の形態1の動作を説明する。具体例として、参加者数4(M=4)と発言内容の入力を担当する書記1、および表示するための共有表示装置2を用いるシステムを例に挙げて説明する。
【0027】
具体例では発言意図選択部10は、会議の参加者全員の分が用意されているものとする。その場合、図1には示さないが、発言意図選択部10と発言意図記憶部13および立場判定部14とは、ネットワークで接続される。発言者が1つの演台で発言する場合、または、発言意図選択部10を備える入力装置を持ち回るような場合は、発言意図選択部10は1つでもよい。
【0028】
各参加者は、発言する際に分類された発言意図を選択する。本実施の形態では、発言意図を賛成、反対、疑問、提案、説明、その他の6種類に分類する。また、本実施の形態では発言意図を選択した際に、発言ごとに一意に付与されるID(発言ID)、発言者、発言意図の種類、発言が対象とする提案を識別する情報を、データとして生成する。
【0029】
図2は、実施の形態1における発言意図選択部で得られるデータの例を示す図である。図2の例では、発言者が発言意図を選択した時点で得られる最新の発言のIDをNとしている。発言が対象とする提案は提案ごとの数字で区別する。なお、提案の発言意図を選択した場合、発言が対象とする提案は存在しないものと考える。各参加者は発言意図を選択した後に、発言する。その発言で提案が入力されたときに、その提案に新たな番号を付与することになる。あるいは、提案の発言IDを提案を識別する符号としてもよい。
【0030】
各参加者が発言意図を選択すると、発言者を識別する情報と対応付けて発言意図記憶部13に記憶する。立場判定部14は、選択された発言意図から発言者の立場を判定する。例えば、発言意図=賛成(または同意)の場合は、立場を賛成とする。発言意図=反対(または不賛成・反論・反証など)の場合は、立場を反対と判定する。また、発言意図=疑問(または質問)の場合は、立場を疑問と判定する。上述の6種類の発言意図のうち、提案、説明、その他については、立場を表明する発言ではない(立場非表明)と判断する。
【0031】
本実施の形態では、各提案に対して入力された発言意図が立場の表明に関連する意図(賛成、反対、疑問)である場合、その発言が対象とする提案と関連付けて、例えば各参加者の欄を対応する色(青、赤、緑)で表示する。図3は、実施の形態1における立場の表示例を示す図である。各提案に対して、まだ立場を表明する発言を行っていない参加者の欄は、立場未表明の表示になっている。立場未表明以外の立場が表示されている参加者は、表示されている立場が、それまでに選択した立場非表明以外の最新の立場である。例えば、提案1では、メンバ1は提案者であり、最新の立場は当然ながら賛成である。またメンバ2は最新の立場が反対、メンバ3は疑問、メンバ4は立場未表明であることが示されている。
【0032】
各提案に対するメンバの立場を賛成、反対、疑問および立場未表明のいずれかで表すことで、各参加者の立場が明確になり、各参加者の発言の論点を正確に把握することができる。その結果、各参加者の発言の論点が明確になり、参加者間の理解を促進することができる。
【0033】
図4は、実施の形態1における、コミュニケーション支援の動作の一例を示すフローチャートである。まず、選択肢提示部11は、発言意図の選択肢を提示する(ステップS11)。選択入力部12は、発言意図を選択する入力を受け付ける(ステップS12)。そして、発言意図を発言者の識別情報と対応づけて、発言意図記憶部13に記憶する(ステップS13)。
【0034】
立場判定部14は、選択された発言意図から、発言者の立場を判定する(ステップS14)。選択した発言意図が立場の表明に該当する場合(ステップS15;YES)、立場表示部15は、発言の対象である提案と関連付けて立場の表示を行う(ステップS16)。選択した発言意図が立場の表明に該当しない場合(ステップS15;NO)、立場の表示は行わない。そして、新たな発言を行う際に発言意図を選択する度に、ステップS11に戻って以上の動作を繰り返す。
【0035】
図5は、実施の形態1における、参加者の立場を表示する動作の一例を示すフローチャートである。立場判定部14は、発言者と選択された発言意図と発言の対象である提案を特定する(ステップS21)。そして、選択された発言意図から立場を判定する(ステップS22)。図5の動作では、立場の表明ではない場合も、未表明という立場を表示すると考える。
【0036】
それまでに、対象の提案に対する発言者の立場が表明されていない場合(ステップS23;YES)、発言意図と関連付けて発言者の立場を更新・表示する(ステップS25)。対象の提案に対する発言者の立場が既に表明されている場合(ステップS23;NO)、さらに現在の立場と異なっているのであれば(ステップS24;YES)、発言意図と関連付けて発言者の立場を更新・表示する(ステップS25)。対象の提案に対する発言者の立場が既に表明されているが(ステップS23;NO)、現在の立場と同じであれば(ステップS24;NO)、更新・表示は行わずに処理を終了する。
【0037】
