説明

コミュニティ生成装置及び方法

【課題】従来にない新しいつながりを促進するコミュニティを生成すること。
【解決手段】コミュニティ生成装置(1)は、アラートに基づいてコミュニティを生成するため、ユーザから予め受け付けていたアラート設定条件を充足したことに応じて、当該アラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末に対して所定のアラートを通知するアラート通知手段(11)と、通知されたアラートに対応するアラート設定条件を設定していた複数のユーザをグループ化するグループ化手段(12)と、グループ化した複数のユーザに共通のコミュニティを生成するとともに、生成したコミュニティをユーザに通知するコミュニティ通知手段(13)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間のコミュニティーを生成するコミュニティ生成装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス又はソーシャル・ネットワーキング・サイト)を利用して、利用者がネットワーク上で仮想コミュニティを生成し、そのコミュニティのメンバー同士で様々な情報交換をすることが普及している。
【0003】
ネットワーク上で生成される仮想コミュニティには様々なものがあり、例えば、特許文献1には、コミュニティに参加するためのQRコードが印刷された招待状を配布することで、結婚式の参加者が参加可能なコミュニティを生成するコミュニティ生成システムが示されている。
また、ユーザ同士で共通する趣味に基づいて生成されるコミュニティも多数知られており、例えば、所定のミュージシャンのコンサートに参加したユーザが利用可能なコミュニティも頻繁に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−198023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなSNSの普及に伴い、ユーザは、コミュニティに参加することで他のユーザとのつながりを維持することができる。しかしながら、従来の方法で生成されたコミュニティは、発生タイミングが予測可能な出来事(結婚式やコンサート)に対して生成されるものであるため、利用するユーザからするとコミュニティが生成されるタイミングや参加する他のユーザの趣味・趣向が容易に推測できてしまっていた。そのため、近年では、コミュニティ上のユーザ間のつながりがマンネリ化してきており、従来にない新しいつながりを促進するコミュニティの生成が求められている。
【0006】
本発明は、このような課題に基づいてなされたものであり、従来にない新しいつながりを促進するコミュニティを生成可能なコミュニティ生成装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 通信ネットワークを介して複数のユーザ端末に接続され、所定の関係にあるユーザ間のコミュニティーを生成するコミュニティ生成装置であって、予め設定されたアラート設定条件を充足したことに応じて、当該アラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末に対して所定のアラートを通知するアラート通知手段と、通知された前記所定のアラートに対応するアラート設定条件を設定していた前記複数のユーザ端末をグループ化するグループ化手段と、グループ化した前記複数のユーザ端末に共通のコミュニティを生成し、当該共通のコミュニティの生成を当該ユーザ端末に通知するコミュニティ通知手段と、を備えるコミュニティ生成装置。
【0008】
(1)のコミュニティ生成装置によれば、設定していたアラート設定条件を充足した(すなわち、アラートが通知された)ユーザ同士をグループ化し、当該ユーザが参加可能なコミュニティを生成する。
これにより、アラートというユーザが予測し得ないタイミングでコミュニティを生成することができる。このとき、コミュニティに参加するユーザは、所定のアラートが通知されたユーザ同士であるため、状況を把握するためのコミュニケーションも含めてコミュニティ上で活発な情報交換が行われることが期待できる。その結果、コミュニティ生成装置によれば、従来にない新しいつながりを促進するコミュニティを生成することができる。
【0009】
(2) 前記グループ化手段は、予め設定された範囲の時間内においてアラート設定条件を充足した複数のユーザ端末をグループ化する(1)に記載のコミュニティ生成装置。
【0010】
(2)のコミュニティ生成装置によれば、アラートを設定していたカテゴリや内容に関わらず、アラート設定条件を充足した時間が近いユーザ同士をグループ化する。これにより、アラート設定条件を充足したタイミングという、ユーザが共通して強い関心を持つタイミングに応じてコミュニティを生成することができ、当該コミュニティ上において積極的な交流が期待できる。
