説明

コラーゲンペプチド組成物及びこれを含有する飲食品

【課題】従来のコラーゲンペプチドと比較して、より血中移行性の高いオリゴペプチドで構成されるコラーゲンペプチドを見出し、それを配合した飲食品を提供する。
【解決手段】コラーゲンまたはゼラチンをプロテアーゼにより分解して得られるコラーゲンペプチド組成物であって、分子量500以上3000以下のペプチドが70〜100重量%、分子量500未満のペプチドが10重量%未満、分子量3000を越えるペプチドが20重量%未満からなり、かつ該組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンの占める割合が33モル%以上65モル%以下であることを特徴とする、前記コラーゲンペプチド組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲンペプチド組成物、より詳しくは血中移行性に優れたオリゴペプチドから構成されるコラーゲンペプチド組成物、及び当該コラーゲンペプチド組成物を含有する飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつで、多細胞動物の細胞外基質(細胞外マトリクス)の主成分である。コラーゲンは皮膚、血管、内臓、骨組織などいたるところに存在し、体を構成するタンパク質の約30%を占めている。皮膚では真皮の70%がコラーゲンからできており、個々の筋肉を包む筋膜もコラーゲンからできている。
【0003】
コラーゲンタンパク質は、Gly-X-Y(X,YはGly以外のアミノ酸)という繰り返し構造を有する分子量約10万のポリペプチド鎖(α鎖)が3本集まり、らせん構造をとっている。コラーゲンタンパク質は、ハイドロキシプロリンやハイドロキシリジンなど、コラーゲン特有のアミノ酸を有する反面、必須アミノ酸であるトリプトファンを有しないことから、アミノ酸スコアがゼロであり、栄養素としては、歴史的には注目されてこなかった。
【0004】
しかし近年、コラーゲンには数々の生理作用や薬理作用が見出されるようになり、コラーゲン、コラーゲンを加熱変性させたゼラチン、及びそれらの加水分解物であるコラーゲンペプチドは、化粧品及び食品向けの原材料や医薬品向けの生体機能性材料として幅広く利用されている。これまでコラーゲンの生理作用や薬理作用として、骨粗鬆症の予防・改善に結びつく骨芽細胞増殖促進作用、骨強化作用(特許文献1、2参照)、加齢に伴う生体組織の機能の低下を改善させる生体組織の新陳代謝促進作用(特許文献3、4参照)、皮膚代謝促進作用、皮膚賦活作用(特許文献4、5参照)などが明らかとなっている。しかしながら、これらの先行文献においては、いずれも有効成分についてコラーゲンまたはゼラチン、コラーゲンまたはゼラチンの分解物と記載されるだけで、具体的にどのような分子量、どのようなアミノ酸配列を有するものかについては明らかにされていない。また、上記の生理作用や薬理作用を十分に発揮させるためには、コラーゲンまたはゼラチン、及びそれらの分解物を大量摂取する必要があった。
【0005】
また、谷口らは、コラーゲナーゼ処理によるコラーゲンの分解物(ペプチド混合物またはペプチド体)と、同じ比率のアミノ酸混合物についてそれぞれラットにおける皮膚コラーゲンの合成促進効果を比較検討した結果、アミノ酸混合物では効果が見られず、コラーゲナーゼ分解物にのみ効果が見られたことを報告する(非特許文献1)。よって、この結果から、コラーゲナーゼ分解物の生理作用や薬理作用は、アミノ酸として体内に吸収されタンパク質が再構成されることによって発揮されるのではなく、血中に移行したペプチド体によって発揮されることが示唆される。しかしながら、本報告では、どのようなアミノ酸配列を有するペプチド体が有効であるかについては何ら明らかにされていない。
【0006】
一方、特許文献6には、コラーゲナーゼによるコラーゲンの分解物としてアミノ酸配列がGly-X-Yのトリペプチドを含有する生体コラーゲン合成促進剤が開示されている。しかしながら、コラーゲン促進活性試験の試料は経口ではなく胃ゾンテを用いて投与しており、経口摂取したペプチド体の血中への移行性については何ら検討されていない。また、このトリペプチドを調製するための酵素であるコラーゲナーゼは、厚生労働省の食品添加物リストに記載されておらず、安全性が未確認であるため、本ペプチドを食品に使用することは実際上難しい。
【0007】
また、特許文献7には、上記公報と同様に、Gly-X-Yで示される種々のトリペプチドを含むコラーゲン促進活性剤が開示されており、上記トリペプチドが、従来のコラーゲン、ゼラチン、及びそれらの加水分解物、さらには遊離のアミノ酸以上に速やかに、かつ効率よく消化吸収されることを報告する。本公報では、放射性同位元素でラベルしたトリペプチドの体内動態試験を行っているが、血漿中や各種組織に分布している放射活性の本体が、トリペプチドの未変化体であるか、あるいはジペプチドや遊離アミノ酸であるかは解明されていない。また、トリペプチドを調製するための酵素は同様にコラーゲナーゼであるため、安全性の面で食品に使用することは実際上難しい。また、本公報に開示されるコラーゲン促進活性剤に含まれるトリペプチド混合物を構成するペプチドはすべてN末端アミノ酸がグリシン(Gly-X-Y)であるペプチドであり、混合物中のトリペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンの占める割合を調整することについては何ら記載がない。
