説明

コラーゲン様ポリペプチドおよびそれを含有する皮膚外用組成物

【課題】皮膚滞留性が高く、皮膚に対して刺激を有しないシワ抑制剤を提供すること。
【解決方法】
式(I):
【化1】


[式中、nは1以上の整数を表し;
Xはヒドロキシプロリン(Hyp)残基のヒドロキシ基末端であって、Hまたは
CO-(CH2)m-CO-Rを表し;
mは1〜18の整数を表し;
Rはシワ抑制効果を有する生理活性ペプチドまたはOHを表し;
ここに、少なくとも1つ以上のXが、Rが前記生理活性ペプチドであるCO-(CH2)m-CO-Rである]
で表されるコラーゲン様ポリペプチド、およびそれを有効成分として含む皮膚外用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なポリペプチドおよびそれを含む皮膚外用組成物に関する。さらに詳細には、本発明は皮膚細胞賦活活性を有する生理活性ペプチドの皮膚滞留性を高めたコラーゲン様ポリペプチドおよびそれを含む皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化にともないシミ、あざ、くすみなどが生じ易くなるとともにシワが増加する。このような皮膚の老化現象には、皮膚新陳代謝の機能低下などの生体内要因が大きく関与している。また外部要因としては、寒冷刺激、紫外線、接触に伴う摩擦による外部刺激が関与している。
これらの要因に起因する老化現象のうち、シワ形成に対する対応手段として、皮膚賦活作用のあるホルモン剤あるいはビタミン剤、皮膚に到達する紫外線を少なくする手段として紫外線吸収剤あるいは紫外線散乱剤、皮膚の弾力を改善する保湿剤あるいはコラーゲン生合成を促進する剤などの有効成分を配合してなる皮膚外用剤が考案されている。
【0003】
しかしながら、発汗や衣服、寝具などとの接触により、これらの有効成分を配合した皮膚外用剤を皮膚に適用しても多量の有効成分が脱落して有効成分の効果が十分に発揮されていないのが実情である。
また、皮膚に塗布した有効成分の滞留性を高める手段として種々の処方系が考案されているが、これらの処方系に配合される成分は少なからず皮膚に対する刺激があり、または抗原性を有してアレルギー症状を引き起こすなど悪影響を及ぼしている。
そのような課題の下に、シワを抑制する有効成分としてオリゴペプチドが見出されている(非特許文献1)が、これらは水溶性の成分のため皮膚への浸透性が低い。そこで、皮膚浸透性を上げるために脂肪酸を結合させるなどの工夫がされてきた(特許文献1および2)。しかし、これらの技術によっても、皮膚滞留性は低く、効果の持続性に問題がある。
したがって、これらのシワ抑制効果を発揮する有効成分の皮膚の滞留性を高める有効成分が望まれていた。
【特許文献1】特表2002−524487
【特許文献2】特開2003−238387
【非特許文献1】The Journal of Biological Chemistry, Vol.268, No.14, pp.9941-9944, 1993
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、皮膚に対して安全性が高く皮膚滞留性を有し、シワ抑制効果を有するコラーゲン様ポリペプチドならびにそれを配合した皮膚外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、かかる課題の下に鋭意検討した結果、特定の構造を有するコラーゲン様ポリペプチドがかかる効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
[1] 式(I):
【化1】

[式中、nは1以上の整数を表し;
Xはヒドロキシプロリン(Hyp)残基のヒドロキシ基末端であって、Hまたは
CO-(CH2)m-CO-Rを表し;
mは1〜18の整数を表し;
Rはシワ抑制効果を有する生理活性ペプチドまたはOHを表し;
ここに、少なくとも1つ以上のXが、Rが前記生理活性ペプチドであるCO-(CH2)m-CO-Rである]
で表されるコラーゲン様ポリペプチド;
[2] Rが式(II):
Lys-Thr-Thr-Lys-Ser(配列番号:1)または
Gly-Gln-Pro-Arg(配列番号:2)
で表される配列を一部または全部に有するペプチドである前記[1]記載のコラーゲン様ポリペプチド;
[3] 式(I)において、nが1〜5000である前記[1]または[2]記載のコラーゲン様ポリペプチド;
[4] 式(I)において、XがCO-(CH2)m-CO-Rである割合が1/100〜100/100である前記[1]ないし[3]のいずれか1に記載のコラーゲン様ポリペプチド;
[5] 式(I)において、RがLys-Thr-Thr-Lys-SerまたはGly-Gln-Pro-ArgであるCO-(CH2)m-CO-RであるXの割合が1/100〜100/100である前記[1]ないし[4]のいずれか1に記載のコラーゲン様ポリペプチド;および
[6] 前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載のコラーゲン様ポリペプチドを含む皮膚外用組成物
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、皮膚の線維芽細胞を増殖し、シワの形成に寄与するコラーゲンの産生を高めつつ、皮膚滞留性の向上した、シワの予防および/または改善効果を有するコラーゲン様ポリペプチドならびにそれを含有する皮膚外用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、第1の態様において、新規なコラーゲン様ポリペプチド化合物を提供する。
本発明のコラーゲン様ポリペプチドは、式(I):
【0009】
【化2】

[式中、nは1以上の整数を表し;
Xはヒドロキシプロリン(Hyp)残基のヒドロキシ基末端であって、Hまたは
CO-(CH2)m-CO-Rを表し;
