説明

コモンモードノイズフィルタ

【課題】リフローハンダ付け時等に受ける熱衝撃によってデラミネーションが発生してフィルタ特性が悪化することを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供する。
【解決手段】コモンモードノイズフィルタは、第1磁性体部12及び第2磁性体部14と、第1磁性体部12と第2磁性体部14との間に挟み込まれた非磁性体部13と、非磁性体部13内の第1磁性体部側と記第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部13内に埋設された平面状の第1コイル導体部16及び第2コイル導体部17とを備えており、第1コイル導体部16の一端と第1外部端子21とを接続する第1引出導体部15が非磁性体部13内に埋設され、且つ、第2コイル導体部17の一端と第3外部端子23とを接続する第2引出導体部18が非磁性体部13内に埋設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器においてノイズ対策デバイスとして用いられるコモンモードノイズフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1磁性体部及び第2磁性体部と、第1磁性体部と第2磁性体部との間に挟み込まれた非磁性体部と、非磁性体部内の第1磁性体部側と第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部内に埋設された平面状の第1コイル導体部及び第2コイル導体部と、第1コイル導体部の一端に第1引出導体部を介して接続された第1外部端子と、第1コイル導体部の他端に接続された第2外部端子と、第2コイル導体部の一端に第2引出導体部を介して接続された第3外部端子と、前記第2コイル導体部の他端に接続された第4外部端子と、を備えたコモンモードノイズフィルタが開示されている。
【0003】
このコモンモードノイズフィルタにあっては、第1引出導体部は第1磁性体部と非磁性体部との間に存在し、且つ、第2引出導体部は第2磁性体部と非磁性体部との間に存在している。また、第1磁性体部及び第2磁性体部にはFe23をベースとしたフェライトが用いられ、非磁性体部にはCu−Znフェライトまたはガラスセラミックが用いられ、第1引出導体部、第1コイル導体部、第2コイル導体部及び第2引出導体部には銀が用いられている。
【0004】
ところで、前記コモンモードノイズフィルタは、一般に、リフローハンダ付けによって回路基板等に実装されるため、該リフローハンダ付け時にそれ相当の熱衝撃を受けると共に、実装後に高温下または低温下に置かれた場合にも熱衝撃を受ける。
【0005】
しかしながら、前記コモンモードノイズフィルタは、第1引出導体部が第1磁性体部と非磁性体部との間に介在し、且つ、第2引出導体部が第2磁性体部と非磁性体部との間に介在している構造にあるため、第1引出導体部の線膨張係数と第1磁性体部及び非磁性体部の線膨張係数との違い、並びに、第2引出導体部の線膨張係数と第2磁性体部及び非磁性体部の線膨張係数との違いに起因し、前記熱衝撃を受けた際に、
・第1引出導体部と第1磁性体部との界面
・第1引出導体部と非磁性体部との界面
・第2引出導体部と第2磁性体部との界面
・第2引出導体部と非磁性体部との界面
に剥離が生じ、該剥離を原因として、
・第1磁性体部と非磁性体部との界面
・第2磁性体部と非磁性体部との界面
にデラミネーションが発生して、インピーダンス特性等のフィルタ特性の悪化を招来する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−340611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、リフローハンダ付け時等に受ける熱衝撃によってデラミネーションが発生してフィルタ特性が悪化することを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、第1磁性体部及び第2磁性体部と、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部との間に挟み込まれた非磁性体部と、前記非磁性体部内の前記第1磁性体部側と前記第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部内に埋設された平面状の第1コイル導体部及び第2コイル導体部と、前記第1コイル導体部の一端に第1引出導体部を介して接続された第1外部端子と、前記第1コイル導体部の他端に接続された第2外部端子と、前記第2コイル導体部の一端に第2引出導体部を介して接続された第3外部端子と、前記第2コイル導体部の他端に接続された第4外部端子とを備えたコモンモードノイズフィルタにおいて、前記第1引出導体部は、前記第1外部端子との接続箇所を除いて前記非磁性体部内に埋設されており、前記第2引出導体部は、前記第3外部端子との接続箇所を除いて前記非磁性体部内に埋設されている、ことをその特徴とする。