【0011】
(3) 前記グループ化手段は、予め設定された範囲の時間内においてアラートが通知された複数のユーザ端末をグループ化する(1)に記載のコミュニティ生成装置。
【0012】
(3)のコミュニティ生成装置によれば、アラートがユーザ端末に通知された時間が近いユーザ同士をグループ化するため、(2)のコミュニティ生成装置と同様に、ユーザが共通して強い関心を持つタイミングに応じてコミュニティを生成することができ、当該コミュニティ上において積極的な交流が期待できる。
【0013】
(4) 前記グループ化手段は、前記アラート設定条件を同一のカテゴリに対して設定していた複数のユーザ端末をグループ化する(1)から(3)のいずれかに記載のコミュニティ生成装置。
【0014】
(4)のコミュニティ生成装置によれば、同一のカテゴリに対してアラート設定条件を設定していたユーザ同士をグループ化することができる。これにより、互いに似た趣味・趣向を有するユーザが参加するコミュニティを、アラートという従来にない新たなタイミングで生成することができるため、従来にない新しいつながりを促進することができる。
なお、本発明における「カテゴリ」とは、ネットワーク上で提供される各種サービスを示すものであり、例えば、ネットオークション、ネットショッピング、ブログ、ネット証券などのそれぞれが該当する。
【0015】
(5) 前記グループ化手段は、前記アラート設定条件を同一の内容に対して設定していた複数のユーザ端末をグループ化する(1)から(3)のいずれかに記載のコミュニティ生成装置。
【0016】
(5)のコミュニティ生成装置によれば、同一の内容に対してアラート設定条件を設定していたユーザ同士をグループ化することができる。これにより、互いに似た趣味・趣向を有するユーザが参加するコミュニティを、アラートという従来にない新たなタイミングで生成することができるため、従来にない新しいつながりを促進することができる。
なお、本発明における「内容」とは、アラート通知を行う条件を示すものであり、例えば、「○○社の株価が3000円を下回ること」や「バナナダイエットの報告があること」などのそれぞれが該当する。
【0017】
(6) 前記コミュニティ通知手段は、前記コミュニティの所在を示す識別情報を前記ユーザ端末に通知する(1)から(5)のいずれかに記載のコミュニティ生成装置。
【0018】
(6)のコミュニティ生成装置によれば、ユーザ端末にはコミュニティの所在を示す識別情報が通知されるため、コミュニティへの参加を望むユーザは、当該コミュニティに容易にアクセスすることができる。
ここで、「コミュニティの所在を示す識別情報」としては、例えば、URLやQRコード(登録商標)を用いることができる。また、コミュニティ通知手段は、当該識別情報をアラートに添付して通知することとしてもよく、アラートとは別に通知することとしてもよい。
【0019】
(7) 通信ネットワークを介して複数のユーザ端末に接続されたコンピュータが、所定の関係にあるユーザ間のコミュニティーを生成する方法であって、予め設定されたアラート設定条件を充足したことに応じて、当該アラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末に対して所定のアラートを通知するステップと、通知された前記所定のアラートに対応するアラート設定条件を設定していた複数の前記ユーザ端末をグループ化するステップと、グループ化した前記複数のユーザ端末に共通のコミュニティを生成し、当該共通のコミュニティの生成を当該ユーザ端末に通知するステップと、を含む方法。
【0020】
(7)の方法によれば、(1)のコミュニティ生成装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来にない新しいつながりを促進するコミュニティを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のコミュニティ生成装置の機能構成を示す図である。
【図2】アラート設定データベースを示す図である。
【図3】グループ化手段によるグループ化の例を示す図である。
【図4】本発明のコミュニティ生成装置の動作を示す図である。
【図5】本発明のコミュニティ生成装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明のコミュニティ生成装置のサーバ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
[コミュニティ生成装置1の構成]
初めに、図1を参照して、本発明のコミュニティ生成装置1の構成について説明する。
本発明のコミュニティ生成装置1は、複数のユーザ端末100と通信可能に接続され、アラート通知手段11と、グループ化手段12と、コミュニティ通知手段13と、コミュニティ制御手段14と、アラート設定データベース21と、を含んで構成される。