【0008】
さらに、特許文献8には、分子量が400〜3000のペプチドを多く含むコラーゲンペプチド組成物が、皮膚用の化粧品や医薬品に配合した場合に皮膚への優れた使用感と浸透性を発揮することが記載されているが、経口摂取した場合の血中移行性の評価や、組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンが占める割合を調整することについては何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−255588号公報
【特許文献2】特開平11-12192号公報
【特許文献3】特開平7-278012号公報
【特許文献4】特開平9-67262号公報
【特許文献5】特開2000-201649号公報
【特許文献6】特開2001-131084公報
【特許文献7】特開2003−137807号公報
【特許文献8】特開2006−151847号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】日本獣医学会学術集会講演要旨集、Vol.132nd, Page 126, PS-5014 (2001.09.07)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、従来はコラーゲンペプチドの生理作用や薬理作用を体内で十分に発揮させるためには、5gから10gという大量摂取が必要であった。しかし、通常の食事に加えて特定のタンパク質だけを長期間大量摂取することは難しく、また栄養学上好ましいものではない。また、コラーゲンペプチドを経口摂取して生理作用や薬理作用を体内で発揮するためには、アミノ酸としてではなくオリゴペプチドとして血中に移行させることが重要である。
【0012】
従って、本発明の課題は、従来のコラーゲンペプチドと比較して、より血中移行性の高いオリゴペプチドで構成されるコラーゲンペプチドを見出し、それを配合した飲食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の分子量分布を有し、かつN末端アミノ酸においてグリシンが占める割合が特定範囲となるコラーゲンペプチド組成物が、経口摂取した場合に血中移行性が優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) コラーゲンまたはゼラチンをプロテアーゼにより分解して得られるコラーゲンペプチド組成物であって、分子量500以上3000以下のペプチドが70〜100重量%、分子量500未満のペプチドが10重量%未満、分子量3000を越えるペプチドが20重量%未満からなり、かつ該組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンの占める割合が33モル%以上65モル%以下であることを特徴とする、前記コラーゲンペプチド組成物。
(2) プロテアーゼがセリンプロテアーゼまたはシステインプロテアーゼである、(1)に記載のコラーゲンペプチド組成物。
(3) コラーゲンまたはゼラチンが魚類由来である、(1)または(2)に記載のコラーゲンペプチド組成物。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のコラーゲンペプチド組成物を含有する飲食品。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。本願は、2006年11月15日に出願された日本国特許出願2006-309032号の優先権を主張するものであり、該特許出願の明細書に記載される内容を包含する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来のコラーゲンペプチドに比べて血中移行性の高いオリゴペプチドで構成されるコラーゲンペプチド組成物が提供される。従って、本発明のコラーゲンペプチド組成物を飲食品に配合し、これを経口摂取することにより、従来品と比べて少量で効率的にその生理作用や薬理作用を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のコラーゲンペプチド組成物の分子量分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明について詳細に述べる。
1.コラーゲンペプチド組成物
