説明

コラーゲンペプチドを含有する皮膚美容改善用組成物

本発明は、摂取時に、皮膚のしわ改善及びしわ生成抑制効果を示す経口用皮膚美容改善用組成物に関し、より詳細には、本発明の組成物は、コラーゲンペプチドにエラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有することを特徴とする。特に、本発明によってコラーゲンペプチド、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCを最適化された割合で同時に含有している組成物は、摂取時に人体に副作用がないだけでなく、皮膚真皮層のコラーゲン生合成を最大に促進し、生体残存率に優れていて、且つ皮膚のしわ生成抑制効果と弾力維持あるいは改善、乾燥改善効果を示すので、皮膚美容増進と皮膚老化防止のための健康機能食品として有用に使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲンペプチド混合物を含有する皮膚美容改善用組成物に関し、より詳細には、コラーゲンペプチドに、ヒアルロン酸、エラスチンタンパク質及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有することによって、優れた皮膚改善効果を有する皮膚美容改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚老化は、老化に及ぼす要因によって内因性老化と外因性老化とに区分することができ、内因性老化は、年が取るにつれて皮膚の構造と生理機能が環境変化とは関係なく減退するものであり、外因性老化は、太陽光線などの外部環境に持続的に露出されて現われるものである。特に、光による老化を光老化と言い、紫外線は、皮膚老化の生理学的及び形態学的変化の主な原因となる。内因性皮膚老化が進行されれば、皮膚は、乾燥するようになり、小じわが増加し、時間が経過するにつれて、しわがさらに深くなる。また、表皮、真皮などの構造及び機能的な変化に起因して皮膚が弾力性を失って垂れるようになる。真皮の厚さは減少するのに対し、コラーゲン(膠原質)の総量は、成人になった後、1年に1%ずつ消失され、また、残っているコラーゲン繊維は、徐々に厚くなり、架橋が増加するようになり、溶解度、膨張力などが減少する。また、弾力繊維も厚くなり、架橋も増加するようになる。その他、真皮内では、線維芽細胞の増殖活性が劣化し、コラーゲンの合成及び分解能も減少する。このようにコラーゲンは、皮膚老化と関連した主要皮膚組職成分であって、脂肪を除いた皮膚全体乾燥重量の77%、真皮繊維成分の90%を占めているタンパク質であって、皮膚の強度、弾力性、柔軟性を維持することができるようにする機能を付与する。したがって、コラーゲンの合成増進及び分解抑制は、皮膚美容及び老化抑制と関連して主な関心事になっており、UVによる光老化を抑制しながらコラーゲンの合成を増進させることができる美容食品の開発が要求されている。
【0003】
このために経口で摂取することができるコラーゲンに対する研究が持続的に行われて来ており、技術の発展に伴い、多様なソースを有するコラーゲンと多様な後処理過程を経たコラーゲン原料が開発された。これと関して特許文献1には、コラーゲンが含有された機能性食品が開示されていて、特許文献2には、経口用皮膚美容食品組成物としてコラーゲンが多量含有された組成物が開示されている。しかし、コラーゲン自体は、分子量が大きいため、消化吸収に対する問題、皮膚などターゲット器官への伝達問題、有効量の到達可否、生体コラーゲンの適合性問題など多様な疑問が提起され、その実体的効能について追加的な研究が要求された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公開2001−0075842号公報(2001.08.11)
【特許文献2】韓国特許公開2002−0085307号公報(2002.11.16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これより、本発明者らは、皮膚美容改善効果を示すコラーゲン来由の処方を探すために研究を重ねた結果、Gly−X−Y形態のトリペプチドを高濃度で含有するコラーゲンペプチドの皮膚美容改善効果を確認し、皮膚細胞でプロコラーゲン生合成を増大させる成分を研究した結果、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCを最適の割合でさらに含有する場合、上記効果を最大化することができることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0006】