以上の手順を行うことで、発言者の発言意図が明確になり、聞き手への理解の妨げや誤解を解消することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係るコミュニケーション支援装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態2のコミュニケーション支援装置1は、実施の形態1の構成に加えて、関与バランス表示部16を備える。発言意図選択部10と、立場判定部14は実施の形態1と同様である。
【0039】
関与バランス表示部16は、参加者の発言数を計数して、会議に対する参加者の関与のバランスとして、発言の分布を表示する。参加者の発言の分布には、参加者の発言の時間的な分布や、参加者の発言における発言意図の種類別の分布がある。さらには参加者間の発言数の分布を表現することなどが挙げられる。発言の分布には、発言意図または発言者の立場を合わせて表示することができる。
【0040】
関与バランス表示部16は、参加者ごとの発言数、提案ごとの参加者ごとの発言数、および、参加者の発言意図の種類ごとの発言数、の少なくとも1つを計数する。そして、参加者ごとの発言数の分布、提案ごとの参加者の発言数の分布、および、参加者の発言意図の種類ごとの発言数の分布、の少なくとも1つを表示する。
【0041】
図7は、実施の形態2に係るコミュニケーション支援装置の変形例を示すブロック図である。図7では、発言意図選択部10は、会議の参加者全員の分が用意されている。図7では、発言意図選択部10の中の、選択肢提示部11および選択入力部12を省略している。
【0042】
変形例ではまた、図6の構成に加えて、発言入力部17と発言内容記憶部18を備える。そして立場表示部15に加えて、発言内容表示部19を備える。発言入力部17は、発言者の発言内容を入力する。発言内容記憶部18は、入力した発言内容を発言者の識別符号と対応付けて発言データとして記憶する。発言内容表示部19は、共有表示装置2および/または各参加者の端末(図示せず)に、発言内容を表示する。発言の入力と発言内容の表示は、本実施の形態に必須ではないが、発言内容を発言者と対応付けて記憶し、発言内容をあとで参照できるので、参加者の理解の助けになる。
【0043】
以下、変形例の構成で具体的な例を用いて本実施の形態2の動作を説明する。具体例として、参加者数4(M=4)と発言内容の入力を担当する書記1、および表示するための共有表示装置2を用いるシステムを例に挙げて説明する。
【0044】
各参加者は、発言する際に分類された発言意図を選択する。本実施の形態では、発言意図を賛成、反対、疑問、提案、説明、その他の6種類に分類する。また、本実施の形態では発言意図を選択した際に、発言ごとに一意に付与されるID(発言ID)、発言者、発言意図の種類、発言が対象とする提案を識別する情報を、データとして生成する。発言意図を選択した際に得られるデータは、実施の形態1と同様である。発言意図の選択と、立場の判定および表示については、実施の形態1と同様に行う。
【0045】
各参加者は発言意図を選択した後に、発言する。各参加者が発言を行ったタイミングで、書記は発言内容を入力する。本実施の形態では、発言内容を入力するときに、発言意図を選択した際に付与されたID、発言者を識別する情報が、発言内容に対応づけられるデータとして立場判定部14から得られる。図8は、実施の形態2における発言内容入力部で得られるデータの例を示す図である。
【0046】
コミュニケーション支援装置1は、各参加者が選択した発言意図と書記が入力した発言内容に基づいて、参加者の立場と関与バランスを、共有表示装置2および/または各参加者の端末(図示せず)に表示する。本実施の形態2における共有表示装置2上の表示例を図9に示す。
【0047】
図9の左上の提案・主張一覧Pには、図3に示す提案ごとの参加者の立場が表示される。その下の現在の提案Tにはそれまでに提案として発言された内容が表示される。発言数分布Cと発言グラフRには、参加者の発言の分布が表示される。また、発言履歴Hには、発言の内容を時間順に表示する。以下、発言数分布C、発言グラフRおよび発言履歴Hの表示を説明する。
【0048】
本実施の形態では、各提案に対する参加者の発言数の分布と、会議に対する各参加者の発言意図の種類別の分布を関与バランスとして表示する。ただし、発言数の分布に関して共有ディスプレイ上に表示されるのは、議論の対象となっている最新の提案に対してのみとする。
【0049】
図10は、実施の形態2における提案に対する参加者の発言数の分布を表示する例を示す図である。図10は、図9の発言数分布Cの表示の例である。発言数の分布は、例えば、選択した発言意図を可視化したアイコンを、各参加者に対応するレーンに発言順に表示する。図10の下に示すように、発言意図それぞれにアイコンが対応している。そして、各参加者(メンバ1など)ごとのレーン(行)に、各発言の発言意図を表すアイコンが発言順に表示されている。
【0050】
図11は、実施の形態2における各参加者の発言意図の種類別の発言数の分布を表示する例を示す図である。図11は、図9の発言グラフRの表示の例である。各参加者の発言意図の種類別の発言数の分布は、例えば、発言意図(賛成、反対、疑問、提案、説明、その他)の割合を、それぞれの色(例えば青、赤、緑、黄、濃灰、薄灰)で表して円グラフで表示する。図11では、発言意図を異なる塗りつぶしパターンで表して、参加者ごとに、発言意図の割合を円グラフで表示している。
【0051】
