説明

コレシストキニン−1レセプターモジュレーターとしての置換アミノピリミジン

特定の新規置換アミノピリミジンは、ヒトコレシストキニンレセプターのリガンドであり、特に、ヒトコレシストキニン−1レセプター(CCK−1R)の選択的リガンドである。したがって、これらは、肥満及び糖尿病のようなCCK−1Rの調節に応答性のある疾患及び障害の治療、制御又は予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
肥満は、西洋社会では主要な健康問題である。米国の成人の約9千7百万人が過体重又は肥満であると推定される。肥満は、現在、関連する健康危険度を低減する治療を必要とする慢性疾患として認識されている。重篤で生命を脅かす可能性のある、肥満と関連する医学的な問題には、高血圧症;2型糖尿病;血漿インスリン濃度の上昇;インスリン抵抗性;高インスリン血症;耐糖能異常;脂質異常症;高脂血症;子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌及び結腸癌;骨関節症;閉塞性睡眠時無呼吸のような呼吸器合併症;胆のう炎;胆石症;痛風;胆石;胆のう疾患;呼吸器の問題;精神障害(例えば、抑うつ症、摂食障害、歪んだ身体像及び低い自尊心);アテローム性動脈硬化症;心疾患;異常心臓律動;狭心症;並びに心臓不整脈が含まれる(Kopelman,P.G.,Nature,404:635−643(2000))。肥満は、更に、早期死亡に関連し、脳卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患及び突然死による死亡率及び罹患率の有意な増加に関連する。最近の研究は、肥満及び関連する健康危険度が、小児及び成人にも影響を与えることを見出した。疾病管理センターによると、小児及び成人の15パーセントが過体重及び肥満とされており、1970年代初頭の2倍である。肥満の治療にとって重要な成果には、体重減、並びに心血管及び代謝を改善するためと、肥満関連罹患率及び死亡率を低減するための体重管理が含まれる。5〜10%の体重減が、血糖、血圧及び脂質濃度のような代謝値を著しく改善することができ、罹患率及び死亡率を低減しうることが示されている。
【0003】
コレシストキニン(CCK)は、中枢及び末梢神経系において消化管ホルモン、神経伝達物質及び神経調節物質として作用する脳−腸管ペプチドである。CCKは、食事に反応して、特に食事の中の脂肪又はタンパク質に反応して十二指腸及び空腸の粘膜1−細胞から放出されることが示されている。いったん放出されると、CCKは、胆嚢から胆汁排出を仲介すること、膵臓から消化酵素の放出を調節すること、幽門括約筋の調節により胃排出を制御すること、並びに迷走神経球心性ニューロンを介して中枢神経系に神経信号を伝達することを含む、消化を促進し、摂食を調節する多数の協調反応を開始させる。神経CCKは、ドーパミン作動性神経伝達及び不安惹起効果を調節すること、並びに認知及び痛覚に影響を与えることを含む、CNS内の多数の事象を仲介すると考えられている。例えば、J.N.Crawley and R.L.Corwin,1994,Peptides,15:731−755;N.S.Baber,C.T.Dourish,and D.R.Hill,Pain(1989),39(3),307−28;and P.De Tullio,J.Delarge and B.Pirotte,Expert Opinion on Investigational Drugs(2000),9(1),129−146を参照すること。コレシストキニンは、2つのレセプターサブタイプ:CCK−A(CCK−1)及びCCK−B(CCK−2)サブタイプを介して多様なホルモン及び神経調節機能を仲介することが示されている(例えば、G.N.Woodruff and J.Hughes,Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.(1991),31:469−501を参照すること)。CCK−1及びCCK−2レセプターサブタイプは、両方とも、七つの膜貫通Gタンパク質共役型スーパーファミリーのレセプターに属する。多数の研究は、CCKが、食後飽満信号を迷走性球心神経を介してCNSに中継するCCK−1レセプターによって、その満腹効果を仲介することを示唆している。例えば、G.P.Smith et al.,Science 213(1981)pp.1036−1037;及びJ.N.Crawley et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,257(1991)pp.1076−1080を参照すること。末梢CCK−1レセプター及び中枢CCK−1レセプターのヌクレオチド配列は、ヒトでは同一である。例えば、S.A.Wank et al.,(1994),NY Acad.Sci.713,pp.49−66を参照すること。
【0004】
コレシストキニン(CCK)は、ヒトを含む多様な種において胃排出を抑制し、満腹を増加し、食物摂取の低減をもたらすことが報告されている(Moran,T.H.Physiology&Behavior 2004,82,175−180)。選択的CCK1Rアンタゴニストは、CCKの食欲不振効果を逆転させ、それによって、ヒトを含むいくつかの種において食物摂取及び食事量を増加することが示されている(Beglinger,C.et.al.Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.2001,280,R1149−R1154)。逆に言えば、ヒトを含む多様な種へのCCK1Rアゴニストの投与は、食物摂取の低減をもたらす(Geary,N.Physiology&Behavior 2004,81,719−733)。したがって、選択的な小型分子CCK1Rアゴニストは、肥満、並びに糖尿病及び脂質異常症のような関連する代謝障害の治療及び予防に有用である(Woods,S.C.Am.J.Gastrointest.Liver Physiol.2004,286,G7−13;Moran,T.H.,Kinzig,K.P.Am.J.Gastrointest.Liver Physiol.2004,286,G183−G188)。ヒトにおいて、神経性過食症は、食後CCKの分泌の低減(Deylin,M.J.et.al.J.Pharmacol.Exp.Ther.1987,241,100−116)、脳脊髄液におけるCCK濃度の低下(Lydiard,R.B.et.al.Am.J.Psychiatry 1993,150,1099−1101)及び中枢CCK分泌レベルを反映しうるTリンパ球におけるCCKレベルの低下(Brambilla,F.et.al.Psychiatry Research 1995,37,51−56)に関連している。したがって、CCK1Rアゴニストは、神経性過食症及び関連する摂食障害の治療、予防又は診断にも有用である。
【0005】
CCKアゴニストは、胆嚢収縮を刺激し、膵臓酵素分泌を刺激し、腸管血流を刺激し、腸管運動活性に影響を与える(Rehfeld,J.F.Best Practice&Res.Clin.Endocrin.&Metab.2004,18,569−586を参照すること)。したがって、CCK1Rアゴニストは、胆嚢炎(胆嚢の炎症)及び胆石症(胆石)を含むが、これらに限定されない胆嚢に関連する障害の治療、予防又は診断に有用である。更に、CCKアゴニストは、膵臓に関連する障害の治療、予防又は診断に有用である。最後に、CCK1Rアゴニストは、胃腸管及び胃腸運動に関連する障害の治療、予防又は診断に有用である。CCKレセプターは、中枢神経系に豊富にあり、アゴニストは、情動又は性行動障害及び記憶障害の治療、予防又は診断に使用することができる(Itoh,S.;et.al.Drug Develop.Res.1990,21,257−276)。更に、CCKアゴニストは、遅発性ジスキネジー(Nishikawa,T.et.al.Prog.Neuropsycho−pharmacol.Biol.Psych.1988,12,903−812;Bignon,E.et.al.J.Pharm.Exp.Ther.1999,289,752−761)、パーキンソン病(Bednar,I.et.al.Biogenic Amine,1996,12,275−284)、統合失調症及び精神病(Crawley,J.N.Trends in Pharmacol.Sci.,1991,12,232−236)の治療、予防又は診断に使用することができる。
【0006】
肥満及び肥満関連障害の治療に有用なイミダゾール化合物は、WO01/085723、WO03/040107、WO03/063781、WO03/007887、WO2004/094407、WO2005/009974、WO2005/040130、WO2005/063716、WO2005/095354、US2005/0054679、US2005/0124660、US2005/0197377、US6,960,601及びJ.Med.Chem.2005,48,1823−1838に開示されている。他のイミダゾールは、J.Med.Chem.2005,48,2638−2645;J.Med.Chem.,2002,45,4655−4668;J.Med.Chem.2000,43,3168−3185;及びJ.Med.Chem.1997,40,1634−1647に開示されている。
【0007】
上記で考察された多様な薬理学的作用物質の未解決の欠陥のために、なおも効力が向上し、望ましくない副作用のより少ない体重減少治療の必要性が引き続き存在している。本発明は、肥満及び糖尿病を含む肥満関連障害の治療及び予防に有用な、CCKレセプターアゴニスト、特にコレシストキニン−1レセプター(CCK−1R)の選択的アゴニストを提供することによって、この問題に対処する。本発明は、コレシストキニン−1レセプター(CCK−1R)の選択的アゴニストである置換アミノピリミジンを提供する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、式I:
【0009】
【化1】

【0010】
で示される新規の置換アミノピリミジンに関する。
【0011】
式Iの化合物は、コレシストキニンレセプターリガンドとして有効であり、コレシストキニン−1レセプターの選択的アゴニストとして特に有効である。したがって、これらは、肥満、糖尿病及び肥満病関連障害のような、コレシストキニン−1レセプターの調節に応答性のある障害の治療及び/又は予防に有用である。
【0012】
本発明は、また、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
【0013】
本発明は、また、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することにより、その必要性のある哺乳動物において、コレシストキニン−1レセプターの調節に応答性のある障害、疾患又は症状を治療又は予防する方法に関する。
【0014】
本発明は、更に、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することにより、その必要性のある哺乳動物において、コレシストキニン−1レセプターの調節に応答性のある障害、疾患又は症状を治療又は予防するのに有用な薬剤の調製における本発明の化合物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、コレシストキニンレセプターモジュレーターとして、特に選択的コレシストキニン−1レセプターアゴニストとして有用な置換アミノピリミジンに関する。本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式I:
【0016】
【化2】

【0017】
[式中、
は、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているフェニルであり;
は、
(1)−(CH3−8シクロアルキル、
(2)−(CH3−8ヘテロシクロアルキル、
(3)−(CHアリール、及び
(4)−(CHヘテロアリール
からなる群より選択され、
ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び−(CH)は、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、及び
(2)−C1−6アルキル
からなる群より選択され、
ここでアルキルは、非置換であるか又はハロゲン及び−OHから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、
(1)−C3−8シクロアルキル、
(2)−C3−8ヘテロシクロアルキル、
(3)アリール、及び
(4)ヘテロアリール
からなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、
ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)−(CHハロゲン、
(2)−(CHOR
(3)−(CHNR
(4)−(CHSC1−6アルキル、及び
(5)−C1−6アルキル
からなる群より独立して選択され、
ここで、アルキル及び−(CHは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)−(CHハロゲン、
(2)−(CHCN、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−C2−6アルケニル、
(5)−(CH2−8ヘテロシクロアルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CHアリール、
(8)−(CHヘテロアリール、
(9)−(CHOR
(10)−(CHCOR
(11)−(CHCO
(12)−(CHC(O)NR
(13)−(CHCONRCOR
(14)−(CHC(O)NR(CHCO
(15)−(CHC(O)NRCH(CO
(16)−(CHNR
(17)−(CHNRC(O)NR
(18)−(CHNRC(O)R
(19)−(CHOC(O)NR
(20)−(CHNRCO
(21)−(CHNRSO
(22)−(CHSONR
(23)−(CHSO
(24)−(CHSOH、及び
(25)−(CHPO2−3
からなる群より独立して選択され、
ここで、アルキル、アルケニル、−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び−(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)水素、
(2)−(CHOH、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−(CH2−8ヘテロシクロアルキル、
(5)−(CH3−8シクロアルキル、
(6)−(CHアリール、及び
(7)−(CHヘテロアリール
からなる群より独立して選択され、
ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)オキソ、
(2)−(CHハロゲン、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルコキシ、
(5)−(CH0−1OH、
(6)−(CHCN、
(7)−(CHCF
(8)−(CHSOH、
(9)−(CHCOH、
(10)−(CHCO1−6アルキル、及び
(11)−(CHCO2−6アルケン
からなる群より独立して選択され;
nは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;
mは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4であり;
pは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5であり;そして
qは、それぞれ独立して、1、2、3又は4である]
により記載される。
【0018】
本発明の化合物の更なる実施態様において、式II:
【0019】
【化3】

【0020】
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0021】
本発明の化合物の更なる実施態様において、式III:
【0022】
【化4】