mは1〜18の整数を表し;
Rはシワ抑制効果を有する生理活性ペプチドまたはOHを表し;
ここに、少なくとも1つ以上のXが、Rが前記生理活性ペプチドであるCO-(CH2)m-CO-Rである]
によって表される化合物であり、コラーゲン様主鎖にジカルボン酸リンカーを介して生理活性ペプチドが結合した構造を有する。
ここに式(I)中のHyp-Xの結合について説明すると、XがHの場合、Hyp-Xはヒドロキシプロリンであり通常単にHypと表すことができ、XがCO-(CH2)m-CO-Rの場合、Hyp-Xはヒドロキシプロリンのヒドロキシ基とジカルボン酸のカルボキシル基がエステル結合したものを表す。
【0010】
Rで表されるシワ抑制効果を有する生理活性ペプチドとしては、シワ抑制効果を有することが公知のオリゴペプチドまたはポリペプチドであれば特に限定されるものではないが、好ましくはコラーゲン産生作用を有するLys-Thr-Thr-Lys-Ser(配列番号:1)やホルモン様作用を有するGly-Gln-Pro-Arg(配列番号:2)の配列を一部または全部に有するペプチドである。より好ましくは、Rが配列番号:1または2の配列を生理活性ペプチドの末端に有するペプチドであり、さらに好ましくは、Rが配列番号:1の配列を一部または全部に有する場合はLysにおいて、配列番号:2の配列を一部または全部に有する場合はGlyにおいて、それぞれジカルボン酸リンカーと結合したペプチドであり、最も好ましくは、Lysにおいてジカルボン酸リンカーに結合した配列番号:1の配列からなるペプチドまたはGlyにおいてジカルボン酸リンカーに結合した配列番号:2の配列からなるペプチドである。
【0011】
また、トリペプチドの重合度を表すnは、好ましくは1〜5000であり、より好ましくは2〜3000であり、最も好ましくは5〜2000である。nが小さいとコラーゲン様ポリペプチドの皮膚滞留性が減少し、nが大きいとペプチドの合成に多大な労力を要する。
また、コラーゲン様主鎖と生理活性ペプチドとを連結するジカルボン酸リンカーのメチレン鎖の炭素数を表すmは、好ましくは1〜18であり、より好ましくは2〜12であり、さらにより好ましくは2〜10である。mが18を超える場合は皮膚外用組成物の製剤化が困難になるため好ましくない。最も好ましくはmが2であってジカルボン酸がコハク酸の場合であり、この場合にはジカルボン酸のコラーゲン様主鎖への結合および生理活性ペプチドの修飾の各合成が容易となる。
【0012】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドは、上記式(I)において、XがCO-(CH2)m-CO-Rである割合は、好ましくは1/100〜100/100、より好ましくは5/100〜90/100、最も好ましくは10/100〜80/100である。この割合が1/100未満である場合はジカルボン酸リンカーの付加量が少なく、十分な生理活性ペプチドが付加されないため好ましくない。一方、割合が100/100である場合は、上記式(I)においてすべてのHypにCO-(CH2)m-CO-Rが付加した構造であり、これを超える割合になることはないが、Xの割合がある程度小さくなると合成が容易になるため好ましい。
【0013】
また、上記式(I)において、RがLys-Thr-Thr-Lys-SerまたはGly-Gln-Pro-Argのいずれかまたは両方の配列を有するペプチドであるXの割合は、好ましくは1/100〜100/100、より好ましくは5/100〜90/100、最も好ましくは10/100〜80/100である。この割合が1/100未満である場合は生理活性ペプチドの付加量が少なく、剤型によっては十分なシワ抑制効果を発揮させることが困難になるため好ましくない。一方、割合が100/100である場合は、上記式(I)においてすべてのHypにRが生理活性ペプチドであるXが付加した構造であり、これを超える割合になることはない。
【0014】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドの分子量は、好ましくは1,000〜30,000,000であり、より好ましくは2,000〜20,000,000であり、最も好ましくは3,000〜10,000,000である。コラーゲン様ポリペプチドの分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定することができる。
【0015】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドは、好ましくは1700〜1800cm-1の範囲に赤外スペクトルの吸収を有する。この範囲に赤外スペクトル吸収ピークがないと、主鎖に対するジカルボン酸リンカーの量が少ないこととなり、十分な量のジカルボン酸リンカーが結合されていない可能性がある。赤外スペクトル吸収は、FT-IR(KBr法)で測定することができる。
【0016】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドは、プロリン(Pro)−ヒドロキシプロリン(Hyp)−グリシン(Gly)からなるトリペプチド・ユニット(PHG)が重合したコラーゲン様ポリペプチド主鎖に、そのヒドロキシプロリンのヒドロキシ基末端において、ジカルボン酸リンカーを介して生理活性ペプチドを結合することにより製造することができる。
【0017】
具体的には、固相合成法または液相合成法などの通常のペプチド合成方法に従って、トリペプチドの縮合によりコラーゲン様ポリペプチド主鎖を合成し、生成したコラーゲン様ポリペプチド中のヒドロキシプロリンのヒドロキシ基末端にエステル化縮合によりジカルボン酸を付加させ、付加したジカルボン酸リンカーの遊離末端に生理活性ペプチドをペプチド縮合で付加することにより製造することができる。