最後に、コミュニケーション支援装置1は、書記が入力した発言内容を、共有表示装置2の画面の、提案を表示する部分(現在の提案T)や発言履歴Hを表示する部分に表示する。発言履歴Hの表示では、例えば、各参加者が選択した発言意図と書記が入力した発言内容を組み合わせて発言履歴として表示する。
【0052】
図12は、実施の形態2における発言内容の表示例を示す図である。図12は、図9の発言履歴Rの表示の例である。図12では、発言意図を示すアイコンと発言内容を識別する情報(コメント1など)と、発言者(メンバ1など)を1行に表示している。発言内容を識別する情報(コメント1など)にポインタを重ねたとき、または、ポインタを合わせてマウスボタンをクリックしたときに、発言内容のテキストをポップアップ表示してもよい。発言履歴は、例えば時間軸方向にスクロールして、過去の発言を参照できるようにすることが望ましい。
【0053】
以上の手順を行うことで、発言者の発言意図が明確になり、聞き手への理解の妨げや誤解を解消することができる。さらに、発言意図をもとに各参加者の立場やメンバ間の関与のバランスが共有されることから、各提案に対するメンバの意見が考慮される傾向が高まる。
【0054】
図13は、実施の形態2における、コミュニケーション支援の動作の一例を示すフローチャートである。図13のステップS31〜ステップS34の動作は、図4に示す実施の形態1のステップS11〜S14と同様である。選択した発言意図が立場の表明に該当する場合(ステップS35;YES)、発言の対象である提案と関連付けて立場の表示を行う(ステップS36)。選択した発言意図が立場の表明に該当しない場合(ステップS35;NO)、立場の表示は行わずに参加者関与バランス表示に進む。参加者関与バランスの表示では、選択した発言意図に基づいて会議に対する参加者の関与のバランスを表示する(ステップS37)。そして、新たな発言を行う際に発言意図を選択する度に、以上の動作を繰り返す。
【0055】
図14は、実施の形態2における、会議に対する参加者の関与バランスを表示する動作の一例を示すフローチャートである。立場判定部14は、発言者を特定し(ステップS41)と発言意図の種類を特定する(ステップS42)。次に、特定した発言者に関する発言データを発言内容記憶部18から呼び出し、選択した発言意図をデータに加えて更新を行う(ステップS43)。発言データには、発言意図の種類や発言時刻、発言数などが挙げられる。関与バランス表示部16は、参加者の発言数を計数して、会議に対する参加者の関与のバランスとして、発言の分布を表示する(ステップS44)。
【0056】
以上の手順を実施することで、参加者の会議に対する関与のバランスが好ましくない状態について参加者に気づきを与え、解消を促すことができる。本実施の形態では、特定の参加者に議論が集中する状態や、特定の参加者が偏った意思表示を示す状態(全ての提案に反対するなど)を視覚的に表示するので、参加者に解消を促す効果が期待される。
【0057】
(実施例)
以下、実施の形態のコミュニケーション支援装置1を用いて評価実験を行った結果を説明する。評価実験では、4名8グループ、計32名を対象に、本発明の実施の形態に係るコミュニケーション支援装置1を使用しない場合と、使用した場合について、模擬会議を行って比較実験を実施した。それぞれの条件で20分間の模擬会議を実施した。模擬会議では、ある特定の課題に対して各被験者が事前に検討した解決案を主張した後、その課題を解くための最適と思われる解決案を話し合いにより決定させた。
【0058】
実施の形態のコミュニケーション支援装置1を使用しない条件では、各被験者にお互いの顔が見えるように着席させた。被験者には口頭による議論によって最適と思われる解決案を決定させた。
【0059】
実施の形態のコミュニケーション支援装置1を使用する条件では、各被験者に不使用条件と同じ位置に着席させた。書記は、被験者の議論を妨げないように少し離れた位置に着席させた。共有表示装置2はすべての被験者が参照でき、表示している内容を共有できる位置に配置した。各被験者には発言意図選択手段を利用して発言させ、共有ディスプレイの表示を参照しながら最適と思われる解決案を決定させた。
【0060】
それぞれの条件での模擬会議実施後に、発言時に発言意図を明確に伝えることができたかについて各被験者に5段階の評価を要求した。図15は、実施の形態に係るコミュニケーション支援装置1を用いる場合と用いない場合の、伝達度の評価の例を示す図である。図15に示すとおり、コミュニケーション支援装置1を用いる場合(発言意図表示)と、用いない場合(発言意図非表示)との間で有意な差が認められた(Wilcoxon符号付順位和検定、有意水準p < 0.05)。
【0061】
以上の実験結果から、実施の形態に係るコミュニケーション支援装置1を使用する会議では、発言者の発言意図が明確になる傾向が確認でき、聞き手への理解の妨げや誤解を解消することができると考えられる。
【0062】
さらに、同様の模擬会議で各提案に対する被験者間の発言数の分布を表示する部分について、表示しない場合と表示する場合で比較実験を行った。発言数の分布を表示しない場合の表示例を図16に示す。図15の評価と同様に、それぞれの条件での模擬会議実施後に、各提案に対してすべての被験者が発言していたかについて、各被験者に5段階の評価を要求した。図17は、発言数の分布を表示する場合としない場合の、発言数の偏りの評価の例を示す図である。図17に示すとおり、発言数の分布を表示する場合(関与表示)としない場合(関与非表示)との間で有意な差が認められた(Wilcoxon符号付順位和検定、有意水準p < 0.01)。