【0025】
アラート通知手段11は、ネットワーク上で提供される各種サービス(例えば、ネットオークション、ネットショッピング、ブログ、ネット証券など)において、ユーザ端末100のユーザの各々により予め設定されたアラート設定条件が充足されることに応じて、当該アラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末100に対してアラート設定条件に応じた所定のアラートを通知(送信)する。
【0026】
このとき、アラート通知手段11によるアラートの通知を適切に行うため、アラート設定データベース21は、複数のユーザの各々が予め設定したアラート設定条件を記憶する。具体的には、図2に示すように、アラート設定データベース21は、ユーザ又はユーザ端末100を識別するユーザIDに対応付けて、当該ユーザがアラートの通知を受けるネットワーク上のサービス(カテゴリ)と、当該ユーザがアラートの通知を受ける条件(アラート設定条件)と、を記憶する。
【0027】
アラート通知手段11は、ネットワーク上の各種サービスにおいてアラート設定データベース21に記憶されたアラート設定条件が充足されたか否かを判定し、アラート設定条件が充足された場合に、ユーザ端末100に対してアラートを通知する。例えば、ネット証券において、○○社の株価が3000円以下になった場合には、ユーザID「U01」及び「U03」のユーザ端末100に対して「○○社の株価が3000を下回りました。」などのアラートを通知する。
【0028】
グループ化手段12は、通知された所定のアラートに対応するアラート設定条件を設定していた複数のユーザ(ユーザ端末100)をグループ化する。ここで、グループ化するユーザの範囲、すなわち、「通知された所定のアラートに対応するアラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末」について、図3を参照して説明する。
【0029】
[アラート検知時刻に基づくグループ化]
グループ化手段12は、アラート設定条件を充足した時刻(アラート検知時刻)が共通するユーザ(ユーザ端末100)をグループ化することができる。
図3において、11時10分に、アラート種別「A1」のアラート設定条件「○○社の株価・・・」及びアラート種別「A2」のアラート設定条件「バナナダイエット・・・」が充足され、11時11分に、アラート種別「A3」のアラート設定条件「××社の株価・・・」が充足されている。
このとき、11時10分〜11時12分の間にアラート設定条件を充足したユーザをグループ化する場合、グループ化手段12は、アラート種別「A1」「A2」「A3」を設定していた「ユーザ1〜ユーザn1」「ユーザ11〜ユーザn2」「ユーザ21〜ユーザn3」の全てをグループ化する。
【0030】
[アラート通知時刻に基づくグループ化]
同一のアラート設定条件を設定していた多数のユーザ(ユーザ端末100)に対してアラートを通知する場合、アラートを通知する順序によって、実際にアラートが通知される時刻にタイムラグが生じる場合がある。
図3において、アラート種別「A1」を設定していた「ユーザ1〜ユーザn1」のうち、「ユーザ1」には「11時10分」にアラートが通知され、「ユーザ8」には「11時12分」にアラートが通知され、「ユーザn1」には「11時15分」にアラートが通知されている。また、アラート種別「A2」を設定していた「ユーザ11〜ユーザn2」のうち、「ユーザ11」には「11時10分」にアラートが通知され、「ユーザ18」には「11時12分」にアラートが通知され、「ユーザn2」には「11時15分」にアラートが通知されている。また、アラート種別「A3」を設定していた「ユーザ21〜ユーザn3」のうち、「ユーザ21」には「11時11分」にアラートが通知され、「ユーザ23」には「11時12分」にアラートが通知され、「ユーザn3」には「11時16分」にアラートが通知されている。
このとき、11時10分〜11時12分の間にアラートが通知されたユーザをグループ化する場合、グループ化手段12は、アラート種別「A1」「A2」「A3」を設定していた「ユーザ1〜ユーザ8」「ユーザ11〜ユーザ18」「ユーザ21〜ユーザ23」をグループ化する。このように、グループ化手段12は、アラート検知時刻ではなく、アラート通知時刻に基づいてユーザをグループ化することとしてもよい。
【0031】
[カテゴリに基づくグループ化]
図3において、アラート種別「A1」「A3」はカテゴリ「ネット証券」に対するアラートであり、アラート種別「A2」はカテゴリ「美容」に対するアラートであるとする。このとき、グループ化手段12は、アラート設定条件が設定されたカテゴリ(サービス)が共通するユーザ(ユーザ端末100)のみをグループ化することとしてもよい。また、グループ化手段12は、カテゴリと併せてアラート検知時刻又はアラート通知時刻に基づいてユーザ(ユーザ端末100)をグループ化することとしてもよい。