【0023】
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0024】
実施態様の一つのクラスにおいて、Rは、Rから選択される1〜5の置換基で置換されているフェニルである。
【0025】
実施態様の別のクラスにおいて、Rは、−(CHシクロアルキル及び−(CHアリールからなる群より選択され、ここで、シクロアルキル、アリール及び−(CH)は、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、−(CH0−2シクロヘキシル、−(CH0−2シクロペンチル、−(CH0−2シクロヘプチル及び−(CH1−2フェニルからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、−(CH0−2シクロヘキシル及び−(CH0−2シクロペンチルからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスの別のサブクラスにおいて、Rは、−(CH1−2シクロヘキシル及び−(CH1−2シクロペンチルからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このサブクラスのサブクラスにおいて、Rは、−CH−シクロヘキシルであり、ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。
【0026】
実施態様の別のクラスにおいて、Rは、−(CHシクロアルキルであり、ここで、シクロアルキル及び−(CH)は、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、−(CH0−2シクロヘキシル、−(CH0−2シクロペンチル及び−(CH0−2シクロヘプチルからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、−(CH0−2シクロヘキシル及び−(CH0−2シクロペンチルからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、−(CH0−2シクロペンチルである。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、−(CH0−2シクロヘキシルである。このサブクラスのサブクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、−CH−シクロヘキシルである。
【0027】
実施態様の別のクラスにおいて、Rは、−(CHアリールであり、ここで、アリール及び−(CH)は、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、−(CH1−2フェニルである。
【0028】
本発明の別の実施態様において、Rは、水素である。本発明の別の実施態様において、Rは、−C1−6アルキルであり、ここでアルキルは、非置換であるか又はハロゲン及び−OHから選択される1〜5の置換基で置換されている。
【0029】
本発明の別の実施態様において、Rは、−C3−8シクロアルキル、−C3−8ヘテロシクロアルキル、−アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0030】
本発明の別の実施態様において、Rは、−C3−8シクロアルキル及び−C3−8ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。本発明の別の実施態様において、Rは、−C3−8シクロアルキル及び−C3−8ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0031】
本発明の別の実施態様において、Rは、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、フェニル、ナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、キノリン、インドール及びナフタレンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、キノリン及びインドールからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているインドールである。
【0032】
本発明の別の実施態様において、Rは、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。この実施態様のクラスにおいて、Rは、フェニル、ナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、キノリン、インドール及びナフタレンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、キノリン及びインドールからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているインドールであるが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0033】
本発明の別の実施態様において、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環である。この実施態様のクラスにおいて、Rは、フェニル又はナフタレンであり、ここでフェニル及びナフタレンは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。
【0034】
本発明の別の実施態様において、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であるが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。この実施態様のクラスにおいて、Rは、フェニル又はナフタレンであり、ここでフェニル及びナフタレンは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0035】
本発明の別の実施態様において、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環である。この実施態様のクラスにおいて、Rは、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているインドールである。
【0036】
本発明の別の実施態様において、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であるが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。この実施態様のクラスにおいて、Rは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているインドールであるが、ただし、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0037】
本発明の別の実施態様において、Rは、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロキノリンである。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているキノリンである。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている7−アザキノリンである。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンであり、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンである。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているピリジンである。この実施態様のなお別のクラスにおいて、Rは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているピリジンであるが、ただし、Rは、−(CH2−6CN、−(CH2−6ヘテロアリールからなる群より選択されず、ここでヘテロアリールは、テトラゾリル、−(CH2−6CO及び−(CH2−6C(O)NRである。
【0038】
本発明の別の実施態様において、Rは、−C3−8シクロアルキル、−C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rが、フェニル、ナフタレン、ピリジン、ピラジン、ピペリジン又はピペラジンである場合、Rは、−(CH2−6CN、−(CH2−6CO、−(CH2−6C(O)NR及び−(CH2−6ヘテロアリールからなる群より選択されず、ここでヘテロアリールはテトラゾリルである。この実施態様のクラスにおいて、Rは、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rがピリジンである場合、Rは、−(CH2−6CN、−(CH2−6ヘテロアリールからなる群より選択されず、ここでヘテロアリールは、テトラゾリル、−(CH2−6CO及び−(CH2−6C(O)NRである。
【0039】
本発明の別の実施態様において、Rは、−C3−8シクロアルキル及び−C3−8ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。
【0040】
本発明の別の実施態様において、Rは、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。
【0041】
本発明の別の実施態様において、Rは、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rが、フェニル、ナフタレン、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジンである場合、Rは、−(CH2−6CN、−(CH2−6CO、−(CH2−6C(O)NR及び−(CH2−6ヘテロアリールからなる群より選択されず、ここでヘテロアリールはテトラゾリルである。
【0042】
本発明の別の実施態様において、Rは、アリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここでアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、フェニル又はナフタレンである。
【0043】
本発明の別の実施態様において、Rは、アリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここでアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rが、フェニル又はナフタレンである場合、Rは、−(CH2−6CN、−(CH2−6CO、−(CH2−6C(O)NR及び−(CH2−6ヘテロアリールからなる群より選択されず、ここでヘテロアリールはテトラゾリルである。この実施態様のクラスにおいて、Rは、フェニル又はナフタレンである。
【0044】
本発明の別の実施態様において、Rは、ヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここでヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。
【0045】
本発明の別の実施態様において、Rは、ヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここでヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているが、ただし、Rが、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジンである場合、Rは、−(CH2−6CN、−(CH2−6CO、−(CH2−6C(O)NR及び−(CH2−6ヘテロアリールからなる群より選択されず、ここでヘテロアリールはテトラゾリルである。
【0046】
別の実施態様において、Rは、−(CHハロゲン、−(CHOR及び−C1−6アルキルからなる群より独立して選択され、ここでアルキル及び−(CHは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、それぞれ、Cl、Br、F、I、−OCH及び−CHからなる群より独立して選択され、ここで、−OCH及び−CHは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスのサブクラスにおいて、Rは、それぞれ、Cl、Br、−OCH及び−CHからなる群より独立して選択され、ここで、−OCH及び−CHは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている。このクラスの別のサブクラスにおいて、Rは、それぞれ、Cl、−OCH及び−CHからなる群より独立して選択される。
【0047】
本発明の別の実施態様において、Rは、それぞれ、−(CHハロゲン、−C1−6アルキル、−(CHアリール、−(CHCO及び−(CHC(O)NR(CHCOからなる群より独立して選択され、ここで、アルキル、アリール及び−(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0048】
本発明の別の実施態様において、Rは、それぞれ、−(CHハロゲン、−C1−6アルキル、−(CHフェニル、−(CHCO及び−(CHC(O)NR(CHCOからなる群より独立して選択され、ここで、アルキル、フェニル及び−(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0049】
本発明の別の実施態様において、Rは、それぞれ、Cl、−CH、−CHフェニル、−(CH0−5COCH、−(CH0−5COH、−CHCOCH、−CHCOH及び−CHC(O)NHCHCOHからなる群より独立して選択され、ここで、−CH、−CHフェニル及び−(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている。この実施態様のクラスにおいて、Rは、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である。
【0050】
本発明の別の実施態様において、Rは、それぞれ、水素、−(CHOH、−C1−6アルキル、−(CH2−8ヘテロシクロアルキル、−(CH3−8シクロアルキル、−(CHアリール及び−(CHヘテロアリールからなる群より独立して選択される。この実施態様のクラスにおいて、Rは、それぞれ、水素及び−C1−6アルキルからなる群より独立して選択される。この実施態様のクラスにおいて、Rは、水素である。この実施態様の別のクラスにおいて、Rは、−C1−6アルキルである。
【0051】
本発明の別の実施態様において、Rは、それぞれ、オキソ、−C1−6アルキル、−C1−6アルコキシ、−(CH0−1OH、−(CHCOH及び−(CHCO1−6アルキルからなる群より独立して選択される。
【0052】
実施態様の別のクラスにおいて、nは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である。このクラスのサブクラスにおいて、nは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。このクラスのサブクラスにおいて、nは、0、1、2、3又は4である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは0である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは1である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは2である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは3である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは4である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは5である。このクラスの別のサブクラスにおいて、nは6である。本発明の実施態様の別のクラスにおいて、nは、1又は2である。本発明の実施態様の別のクラスにおいて、nは、0、1、2、3及び4である。
【0053】
本発明の実施態様の別のクラスにおいて、mは、それぞれ独立して、1、2、3及び4である。このクラスのサブクラスにおいて、mは、1、2又は3である。このクラスの別のサブクラスにおいて、mは1である。このクラスの別のサブクラスにおいて、mは2である。このクラスの別のサブクラスにおいて、mは3である。このクラスの別のサブクラスにおいて、mは4である。この実施態様の別のクラスにおいて、mは0である。
【0054】
本発明の実施態様の別のクラスにおいて、pは、1、2又は3である。本発明の実施態様の別のクラスにおいて、pは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4である。このクラスのサブクラスにおいて、pは0である。このクラスの別のサブクラスにおいて、pは1である。このクラスの別のサブクラスにおいて、pは2である。このクラスの別のサブクラスにおいて、pは3である。このクラスのサブクラスにおいて、pは4である。本発明の実施態様の別のクラスにおいて、pは、それぞれ、5である。本発明の実施態様の別のクラスにおいて、pは、2又は3である。
【0055】
本発明の実施態様の別のクラスにおいて、qは、それぞれ独立して、1、2又は3である。このクラスの別のサブクラスにおいて、qは1である。このクラスの別のサブクラスにおいて、qは2である。このクラスの別のサブクラスにおいて、qは3である。本発明の実施態様の別のクラスにおいて、qは、それぞれ独立して、4である。
【0056】
別の実施態様において、式Iの化合物は、
【0057】
【化5】

