説明

コミュニケーション装置及びコミュニケーションシステム

【課題】コミュニケーションをはかるために登録しようとするデータの処理を簡単にでき、円滑な運用ができる装置等を提供する。
【解決手段】コンピュータネットワーク400を介したコミュニケーションをはかるためにコミュニケーションサーバ300に登録して公開しようとする登録データを作成するコミュニケーション装置100であって、登録に係る画像データを処理する画像処理部114と、登録に係る音声を処理し、音声データを作成する音声処理部112と、位置検出手段103の検出に係る位置に基づいて位置データを作成する位置処理部115と、少なくとも画像データ、音声データ、位置データ並びにこれらの設定データを含むファイル形式のデータを構成し、登録データを作成する処理を行う作成処理部116とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンピュータネットワークを介した例えばコミュニケーション(意思等の疎通、交流)を図るためのコミュニケーション装置等に関するものである。特にコミュニケーションを図るための情報の登録(発信)等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばコンピュータ等の通信装置を利用し、コンピュータネットワーク(電気通信回線網)を介した様々なコミュニケーションを行うことができるようになっている。また、このようなコミュニケーションを図る支援等を行うための装置、システムも存在する。そして、例えばソーシャルネットワーク等に代表されるように、現実の社会において多数の人と人との間の関係を築く場合においても多大な影響を及ぼすものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−026419号公報(図1、図9等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記の特許文献1のように、例えば、コンピュータネットワークを介して通信装置を利用したコミュニケーションを図る場合に、未だ、文字等の視覚によって情報等のやりとりを行うコミュニケーションが主となっているし、支援等を行うための装置等も文字等を主としている。しかしながら、現実の社会において、人がコミュニケーションをしようとする場合、会話等、音声によるコミュニケーションが主である。このため、コンピュータネットワークを介したコミュニケーションを現実の社会のコミュニケーションに対応できればよい。
【0005】
そして、このようなコミュニケーションに係る装置等を実現しようとする際、例えば、コミュニケーションを図るために登録しようとするデータの扱い等を簡単にして、例えば、円滑なコミュニケーション、装置等による運用ができることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコミュニケーション装置は、ネットワークを介したコミュニケーションをはかるためにコミュニケーションサーバに登録して公開しようとする登録データを作成するコミュニケーション装置であって、登録に係る画像データを処理する画像処理部と、登録に係る音声を処理し、音声データを作成する音声処理部と、装置の位置を検出する位置検出手段の検出に係る位置に基づいて位置データを作成する位置処理部と、少なくとも画像データ、音声データ、位置データ並びにこれらの設定データを含むファイル形式のデータを構成し、登録データを作成する処理を行う作成処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不特定多数の人々に視聴させるための、画像、文字等に音声を含めた登録データを作成することができ、視覚的な情報だけでなく、音声によって、より現実の社会に即したコミュニケーションをとることができる。このとき、音声データ、画像データ、位置データ等を含む、複数のデータをまとめてファイルを構成することで、登録データのやりとり(受け渡し)、管理等、データの扱いを容易にすることができる。このため、装置等においては、処理速度の向上を図ることができ、これにより円滑なコミュニケーション、装置等による運用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコミュニケーション装置を含むコミュニケーションシステムの構成を表す図である。
【図2】アバターの一例を表す図である。
【図3】登録データのファイルの構成を表す図である。
【図4】登録データの作成処理に係る登録部111のフローチャートを表す図である。
【図5】アバター選択用の画面を表す図である。
【図6】視聴の際の画面の一例を表す図である。
【図7】視聴の際の画面の別の一例を表す図である。
【図8】視聴の際の画面のさらに別の一例を表す図である。