したがって、本発明の目的は、副作用がなく、プロコラーゲン生合成増進及び光老化抑制作用などによって皮膚老化を防止し、且つ、弾力を増大させて、優れた皮膚改善効果を有する皮膚美容改善用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、コラーゲンペプチドにエラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する皮膚美容改善用組成物を提供する。
上記コラーゲンペプチドは、コラーゲントリペプチドをコラーゲンペプチドの全体重量に対して15重量%以上含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明による皮膚美容改善用組成物は、コラーゲン合成増進及び光老化抑制作用などによる皮膚老化防止効果だけでなく、傷の治療能力及びコラーゲンペプチドの生体残存率を高めることによって、優れた皮膚改善効果を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、反応最適化ツールを用いた最適条件導出図である。
【図2】図2は、中心複合計画法を実行した結果を示す等高線図である。
【図3】図3は、比較例2、3及び実施例1の皮膚レプリカを採取して比較した写真である。
【図4】図4は、皮膚組職のコラーゲン発現量を免疫組職化学染色で示す図である。
【図5】図5は、比較例1、2及び実施例1の生体残存率を確認した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の皮膚美容改善用組成物は、コラーゲンペプチドに、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する。
【0011】
上記多様な成分間の役目を分析するにあたって、所定の費用と時間及び予算の下で最大の情報を得るために、総合的な実験方法と分析方法が必要であり、このために、本発明では、実験計画法(DOE:Design of Experiments)を利用した。DOEは、科学研究を体系的に計画して実行し、統計的に分析する方法論であって、特定工程の出力値変化の原因を調べるために、統制可能な入力因子の水準値を変化させる一連の実験過程を計画し実施する方法論である。これにより、実験の目的を満足させ、適切な成果物を得るために、最も多い情報を最も効率的に得ることができる一連の実験条件を決定する実験戦略を立てることができる。実験計画法を利用すれば、検定にシステム的に接近可能であり、プロセスと結果測定値との関係定義及び評価が可能であり、変動の少数重要因子(vital few)ソースの把握が可能であり、反応変数に対する少数重要因子効果の測定値を提供し、一度に一要因だけ検定することより効果的な測定値と高品質のデータを提供し、不確実性の測定が可能であり、実施すべき回数の最小化が可能であり、確率変数(nuisance variables)の管理が可能になるなどの多様な効果を得ることができる。このような実験計画法には、一部実施要因計画法(fractional factorial designs)、完全実施要因計画法(full factorial designs)、反応表面分析法(responsive surface methodology)、混合物実験法(mixture designs)及び田口実験法(Taguchi design)などが挙げられる。
【0012】
本発明において活性成分として使用するコラーゲンペプチドは、分子量が500〜1,000Daのペプチドであって、Gly−X−Y形態のトリペプチドをコラーゲンペプチドの全体重量に対して15 重量%以上、例えば、15〜95重量%を含有する複合物であって、この時、X及びYは、いずれのアミノ酸も可能である。また、上記XとYは、同じかまたは異なるアミノ酸であることができ、すべてのアミノ酸として可能なすべての組合が使用されることができる。