コモンモードノイズフィルタ
【課題】本発明は、減衰極となる周波数の調整が容易にすることができるコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明のコモンモードノイズフィルタは、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部21を構成し、前記第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部22を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に金属層20を設けるようにしたものである。
【解決手段】本発明のコモンモードノイズフィルタは、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部21を構成し、前記第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部22を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に金属層20を設けるようにしたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器に使用されるコモンモードノイズフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のコモンモードノイズフィルタは、図11に示すように、積層された複数の絶縁体層1a〜1gに形成された第1のコイル2と第2のコイル3とを有し、第1のコイル2は第1、第2の渦巻き状導体4a、4bを接続して構成され、第2のコイル3は第3、第4の渦巻き状導体5a、5bを接続して構成され、さらに、第1のコイル2を構成する渦巻き状導体4a、4bと第2のコイル3を構成する渦巻き状導体5a、5bを交互に配置した構成となっていた。また、最下面に設けられた絶縁層1aと最上面に設けられた絶縁層1gは磁性材料で構成され、他の絶縁層1b〜1fは非磁性材料で構成されていた。そして、第1の渦巻き状導体4aと第3の渦巻き状導体5aとを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部6を構成し、かつ第2の渦巻き状導体4bと第4の渦巻き状導体5bとを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部7を構成して、コモンモードノイズを除去するようにしていた。
【0003】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−373810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の高速デジタル信号伝送においては、携帯電話等へのUSBなどの様々なデジタルインターフェイスが搭載され、そのノイズ対策が望まれている。特に携帯電話では、通信に使われる周波数帯のノイズ、特に800〜900MHz帯のノイズを除去することが望まれているとともに、近年通信周波数帯の増加により800MHz帯〜2GHz帯近傍の広い帯域に対してもコモンモードノイズ低減が望まれている。すなわち、コモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰量の周波数特性において、コモンモードノイズフィルタを形成するコイル導体の共振で発生するコモンモードノイズ減衰極となる周波数を所定の値になるように調整することが必要となる。
【0006】
しかしながら、上記した従来のコモンモードノイズフィルタにおいては、第1のコモンモードフィルタ部6と第2のコモンモードフィルタ部7との磁気結合が大きいため、第1のコモンモードフィルタ部6と第2のコモンモードフィルタ部7は相互に影響を与えることになる。ここで、図12に、図11に示した従来のコモンモードノイズフィルタにおける等価回路で、各渦巻き状導体の積層方向の位置関係を示す。このとき、第1のコモンモードフィルタ部6のみを考えた場合の周波数特性における減衰極を形成する周波数と、第2のコモンモードフィルタ部7のみを考えた場合の周波数特性における減衰極を形成する周波数から、従来のコモンモードノイズフィルタは大きく減衰極の周波数が変化し、減衰極となる周波数の調整が困難であるという課題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、減衰極となる周波数の調整が容易なコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体、第2の渦巻き状導体、第4の渦巻き状導体の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体と第3の渦巻き状導体との間に金属層を設けるようにしたもので、この構成によれば、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部との磁気結合を金属層によって弱めることができるため、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部とが相互に与える影響が小さくなり、これにより、第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれのコモンモード減衰特性を得ることができるため、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部を設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部に対応した周波数での減衰極を得ることができ、この結果、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという作用効果を有するものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、第1のビア電極、第2のビア電極の少なくとも一方と金属層を接続したもので、この構成によれば、金属層と第1のコモンモードフィルタ部または第2のコモンモードフィルタ部との間で発生する浮遊容量が減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量を確保することができるという作用効果を有するものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体と第2の渦巻き状導体との間に、前記第3、第4の渦巻き状導体を積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第3の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体との間に金属層を設け、前記第2のビア電極と前記金属層とを接続したもので、この構成によれば、金属層と第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体との間で発生する浮遊容量、あるいは金属層と第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体との間で発生する浮遊容量が減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量を確保することができ、さらに、この浮遊容量が同じコイルを構成する渦巻き状導体と金属層との間で発生するため、差動信号線間(異なるコイル間)に浮遊容量が発生せず、これにより、浮遊容量により差動信号の劣化を防ぐことができるという作用効果を有するものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