【図9】視聴した登録内容一覧の表示画面を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るコミュニケーション装置を含むコミュニケーションシステムの構成を表す図である。図1に示すように、本実施の形態におけるコミュニケーション装置100は、コンピュータネットワーク400を介して、例えばコミュニケーションサーバ300との間で通信を行い、コミュニケーションを行おうとする者(以下、利用者という)が、コミュニケーションを図るために公開しようとする内容(登録内容)をデータ(登録データ)にして登録し、また自身又は他人が登録した登録内容を視聴等するための支援を行う装置である。
【0010】
本実施の形態のコミュニケーション装置100は、例えば処理手段101、音声入力手段102、位置検出手段103、入力手段104、音声出力手段105、表示手段106、記憶手段107、通信手段108、時計手段109及び撮像手段110を有する。マイク等の音声入力手段102は、例えば利用者が登録しようとする音声を信号に変換して処理手段101に送る。位置検出手段103は、利用者(コミュニケーション装置100)の登録時における位置を検出し、検出に係る信号を処理手段101に送る。入力手段104は、利用者が入力した文字、選択に係る画像の指示、各種設定に関する指示等を信号に変換して処理手段101に送る。
【0011】
スピーカ等を有する音声出力手段105は、例えば処理手段101から送られる音信号に基づく音を出力する(発する)。表示手段106は、例えば処理手段101から送られる表示信号に基づいて表示を行う。記憶手段107は、例えば、処理手段101が処理を行うために必要となるデータ、処理手段が処理を実行するためのプログラムのデータ等を記憶する。場合によっては、登録しようとする画像データ、音声データ等もあらかじめ記憶させておく。また、通信手段108は、本実施の形態においては、コンピュータネットワーク400を介してコミュニケーションサーバ300と通信を行う手段である。ここでは、コミュニケーション装置100は通信手段108によって無線通信を行うものとして説明する。ただし、有線通信を行うようにしてもよい。以下、コミュニケーション装置100におけるコミュニケーションサーバ300との通信は、通信手段108が行うものとして説明する。時計手段109は日時データを含む信号を処理手段101に送る。カメラ等の撮像手段110は、例えば登録データに含めるための撮影した影像画像(写真)を画像データ(写真データ)に変換し、画像データ(写真データ)を含む信号を処理手段101に送る。
【0012】
処理手段101は、例えば、利用者がコミュニケーションを行うのに必要となるデータを登録する際の処理を行う登録部111及び他のコミュニケーション装置100により登録された登録データの登録内容を視聴等する際の処理を行う視聴部120を有する。
【0013】
登録部111は、さらに、音声処理部112、文字処理部113、画像処理部114、位置処理部115、作成処理部116を有している。音声処理部112は、例えば音声入力手段102からの信号に基づいてデータの圧縮処理等を行い、音声データを作成する。文字処理部113は、入力手段104からの信号に基づいて文字欄に表示させる文字データ、例えば写真を画像として表示させる場合に画像内に表示させる表示文字データを作成する(以下、特に区別しない場合には、文字データ及び表示文字データを文字データとして説明する)。また、位置処理部115は、位置検出手段103からの信号に基づいて位置データを作成する。ここでは、音声処理部112、文字処理部113は、それぞれ音声入力手段102、入力手段104からの信号に基づいて音声データ、文字データの作成処理を行うようにしているが、例えば、あらかじめ作成された音声データ、文字データを記憶手段107に記憶しているような場合には、これらのデータを用いてもよい。
【0014】
ここで、本実施の形態のシステムでは、利用者は、コミュニケーションを行うための情報発信に際し、視覚的には、あらかじめ提供されたアバターと呼ばれる、利用者の分身として機能させるキャラクタの画像を用いるか、例えば撮像手段110等で撮像した画像(写真)を用いるかを選択して行うことができる。画像処理部114は、画像に関する処理を行う。例えばコミュニケーションサーバ300から送られる複数種類のアバターの画像に基づいて、利用者に登録に係るアバターの画像を選択させ、その画像データに対する処理等を行う、撮像手段110の撮像に係る画像(写真)を選択させ、その画像データ(写真データ)に対する処理等を行う。
【0015】
図2はアバターの一例を表す図である。例えば、図2(a)、図2(b)に示すように、同じアバターに対して複数の画像(例えば2枚)を組み合わせて連続的に表示させるようにすることで、例えば動画のように(アバターが動いているように)見せることができる。例えば動画のフレーム数よりも少ない枚数で画像を繰り返し表示するようにすることで、処理の負荷を小さくすることができる。このとき、1つの画像の表示時間をときどきランダムに変更等させるようにすることで、自然な動きを演出できるようにすることができる。例えば、アバターに動きを持たせるため、複数の画像データを組み合わせるかどうかは、利用者が任意に定めることができるようにしてもよい。また、同じアバターにおいても状況(通常時、音声再生時等)に応じて表示する画像を異ならせることもできる。