すなわち、通常の天然に存在するアラニン(alanine、Ala)、バリン(valine、Val)、ロイシン(leucine、Leu)、イソロイシン(isoleucine、Ile)、プロリン(proline、Pro)、ヒドロキシプロリン(hydroxyproline、Hyp)、フェニルアラニン(phenylalanine、Phe)、トリプトファン(tryptophan、Trp)、メチオニン(methionine、Met)、セリン(serine、Ser)、スレオニン(threonine、Thr)、システイン(cysteine、Cys)、グルタミン(glutamine、Gln)、グリシン(glycine、Gly)、アスパラギン(asparagine、Asn)、チロシン(tyrosine、Tyr)、リシン(lysine、Lys)、アルギニン(arginine、Arg)、ヒスチジン(histidine、His)、アスパラギン酸(aspartic acid、Asp)及びグルタミン酸(glutamic acid、Glu)などのアミノ酸がすべて使用可能であるが、好ましくは、Gly−Pro−Hyp、Gly−Pro−Ala、Aly−Ala−Hyp、Gly−Leu−Hyp、Gly−Glu−Lys、Gly−Pro−Lys、Gly−Glu−Hyp、Gly−Phe−Hyp、Gly−Ser−Hyp、Gly−Gln−Hyp及びGly−Glu−Arg、Gly−Pro−Argの構成で使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
具体的に、本発明において使用するコラーゲンペプチドは、下記の方法で製造することができる。コラーゲンまたはゼラチン成分をシステインプロテアーゼ、ペプシン、トリプシンまたはコラゲナーゼなどの酵素を利用して分解すれば、トリペプチド及びジペブチドを5重量%以上含有するコラーゲンペプチドを製造することができる。このように製造したペプチド混合物においてトリペプチドの含量をさらに高めるためには、Gly−X−Y形態のトリペプチドを含有するペプチド混合物をアルカリ性陰イオン交換樹脂と接触させ、トリペプチドGly−X−Yを上記イオン交換樹脂に吸着させた後、トリペプチドを吸着したイオン交換樹脂からトリペプチドを溶出すれば、トリペプチドの含量がさらに高いペプチド精製物を製造することができる。また、トリペプチドGly−X−Yを含有するペプチド混合物を非極性吸着剤と接触させて、ペプチド混合物に含有された疎水性ペプチドの一部を非極性吸着剤に吸着させ、非極性吸着剤に吸着しない親水性トリペプチドを回収することによって、親水性トリペプチドの含量が高いペプチド精製物を製造することができる。
【0014】
本発明において上記コラーゲンペプチドは、組成物の全体重量に対して1〜80重量%の量で含有される。コラーゲンペプチドの含量が1重量%未満なら、所望の効果を得にくいし、80重量%を超過すれば、剤形化が困難である。
【0015】
また、本発明において使用するエラスチンタンパク質は、カツオの動脈球(aortic bulb)から加水分解により得られたエラスチンであって、エラスチン特有のアミノ酸である架橋アミノ酸であるデスモシン、イソデスモシンを含有していることが特徴である。
【0016】
本発明において使用するヒアルロン酸は、連鎖状球菌の発酵により大量生産し、ヒアルロン酸含量が90〜100%に到逹するように開発されたものであって、化粧品と医薬品分野において広く使用されていて、最近、健康補助食品を含めた多様な分野において使用されている。
【0017】
本発明のコラーゲンペプチド、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCは、組成物の全体重量に対してコラーゲンペプチドが1〜80重量%、エラスチンタンパク質が1〜20重量%、ヒアルロン酸が1〜10重量%、ビタミンCが1〜20重量%の量で含有される。
【0018】
本発明による組成物は、皮膚内コラーゲンの合成を促進させ、光老化を抑制させると共に、皮膚保湿を増加させ、傷の治療能力及びコラーゲンペプチドの生体残存率を高めるなど全般的に皮膚状態を改善させることができる。
【0019】
また、コラーゲンペプチド:エラスチンタンパク質:ビタミンC:ヒアルロン酸の含量比は、1:0.0001〜150:0.0001〜20:0.0001〜50000であることが好ましい。
【0020】
本発明の皮膚美容改善用組成物は、丸、飲み物、ティーバッグ茶、インスタント茶、ドリンク剤、顆粒、錠剤、カプセルなど様々な形態に剤形化し、健康食品、医薬品などに使用することができる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の内容を実施例及び試験例により具体的に説明する。これらの実施例は、本発明の内容を理解するために提示されるものに過ぎず、本発明の権利範囲がこれらの実施例に限定されるものではなく、当業界において通常的に周知された変形、置換及び挿入などを行うことができ、これに関するものも本発明の範囲に含まれる。
【0022】
[試験例1]コラーゲン生成能測定
線維芽細胞を利用してI型プロコラーゲン生成能を比較した。
【0023】
【表1】