部の各々の周波数特性を異なるようにしたもので、この構成によれば、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部との磁気結合が金属層によって弱くなっているため、コモンモード減衰特性において2つの異なる周波数帯で減衰極を作ることができ、これにより、広い周波数帯域でのコモンモードノイズの除去ができるという作用効果を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明のコモンモードノイズフィルタは、第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体、第2の渦巻き状導体、第4の渦巻き状導体の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体と第3の渦巻き状導体との間に金属層を設けるようにしているため、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部との磁気結合を金属層によって弱めることができ、これにより、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部とが相互に与える影響が小さくなるため、第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれのコモンモード減衰特性を得ることができ、これにより、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部を設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部に対応した周波数での減衰極を得ることができるため、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図2】同コモンモードノイズフィルタの斜視図
【図3】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図4】本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図5】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図6】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図7】同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰量の周波数特性を比較した図
【図8】本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図9】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図10】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図11】従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図12】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1、4に記載の発明について説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図2は同コモンモードノイズフィルタの斜視図である。
【0017】
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタは、図1、図2に示すように、第1〜第6の絶縁体層11a〜11fと、第1の絶縁体層11aに形成された第1の渦巻き状導体12および第4の絶縁体層11dに形成された第2の渦巻き状導体13からなる第1のコイル14と、第2の絶縁体層11bに形成された第3の渦巻き状導体15および第5の絶縁体層11eに形成された第4の渦巻き状導体16からなる第2のコイル17と、第1の渦巻き状導体12および第2の渦巻き状導体13を接続する第2〜第4の絶縁体層11b〜11dに形成された第1のビア電極18と、第3の渦巻き状導体15および第4の渦巻き状導体16を接続する第3〜第5の絶縁体層11c〜11eに形成された第2のビア電極19とを備えている。
【0018】
また、各渦巻き状導体は、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の順に積層し、さらに、第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に金属層20が設けられている。
【0019】
上記構成において、第1〜第6の絶縁体層11a〜11fは、下から第1の絶縁体層11a、第2の絶縁体層11b、第3の絶縁体層11c、第4の絶縁体層11d、第5の絶縁体層11e、第6の絶縁体層11fの順に積層され、また、Cu−Znフェライト、ガラスセラミック等の非磁性材料によりシート状に構成されている。
【0020】
さらに、前記第1〜第4の渦巻き状導体12,13,15,16は、それぞれ銀等の導電材料を渦巻状にめっきまたは印刷することにより形成されている。そして、第1の渦巻き状導体12は第1の絶縁体層11aの上面、第2の渦巻き状導体13は第4の絶縁体層11dの上面、第3の渦巻き状導体15は第2の絶縁体層11bの上面、第4の渦巻き状導体16は第5の絶縁体層11eの上面にそれぞれ形成されている。すなわち、第1のコイル14を構成する渦巻き状導体と第2のコイル17を構成する渦巻き状導体が交互に積層されている。ここで、上面視にて第1の渦巻き状導体12と第3の渦巻き状導体15の一部を略同じ位置に配置し、巻き方向も同一方向としている。同様に、上面視にて第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16の一部を略同じ位置に配置し、巻き方向も同一方向としている。そして、第1の渦巻き状導体12と第3の渦巻き状導体15とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部21を構成し、さらに第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部22を構成して、コモンモードノイズを除去するようにしている。
【0021】
なお、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15の巻数と、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の巻数は異なっている。
【0022】
また、第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13とは、第2〜第4のの絶縁体層11b〜11dにそれぞれ形成された3つの第1のビア電極18を介して互いに接続され、第1のコイル14が構成される。さらに、第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16とは、第3〜第5の絶縁体層11c〜11eに形成された3つの第2のビア電極19を介して互いに接続され、第2のコイル17が構成される。
【0023】
なお、3つの第1のビア電極18はそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられ、3つの第2のビア電極19もそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられている。また、第1のビア電極18、第2のビア電極19は、絶縁体層の所定の箇所に、レーザで孔あけ加工をし、この孔に銀を充填して形成する。