【0016】
作成処理部116は、登録のためのデータを作成する。本実施の形態では、例えば、コミュニケーションサーバ300から信号に含まれて送られる、あらかじめ定められたファイル形式のデータ(以下、モールドデータという)に、音声データ、文字欄に表示させる文字データ、位置データ等のデータ(動的データ)、画像データ等の実データを含めて1つのファイルにまとめた登録用のデータ(以下、登録データという)を作成する処理を行う。例えばコミュニケーションサーバ300から送られたモールドデータを加工(設定、実データの付加等)して登録データを作成することができるが、例えば利用者がモールドデータを新規作成等することも可能である。
【0017】
図3は登録データのファイルの構成を表す図である。図3に示すように、本実施の形態の登録データは、ファイルヘッダ部1100、ハイパーリンク部1200、表示文字データ部1300、表示画像データ部1400及び動的データ部1500で構成する。ここで、動的データ部1500は、前述した音声データ、文字データ、位置データ等の動的データを格納する領域である。したがって、ファイルヘッダ部1100、ハイパーリンク部1200、表示文字データ部1300及び表示画像データ部1400でモールドデータを構成する。モールドデータとは別に動的データ1500の領域を確保しておくことで、例えば音声データ、文字データ、位置データ等の動的データについては、容易にデータ変更等を行うことができ、既存の登録データを加工して新たな登録データを作成することも容易に行うことができる。
【0018】
ファイルヘッダ部1100は、ファイル構成に関する設定データを格納する。例えばファイル内における動的データ等の領域の先頭位置、音声データのコーデック方式、最大画像サイズ、画像、音声のリピート等に関する設定データを有している。ハイパーリンク部1200は、画像に関連づけるハイパーリンク(参照先)に係る設定データを格納する。例えばハイパーリンクを付する画像の指定、ハイパーリンクのリンクサイズ、ハイパーリンク先のURL(Uniform Resource Locator)の指定等に関する設定データをリンク毎に有している。表示文字データ部1300は、前述したように画像内に表示させる表示文字データに係る設定データを表示文字データと共に格納する。例えば表示開始時間、終了時間、フォント、サイズ、表示色、表示位置等に関する設定データを表示文字データ毎に有している。表示画像データ部1400は、画像データに関する設定データを画像データと共に格納する。例えば画像形式、画像表示時間、複数の画像の切換設定(ランダム率の設定等)、画像にエフェクト等に関する設定データを画像毎に有している。
【0019】
登録に際して、画像、文字、音声等、登録に係るデータを扱う場合に、各データを関連づけて記憶させておくこともできるが、統合して1つのファイルとして記憶することで、散逸等することがない。また、コミュニケーションサーバ300とコミュニケーション装置100との間でデータの受け渡しが簡単で、例えばコミュニケーションサーバ300から送られた登録データ、モールドデータをコミュニケーション装置100に保存し、収集、管理等することについても簡単に行うことができる(コミュニケーションサーバ300についても同様である)。
【0020】
一方、視聴部120は、さらに登録データ処理部121、内容表示処理部122及び音声出力処理部123を有している。登録データ処理部121は、コミュニケーションサーバ300から送られる及び/又は記憶手段107に記憶されている登録データに基づいて、登録内容を視聴するための処理を行う。表示処理部122は、例えばコミュニケーションサーバ300から送られる及び/又は記憶手段107に記憶されている登録データに係るサムネイル画像を登録日時順に表示手段106に表示させる、登録データに含まれる画像、文字の内容を表示手段106に表示させる等、表示に係る処理を行う。音声出力処理部123は、例えば登録データ内の音声データを処理し、スピーカ等の音声出力手段105から発音させる。
【0021】
ここで、上述した処理手段101の各部について、それぞれ異なる専用機器(ハードウェア)で構成することもできるが、例えば、CPU(Central Processing Unit )を中心とする演算制御手段(コンピュータ)でハードウェアを構成し、各部が行う処理の処理手順をあらかじめプログラム化し、ソフトウェア、ファームウェア等で構成しておいてもよい。そして、コンピュータがプログラムを実行して処理を行うことにより、上記の各部が行う処理を実現するようにしてもよい。これらのプログラムに係るデータは例えば記憶手段107に記憶しておくようにする。