例えば、11時10分〜11時12分の間にアラート設定条件を充足したユーザをグループ化する場合、グループ化手段12は、カテゴリ「ネット証券」についてのアラート種別「A1」「A3」を設定していた「ユーザ1〜ユーザn1」「ユーザ21〜ユーザn3」をグループ化し、カテゴリの異なるアラート種別「A2」を設定していた「ユーザ11〜ユーザn2」を別途グループ化する。
【0032】
[内容に基づくグループ化]
同一のカテゴリにおいて同時期にアラートが検知(又は通知)されたとしても、アラートの内容が異なる場合がある。図3において、アラート種別「A1」「A2」は、カテゴリ「ネット証券」に対するアラートであるが、その内容は「○○社の株価・・・」と、「××社の株価・・・」と、で各々異なる。このとき、グループ化手段12は、アラート設定条件として設定された内容が共通するユーザ(ユーザ端末100)のみをグループ化することとしてもよい。また、グループ化手段12は、内容と併せてアラート検知時刻又はアラート通知時刻に基づいてユーザ(ユーザ端末100)をグループ化することとしてもよい。
例えば、11時10分〜11時12分の間にアラート設定条件を充足したユーザをグループ化する場合、グループ化手段12は、内容「○○社の株価・・・」についてのアラート種別「A1」を設定していた「ユーザ1〜ユーザn1」をグループ化し、カテゴリは同一であるが内容の異なるアラート種別「A3」を設定していた「ユーザ21〜ユーザn3」を別途グループ化する。
【0033】
図1に戻り、コミュニティ通知手段13は、グループ化した複数のユーザ(ユーザ端末100)に共通のコミュニティを生成し、当該複数のユーザに対してコミュニティが生成されたことを通知する。ここで、「コミュニティ」とは、閉じられたグループのユーザ(参加者)がメッセージの交換をする場(例えば、掲示板などにより実現)をいい、コミュニティ通知手段13は、グループ化されたユーザ端末100のユーザのみがアクセス可能なコミュニティをネットワーク上に生成する。
このとき、コミュニティ通知手段13は、コミュニティの所在を示す識別情報をユーザ(ユーザ端末100)に通知することで、コミュニティが生成されたことをユーザに通知する。「コミュニティの所在を示す識別情報」としては、例えば、URLやQRコード(登録商標)を用いることができる。
なお、本実施形態では、コミュニティが生成されたことの通知をアラートとは別に行うこととしているが、これに限られるものではなく、アラートの通知の際に併せてコミュニティの生成を通知することとしてもよい。
【0034】
コミュニティ制御手段14は、コミュニティ上におけるユーザ間のコミュニケーションを制御する。すなわち、コミュニティ上でユーザ(ユーザ端末100)から受け付けたメッセージを他のユーザ(ユーザ端末100)により閲覧可能に制御する。
【0035】
[コミュニティ生成装置1の動作]
続いて、本発明のコミュニティ生成装置1の動作について図4を参照して説明する。なお、図4では、アラート検知時刻に基づいてユーザ(ユーザ端末100)をグループ化している。
【0036】
図4(1)を参照して、13時30分にネットワーク上で提供されるサービスにおいて○○社の株価が3000円を下回るとともにバナナダイエットの報告がなされたため、アラート通知手段11は、アラート設定データベース21に記憶されたアラート設定条件が充足されたと判定し、アラートを検知する。
【0037】
図4(2)を参照して、アラート通知手段11は、○○社の株価に対するアラート設定条件を設定していたユーザ「U01」「U03」のユーザ端末100に対して「○○社の株価が3000円を下回りました。」といったアラート通知301を通知するとともに、バナナダイエットに対するアラート設定条件を設定していたユーザ「U02」「U05」のユーザ端末100に対して「バナナダイエットの報告がされました。」といったアラート通知302を通知する。
【0038】
このとき、グループ化手段12は、同時期に検知されたアラートのアラート設定条件を設定していた複数のユーザ(ユーザ端末100)をグループ化する。すなわち、グループ化手段12は、13時30分に検知されたアラートのアラート設定条件を設定していた、ユーザ「U01」「U02」「U03」「U05」をグループ化する。
続いて、コミュニティ通知手段13は、グループ化したユーザ(ユーザ端末100)に共通のコミュニティを生成する。
【0039】
図4(3)を参照して、コミュニティ通知手段13は、グループ化したユーザ「U01」「U02」「U03」「U05」のユーザ端末100に対して、コミュニティが生成されたことを示すコミュニティ通知311を通知する。このとき、コミュニティ通知手段13は、コミュニティの所在を示すURL311Aを付加してコミュニティ通知311を通知する。
【0040】