この際、ジカルボン酸として、無水コハク酸などのジカルボン酸無水物を用いるとヒドロキシプロリンのヒドロキシ基とジカルボン酸とのエステル化反応を容易に行え、ジカルボン酸の遊離末端が生じ、続く生理活性ペプチドとの縮合反応が行いやすいため好ましい。
【0018】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドにおけるトリペプチド・ユニット(PHG)の重合度(n)は、例えば、ポリペプチド主鎖の合成後、合成物の分子量を測定することにより得ることができる。分子量の測定は前述のゲルパーミエーションクロマトグラフィーなどにより行うことができる。
【0019】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドにおけるジカルボン酸リンカーの付加量は、例えば、赤外吸収スペクトルにおけるエステルとアミドのピーク強度比から測定することができる。また、より詳細には、ジカルボン酸の付加反応後、未反応のジカルボン酸の量(モル数)をHPLCで定量することにより測定することができる。すなわち、合成に用いたジカルボン酸全量より未反応のジカルボン酸量を減じた量がジカルボン酸付加量となる。
【0020】
本発明のコラーゲン様ポリペプチドにおける生理活性ペプチドの付加量は、例えば、ペプチド付加反応後、未反応の生理活性ペプチドの量(モル数)をHPLCで定量することにより測定することができる。すなわち、合成に用いた生理活性ペプチド全量より未反応の生理活性ペプチド量を減じた量がジカルボン酸付加量となる。
【0021】
本発明は、もう1の態様において、上記のコラーゲン様ポリペプチドを含む皮膚外用組成物を提供する。
本発明の皮膚外用組成物は、トリペプチド・ユニットの重合度、リンカーとして使用するジカルボン酸の種類、ジカルボン酸リンカー長、結合する生理活性ペプチドの種類および割合によって生じる異なるコラーゲン様ポリペプチドの1種または2種以上を配合することができる。
皮膚外用組成物として使用することにより、皮膚の酵素などによってジカルボン酸リンカー部位において切断された生理活性ペプチドが、皮膚中に放出され、シワ抑制効果が発現されることが期待できる。
【0022】
本発明の皮膚外用組成物は、線維芽細胞の増殖を高めることによりコラーゲンの合成量を増加させ、シワを予防および改善することができる。したがって、本発明の皮膚外用組成物は、シワ形成防止またはシワ形成予防用途で、化粧料、医薬品、医薬部外品などとして好適に使用することができ、皮膚への適用に適した剤型、例えば、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、乳剤、粉剤、懸濁剤、液剤、エアゾール剤、硬膏剤、パップ剤、テープ剤およびプラスター剤などとして使用できる。具体的には、本発明の皮膚外用組成物は、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック、シート剤、メイクアップベースローション、メイクアップベースクリームなどの化粧下地、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、リップスティック、日焼け止めなどの皮膚化粧料、クレンジングローション、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングジェル、洗顔石鹸および洗顔フォーム、ボディーシャンプーなどの皮膚洗浄料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、ヘアトニック、養毛剤などの毛髪用化粧料、浴用剤などとして好適に使用できる。
【0023】
本発明の皮膚外用組成物に含まれるコラーゲン様ポリペプチドの量は、用いる剤型によって適宜設定することができる。
例えば、パックまたはシート剤では、通常0.00001〜100重量%、好ましくは0.0001〜99.9重量%、より好ましくは0.001〜99重量%、最も好ましくは0.01〜98重量%である。
また、クリーム、化粧水、美容液など上記以外の剤型においては、通常0.00001〜30重量%、好ましくは0.0001〜20重量%、より好ましくは0.001〜10重量%、最も好ましくは0.01〜5重量%である。
【0024】
また、本発明の皮膚外用組成物には、剤型に応じて、油分、界面活性剤、水溶性多価アルコール、無機塩、粘度調整剤、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、色素、他の薬効成分、香料などを配合することができる。
【0025】
任意に配合し得る油分としては、例えば、固体状若しくは液体状パラフィン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケライト、モンタンロウ、スクワラン、スクワレン、オレフィンオリゴマー、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素類、オリーブ油、カルナウバロウ、ラノリン、ミツロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、イソプロピルステアリン酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コレステロールイソステアレートなどのエステル類、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、天然抽出のスフィンゴシン誘導体、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサンなどのシリコーン油などを挙げることができる。
【0026】