本発明のコラーゲンペプチド組成物は、特定の分子量分布を有し、かつ該組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンが占める割合が特定範囲であることを特徴とする。
【0019】
上記のペプチドの分子量分布は、常法により測定でき、例えば、ゲル濾過カラムを用いたHPLC法(High Performance Liquid Chromatography)が用いられる。分子量分布は、分子量約2000を中心とした山形となり、分子量500以上3000以下のペプチドが70〜100重量%、分子量3000を越えるペプチドが20重量%未満、分子量500未満のペプチドが10重量%未満であることが好ましい。分子量が3000より大きいと、消化吸収が悪くなるので好ましくない。一方、消化吸収のしやすさからすると一般的には低分子化することが望ましいが、分子量が500より小さいものが多すぎると、消化の段階でアミノ酸にまで分解され、オリゴペプチドとしての血中への移行性がかえって悪くなるので好ましくない。
【0020】
また、コラーゲンペプチド組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンが占める割合は、好ましくは33モル%以上65モル%以下、より好ましくは35モル%以上65モル%以下である。ここで、「N末端アミノ酸においてグリシンが占める割合」とは、コラーゲンペプチド組成物中の各ペプチドのN末端から数えて一残基目のアミノ酸を分析し、検出されたN末端アミノ酸全体に占めるグリシンの割合をモル百分率で示すものである。N末端アミノ酸の分析は、エドマン法を自動化したアミノ酸配列分析装置を用いて行えばよい。
【0021】
本発明のコラーゲンペプチド組成物はまた、オリゴペプチドとしての血中移行性が高いことを特徴とする。ここで、「オリゴペプチド」としては、プロリン−ハイドロキシプロリン、イソロイシン−ハイドロキシプロリン、ロイシン−ハイドロキシプロリン、フェニルアラニン−ハイドロキシプロリンなどの2量体のほか、アラニン−ハイドロキシプロリン−グリシン、セリン−ハイドロキシプロリン−グリシンなどの3量体が含まれる。
【0022】
本発明のコラーゲンペプチド組成物は、通常の成人が25g経口摂取して1時間〜2時間後に血中に放出されるペプチド型ハイドロキシプロリン量が約70〜170nmol/mlである。
【0023】
本発明に用いる「コラーゲンペプチド組成物」(以下、本明細書において単に「コラーゲンペプチド」と記載する場合もある)は、コラーゲンまたはゼラチンを加水分解して得られるペプチドの集合物(混合物)である。
【0024】
本発明に用いる「コラーゲンペプチド組成物」の原料となるコラーゲンまたはゼラチンは、牛、豚などの哺乳動物由来、または鮫などの魚類由来のいずれでもよく、限定はされないが、飲食品に配合するため、比較的コラーゲン臭の弱い魚類由来のものが好ましい。特に好ましい原料は魚鱗である。魚鱗としては、コラーゲン組織を含有する魚鱗であれば、魚種や鱗の部位などは特に限定されない。例えば、魚種として、泉鯛(ティラピア)、ナイルパーチ、コイ、草魚、赤松鯛、イトヨリダイ、ブダイ、イワシ、フエダイ、エソ、ソウギョ、タラ、アオウオ、ハクレン、コクレンなどが挙げられる。
【0025】
コラーゲンは、前記哺乳動物の骨、皮部分や魚類の骨、皮、鱗部分などから得ることができ、骨などの各種材料に、脱脂処理、抽出処理など従来公知の処理を施せばよい。魚鱗の場合は魚鱗に付着した汚れや夾雑物を除去するために、事前に数回水洗などの洗浄工程を行って汚れや夾雑物を除去し、脱脂処理を行って油脂分を除去し、脱灰処理でリンやカルシウムなどの無機物を除去しておくことが好ましい。
【0026】
また、コラーゲンを原料とする場合、N末端アミノ酸においてグリシンの占める割合をコントロールしやすい点で、一度ゼラチン化することが好ましい。ゼラチンは、コラーゲンを熱変性し、可溶化したものであり、ゼラチン化は、コラーゲン原料を酸やアルカリで前処理した後、加熱抽出することによって行う。前処理はコラーゲン原料の種類に応じて酸処理またはアルカリ処理のいずれかを行えばよく、酸処理は、コラーゲン原料を塩酸や硫酸などの無機酸に5〜20日間浸漬することによって行い、アルカリ処理は、例えばコラーゲン原料を消石灰(水酸化カルシウム)を含む石灰液などに2〜3ヶ月間浸漬することにより行う。また、前処理を終わった原料は水洗して過剰な酸やアルカリを除去したのち、50〜60℃の温水で1回目の抽出を行い、続いて1回目の抽出より高い温度で2回目の抽出を行うのが一般的である。
【0027】
2.コラーゲンペプチド組成物の製造