【0063】
また、それぞれの条件における会議に対する発言数の分布について定量的評価を行った。発言数の分布の評価には偏りを示す指標であるローレンツ曲線とジニ係数を用いた。図18は、参加者の発言の分布を表示しない場合の、発言数の偏りの例を示す図である。図19は、参加者の発言の分布を表示する場合の、発言数の偏りの例を示す図である。図19に示すとおり、表示条件でのローレンツ曲線は図18に比べて完全平等線に近づいており、ジニ係数も小さい値を示した。
【0064】
以上の実験結果から、各提案に対する発言数の分布を表示することで、すべての参加者がバランスよく発言でき、会議全体に対してもバランスよく発言できることを確認した。
【0065】
図20は、実施の形態に係るコミュニケーション支援装置の物理的な構成例を示すブロック図である。図20は、図1、図6または図7のコミュニケーション支援装置1の構成を示す。
【0066】
コミュニケーション支援装置1は、図20に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。
【0067】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39に従って、コミュニケーション支援のための処理を実行する。
【0068】
主記憶部32はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39をロードし、制御部31の作業領域として用いられる。
【0069】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部31に行わせるための制御プログラム39を予め記憶し、また、制御部31の指示に従って、この制御プログラム39が記憶するデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。
【0070】
操作部34はキーボードおよびマウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス30に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部34を介して、会議の参加者に関する入力操作を受付ける。発言入力部17を備える場合、操作部34を介して発言内容の入力を受け付ける。
【0071】
表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)もしくは有機ELディスプレイ、およびスピーカなどから構成され、参加者の発言の立場と関与バランス、および発言履歴などを表示する。
【0072】
入出力部36は、シリアルインタフェースまたはパラレルインタフェースから構成されている。入出力部36に発言意図選択を入力するためのスイッチ(図示せず)などが接続される。
【0073】
送受信部37は、無線送受信機、無線モデムまたは網終端装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。コミュニケーション支援装置1の発言意図選択部10が、参加者の端末から構成される場合、送受信部37を介して、発言意図の選択肢を提示する情報および発言意図を選択する入力の情報を送受信する。また、参加者の立場を参加者の端末に表示する場合にも、送受信部37を介して、立場を表示する情報を送受信する。
【0074】
コミュニケーション支援装置1の発言意図選択部10、発言意図記憶部13、立場判定部14、立場表示部15、関与バランス表示部16、発言内容記憶部18および発言内容表示部19の処理は、制御プログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0075】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0076】
制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、内部バス30などから構成される制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するコミュニケーション支援装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでコミュニケーション支援装置1を構成してもよい。
【0077】
また、コミュニケーション支援装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0078】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0079】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0080】
(付記1)
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択手段と、
前記発言者の識別情報と前記選択手段で選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶手段と、