【0024】
そして、第1の絶縁体層11aの下面、第6の絶縁体層11fの上面に、それぞれ第7の絶縁体層23が設けられているもので、この第7の絶縁体層23は、シート状に構成され、Ni−Cu−Znフェライト等の磁性材料で形成されている。また、第1〜第7の絶縁体層11a〜11f、23の枚数は、図1に示された枚数に限られるものではない。
【0025】
さらに、前記金属層20は、第3の絶縁体層11cの上面で第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に設けられている。すなわち、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22との間に金属層20が位置している。この金属層20は、Ag等の金属を印刷、めっき等することにより板状に形成し、上面視にて第1〜第4の渦巻き状導体12,13,15,16それぞれの両端部を除いた部分と重なるように位置している。また、第1のビア電極18、第2のビア電極19が設けられる箇所には金属層20は形成されず、両者は接触しない。なお、金属層20の形状は、板状ではなく、網目状や蛇行状等にしてもよく、網目状にする場合は、網目金属間の距離は減衰させたい周波数の波長より小さい寸法にするのが望ましい。
【0026】
そして、上記した構成により、コモンモードノイズフィルタの本体部24が形成される。また、この本体部24の両側面には、第1〜第4の外部電極25〜28が設けられ、そしてこの第1〜第4の外部電極25〜28はそれぞれ第1〜第4の渦巻き状導体12,13,15,16の各一端部と接続されている。さらに、前記第1〜第4の外部電極25〜28は、本体部24の端面に銀を印刷することにより形成され、またこれらの表面にめっきによってニッケルめっき層を形成するとともに、このニッケルめっき層の表面にめっきによってすずやはんだ等の低融点金属めっき層を形成する。
【0027】
図3は、上記した本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの等価回路図である。
【0028】
図3からも明らかなように、第1の外部電極25および第3の外部電極27から入ってくるコモンモードノイズを、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22によって除去できる。
【0029】
なお、本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタにおける各渦巻き状導体の積層方向の位置関係は、図12に示す従来のコモンモードノイズフィルタと同じである。
【0030】
上記したように本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタにおいては、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部21を構成し、前記第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部22を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に金属層20を設けるようにしているため、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22との磁気結合を金属層20によって弱めることができ、これにより、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22とが相互に与える影響が小さくなるため、第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22それぞれのコモンモード減衰量の周波数特性における減衰極を得ることができ、これにより、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22をそれぞれ設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22に対応した周波数での減衰極を得ることができ、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという効果が得られるものである。
【0031】
なお、第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22を構成する各渦巻き状導体の巻数や各絶縁体層の誘電率等を変えることによって、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22をそれぞれ設計することができる。
【0032】
さらに、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15の巻数と、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の巻数とを異なるようにしているため、第1の渦巻き状導体12と第3の渦巻き状導体15からなる第1のコモンモードフィルタ部21の周波数特性と、第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16からなる第2のコモンモードフィルタ部22の周波数特性が異なるようにすることができ、また、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22との磁気結合が金属層20によって弱くなっているため、コモンモード減衰特性において2つの異なる周波数帯で減衰極を作ることができ、広い周波数帯域でのコモンモードノイズの除去ができる。
【0033】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
【0034】
図4は本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
【0035】
本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図4に示すように、金属層20に突出部20aを形成し、突出部20aによって第2のビア電極19と金属層20とを接続した点である。そして、この構成により、第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16との間に金属層20が電気的に接続された構造になる。
【0036】
ここで、図5、図6は、本発明の実施の形態2における等価回路を示し、特に、図6は、各渦巻き状導体の積層方向の位置関係を示している。
【0037】
図5、図6から明らかなように、金属層20と第1のコモンモードフィルタ部21(第3の渦巻き状導体15)、第2のコモンモードフィルタ部22(第2の渦巻き状導体13)との間で浮遊容量C1、C2がそれぞれ発生する。そして、浮遊容量C1が第1のコモンモードフィルタ部21の減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量を確保することができるという効果が得られる。
【0038】
ここで、図7に、本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰量の周波数特性を比較した図を示す。このとき、ともに第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれの周波数特性における減衰極を形成する周波数が900MHzとなるように設計している。
【0039】