本発明に用いる「コラーゲンペプチド組成物」の製造は、例えば以下のようにして行う。コラーゲンまたは上記の処理にてコラーゲンから得られたゼラチンに、プロテアーゼ処理を行い、コラーゲンの分子をペプチド段階まで分解させる。プロテアーゼとしては、コラーゲンペプチド組成物の分子量分布とN末端アミノ酸においてグリシンが占める割合がそれぞれ上記の所定の範囲となるために、セリンプロテアーゼまたはシステインプロテアーゼを用いることが好ましい。コラーゲナーゼは、N末端アミノ酸の大部分(95%以上)がグリシンになるので好ましくない(酒井ら、フレグランスジャーナル、2006年3月号、第54-60頁参照)。セリンプロテアーゼとしては、ズブチリシン、thermitase、proteinase K、lantibiotic peptidase、kexin、cucumisin、トリプシン、キモトリプシン、thrombin、ケキシン、フューリン、Xa因子、elastaseなどが挙げられ、システインプロテアーゼとしては、アクチニダイン、ブロメラインなどが挙げられ、これらのいずれか1種を用いてもよいし、複数の酵素を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
酵素処理は、例えば、コラーゲンまたはゼラチン100重量部に対して酵素0.02〜5重量部を用い、30〜70℃にて0.5〜24時間反応させることにより行う。前記処理温度、処理時間はあくまで例示であって、目的の分子量分布とN末端アミノ酸組成を有するコラーゲンペプチド組成物を得るために、酵素の機能が十分に発揮され、また、コラーゲンの分解が進みすぎることのないよう適宜調整すればよい。
【0029】
上記の酵素処理後、70〜100℃で加熱処理して酵素を失活させる。過剰に高温処理すると風味が悪くなってしまう恐れがあるので好ましくない。
【0030】
上記の酵素処理を終えた段階では、コラーゲンペプチド組成物は酵素処理液中に溶解または分散した状態である。コラーゲンペプチド組成物を酵素溶液から精製するには通常採用される各種の精製手段で行えばよい。精製手段としては、特に限定されないが、例えば、活性炭を添加することによって、非常に簡便に色調、風味の改良及び不純物除去を行うことができる。またろ過や遠心分離などの従来公知の固液分離処理を施すことによっても、不純物の除去が可能である。前記処理を施されたコラーゲンペプチド溶液は、噴霧乾燥やドラムドライヤーなどの方法で乾燥を行い、粉末化することができる。
【0031】
3.コラーゲンペプチド組成物を含有する飲食品
上記コラーゲンペプチド組成物は、オリゴペプチドとしての血中移行性が良いことから、日常摂取する飲食品として提供できる。コラーゲンペプチド組成物の飲食品における態様には、コラーゲンペプチド組成物が飲食品そのものである場合と、飲食品を製造する際の原料あるいは中間製品である場合とが含まれる。
【0032】
本発明において、飲食品とは、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品を含む意味で用いられる。さらに、本発明の飲食品をヒト以外の哺乳動物を対象として使用される場合には、飼料を含む意味で用いることができる。
【0033】
上記コラーゲンペプチド組成物を配合する飲食品の形態は固形状であっても液状であってもよい。飲食品の種類としては、具体的には、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳飲料など飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、グミ、ガム、キャラメル、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット等の焼き菓子、ゼリー、ジャム、クリーム等の菓子類;かまぼこ、ハンバーグ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト、バター、チーズ等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、カレー、パン、ジャム、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0034】
本発明の飲食品には、上記のコラーゲンペプチド組成物以外の他の成分を配合することもできる。例えば、ペプチドよりも分子量が大きな水溶性コラーゲンやゼラチンなどを組み合わせることができる。複数のコラーゲン成分を組み合わせることで、上記のコラーゲンペプチド組成物だけでは得られない機能や特性を発揮できることが期待される。また、特に、ヒアルロン酸を含む鶏冠抽出物、牛、豚、又は人の胎盤抽出物、牛又は豚のエラスチン及びその加水分解物(酸、アルカリ、酵素等)又はそれらの水溶性エラスチン誘導体、ケラチン及びその分解物又はそれらの誘導体、シルク蛋白及びその分解物又はそれらの誘導体、豚又は牛血球蛋白分解物(グロビンペプチド)、牛又は豚へモグロビン分解物(ヘミン、ヘマチン、ヘム、プロトヘム、ヘム鉄等)、牛乳、カゼイン及びその分解物、又はそれらの誘導体、脱脂粉乳及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン及びその分解物、鶏卵成分、魚肉分解物、核酸関連物質(リボ核酸、デオキシリボ核酸)等を加えることも可能である。
【0035】