【0009】
前記[背景技術]で述べた従来のコモンモードノイズフィルタのように、第1引出導体部が第1磁性体部と非磁性体部との間に介在し、且つ、第2引出導体部が第2磁性体部と非磁性体部との間に介在している場合には、第1引出導体部の線膨張係数と第1磁性体部及び非磁性体部の線膨張係数との違い、並びに、第2引出導体部の線膨張係数と第2磁性体部及び非磁性体部の線膨張係数との違いに起因し、リフローハンダ付け時等において熱衝撃を受けた際に、
・第1引出導体部と第1磁性体部との界面
・第1引出導体部と非磁性体部との界面
・第2引出導体部と第2磁性体部との界面
・第2引出導体部と非磁性体部との界面
に剥離が生じ、該剥離を原因として、
・第1磁性体部と非磁性体部との界面
・第2磁性体部と非磁性体部との界面
にデラミネーションが発生して、インピーダンス特性等のフィルタ特性の悪化を招来する恐れがある。
【0010】
これに対し、本発明のコモンモードノイズフィルタにあっては、第1引出導体部が第1外部端子との接続箇所を除いて非磁性体部内に埋設され、且つ、第2引出導体部が第3外部端子との接続箇所を除いて非磁性体部内に埋設されている構造にあるため、即ち、線膨張係数が異なる3つの材料が存在する界面がないため、前記熱衝撃を受けても、
・第1磁性体部と非磁性体部との界面
・第2磁性体部と非磁性体部との界面
に剥離を生じることがなくなる。要するに、各磁性体部の線膨張係数と非磁性体部の線膨張係数とを近付けることが可能であることも相俟って、前記熱衝撃を受けても、
・第1磁性体部と非磁性体部との界面
・第2磁性体部と非磁性体部との界面
にデラミネーションが発生し難く、該デラミネーションを原因としてインピーダンス特性等のフィルタ特性が悪化することを確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リフローハンダ付け時等に受ける熱衝撃によってデラミネーションが発生してフィルタ特性が悪化することを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供することができる。
【0012】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(一実施形態)の外観斜視図である。
【図2】図2(S11)は、図1のS11線に沿う断面図;図2(S12)は、図1のS12線に沿う断面図;図2(S13)は、図1のS13線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図1に示したフィルタ本体を層単位で分解した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(一実施形態)を、図1〜図3を引用して説明する。このコモンモードノイズフィルタは、図1に示したように、直方体形状のフィルタ本体11と、該フィルタ本体11の相対する2側面に設けられた第1〜第4外部端子21〜24とを備えている。
【0015】
フィルタ本体11を層単位で分解した図3から分かるように、該フィルタ本体11は、・4枚の磁性体層12-1〜12-4
・5枚の第1〜第5非磁性体層13-1〜13-5
・4枚の磁性体層14-1〜14-4
・第1非磁性体層13-1と第2非磁性体層13-2との間に存する第1引出導体部15
・第2非磁性体層13-2と第3非磁性体層13-3との間に存する平面状の第1コイル導体 部16
・第3非磁性体層13-3と第4非磁性体層13-4との間に存する平面状の第2コイル導体 部17
・第4非磁性体層13-4と第5非磁性体層13-5との間に存する第2引出導体部18
・第2非磁性体層13-2に設けられた第1ビア導体部19
・第4非磁性体層13-4に設けられた第2ビア導体部20
を有している。
【0016】