【0022】
一方、コミュニケーションサーバ300は、データ処理装置310とデータ記憶装置320とを有し、コミュニケーション装置100から送られた登録データの登録処理等を行う。また、要求に基づいて、登録内容を視聴したい利用者のコミュニケーション装置100に登録データ等の送信(配信)等を行う。データ処理装置310は、さらに応答処理部311、登録データ管理処理部312及び配信処理部313を有している。応答処理部311は、コミュニケーション装置100に登録、視聴に係る各種表示画面のデータ等を送る。また、コミュニケーション装置からの要求に対応して、登録データ管理処理部312に登録データの登録等、配信処理部313に登録データの配信等を行わせる。例えば、データベース管理システム(DBMS)となる登録データ管理処理部312は、コミュニケーション装置100からの登録データ等をデータ記憶装置320に記憶する処理を行う。また、コミュニケーション装置100(応答処理部311)からの要求に対応する各種データを配信処理部313に送る。配信処理部313は、登録データ等の各種データをコミュニケーション装置100に送る処理を行う。
【0023】
また、データ記憶装置320は、コミュニケーション装置100から送られた登録データを記憶する。また、各登録データに対して付されたコメントのコメントデータ、評価データ等を登録データと関連づけて記憶する。
【0024】
図4は登録データの作成処理に係る登録部111のフローチャートを表す図である。図4に基づいて、処理手段101の登録部111(主として作成処理部116)が行う登録データの作成手順等について説明する。まず、作成する登録データの種類(アバター用、スライド用)を判断する(S1)。このとき、例えば表示手段106に選択指示の入力を促す表示させ、アバター用の登録データを作成するか、スライド用の登録データを作成するかを利用者に選択させる。
【0025】
アバター用の登録データを作成するものと判断すると、さらに新規作成をするかどうかを判断する(S2)。このとき、例えばアバターとして登録しようとする画像から新規のモールドデータを作成をするか、既存のモールドデータ(登録データ)を利用するかを利用者に選択させるため、例えば選択指示の入力を促す表示信号を表示手段106に送って表示させる。利用者が入力手段104から入力した選択指示に基づいて、新規作成しない(既存のモールドデータ等を利用する)ものと判断すると、さらに記憶手段107に記憶されたモールドデータを利用するか、コミュニケーションサーバ300から送られるモールドデータを利用するかを利用者に選択させる(S3)。このため、例えば選択指示の入力を促す表示信号を表示手段106に送って表示させる。利用者が記憶手段107に記憶されたモールドデータを利用するものと判断すると、記憶手段107からのモールドデータ等の読み込みを行い(S4)、後述する動的データの作成処理に移行する。このようにすることで、例えば登録データにおける音声等の動的データの差し替え、加工等を簡単に行うことができる。ここで、本実施の形態では、記憶手段107に記憶されたモールドデータの利用、コミュニケーションサーバ300から送られるモールドデータの利用を行う際には画像データに対する設定を行わずに動的データの作成処理に移行するようにしたが、設定を行うようにすることもできる。
【0026】
図5はアバター選択用の画面を表す図である。選択指示に基づいて、S3において、コミュニケーションサーバ300から送られるモールドデータを利用するものと判断すると、例えばコミュニケーションサーバ300にアバター選択用のデータを含む信号の送信要求を行う。コミュニケーションサーバ300から対応するデータを含む信号を送られると、複数のアバターの画像を含む画面を表示手段106に表示させて利用者にアバターを選択させるようにする。そして、利用者が入力手段104から入力した選択指示に基づいて、選択されたアバターの画像データ及びモールドデータを含む信号の送信要求をコミュニケーションサーバ300に対して送る。コミュニケーションサーバ300から送られた対応するアバターの画像データを有するモールドデータを含む信号が送られると(S5)、後述する動的データの作成処理に移行する。
【0027】
S2において新規作成するものと判断すると、最初の画像データに基づく画像を表示手段106に表示させる(S6)。また、入力手段104から送られた利用者による画像に対する設定データ(画像表示時間等)を表示画像データ部1400に格納する(S7)。そして、例えば、前述したようにアバターに動きをもたせるための処理を行う他の画像があるかどうかを判断し(S8)、他の画像があれば、その画像データに対してS6及びS7を繰り返す。
【0028】
画像の追加がないと判断すると、最大画像サイズ等の設定を行うための画面を表示手段106に表示させ、入力手段104から送られた利用者による設定データ(画像表示時間等)をファイルヘッダ部1100に格納する(S16)。以上のようにして、モールドデータに係る設定の処理を終了する。