本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加剤を適宜配合してもよい。添加剤としては、砂糖、果糖、異性化液糖、ブドウ糖、アスパルテーム、ステビア等の甘味料、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料、デキストリン、澱粉等の賦形剤、結合剤、希釈剤、香料、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
【0036】
本発明の飲食品におけるコラーゲンペプチド組成物の配合量は、その生理作用や薬理作用が発揮できる量であればよいが、対象飲食品の一般的な摂取量を考慮して、通常、成人1日当たりの摂取量が100mg〜10,000mg、好ましくは1,000〜6,000mgとなる量とすればよい。例えば、固形状食品の場合には10〜50重量%、飲料等の液状食品の場合には1〜10重量%が好ましい。
【0037】
具体的に代表的な飲食品の配合例を以下に示すがこれらに限定はされない。
果汁飲料:コラーゲンペプチド組成物0.5〜30重量部、果汁1〜50重量部、異性化液糖5〜20重量部、酸味料(クエン酸など)0.01〜1.0重量部、香料0.1〜1.0重量部、水30〜95重量部。
【0038】
フルーツゼリー・ゼリー飲料:コラーゲンペプチド組成物0.5〜20重量部、果汁1〜40重量部、グラニュー糖5〜20重量部、酸味料(クエン酸など)0.01〜1.0重量部、ゲル化剤(ゼラチンなど)0.5〜10.0重量部、香料0.1〜1.0重量部、水15〜95重量部。
【0039】
粉末食品:コラーゲンペプチド組成物0.5〜80重量部、マルトデキストリン5〜20重量部、増粘剤(ゼラチンなど)0.1〜5.0重量部、乳化剤(シュガーエステルなど)0.1〜5.0重量部、甘味料(アスパルテームなど)0.01〜1重量部。
【0040】
錠剤(タブレット)形態食品:コラーゲンペプチド組成物0.5〜80重量部、マルトデキストリン5〜20重量部、増粘剤(ゼラチンなど)0.1〜5.0重量部、乳化剤(シュガーエステルなど)0.1〜5.0重量部、甘味料(アスパルテームなど)0.01〜1重量部を配合した粉末を打錠。
【0041】
本発明の飲食品を経口摂取することにより、例えば、関節疾患(変形性関節症、慢性関節リウマチ)の治癒、骨粗鬆症の軽減、動脈硬化・高血圧の防止、傷口の治癒促進、皮膚疾患(湿疹、肌荒れ、アトピー性皮膚炎、色素沈着)の治癒、皮膚の保湿性向上、皮膚老化(しわ、しみ、くすみ、たるみ、角質化など)の改善、髪老化(白髪、抜け毛、薄毛など)の防止、抗潰瘍効果、など多様な生理効果、薬理効果が発揮される。
【実施例】
【0042】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)本発明のコラーゲンペプチド組成物の調製
酸処理した魚鱗ゼラチン(新田ゼラチン社製)1.0kgを75℃の温水2.0kgに溶解した。得られたゼラチン溶液にプロテアーゼとしてズブチリシン(和光純薬社製)を5.5g添加し、溶液のpHを8に調整して50℃にて4時間酵素反応を行った。反応終了後、溶液を90℃以上に加熱して酵素を失活させ、微粉活性炭20gを添加し、精密ろ過を行った後、噴霧乾燥して粉末状のコラーゲンペプチド組成物を得た。
【0043】
得られたコラーゲンペプチド組成物の平均分子量は、下記の条件にてゲル濾過高速液体クロマトグラフィー(GF-HPLC)を行うことによって測定し、マルチステーションGPC-8020ソフトウェアVer4.0(東ソー製)にてデータ処理した。分子量307から17800の分子量マーカーの保持時間から別途作成した検量線を用い、当該コラーゲンペプチド組成物の平均保持時間から平均分子量を算出した。
(分析条件)
カラム:TSK-GEL 2500PWXL(300×7.8mm)
溶離液:45%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)
流速:0.8ml/min
検出波長:214nm
【0044】
本発明のコラーゲンペプチド組成物の分子量分布を図1に示す。当該コラーゲンペプチド組成物の平均分子量は2000であり、大部分が分子量500以上3000以下のペプチドの集合物であった。その割合の詳細は、分子量500以上3000以下のペプチドが88.1重量%、分子量3000を越えるペプチドが10.3重量%、分子量500未満のペプチドが1.6重量%であった。
【0045】
(実施例2)血中への移行性比較試験(吸収性試験(1))
実施例1で調製した本発明のコラーゲンペプチド組成物(平均分子量2000)の血中移行性を市販のコラーゲンペプチド組成物の血中移行性と比較した。市販のコラーゲンペプチド組成物としては、魚皮コラーゲンペプチドA(ニッピ社製、商品名ニッピペプタイドFCP、平均分子量5000)、魚皮コラーゲンペプチドB(マルハ社製、商品名フィッシュコラーゲンWP、平均分子量3000)、魚鱗コラーゲンペプチドC(ラビジェ社製、商品名マリンコラーゲンMS5、平均分子量500)、豚皮コラーゲンペプチドD(新田ゼラチン社製、商品名スーパーコラーゲンペプチドSCP5000、平均分子量5000)を用いた。