また、界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩などのスルホコハク酸系、アミノ酸系、アシル化ペプチド系、糖系、脂肪酸石鹸、エーテルカルボン酸系などのアニオン性界面活性剤、モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)などのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60E.O.)などのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(9E.O.)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミン(5E.O.)などのポリオキシエチレンアルキルアミンなどの非イオン性界面活性剤、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジヤシアルキルジメチルアンモニウム、塩化セチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジステアリジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチル酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチル酢酸ベタイン、パーム核油脂肪酸ジメチル酢酸ベタイン、第2級アミド型イミダゾリニウム系両性界面活性剤、第3級アミド型イミダゾリニウム系両性界面活性剤のアルカリ金属塩、アミノ酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤などの両性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
また、水溶性多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコールなどを挙げることができる。
【0028】
また、粉体としては、例えば、マイカ、タルク、セリサイト、カオリン、ナイロンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンなどの体質顔料、パールなどの無機顔料、赤色202号、赤色226号、黄色4号、アルミニウムレーキなどの有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄などの紫外線防御用の無機粉体などを挙げることができ、これらの粉体は、メチルハイドロジェンメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、メチルポリシロキサンなどによるシリコーン処理、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコールなどによるフッ素処理、N-アシルグルタミン酸などによるアミノ酸処理、レシチン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、アルキルリン酸エステル処理などが施されたものを使用することができる。
【0029】
さらに、本発明の皮膚外用組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、通常化粧品、医薬部外品、医薬品などに配合される各種の薬効成分を配合することができる。
このような薬効成分としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、タウリンなどのアミノ酸、アシルサルコシン酸誘導体、グルタチオン、リンゴ酸などの有機酸、ビタミンAなどのビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ-オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランチン、プラセンタエキス、感光素、アルブチン、コウジ酸、トラネキサム酸などを挙げることができる。
【0030】
つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これは説明することを目的とするものであって、本発明をこれらに限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0031】
コラーゲン様ポリペプチドの合成
(1)ポリ(Pro-Hyp-Gly)の合成
100mgのPro-Hyp-Gly(PHG)トリペプチド((株)ペプチド研究所)を2mLのリン酸緩衝液に溶解した。つぎに、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt:縮合助剤)9.5mgを加えて溶解し、4℃に冷却した。つぎに、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)/HCl(縮合剤)を100mg加え、攪拌しながら4℃にて2時間、その後20℃にて30分間それぞれ反応させた。反応物を透析用セルロースチューブに移し、4℃で透析して、縮合剤、縮合助剤および未反応ペプチドを除去した。
得られたポリペプチド(poly−PHG)について、円二色性スペクトルを測定したところ、225nmに正のコットン効果、197nmに負のコットン効果が観測され、三重らせん構造を形成していることが確認された。
得られたポリペプチドについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定を、測定条件[アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR GL、流速:0.5mL/分、溶離液:10 mMリン酸塩緩衝生食液(0.15 MのNaClを含む)、pH7.4、標準物質:Fluka社製のポリエチレングリコール標準品]で行ったところ、分子量25,000〜1,650,000あたりにピークが検出された。
ポリペプチド(poly−PHG)は凍結乾燥を行い、保存し、適宜必要量を次の反応に用いた。
【0032】
(2)poly−PHGへのコハク酸の付加
ジメチルホルムアミドに10mgの凍結乾燥poly−PHGを加え、さらに37mgの無水コハク酸と64μLのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を加え、4℃にて2時間、その後20℃にて一晩反応させた。反応物を透析用のセルロースチューブに移し、4℃で透析して、未反応のコハク酸およびDIPEAを除去した。透析後の生成物(コハク酸付加poly-PHG)は凍結乾燥を行い、保存し、適宜必要量を次の反応に用いた。
この生成物の赤外吸収スペクトルをFT-IR(KBr法)によって測定したところ、1730cm-1付近にスペクトルの吸収が出現し、コハク酸付加に伴って形成されるエステル結合が確認された。また、1640cm-1付近のアミドの吸収との強度比から、poly-PHGに対するコハク酸付加量は65/100(モル比)であった。
【0033】
(3)コハク酸付加poly−PHGへの生理活性ペプチド修飾1:KTTKS-poly-PHG-1
5mgのコハク酸付加poly−PHGを適量のジメチルホルムアミドに懸濁し、8.6mgのN-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)および14mgのEDC/HClを加え、20℃にて一晩反応させた。反応物をジメチルホルムアミドで洗浄し、3μmolのLys-Thr-Thr-Lys-Ser(KTTKS)ペプチド(インビトロジェン(株))、12μmolのエタノールアミン、1.5μmolのDIPEAを加えて20℃にて一晩反応させた。反応物をジメチルホルムアミドで洗浄し、さらにメタノールで洗浄した後に、減圧乾燥法により乾燥させ、目的の生理活性ペプチド修飾poly-PHG(KTTKS-poly-PHG)を得た。
ペプチド付加反応後の反応液に存在する未反応のKTTKSをHPLCにより、測定条件[アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTAexplorer10XTシステム、カラム:Waters社製Nova-Pak C18カラム、流速:1.0mL/分、溶離液:トリフルオロ酢酸を0.05容量%含有するアセトニトリルと水の混合溶媒(アセトニトリル濃度は1容量%から30容量%/30分のリニアグラディエント)]によって定量し、反応前のペプチド溶液の定量値と比較したところ、KTTKSペプチドの固定化率(反応したペプチド量/反応に用いたペプチド量)は93/100(モル比)であることが確認された。
【0034】
(4)コハク酸付加poly−PHGへの生理活性ペプチド修飾2:KTTKS-poly-PHG-2
5mgのコハク酸付加poly−PHGを適量のジメチルホルムアミドに懸濁し、8.6mgのHOSuおよび14mgのEDC/HClを加え、20℃にて一晩反応させた。反応物をジメチルホルムアミドで洗浄し、1.5μmolのKTTKSペプチドおよび1.5μmolのDIPEAを加えて、20℃にて一晩反応させた。反応物をジメチルホルムアミドで洗浄し、さらにメタノールで洗浄した後に、減圧乾燥法により乾燥させ、目的の生理活性ペプチド修飾poly-PHG(KTTKS-poly-PHG)を得た。
ペプチド付加反応後の反応液に存在する未反応のKTTKSをHPLCにより、前記(3)と同じ測定条件で定量し、反応前のペプチド溶液の定量値と比較したところ、KTTKSペプチドの固定化率(反応したペプチド量/反応に用いたペプチド量)は100/100(モル比)であることが確認された。
【0035】
(5)コハク酸付加poly−PHGへの生理活性ペプチド修飾3:GQPR-poly-PHG-1
5mgのコハク酸付加poly−PHGを適量のジメチルホルムアミドに懸濁し、8.6mgのHOSuおよび14mgのEDC/HClを加え、20℃にて一晩反応させた。反応物をジメチルホルムアミドで洗浄し、1.5μmolのGly-Gln-Pro-Arg(GQPR)ペプチド(インビトロジェン(株))及び1.5マイクロmolのDIPEAを加えて、20℃にて一晩反応させた。反応物をジメチルホルムアミドで洗浄し、さらにメタノールで洗浄した後に、減圧乾燥法により乾燥させ、目的の生理活性ペプチド修飾poly-PHG(GQPR-poly-PHG)を得た。
ペプチド付加反応後の反応液に存在する未反応のKTTKSをHPLCにより、前記(3)と同じ測定条件で定量し、反応前のペプチド溶液の定量値と比較したところ、KTTKSペプチドの固定化率(反応したペプチド量/反応に用いたペプチド量)は75/100(モル比)であることが確認された。
【0036】
短期薬剤接触による線維芽細胞増殖作用比較1
シワ形成にはコラーゲンが形成するコラーゲン線維(膠原細胞)や弾性線維(エラスチン)が関与していることが知られている。このコラーゲンは線維芽細胞により合成されるために、本発明のコラーゲン様ポリペプチドの線維芽細胞に対する効果を検討することにより、コラーゲン線維や弾性線維の合成能力、しいてはシワ抑制効果を検討することができる。培養細胞を用いた線維芽細胞増殖試験においては、通常、薬剤を培地に溶解させて投与し、投与後の培地は交換されずにそのまま細胞培養が行われるため、長期(培養の全期間中)に薬剤と接触されることとなる。しかし、皮膚においては吸収による代謝や外的要因による除去などにより、薬剤の接触は必ずしも長期にはならない。本発明のコラーゲン様ポリペプチドは、短期の接触でも細胞へ吸着することにより効果の持続が予想される。
そこで、本発明に係るコラーゲン様ポリペプチドについて、以下の試験により、短期薬剤接触による線維芽細胞増殖作用を比較した。
【0037】
線維芽細胞の増殖は、MTT法(J. Immunol. Method, 93, 157, 1986)に準拠して測定した。
100mm径の培養皿に入れた10%(v/v)FBS含有培地(イーグルMEM培地;日水製薬(株))15mlにヒト正常皮膚線維芽細胞2×106個を播種し、37℃、5%CO2-95%air下で3日間培養した。ついで、この培養細胞をトリプシン処理し、遠心分離して細胞を収集した。
沈殿として得られた細胞を10%(v/v)FBS含有培地(イーグルMEM培地:日水製薬(株))に懸濁し、96穴プレートの1穴について5×103個ずつ分注した。24時間培養後に、本発明のKTTKS-polyPHGペプチド(KTTKS-polyPHG-1)、KTTKSペプチドまたはpolyPHGペプチドを溶解したFBS含有培地(0.5%(v/v))を1穴につき100μLずつ加え、また、対照区としてペプチドを含まない培地を加え、37℃、5%CO2-95%air下で24時間培養した。サンプル量は、KTTKS:20μM(11.3μg/mL)、KTTKS-polyPHG-1:KTTKS 20μMが付加された量、polyPHG:KTTKS-polyPHG-1中の主鎖と同量、に設定した。
【0038】
培養後、細胞に吸着していない遊離した試験薬剤を除去するため、培地を除去し、新鮮な0.5%(v/v)FBS含有培地(イーグルMEM培地:日水製薬((株))で細胞を洗浄した。さらに新鮮な0.5%(v/v)FBS含有培地に入れ替えて、37℃にて2日間培養した。
培地を除去し、1穴について100μgのMTTを10%(v/v)FBS含有培地0.1mlに溶解させて添加し変色反応をさせた。その後PBSで洗浄し、1穴につき、2-プロパノール/塩酸50μLを加えホルマザン溶解した。その後、吸光度測定(測定波長540nm、ベース波長655nm)により線維芽細胞の増殖量を測定した。
結果を対照区に対する割合として図1に示す。
【0039】
図1から明らかなように、本発明のpolyPHG−KTTKSポリペプチドによる線維芽細胞増殖効果が明らかになった。
したがって、本発明のpolyPHG−KTTKSは線維芽細胞の細胞数を増加させ、それによって線維芽細胞によって合成されるコラーゲンの合計量を増加させ、シワ形成を抑制する効果があることが見出された。
【0040】
短期薬剤接触による線維芽細胞増殖作用比較2
線維芽細胞増殖促進効果を有する既知の物質との比較を行った。
実験方法は上記実験と同じ方法で行った。
サンプル量は、KTTKS-polyPHG-1:上記の比較1と同量、テアニン:1mg/ml、ヒドロキシプロリン:131μg/mL、グリコール酸:10μMである。
図2から明らかなように、本発明のpolyPHG−KTTKSポリペプチドによる線維芽細胞増殖効果が明らかになった。
したがって、本発明のpolyPHG−KTTKSは、既知の物質と比較して優れた線維芽細胞増殖作用を有し、それによって既知の物質と比較して線維芽細胞によって合成されるコラーゲンの合計量を増加させ、シワ形成を抑制する効果があることが見出された。
【0041】
次にコラーゲン様ポリペプチドを皮膚外用組成物に適用した例を示す。
実施例1(化粧水)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
エタノール 5.0
濃グリセリン 4.0
ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.3
トレハロース 1.0
香料 0.03
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.7
クエン酸 0.08
クエン酸ナトリウム 0.08
精製水 残部
計 100.0
【0042】
実施例2(美容液)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 5.0
エタノール 10.0
濃グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
キサンタンガム 0.4
ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.1
クエン酸 0.08
クエン酸ナトリウム 0.08
香料 0.1
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.8
精製水 残部
計 100.0
【0043】
実施例3(美容液)
成分 配合量
GQPR-poly-PHG 5.0
エタノール 10.0
濃グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
キサンタンガム 0.4
ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.1
クエン酸 0.08
クエン酸ナトリウム 0.08
香料 0.1
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.8
精製水 残部
計 100.0
【0044】
実施例4(乳液)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 5.0
1,3−ブチレングリコール 12.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
ステアリン酸 1.0
エタノール 3.0
オリーブ油 8.0
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリン 1.0
メチルポリシロキサン 2.0
レシチン 0.1
バチルアルコール 1.0
水酸化カリウム 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.1
香料 0.1
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.7
精製水 残部
計 100.0
【0045】
実施例5(クリーム)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 10.0
濃グリセリン 10.0
モノステアリン酸ポリグリセリル 4.0
親油性モノステアリン酸グリセリル 4.0
ステアリン酸 4.0
スクワラン 6.0
オリーブ油 8.0
メチルポリシロキサン 0.7
セタノール 3.0
エタノール 3.0
香料 0.1
水酸化カリウム 0.6
カルボキシビニルポリマー 0.2
dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.1
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.9
1,2−ヘキサンジオール 1.0
精製水 残部
計 100.0
【0046】
実施例6(クリーム)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-2 5.0
濃グリセリン 10.0
モノステアリン酸ポリグリセリル 4.0
親油性モノステアリン酸グリセリル 4.0
ステアリン酸 4.0
スクワラン 6.0
オリーブ油 8.0
メチルポリシロキサン 0.7
セタノール 3.0
エタノール 3.0
香料 0.1
水酸化カリウム 0.6
カルボキシビニルポリマー 0.2
dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.1
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.9
1,2−ヘキサンジオール 1.0
精製水 残部
計 100.0
【0047】
実施例7(洗顔フォーム)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
ステアリン酸 10.0
パルミチン酸 12.0
ミリスチン酸 15.0
ラウリン酸 3.0
サラシミツロウ 2.0
水酸化カリウム 8.0
香料 0.6
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.9
1,3−ブチレングリコール 4.0
1,2−ヘキサンジオール 1.0
濃グリセリン 5.0
エタノール 2.0
エデト酸二ナトリウム 0.2
精製水 残部
計 100.0
【0048】
実施例8(クレンジングジェル)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
エタノール 5.0
ジプロピレングリコール 17.0
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン(7E.O.) 15.0
濃グリセリン 17.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
オリーブ油 2.0
マカデミアナッツ油 1.0
水酸化ナトリウム 0.5
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.9
香料 0.1
精製水 残部
計 100.0
【0049】
実施例9(化粧下地)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 1.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 45.0
酸化チタン 2.0
酸化亜鉛 26.0
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 0.5
オリーブ油 3.0
モノイソステアリン酸ポリグリセリル 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
塩化ナトリウム 0.5
濃グリセリン 1.0
エタノール 1.0
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.8
クエン酸 0.1
精製水 残部
計 100.0
【0050】
実施例10(パウダーファンデーション)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
合成金雲母 10.0
酸化チタン 10.0
セリサイト 15.0
酸化亜鉛 10.0
酸化アルミニウム 1.0
酸化鉄 5.0
ベンガラ 2.0
窒化ホウ素 5.0
メチルポリシロキサン 1.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン 1.0
2−エチルヘキサン酸セチル 1.0
イソステアリン酸グリセリル 0.5
エタノール 0.1
パラペン 0.1
フェノキシエタノール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.01
精製水 0.1
タルク 残部
計 100.0
【0051】
実施例11(リキッドファンデーション)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
酸化チタン 8.0
酸化亜鉛 5.0
酸化鉄 3.0
塩化ナトリウム 0.5
エタノール 1.0
フェノキシエタノール 0.5
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン
共重合体 3.5
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリイソステアリン酸ポリグリセリル 3.0
1,2−ペンタンジオール 3.0
セリサイト 3.0
オクチルドデカノール 2.0
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 2.0
無水ケイ酸 0.1
精製水 残部
計 100.0
【0052】
実施例12(シャンプー)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
ポリオキシエチレン(3E.O.)