【0029】
一方、S1において、スライド用の登録データを作成するものと判断すると、すべて新規の登録データを作成するものと扱う。そして、例えばカメラ等の撮像手段110の撮像により得られた画像データ(写真データ)のうち、利用者が選択した写真画像を、例えば記憶手段107から読み込む(S9)。また、入力手段104から送られた利用者による写真に対する設定データ(画像表示時間等)を表示画像データ部1400に格納する(S10)。そして、写真の追加があるかどうかを判断し(S11)、写真の追加があればS9及びS10を繰り返す。さらに、表示文字データとする文字の入力を促す表示信号を表示手段106に送って表示させる。入力手段104を介した利用者からの入力に基づいて、文字処理部113は、写真に表示させる表示文字データを作成する(S12)。入力手段104から送られた利用者による表示文字に対する設定データ(フォント、サイズ等)を表示文字データ部1300に格納する(S13)。そして、表示文字の追加があるかどうかを判断し(S14)、表示文字の追加があればS12及びS13を繰り返す。そして、入力手段104から送られた利用者によるハイパーリンクに関する設定データをハイパーリンク部1200に格納する(S15)。そして、S16において、設定データをファイルヘッダ部1100に格納してモールドに係る設定の処理を終了する。ここで、本実施の形態においては、スライド用の登録データを作成する場合に、表示文字、ハイパーリンクに関する設定を行っているが、例えばアバター用の登録データを作成する場合においても、これらの設定を行えるようにしてもよい。
【0030】
次に動的データの作成処理を行う。マイク等の音声入力手段102を利用して音声データの作成するかどうかを、例えば、利用者に選択させることで判断する(S17)。音声入力手段102を利用するものと判断すると、音声入力手段102から入力される音声に基づいて音声処理部112は音声データを作成し、動的データ部1500に格納する(S18)。音声入力手段102を利用しないものと判断すると、例えば記憶手段107に記憶された音声データを動的データ部1500に格納する(S19)。
【0031】
次に、文字データとする文字の入力を促す表示信号を表示手段106に送って表示させる。入力手段104を介した利用者からの入力に基づいて、文字処理部113は、文字欄に表示させる文字データを作成し、動的データ部1500に格納する(S20)。
【0032】
さらに、位置処理部115は、位置検出手段103からの信号に基づいて位置データを作成し、動的データ部1500に格納する(S21)。ここで、例えば、位置処理部115が位置データを作成する際、位置の公開精度を利用者に設定させるための表示を表示手段106に行わせ、公開精度を入力させる。ここで、位置の公開精度とは、例えば利用者が視聴等を行う際、地図等を表示手段106に表示させる場合において、どの縮尺から地図上に自身の位置表示を行うかを決めるものである。地図において表示する範囲が広い(縮尺が小さい)ほど、厳密な位置の特定が困難になる。
【0033】
そして、時計手段109からの信号に基づく日時データを動的データ部1500に格納する(S22)。以上のようにして動的データの格納を終了すると、登録データの作成処理を終了する。そして、登録データを含む信号をコミュニケーションサーバ300に送る。
【0034】
コミュニケーションサーバ300では、送られた登録データをデータ記憶装置320に記憶させ、視聴要求等に基づいて、登録データを送ることができるようにする。
【0035】
以上のように、実施の形態1のコミュニケーションシステムのコミュニケーション装置100においては、不特定多数の人々に視聴させるための、画像、文字等に音声を含めた登録データを作成することができる。そして、視覚的な情報だけでなく、音声によって、より現実の社会に即したコミュニケーションをとることができる。このとき、動的データを含めて、複数のデータをまとめたファイルを構成するようにしたので、コミュニケーション装置100とコミュニケーションサーバ300との間のデータのやりとり(受け渡し)を容易にすることができる。そして、データが分散していないため、コミュニケーションサーバ300に比べて、処理能力が低いコミュニケーション装置100においても容易に処理を行うことができることから、例えば、他のコミュニケーション装置100の登録に係る登録データを、コミュニケーション装置100の記憶手段107に記憶し、視聴等を行うことができる。また、モールドデータに音声、文字、位置、日付等のデータを動的データとして含めることで、登録データを構成することができるので、動的データ部分の変更等を容易に行うことができる構成にすることができる。また、このとき、アバター用の登録データ、スライド用の登録データを作成する際もモールドデータが共通しているため、利用しやすくなる。
【0036】
実施の形態2.