各磁性体層12-1〜12-4及び14-1〜14-4は公知の磁性体材料、好ましくはNi−Zn−Cn系フェライト等のフェライト材料から成る。また、第1〜第5非磁性体層13-1〜13-5は公知の非磁性体材料、好ましくはホウケイ酸ガラス等の誘電体材料から成る。また、第1引出導体部15、第1コイル導体部16、第2コイル導体部17、第2引出導体部18、第1ビア導体部19及び第2ビア導体部20は公知の導体材料、好ましくは銀等の金属材料から成る。
【0017】
図3に示した4枚の磁性体層12-1〜12-4は図2に示した第1磁性体部12を構成し、5枚の第1〜第5非磁性体層13-1〜13-5は図2に示した非磁性体部13を構成し、4枚の磁性体層14-1〜14-4は図2に示した第2磁性体部14を構成しており、非磁性体部13は第1磁性体部12及び第2磁性体部14に密着した状態で両磁性体部12及び14の間に挟み込まれている。
【0018】
第1コイル導体部16及び第2コイル導体部17は、各々の線幅及び巻き数が略同じ渦巻き型を成している。第1コイル導体部16の一端16aは第1ビア導体部19を介して第1引出導体部15の一端15aに接続されており、該第1引出導体部15の他端15bの側縁と第1コイル導体部16の他端16bの側縁は非磁性体部13の相対する側面で露出している。第2コイル導体部17の一端17aは第2ビア導体部20を介して第2引出導体部18の一端18aに接続されており、該第2引出導体部18の他端18bの側縁と第2コイル導体部17の他端17bの側縁は非磁性体部13の相対する側面で露出している。
【0019】
第1〜第4外部端子21〜24は公知の導体材料、好ましくは銀等の金属材料から成る。図1から分かるように、第1外部端子21と第3外部端子23はフィルタ本体11の一側面に間隔をおいて設けられ、第2外部端子22と第4外部端子24はフィルタ本体11の反対側の側面に間隔をおいて設けられている。
【0020】
詳しくは、第1外部端子21は、非磁性体部13の一側面から露出する第1引出導体部15の他端15bの側縁に接続され、第2外部端子22は、非磁性体部13の反対側の側面から露出する第1コイル導体部16の他端16bの側縁に接続されている。第3外部端子23は、非磁性体部13の一側面から露出する第2引出導体部18の他端18bの側縁に接続され、第4外部端子24は、非磁性体部13の反対側の側面から露出する第2コイル導体部17の他端17bの側縁に接続されている。
【0021】
ここで、前記コモンモードノイズフィルタの製法について簡単に説明する。前記コモンモードノイズフィルタを製造するときには、
・未焼成の各磁性体層12-1〜12-4及び14-1〜14-4
・未焼成の第1引出導体部15が形成された未焼成の第1非磁性体層13-1
・未焼成の第1コイル導体部16及び第1ビア導体部19が形成された未焼成の第2非磁 性体層13-2
・未焼成の第2コイル導体部17が形成された未焼成の第3非磁性体層13-3
・未焼成の第2引出導体部18及び第2ビア導体部20が形成された未焼成の第4非磁性 体層13-4
・未焼成の第5非磁性体層13-5
を用意し、これらを図3に示した順序で積み重ねて全体を熱圧着し、熱圧着したものを所定温度で焼成(脱バインダー処理を含む)してフィルタ本体11を作製する。そして、フィルタ本体11の相対する2側面に未焼成の第1〜第4外部端子21〜24を形成して、これらを所定温度で焼成(脱バインダー処理を含む)する。必要に応じて、第1〜第4外部端子21〜24の表面に、電解メッキ法によってニッケル層を形成し、その上に電解メッキ法によってハンダ層を形成する。
【0022】
先に述べたように、第1引出導体部15は第1非磁性体層13-1と第2非磁性体層13-2との間に存在し、第1コイル導体部16は第2非磁性体層13-2と第3非磁性体層13-3との間に存在し、第2コイル導体部17は第3非磁性体層13-3と第4非磁性体層13-4との間に存在し、第2引出導体部18は第4非磁性体層13-4と第5非磁性体層13-5との間に存在する。
【0023】
そのため、第1コイル導体部16は非磁性体部13内の第1磁性体部12側に位置し、第2コイル部17は非磁性体部13内の第2磁性体部14側に位置していて、該第1コイル導体部16及び第2コイル導体部17は互いが非接触状態で向き合うように非磁性体部13内に埋設されている(図2(S11)を参照)。
【0024】