【0058】
からなる群より選択されるか、又はその薬学的に許容される塩である。
【0059】
実施態様の別のクラスにおいて、薬学的に許容される塩は、トリフルオロ酢酸塩である。実施態様の別のクラスにおいて、薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0060】
式I、II及びIIIの化合物は、コレシストキニンレセプターリガンドとして有効であり、コレシストキニン−1レセプターの選択的アゴニストとして特に有効である。したがって、これらは、肥満、糖尿病及び肥満病関連障害のような、コレシストキニン−1レセプターの調節に応答性のある障害の治療及び/又は予防に有用である。より詳細には、式I、II及びIIIの化合物は、肥満、糖尿病のようなコレシストキニン−1レセプターの活性化に応答性のある障害の治療、並びに胆石の治療に有用な選択的コレシストキニン−1レセプター(CCK−1R)アゴニストである。
【0061】
本発明の一つの態様は、その必要性のある被験者においてコレシストキニン−1レセプターの調節に応答性のある障害、疾患又は症状を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において、肥満、糖尿病又は肥満関連障害を治療又は予防する方法であって、本発明のコレシストキニン−1レセプターアゴニストの治療又は予防有効量を前記被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において肥満を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において食物摂取を低減する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において満腹を増大する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において食欲を低減する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において胃排出を遅延する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において神経性過食症を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において糖尿病を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において脂質異常症を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0064】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において、遅発性ジスキネジーを治療又は予防する方法であって、本発明のコレシストキニン−1レセプターアゴニストの治療又は予防有効量を前記被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0065】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において、多食、過食、高血圧症、血漿インスリン濃度の上昇、インスリン抵抗性、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、腎癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、心疾患、異常心臓律動及び不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣症候群、頭蓋咽頭腫、メタボリック症候群、インスリン抵抗性症候群、性機能及び生殖障害、不妊症、性機能不全症、男性型多毛症、肥満関連胃食道逆流性疾患、ピックウイック症候群、炎症、血管系の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆のう疾患、痛風、便秘症、過敏性腸管症候群、炎症性腸管症候群、心臓肥大、左心室肥大からなる群より選択される肥満関連障害を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0066】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において、アルツハイマー病の治療を含む認知及び記憶欠損を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0067】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において疼痛を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0068】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において胆石症(胆石)を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0069】
本発明の別の態様は、その必要性のある被験者において胆嚢炎(胆嚢の炎症)を治療又は予防する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療又は予防有効量を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0070】
本発明は、また、本発明のコレシストキニン−1レセプターアゴニストを、その症状の治療又は予防に有用であることが知られている別の薬剤の治療又は予防有効量と組み合わせて投与することによって、肥満を治療又は予防する方法に関する。本発明は、また、本発明のコレシストキニン−1レセプターアゴニストを、その症状の治療又は予防に有用であることが知られている別の薬剤の治療又は予防有効量と組み合わせて投与することによって、糖尿病を治療又は予防する方法に関する。本発明は、また、本発明のコレシストキニン−1レセプターアゴニストを、その症状の治療又は予防に有用であることが知られている別の薬剤の治療又は予防有効量と組み合わせて投与することによって、肥満関連障害を治療又は予防する方法に関する。
【0071】
本発明の別の態様は、式I、II又はIIIの化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者におけるコレシストキニン−1レセプターにより仲介される疾患の治療もしくは予防、又は抑制に有用な薬剤の製造のための、式I、II又はIIIの化合物の使用に関する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者におけるコレシストキニン−1レセプターにより仲介される疾患(ここで疾患は、肥満、糖尿病及び肥満関連障害からなる群より選択される)の治療もしくは予防、又は抑制に有用な薬剤の製造のための、本発明のコレシストキニン−1アゴニストの使用に関する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者において胆石を治療又は予防するのに有用な薬剤の製造のための、本発明のコレシストキニン−1アゴニストの使用に関する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者において脂質異常症を治療又は予防するのに有用な薬剤の製造のための、本発明のコレシストキニン−1アゴニストの使用に関する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者において神経性過食症を治療又は予防するのに有用な薬剤の製造のための、本発明のコレシストキニン−1アゴニストの使用に関する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者において便秘を治療又は予防するのに有用な薬剤の製造のための、本発明のコレシストキニン−1アゴニストの使用に関する。本発明のなお別の態様は、その必要性のある被験者において過敏性腸管症候群を治療又は予防するのに有用な薬剤の製造のための、本発明のコレシストキニン−1アゴニストの使用に関する。
【0072】
本発明のなお別の態様は、そのような治療の必要な被験者における肥満、糖尿病又は肥満関連障害の治療、制御又は予防に有用な薬剤の製造のための、治療有効量の式I、IIもしくはIIIのコレシストキニン−1レセプターアゴニスト又はその薬学的に許容される塩、並びに治療有効量の、インスリン増感剤、インスリン模倣剤、スルホニル尿素、α−グルコシダーゼインヒビター、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP−4又はDPP−IV)インヒビター、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)アゴニスト、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、セロトニン作用剤、β3−アドレノレセプターアゴニスト、ニューロペプチドY1アンタゴニスト、ニューロペプチドY2アゴニスト、ニューロペプチドY5アンタゴニスト、膵臓リパーゼインヒビター、カンナビノイドCBレセプターアンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、メラニン凝集ホルモンレセプターアンタゴニスト、メラノコルチン4レセプターアゴニスト、ボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト、グレリンレセプターアンタゴニスト、PYY、PYY3−36及びNK−1アンタゴニストからなる群より選択される薬剤又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本発明のなお別の態様は、有効量の式I、II又はIIIのコレシストキニン−1レセプターアゴニスト及び有効量の薬剤を一緒に又は別々に含む、肥満、糖尿病又は肥満関連障害を治療又は予防する薬剤の製造のための、治療有効量の式I、II又はIIIのコレシストキニン−1レセプターアゴニスト及びその薬学的に許容される塩及びエステル、並びに治療有効量の、インスリン増感剤、インスリン模倣剤、スルホニル尿素、α−グルコシダーゼインヒビター、ジペプチジルペプチダーゼ4インヒビター、グルカゴン様ペプチド1アゴニスト、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、セロトニン作用剤、β3−アドレノレセプターアゴニスト、ニューロペプチドY1アンタゴニスト、ニューロペプチドY2アゴニスト、ニューロペプチドY5アンタゴニスト、膵臓リパーゼインヒビター、カンナビノイドCBレセプターアンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、メラニン凝集ホルモンレセプターアンタゴニスト、メラノコルチン4レセプターアゴニスト、ボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト、グレリンレセプターアンタゴニスト、PYY、PYY3−36及びNK−1アンタゴニストからなる群より選択される薬剤又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本発明のなお別の態様は、肥満、糖尿病又は肥満関連障害における同時、別個又は連続的な使用における組み合わせ製剤として、治療有効量の式I、IIもしくはIIIのコレシストキニン−1レセプターアゴニスト又はその薬学的に許容される塩と、治療有効量の、インスリン増感剤、インスリン模倣剤、スルホニル尿素、α−グルコシダーゼインヒビター、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、セロトニン作用剤、β3−アドレノレセプターアゴニスト、ニューロペプチドY1アンタゴニスト、ニューロペプチドY2アゴニスト、ニューロペプチドY5アンタゴニスト、膵臓リパーゼインヒビター、カンナビノイドCBレセプターアンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、メラノコルチン4レセプターアゴニスト、メラニン凝集ホルモンレセプターアンタゴニスト、ボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト、グレリンレセプターアンタゴニスト、PYY、PYY3−36及びNK−1アンタゴニストからなる群より選択される薬剤又はその薬学的に許容される塩とを含有する生成物に関する。
【0073】
式I、II及びIIIの化合物をキットにより提供することができる。そのようなキットは、典型的には投与のために活性化合物を投与形態で含有する。投与形態は、1日以上の持続期間で1日に1、2、3、4、5又は6回のような定期的な間隔をおいて患者に投与するときに有益な効果を得ることができるように、十分な量の活性化合物を含有する。好ましくは、キットは、体重低減用(例えば、肥満の治療のため)の投与形態の使用及び特定の期間にわたって服用するべき投与形態の量を指示する説明書を含む。
【0074】
本明細書の全体を通して、以下の用語は、指示された意味を有する。
【0075】
用語「アルキル」並びにアルコキシ、アルカノイルのような接頭辞「アルク(alk)」を有する他の基は、直鎖もしくは分岐鎖形態、又はその組み合わせでありうる指定された長さの炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、4−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2−プロピルブチル、3−プロピルブチル、1,1−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1−メチル−1−エチルブチル、1−メチル−2−エチルブチル、2−メチル−2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブチル、1,1−ジエチルプロピル、n−オクチル、n−ノニルなどが挙げられる。
【0076】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖もしくは分岐鎖又はその組み合わせでありうる炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。
【0077】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖もしくは分岐鎖又はその組み合わせでありうる炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどが挙げられる。
【0078】
用語「アルコキシ」は、少なくとも1つのエーテル結合を含有し、直鎖もしくは分岐鎖又はその組み合わせでありうる指定された長さのアルキル鎖を意味する。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、メチルメトキシ、メチルエトキシ、メチル−1−プロポキシ、メチル−2−プロポキシ、エチル−2−メトキシ、エチル−1−メトキシなどが挙げられる。
【0079】
用語「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
【0080】
用語「C1−4アルキルイミノイル」は、C1−3C(=NH)−を意味する。
【0081】
用語「アリール」には、炭素原子のみを含有する単環式又は二環式の芳香族環が含まれる。アリールの例には、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0082】
用語「ヘテロアリール」には、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式芳香族環と、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する少なくとも1つの芳香族環を有する二環式芳香族複素環が含まれる。その例には、ピリジニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一つの実施態様において、ヘテロアリールは、ピリジニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサチアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾチアゾリル及びベンゾオキサゾリルからなる群より選択される。二環式芳香族複素環には、ベンゾチアジアゾール、インドール、インダゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、7−アザキノリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、イソキノリン、プリン、フロピリジン、チエノピリジン、ベンゾイソジアゾール、トリアゾロピリミジン及び5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン;1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン;1H−ピロロ[1,3−b]ピリジン;イミダゾ[1,2−a]ピラジン;ベンゾピラゾール;ベンゾジオキソール;トリアゾロピリジン;並びにベンゾピロールが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
用語「シクロアルキル」には、炭素原子のみを含有する単環式又は二環式の非芳香族環が含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
用語「ヘテロシクロアルキル」には、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環が含まれることが意図される。ヘテロシクロアルキルの例には、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チアモルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、1−チア−4−アザ−シクロヘキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
上記で定義された用語の特定のものは、上記の式において2回以上生じることができ、そのような発生において、各用語は他から独立して定義され、したがって、例えばNR44は、NH、NHCH、N(CH)CHCHなどを表すことができる。
【0086】
用語「被験者」は哺乳動物を意味する。用語「哺乳動物」の一つの実施態様は「ヒト」であり、前記ヒトは、男性又は女性のいずれかである。本発明の化合物は、ネコ及びイヌにおいて肥満及び肥満関連障害を治療又は予防するためにも有用である。このように、用語「哺乳動物」には、ネコ及びイヌのような愛玩動物が含まれる。用語「その必要性のある哺乳動物」は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により治療又は予防の必要性が認められた哺乳動物を意味する。
【0087】
医薬組成物のような用語「組成物」は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物を含み、並びに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、錯化もしくは凝集、又は1つ以上の成分の解離、又は1つ以上の成分の他の種類の反応、もしくは相互作用により、直接的又は間接的にもたらされるあらゆる生成物を含むことが意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を薬学的に許容される担体と混合して作製されるあらゆる組成物を含む。
【0088】
コレシストキニンレセプター「アゴニスト」とは、コレシストキニンレセプターと相互作用し、コレシストキニンレセプター活性化に特徴的な薬理学的又は生化学的反応を開始することができる、内在性又は薬剤物質又は化合物を意味する。本発明の化合物の「アゴニスト」特性を、下記に記載されている機能アッセイにより測定した。
【0089】
「結合親和性」とは、化合物/薬剤がその生物学的標的に結合する能力を意味し、本発明の場合では、構造式I、II及びIIIの化合物がコレシストキニンレセプターに結合する能力を意味する。本発明の化合物の結合親和性を、下記に記載されている結合アッセイにより測定し、IC50で表す。
【0090】
「有効性」は、異なるアゴニストが、同じ数のレセプターを同じ親和性で占有する場合であっても生成する反応の相対的強度を示す。有効性は、反応の大きさを示す特性である。化合物の特性は、レセプターと関連づけさせるもの(結合親和性)及び刺激を生成するもの(有効性)の2つの群に分類することができる。用語「効力」は、アゴニストにより誘発される最大反応のレベルを特徴付けるために使用される。レセプターのアゴニストが全て同一レベルの最大反応を誘発できるわけではない。最大反応は、所望の生物学的効果を薬剤とレセプターの結合からもたらす、レセプター結合の効率性、すなわち事象のカスケードによって左右される。
【0091】
機能活性をEC50で表し、特定の濃度での本発明の化合物の「アゴニスト効力」を下記に記載されている機能アッセイで測定した。本発明のCCK1R活性及び選択的アゴニストは、≦1000nMのIC50を有し、本発明の好ましいCCK1R活性及び選択的アゴニストは、<500nMのIC50を有し、本発明のより好ましいCCK1R活性及び選択的アゴニストは、<50nMのIC50を有し、本発明の最も好ましいCCK1R活性及び選択的アゴニストは、<10nMのIC50を有し、同時に、CCK2Rに対して少なくとも2倍の選択性、より好ましくはCCK2Rに対して>10倍の選択性、最も好ましくはCCK2Rに対して>100倍の選択性を有する。本発明のCCK1R活性及び選択的アゴニストは、≦1000nMのEC50を有し、本発明の好ましいCCK1R活性及び選択的アゴニストは、<500nMのEC50を有し、本発明のより好ましいCCK1R活性及び選択的アゴニストは、<50nMのEC50を有し、本発明の最も好ましいCCK1R活性及び選択的アゴニストは、<10nMのEC50を有し、同時に、CCK2Rに対して少なくとも2倍の選択性、より好ましくはCCK2Rに対して>10倍の選択性、最も好ましくはCCK2Rに対して>100倍の選択性を有する。
【0092】
式I、II及びIIIの化合物は、1つ以上の不斉中心又はキラル中心を含有してもよく、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単独の鏡像異性体、鏡像体混合物、個別のジアステレオマー及びジアステレオマー混合物のような異なる立体異性体形態で存在することができる。本明細書において考察されている症状の治療に有用な特性を有するか又はそのような特性を有する化合物の調製に有用な中間体である、本発明の中間体及び化合物、並びにラセミ及びジアステレオマー混合物を含むこれらの混合物の全ての立体異性体形態は、本発明の一部を形成する。
【0093】
一般に、鏡像異性体のうちの一方は、他方の鏡像異性体よりも生物学的により活性である。次にラセミ混合物を、分割又はキラルクロマトグラフィーのような標準的な条件によりそれぞれの鏡像異性体に分離することができる。ジアステレオマー混合物を、光学的に活性な固定相を使用するキラルクロマトグラフィー及び/又は適切な溶媒からの分別結晶化のような当業者に周知の方法により、物理的化学的な差に基づいて個別のジアステレオマーに分離することができる。絶対立体化学は、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて、結晶質生成物又は必要であれば誘導体化された結晶質中間体のX線結晶学により決定することができる。鏡像異性体は、キラルHPLCカラムの使用により、適切な光学的に活性な化合物(例えば、キラルアルコール又はMosher酸塩化物のようなキラル助剤)との反応によりエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオ異性体を分離し、個別のジアステレオ異性体を対応する純粋な鏡像異性体に変換する(例えば、加水分解する)ことによって分離することができる。あるいは、一般式I、III及びIIIの化合物の任意の立体異性体は、光学的に純粋な出発原料又は既知の絶対配置の試薬を使用する立体特異的合成によって得ることができる。
【0094】
本発明には、二重結合のEとZの幾何異性体を含む、式I、II及びIIIの化合物のそのような異性体形態、並びにその混合物の全てが含まれる。多数の本発明の化合物及びその中間体は互変異性を示し、したがって、特定の条件下において異なる互変異性形態で存在することができる。用語「互変異性体」又は「互変異性形態」は、低エネルギー障壁によって相互変換する異なるエネルギーの構造異性体を意味する。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られている)は、ケト−エノール及びイミン−エナミン異性化のようなプロトンの移動による相互変換を含む。プロトン互変異性体の特定の例は、水素が環窒素の間を移動することができるイミダゾール部分である。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子の再構成による相互変換を含む。全てのそのような互変異性形態(例えば、全てのケト−エノール及びイミン−エナミン形態)は、本発明の範囲内である。本明細書における任意の構造式における任意の特定の互変異性形態の描写は、その形態に限定されることを意図しておらず、互変異性体セット全体の代表であることを意図するものである。
【0095】
本発明は、また、1個以上の原子が、通常天然に見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子に置き換えられているということを除いて、式(I)の化合物又はその中間体と同一である同位体的に標識された化合物も含む。本発明の中間体又は化合物に組み込むことができる同位体の例には、それぞれ、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、123I、125I及び36Clのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素及び塩素の同位体が挙げられる。前記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、そのプロドラッグ、並びに前記化合物及び前記プロドラッグの薬学的に許容される塩、水和物及び溶媒和物は、本発明の範囲内である。特定の同位体的に標識された本発明の化合物(例えば、3H及び14Cで標識されたもの)は化合物及び基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム標識化(すなわち、3H)及び炭素−14(すなわち、14C)同位体は、その調製の容易さ及び検出性のため特に好ましい。更に、ジュウテリウム(すなわち、2H)のようなより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増大又は必要用量の低減)をもたらす特定の治療上の利点を得ることができ、したがって、一部の状況において好ましい場合がある。15O、13N、11C及び18Fのような陽電子放射同位体は、基質レセプター占有率を調べる陽電子放射断層撮影法(PET)研究に有用である。本発明の同位体的に標識された化合物は、一般に、同位体的に標識された試薬を非同位体的に標識された試薬に置換する、本明細書のスキーム及び/又は実施例に開示されたものと同様な手順に従って調製することができる。
【0096】
本発明の化合物及び中間体は、非溶媒和形態、並びに水、エタノール、イソプロパノールなどのような溶媒による溶媒和形態で存在することができ、溶媒和形態と非溶媒和形態は、両方とも本発明の範囲内に含まれる。本発明の方法態様において使用される溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒によるものであるべきである。本発明の化合物には、本発明の化合物の水和物、溶媒和物、多形体、結晶、水和結晶及び非晶質形態、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれることが理解される。
【0097】
用語「薬学的に許容される塩」は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、TEA、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が含まれる。
【0098】
式I、II及びIIIの化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機酸を含む薬学的に許容される非毒性酸から調製することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などが含まれる。特に好ましいものは、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。本明細書で使用されるとき、式I、II及びIIIの化合物への参照は、塩酸塩及びトリフルオロ酢酸塩のような薬学的に許容される塩も含むことを意味することが理解される。
【0099】
式I、II及びIIIの化合物は、コレシストキニンレセプターリガンドであり、それ自体、1つ以上のコレシストキニンレセプターの調節に応答性のある疾患、障害又は症状の治療、制御又は予防に有用である。特に、式I、II及びIIIの化合物は、コレシストキニン−1レセプターの活性化に応答性のある疾患、障害又は症状の治療、制御又は予防に有用であるコレシストキニン−1レセプターアゴニストとして作用する。そのような疾患、障害又は症状には、肥満(食物摂取の低減、食欲の低減、代謝率の増加、満腹の増加、炭水化物渇望の低減、胃排出の低減による)、糖尿病(糖耐性の増強、インスリン抵抗性の低下による)、神経性過食症及び関連する摂食障害、脂質異常症、高血圧症、高脂血症、骨関節症、癌、胆石、胆石症、胆のう炎、胆のう疾患、睡眠時無呼吸、抑うつ、不安、強迫衝動、神経症、過敏性腸管症候群、炎症性腸管症候群、便秘、疼痛、アルツハイマー病の治療を含む神経保護、認知及び記憶向上が含まれるが、これらに限定されない。そのような疾患、症状及び障害には、肥満もしくは過体重状態の発症を防ぐために又は健康な体重を維持するために体重制御又は管理が望ましい非肥満過体重状態及び正常な体重状態も含まれる。
【0100】
本発明の化合物及び組成物は、肥満及び肥満関連障害のような過剰食物摂取に関連する障害の治療又は予防に有用である。本明細書の肥満は、遺伝的であれ環境的であれ、あらゆる原因に起因しうる。
【0101】
本明細書の肥満関連障害は、肥満に関連する、それにより引き起こされる、又はその結果として生じる。肥満関連障害の例には、多食、過食、神経性過食症、高血圧症、2型糖尿病、血漿インスリン濃度の上昇、高インスリン血症、インスリン抵抗性、耐糖能異常、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、腎癌、結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆のう炎、胆石、痛風、胆のう疾患、異常心臓律動及び不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、狭心症、突然死、脳卒中、メタボリック症候群、精神障害(抑うつ症、摂食障害、異常な体重及び低い自尊心)及び全除脂肪体重の率で低減した代謝活性又は減少した安静時エネルギー消費を示す他の病理学的状態、例えば急性リンパ性白血病の子供が挙げられる。肥満関連障害の更なる例は、性機能及び生殖障害、例えば、多嚢胞性卵巣疾患、不妊症、男性の性機能不全症及び女性の男性型多毛症、胃腸運動機能障害、例えば肥満関連胃食道逆流性疾患、呼吸障害、例えば肥満低喚起症候群(ピックウイック症候群)、心血管障害、炎症、例えば血管系の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆のう疾患、痛風及び腎癌である。加えて、本発明の化合物は、体重の減少又は食物摂取の低減が望ましいあらゆる症状の治療に有用である。加えて、本発明の化合物は、アルツハイマー病のような認知及び記憶の向上が望ましいあらゆる症状の治療に有用である。本発明の組成物は、また、左心室肥大の危険性を低減するような、肥満の二次転帰の危険性を低減するのに有用である。したがって、本発明は、動物においてCCK−1レセプターアゴニストにより調節されるような疾患、症状及び/又は障害を治療又は予防する方法であって、式I、II又はIIIの化合物の、特にその治療又は予防有効量をそのような治療の必要性のある動物に投与することを含む方法を提供する。
【0102】
式I、II及びIIIに包含されるいくつかのアゴニストは、コレシストキニン−2レセプターCCK−2R(CCK−Bレセプターとしても知られている)と比べて、コレシストキニン−1レセプター(CCK−1R)に対して高い選択的親和性を示し、そのことによって、肥満、糖尿病及び肥満関連障害の予防及び治療に特に有用となる。本発明の化合物は、CCK−2レセプターよりもCCK−1レセプターに対して少なくとも500倍の選択性がある。
【0103】
用語「メタボリック症候群」は、シンドロームXとしても知られており、Third Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection,Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(ATP−III).E.S.Ford et al.,JAMA,vol.287(3),Jan.16,2002,pp356−359において定義されている。簡潔には、人が次の症状:腹部肥満、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール、高血圧及び高空腹時血漿グルコースのうち3つ以上を有する場合、メタボリック症候群であると定義される。これらの基準は、ATP−IIIにおいて定義されている。本明細書で使用されるとき、用語「糖尿病」には、インスリン依存性糖尿病(すなわち、I型糖尿病としても知られている、IDDM)とインスリン非依存性糖尿病(すなわち、II型糖尿病としても知られている、NIDDM)の両方が含まれる。I型糖尿病すなわちインスリン依存性糖尿病は、グルコース利用を調節するホルモンであるインスリンの絶対的な欠乏の結果である。II型糖尿病又はインスリン独立性糖尿病(すなわち、インスリン非依存性糖尿病)は、多くの場合、正常な、さらには上昇した濃度のインスリンで生じ、組織がインスリンに適切に反応できないことによりもたらされると思われる。II型糖尿病患者のほとんどが肥満でもある。本発明の組成物は、I型とII型の両方の糖尿病を治療するのに有用である。この組成物は、II型糖尿病を治療するのに特に効果的である。本発明の化合物又は組み合わせは、妊娠糖尿病を治療及び/又は予防するためにも有用である。
【0104】
糖尿病の治療は、糖尿病を治療するために本発明の化合物又は組み合わせを投与することを意味する。治療の一つの成果は、上昇したグルコース濃度を有する被験者において、グルコース濃度を低下させることでありうる。治療の別の成果は、血糖制御の改善でありうる。治療の別の成果は、上昇したインスリン濃度を有する被験者において、インスリン濃度を低下させることでありうる。治療の別の成果は、上昇した血漿トリグリセリド濃度を有する被験者において、血漿トリグリセリド濃度を低下させることでありうる。治療の別の成果は、高LDLコレステロール濃度を有する被験者において、LDLコレステロールを低下させることでありうる。治療の別の成果は、低HDLコレステロール濃度を有する被験者において、HDLコレステロールを上昇させることでありうる。別の成果は、その必要性のある被験者においてLDL/HDL比を低下させることでありうる。治療の別の成果は、インスリン感受性を増加することでありうる。治療の別の成果は、耐糖能異常を有する被験者において、グルコース耐性を増強することでありうる。治療の別の成果は、インスリン抵抗性が増加した又はインスリン濃度が上昇した被験者において、インスリン抵抗性を低下させることでありうる。別の成果は、上昇したトリグリセリドを有する被験者において、トリグリセリドを減少させることでありうる。なお別の成果は、LDLコレステロール、非HDLコレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロール又は他の脂質検体プロフィールを改善することでありうる。糖尿病の予防は、その危険性のある被験者において糖尿病の発症を予防するために、本発明の化合物又は組み合わせを投与することを意味する。
【0105】
「肥満」は、過剰な体脂肪がある状態である。肥満の機能上の定義は、体重指数(BMI)に基づいており、身長あたりの体重として平方メートル(kg/m)で計算される。「肥満」は、それ以外は健康な被験者が、30kg/m以上の体重指数(BMI)を有する状態、又は少なくとも1つの共存症を有する被験者が、27kg/m以上のBMIを有する状態を意味する。「肥満被験者」は、30kg/m以上の体重指数(BMI)を有する、それ以外は健康な被験者、又は27kg/m以上のBMIを有する、少なくとも1つの共存症を有する被験者である。「肥満の危険性のある被験者」は、25kg/m〜30kg/m未満のBMIを有する、それ以外は健康な被験者、又は25kg/m〜27kg/m未満のBMIを有する、少なくとも1つの共存症を有する被験者である。肥満に関連する危険性の増加は、アジア人ではより低い体重指数(BMI)で生じる。日本を含むアジア諸国では、「肥満」は、体重の低減を必要とするか又は体重低減により改善される少なくとも1つの肥満誘発又は肥満関連共存症を有する被験者が、25kg/m以上のBMIを有する状態を意味する。日本を含むアジア諸国では、「肥満被験者」は、体重の低減を必要とするか又は体重低減により改善される少なくとも1つの肥満誘発又は肥満関連共存症を有し、25kg/m以上のBMIを有する被験者を意味する。アジア太平洋では、「肥満の危険性のある被験者」は、23kg/mから25kg/m未満のBMIを有する被験者である。
【0106】
本明細書で使用されるとき、用語「肥満」は、上記の肥満の定義を全て含むことを意味する。
【0107】
肥満誘発又は肥満関連共存症には、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病−II(2)型、グルコース耐性障害、空腹時グルコース障害、インスリン抵抗性症候群、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症、痛風、冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠時無呼吸症候群、ピックウイック症候群、脂肪肝、脳梗塞、脳血栓症、一過性虚血脳卒中、整形外科障害、変形性関節炎、腰仙痛、月経異常及び不妊症が含まれるが、これらに限定されない。特に、共存症には、高血圧症、高脂血症、脂質異常症、耐糖能異常、心血管疾患、睡眠時無呼吸、糖尿病及び他の肥満関連状態が含まれる。
【0108】
肥満及び肥満関連障害の治療は、肥満被験者の体重を低減又は維持するために、本発明の化合物又は組み合わせを投与することを意味する。治療の一つの成果は、本発明の化合物又は組み合わせの投与の直前の肥満被験者の体重に対して、その被験者の体重を低減することでありうる。治療の別の成果は、食事制限、運動又は薬物療法の結果として以前に失った体重の体重回復を防ぐことでありうる。治療の別の成果は、肥満関連疾患の発症及び/又は重篤度を減少することでありうる。治療は、好適には、総食物摂取量の低減、又は炭水化物もしくは脂肪のような食事の特定の成分の摂取の低減を含む、被験者による食物又はカロリー摂取の低減をもたらす、及び/或いは栄養素吸収の阻害をもたらす、及び/或いは代謝率の低減の阻害をもたらす、及び体重の低減をその必要性のある被験者にもたらすことができる。治療は、また、代謝率低減の阻害ではなく又はそれに加えて、代謝率の増加のような代謝率の変化をもたらすことができる、及び/或いは体重減により通常もたらされる代謝抵抗性を最小限にすることができる。肥満及び肥満関連障害の予防は、肥満の危険性のある被験者の体重を低減又は維持するために、本発明の化合物又は組み合わせを投与することを意味する。予防の一つの成果は、本発明の化合物又は組み合わせの投与の直前の肥満の危険性のある被験者の体重に対して、その被験者の体重を低減することでありうる。予防の別の成果は、食事制限、運動又は薬物療法の結果として以前に失った体重の体重回復を防ぐことでありうる。予防の別の成果は、治療が、肥満の発症の前に、肥満の危険性のある被験者に行われる場合、肥満が生じるのを防ぐことでありうる。予防の別の成果は、治療が、肥満の発症の前に、肥満の危険性のある被験者に行われる場合、肥満関連障害の発症及び/又は重篤度を低減することでありうる。更に、治療が既に肥満の被験者において開始されている場合、そのような治療は、動脈硬化症、II型糖尿病、多嚢胞性卵巣疾患、心血管疾患、骨関節症、高血圧症、脂質異常症、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び胆石症ではあるが、これらに限定されないような、肥満関連障害の発症、進行又は重篤性を防ぐことができる。
【0109】
化合物の「投与」又は化合物を「投与する」という用語は、本発明の化合物又は本発明化合物のプロドラッグを治療の必要性がある被験者に提供することを意味すると理解されるべきである。本発明の治療方法を実施するための本発明の化合物の投与は、化合物の治療有効量を、そのような治療又は予防の必要性のある被験者に投与することによって実施される。本発明の方法による予防投与の必要性は、周知の危険因子によって決定される。
【0110】
本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、治療される疾患の症状の軽減を含む、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により追求される組織、系、被験者、哺乳動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘発する活性化合物の量を意味する。本発明の新規治療方法は、当業者に既知の障害のためにある。本明細書で使用されるとき、用語「予防有効量」は、肥満又は障害の危険性のある被験者で障害の発症を予防するために、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により追求される組織、系、被験者、哺乳動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘発する活性化合物の量を意味する。個別の化合物の治療もしくは予防有効量、又は用量は、最終分析において、その症例の担当の医師により決定されるが、治療される正確な疾患、疾患の重篤度及び患者が罹患している他の疾患又は状態の重篤度、選択された投与経路、患者が同時に必要とする場合がある他の薬剤及び治療、並び医師の判断における他の要因のような要因に応じて決定される。
【0111】
投与及び用量範囲
あらゆる適切な投与経路を用いて、被験者又は哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の有効用量を提供することができる。例えば、経口、直腸内、局所、非経口、眼、肺、経鼻などを用いることができる。投与形態には、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアロゾル剤などが含まれる。好ましくは、式I、II又はIIIの化合物は、経口又は局所投与される。
【0112】
用いられる活性成分の有効用量は、用いられる特定の化合物、投与様式、治療される症状及び治療される症状の重篤度に応じて変わることができる。そのような用量は、当業者にとって容易に確認することができる。
【0113】
肥満を、糖尿病及び/もしくは高血糖症と組み合わせて、又は単独で治療する場合、式I、II又はIIIの化合物が、好ましくは、単回用量で、又は1日に2〜6回の分割投与で、又は持続放出の形態で、動物の体重1キログラムあたり約0.001ミリグラムから約50ミリグラムの1日用量で投与されるとき、一般に満足できる結果が得られる。70kgの成人の場合は、総1日用量は、一般に約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムである。この用量レジメンを調整して、最適な治療反応をもたらすことができる。糖尿病及び/又は高血糖症、並びに式I、II又はIIIの化合物が有用である他の疾患又は障害を治療する場合、本発明の化合物が、好ましくは、単回用量で、又は1日に2〜6回の分割投与で、又は持続放出の形態で、動物の体重1キログラムあたり約0.001ミリグラムから約50ミリグラムの1日用量で投与されるとき、一般に満足できる結果が得られる。70kgの成人の場合は、総1日用量は、一般に約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムである。この用量レジメンを調整して、最適な治療反応をもたらすことができる。脂質異常症、神経性過食症及び胆石を治療する場合、式I、II又はIIIの化合物が、好ましくは、単回用量で、又は1日に2〜6回の分割投与で、又は持続放出の形態で、動物の体重1キログラムあたり約0.001ミリグラムから約50ミリグラムの1日用量で投与されるとき、一般に満足できる結果が得られる。70kgの成人の場合は、総1日用量は、一般に約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムである。この用量レジメンを調整して、最適な治療反応をもたらすことができる。
【0114】
経口組成物が用いられる場合、適切な用量範囲は、例えば、1日あたり約0.01mg〜約1500mgの式I、II又はIIIの化合物の化合物、好ましくは1日あたり約0.1mg〜約600mg、より好ましくは1日あたり約0.1mg〜約100mgである。経口投与では、組成物は、好ましくは、0.01mg〜1,000mg、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1、2.5、5、10、15、20、25、30、40、50、100、250、500、600、750、1000、1250、又は1500ミリグラムの、治療される患者への用量を症状に応じて調整した活性成分を含有する錠剤の剤形で提供される。鼻腔内投与用の組成物が用いられる場合、許容される鼻腔用製剤中に式I、II又はIIIの化合物の0.001〜10重量%の溶液又は懸濁液を含む鼻腔内投与用の鼻腔用製剤を使用することができる。静脈内投与用の組成物が用いられる場合、適切な用量範囲は、1日あたり、体重1kgにつき式I、II又はIIIの化合物の約0.001mg〜約50mg、好ましくは0.01mg〜約50mg、より好ましくは0.1mg〜10mgである。この用量レジメンを調整して、最適な治療反応をもたらすことができる。いくつかの場合において、これらの制限外の用量を使用する必要性が生じる場合もある。目の疾患の治療において、許容される眼科用製剤中の式I、II又はIIIの化合物の0.001〜1重量%の溶液又は懸濁液を含む眼球投与用の眼科用製剤を使用することができる。
【0115】
本発明の化合物の予防又は治療用量の程度は、当然のことながら、用いられる特定の化合物、投与様式、治療される症状、及び治療される症状の重篤度によって変わる。個々の患者の年齢、体重及び応答性によっても変わる。そのような用量は、当業者にとって容易に確認することができる。
【0116】
式I、II又はIIIの化合物は、式I、II及びIIIの化合物が有用である疾患又は症状の治療/予防/抑制又は改善に使用される他の薬剤と組み合わせて、使用することができる。そのような他の薬剤は、それに慣用的に使用される経路及び量によって、式I、II又はIIIの化合物と同時に又は連続して投与することができる。式I、II又はIIIの化合物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、式Iの化合物に加えてそのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物には、式I、II又はIIIの化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものも含まれる。
【0117】
肥満及び/又は糖尿病の治療又は予防のために、式I、II及びIIIの化合物と組み合わせて、別々に投与する又は同じ医薬組成物で投与することができる他の活性成分の例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
(a)(i)PPARγアンタゴニスト、例えば、グリタゾン(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641及びLY−300512など、並びにWO97/10813、WO97/27857、WO97/28115、WO97/28137及びWO97/27847に開示されている化合物;(iii)ビグアナイド剤、例えばメトホルミン及びフェンホルミン、を含むインスリン増感剤;
(b)インスリン又はインスリン模倣剤、例えば、ビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミール、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁剤(レント及びウルトラレント);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);及びGLP−1(7−36)−NH);
(c)スルホニル尿素、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネース;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソールアミド;トラザミド;及びトルブタミド;
(d)α−グルコシダーゼインヒビター、例えば、アカルボース;アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース、プラディマイシン−Q;サルボスタチン;トレスタチン;テンダミステート;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;及びMOR14など;
(e)抗糖尿病剤、例えば、グルカゴンレセプターアゴニスト、グルコキナーゼアクチベーター、SNORF55とも呼ばれるGPR40(Gタンパク質共役型レセプター40)、例えばBG700、及びWO04/041266、04/022551、03/099793に開示されているもの;GPR119(RUP3;SNORF25とも呼ばれる)、例えばRUP3、HGPRBMY26、PFI007、SNORF25;選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターモジュレータ−(SPPARM)、SCD−1(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1)インヒビター及びSGLTインヒビター、並びにGLP−1アゴニスト;