上述の実施の形態1においては、コミュニケーション装置100における登録について説明したが、本実施の形態では、登録内容等の視聴について説明する。
【0037】
図6は、視聴の際の画面の一例を表す図である。図6は登録されたサムネイル画像を登録日時順に表示手段106に表示したものである。そして、例えば利用者が登録内容を視聴したいサムネイル画像を、クリック等により指示することで、画像、写真の表示、音声の発生等により視聴を行うことができる。ここでは、サムネイル画像の表示に際し、利用者を特定することなく、登録された順に表示をさせているが、例えば特定の利用者により登録された各サムネイル画像を表示手段106に表示させるようにしてもよい。
【0038】
図7は視聴の際の画面の別の一例を表す図である。図7では、カレンダーを表示し、登録日毎に登録されたサムネイル画像を表示手段106に表示したものである。ここで、同じ日に複数の登録があった場合には、登録数を示すようにしている。
【0039】
図8は視聴の際の画面のさらに別の一例を表す図である。図8では地図を表示させるようにし、地図で表示された範囲に位置データを有するサムネイル画像等を表示手段106に表示するようにしたものである。ここで、前述したように、位置の公開精度が設定されている場合には、設定された縮尺以下の場合にサムネイル画像を表示させるようにする。
【0040】
そして、利用者が入力手段104を介してサムネイル画像を選択すると、視聴部120は、サムネイル画像に対応する登録データをコミュニケーションサーバ300に要求する処理を行う。そして、登録データ処理部121が、コミュニケーションサーバ300から送られた登録データを処理し、例えば、表示手段160には、ブログ形式で画像、文字等が表示されるようにする。また、音声出力処理部123が音声データの処理等を行うことで、利用者が登録内容の視聴を行うことができる。
【0041】
図9は視聴した登録内容一覧の表示画面を表す図である。例えば、利用者は、コミュニケーションサーバ300から送られた登録データをコミュニケーション装置100(記憶手段107)に記憶させておくことができる。これにより、登録データの収集を図ることができる。また、コミュニケーションサーバ300との通信を行うことができない場合でも登録内容の視聴等を行うことができる。
【0042】
以上のように、実施の形態2のコミュニケーションシステムでは、コミュニケーション装置100において、利用者が登録内容の視聴を行う際、利用者の要求に応じて、さまざまなサムネイル画像の表示を行うことができ、利用しやすくなる。
【0043】
実施の形態3.
本実施の形態においては、上述したシステムを利用することにより、コミュニケーション装置100を通じて利用者が実現可能なコミュニケーションの形態等について説明する。
【0044】
例えば、登録データを登録した利用者以外の利用者は、コメントに係る文字データをコミュニケーションサーバ300に送ることで、登録データを登録した利用者とのコミュニケーションを図るため、視聴した登録内容についてコメントを付すことができる。
【0045】
また、登録データを登録した利用者以外の利用者は、採点評価に係るデータをコミュニケーションサーバ300に送ることで、視聴した登録内容についての採点を行うことができる。
【0046】
登録データを登録した利用者以外の利用者は、自身のコミュニケーション装置100において、返信用の登録データ(コメント等の文字データだけでなく、例えば、画像、写真、音声を含むデータ)を作成して、コミュニケーションサーバ300に送ることで、登録内容に対して、登録データの返信を行うことができる。
【0047】
登録データを登録した利用者は、コメント、採点、返信用登録データの視聴を行うことができる。また、例えば、コメントに対してコメントを付すことができ、返信用登録データに対して、登録データの返信を行うことができる。
【0048】
また、登録データを他のソーシャルネットワークシステム(SNS)に同時投稿することもできる。
【0049】
実施の形態4.