図7から明らかなように、従来のコモンモードノイズフィルタでは減衰極を形成する周波数が900MHzからずれているが、本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタでは、第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれ設計した通り、減衰極を形成する周波数が略900MHzとなっている。このように、本発明の実施の形態2においても本発明の実施の形態1と同様に、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22をそれぞれ設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22に対応した周波数での減衰極を得ることができ、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという効果が得られる。
【0040】
また、本発明の実施の形態1では、金属層20は、第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22(第1、第2のビア電極18、19)と接続されていないため、図3に示すように、外部電極25、27から入力したコモンモード信号は、第3の渦巻き状導体15と金属層20との間の浮遊容量C1、および第2の渦巻き状導体13と金属層20との間の浮遊容量C2によって、第3の渦巻き状導体15や第2の渦巻き状導体13を飛び越し、外部電極26、28から出力する経路が形成され、これにより、コモンモードノイズを減衰させる能力が低下するが、本発明の実施の形態2では、第3、第4の渦巻き状導体15、16が金属層20に接続されているため、第3の渦巻き状導体15と共振容量とし作用する浮遊容量C1からなるフィルタとして機能し、これにより、コモンモードノイズ減衰作用が低下するのを防ぐことができる。
【0041】
なお、上記した本発明の実施の形態2においては、第2のビア電極19と金属層20とを接続するようにしたが、第1のビア電極18と金属層20とを接続したり、第1のビア電極18、第2のビア電極19の両方を金属層20と接続したりしてもよい。
【0042】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
【0043】
図8は本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態3においては、上記した本発明の実施の形態1、2と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
【0044】
本発明の実施の形態3が上記した本発明の実施の形態1、2と相違する点は、図8に示すように、第1のコイル14を構成する渦巻き状導体と第2のコイル17を構成する渦巻き状導体を交互に積層するのではなく、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13との間に、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15、第4の渦巻き状導体16を積層した点である。そして、この構成により、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16との間に金属層20が接続された構造になる。
【0045】
ここで、図9、図10は、本発明の実施の形態3における等価回路を示し、特に、図10は、各渦巻き状導体の積層方向の位置関係を示している。
【0046】
図9、図10から明らかなように、このような構成により、金属層20と第3の渦巻き状導体15、金属層20と第4の渦巻き状導体16との間で浮遊容量C1、C2がそれぞれ発生する。そして、浮遊容量C1だけでなく浮遊容量C2も等価的に減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量が低下するのを防ぐことができる。
【0047】
また、本発明の実施の形態2では、異なるコイルを構成する渦巻き状導体と金属層20との間で浮遊容量C1、C2が発生しているため、図6に示すように、浮遊容量C2は差動信号線間(第1のコイル14と第2のコイル17間)の容量となるため、高周波の差動信号が劣化する可能性があるが、本発明の実施の形態3では、同じコイルを構成する渦巻き状導体と金属層20との間で浮遊容量C1、C2が発生し、差動信号線間(異なるコイル間)に浮遊容量が発生しないため、差動信号が劣化を防ぐことができる。
【0048】
そして、上記した本発明の実施の形態1〜3において、コモンモードフィルタ部21、22を同一平面に形成せずに積層しているため、小型化も可能である。
【0049】
なお、上記した本発明の実施の形態3においては、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13との間に、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15、第4の渦巻き状導体16を積層したが、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16との間に、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12、第2の渦巻き状導体13を積層してもよい。この場合、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13との間に金属層20を接続しても同様の効果が得られる。
【0050】
さらに、上記した本発明の実施の形態1〜3においては、コモンモードフィルタ部を2つ設けたものについて説明したが、3つ以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係るコモンモードノイズフィルタは、減衰極となる周波数の調整が容易になるという効果を有するものであり、特にデジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器のノイズ対策として使用されるコモンモードノイズフィルタ等において有用となるものである。
【符号の説明】
【0052】
11a〜11f 第1〜第6の絶縁体層
12 第1の渦巻き状導体
13 第2の渦巻き状導体
14 第1のコイル
15 第3の渦巻き状導体
16 第4の渦巻き状導体
17 第2のコイル
18 第1のビア電極
19 第2のビア電極
20 金属層
21 第1のコモンモードフィルタ部
22 第2のコモンモードフィルタ部
23 第7の絶縁体層
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器に使用されるコモンモードノイズフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のコモンモードノイズフィルタは、図11に示すように、積層された複数の絶縁体層1a〜1gに形成された第1のコイル2と第2のコイル3とを有し、第1のコイル2は第1、第2の渦巻き状導体4a、4bを接続して構成され、第2のコイル3は第3、第4の渦巻き状導体5a、5bを接続して構成され、さらに、第1のコイル2を構成する渦巻き状導体4a、4bと第2のコイル3を構成する渦巻き状導体5a、5bを交互に配置した構成となっていた。また、最下面に設けられた絶縁層1aと最上面に設けられた絶縁層1gは磁性材料で構成され、他の絶縁層1b〜1fは非磁性材料で構成されていた。そして、第1の渦巻き状導体4aと第3の渦巻き状導体5aとを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部6を構成し、かつ第2の渦巻き状導体4bと第4の渦巻き状導体5bとを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部7を構成して、コモンモードノイズを除去するようにしていた。
【0003】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−373810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の高速デジタル信号伝送においては、携帯電話等へのUSBなどの様々なデジタルインターフェイスが搭載され、そのノイズ対策が望まれている。特に携帯電話では、通信に使われる周波数帯のノイズ、特に800〜900MHz帯のノイズを除去することが望まれているとともに、近年通信周波数帯の増加により800MHz帯〜2GHz帯近傍の広い帯域に対してもコモンモードノイズ低減が望まれている。すなわち、コモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰量の周波数特性において、コモンモードノイズフィルタを形成するコイル導体の共振で発生するコモンモードノイズ減衰極となる周波数を所定の値になるように調整することが必要となる。
【0006】
しかしながら、上記した従来のコモンモードノイズフィルタにおいては、第1のコモンモードフィルタ部6と第2のコモンモードフィルタ部7との磁気結合が大きいため、第1のコモンモードフィルタ部6と第2のコモンモードフィルタ部7は相互に影響を与えることになる。ここで、図12に、図11に示した従来のコモンモードノイズフィルタにおける等価回路で、各渦巻き状導体の積層方向の位置関係を示す。このとき、第1のコモンモードフィルタ部6のみを考えた場合の周波数特性における減衰極を形成する周波数と、第2のコモンモードフィルタ部7のみを考えた場合の周波数特性における減衰極を形成する周波数から、従来のコモンモードノイズフィルタは大きく減衰極の周波数が変化し、減衰極となる周波数の調整が困難であるという課題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、減衰極となる周波数の調整が容易なコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体、第2の渦巻き状導体、第4の渦巻き状導体の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体と第3の渦巻き状導体との間に金属層を設けるようにしたもので、この構成によれば、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部との磁気結合を金属層によって弱めることができるため、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部とが相互に与える影響が小さくなり、これにより、第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれのコモンモード減衰特性を得ることができるため、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部を設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部に対応した周波数での減衰極を得ることができ、この結果、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという作用効果を有するものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、第1のビア電極、第2のビア電極の少なくとも一方と金属層を接続したもので、この構成によれば、金属層と第1のコモンモードフィルタ部または第2のコモンモードフィルタ部との間で発生する浮遊容量が減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量を確保することができるという作用効果を有するものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体と第2の渦巻き状導体との間に、前記第3、第4の渦巻き状導体を積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第3の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体との間に金属層を設け、前記第2のビア電極と前記金属層とを接続したもので、この構成によれば、金属層と第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体との間で発生する浮遊容量、あるいは金属層と第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体との間で発生する浮遊容量が減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量を確保することができ、さらに、この浮遊容量が同じコイルを構成する渦巻き状導体と金属層との間で発生するため、差動信号線間(異なるコイル間)に浮遊容量が発生せず、これにより、浮遊容量により差動信号の劣化を防ぐことができるという作用効果を有するものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部の各々の周波数特性を異なるようにしたもので、この構成によれば、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部との磁気結合が金属層によって弱くなっているため、コモンモード減衰特性において2つの異なる周波数帯で減衰極を作ることができ、これにより、広い周波数帯域でのコモンモードノイズの除去ができるという作用効果を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明のコモンモードノイズフィルタは、第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体、第2の渦巻き状導体、第4の渦巻き状導体の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体と第3の渦巻き状導体との間に金属層を設けるようにしているため、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部との磁気結合を金属層によって弱めることができ、これにより、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部とが相互に与える影響が小さくなるため、第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれのコモンモード減衰特性を得ることができ、これにより、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部を設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部に対応した周波数での減衰極を得ることができるため、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図2】同コモンモードノイズフィルタの斜視図
【図3】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図4】本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図5】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図6】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図7】同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰量の周波数特性を比較した図
【図8】本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図9】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図10】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【図11】従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図12】同コモンモードノイズフィルタの等価回路図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1、4に記載の発明について説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図2は同コモンモードノイズフィルタの斜視図である。
【0017】
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタは、図1、図2に示すように、第1〜第6の絶縁体層11a〜11fと、第1の絶縁体層11aに形成された第1の渦巻き状導体12および第4の絶縁体層11dに形成された第2の渦巻き状導体13からなる第1のコイル14と、第2の絶縁体層11bに形成された第3の渦巻き状導体15および第5の絶縁体層11eに形成された第4の渦巻き状導体16からなる第2のコイル17と、第1の渦巻き状導体12および第2の渦巻き状導体13を接続する第2〜第4の絶縁体層11b〜11dに形成された第1のビア電極18と、第3の渦巻き状導体15および第4の渦巻き状導体16を接続する第3〜第5の絶縁体層11c〜11eに形成された第2のビア電極19とを備えている。
【0018】
また、各渦巻き状導体は、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の順に積層し、さらに、第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に金属層20が設けられている。
【0019】
上記構成において、第1〜第6の絶縁体層11a〜11fは、下から第1の絶縁体層11a、第2の絶縁体層11b、第3の絶縁体層11c、第4の絶縁体層11d、第5の絶縁体層11e、第6の絶縁体層11fの順に積層され、また、Cu−Znフェライト、ガラスセラミック等の非磁性材料によりシート状に構成されている。
【0020】
さらに、前記第1〜第4の渦巻き状導体12,13,15,16は、それぞれ銀等の導電材料を渦巻状にめっきまたは印刷することにより形成されている。そして、第1の渦巻き状導体12は第1の絶縁体層11aの上面、第2の渦巻き状導体13は第4の絶縁体層11dの上面、第3の渦巻き状導体15は第2の絶縁体層11bの上面、第4の渦巻き状導体16は第5の絶縁体層11eの上面にそれぞれ形成されている。すなわち、第1のコイル14を構成する渦巻き状導体と第2のコイル17を構成する渦巻き状導体が交互に積層されている。ここで、上面視にて第1の渦巻き状導体12と第3の渦巻き状導体15の一部を略同じ位置に配置し、巻き方向も同一方向としている。同様に、上面視にて第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16の一部を略同じ位置に配置し、巻き方向も同一方向としている。そして、第1の渦巻き状導体12と第3の渦巻き状導体15とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部21を構成し、さらに第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部22を構成して、コモンモードノイズを除去するようにしている。
【0021】
なお、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15の巻数と、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の巻数は異なっている。
【0022】
また、第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13とは、第2〜第4のの絶縁体層11b〜11dにそれぞれ形成された3つの第1のビア電極18を介して互いに接続され、第1のコイル14が構成される。さらに、第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16とは、第3〜第5の絶縁体層11c〜11eに形成された3つの第2のビア電極19を介して互いに接続され、第2のコイル17が構成される。
【0023】
なお、3つの第1のビア電極18はそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられ、3つの第2のビア電極19もそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられている。また、第1のビア電極18、第2のビア電極19は、絶縁体層の所定の箇所に、レーザで孔あけ加工をし、この孔に銀を充填して形成する。
【0024】
そして、第1の絶縁体層11aの下面、第6の絶縁体層11fの上面に、それぞれ第7の絶縁体層23が設けられているもので、この第7の絶縁体層23は、シート状に構成され、Ni−Cu−Znフェライト等の磁性材料で形成されている。また、第1〜第7の絶縁体層11a〜11f、23の枚数は、図1に示された枚数に限られるものではない。
【0025】
さらに、前記金属層20は、第3の絶縁体層11cの上面で第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に設けられている。すなわち、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22との間に金属層20が位置している。この金属層20は、Ag等の金属を印刷、めっき等することにより板状に形成し、上面視にて第1〜第4の渦巻き状導体12,13,15,16それぞれの両端部を除いた部分と重なるように位置している。また、第1のビア電極18、第2のビア電極19が設けられる箇所には金属層20は形成されず、両者は接触しない。なお、金属層20の形状は、板状ではなく、網目状や蛇行状等にしてもよく、網目状にする場合は、網目金属間の距離は減衰させたい周波数の波長より小さい寸法にするのが望ましい。
【0026】
そして、上記した構成により、コモンモードノイズフィルタの本体部24が形成される。また、この本体部24の両側面には、第1〜第4の外部電極25〜28が設けられ、そしてこの第1〜第4の外部電極25〜28はそれぞれ第1〜第4の渦巻き状導体12,13,15,16の各一端部と接続されている。さらに、前記第1〜第4の外部電極25〜28は、本体部24の端面に銀を印刷することにより形成され、またこれらの表面にめっきによってニッケルめっき層を形成するとともに、このニッケルめっき層の表面にめっきによってすずやはんだ等の低融点金属めっき層を形成する。
【0027】
図3は、上記した本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの等価回路図である。
【0028】
図3からも明らかなように、第1の外部電極25および第3の外部電極27から入ってくるコモンモードノイズを、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22によって除去できる。