(f)コレステロール低下剤、例えば、(i)HMG−CoAレダクターゼインヒビター(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン及び他のスタチン)、(ii)胆汁酸吸収剤/捕捉剤、例えばコレスチラミン、コレスチポール、及び架橋デキストランを有するジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩;(iii)増殖因子活性化レセプターαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、(iv)コレステロール吸収インヒビター、例えばスタノールエステル、ベータ−シトステロール、チクエシドのようなステロールグリコシド;エゼチミブのようなアゼチジノンなど、並びに(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))インヒビター、例えばアバシミブ及びメリナミド、(v)酸化防止剤、例えばプロブコール、(v)ビタミンE、並びに(vii)甲状腺模倣剤;
(g)PPARαアゴニスト、例えばベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート及びゲムフィブロジル;他のフィブリン酸誘導体、例えばAtromid(登録商標)、Lopid(登録商標)及びTricor(登録商標)など、並びにGlaxoによりWO97/36579に記載されているPPARαアゴニスト;
(h)PPARδアゴニスト、例えばWO97/28149に開示されているもの;
(i)PPARα/δアゴニスト、例えばムラグリタザール及びUS6,414,002に開示されている化合物;
(j)禁煙剤、例えば、ニコチンアゴニスト又はバレニクリンのような部分ニコチンアゴニスト又はモノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)又はタバコ消費を止めるのに効力を示す別の活性成分、例えば、ブプロピオン、ドキセピン、オルノルトリプチリンのような抗うつ剤;又はブスピロン又はクロニジンのような抗不安薬;並びに
(k)抗肥満剤、例えば、(1)成長ホルモン分泌促進薬、成長ホルモン分泌促進薬レセプターアゴニスト/アンタゴニスト、例えばNN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429及びL−163,255、並びに、例えば米国特許第5,536,716号及び同第6,358,951号、米国特許出願番号2002/049196及び2002/022637、PCT出願番号WO01/56592及びWO02/32888に開示されているもの;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)インヒビター;(3)カンナビノイドレセプターリガンド、例えばカンナビノイドCBレセプターアンタゴニスト又はインバースアゴニスト、例えばリモナバン(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、SR−14778及びSR141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer)、並びに,米国特許第5,532,237号、同第4,973,587号、同第5,013,837号、同第5,081,122号、同第5,112,820号、同第5,292,736号、同第5,624,941号、同第6,028,084号、PCT出願番号WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、W002/076949、WO03/007887、WO04/048317及びWO05/000809;EPO出願番号EP−658546、EP−656354、EP−576357に開示されているもの;(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;(5)β3−アデノレセプターアゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、Trecadrine、Zeneca D7114、SR59119A、並びに、例えば米国特許出願第5,705,515号及びUS5,451,677、PCT特許公開WO94/18161、WO95/29159、WO97/46556、WO98/04526、WO98/32753、WO01/74782及びWO02/32897に開示されているもの;(6)膵臓リパーゼインヒビター、例えばオーリスタット(Xenical(登録商標))、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスフェート、並びにPCT出願番号WO01/77094に開示されているもの;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、並びに米国特許第6,001,836号、PCT特許公開番号WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示されているもの;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104、並びに米国特許第6,057,335号;同第6,043,246号;同第6,140,354号;同第6,166,038号;同第6,180,653号;同第6,191,160号;同第6,313,298号;同第6,335,345号;同第6,337,332号;同第6,326,375号;同第6,329,395号;同第6,340,683号;同第6,388,077号;同第6,462,053号;同第6,649,624号;及び同第6,723,847号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる);ヨーロッパ特許第EP−01010691号及び同第EP−01044970号;PCT国際特許公報番号WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/24768;WO98/25907;WO98/25908;WO98/27063、WO98/47505;WO98/40356;WO99/15516;WO99/27965;WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376;WO01/85714、WO01/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/22592、WO0248152、及びWO02/49648;WO02/094825;WO03/014083;WO03/10191;WO03/092889;WO04/002986(L−385,809);及びWO04/031175に開示されているもの;(9)メラニン凝集ホルモン(MCH)レセプターアンタゴニスト、例えばWO01/21577及びWO01/21169に開示されているもの;(10)メラニン凝集ホルモン1レセプター(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda)、並びにPCT特許出願番号WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027、日本国特許出願番号JP13226269及びJP2004−139909に開示されているもの;(11)メラニン凝集ホルモン2レセプター(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン−1レセプターアンタゴニスト、例えばSB−334867−A、並びにPCT特許出願番号WO01/96302、WO01/68609、WO02/51232及びWO02/51838に開示されているもの;(13)セロトニン再取込みインヒビター、例えばフルオキセチン、パロキセチン及びセルトラリン、並びに米国特許第出願第6,365,633号、PCT特許出願番号WO01/27060及びWO01/162341に開示されているもの;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えばメラノタン−II、CHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141及びPT−14(Palatin);(15)他のMC4R(メラノコルチン−4レセプター)アゴニスト、例えば米国特許第6,410,548号;同第6,294,534号;同第6,350,760号;同第6,458,790号;同第6,472,398号;同第6,376,509号;及び同第6,818,658号;米国特許公開番号US2002/0137664;US2003/0236262;US2004/009751;US2004/0092501;PCT出願番号WO99/64002;WO00/74679;WO01/70708;WO01/70337;WO01/74844;WO01/91752;WO01/991752;WO02/15909;WO02/059095;WO02/059107;WO02/059108;WO02/059117;WO02/067869;WO02/068387;WO02/068388;WO02/067869;WO02/11715;WO02/12166;WO02/12178;WO03/007949;WO03/009847;WO04/024720;WO04/078716;WO04/078717;WO04/087159;WO04/089307;及びWO05/009950に開示されているもの;(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニンレセプター2C)アゴニスト、例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065、並びに米国特許第3,914,250号、PCT出願番号WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456及びWO02/40457に開示されているもの;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−1(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えばAR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR146131、並びに米国特許第5,739,106号に記載されているもの;(21)GLP−1アゴニスト;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミンレセプター−3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミンレセプター−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばヒオペルアミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)、及びPCT出願番号WO02/15905に記載され、開示されているもの、並びにO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバメート(Kiec−Kononowicz,K.et al.,Pharmazie,55:349−55(2000))、ピペリジン含有ヒスタミンH−3レセプターアンタゴニスト(Lazewska,D.et al.,Pharmazie,56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体及び関連する化合物(Sasse,A.et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカルバメート(Reidemeister,S.et al.,Pharmazie,55:83−6(2000))、及びプロキシファン誘導体(Sasse,A.et al,J.Med.Chem..43:3335−43 (2000));(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1インヒビター(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)インヒビター、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)インヒビター;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送インヒビター、例えばGW320659、デスピラミン、タルスプラム及びノミフェンシン;(29)グレリンレセプターアンタゴニスト、例えばPCT出願番号WO01/87335及びWO02/08250に開示されているもの;(30)組み換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)及び組み換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(31)レプチン誘導体、例えば米国特許第5,552,524号、同第5,552,523号、同第5,552,522号、同第5,521,283号、PCT国際公報番号WO96/23513、WO96/23514、WO96/23515、WO96/23516、WO96/23517、WO96/23518、WO96/23519及びWO96/235
20に開示されているもの;(32)他のBRS3(ボンベシンレセプターサブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,ベータ−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、並びにPept.Sci.2002 Aug;8(8):461−75)に開示されている化合物;(33)CNTF(繊毛様神経栄養因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170,292及びPD149164(Pfizer);(34)CNTF誘導体、例えば アキソキン(Regeneron)、並びにPCT出願番号WO94/09134、WO98/22128及びWO99/43813に開示されているもの;(35)モノアミン再取り込みインヒビター、例えばシブトラミン、並びに米国特許第4,746,680号、同第4,806,570号及び同第5,436,272号、米国特許出願番号2002/0006964、PCT出願番号WO01/27068及びWO01/62341号に開示されているもの;(36)UCP−1(非結合タンパク質−1)、2又は3アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸、及びPCT特許出願番号WO99/00123に開示されているもの;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS)、並びにPCT出願番号WO02/15845及び日本国特許出願番号JP2000256190に開示されているもの;(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)インヒビター、例えばセルレニン及びC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)インヒビター;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)インヒビター;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)インヒビター;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えばdel Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示されているオレオイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)インヒビター、例えばイソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VJJP0177、SDZ274−444、シタグリプチン;並びに米国特許第6,699,871号(参照として本明細書に組み込まれる);国際特許出願番号WO3/004498;WO03/004496;EP1258476;WO02/083128;WO02/062764;WO03/000250;WO03/002530;WO03/002531;WO03/002553;WO03/002593;WO03/000180;及びWO03/000181に開示されている化合物;(46)ジカルボキシレートトランスポーターインヒビター;(47)グルコーストランスポーターインヒビター;(48)ホスフェートトランスポーターインヒビター;(49)メトホルミン(Glucophage(登録商標));(50)トピラメート(Topimax(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体及びフラグメント、例えばBIM−43073D、BJM−43004C(Olitvak,D.A.et al.,Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999))、並びにUS5,026,685、US5,604,203、US5,574,010、US5,696,093、US5,936,092、US6,046,162、US6,046,167、US6,093,692、US6,225,445、U.S.5,604,203、US4,002,531、US4,179,337、US5,122,614、US5,349,052、US5,552,520、US6,127,355、WO95/06058、WO98/32466、WO03/026591、WO03/057235、WO03/027637及びWO2004/066966(参照として本明細書に組み込まれる)に開示されているもの;(51)ニューロペプチドY2(NPY2)レセプターアゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えばBatterham et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab.88:3989−3992(2003)に記載されている膵臓ペプチド(PP)及び他のY4アゴニスト、例えば1229U91;(54)シクロ−オキシゲナーゼ−2インヒビター、例えばエトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブ又はJTE522、ABT963、CS502及びGW406381、並びにそれらの薬学的に許容される塩;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、並びに米国特許第6,001,836号;PCT出願番号WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示されているもの;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、及びPCT出願番号WO00/21509に開示されているもの;(57)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)インヒビター、例えばBVT3498、BVT2733、並びにWO01/90091、WO01/90090、WO01/90092、米国特許第6,730,690号、及び米国特許公開番号2004−0133011(それらの全体が参照として本明細書に組み込まれる)に開示されているもの;(58)アミノレクス;(59)アンフェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレクス;(64)クロフォレクス;(65)クロミノレクス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デキストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン;(70)N−エチルアンフェタミン;(71)フェンブトラゼート;(72)フェニソレクス;(73)フェンプロポレクス;(74)フルドレクス;(75)フルミノレクス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン;(79)メフェノレクス;(80)メタムフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ルプソイドエフェドリン;(83)ペントレクス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレクス;(87)フィトファーム57;(88)ゾニサミド;(89)ニューロメジンU及びその類似体又は誘導体;(90)オキシントモジュリン及びその類似体又は誘導体;(91)ニューロキニン−1レセプターアンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト)、例えば米国特許第5,162,339号、同第5,232,929号、同第5,242,930号、同第5,373,003号、同第5,387,595号、同第5,459,270号、同第5,494,926号、同第5,496,833号及び同第5,637,699号に開示されている化合物;並びに(92)Qnexa。
【0118】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定の化合物には、シンバスタチン、メバスタチン、エゼチミブ、アトルバスタチン、シタグリプチン、メトホルミン、シブトラミン、オーリスタット、Qnexa、トピラメート、ナルトレキソン、ブプリオピオン、フェンテルミン及びロサルタン、ヒドロクロロチアジドを有するロサルタンが含まれる。本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストには、N−[3−(4−クロロフェニル)−2(S)−フェニル−1(S)−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド及びこれらの薬学的に許容される塩を含むWO03/077847に記載されているもの、並びに以下:3−{1−[ビス(4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イリデン}−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンニトリル、1−{1−[1−(4−クロロフェニル)ペンチル]アゼチジン−3−イル}−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロパン−2−オール、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((4−クロロフェニル){3−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−(3−シアノフェニル)(4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、5−((4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)チオフェン−3−カルボニトリル及びこれらの薬学的に許容される塩、また、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−l,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−クロロフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−シアノフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−2−メチル−2H−テトラゾール、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、5−{3−[(S)−{3−[(1S)−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}(4−クロロフェニル)メチル]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、4−{(S)−{3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}−ベンゾニトリル及びこれらの薬学的に許容される塩を含むWO05/000809に記載されているものが含まれる。
【0119】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のNPY5アンタゴニストには、3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),4′−ピペリジン]−1′−カルボキサミド、3−オキソ−N−(7−トリフルオロメチルピリド[3,2−b]ピリジン−2−イル)スピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4′−ピペリジン]−1′−カルボキサミド、N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4′−ピペリジン]−1′−カルボキサミド、トランス−3′−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピリミジニル)スピロ[シクロヘキサン−1,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3′−オキソ−N−[1−(3−キノリル)−4−イミダゾリル]スピロ[シクロヘキサン−1,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)スピロ[4−アザイソ−ベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−N−[5−(2−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−N−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−イミダゾリル]−3−オキソスピロ[7−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−4−ピラゾリル)スピロ[4−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−N−[1−(2−フルオロフェニル)−3−ピラゾリル]−3−オキソスピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−3−ピラゾリル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1′−シクロヘキサン]−4′−カルボキサミド、並びにこれらの薬学的に許容される塩及びエステルが含まれる。
【0120】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のACC−1/2インヒビターには、1′−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4′−ピペリジン]−4−オン;(5−{1′−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4′−ピペリジン]−6−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)メチルピバレート;5−{1′−[(8−シクロプロピル−4−メトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4′−ピペリジン]−6−イル}ニコチン酸;1′−(8−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−2−ナフトイル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4′−ピペリジン]−4−オン;及び1′−[(4−エトキシ−8−エチルキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4′−ピペリジン]−4−オン;並びにこれらの薬学的に許容される塩及びエステルが含まれる。
【0121】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のMCH1Rアンタゴニストには、1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−1−{4−[(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、1−[4−(アゼチジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(1−プロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン及び4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−(4−{[(2S)−1−エチルアゼチジン−2−イル]メトキシ}フェニル)ピリジン−2(1H)−オン、又はこれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0122】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のDP−IVインヒビターは、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリルフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジンから選択される。特に式Iの化合物は、好ましくは、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジン及びその薬学的に許容される塩と組み合わされる。
【0123】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のH3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニストには、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[2,3−d]−ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−エチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2,5−ジメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−5−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−5−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−7−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−8−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロペンチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチルピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2,5−ジメチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、5−フルオロ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、5−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、7−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、5−フルオロ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン及びこれらの薬学的に許容される塩を含むW005/077905に記載されるものが含まれる。
【0124】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のCCK1Rアゴニストには、3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及び3−(4−{[1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;並びにこれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0125】
本発明の化合物と組み合わせて使用される特定のMC4Rアゴニストには、1)(5S)−1′−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4′−ピペリジン];2)(5R)−1′−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4′−ピペリジン];3)2−(1′−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4′−ピペリジン]−5−イル)−2−メチルプロパンニトリル;4)1′−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4′−ピペリジン];5)N−[(3R,4R)−3−({3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−1′H,5H−スピロ[フロ−[3,4−b]ピリジン−7,4′−ピペリジン]−1′−イル}−カルボニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−シクロペンチル]−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン;6)2−[3−クロロ−1′−({(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[メチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]−シクロペンチル}−カルボニル)−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4′−ピペリジン]−5−イル]−2−メチル−プロパン−ニトリル;及びこれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0126】
式I、II及びIIIの化合物と組み合わせて用いることができる他の抗肥満剤の例は、“Patent focus on new anti−obesity agents,”Exp.Opin.Ther.Patents,10:819−831(2000);“Novel anti−obesity drugs,”Exp.Opin.Invest.Drugs,9:1317−1326(2000);及び“Recent advances in feeding suppressing agents:potential therapeutic strategy for the treatment of obesity,”Exp.Opin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001)に開示されている。肥満におけるニューロペプチドYの役割は、Exp.Opin.Invest.Drugs,9:1327−1346(2000)において考察されている。カンナビノイドレセプターリガンドは、Exp.Opin.Invest.Drugs,9:1553−1571(2000)において考察されている。
【0127】
本発明は、また、CCK−1Rリガンド又はアゴニストを第2活性成分と組み合わせて両方含有する単一医薬投与製剤の投与、並びにそれぞれの活性成分のそれぞれ別々の医薬投与製剤での投与を含む。別々の投与製剤が使用される場合、組成物の個別の成分を実質的に同じ時に、すなわち同時に、又は時間をずらして別々に、すなわち組成物の他の成分の投与の前もしくは後で連続的に投与することができる。したがって、本発明は、そのような同時又は交互治療のレジメンを全て含むことが理解され、用語「投与」及び「投与する」はそのように解釈される。これらの多様な方法による投与は、CCK−1Rリガンド又はアゴニストと第2活性成分の組み合わせの薬学的利益効果が患者で実質的に同じ時に認められる限り、本発明の組成物に適している。そのような利益効果は、好ましくは、それぞれの活性成分の標的血中レベル濃度が実質的に同じ時に維持されるときに達成される。CCK−1Rリガンド又はアゴニストと第2活性成分との組み合わせが、1日に1回の用量スケジュールで同時に併用投与されることが好ましいが、CCK−1Rリガンドもしくはアゴニストが1日に1回であり、第2活性成分が1日あたり1回、2回もしくはそれ以上の回数であるか、又はCCK−1Rリガンドもしくはアゴニストが1日に3回であり、第2活性成分が1日あたり1回、2回もしくはそれ以上の回数であるような変化する用量スケジュールも、本明細書に含まれる。CCK−1Rリガンド又はアゴニストと第2活性成分の両方を含む単一経口投与製剤が好ましい。単一投与製剤は患者にとって都合がよく、これは、複数の投薬が必要でありうる糖尿病の患者又は肥満の患者にとって特に重要な配慮である。
【0128】
本発明の組み合わせにおける化合物を別々に投与することができ、したがって本発明は、また、別々の医薬組成物をキットの形態に組み合わせることにも関する。本発明のキットは、2つの別々の医薬組成物を含み、第1の単位投与形態は、予防又は治療有効量のコレシストキニン−1レセプターアゴニスト、又はその薬学的に許容される塩もしくはエステル、及び薬学的に許容される担体又は稀釈剤を第1の単位投与形態に含み、第2の単位投与形態は、予防又は治療有効量の第2活性成分もしくは薬剤、又はその薬学的に許容される塩もしくはエステル、及び薬学的に許容される担体又は稀釈剤を第2の単位投与形態に含む。一つの実施態様において、キットは更に容器を含む。そのようなキットは、特に、錠剤又はカプセル剤のような固体経口剤形の送達に適している。そのようなキットは、好ましくは、多数の投与単位を含む。そのようなキットは、その意図される使用の順番で配列されている用量を有するカードを含むことができる。そのようなキットの例は「ブリスターパック」である。ブリスターパックは、包装業界では周知であり、医薬単位投与形態を包装するために広く使用されている。望ましい場合、記憶補助を、例えば数字、文字もしくは他の印の形態により、又は投与することができる治療スケジュールの日もしくは時間を示すカレンダーの挿入により提供することができる。
【0129】
本発明の別の態様は、活性成分として式I、IIもしくはIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含み、また、薬学的に許容される担体及び場合により他の治療成分を含むこともできる医薬組成物を提供する。用語「薬学的に許容される塩」は、無機塩基又は酸及び有機塩基又は酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。
【0130】
組成物には、経口、直腸内、局所、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)、眼球(眼内)、肺(経鼻又は口腔吸入)、又は経鼻投与に適した組成物が含まれるが、ある特定の場合において最も適切な経路は、治療される症状の性質及び重篤度、並びに活性成分の性質によって決まる。これらは、単位投与形態で都合よく存在することができ、薬剤学の技術で周知の方法のいずれかによって調製することができる。
【0131】
実際の使用では、式I、II又はIIIの化合物を活性成分として、医薬担体と、従来の医薬配合技術に従って密接に混合して組み合わせることができる。担体は、例えば経口又は非経口(静脈内を含む)の投与に望ましい調製形態に応じて、多種多様な形態を取ることができる。経口投与形態の組成物を調製するために、例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤のような経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などのような、又は、例えば、粉末剤、硬質及び軟質カプセル剤及び錠剤のような経口固体製剤の場合には、担体、例えば、デンプン、糖、微晶質セルロース、稀釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などのような通常の医薬媒質のいずれかを用いることができ、固体経口製剤が液体製剤よりも好ましい。
【0132】
その投与の容易さのため、錠剤及びカプセル剤が典型的な経口投与単位形態を表し、この場合、典型的には固体医薬担体が用いられる。望ましい場合には、錠剤を、標準的な水性又は非水性技術によって被覆することができる。そのような組成物及び製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有するべきである。これらの組成物中の活性化合物の率は、当然のことながら変わることができ、都合よくは、単位の重量の約2パーセントから約60パーセントであることができる。そのような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、有効用量が得られるようなものである。活性化合物は、例えば液滴又は噴霧として鼻腔内に投与することもできる。錠剤、丸剤、カプセル剤などは、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン又はゼラチンのような結合剤;リン酸二カルシウムのような賦形剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;及びスクロース、ラクトース又はサッカリンのような甘味剤を含有することもできる。投与単位形態がカプセル剤である場合、上記の種類の材料に加えて、脂肪油のような液体担体を含有することができる。被覆として、又は投与単位の物理的形態を変えるために、多様な他の材料を使用することができる。例えば、錠剤を、セラック、糖又はその両方で被覆することができる。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味剤としてスクロース、防腐剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素、及びチェリー又はオレンジ風味のような風味剤を含有することができる。
【0133】
式I、II又はIIIの化合物は、非経口的に投与することもできる。これらの活性化合物の液剤又は懸濁剤は、ヒドロキシ−プロピルセルロースのような界面活性剤と水中で適切に混合することによって調製できる。分散剤も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びこれらの油中混合物の中で調製することができる。通常の保存及び使用条件下では、これらの製剤は、微生物の成長を防止するために防腐剤を含有する。
【0134】
注入用途に適切な医薬形態には、滅菌水性液剤又は分散剤、及び滅菌注入用液剤又は分散剤の即時調合用の滅菌粉末剤が含まれる。全ての場合において、形態は、滅菌でなければならず、容易に注入できる程度に流体でなければならない。製造及び保存の条件下で安定していなければならず、細菌又は真菌のような微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散体媒質であることができる。
【0135】
本発明の式I、II及びIIIの化合物は、適切な材料を使用して以下のスキーム及び実施例に従った手順により調製することができ、更に、以下の特定の例によって説明される。更に、本明細書に記載されている手順を利用することによって、当業者は、本明細書において請求されている本発明の追加の化合物を容易に調製することができる。しかし実施例において説明されている化合物は、本発明のものであると考慮される種類のみを形成すると考慮されるべきではない。この実施例は、本発明の化合物の調製の詳細を更に説明する。当業者は、以下の調製手順の条件及び方法の既知の変形を使用して、これらの化合物を調製できることを容易に理解する。本発明の化合物は、一般に、前に本明細書上記で記載されているもののような、その薬学的に許容される塩の形態に単離される。単離塩に相当する遊離アミン塩基は、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのような適切な塩基により中和すること、遊離したアミン遊離塩基を有機溶媒の中へ抽出すること、続いて蒸発させることによって生成することができる。この方法で単離した遊離塩基を、有機溶媒中で溶解し続いて適切な酸を添加し、後に蒸発、沈殿又は結晶化させることによって、別の薬学的に許容される塩に更に変換することができる。全ての温度は、特に記載のない限り摂氏である。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレーイオン質量分析法により測定した。
【0136】
語句「標準的なペプチドカップリング反応条件」は、カルボン酸とアミンとを、EDC、DCC及びBOPのような酸活性化剤を使用して、ジクロロメタンのような不活性溶媒中、HOBTのような触媒の存在下でカップリングすることを意味する。所望の反応を促進し、望ましくない反応を最小限にするために、アミン及びカルボン酸官能基の保護基を使用することは、十分に裏付けられている。保護基を除去するのに必要な条件は、Greene,T,and Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,Inc.,New York,NY,1991のような標準的な文書で見出される。CBZ及びBOCは、有機合成において慣用的に使用される保護基であり、それらの除去条件は当業者には既知である。例えば、CBZを、メタノール又はエタノールのようなプロトン性溶媒中、貴金属又はパラジウム活性炭のようなその酸化物の存在下での接触水素化により除去することができる。接触水素化が、他の潜在的に反応性の官能基の存在のために禁忌である場合、CBZ基の除去は、酢酸中の臭化水素の溶液での処理、又はTFAとジメチルスルフィドの混合物での処理によっても達成することができる。BOC保護基の除去は、トリフルオロ酢酸、塩酸のような強酸又は塩化水素ガスにより、塩化メチレン、メタノール又は酢酸エチルのような溶媒中で実施される。
【0137】
本発明の化合物の調製の記載における略語の使用:Acは、アセチルであり、BOC(Boc)は、t−ブチルオキシカルボニルであり、BOPは、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、Bnは、ベンジルであり、Buは、ブチルであり、tert−Buは、第三級ブチルであり、calc.又はcalc′dは、計算値であり、セライトは、Celite(商標)珪藻土であり、CBZ(Cbz)は、ベンジルオキシカルボニルであり、c−hexは、シクロヘキシルであり、c−penは、シクロペンチルであり、c−proは、シクロプロピルであり、DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、DEADは、ジエチルアゾジカルボキシレートであり、DIEAは、ジイソプロピル−エチルアミンであり、DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンであり、DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり、DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、dppfは、l,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり、EDCは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドであり、eqは、当量であり、ES−MS及びESI−MSは、エレクトロスプレーイオン質量分析法であり、Etは、エチルであり、EtOAcは、酢酸エチルであり、gは、グラムであり、h又はhrは、時間であり、HATUは、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートであり、HMPAは、ヘキサメチルホスホルアミドであり、HOAcは、酢酸であり、HOAtは、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールであり、HOBt又はHOBTは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、HPLCは、高速液体クロマトグラフィーであり、LC/MS又はLC−MASSは、液体クロマトグラフィー質量スペクトルであり、LDAは、リチウムジイソプロピルアミドであり、CCK−xRは、コレシストキニンレセプター(xは数字である)であり、Lは、リットルであり、Meは、メチルであり、MeOHは、メタノールであり、MFは、分子式であり、minは、分であり、mgは、ミリグラムであり、mLは、ミリリットルであり、mmolは、ミリモルであり、MPLCは、中圧液体クロマトグラフィーであり、MSは、質量スペクトルであり、Msは、メタンスルホニルであり、MTBEは、tert−ブチルメチルエーテルであり、Nは、規定であり、NaHMDSは、ナトリウムヘキサメチルジシラジドであり、NaOtBuは、ナトリウムtert−ブトキシドであり、NMMは、N−メチルモルホリンであり、NMOは、N−メチルモルホリン−N−オキシドであり、OTfは、トリフルオロメタンスルホニルであり、Pd(dba)は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、Phは、フェニルであり、Pheは、フェニルアラニンであり、Prは、プロピルであり、iPrは、イソプロピルであり、prepは、調製であり、PyBOPは、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジン−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、PyBropは、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロ−ホスフェートであり、r.t.又はrtは、室温であり、SCF COSは、超臨界液体二酸化炭素であり、TBAFは、テトラブチルアンモニウムフルオリドであり、TEA又はEtNは、トリエチルアミンであり、Tfは、トリフレート又はトリフルオロメタンスルホネートであり、TFAは、トリフルオロ酢酸であり、THFは、テトラヒドロフランであり、TIPSは、トリイソプロピルシリルであり、TBDMSは、tert−ブチルジメチルシリルであり、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシリルであり、そしてTLCは、薄層クロマトグラフィーである。
【0138】
反応スキーム1〜3は、式I、II及びIIIの本発明の化合物の合成に用いられる方法を説明する。全ての置換基は、特に指示されない限り、上記で定義されたとおりである。本発明の主題である式I、II及びIIIの新規化合物の合成は、いくつかの類似の経路の1つ以上により達成することができる。本発明の化合物は、式IVのようなアミノピリミジン及びのような置換アリール又はヘテロアリールカルボン酸塩化物から、続く追加的な変更によって、調製することができる。これらの中間体の調製は、以下のスキームに記載されており、ここでR、R、R、R、R、R、R及びRは、上記で定義されたとおりである。
【0139】
【化6】

【0140】
IVの中間体を、当業者によく知られている種々の方法により都合良く調製することができる。一つの方法は、フリーデル−クラフツアシル化を利用して、一般式のアリールケトンを調製し、続いてそれをIVに変換する。必要なアリールケトンは、US6,380,230に記載されている手順を使用して調製することができる。フリーデル−クラフツ供与体を、AlCl又はFeClのようなルイス酸の存在下で、好ましくはハロゲン化溶媒、例えばCCl中で適切に置換された塩化アシルにより処理して、アリールケトンを得る。Wasserman,H.;et.al.によりJ.Org.Chem.1985,50,3573−3580に記載されたものと同様の手順及びその中の参考文献を使用し、このケトンをtert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン(Bredereck試薬)と反応させて、エナミンを得る。グアニジニウム塩酸塩の遊離塩基によるの縮合、続くナトリウムメトキシドの存在下での環化によって、必要なアミノピリミジンIVを得る。アミノピリミジンを、最終的に、適切に置換されたアリール又はヘテロアリール酸塩化物と、ピリジン又はトリエチルアミンのような塩基の存在下で反応させて、Rがフェニルであり、Rが水素である一般式Iの化合物をもたらす(スキーム1)。
【0141】
【化7】

【0142】
が、結合したカルボン酸エステルを有する場合、カルボン酸官能基を、種々の既知の手順を使用して、合成の最終段階で露出させることができる(スキーム2)。保護基P=Meの場合、水酸化リチウム、ナトリウムもしくはカリウム、又はカリウムトリメチルシラノレートを使用して、エステルを取り除くことができる。P=tert−Buの場合、塩化メチレンのような溶媒中のトリフルオロ酢酸又は塩酸のような酸を用いることができる。
【0143】
【化8】

【0144】
一般構造Iの化合物は、Stoss,P.,et.al.によるJ.Heterocyclic Chem.1991,28,231−236を適合した、スキーム2に概説された経路により調製することもできる。適切に置換されたエステルをグアニジニウム塩酸塩、ギ酸メチル及びナトリウムメトキシドによりDMF中で処理することによって、ピリミジノンを得る。これを、例えばオキシ塩化リンで塩素化して、クロロピリミジンを得る。次にクロロピリミジンをエステル置換アリール又はヘテロアリール酸塩化物(POC−R−C(O)Cl)によりピリジンのような塩基の存在下、CHClのような溶媒中で反応させて、ピリミジンアミドを得る。エステル官能基を開裂してカルボン酸にし、適切に置換されたアリールボロン酸10とのパラジウム触媒クロスカップリング反応によって、VIIIを得る(スキーム3)。
【0145】
【化9】

【0146】
の化合物は、必要であれば、再結晶化、粉砕、分取薄層クロマトグラフィー、例えばBiotage(登録商標)装置を用いるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー又はHPLCにより、不要な副産物から精製することができる。HPLCにより精製された化合物を、対応する塩として単離することができる。中間体の精製は同じ方法で行われる。
【0147】
いくつかの場合において、前述の反応スキームを実施する順番は、反応を促進するため又は不要な反応生成物を避けるために変えることができる。以下の実施例は、本発明をより完全に理解できるように提供される。これらの実施例は、説明のためだけであり、本発明をいかようにも制限するものとして考慮されるべきではない。
【0148】
中間体1
【0149】
【化10】

【0150】
5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−アミン
3−シクロヘキシル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)プロパン−1−オン(5.0g、17mmol、US6,380,230の手順に従って調製)を、未希釈のtert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン(5.3mL、26mmol)と共に80℃で24h加熱し、次に反応混合物を周囲温度に冷却して、2−(シクロヘキシルメチル)−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オンの粗溶液を得た。その間、グアニジニウム塩酸塩(3.3g、34mmol)を、無水エタノール(110mL)中のナトリウムエトキシド(4.7g、69mmol)の溶液に一度に加え、得られた懸濁液を周囲温度で0.5h撹拌して、グアニジン遊離塩基を得た。次に遊離塩基溶液を、上記の2−(シクロヘキシルメチル)−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オンに加え、反応混合物を4h加熱還流し、次に周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)と酢酸エチル(100mL)に分配した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、150mLの10:1ヘキサン/酢酸エチルからの再結晶により精製して、標記化合物を綿状の白色固体として得た。HNMR(CDCl):δ8.14(s,1H),6.76(s,1H),6.67(s,1H),5.07(br s,2H),3.79(s,3H),3.70(s,3H),2.27(s,3H),2.23−2.22(d,J=7.1Hz,2H),1.60−1.48(m,5H),1.27−1.20(m,1H),1.11−1.03(m,3H),0.75−0.69(m,2H);LC/MS441。1(M+1)。
【0151】
中間体2
【0152】
【化11】

【0153】
4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−アミン
1−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−3−シクロヘキシルプロパン−1−オン(1.4g、4.5mmol、US6,380,230の手順に従って調製)を、未希釈のtert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン(1.1mL、5.4mmol)と共に80℃で24h加熱し、次に反応混合物を周囲温度に冷却して、1−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−2−(シクロヘキシルメチル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オンの粗溶液を得た。その間、グアニジニウム塩酸塩(0.65g、6.8mmol)を、無水エタノール(50mL)中のナトリウムエトキシド(1.2g、18mmol)の溶液に一度に加え、得られた懸濁液を周囲温度で20min撹拌して、グアニジン遊離塩基を得た。次に遊離塩基溶液を、15mLのエタノールに溶解した上記の1−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−2−(シクロヘキシルメチル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オンに加え、反応混合物を4h加熱還流し、次に周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)と酢酸エチル(150mL)に分配した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)システムのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%酢酸エチルからヘキサン中80%酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS362.1(M+1)。
【0154】
中間体3
【0155】
【化12】

【0156】
5−(2−シクロペンチルエチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−アミン
4−シクロペンチル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ブタン−1−オン(0.21g、0.71mmol、US6,380,230の手順に従って調製)を、未希釈のtert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン(0.22mL、1.1mmol)と共に70℃で14h加熱し、次に反応混合物を周囲温度に冷却して、4−シクロペンチル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−2−[(ジメチルアミノ)メチレン]ブタン−1−オンの粗溶液を得た。その間、グアニジニウム塩酸塩(0.17g、1.8mmol)を、無水エタノール(3.6mL)中のナトリウムエトキシド(0.22g、3.2mmol)の溶液に一度に加え、得られた懸濁液を周囲温度で1h撹拌して、グアニジン遊離塩基を得た。次に遊離塩基溶液を、上記の4−シクロペンチル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−2−[(ジメチルアミノ)メチレン]ブタン−1−オンに加え、反応混合物を75℃で24h加熱し、次に周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)と酢酸エチル(100mL)に分配した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(1×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)システムのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中30%酢酸エチルからヘキサン中70%酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS342.2(M+1)。
【0157】
中間体4
【0158】
【化13】

【0159】
5−(2−シクロヘキシルエチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−アミン
4−シクロヘキシル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ブタン−1−オン(4.5g、15mmol、US6,380,230の手順に従って調製)を、未希釈のtert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン(4.6mL、22mmol)と共に80℃で16h加熱し、次に反応混合物を周囲温度に冷却して、4−シクロヘキシル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−2−[(ジメチルアミノ)メチレン]ブタン−1−オンの粗溶液を得た。その間、グアニジニウム塩酸塩(2.8g、30mmol)を、92mLの無水エタノール中のナトリウムエトキシド(4.0g、59mmol)の溶液に一度に加え、得られた懸濁液を周囲温度で0.5h撹拌して、グアニジン遊離塩基を得た。次に遊離塩基溶液を、上記の4−シクロヘキシル−1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−2−[(ジメチルアミノ)メチレン]ブタン−1−オンに加え、反応混合物を4h加熱還流し、次に周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)と酢酸エチル(150mL)に分配した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、220mLの2:1ヘキサン/酢酸エチルからの再結晶により精製した。LC/MS356.0(M+1)。
【0160】
中間体5
4−クロロ−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−アミン
【0161】
【化14】

【0162】
工程A:2−アミノ−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−4(3H)−オン
15mL中のN,N−ジメチルホルムアミド中のシクロヘキサンプロピオン酸エチル(29.4mL、150mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(10.8g、200mmol)を加えた。得られた懸濁液を氷浴で冷却し、ギ酸メチル(6.16mL、100mmol)を滴下した。浴を取り外し、混合物を周囲温度で0.5h激しく撹拌した。得られた懸濁液に、35mLのメタノール中のグアニジン塩酸塩(9.55g、100mmol)の溶液を加え、反応混合物を一晩加熱還流した。この間に追加のメタノール(25mL)を加えて、撹拌を改善した。次に、反応混合物を周囲温度に冷却し、水に注ぎ、激しく撹拌しながら、溶液のpHを濃塩酸でpH7に調整した。次に混合物を氷浴で冷却し、濾過した。固体を、水(50mL)及びジエチルエーテル(50mL)で連続して洗浄し、最後に真空下で濃縮して、標記化合物を得た。LC/MS208.2(M+1)。
【0163】
工程B:4−クロロ−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−アミン
8mLのアセトニトリル中の工程Aの生成物(1.00g、4.82mmol)の懸濁液に、オキシ塩化リン(1.12mL、12.1mmol)を加え、得られた混合物を5h加熱還流した。追加のアセトニトリル(3mL)を加えて、撹拌を改善した。次に淡黄色の溶液を周囲温度に冷却し、一晩放置した。次に、反応混合物を、激しく撹拌した氷と水の混合物にゆっくりと加えた。追加の氷を必要に応じて加えて、温度を5℃以下に維持した。混合物を、固体氷の添加により連続的に冷却しながら、濃水酸化アンモニウム水溶液の滴下により塩基性にした。次に得られた混合物を水で希釈し、クロロホルム(3×100mL)及び酢酸エチル(3×100mL)で連続して抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。Biotage Horizon(登録商標)システム(シリカゲル、ヘキサン中30%酢酸エチルからヘキサン中50%酢酸エチルの勾配)による得られた粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーによって、標記化合物を白色の固体として得た。HNMR(CDCl):δ8.01(s,1H),5.20(br s,2H),2.42(d,J=7.1Hz,2H),1.72−1.66(comp,5H),1.57−1.49(m,1H),1.26−1.10(m,3H),0.99−0.92(m,2H)。LC/MS226.1(M+1)。
【0164】
中間体6
[2−({[4−クロロ−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−イル]アミ
ノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸
【0165】
【化15】

【0166】
工程A:[2−({[4−クロロ−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(0.017mL、0.22mmol)を含有するジクロロメタン5mL中の1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−インドール−2−カルボン酸(0.78g、3.3mmol、US6,380,230の手順に従って調製)の溶液に、塩化オキサリル(1.7mL、3.3mmol、ジクロロメタン中2.0M)を加えた。得られた溶液を周囲温度で2h撹拌した。次に、この混合物を、5mLのジクロロメタン中の中間体3(0.50g、2.2mmol)及びピリジン(0.72mL、8.9mmol)の予備調製溶液に加えた。周囲温度で24h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を、Biotage Horizon(登録商標)システムのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン100%からヘキサン中50%酢酸エチルの勾配)より精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS441.1(M+1)。
【0167】
工程B:[2−({[4−クロロ−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸
2.5mLの無水テトラヒドロフラン中の工程Aの化合物(130mg、0.30mmol)の冷却した(−10℃)溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(90%技術等級、92mg、0.65mmol)を一度に加えた。反応混合物を−10℃で2h撹拌し、次に周囲温度で一晩撹拌した。混合物を氷浴で冷却し、水で希釈し、次に1N塩酸で酸性化した。浴を取り外し、水性混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物を得て、それを更に精製することなく使用した。HNMR(CDCl):δ9.27(br s,1H),8.35(s,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.40−7.35(comp,2H),7.26(s,1H),7.20(ddd,J=8.0,6.8,1.2Hz,1H),5.36(s,2H),2.53(d,J=7.1Hz,2H),1.71−1.64(comp,5H),1.61−1.54(m,1H),1.20−1.14(comp,3H),1.02−0.95(comp,2H);LC/MS427.3(M+1)。
【0168】
実施例1
[2−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸トリフルオロ酢酸塩
【0169】
【化16】

【0170】
工程A:[2−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を含有するジクロロメタン0.75mL中の1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−インドール−2−カルボン酸(88mg、0.38mmol、US6,380,230の手順に従って調製)の溶液に、塩化オキサリル(0.033mL、0.38mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で2h撹拌した。次に、この混合物を、1.1mLのジクロロメタン中の中間体1(65mg、0.19mmol)及びピリジン(0.10mL、1.2mmol)の予備調製溶液に加えた。周囲温度で24h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮し、得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)システムのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン100%からヘキサン中70%酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS557.6(M+1)。
【0171】
工程B:[2−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸トリフルオロ酢酸塩
2mLの4:1メタノール/テトラヒドロフラン中の工程Aの生成物(100mg、0.18mmol)の溶液に、1N水酸化リチウム水溶液(0.22mL、0.22mmol)を加えた。周囲温度で24h撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を、1mLのN,N−ジメチルホルムアミドと0.2mLの酢酸の混合物に溶解し、逆相HPLC(0.1%トルフルオロ酢酸を含有する10〜80%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ10.98(s,1H),8.56(s,1H),7.67(d,J=7.8Hz,1H),7.59(d,J=8.0Hz,1H),7.57(s,1H),7.30(t,J=7.1Hz,1H),7.13(t,J=7.6Hz,1H),6.98(s,1H),6.81(s,1H),5.31(s,2H),3.71(s,3H),3.67(s,3H),2.31(d,J=7.1Hz,2H),2.23(s,3H),1.55(m,3H),1.44−1.42(m,2H),1.31(m,1H),1.04(m,3H),0.74(m,2H);LC/MS543.2(M+1)。
【0172】
実施例2
4−{[2−({[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]メチル}安息香酸トリフルオロ酢酸塩
【0173】
【化17】

【0174】
工程A:4−{[2−({[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]メチル}安息香酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を含有するジクロロメタン1.3mL中の1−[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]−1H−インドール−2−カルボン酸(190mg、0.61mmol、US6,380,230の手順に従って調製)の溶液に、ジクロロメタン中の塩化オキサリル(2.0M、0.33mL、0.66mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度で2h撹拌した。次に、この混合物を、0.2mLのジクロロメタン中の中間体2(100mg、0.28mmol)及びピリジン(0.13mL、1.7mmol)の予備調製溶液に加えた。周囲温度で24h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮し、得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)システムのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%酢酸エチルからヘキサン中70%酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。
【0175】
工程B:4−{[2−({[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(シクロヘキシルメチル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]メチル}安息香酸トリフルオロ酢酸塩
1.3mLのテトラヒドロフラン中の工程Aの生成物(164mg、0.25mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(技術等級(90%)、89mg、0.63mmol)を加えた。周囲温度で24h撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液を6N塩酸で酸性化し、次に逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ11.09(s,1H),8.57(s,1H),7.80(d,J=7.7Hz,2H),7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.54(s,1H),7.50(d,J=8.4Hz,1H),7.27(t,J=7.5Hz,1H),7.25(s,1H),7.14−7.11(m,3H),7.03(m,1H),5.93(s,2H),3.73,(s,3H),3.69(s,3H),2.28(m,2H),1.54(m,3H),1.43−1.41(m,2H),1.28(m,1H),1.03(m,3H),0.74−0.72(m,2H);LC/MS638.8(M+1)。
【0176】
実施例3
[2−({[5−(2−シクロペンチルエチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸トリフルオロ酢酸塩
【0177】
【化18】

【0178】
N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を含有するジクロロメタン0.5mL中の1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−インドール−2−カルボン酸(23mg、0.10mmol、US6,380,230の手順に従って調製)の溶液に、ジクロロメタン中の塩化オキサリル(2.0M、0.056mL、0.11mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度で1h撹拌した。次に、この混合物を、0.1mLのジクロロメタン中の中間体3(20mg、0.059mmol)及びピリジン(0.028mL、0.35mmol)の予備調製溶液に加えた。周囲温度で17h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのテトラヒドロフランに再溶解し、カリウムトリメチルシラノレート(技術等級(90%)、75mg、0.53mmol)を加え、得られた懸濁液を50℃で加熱した。1h後、反応混合物を周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液をトリフルオロ酢酸で酸性化し、次に逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ10.99(s,1H),8.61(s,1H),7.67(d,J=7.7Hz,1H),7.58(d,J=8.2Hz,1H),7.58(s,1H),7.30(dd,J=8.2,7.3Hz,1H),7.13(t,J=7.6Hz,1H),6.99(s,1H),6.82(s,1H),5.31(s,2H),3.71,(s,3H),3.68(s,3H),2.42(t,J=7.8Hz,2H),2.23(s,3H),1.60−1.36(m,9H),0.90−0.87(m,2H);LC/MS543.2(M+1)。
【0179】
実施例4
N−[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]キノリン−3−カルボキサミドビストリフルオロ酢酸塩
【0180】
【化19】

【0181】
キノリン−3−カルボン酸(20mg、0.12mmol)を1mLの塩化チオニル中で1h加熱還流した。得られた溶液を周囲温度に冷却し、真空下で濃縮して、固体のキノリン−3−カルボニルクロリドを得た。中間体1(20mg、0.059mmol)を粗酸塩化物に加え、続いてピリジン(0.5mL)を加えた。周囲温度で3h後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液を、逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ11.35(s,1H),9.31(br s,1H),8.97(br s,1H),8.60(s,1H),8.12−8.09(m,2H),7.90(dd,J=8.3,6.8Hz,1H),7.71(dd,J=8.0,7.1Hz,1H),6.98(s,1H),6.77(s,1H),3.69(s,3H),3.67(s,3H),2.33−2.32(m,2H),2.22(s,3H),1.55−1.30(m,6H),1.04(m,3H),0.74(m,2H);LC/MS497.2(M+1)。
【0182】
実施例5
4−{[2−({[5−(2−シクロヘキシルエチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]メチル}安息香酸トリフルオロ酢酸塩
【0183】
【化20】

【0184】
N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を含有するジクロロメタン1mL中の1−[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]−1H−インドール−2−カルボン酸(35mg、0.11mmol、US6,380,230の手順に従って調製)の溶液に、ジクロロメタン中の塩化オキサリル(2.0M、0.059mL、0.12mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度で2h撹拌した。次にこの混合物を、0.5mLのジクロロメタン中の中間体4(20mg、0.056mmol)及びピリジン(0.18mL、0.23mmol)の予め調製した溶液に加えた。周囲温度で18h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を1.5mLのテトラヒドロフランに再溶解し、カリウムトリメチルシラノレート(技術等級(90%)、36mg、0.28mmol)を加え、得られた懸濁液を50℃で加熱した。0.5h後、反応混合物を周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液をトリフルオロ酢酸で酸性化し、次に逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ11.03(s,1H),8.57(s,1H),7.78(d,J=8.3Hz,2H),7.70(d,J=8.0Hz,1H),7.52(s,1H),7.49(d,J=8.5Hz,1H),7.26(t,J=8.0Hz,1H),7.14−7.11(m,3H),6.97(s,1H),6.73(s,1H),5.93(s,2H),3.65(s,3H),3.63(s,3H),2.40(t,J=7.7Hz,2H),2.21(s,3H),1.54−1.45(m,5H),1.29−1.25(m,2H),1.11−0.98(m,4H),0.74−0.67(m,2H);LC/MS633.3(M+1)。
【0185】
実施例6
3−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1−ナフトエ酸トリフルオロ酢酸塩
【0186】
【化21】

【0187】
工程A:3−シアノ−1−ナフトエ酸メチル
3−ブロモ−1−ナフトエ酸メチル(100mg、0.38mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(44mg、0.038mmol)及びシアン化亜鉛(49mg、0.42mmol)を含むフラスコを、Nで5分間フラッシュし、次に1.2mLのN,N−ジメチルホルムアミドを加えた。得られた溶液を70℃で3h加熱し、次に周囲温度に冷却し、ブラインに注いだ。水性混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)システムのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン100%からヘキサン中10%酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。
【0188】
工程B:ナフタレン−1,3−ジカルボン酸ジメチル
工程Aの生成物をマイクロ波バイアル中のエタノール1.1mLに懸濁し、次に水酸化ナトリウム水溶液(6.25N、0.30ml、1.9mmol)を加えた。得られた混合物をマイクロ波反応器により180℃で20min加熱し、次に周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、6N塩酸水溶液(10mL)と酢酸エチル(10mL)に分配した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を4mLのジエチルエーテルと1mLのメタノールの混合物に溶解し、得られた溶液を過剰量のトリメチルシリルジアゾメタンの溶液で処理した。過剰量の試薬を酢酸で停止させ、混合物を真空下で濃縮して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS245.2(M+1)。
【0189】
工程C:4−(メトキシカルボニル)−2−ナフトエ酸
工程Bの生成物(50mg、0.21mmol)を0.5mLのテトラヒドロフランに溶解し、得られた溶液を0℃に冷却した。水酸化ナトリウム水溶液(1N、0.21mL、0.21mmol)を加え、混合物を室温に温めた。メタノール(10滴)を、濁りが消えるまで加え、溶液を周囲温度で24h撹拌し、次に真空下で濃縮した。残渣を、6N塩酸水溶液(5mL)と酢酸エチル(5mL)に分配した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(4×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、次に得られた溶液を、逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する10〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を合わせ、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、およそ10%の他の酸位置異性体が混入している標記化合物を得た。LC/MS230.9(M+1)。
【0190】
工程D:3−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1−ナフトエ酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を含有する1.5mLのジクロロメタン中の工程Cの酸(23mg、0.098mmol)の溶液に、ジクロロメタン中の塩化オキサリル(2.0M、0.053mL、0.11mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度で0.5h撹拌した。次にこの混合物を、0.2mLのジクロロメタン中の中間体1(28mg、0.082mmol)及びピリジン(0.04mL、0.49mmol)の予備調製溶液に加えた。周囲温度で14h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をヘキサン中15%エタノールの2mLに溶解し、順相HPLC(ChiralcelODカラム、ヘキサン中15%エタノールで溶出)により精製した。適切な画分を合わせ、濃縮して、位置異性的に純粋な標記化合物を白色固体として得た。LC/MS554.2(M+1)。
【0191】
工程E:3−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1−ナフトエ酸トリフルオロ酢酸塩
2mLのテトラヒドロフラン中の工程Dのメチルエステル(10mg、0.018mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(技術等級(90%)、20mg、0.14mmol)を加え、得られた懸濁液を50℃で加熱した。1h後、反応混合物を周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液をトリフルオロ酢酸で酸性化し、次に逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ11.27(s,1H),8.89(d,J=8.7Hz,1H),8.83(s,1H),8.60−8.59(m,2H),8.13(d,J=8.2Hz,1h),7.76(t,J=7.1Hz,1H),7.67(t,J=7.3Hz,1H),6.98(s,1H),6.76(s,1H),3.68(s,3H),3.67(s,3H),2.33(br d,J=6.8Hz,2H),2.22(s,3H),1.55−1.30(m,6H),1.04−1.03(m,3H),0.74−0.72(m,2H)。LC/MS540.3(M+1)。
【0192】
実施例7
5−[2−({[5−(2−シクロヘキシルエチル)−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]ペンタン酸トリフルオロ酢酸塩
【0193】
【化22】

【0194】
N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を含有するジクロロメタン0.4mL中の1−(5−メトキシ−5−オキソペンチル)−1H−インドール−2−カルボン酸(34mg、0.12mmol、US6,380,230の手順に従って調製)の溶液に、ジクロロメタン中の塩化オキサリル(2.0M、0.068mL、0.14mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度で1h撹拌した。次に、この混合物を、0.2mLのジクロロメタン中の中間体4(20mg、0.056mmol)及びピリジン(0.027mL、0.34mmol)の予め調製した溶液に加えた。周囲温度で2h後、得られた反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのテトラヒドロフランに再溶解し、次にカリウムトリメチルシラノレート(技術等級(90%)、66mg、0.46mmol)を加え、得られた懸濁液を50℃で加熱した。0.5h後、反応混合物を周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液をトリフルオロ酢酸で酸性化し、次に逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40〜100%アセトニトリル/水の勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。HNMR(DMSO−d):δ10.95(s,1H),8.60(s,1H),7.65(d,J=8.0Hz,1H),7.57(d,J=8.5Hz,1H),7.42(s,1H),7.30(t,J=7.3Hz,1H),7.10(d,J=7.6Hz,1H),6.99(s,1H),6.79(s,1H),4.55(t,J=7.0Hz,2H),3.70(s,3H),3.68(s,3H),2.43(t,J=7.6Hz,2H),2.23(s,3H),2.20(t,J=7.6Hz,2H),1.71(p,J=7.6Hz,2H),1.55−1.47(m,7H),1.29(q,J=6.6Hz,2H),1.13−1.00(m,4H),0.75−0.69(m,2H)。LC/MS599.4(M+1)。
【0195】
実施例8
[2−({[5−(シクロヘキシルメチル)−4−(2,4−ジメトキシフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸トリフルオロ酢酸塩
【0196】
【化23】

【0197】
乾燥窒素流で5分間パージした、中間体4(20mg、0.047mmol)、2,4−ジメトキシフェニルボロン酸(10mg、0.056mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.0mg、0.0017mmol)の混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(0.070mL、0.14mmol)を加えた。得られた溶液を90℃で1.5h加熱し、次に周囲温度に冷却した。トルフルオロ酢酸(0.02mL)を加え、得られた混合物を逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する20〜90%アセトニトリル/水の勾配)により直接精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色の固体として得た。LC/MS529.4(M+1)。
【0198】
実施例1〜8で概説された手順に実質的に従って、表1の実施例9〜41を調製した。
【0199】
【化24】

【0200】
【表1−1】

【0201】
【表1−2】

【0202】
【表1−3】

【0203】
【表1−4】

【0204】
実施例1〜8で概説された手順に実質的に従って、表2の実施例42〜51を調製した。
【0205】
【化25】

【0206】
【表2】

【0207】
実施例1〜8で概説された手順に実質的に従って、表3の実施例52〜64を調製した。
【0208】
【化26】

【0209】
【表3−1】

【0210】
【表3−2】

【0211】
実施例1〜8で概説された手順に実質的に従って、表4の実施例65〜67を調製した。
【0212】
【化27】

【0213】
【表4】

【0214】
生物学的アッセイ
A.コレシストキニン−1レセプター(CCK1R)及びコレシストキニン−2レセプター(CCK2R)結合アッセイ
細胞を集密になるまで培養し、培地を吸引して採取し、Mg++及びCa++を有さない1×PBSで2回すすいだ。3mLのCell Dissociate Solutionを、全ての細胞が解離するまで各T−175フラスコに加え、次にMg++及びCa++を有さない1×PBSの15mLを追加的に各フラスコに加えた。解離細胞を、1000rpmで10min遠心分離することにより遠心分離管に収集した。細胞ペレットを、約10mL/T175フラスコの膜調製緩衝液(10mMのトリス、pH7.4、0.01mMのPefabloc、10μMのホスホラミドン及び40μg/mLのバシトラシン)においてポリトロン(設定40、20ストーク)を使用して、4℃で均質化した。2200rpm(1000×g)、4℃で10min遠心分離した後、上澄みを清潔な遠心分離管に移し、18,000rpm(38,742×g)、4℃で15min回転した。膜を上記の膜調製緩衝液(T−175フラスコ1つあたり1000μl)に再懸濁し、均質化し、アリコートにして、液体窒素で急冷凍し、−80℃で保存した。125I−Bolton Hunter−CCK−8Sの、CCK1R又はCCK2Rへの特異的結合を、96ウエルプレートフォーマットの濾過結合アッセイにより測定した。0.5μgの膜/ウエルの結合緩衝液(50mMのトリス、pH7.4、5mMのMgCl、200μg/mLのバシトラシン及びプロテアーゼインヒビターカクテル)を、1%DMSO(最終濃度)中のアゴニストと混合し、0.1nMの125I−Bolton Hunter−CCK−8Sを加えた。室温で1〜2hrインキュベートした後、膜結合125I−Bolton Hunter−CCK8Sを、0.2%BSA溶液に予め浸したGF/Cフィルターで濾過することにより遊離125I−Bolton Hunter−CCK−8Sから分離した。フィルターを氷冷洗浄緩衝液(50mMのトリス、pH7.4、10mMのMgCl、2mMのEDTA及び0.04%Tween20)で洗浄した。放射能は、各プレートを室温で一晩乾燥するか又は55℃で30min置いた後、30μlのマイクロシンチラント/ウエルを加えることによって決定した。次にPackard Top Countを使用して、各フィルタープレートを読み取った。データ(cpm)を、レセプターリガンド(化合物)のログモル濃度に対してプロットした。IC50を、得られたS字曲線の変曲点として報告した。最高の化合物濃度で観察された最大阻害を、曲線を生成しなかった化合物で報告した。
【0215】
B.コレシストキニン−1レセプター(CCK1R)及びコレシストキニン−2レセプター(CCK2R)細胞株の細胞培養
ヒトCCK1R及びCCK2RのcDNAを発現する安定したCHO細胞株、並びにヒトCCK2RのcDNAを発現する安定したHEK293細胞株を、標準的細胞生物学技術を使用して生成した。CHO_WT23として同定されている1つのCCK1Rクローンを、FLIPR及びIP3機能及び結合アッセイの両方において使用した。CHO_B101と呼ばれる1つのCCK2Rクローンを、FLIPR機能アッセイに使用し、別のCCK2Rクローン、CHO_hCCK2RをIP3機能アッセイに使用した。WT23及びB101の細胞を、両方とも、T175フラスコ中の、10%FBS(カタログ番号SH30070.03、Hyclone、Logan,Utah)、1×HT Supplement(0.1mMのナトリウムヒポキサンチン及び16μMのチミジン)、100単位/mLのペニシリン−G及び100μg/mLのストレプトマイシン、2mLのL−グルタミン及び1mg/mLのジェネテシンを補充したイソコーブ(Isocove)改変ダルベッコー培地(Invitrogen番号12440−046)において通常培養した。hCCK2R/CHO/Flip−in細胞を、T175フラスコ中で、10%FBS(カタログ番号SH30070.03、Hyclone、Logan,Utah)、100単位/mLのペニシリン−G及び100μg/mLのストレプトマイシン、2mMのL−グルタミン及び150μg/mLのヒグロマイシンを補充したF−12Nutrient Mixture(Ham)において通常培養した。Hek293_hCCK2R#37として同定されている1つのHek293 hCCK2Rクローンを、結合アッセイに使用した。Hek293_hCCK2R#37細胞は、T175フラスコ中の、10%FBS(カタログ番号SH30070.03、Hyclone、Logan,Utah)、25mMのヘペス緩衝溶液(Invitrogenカタログ番号15630−080)、500μg/mLのジェネテシン(Invitrogenカタログ番号10131−027)及び200μg/mLのヒグロマイシンを補充した、高グルコースを有するダルベッコー改変イーグル培地(Invitrogenカタログ番号11965−084)において通常培養した細胞は、37℃、5%COのインキュベーターにおける適切な培地の組織培養フラスコ中で結合単層として増殖させた。細胞は、1週間に2回、CHO_WT23、B101及びCHO_hCCK2R細胞では1:5で継代し、HEK 293_hCCK2R#37では1:3で継代した。細胞培地、抗体、ウシ胎仔血清は、全て、特に指定のない限りInvitogen Technologies Inc.からのものであった。
【0216】
C.コレシストキニン−1レセプター(CCK1R)及びコレシストキニン−2レセプター(CCK2R)機能アッセイ
1)FLIPR(Flurometric Imaging Plate Reader,Molecular Devices,Sunnyvale,CA)
CHO WT23及びB101細胞を、トリプシン−EDTAにより脱離させ、20μ容量の細胞を384ウエルプレートに62,500細胞/mLで接種した。細胞を、加湿雰囲気下、37℃、5%COで一晩増殖させた。アッセイの当日、細胞を暗室の室温下で1.5時間、8μMのFluo−4 AMを含有するNo−wash型アッセイ緩衝液(HBSS、0.1%BSA、20mMのヘペス、2.5mMのプロベネシド及び1.6mMのTR40 Quenching Solution)の20μl/ウエルで装填した。アゴニストをDMSOに溶解し、アッセイ緩衝液で希釈した。13.3μl/ウエルの4×濃度のアゴニスト溶液を、蛍光を測定しながら細胞に加えた。CCK1R又はCCK2Rレセプターの活性化のEC50を、得られたS字曲線の変曲点として報告した。
【0217】
2)IP3蓄積を測定するイノシトールリン酸SPAアッセイ(IP3)
この機能アッセイを96ウエルのフォーマットで実施した。第1日目、75μlのCHO細胞を、62,500個/mLで、ポリ−D−リシンプレートにおいて平板培養した。翌日の午後、プレートを吸引し、細胞をMg++、Ca++を有さないPBSで洗浄した。次に、10%FBS、1×ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミンを補充したイノシトール無含有DMEM培地ICN番号1642954に、装填培地で1:150に希釈した(最終比放射能1μCi/150μl)H−ミオ−イノシトール(NEN番号NET114A)1mCi/mL、25Ci/mmolを加えたH−イノシトール標識培地150μl。18時間の標識化の後、5μl、300mMのLiClをウエルに加え、混合し、37℃で20分間インキュベートし、次に、1.5μlのDMSOの200×化合物をウエルに加え、37℃で更に90分間インキュベートした。プレートを吸引し、次に反応を停止させ、60μl、10mMのギ酸を室温で60分間加えて細胞を溶解した。20μlの溶解物を、ビーズ1mg/溶液70μlで10%グリセロールに懸濁した、RNA結合YSi SPAビーズ(Amersham RPNQ0013)を含有する透明底Optiプレートに移し、1ウエルあたり70μlで分配した。混合した後、プレートを室温で2hr放置し、次に、Wallac Microbeta読取機を使用して数えた。CCK1R又はCCK2Rレセプターの活性化についてのEC50を、化合物の滴定曲線から計算した。
【0218】
D.C57除脂肪雄マウスにおけるインビボでの一晩食餌摂取量及び体重
方法:およそ8週齢(体重およそ25g)の雄C57マウスを、試験前に個別に収容して、数日間順化させた。マウスには、ビヒクル対照(10%Tween−水)又はCCK1Rアゴニスト(多様な用量)のいずれかを経口投与した(PO:n=8)。既知のCB1インバースアゴニストであるAM251(3mg/kg)を、試験内及び試験外対照の陽性対照として使用した。CCK1Rアゴニストを、暗黒サイクルの開始のおよそ60〜120分前に投与した(PO)。一晩の食餌摂取(g)及び体重(g)(±SEM)を収集し、分析した。全てのデータは平均±SEMで表した(n=8)。統計的有意性はスチューデントのt検定を使用して計算し、比較した群が統計的に識別できるかを決定した。差はp<0.05で統計的に有意であると考えた。
【0219】
本発明に有用な化合物は、プラセボと比べて、一晩食餌摂取量を少なくとも10%減少する、及び/又は体重を一晩で少なくとも1%減少する。
【0220】
E.CCK−1R結合特異性についてのマウス胆嚢排出アッセイ
方法:およそ7〜8週齢(重量25g)の雄CD−1マウスを、収容し(ケージ1つあたり8匹)、水を自由に入手させながら18時間絶食させた。マウスには、ビヒクル対照(10%Tween−水)又はCCK1Rアゴニスト(多様な用量)のいずれかを4h経口投与した(PO:n=8)。4h後、CO吸入によりマウスに強く麻酔をかけ、血液試料を心臓穿刺により抜き取り、−20℃で保存した(今後のアッセイ用)。胆嚢を単離し、除去し、計量した。胆嚢重量を、体重に対して正規化し(g/kg)、ビヒクル対照群と比較した。アッセイ全体では、組織収集には典型的にはおよそ30〜40分間必要であった。全てのデータを平均±SEM(n=8)で表し、統計的有意性はスチューデントのt検定を使用して計算し、比較した群が統計的に識別できるかを決定した。差はp<0.05で統計的に有意であると考慮した。
【0221】
実施例1〜67の化合物を含む本発明の化合物を試験し、コレシストキニン−1レセプターに結合することが見出され、≦1000nMのIC50値を有することが見出された。実施例1〜67の化合物を含む本発明の化合物を機能アッセイでも試験し、コレシストキニン−1レセプターを≦1000nMのEC50値で活性化することが見出された。
【0222】
医薬組成物の実施例
本発明の組成物の経口組成物のための特定の実施態様として、実施例1の5mgを、十分に微粉化したラクトースと配合して、総量を580〜590mgとし、Oサイズの硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0223】
本発明の化合物の経口組成物のための別の特定の実施態様として、実施例1の2.5mgを、十分に微粉化したラクトースと配合して、総量を580〜590mgとし、Oサイズの硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0224】
本発明が特定の好ましい実施態様を参照して記載及び説明されてきたが、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、多様な変更、修正、及び置換を行えることを理解する。例えば、本明細書上記に記載されている好ましい用量以外の有効用量を、上記で示される本発明の化合物によって肥満、糖尿病及び肥満関連障害のため又は他の適応症のために治療される被験者又は哺乳動物の反応が異なる場合にも適用することができる。同様に、観察される特定の薬理学的反応は、選択される特定の活性化合物又は医薬担体が存在するかに従って及び応じて、並びに用いられる製剤の種類及び投与様式に従って及び応じて変わる場合があり、結果におけるそのような予測される変動又は差異は、本発明の実施態様に従って考慮される。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、そのような請求項は、合理的である限りできるだけ広義に解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
は、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されているフェニルであり;
は、
(1)−(CH3−8シクロアルキル、
(2)−(CH3−8ヘテロシクロアルキル、
(3)−(CHアリール、及び
(4)−(CHヘテロアリール
からなる群より選択され、
ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、及び
(2)−C1−6アルキル
からなる群より選択され、
ここでアルキルは、非置換であるか又はハロゲン及び−OHから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、
(1)−C3−8シクロアルキル、
(2)−C3−8ヘテロシクロアルキル、
(3)アリール、及び
(4)ヘテロアリール
からなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、
ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)−(CHハロゲン、
(2)−(CHOR
(3)−(CHNR
(4)−(CHSC1−6アルキル、及び
(5)−C1−6アルキル
からなる群より独立して選択され、
ここで、アルキル及び−(CHは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)−(CHハロゲン、
(2)−(CHCN、
(3)−C1−6アルキル
(4)−C2−6アルケニル、
(5)−(CH2−8ヘテロシクロアルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CHアリール、
(8)−(CHヘテロアリール
(9)−(CHOR
(10)−(CHCOR
(11)−(CHCO
(12)−(CHC(O)NR
(13)−(CHCONRCOR
(14)−(CHC(O)NR(CHCO
(15)−(CHC(O)NRCH(CO
(16)−(CHNR
(17)−(CHNRC(O)NR
(18)−(CHNRC(O)R
(19)−(CHOC(O)NR
(20)−(CHNRCO
(21)−(CHNRSO
(22)−(CHSONR
(23)−(CHSO
(24)−(CHSOH、及び
(25)−(CHPO2−3
からなる群より独立して選択され、
ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)水素、
(2)−(CHOH、
(3)−C1−6アルキル
(4)−(CH2−8ヘテロシクロアルキル、
(5)−(CH3−8シクロアルキル、
(6)−(CHアリール、及び
(7)−(CHヘテロアリール
からなる群より独立して選択され
ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、それぞれ、
(1)オキソ、
(2)−(CHハロゲン、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルコキシ、
(5)−(CH0−1OH、
(6)−(CHCN、
(7)−(CHCF
(8)−(CHSOH、
(9)−(CHCOH、
(10)−(CHCO1−6アルキル、及び
(11)−(CHCO2−6アルケン
からなる群より独立して選択され;
nは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;
mは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4であり;
pは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5であり;そして
qは、それぞれ独立して、1、2、3又は4である]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、Rから選択される1〜5の置換基で置換されているフェニルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が、−(CHシクロアルキル及び−(CHアリールからなる群より選択され、ここで、シクロアルキル、アリール及び(CH)が、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
が、−(CH0−2シクロヘキシル、−(CH0−2シクロペンチル、−(CH0−2シクロヘプチル及び−(CH1−2フェニルからなる群より選択され、ここでRが、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が水素である、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択される単環式又は二環式の環であり、ここで、アリール及びヘテロアリールが、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が、フェニル、ナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、7−アザキノリン、インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びピリジンからなる群より選択され、ここでRが、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、−(CHハロゲン、−(CHOR及び−C1−6アルキルからなる群より独立して選択され、ここでアルキル及び−(CHが、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が、−(CHハロゲン、−C1−6アルキル、−(CHフェニル、−(CHCO及び−(CHC(O)NR(CHCOからなる群より独立して選択され、ここで、アルキル、フェニル及び−(CHが、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式II:
【化2】

[式中、
は、
(1)−(CH1−2シクロヘキシル、及び
(2)−(CH1−2シクロペンチル
からなる群より選択され、
ここでRは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、水素であり;
は、キノリン、インドール及びナフタレンからなる群より選択され、ここでRは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、Cl、Br、F、I、−OCH及び−CHからなる群より独立して選択され、ここで、−OCH及び−CHは、非置換であるか又はハロゲン、OH、−C1−6アルキル及び−C1−6アルコキシから選択される1〜5の置換基で置換されており;
は、−(CHハロゲン、−C1−6アルキル、−(CHフェニル、−(CHCO及び−(CHC(O)NR(CHCOからなる群より独立して選択され、ここで、アルキル、フェニル及び−(CHは、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている]
で示される請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
が、−(CH0−5COHであるか又は−(CH0−5COHを含む置換基である、請求項10記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
が、キノリン及びインドールからなる群より選択され、ここでRが、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項10記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
がインドールであり、ここでインドールが、非置換であるか又はRから選択される1〜5の置換基で置換されている、請求項10記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
【化3】

からなる群より選択される請求項10記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
薬学的に許容される塩が、モノ−又はジ−トリフルオロ酢酸塩である、請求項13記載の化合物。
【請求項16】
請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む、組成物。
【請求項17】
薬剤における使用のための、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
その必要性のある被験者におけるコレシストキニン−1レセプターにより仲介される疾患の治療又は予防に有用な薬剤の製造のための、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項19】
コレシストキニン−1レセプターにより仲介される疾患が、肥満、糖尿病又は肥満関連疾患からなる群より選択される、請求項18記載の使用。

【公表番号】特表2010−516768(P2010−516768A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547280(P2009−547280)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/000866
【国際公開番号】WO2008/091631
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】