【0046】
試験は、岩井らの報告(Agric.Food Chem.,2005,Vol.53,No.16,p6531-6536)に基づいて行った。ヒトボランティア5名に対して6日間以上のwash out期間をおき、被験者一人につき、上記のコラーゲンペプチド組成物の全種を被験試料とし、それぞれ単回摂取させるクロスオーバー試験とした。被験者は12時間の絶食後、摂取前採血を行い、各被験試料を摂取させた。被験試料の摂取量は25g/体重65kgとした。摂取0,5,1,2,4,7時間後にそれぞれ5mL採血した。採血した採血管は数回転倒混和し、約15分間氷中で放置した後、遠心分離(3000rpm、15min、4℃)をして血漿を得た。血漿300μLにエタノール900μLを加え、ボルテックスで15秒間攪拌し、遠心分離(12,000rpm、10min、4℃)し、上清を得た。各被験者、各採血時間の血漿は分析まで−80℃で凍結保存した。
【0047】
血漿中のペプチド型ハイドロキシプロリン量は、総ハイドロキシプロリン(ハイドロキシプロリン)量と遊離型ハイドロキシプロリン量をそれぞれ測定し、その差より求めた。総ハイドロキシプロリン(ハイドロキシプロリン)は、佐藤ら(Sato K. et al., J. Agric. Food Chem. 1992, 40, 806-810)の方法に準じ、血漿サンプルを6N塩酸で加水分解後、フェニルイソチオシアネート(PITC)誘導し、下記の条件でHPLCを行うことによって測定した。また、血漿中の遊離型ハイドロキシプロリン量は除蛋白した血漿サンプルについて同条件でHPLCを行うことによって測定した。
【0048】
(分析条件)
カラム:TSK80TsQA(250×2.0mm)
溶離液:(A液) 50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6)
(B液) アセトニトリル
溶出条件:B液 5-10% (0-8min)、B液 70% (8-11min)、B液 5% (11min)
流速:0.18mL/min
検出波長:254nm
【0049】
各血漿サンプルについて算出したペプチド型ハイドロキシプロリンの血中濃度‐時間曲線下面積AUC0-7量(hr・nmol/ml)の平均値±S.E.を下記表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
また、血中のペプチド型ハイドロキシプロリンの量は摂取後1〜2時間でピークを示す。表2には、各コラーゲンペプチドを摂取して1時間後及び2時間後におけるペプチド型ハイドロキシプロリン量(nmol/ml) の平均値±S.E.を示す。
【0052】
【表2】

【0053】
表1に示されるように、AUCを比較すると本発明のコラーゲンペプチド組成物の血中移行性は他の市販のコラーゲンペプチド組成物のそれより有意に増大した。また、表2に示されるように、本発明のコラーゲンペプチド組成物を摂取して1時間後及び2時間後における血中移行性は、他の市販コラーゲンペプチド組成物のそれと比べて1.4〜1.8倍、及び1.5〜2.0倍と有意に増大した。
【0054】
(実施例3)コラーゲンペプチド組成物経口摂取後の血中のペプチド組成
実施例2で採取した血漿サンプルのうち、本発明のコラーゲンペプチド組成物、市販のコラーゲンペプチドA(魚皮由来)、及びコラーゲンペプチドD(豚皮由来)を摂取後の血漿サンプルを試料とした。各試料のエタノール上清画分を遠心真空乾燥機で乾固後、0.1% トリフロオロ酢酸を含む30%アセトニトリル200μLを加えて溶解し、下記の条件にてHPLCで分画した。
【0055】
(分析条件)
カラム:Superdex peptide HR10/30(Amersham Pharmacia,Piscataway,NJ,USA)
溶離液:30%アセトニトリル(0.1%トリフロオロ酢酸含有)
流速:0.5 mL/min
検出波長:230nm
カラム温度:室温
分析時間:60分
【0056】
溶出サンプルは、フラクションコレクターにて1分毎で回収した。ゲル濾過クロマトグラフィーで得た分子量200〜500の画分をペプチド画分として遠心真空乾燥機で約50μLに濃縮し、下記の条件にて逆相クロマトグラフィーで分画した。
(分析条件)
カラム:Inertsil ODS-3(250 mm×4.6 mm i.d., GL Science,東京)
溶離液:(A液)0.1% トリフロオロ酢酸
(B液)80%アセトニトリル(0.1% トリフロオロ酢酸含有)
溶出条件:B液 0% (0-15min)、B液 0-50% (15-30min)、B液100% (30-40min)、B液 0% (40-55min)
流速:1mL/min
カラム温度:43.0℃
検出波長:230nm
【0057】
逆相クロマトグラフィーで分画した各ピークについてアミノ酸分析とプロテインシークエンスを行い、各コラーゲンペプチド組成物経口摂取後の血中のペプチド組成を算出した。アミノ酸分析は、佐藤ら(Sato K. et al, J. Agric. Food Chem. 1992, 40, 806-810)の方法に準じ、実施例2と同様に分析した。但し、スタンダードとしてPTHアミノ酸標準混合液(アプライドバイオシステム社製)及びPTHハイドロキシプロリン調製液(アプライドバイオシステム社製)を用いた。プロテインシークエンスは各ピークの分画液をPVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜へ滴下後、プロテインシークエンサー(アプライドバイオシステム)を用いて分析した。代表的な結果である摂取1時間後のデータを下記表3に示す。
【0058】
【表3】

【0059】
表3に示すように、コラーゲンペプチドA、Dを経口摂取した後の血中のペプチド組成の大部分は、プロリン−ハイドロキシプロリンの2量体であり、イソロイシン−ハイドロキシプロリン、ロイシン−ハイドロキシプロリン、フェニルアラニン−ハイドロキシプロリンなどの2量体も見られた。これに対し、本発明のコラーゲンペプチド組成物を経口摂取した後の血中のペプチド組成は、従来のプロリン−ハイドロキシプロリン、イソロイシン−ハイドロキシプロリン、ロイシン−ハイドロキシプロリン、フェニルアラニン−ハイドロキシプロリンなどの2量体に加えて、アラニン−ハイドロキシプロリン−グリシン、セリン−ハイドロキシプロリン−グリシンなどの3量体も存在した。従って、本発明のコラーゲンペプチド組成物を経口摂取すれば、従来血中へ移行されなかったペプチド体も新たに移行することがわかった。また、コラーゲンペプチドA、Dは経口摂取後の血中ペプチドにおいてもN末端アミノ酸がグリシンであるペプチドは検出されなかった。この結果は、これまで報告される(特開2001-131084号、特開2003−137807号参照)、アミノ酸配列がGly-X-Yのトリペプチドは、経口摂取してもそのままの形では血中へ移行せず、有効ではないことを示す。Gly-X-Yのトリペプチドが経口摂取後の血中で検出されないのは、経口摂取後、消化管内でグリシンが切断され、残ったジペプチド体だけが血中に移行されたためと考えられる。
【0060】
(実施例4) コラーゲンペプチド組成物のN末端アミノ酸の決定
実施例1で調製したコラーゲンペプチド組成物、及び実施例2で用いたコラーゲンペプチドA〜DのN末端アミノ酸を調べた。各コラーゲンペプチドに含まれるペプチドのアミノ酸配列の決定は、各ペプチドを水に溶解してPVDF膜へ滴下後、エドマン法を自動化したアミノ酸分析装置である、プロテインシークエンサー(アプライドバイオシステム)を用いて行った。組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンの占める割合を下記表4に示す。
【0061】
【表4】

【0062】
表4に示すようにコラーゲンペプチドA、Dは、N末端アミノ酸においてグリシンが占める割合が65モル%より大きく、一方、コラーゲンペプチドB、Cは、N末端アミノ酸においてグリシンが占める割合が30モル%より小さい。これらのコラーゲンペプチドA〜Dは実施例2に示したように、血中へのペプチド体の移行性が低い。これに対し、本発明のコラーゲンペプチド組成物は、N末端アミノ酸においてグリシンが占める割合が59.4モル%であり、かつ血中移行性が良好であったことから、組成物を構成するペプチドのN末端アミノ酸組成におけるグリシンの占める割合が適正な範囲であるときに血中への移行性が高く、その範囲を逸脱すると、血中移行性が低下すると判断される。
【0063】
(実施例5)本発明のコラーゲンペプチド組成物の調製
実施例1で得られたゼラチン溶液に各種のタンパク質分解酵素を加え、下記表5の条件で5種の粉末状のコラーゲンペプチド組成物を本発明のコラーゲンペプチド組成物として得た。
【0064】
【表5】

【0065】
得られたコラーゲンペプチド組成物の平均分子量は、実施例1と同様の方法で調べ、実施例4と同様の方法で組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンの占める割合を調べた。結果を下記表6に示す。なお、全てのコラーゲンペプチド組成物の平均分子量は2000であった。
【0066】
【表6】

【0067】
(実施例6)血中への移行性比較試験(吸収性試験(2))
実施例5で調製した5種の本発明のコラーゲンペプチド組成物について血中移行性をモルモットで検討した。対照として実施例2で用いたコラーゲンペプチドDを用いた。試験にはHartley系雄性モルモット7週齢を用いた。被験試料の投与量は3g/10mL/kg体重とし、蒸留水に溶解して経口投与した。モルモットは試験前日夕方より絶食し、投与前及び投与後0.5,1,2,6時間後にジエチルエーテル麻酔下で、頸静脈より経時的に採血した。血液の処理法と血漿中のハイドロキシプロリン量の測定法は、実施例2に示した方法に準じた。各血漿サンプルについて算出したペプチド型ハイドロキシプロリンの血中濃度−時間曲線下面積AUC0-7量(hr・nmol/ml:平均値±S.E.)を下記表7に示す。
【0068】
【表7】

【0069】
また、モルモットでも血中のペプチド型ハイドロキシプロリンの量は摂取後1〜2時間後でピークを示す。下記表8には、各コラーゲンペプチドを投与して1時間後及び2時間後におけるペプチド型ハイドロキシプロリン量を示した(nmol/ml:平均値±S.E.)。
【0070】
【表8】

【0071】
表7に示すように、AUCを比較すると本発明のコラーゲンペプチド組成物の血中移行性は市販のコラーゲンペプチドDと比較して有意に増大した。また、表8に示すように、本発明のコラーゲンペプチド組成物を摂取して1時間及び2時間後における血中移行性もまた市販のコラーゲンペプチドDと比較して有意に増大した。
【0072】
(実施例7)血中への移行性比較試験(吸収性試験(3))
実施例5で調製した本発明のコラーゲンペプチド組成物のうちの2種(02B,02N)の血中移行性をヒトで検討した。対照として市販のコラーゲンペプチドE(新田ゼラチン社製、商品名イクオスHDL-50F、分子量500以下0.117%、分子量500以上3000以下46.248%、分子量3000以上53.637%、N末端がグリシンの割合72.1モル%)を用いた。
【0073】
試験は、ヒトボランティア13名に対して6日間以上のwash out期間をおき、被験者一人につき、上記の3種のコラーゲンペプチド組成物を被験試料とし、それぞれ単回摂取させるクロスオーバー試験とした。被験者は12時間の絶食後、摂取前採血を行い、各被験試料を摂取させた。被験試料の摂取量は25g/体重65kgとした。摂取0,5,1,2,4,7時間後にそれぞれ5mL採血し、実施例2の方法と同様に血漿中のペプチド型ハイドロキシプロリン量を求めた。各血漿サンプルについて算出したペプチド型ハイドロキシプロリンの血中濃度−時間曲線下面積AUC0-7量(hr・nmol/ml:平均値±S.E.)を下記表9に示す。
【0074】
【表9】

【0075】
血中のペプチド型ハイドロキシプロリンの量は摂取後1〜2時間後でピークを示した。下記表10には、各コラーゲンペプチドを投与して1時間後及び2時間後におけるペプチド型ハイドロキシプロリン量を示した。(nmol/ml:平均値±S.E.)
【0076】
【表10】

【0077】
表9に示すように、AUCを比較すると本発明のコラーゲンペプチド組成物の血中移行性は市販のコラーゲンペプチドEと比較して有意に増大した。また、表10に示すように、本発明のコラーゲンペプチド組成物を摂取して1時間及び2時間後における血中移行性もまた市販のコラーゲンペプチドEと比較して有意に増大した。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、機能性食品やサプリメントなどの飲食品の製造分野において利用できる。
【0079】
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書に組み入れるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラーゲンまたはゼラチンをプロテアーゼにより分解して得られるコラーゲンペプチド組成物であって、分子量500以上3000以下のペプチドが70〜100重量%、分子量500未満のペプチドが10重量%未満、分子量3000を越えるペプチドが20重量%未満からなり、かつ該組成物中のペプチドのN末端アミノ酸においてグリシンの占める割合が33モル%以上65モル%以下であることを特徴とする、前記コラーゲンペプチド組成物。
【請求項2】
プロテアーゼがセリンプロテアーゼまたはシステインプロテアーゼである、請求項1に記載のコラーゲンペプチド組成物。
【請求項3】
コラーゲンまたはゼラチンが魚類由来である、請求項1または2に記載のコラーゲンペプチド組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコラーゲンペプチド組成物を含有する飲食品。

【図1】
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【公開番号】特開2013−34478(P2013−34478A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194906(P2012−194906)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2008−544197(P2008−544197)の分割
【原出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000006138)株式会社明治 (265)
【Fターム(参考)】