また、第1引出導体部15は他端15bの側縁(第1外部端子21との接続箇所)を除いて非磁性体部13内に埋設され、しかも、第2引出導体部18は他端18bの側縁(第3外部端子23との接続箇所)を除いて非磁性体部13内に埋設されている(図2(S12)を参照)。
【0025】
さらに、製造過程において積層したもの全体を熱圧着する関係から、第1コイル導体部16よりも第1磁性体部12に近い位置に存在する第1引出導体部15を覆う非磁性体部13の一部分13aは、第1磁性体部12に向けて隆起して該第1磁性体部12に食い込んでおり、しかも、第2コイル導体部17よりも第2磁性体部14に近い位置に存在する第2引出導体部18を覆う非磁性体部13の一部分13bは、第2磁性体部14に向けて隆起して該第2磁性体部14に食い込んでいる(図2(S12)を参照)。
【0026】
ところで、前記コモンモードノイズフィルタは、一般に、リフローハンダ付けによって回路基板等に実装されるため、該リフローハンダ付け時にそれ相当の熱衝撃を受けると共に、実装後に高温下または低温下に置かれた場合にも熱衝撃を受ける。
【0027】
前記[背景技術]で述べた従来のコモンモードノイズフィルタのように、第1引出導体部が第1磁性体部と非磁性体部との間に介在し、且つ、第2引出導体部が第2磁性体部と非磁性体部との間に介在している場合には、第1引出導体部の線膨張係数と第1磁性体部及び非磁性体部の線膨張係数との違い、並びに、第2引出導体部の線膨張係数と第2磁性体部及び非磁性体部の線膨張係数との違いに起因し、前記熱衝撃を受けた際に、
・第1引出導体部と第1磁性体部との界面
・第1引出導体部と非磁性体部との界面
・第2引出導体部と第2磁性体部との界面
・第2引出導体部と非磁性体部との界面
に剥離が生じ、該剥離を原因として、
・第1磁性体部と非磁性体部との界面
・第2磁性体部と非磁性体部との界面
にデラミネーションが発生して、インピーダンス特性等のフィルタ特性の悪化を招来する恐れがある。
【0028】
これに対し、前記コモンモードノイズフィルタにあっては、第1引出導体部15が第1外部端子21との接続箇所を除いて非磁性体部13内に埋設され、且つ、第2引出導体部18が第3外部端子23との接続箇所を除いて非磁性体部13内に埋設されている構造にあるため、即ち、線膨張係数が異なる3つの材料が存在する界面がないため、前記熱衝撃を受けても、
・第1磁性体部12と非磁性体部13との界面
・第2磁性体部14と非磁性体部13との界面
に剥離を生じることがなくなる。要するに、各磁性体部12及び14の線膨張係数と非磁性体部13の線膨張係数とを近付けることが可能であることも相俟って、前記熱衝撃を受けても、
・第1磁性体部12と非磁性体部13との界面
・第2磁性体部14と非磁性体部13との界面
にデラミネーションが発生し難く、該デラミネーションを原因としてインピーダンス特性等のフィルタ特性が悪化することを確実に抑制することができる。
【0029】
また、前記コモンモードノイズフィルタにあっては、第1コイル導体部16よりも第1磁性体部12に近い位置に存在する第1引出導体部15を覆う非磁性体部13の一部分13aが、第1磁性体部12に向けて隆起して該第1磁性体部12に食い込んでおり、しかも、第2コイル導体部17よりも第2磁性体部14に近い位置に存在する第2引出導体部18を覆う非磁性体部13の一部分13bが、第2磁性体部14に向けて隆起して該第2磁性体部14に食い込んでいる。要するに、第1磁性体部12と非磁性体部13の密着力は平面同士が密着している場合よりも高く、且つ、第2磁性体部14と非磁性体部13の密着力は平面同士が密着している場合よりも高くなっているので、
・第1磁性体部12と非磁性体部13との界面
・第2磁性体部14と非磁性体部13との界面
にデラミネーションを生じさせるような応力が作用しても、前記密着力に基づいて該デラミネーションの発生を効果的に防止して、フィルタ特性の悪化をより確実に抑制することができる。
【0030】
尚、前記説明では、4枚の磁性体層12-1〜12-4によって第1磁性体部12を構成し、且つ、4枚の磁性体層14-1〜14-4によって第2磁性体部14を構成したものを示したが、各磁性体部12及び14を構成する磁性体層の層数を該磁性体層の厚さや各磁性体部12及び14の厚さ等に応じて任意に増減しても、前記同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、前記説明では、4枚の磁性体層12-1〜12-4と第1引出導体部15との間に1枚の第1非磁性体層13-1を介装し、且つ、第2引出導体部18と4枚の磁性体層14-1〜14-4との間に1枚の第5非磁性体層13-5を介装したものを例示したが、4枚の磁性体層12-1〜12-4と第1引出導体部15との間に2枚以上の第1非磁性体層13-1を介装したり、第2引出導体部18と4枚の磁性体層14-1〜14-4との間に2枚以上の第5非磁性体層13-5を介装したりしても、前記同様の効果を得ることができる。