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.0
ヤシ油脂肪アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
プロピレングリコール 8.0
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.8
香料 0.7
精製水 残部
計 100.0
【0053】
実施例13(ヘアコンディショナー)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
プロピレングリコール 3.0
ポリオキシエチレン(5E.O)オレイルエーテル 2.5
セタノール 2.5
トリカプリル酸グリセリル 5.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 4.0
香料 0.5
パラベン 0.1
フェノキシエタノール 0.8
精製水 残部
計 100.0
【0054】
実施例14(入浴剤)
成分 配合量
KTTKS-poly-PHG-1 0.1
硫酸ナトリウム 50.0
酸化チタン 1.0
香料 0.7
炭酸水素ナトリウム 残部
計 100.0
【0055】
実施例15(パック)
成分 配合量
ヒアルロン酸ナトリウム(2) 10.0
KTTKS-poly-PHG-1 90.0
計 100.0
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、シワ抑制効果を有し、皮膚滞留性が高く、皮膚に対して安全性の高いコラーゲン様ポリペプチドおよびそれを配合してなる皮膚外用組成物であり、化粧料、医薬部外品および医薬品分野で利用することができる。
【配列表フリーテキスト】
【0057】
SEQ ID NO: 1
Subfragment of the carboxyl-terminal propeptide of collagen.
SEQ ID NO: 2
Peptide showing inhibition of IL-6 secretion.
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1はコラーゲン様ポリペプチドの線維芽細胞の増殖に対する影響を示す図である。
【図2】図2は既知の線維芽細胞増殖促進作用を持つ物質と、コラーゲン様ポリペプチドとの線維芽細胞の増殖に対する影響の比較を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、nは1以上の整数を表し;
Xはヒドロキシプロリン(Hyp)残基のヒドロキシ基末端であって、Hまたは
CO-(CH2)m-CO-Rを表し;
mは1〜18の整数を表し;
Rはシワ抑制効果を有する生理活性ペプチドまたはOHを表し;
ここに、少なくとも1つ以上のXが、Rが前記生理活性ペプチドであるCO-(CH2)m-CO-Rである]
で表されるコラーゲン様ポリペプチド。
【請求項2】
Rが式(II):
Lys-Thr-Thr-Lys-Ser(配列番号:1)または
Gly-Gln-Pro-Arg(配列番号:2)
で表される配列を一部または全部に有するペプチドである請求項1記載のコラーゲン様ポリペプチド。
【請求項3】
式(I)において、nが1〜5000である請求項1または2記載のコラーゲン様ポリペプチド。
【請求項4】
式(I)において、XがCO-(CH2)m-CO-Rである割合が1/100〜100/100である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコラーゲン様ポリペプチド。
【請求項5】
式(I)において、RがLys-Thr-Thr-Lys-SerまたはGly-Gln-Pro-ArgであるCO-(CH2)m-CO-RであるXの割合が1/100〜100/100である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコラーゲン様ポリペプチド。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のコラーゲン様ポリペプチドを含む皮膚外用組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−67727(P2009−67727A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238423(P2007−238423)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(504143441)国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 (226)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】