【0024】
プロコラーゲン生成能を比較するために、48−ウェルプレートに線維芽細胞をウェル当たり5×104個で入れ、付着させた状態で、上記表1の比較例1〜2を最終濃度が各々0.1、1及び10ppmとなるように処理した。この時、対照群として別途の試料を添加しない実験群を用意した。48時間培養後、培養上層液でI型プロコラーゲン生成量を、ELISAキット(Takara MK101)を利用して測定した。測定された結果は、対照群を100にした比較値として算出し、下記表2に示した。
【0025】
【表2】

【0026】
上記表2から明らかなように、比較例2の場合には、プロコラーゲンの生成量が対照群より増加し、特に適正濃度(1〜10ppm)を処理した群では、対照群よりコラーゲン生成量がさらに増加したのに対し、比較例1の場合には、コラーゲン生成促進効果がなく、10ppm以上では、コラーゲン生成が減少することを確認することができる。
【0027】
したがって、効能が確認されたGly−X−Yのトリペプチドが多量含有されたコラーゲンペプチドを利用して、有効適正濃度を設定し、他の候補原料とのシナジー効果を反映し、組成物の製造に注意する必要があることを確認し、最適化を進行した。
【0028】
[試験例2]実験計画法を利用した最適化実験
上記試験例1で確認されたコラーゲンペプチド成分と他の候補原料であるエラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCのプロコラーゲン生成促進能力を最適化させるために、反応表面分析法(RSM:responsive surface method)を利用した。これを利用すれば、独立変数のどんな値で反応値が最適化されるかを把握することができ、独立変数と従属変数間の関数関係をデータから推定し、独立変数が反応変数にどんな影響を及ぼすかを予測することが可能であり、変数間の最適の実験条件を探すことができる。本発明では、ミニタブ(MiniTab)14を利用して反応表面分析法のうち中心複合計画法(central composite designs)を行い、その結果を下記表3に示した。
【0029】
【表3】

【0030】
上記表3の実験計画によって実験を行い、実験測定値を利用してS/W上で分析を行った。その結果を図1〜図2及び表4に示した。
【0031】
【表4】

【0032】
上記S/W上の分析結果、R2=71.8%であり、R2(adj)=60.8%であって、比較的高い程度の相関関係を示すことが分かり、回帰模型式も有意することが分かった。また、図1の反応値調節器(response optimizer)を用いて望大特性において最大値を有する最適条件を有する濃度、すなわち12.5ppm:12.5ppm:0.1ppm:500ppmを最適条件として確認することができた。また、図2の重ね合わせ等高線図(overlaid contour plot)を通じて最適の濃度範囲を類推することができた。その結果を上記表4に記載した。以上の結果から有効な効果を示すための濃度の割合は、次の通りである:
コラーゲンペプチド:エラスチンタンパク質:ビタミンC:ヒアルロン酸=1:0.0001〜150:0.0001〜20:0.0001〜50000。
【0033】
[試験例3]皮膚レプリカを利用した光老化抑制実験
本発明の組成物が光老化症状に及ぼす影響を調査するために、無毛マウスを動物モデルとして選定して実験を行った。6〜7週齢の雌性無毛マウス(SKH、HR−1)を下記表5に記載したように、比較例3(正常群)、比較例4(UV対照群)、実施例1でグループ当たり8匹ずつ分けて実験期間の間に飼育した。
【0034】
【表5】

【0035】
比較例3〜4は、0.5mLの生理食塩水を経口投与し、実施例1は、上記各原料を最適処方で混合し、固形分を基準にして体重kg当たり500mgのパウダーを0.5mL食塩水に混ぜて液体投与用注射器を利用して経口投与した。ここで、各成分は、マウスを基準にしてコラーゲンペプチドは666mg/kg、エラスチンタンパク質は13mg/kg、ビタミンC及びヒアルロン酸は合わせて1mg/kgに該当する。投与期間は、全体5週間であって、週5日間同一の時間に投与した。経口投与後、2週間から5週間まで比較例3〜4及び実施例1に週3回太陽光と類似にUVを照射した。この時、実験期間の間に全体UV照射量が600mJ/cm2になるようにした。しわ改善効果の客観的判定のために、剖検前に無毛マウスの背中部位でシリコンポリマーを利用して皮膚レプリカを採取し、皮膚のしわ程度を比較するために、皮膚しわ測定装置(Skin Visiometer)を利用して皮膚表面のイメージをファイル化し、その結果を図3に示した。
【0036】
図3から明らかなように、実施例1を処方した無毛マウスの皮膚表面しわの屈曲や程度が比較例4を処方した無毛マウスに比べて著しく緩和され、本発明による組成物が紫外線による皮膚しわを改善させ、したがって、光老化現象を抑制するのに効果があることを確認することができた。
【0037】
[試験例4]組職染色を利用した光老化抑制実験
上記試験例3の比較例3〜4及び実施例1の無毛マウスを利用し、病理組職学的観察のために免疫組職化学染色を行った。マウスの背中部位の皮膚を剥き出し、10%中性ホルマリンに固定した後、皮膚組職内のI型コラーゲンの発現程度を観察するために、モノク
ローナルIgG1抗体を利用した免疫組職化学染色を行った。
【0038】
図4は、各実験群の皮膚組職でI型コラーゲンを免疫組職化学染色したものであるが、
比較例3(正常群)に比べて比較例4(UV対照群)のコラーゲンは少なく染色されたのに対し、実施例1は、表皮と真皮の境界層にあるコラーゲンが比較例4に比べて多く染色されていることが分かる。このような結果から、コラーゲンペプチド、エラスチンタンパク質、ビタミンC及びヒアルロン酸を混合服用する時、皮膚内コラーゲン合成が最も多く増加することが分かる。
【0039】
その他、一般的な組職状態観察と表皮層厚さ測定のために、比較例3〜4及び実施例1にH&E(hematoxylin & eosin)染色を行った。皮膚表皮層の厚さは、H&E染色スライドを顕微鏡上で100倍拡大して読み出し、組職当たり無作為に選定した10箇所の厚さを測定し、平均値を計算し、下記表6に示した。
【0040】
【表6】

【0041】
上記表6から明らかなように、比較例4の場合、9.77±0.68mmであり、実施例1の場合は、約30%減少した7.56±0.75mmを示し、コラーゲンペプチド混合物を服用した場合、UVの照射によって皮膚が厚くなる現象を緩和させることが分かる。
【0042】
[試験例5]簡易臨床実験
25〜45歳の成人女性40名を2群に分けて、実験群は、下記表7の組成で混合した組成物を通常の方法によって1丸当たり4gにして製造した丸を1日1錠ずつ30日間服用させ、対照群(プラセボ群)は、下記表7でコラーゲンペプチドの代わりに葡萄糖1.5gを添加し、丸を製造した後、同一の方法で服用させた。試験終了後の皮膚状態に対するアンケート調査を行い、その結果を下記表8に示した。
【0043】
【表7】

【0044】
【表8】

【0045】
上記表8から明らかなように、実験群は、対照群に比べて皮膚のしっとり感や弾力性を感じる割合が高く、小じわが減少したと感じ、化粧ノリがいいと回答する人が多かった。これにより、本発明の一実施例による組成物を使用する場合、皮膚状態が全般的に改善されることができることが分かる。
【0046】
[試験例6]生体残存率比較実験
本発明の一実施例による組成物と一般的なコラーゲン及びコラーゲンペプチド単独の生体残存率比較のために、比較例1、2及び実施例1を、蛍光染料を連結し、無毛マウスに強制経口投与した後、生体内イメージ分析機(in vivo image analyzer)を利用して時間による生体残存率を測定し、その結果を図5に示した。
【0047】
図5の結果から、最適組成物である実施例1の場合、同一時間(9時間経過後)で生体残存率が30%以上増大することを確認することができ、24時間以後にも、増加された残存率を視覚的に確認することができた。
【0048】
[試験例7]細胞移動促進実験
ヒト線維芽細胞に対する傷の治療能力、すなわち細胞移動促進(cell migration assay)を比較するために、次のような実験を行った。6−ウェルプレートに線維芽細胞をウェル当たり1×105個入れ、付着させた状態で、上記の実施例1及び比較例1−2を最終濃度が各々50ppmとなるように処理した。この時、対照群として別途の試料を添加しない実験群を用意した。24時間培養後、各ウェルの中間部分をマイクロピペットチップで掻いて傷つけた後、回復される形態を時間帯別に観察し、細胞の移動程度を創傷の平均間隔を顕微鏡で測定及び評価し、表9に示した。
【0049】
【表9】