【0032】
さらに、前記説明では、第1コイル導体部16及び第2コイル導体部17として所定線幅の直線状導体線が略直角の角部を介して渦巻き型となるようにしたものを示したが、所定線幅の直線状導体線が湾曲した角部を介して渦巻き型となるようにしたものや、所定線幅の導体線全てが湾曲していて渦巻き型となるようにしたものであっても、前記同様の効果を得ることができる。
【0033】
さらに、前記説明では、コモンモードノイズフィルタとして1対のコイル導体部16及び17と該1対のコイル導体部16及び17に対応する2対の外部端子21〜24を有するものを示したが、フィルタ本体を横長に形成して2対のコイル導体を横並びに埋設し、且つ、該2対のコイル導体に対応する4対の外部端子を設けた2連タイプのコモンモードノイズフィルタを構成した場合、また、同様にして3連タイプ以上のコモンモードノイズフィルタを構成した場合でも、前記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0034】
11…フィルタ本体、12…第1磁性体部、13…非磁性体部、13a…第1磁性体部に向けて隆起した非磁性体部の一部分、13b…第2磁性体部に向けて隆起した非磁性体部の一部分、14…第2磁性体部、15…第1引出導体部、16…第1コイル導体部、17…第2コイル導体部、18…第2引出導体部、19…第1ビア導体部、20…第2ビア導体部、21…第1外部端子、22…第2外部端子、23…第3外部端子、24…第4外部端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1磁性体部及び第2磁性体部と、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部との間に挟み込まれた非磁性体部と、前記非磁性体部内の前記第1磁性体部側と前記第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部内に埋設された平面状の第1コイル導体部及び第2コイル導体部と、前記第1コイル導体部の一端に第1引出導体部を介して接続された第1外部端子と、前記第1コイル導体部の他端に接続された第2外部端子と、前記第2コイル導体部の一端に第2引出導体部を介して接続された第3外部端子と、前記第2コイル導体部の他端に接続された第4外部端子とを備えたコモンモードノイズフィルタにおいて、
前記第1引出導体部は、前記第1外部端子との接続箇所を除いて前記非磁性体部内に埋設されており、
前記第2引出導体部は、前記第3外部端子との接続箇所を除いて前記非磁性体部内に埋設されている、
ことを特徴とするコモンモードノイズフィルタ。
【請求項2】
前記非磁性体部内に埋設された前記第1引出導体部は、前記第1コイル導体部よりも前記第1磁性体部に近い位置に存在していて、前記第1引出導体部を覆う前記非磁性体部の一部分は、前記第1磁性体部に向けて隆起して該第1磁性体部に食い込んでおり、
前記非磁性体部内に埋設された前記第2引出導体部は、前記第2コイル導体部よりも前記第2磁性体部に近い位置に存在していて、前記第2引出導体部を覆う前記非磁性体部の一部分は、前記第2磁性体部内に向けて隆起して該第2磁性体部に食い込んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載のコモンモードノイズフィルタ。
【請求項3】
前記第1コイル導体部の一端と前記第1引出導体部との接続は、前記非磁性体部内に設けられた第1ビア導体部を通じて為されており、
前記第2コイル導体部の一端と前記第2引出導体部との接続は、前記非磁性体部内に設けられた第2ビア導体部を通じて為されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコモンモードノイズフィルタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate