説明

コラーゲン産生促進剤、及び老化防止用皮膚外用剤

【課題】新規なコラーゲン産生促進剤、及び老化防止用皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】キク科ヒヒラギギク(学名:Pluchea indica Less)の抽出物を有効成分とするコラーゲン産生促進剤、及び前記コラーゲン産生促進剤を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なコラーゲン産生促進剤、及び当該促進剤を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化の原因は様々あるが、その一つとして真皮内のコラーゲン量の低下、及びコラーゲンそのものが変性して機能低下するなどが挙げられる。コラーゲンは、皮膚の深層の真皮を構成し、皮膚にハリを与え、たるみなどを抑制する作用があるが、加齢や紫外線照射により、体内におけるコラーゲンの産生能が低下したり、コラーゲンそのものが変性し機能が低下したりし、皮膚にハリがなくなり、しわやたるみが発生して、外観上、皮膚老化として認識される。コラーゲンは、真皮内に存在する線維芽細胞によって産生されるので、この線維芽細胞を賦活化させる剤、例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム(VC−PMg)などが、老化防止用皮膚外用剤の有効成分として従来利用されている。しかし、市場のより高い要求に応えるためには、より優れたコラーゲン産生促進作用を示す新規な剤の提供が望まれる。
【0003】
一方、皮膚外用剤は皮膚に直接塗布されることから、有効成分として用いられる薬効剤には高い安全性が求められる。そのため、従来、種々の植物抽出物について、その薬効が検討されている。キク科ヒヒラギギク(学名:Pluchea indica Less)については、チロシナーゼ阻害作用等があることが報告されているが(特許文献1〜4)、線維芽細胞に対する賦活作用、及びコラーゲン産生促進作用については、従来知られていない。
【特許文献1】特開平09−087197号公報
【特許文献2】特開平11−005975号公報
【特許文献3】特開平11−106311号公報
【特許文献4】特開2000−095663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、安全性が良好な新規なコラーゲン産生促進剤、及び当該促進剤を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者が鋭意検討した結果、キク科ヒヒラギギクの抽出物には線維芽細胞に対する高い賦活作用があること、さらにそれによって優れたコラーゲン産生促進作用を示すこと、さらにはそのコラーゲン産生促進作用は、皮膚外用剤に配合しても有効に発揮されることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、キク科ヒヒラギギクの抽出物を有効成分とするコラーゲン産生促進剤、及び当該コラーゲン産生促進剤を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤を提供する。
また、別の観点から、本発明によって、キク科ヒヒラギギクの抽出物を皮膚に塗布することによって、真皮内におけるコラーゲン産生を促進する方法(但し、人間の治療方法は除く)が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、安全性が良好な新規なコラーゲン産生促進剤、及び当該促進剤を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明は、キク科ヒヒラギギクの抽出物(以下、「ヒヒラギギク抽出物」という場合がある)を有効成分とするコラーゲン産生促進剤に関する。キク科ヒヒラギギクは、ベランタス(Belantas)と呼ばれる、学名Pluchea indica Lessの植物であり、ジャワ島などに生息し、また食用に栽培もされている。
【0008】
本発明に用いられるヒヒラギギク抽出物は、一般的な方法で調製することができる。例えば、ヒヒラギギクの根、茎、幹、葉、花等のいずれの部分の抽出物であってもよいし、二箇所以上の部分から得られた抽出物を混合して用いてもよく、又は二箇所以上の部分から異なる溶媒により抽出された抽出物を二種以上混合して用いてもよい。抽出溶媒としては特に限定されないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;等の一種又は二種以上を用いることができる。水と低級一価アルコールとの混合液を用いるのが好ましい。抽出は、前記ヒヒラギギクを室温又は加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって実施できる。また、抽出前に、乾燥、細切、圧搾又は醗酵等の前処理を行うこともできる。
【0009】
前記ヒヒラギギク抽出物は、調製後、そのままコラーゲン産生促進剤として用いることができる。また、所望により、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に、コラーゲン産生促進剤として用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
【0010】
前記ヒヒラギギク抽出物の好ましい調製方法の例としては、ヒヒラギギクの根、茎、葉、花等をそのまま、或いは乾燥させたもの、又は細切・粉砕したもの等を、水;メタノール、エタノール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;等の親水性極性溶媒又はこれらの2種以上の混合溶媒に加温し又は室温にて浸漬させた後、抽出して得ることができる。但し、抽出法はこれに限定されるものではない。
【0011】
前記ヒヒラギギク抽出物は、液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態であってもよい。抽出溶媒を含む液状の抽出物を、減圧乾燥、又は凍結乾燥などにより乾固させて固体状とした後に用いることもできる。また、スプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0012】
本発明は、本発明のコラーゲン産生促進剤であるヒヒラギギク抽出物を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤にも関する。本発明の皮膚外用剤は、ヒヒラギギク抽出物のコラーゲン産生促進作用によって、優れた老化防止効果を奏する。ヒヒラギギク抽出物のコラーゲン産生促進作用は、主には線維芽細胞に対する賦活作用に起因するものと考えられるが、ヒヒラギギク抽出物は、従来の線維芽細胞賦活剤(例えばVC−PMg)と比較して、コラーゲン産生促進作用が特に高いという特徴がある。従って、本発明の皮膚外用剤は、真皮内のコラーゲン量が低下すること、及び真皮内のコラーゲンが老化することに起因する皮膚老化に対して、特に優れた防止効果を奏する。本発明の皮膚外用剤中の前記ヒヒラギギク抽出物の含有量は、固形分として、好ましくは0.00001〜2質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜1%である。この範囲内であれば、前記抽出物を安定に配合することができ、かつ高い老化防止効果を発揮することができる。
【0013】
本発明の皮膚外用剤は、前記コラーゲン産生促進剤を常法に従い、種々の形態の基剤に配合して製剤化することにより調製できる。更に、前記コラーゲン産生促進剤を他の薬効剤の一種又は二種以上と組み合わせて配合することによって、コラーゲン産生促進効果をより高めた、もしくはコラーゲン産生促進効果とともに他の薬効も奏する皮膚外用剤を調製することができる。他の薬効剤の例には、美白剤、紫外線防御剤、抗菌剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、及び保湿剤などが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0014】
美白剤の例には、アスコルビン酸又はその誘導体、アルブチン、エラグ酸、リノール酸、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物等が含まれる。
【0015】
紫外線防御剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0016】
抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0017】
抗炎症剤としては、例えば、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が挙げられる。
【0018】
細胞賦活剤の例には、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等が含まれる。
【0019】
活性酸素除去剤は、過酸化脂質生成抑制等の作用を有しており、例えば、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミンおよびその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0020】
保湿剤としては、例えば、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が挙げられる。
【0021】
また、本発明の皮膚外用剤には、本発明のコラーゲン産生促進剤以外の任意の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、アミノ酸、脂質、糖、ホルモン、酵素、核酸などの生理活性物質等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。また、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、皮膚外用剤等の製造に通常使用される成分、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、他のビタミン類等を必要に応じて用いることができる。
【0022】
本発明の皮膚外用剤は、パウダー、パウダーファンデーション等の粉体;石けん、リップスティック等の固体;クリーム、乳液、クリームファンデーション等の乳化物;化粧水、美容液等の液体;など、種々の形態の化粧料組成物であるのが好ましい。但し、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[例1:ヒヒラギギク抽出液の調製]
ヒヒラギギクの茎・葉部位の乾燥物を粉砕し、当該粉砕物100gに対して、50体積%エタノール水溶液1,000mLを加え、室温にて7日間攪拌抽出を行った。これを遠心分離・加圧ろ過し、抽出液900gを得た(このときの乾燥固形分量は0.8gであった)。
【0024】
[例2:ヒヒラギギク抽出液のコラーゲン産生試験]
培地として、10%ウシ子牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法イーグルMEM培地(DMEM、ニッスイ)を使用し、ヒト新生児由来の線維芽細胞NB1RGBを、12穴プレートに3×105細胞/ウェル(穴)で播種した。1ウェル中の培地量は400μLとした。細胞定着後、例1で調製したヒヒラギギク抽出液を、培地に対して0、0.1、及び1体積%になる濃度で添加した、5%ウシ子牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法イーグルMEM培地を加え、4日間培養した。4日後に、細胞培地を回収し、以下の方法で、培地中に産生されたコラーゲン量、及び細胞数比を測定及び算出した。
なお、陽性対照として、線維芽細胞に対する賦活作用があることが知られているVC−PMgを、ヒヒラギギク抽出液の代わりに0.01体積%添加した培地試料についても同様に培養した。その後、同様にコラーゲン量及び細胞数比を求めた。
【0025】
(コラーゲン量の測定及び算出)
各試料培地中のコラーゲン量は、可溶性コラーゲンに特異的に結合する染料を利用したコラーゲン分析キット(SicrolCollagenassaykit;Sircol社製)を用いて定量した。具体的には、各試料培地から、培地150μLをチューブに移し、1.0mLの上記コラーゲン分析キットの検液(SircolDyeReagent)を添加し、温度37℃で30分間混合した。混合物を回転数1500rpmで10分間遠心分離して、上澄み液を除去した。再び、上記コラーゲン分析キットの検液を1.0mL添加し、ゆっくり混合した後、波長540nmの吸光度を測定した。
下記表にその測定値から、算出されたコラーゲン産生量Cを示す。
【0026】
(細胞数比の測定及び算出)
各試料培地中の細胞数は、新鮮な培地に交換した後、MTTアッセイ試薬を加えて培養し、その培養液の波長490nmの吸光度を測定し、測定値から算出されるホルマザン量に基づいて算出した。下記表にその結果を示す。表中の値は、試料液を添加していない試料培地中の細胞数を100として、それに対する細胞数比Mとして算出した値である。
【0027】
(コラーゲン産生量の補正値)
さらに、下記表中に、各試料培地中に産生したコラーゲン量Cを、上記方法によって算出された細胞数比Mで割った値も併せて示す。この補正値C/Mは、同数の線維芽細胞当たりのコラーゲン産生量の指標となり、試料液の線維芽細胞に対するコラーゲン産生促進作用を直接的に示す値である。
【0028】
【表1】

【0029】
上記表に示す結果から、ヒヒラギギク抽出液は、細胞賦活剤として公知のVC−PMgと比較して、高いコラーゲン産生促進作用を示すことが理解できる。特に、コラーゲン産生量Cを細胞数比Mで割った補正値C/Mを比較すると、ヒヒラギギク抽出液のコラーゲン産生促進作用が格段に高いことが理解できる。
【0030】
[例3:クレンジングクリームの調製例]
以下の組成のクレンジングクリームを、以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(15)及び(16)を加え混合し、クレンジングクリームを得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 3.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 2.0
(4)ミツロウ 1.5
(5)ワセリン 6.0
(6)流動パラフィン 40.0
(7)ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(9)防腐剤 適量
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)プロピレングリコール 10.0
(12)ポリエチレングリコール20000 0.5
(13)カルボキシビニルポリマー1%溶液 5.0
(14)精製水 残量
(15)ヒヒラギギク抽出液*1 0.1
(16)香料 適量
*1 例1で調製した抽出液
【0031】
調製したクレンジングクリームは、メイク汚れとのなじみがよく、すっきりとメイク汚れが落ち、肌には適度なうるおいとエモリエント感があり、べたつきのないクレンジングクリームであった。
【0032】
[例4:洗顔料の調製例]
以下の組成の洗顔料を以下の方法で製造した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.下記成分(6)及び(7)を加熱溶解する。
C.下記成分(8)〜(11)を加熱溶解する。
D.AにBを加え混合後、更にCを加え混合する。
E.Dを冷却後、下記成分(12)、(13)及び(14)を加え混合し、洗顔料を得た。
(成分) %
(1)ラウリン酸 5.0
(2)ミリスチン酸 18.5
(3)ステアリン酸 6.0
(4)グリセリン 12.0
(5)ポリエチレングリコール1500 5.0
(6)水酸化カリウム 6.5
(7)精製水 残量
(8)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
(9)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1.8
(10)ポリオキシエチレン(7.5E.O.)ラウリル
エーテル 2.0
(11)ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
(12)ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 5.0
(13)ヒヒラギギク抽出液*1 0.1
(14)香料 適量
*1 例1で調製した抽出液
【0033】
調製した洗顔料は、豊かでコクのある泡立ちで、汚れ落ちもよく、すっきりと洗いあがり、肌にうるおいが残る洗顔料であった。
【0034】
[例5:化粧水1の調製例]
以下の組成の化粧水1を以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.下記成分(8)〜(11)を混合溶解する。
C.AにBを加え混合し、化粧水を得た。
(成分) %
(1)クエン酸 0.05
(2)クエン酸ナトリウム 0.2
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(4)ヒヒラギギク抽出液*1 0.05
(5)グリセリン 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 8.0
(7)精製水 残量
(8)エチルアルコール 10.0
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
(11)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
*1 例1で調製した抽出液
【0035】
調製した化粧水1は、みずみずしい使用感があり、肌のうるおいに優れ、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌とすることができる化粧水であった。
【0036】
[例6:化粧水2の調製例]
以下の組成物の化粧水2を以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.下記成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、化粧水を得る。
(成分) %
(1)メドウホーム油 0.05
(2)ホホバ油 0.05
(3)香料 適量
(4)防腐剤 適量
(5)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(6)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.0
(7)エチルアルコール 8.0
(8)グリセリン 5.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)ポリエチレングリコール1500 0.1
(11)ヒヒラギギク抽出液*1 0.2
(12)精製水 残量
*1 例1で調製した抽出液
【0037】
調製した化粧水2は、なめらかな使用感があり、肌のうるおいに優れ、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌とすることができる化粧水であった。
【0038】
[例7:化粧水3の調製例]
以下の組成の化粧水3を以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.下記成分(9)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え乳化し、化粧水を得る。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.08
(2)スクワラン 0.02
(3)セスキオレイン酸ソルビタン 0.05
(4)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.05
(5)ポリオキシエチレン(8E.O.)アルキル(12〜15)
エーテルリン酸 0.1
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)エチルアルコール 8.0
(9)ジプロプレングリコール 8.0
(10)グリセリン 4.0
(11)ヒヒラギギク抽出液*1 0.1
(12)精製水 残量
*1 例1で調製した抽出液
【0039】
調製した化粧水3は、みずみずしくすっきりとした使用感があり、肌のうるおいに優れ、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる化粧水であった。
【0040】
[例8:乳液の調製例]
以下の組成の乳液を以下の方法により調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(11)〜(15)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に下記成分(16)を加え混合する。
D.Cを冷却し、下記成分(17)及び(18)を加え混合し、乳液を得る。
(成分) %
(1)ステアリン酸 1.0
(2)セタノール 0.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 0.5
(4)流動パラフィン 2.0
(5)スクワラン 3.0
(6)ホホバ油 3.0
(7)パルミチン酸セチル 0.2
(8)防腐剤 適量
(9)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(11)トリエタノールアミン 0.5
(12)1,3−ブチレングリコール 15.0
(13)グリセリン 3.0
(14)ポリエチレングリコール6000 0.5
(15)精製水 残量
(16)カルボキシビニルポリマー1%溶液 8.0
(17)ヒヒラギギク抽出液*1 0.2
(18)香料 適量
*1 例1で調製した抽出液
【0041】
調製した乳液は、みずみずしくなめらかな使用感があり、肌のうるおいとエモリエンと感に優れ、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる乳液であった。
【0042】
[例9:クリームの調製例]
以下の組成のクレームを以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(14)〜(18)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に下記成分(19)を加え混合する。
D.Cを冷却し、下記成分(20)及び(21)を加え混合し、乳液を得る。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セタノール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)ワセリン 2.0
(5)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 2.0
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 5.0
(7)流動パラフィン 8.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)パルミチン酸セチル 2.0
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.5
(13)防腐剤 適量
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)グリセリン 2.0
(17)ポリエチレングリコール20000 0.5
(18)精製水 残量
(19)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 5.0
(20)ヒヒラギギク抽出液*2 1.0
(21)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2 例1で調製した抽出液
【0043】
調製したクリームは、コクのあるなめらかな使用感があり、肌のエモリエント感に優れ、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができるクリームであった。
【0044】
[例10:美容液の調製例]
以下の組成の美容液を以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.下記成分(9)〜(17)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、美容液を得た。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(2)メドウホーム油 0.05
(3)ホホバ油 0.05
(4)防腐剤 適量
(5)香料 適量
(6)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(7)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.5
(8)エチルアルコール 5.0
(9)グリセリン 4.0
(10)ジプロピレングリコール 8.0
(11)1,3−ブチレングリコール 8.0
(12)乳酸ナトリウム 0.5
(13)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(14)ヒドロキシエチルセルロース 0.08