【0029】
なお、本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタにおける各渦巻き状導体の積層方向の位置関係は、図12に示す従来のコモンモードノイズフィルタと同じである。
【0030】
上記したように本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタにおいては、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部21を構成し、前記第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部22を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体13と第3の渦巻き状導体15との間に金属層20を設けるようにしているため、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22との磁気結合を金属層20によって弱めることができ、これにより、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22とが相互に与える影響が小さくなるため、第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22それぞれのコモンモード減衰量の周波数特性における減衰極を得ることができ、これにより、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22をそれぞれ設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22に対応した周波数での減衰極を得ることができ、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという効果が得られるものである。
【0031】
なお、第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22を構成する各渦巻き状導体の巻数や各絶縁体層の誘電率等を変えることによって、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22をそれぞれ設計することができる。
【0032】
さらに、第1の渦巻き状導体12、第3の渦巻き状導体15の巻数と、第2の渦巻き状導体13、第4の渦巻き状導体16の巻数とを異なるようにしているため、第1の渦巻き状導体12と第3の渦巻き状導体15からなる第1のコモンモードフィルタ部21の周波数特性と、第2の渦巻き状導体13と第4の渦巻き状導体16からなる第2のコモンモードフィルタ部22の周波数特性が異なるようにすることができ、また、第1のコモンモードフィルタ部21と第2のコモンモードフィルタ部22との磁気結合が金属層20によって弱くなっているため、コモンモード減衰特性において2つの異なる周波数帯で減衰極を作ることができ、広い周波数帯域でのコモンモードノイズの除去ができる。
【0033】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
【0034】
図4は本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
【0035】
本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図4に示すように、金属層20に突出部20aを形成し、突出部20aによって第2のビア電極19と金属層20とを接続した点である。そして、この構成により、第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16との間に金属層20が電気的に接続された構造になる。
【0036】
ここで、図5、図6は、本発明の実施の形態2における等価回路を示し、特に、図6は、各渦巻き状導体の積層方向の位置関係を示している。
【0037】
図5、図6から明らかなように、金属層20と第1のコモンモードフィルタ部21(第3の渦巻き状導体15)、第2のコモンモードフィルタ部22(第2の渦巻き状導体13)との間で浮遊容量C1、C2がそれぞれ発生する。そして、浮遊容量C1が第1のコモンモードフィルタ部21の減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量を確保することができるという効果が得られる。
【0038】
ここで、図7に、本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰量の周波数特性を比較した図を示す。このとき、ともに第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれの周波数特性における減衰極を形成する周波数が900MHzとなるように設計している。
【0039】
図7から明らかなように、従来のコモンモードノイズフィルタでは減衰極を形成する周波数が900MHzからずれているが、本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタでは、第1、第2のコモンモードフィルタ部それぞれ設計した通り、減衰極を形成する周波数が略900MHzとなっている。このように、本発明の実施の形態2においても本発明の実施の形態1と同様に、減衰極が所定の周波数になるように第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22をそれぞれ設計しておけば、それぞれの第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22に対応した周波数での減衰極を得ることができ、減衰極となる周波数の調整を容易にすることができるという効果が得られる。
【0040】
また、本発明の実施の形態1では、金属層20は、第1、第2のコモンモードフィルタ部21、22(第1、第2のビア電極18、19)と接続されていないため、図3に示すように、外部電極25、27から入力したコモンモード信号は、第3の渦巻き状導体15と金属層20との間の浮遊容量C1、および第2の渦巻き状導体13と金属層20との間の浮遊容量C2によって、第3の渦巻き状導体15や第2の渦巻き状導体13を飛び越し、外部電極26、28から出力する経路が形成され、これにより、コモンモードノイズを減衰させる能力が低下するが、本発明の実施の形態2では、第3、第4の渦巻き状導体15、16が金属層20に接続されているため、第3の渦巻き状導体15と共振容量とし作用する浮遊容量C1からなるフィルタとして機能し、これにより、コモンモードノイズ減衰作用が低下するのを防ぐことができる。
【0041】
なお、上記した本発明の実施の形態2においては、第2のビア電極19と金属層20とを接続するようにしたが、第1のビア電極18と金属層20とを接続したり、第1のビア電極18、第2のビア電極19の両方を金属層20と接続したりしてもよい。
【0042】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
【0043】
図8は本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態3においては、上記した本発明の実施の形態1、2と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
【0044】