上述した実施の形態では、コミュニケーション装置100は、登録データの作成(登録)と視聴の両方を機能を有するようにしたが、いずれか一方の機能を有する装置構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100 コミュニケーション装置
101 処理手段
102 音声入力手段
103 位置検出手段
104 入力手段
105 音声出力手段
106 表示手段
107 記憶手段
108 通信手段
109 時計手段
110 撮像手段
111 登録部
112 音声処理部
113 文字処理部
114 画像処理部
115 位置処理部
116 作成処理部
120 視聴部
121 登録データ処理部
122 内容表示処理部
122 表示処理部
123 音声出力処理部
300 コミュニケーションサーバ
310 データ処理装置
311 応答処理部
312 登録データ管理処理部
313 配信処理部
320 データ記憶装置
400 コンピュータネットワーク
1100 ファイルヘッダ部
1200 ハイパーリンク部
1300 表示文字データ部
1400 表示画像データ部
1500 動的データ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介したコミュニケーションをはかるためにコミュニケーションサーバに登録して公開しようとする登録データを作成するコミュニケーション装置であって、
前記登録に係る画像データを処理する画像処理部と、
前記登録に係る音声を処理し、音声データを作成する音声処理部と、
装置の位置を検出する位置検出手段の検出に係る位置に基づいて位置データを作成する位置処理部と、
少なくとも前記画像データ、前記音声データ、前記位置データ並びにこれらの設定データを含むファイル形式のデータを構成し、登録データを作成する処理を行う作成処理部と
を備えることを特徴とするコミュニケーション装置。
【請求項2】
撮影に係る影像を画像データに変換する撮像手段をさらに備え、
前記画像処理部は、該撮像手段の撮影に係る画像データ又はあらかじめ定められた画像データのうち、選択された画像データを処理することを特徴とする請求項1記載のコミュニケーション装置。
【請求項3】
音声を信号に変換する音声入力手段をさらに備え、
前記音声処理部は、前記音声入力手段からの信号を処理することを特徴とする請求項1又は2記載のコミュニケーション装置。
【請求項4】
前記作成処理部は、
日時を測定するための時計手段の計時に係る日時に基づく日時データを含めて前記登録データを作成することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコミュニケーション装置。
【請求項5】
前記作成処理部は、
前記画像データ及び前記設定データを有するデータに、前記音声データ及び位置データを動的データとして追加して前記登録データを作成することができることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコミュニケーション装置。
【請求項6】
前記作成処理部は、
前記登録データの前記音声データ及び位置データを入れ替えて新たな前記登録データを作成することができることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコミュニケーション装置。
【請求項7】
前記作成処理部は、
連続した表示を行わせるための複数の画像データを含む前記登録データを作成することができることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコミュニケーション装置。
【請求項8】
前記作成処理部は、
文字の入力手段から入力される文字データを含む前記登録データを作成することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコミュニケーション装置。
【請求項9】
表示を行う表示手段と、
音声を出力する音声出力手段と、
前記登録データを処理し、前記登録データに含まれる画像データに基づく画像を前記表示手段に表示させ、前記音声データに基づく音声を前記音声手段に出力させる処理を行う視聴部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコミュニケーション装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の前記コミュニケーション装置と、
複数の前記コミュニケーション装置とネットワークを介した通信を行うことができ、ネットワークを介して前記コミュニケーション装置から送られた前記登録データを管理し、送信要求に基づいて、前記登録データを含む信号を前記送信要求を送った前記コミュニケーション装置に送信するコミュニケーションサーバと
を備えることを特徴とするコミュニケーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−93640(P2013−93640A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232579(P2011−232579)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(511225147)株式会社アイボックス (1)
【Fターム(参考)】