前記選択手段で選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定手段と、
前記参加者ごとの、前記判定手段で判定した立場を表示する立場表示手段と、
を備えることを特徴とするコミュニケーション支援装置。
【0081】
(付記2)
前記発言意図の選択肢に、賛成、反対、疑問、提案および説明の5つを含むことを特徴とする付記1に記載のコミュニケーション支援装置。
【0082】
(付記3)
前記会議に対する前記参加者の発言数を計数して、前記会議に対する前記参加者の発言の分布を表示する関与バランス表示手段を、さらに備えることを特徴とする付記1または2に記載のコミュニケーション支援装置。
【0083】
(付記4)
前記関与バランス表示手段は、前記参加者ごとの発言数、提案ごとの前記参加者ごとの発言数、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数、の少なくとも1つを計数し、前記参加者ごとの発言数の分布、前記提案ごとの前記参加者の発言数の分布、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数の分布、の少なくとも1つを表示する、ことを特徴とする付記3に記載のコミュニケーション支援装置。
【0084】
(付記5)
前記関与バランス表示手段は、前記参加者の前記発言意図に対応して前記発言意図の種類ごとの発言意図アイコンを選択して、前記発言ごとに選択した発言意図アイコンを、前記参加者ごとの発言表示レーンに発言の発生順に表示する、ことを特徴とする付記3または4に記載のコミュニケーション支援装置。
【0085】
(付記6)
会議の参加者のコミュニケーションを支援する装置が行うコミュニケーション支援方法であって、
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択ステップと、
前記発言者の識別情報と前記選択ステップで選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶ステップと、
前記選択ステップで選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定ステップと、
前記参加者ごとの、前記判定ステップで判定した立場を表示する立場表示ステップと、
を備えることを特徴とするコミュニケーション支援方法。
【0086】
(付記7)
前記発言意図の選択肢に、賛成、反対、疑問、提案および説明の5つを含むことを特徴とする付記6に記載のコミュニケーション支援方法。
【0087】
(付記8)
前記会議に対する前記参加者の発言数を計数して、前記会議に対する前記参加者の発言の分布を表示する関与バランス表示ステップを、さらに備えることを特徴とする付記6または7に記載のコミュニケーション支援方法。
【0088】
(付記9)
前記関与バランス表示ステップでは、前記参加者ごとの発言数、提案ごとに前記参加者ごとの発言数、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数、の少なくとも1つを計数し、前記参加者ごとの発言数の分布、前記提案ごとに前記参加者の発言数の分布、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数の分布、の少なくとも1つを表示する、ことを特徴とする付記8に記載のコミュニケーション支援方法。
【0089】
(付記10)
前記関与バランス表示ステップでは、前記参加者の前記発言意図に対応して前記発言意図の種類ごとの発言意図アイコンを選択して、前記発言ごとに選択した発言意図アイコンを、前記参加者ごとの発言表示レーンに発言の発生順に表示する、ことを特徴とする付記8または9に記載のコミュニケーション支援方法。
【0090】
(付記11)
コンピュータに
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択ステップと、
前記発言者の識別情報と前記選択ステップで選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶ステップと、
前記選択ステップで選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定ステップと、
前記参加者ごとの、前記判定ステップで判定した立場を表示する立場表示ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、発言の曖昧さを解消して発言に対する理解を促進させることができるため、参加者のコミュニケーション能力を向上することを目的とした研修の際に、参加者が選択した発言意図に基づく議論支援のための表示を参照情報として利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 コミュニケーション支援装置
2 共有表示装置
10 発言意図選択部
11 選択肢提示部
12 選択入力部
13 発言意図記憶部
14 立場判定部
15 立場表示部
16 関与バランス表示部
17 発言入力部
18 発言内容記憶部
19 発言内容表示部
30 内部バス
31 制御部
32 主記憶部