本発明の実施の形態3が上記した本発明の実施の形態1、2と相違する点は、図8に示すように、第1のコイル14を構成する渦巻き状導体と第2のコイル17を構成する渦巻き状導体を交互に積層するのではなく、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13との間に、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15、第4の渦巻き状導体16を積層した点である。そして、この構成により、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16との間に金属層20が接続された構造になる。
【0045】
ここで、図9、図10は、本発明の実施の形態3における等価回路を示し、特に、図10は、各渦巻き状導体の積層方向の位置関係を示している。
【0046】
図9、図10から明らかなように、このような構成により、金属層20と第3の渦巻き状導体15、金属層20と第4の渦巻き状導体16との間で浮遊容量C1、C2がそれぞれ発生する。そして、浮遊容量C1だけでなく浮遊容量C2も等価的に減衰極を形成する共振容量となるため、減衰極となる周波数において減衰量が低下するのを防ぐことができる。
【0047】
また、本発明の実施の形態2では、異なるコイルを構成する渦巻き状導体と金属層20との間で浮遊容量C1、C2が発生しているため、図6に示すように、浮遊容量C2は差動信号線間(第1のコイル14と第2のコイル17間)の容量となるため、高周波の差動信号が劣化する可能性があるが、本発明の実施の形態3では、同じコイルを構成する渦巻き状導体と金属層20との間で浮遊容量C1、C2が発生し、差動信号線間(異なるコイル間)に浮遊容量が発生しないため、差動信号が劣化を防ぐことができる。
【0048】
そして、上記した本発明の実施の形態1〜3において、コモンモードフィルタ部21、22を同一平面に形成せずに積層しているため、小型化も可能である。
【0049】
なお、上記した本発明の実施の形態3においては、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13との間に、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15、第4の渦巻き状導体16を積層したが、第2のコイル17を構成する第3の渦巻き状導体15と第4の渦巻き状導体16との間に、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12、第2の渦巻き状導体13を積層してもよい。この場合、第1のコイル14を構成する第1の渦巻き状導体12と第2の渦巻き状導体13との間に金属層20を接続しても同様の効果が得られる。
【0050】
さらに、上記した本発明の実施の形態1〜3においては、コモンモードフィルタ部を2つ設けたものについて説明したが、3つ以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係るコモンモードノイズフィルタは、減衰極となる周波数の調整が容易になるという効果を有するものであり、特にデジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器のノイズ対策として使用されるコモンモードノイズフィルタ等において有用となるものである。
【符号の説明】
【0052】
11a〜11f 第1〜第6の絶縁体層
12 第1の渦巻き状導体
13 第2の渦巻き状導体
14 第1のコイル
15 第3の渦巻き状導体
16 第4の渦巻き状導体
17 第2のコイル
18 第1のビア電極
19 第2のビア電極
20 金属層
21 第1のコモンモードフィルタ部
22 第2のコモンモードフィルタ部
23 第7の絶縁体層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体、第2の渦巻き状導体、第4の渦巻き状導体の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体と第3の渦巻き状導体との間に金属層を設けるようにしたコモンモードノイズフィルタ。
【請求項2】
第1のビア電極、第2のビア電極の少なくとも一方と金属層を接続した請求項1記載のコモンモードノイズフィルタ。
【請求項3】
複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体と第2の渦巻き状導体との間に、前記第3、第4の渦巻き状導体を積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第3の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体との間に金属層を設け、前記第2のビア電極と前記金属層とを接続したコモンモードノイズフィルタ。
【請求項4】
第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部の各々の周波数特性を異なるようにした請求項1〜請求項3いずれかに記載のコモンモードノイズフィルタ。
【請求項1】
複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体、第2の渦巻き状導体、第4の渦巻き状導体の順に積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第2の渦巻き状導体と第3の渦巻き状導体との間に金属層を設けるようにしたコモンモードノイズフィルタ。
【請求項2】
第1のビア電極、第2のビア電極の少なくとも一方と金属層を接続した請求項1記載のコモンモードノイズフィルタ。
【請求項3】
複数の絶縁体層と、前記絶縁体層に形成された第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体からなる第1のコイルと、前記絶縁体層に形成された第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体からなる第2のコイルと、前記第1の渦巻き状導体および第2の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第1のビア電極と、前記第3の渦巻き状導体および第4の渦巻き状導体を接続する前記絶縁体層に形成された第2のビア電極とを備え、前記第1の渦巻き状導体と第2の渦巻き状導体との間に、前記第3、第4の渦巻き状導体を積層するとともに、前記第1の渦巻き状導体、第3の渦巻き状導体とを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を構成し、前記第2の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体とを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を構成し、さらに前記第3の渦巻き状導体と第4の渦巻き状導体との間に金属層を設け、前記第2のビア電極と前記金属層とを接続したコモンモードノイズフィルタ。
【請求項4】
第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部の各々の周波数特性を異なるようにした請求項1〜請求項3いずれかに記載のコモンモードノイズフィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−98279(P2013−98279A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238361(P2011−238361)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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