【0050】
上記表9の結果から、実施例1の組成物を投与した実験群において最も優れた回復能力を示した。
【0051】
本発明が提供する皮膚美容改善用組成物は、下記のように様々な剤形に応用可能であるが、これに限定されるものではない。
【0052】
[剤形例1]軟質カプセル剤
上記実施例2のコラーゲンペプチド混合物2,000mg、大豆抽出物50mg、大豆油180mg、紅参抽出物50mg、パーム油2mg、パーム硬化油8mg、黄蝋4mg及びレシチン6mgを混合し、通常の方法によって1カプセル当たり400mgずつ充填し、軟質カプセルを製造した。
【0053】
[剤形例2]錠剤
上記実施例2のコラーゲンペプチド混合物2,000mg、大豆抽出物50mg、葡萄糖100mg、紅参抽出物50mg、澱粉96mg及びマグネシウムステアレート4mgを混合し、30%エタノールを40mg添加し、顆粒を形成した後、60℃で乾燥し、打錠器を利用して錠剤として打錠した。内容物の最終重量は400mgにした。
【0054】
[剤形例3]顆粒剤
上記実施例2のコラーゲンペプチド混合物2,000mg、大豆抽出物50mg、葡萄糖100mg、紅参抽出物50mg及び澱粉600mgを混合し、30%エタノールを100mg添加し、60℃で乾燥して顆粒を形成した後、袋に充填した。内容物の最終重量は1gにした。
【0055】
[剤形例4]ドリンク剤
上記実施例2のコラーゲンペプチド混合物2,000mg、大豆抽出物50mg、葡萄糖10g、紅参抽出物50mg、クエン酸2g及び精製水188gを混合し、瓶に充填した。内容物の最終重量は100mLにした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラーゲンペプチドに、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する皮膚美容改善用組成物。
【請求項2】
上記コラーゲンペプチドは、コラーゲントリペプチドをコラーゲンペプチドの全体重量に対して15〜95重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚美容改善用組成物。
【請求項3】
上記コラーゲントリペプチドは、Gly−X−Y形態であり、前記X及びYは、同じか又は異なるアミノ酸から選択されるものであることを特徴とする請求項2に記載の皮膚美容改善用組成物。
【請求項4】
上記コラーゲンペプチドは、組成物の全体重量に対して1〜80重量%の量で含有されることを特徴とする請求項1に記載の皮膚美容改善用組成物。
【請求項5】
上記エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCの各含量は、組成物の全体重量に対して、エラスチンタンパク質が1〜20重量%、ヒアルロン酸が1〜10重量%、ビタミンCが1〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚美容改善用組成物。
【請求項6】
上記組成物は、コラーゲンペプチド:エラスチンタンパク質:ビタミンC:ヒアルロン酸を、1:0.0001〜150:0.0001〜20:0.0001〜50000の含量比で含有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚美容改善用組成物。
【請求項7】
上記組成物は、丸、飲み物、ティーバッグ茶、インスタント茶、ドリンク剤、顆粒、錠剤またはカプセルの形態に剤形化されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚美容改善用組成物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含むコラーゲン生成促進用組成物。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含む抗老化組成物。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含む皮膚保湿用組成物。
【請求項11】
コラーゲンペプチドに、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する組成物の皮膚美容改善のための用途。
【請求項12】
コラーゲンペプチドに、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する組成物のコラーゲン生成促進のための用途。
【請求項13】
コラーゲンペプチドに、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する組成物の皮膚老化を抑制させるための用途。
【請求項14】
コラーゲンペプチドに、エラスチンタンパク質、ヒアルロン酸及びビタミンCよりなる群から選択された1種以上をさらに含有する組成物の皮膚保湿増進のための用途。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−501320(P2012−501320A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524902(P2011−524902)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2009/004793
【国際公開番号】WO2010/024608
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【Fターム(参考)】