33 外部記憶部
34 操作部
35 表示部
36 入出力部
37 送受信部
39 制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択手段と、
前記発言者の識別情報と前記選択手段で選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶手段と、
前記選択手段で選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定手段と、
前記参加者ごとの、前記判定手段で判定した立場を表示する立場表示手段と、
を備えることを特徴とするコミュニケーション支援装置。
【請求項2】
前記発言意図の選択肢に、賛成、反対、疑問、提案および説明の5つを含むことを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項3】
前記会議に対する前記参加者の発言数を計数して、前記会議に対する前記参加者の発言の分布を表示する関与バランス表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項4】
前記関与バランス表示手段は、前記参加者ごとの発言数、提案ごとの前記参加者ごとの発言数、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数、の少なくとも1つを計数し、前記参加者ごとの発言数の分布、前記提案ごとの前記参加者の発言数の分布、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数の分布、の少なくとも1つを表示する、ことを特徴とする請求項3に記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項5】
前記関与バランス表示手段は、前記参加者の前記発言意図に対応して前記発言意図の種類ごとの発言意図アイコンを選択して、前記発言ごとに選択した発言意図アイコンを、前記参加者ごとの発言表示レーンに発言の発生順に表示する、ことを特徴とする請求項3または4に記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項6】
会議の参加者のコミュニケーションを支援する装置が行うコミュニケーション支援方法であって、
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択ステップと、
前記発言者の識別情報と前記選択ステップで選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶ステップと、
前記選択ステップで選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定ステップと、
前記参加者ごとの、前記判定ステップで判定した立場を表示する立場表示ステップと、
を備えることを特徴とするコミュニケーション支援方法。
【請求項7】
前記発言意図の選択肢に、賛成、反対、疑問、提案および説明の5つを含むことを特徴とする請求項6に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項8】
前記会議に対する前記参加者の発言数を計数して、前記会議に対する前記参加者の発言の分布を表示する関与バランス表示ステップを、さらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項9】
前記関与バランス表示ステップでは、前記参加者ごとの発言数、提案ごとに前記参加者ごとの発言数、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数、の少なくとも1つを計数し、前記参加者ごとの発言数の分布、前記提案ごとに前記参加者の発言数の分布、および、前記参加者の前記発言意図の種類ごとの発言数の分布、の少なくとも1つを表示する、ことを特徴とする請求項8に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項10】
コンピュータに
会議の参加者に発言意図の選択肢を提示して、前記参加者のうちの発言者から前記発言意図の選択の入力を受け付ける選択ステップと、
前記発言者の識別情報と前記選択ステップで選択された発言意図を対応づけて記憶する記憶ステップと、
前記選択ステップで選択された発言意図に基づいて、前記発言者の立場を判定する判定ステップと、
前記参加者ごとの、前記判定ステップで判定した立場を表示する立場表示ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−243131(P2012−243131A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113494(P2011−113494)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人 電子情報通信学会、電子情報通信学会技術研究報告 信学技法 Vol.111 No.59、2011年5月16日
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(511123751)
【Fターム(参考)】