(15)アルギン酸ナトリウム 0.05
(16)ヒヒラギギク抽出液*1 0.1
(17)精製水 残量
*1 例1で調製した抽出液
【0045】
調製した美容液は、みずみずしくもなめらかでマイルドな使用感があり、肌のうるおいやエモリエント感に優れ、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる美容液であった。
【0046】
[例11:パックの調製例]
以下の組成のパックを、以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.下記成分(6)〜(10)を混合溶解する。
C.Aを冷却後、B及び下記(11)を加え混合し、パックを得た。
(成分) %
(1)ポリビニルアルコール 12.0
(2)メチルセルロース 0.1
(3)グリセリン 3.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)精製水 残量
(6)香料 適量
(7)防腐剤 適量
(8)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.0
(10)エチルアルコール 13.0
(11)ヒヒラギギク抽出液*1 0.1
*1 例1で調製した抽出液
【0047】
調製したパックは、伸びひろがりがよく、肌に適度な緊張感を付与し、パックを剥がした後の肌にはべたつきはなく、高い潤いとはりがでるパックであった。
【0048】
[例12:マッサージクリームの調製例]
以下の組成のマッサージクリームを、以下の方法で調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(10)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(14)及び(15)を加え混合し、マッサージクリームを得た。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(5)パルミチン酸セチル 1.0
(6)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 4.0
(7)ワセリン 20.0
(8)流動パラフィン 28.0
(9)メチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(10)水酸化ナトリウム 0.1
(11)ジプロピレングリコール 7.0
(12)カルボキシビニルポリマー1%溶液 5.0
(13)精製水 残量
(14)ヒヒラギギク抽出液*2 0.2
(15)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2:例1で調製した抽出液
【0049】
調製したマッサージクリームは、なめらかでコクのある使用感があり、マッサージ効果に優れ、肌のたるみやはり、弾力性の低下を防ぐ効果の高いマッサージクリームであった。
【0050】
[例13:クリームファンデーションの調製例]
以下の組成のクリームファンデーションを、以下の方法で調製した。
(製法)
A:下記成分(8)〜(13)を混合する。
B:下記成分(14)〜(19)を混合する。
C:Aに下記成分(1)〜(7)を添加し混合分散する。
D:Cに下記成分(20)及び(21)を加えクリームファンデーションを得た。
(成分) %
(1)セリサイト 8.0
(2)酸化チタン 10.0
(3)ベンガラ 1.0
(4)黄色酸化鉄 2.2
(5)雲母チタン 2.0
(6)黒酸化鉄 0.1
(7)有機変成ベントナイト*1 0.5
(8)長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性
オルガノポリシロキサン*2 2.0
(9)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン*3 2.0
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン 12.0
(11)オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸のシリコーン溶液*4 3.0
(13)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
(14)1,3−ブチレングリコール 5.0
(15)ジグリセリン 2.0
(16)グリセリン 2.0
(17)キサンタンガム 0.2
(18)塩化ナトリウム 0.2
(19)精製水 残量
(20)ヒヒラギギク抽出液*5 0.1
(21)香料 適量
*1:ベントン38(NLエンダストリー社製)
*2:アビルEM−90(ゴールドシュミット社製)
*3:KF−6017(信越化学工業社製)
*4:KF−7312J(信越化学工業社製)
*5:例1で調製した抽出液
【0051】
調製したクリームファンデーションは、べたつき感のないなめらかな使用感があり、肌への付着性に優れ、美しい仕上がりとなり、また、肌にエモリエント感を付与し、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができるクリームファンデーションであった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、安全性が良好な、新規なコラーゲン産生促進剤及び老化防止用皮膚外用剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キク科ヒヒラギギク(学名:Pluchea indica Less)の抽出物を有効成分とするコラーゲン産生促進剤。
【請求項2】
請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤を有効成分として含有する老化防止用皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−249366(P2009−249366A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102314(P2008−102314)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【出願人】(000176110)三省製薬株式会社 (20)
【Fターム(参考)】