図4(4)を参照して、コミュニティ通知311を受け付けたユーザ(ユーザ端末100)がコミュニティにアクセスし、メッセージの投稿を行うと、コミュニティ制御手段14は、受け付けたメッセージを他のユーザ(ユーザ端末100)により閲覧可能に制御する。
【0041】
これにより、アラートというユーザが予測し得ないタイミングでコミュニティが生成される。このとき、コミュニティに参加するユーザは、アラートが通知されたユーザ同士であるため、状況を把握するためのコミュニケーションも含めてコミュニティ上で活発な情報交換が行われることが期待できる。
【0042】
[コミュニティ生成装置1のハードウェア構成]
以上説明したコミュニティ生成装置1のハードウェアは、1又は複数の一般的なコンピュータによって構成することができる。一般的なコンピュータは、例えば、制御部として、中央処理装置(CPU)を備える他、記憶部として、メモリ(RAM、ROM)、ハードディスク(HDD)及び光ディスク(CD、DVDなど)を、ネットワーク通信装置として、各種有線及び無線LAN装置を、表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの各種ディスプレイを、入力装置として、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボールなど)を適宜備え、これらは、バスラインにより接続されている。このような一般的なコンピュータにおいて、CPUは、コミュニティ生成装置1を統括的に制御し、各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0043】
[コミュニティ生成装置1の処理]
続いて、図5を参照して、コミュニティ生成装置1の処理の流れについて説明する。
【0044】
S1:アラート通知手段11は、各種サービスにおいてユーザが設定したアラート設定条件が充足されたか否かを判定する。このとき、アラート設定条件が充足されたと判定した場合には、アラート通知手段11は、アラート設定条件を設定していたユーザ(ユーザ端末100)に対してアラートを通知する。
S2:続いて、グループ化手段12は、アラートの通知が行われたアラート設定条件を設定していた複数のユーザをグループ化する。グループ化手段12は、所定時間以内の間に(同時期に)アラート設定条件が充足した複数のユーザをグループ化する。
【0045】
S3:続いて、コミュニティ通知手段13は、グループ化した複数のユーザに共通のコミュニティを生成し、当該複数のユーザ(ユーザ端末100)に対してコミュニティが生成されたことを通知する。このとき、コミュニティ通知手段13は、コミュニティの所在を示す識別情報も併せてユーザ(ユーザ端末100)に通知する。
S4:続いて、コミュニティ制御手段14は、コミュニティ上におけるユーザ間のコミュニケーションを制御する。
【0046】
[コミュニティ生成装置1のサーバ構成]
以上、本発明のコミュニティ生成装置1の構成及び処理について説明した。続いて、図6を参照して、本発明のコミュニティ生成装置1の好適なサーバ(コンピュータ)構成について説明する。
【0047】
コミュニティ生成装置1(システム)は、ネットオークション、ネットショッピング、ブログ、ネット証券などのネットワーク上で提供される各種サービスをそれぞれ管理するサービス管理サーバ1aと、アラートに基づいて生成されるコミュニティを管理するコミュニティ管理サーバ1bと、を含んで構成される。
【0048】
サービス管理サーバ1aの各々は、ユーザから受け付けたアラート設定条件を記憶するアラート設定データベース21を備え、管理するサービスにおいてアラート設定条件が充足された場合に、ユーザに対してアラートを通知する。このとき、サービス管理サーバ1aは、充足したアラート設定条件を設定していたユーザ及び当該アラート設定条件が充足した時間(又はアラートを通知した時間)を含むアラート情報をコミュニティ管理サーバ1bに送信する。
コミュニティ管理サーバ1bは、アラート情報に基づいて、同時期にアラートが通知されたユーザをグループ化するとともに、このグループのユーザに共通のコミュニティを生成し、当該ユーザにコミュニティの生成を通知する。また、コミュニティ管理サーバ1bは、コミュニティ上におけるユーザ間のコミュニケーションを制御する。
【0049】
[コミュニティ生成装置1の効果]
以上のようなコミュニティ生成装置1によれば、アラートというユーザが予測し得ないタイミングでコミュニティを生成する。このとき、コミュニティに参加するユーザは、アラートが通知されたユーザ同士であるため、状況を把握するためのコミュニケーションも含めてコミュニティ上で活発な情報交換が行われることが期待できる。その結果、本発明のコミュニティ生成装置1によれば、従来にない新しいつながりを促進するコミュニティを生成することができる。
【0050】
また、コミュニティ生成装置1によれば、同時期(検知時刻又は通知時刻)にアラートが通知されたユーザが参加可能なコミュニティを生成するため、アラートというユーザが共通して強い関心を持つタイミングに応じてコミュニティを生成することができ、当該コミュニティ上において積極的な交流が期待できる。
【0051】
また、コミュニティ生成装置1によれば、同時期にアラートが通知されたユーザのうち、同一のカテゴリや内容に対してアラート設定条件を設定していたユーザのみが参加可能なコミュニティを生成するため、互いに似た趣味・趣向を有するユーザが参加するコミュニティを、アラートという従来にない新たなタイミングで生成することができる。
【0052】
このとき、コミュニティ生成装置1では、ユーザにコミュニティの所在を示す識別情報を通知するため、ユーザは、コミュニティに容易にアクセスすることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0054】
例えば、コミュニティ生成装置1のサーバ構成において、サービス管理サーバ1aの各々がユーザ端末100に対してアラートを通知するとしているが、これに限られるものではなく、コミュニティ管理サーバ1bがユーザ端末100に対してアラートを通知することとしてもよい。具体的には、サービス管理サーバ1aからアラート情報としてアラートを通知するユーザ(ユーザ端末100)の情報を受け付けることにより、コミュニティ管理サーバ1bがユーザ端末100に対してアラートを通知することとしてもよい。また、コミュニティ管理サーバ1bが各種サービス内における状況を監視することで、アラート設定条件を充足したか否かを判定し、ユーザ端末100に対してアラートを通知することとしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 コミュニティ生成装置
11 アラート通知手段
12 グループ化手段
13 コミュニティ通知手段
14 コミュニティ制御手段
21 アラート設定データベース
100 ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して複数のユーザ端末に接続され、所定の関係にあるユーザ間のコミュニティーを生成するコミュニティ生成装置であって、
予め設定されたアラート設定条件を充足したことに応じて、当該アラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末に対して所定のアラートを通知するアラート通知手段と、
通知された前記所定のアラートに対応するアラート設定条件を設定していた前記複数のユーザ端末をグループ化するグループ化手段と、
グループ化した前記複数のユーザ端末に共通のコミュニティを生成し、当該共通のコミュニティの生成を当該ユーザ端末に通知するコミュニティ通知手段と、
を備えるコミュニティ生成装置。
【請求項2】
前記グループ化手段は、予め設定された範囲の時間内においてアラート設定条件を充足した複数のユーザ端末をグループ化する請求項1に記載のコミュニティ生成装置。
【請求項3】
前記グループ化手段は、予め設定された範囲の時間内においてアラートが通知された複数のユーザ端末をグループ化する請求項1に記載のコミュニティ生成装置。
【請求項4】
前記グループ化手段は、前記アラート設定条件を同一のカテゴリに対して設定していた複数のユーザ端末をグループ化する請求項1から3のいずれかに記載のコミュニティ生成装置。
【請求項5】
前記グループ化手段は、前記アラート設定条件を同一の内容に対して設定していた複数のユーザ端末をグループ化する請求項1から3のいずれかに記載のコミュニティ生成装置。
【請求項6】
前記コミュニティ通知手段は、前記コミュニティの所在を示す識別情報を前記ユーザ端末に通知する請求項1から5のいずれかに記載のコミュニティ生成装置。
【請求項7】
通信ネットワークを介して複数のユーザ端末に接続されたコンピュータが、所定の関係にあるユーザ間のコミュニティーを生成する方法であって、
予め設定されたアラート設定条件を充足したことに応じて、当該アラート設定条件を設定していた複数のユーザ端末に対して所定のアラートを通知するステップと、
通知された前記所定のアラートに対応するアラート設定条件を設定していた複数の前記ユーザ端末をグループ化するステップと、
グループ化した前記複数のユーザ端末に共通のコミュニティを生成し、当該共通のコミュニティの生成を当該ユーザ端末に通知するステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−203426(P2012−203426A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64392(P2011−64392)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】