コレステリルエステル転送タンパク質阻害剤
医薬的に許容され得る塩を含め、式(I):
の化合物はCETP阻害剤であり、HDL−コレステロールの上昇、LDL−コレステロールの低下、並びにアテローム性動脈硬化症の治療または予防のために有用である。式(I)の化合物中、A1は環式基であり、Bはヘテロ環式環に直接またはメチレン基を介して結合している環式基である。
の化合物はCETP阻害剤であり、HDL−コレステロールの上昇、LDL−コレステロールの低下、並びにアテローム性動脈硬化症の治療または予防のために有用である。式(I)の化合物中、A1は環式基であり、Bはヘテロ環式環に直接またはメチレン基を介して結合している環式基である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレステローエステル転送タンパク質(CETP)を阻害し、よってHDL−Cの上昇、HDL−Cの低下、並びにアテローム性動脈硬化症の治療及び予防において有用性を有し得る化合物類に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症及びその臨床結果の冠状動脈性心疾患(CHD)、卒中及び末梢血管疾患は工業国のヘルスケアシステムに対して真に大きな負担をかけている。米国だけでも、約1300万人の患者がCHDと診断され、毎年150万人以上の死がCHDに起因している。更に、この死亡数は、肥満及び糖尿病の流行が増え続けているので、次の四分の一世紀にわたり増加すると予想される。
【0003】
哺乳動物において循環リポタンパク質プロフィールの変化がアテローム性動脈硬化症及びCHDのリスクと相関していることは長く認識されている。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、特にスタチン類が冠動脈性事象を減らす際の臨床的成功は、アテローム性動脈硬化症に対する高いリスクと直接相関している循環低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルの低下に基づいている。より最近では、疫学的研究で高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)レベルとアテローム性動脈硬化症の逆の関係が立証され、低い血清HDL−CレベルはCHDに対する高いリスクに関連しているとの結論を導いている。
【0004】
リポタンパク質レベルの代謝コントロールは多くの因子が関与する複雑な動的プロセスである。ヒトにおける1つの重要な代謝コントロールはコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)であり、CETPはコレステリルエステルをHDLからアポB含有リポタンパク質、特にVLDLへの移動を触媒する血清糖タンパク質である(Hesler,C.B.ら,(1987)Purification and characterization of human plasma cholesteryl ester transfer protein,J.Biol.Chem.,262(5),2275−2282参照)。生理学的条件下で、ネット反応は、CETPがトリグリセリドをアポBリポタンパク質からHDLに運び、コレステロールエステルをHDLからapoBリポタンパク質に転移させるヘテロ交換である。
【0005】
ヒトにおいて、CETPは、コレステロールを末梢組織から肝に戻すプロセスの逆コレステロール転移において役割を発揮する。興味あることに、高HDLレベルを有し、冠動脈性心疾患に対して耐性であることが公知の動物(例えば、げっ歯類)を含めた多くの動物はCETPを持っていない(Guyard−Dangremont,V.ら,(1998)Phospholipid and cholesteryl ester transfer activities in plasma from 14 vertebrate species.Relation to atherogenesis susceptibility,Comp.Biochem.Physiol.B Biochem.Mol.Biol.,120(3),517−525参照)。少数の公知のヒトヌル突然変異に対する研究(Hirano,K.I.,Yamashita,S.and Matsuzawa,Y.(2000)Pros and cons of inhibiting cholesteryl ester transfer protein,Curr.Opin.Lipidol.,11(6),589−596参照)を含めた冠動脈性心疾患リスクに対するCETP活性の天然変化の影響を相関させる多くの疫学研究が実施されている。これらの研究は、血漿HDL−C濃度とCETP活性間の逆相関関係を明らかに示し(Inazu,A.ら,(2000)Cholesteryl ester transfer protein and atherosclerosis,Curr.Opin.Lipidol.,11(4),389−396参照)、LDLレベルを低下させながらHDL−Cレベルを上昇させることによりCETP脂質転移活性を薬理学的に阻害することはヒトにとって有利であり得るとの仮説が導かれた。
【0006】
シムバスタチン(ZOCOR(登録商標))のようなスタチン類が治療上大きな進歩を示したにもかかわらず、スチタン類だけではアテローム性動脈硬化症及び結果として生ずるアテローム性硬化性事象の治療及び予防の点で約1/3しかリスクを低減させない。現在、HDL−Cの循環レベルを有利に上昇させる幾つかの薬理学的治療が利用されている。あるスタチン類及び幾つかのフィブレートは適度にHDL−Cを上昇させる。HDL−Cを上昇させるのに最も効果的な治療と臨床的に証明されているナイアシンに対して、一部はほてりのような副作用のために患者はコンプライアンスの問題を訴えている。HDLコレステロールレベルを安全且つ効果的に上昇させる物質は、現存の治療法を補充するメカニズムにより循環脂質プロフィールを有意に改善させ得る薬理学的治療手段を提供することにより重要であるが、未だ対処されていない医学的要望に応えることができる。
【0007】
CETPを阻害する新しいクラスの化合物が幾つかの製薬会社で研究されており、または臨床治験中である。現在CETP阻害剤は市販されていない。長期間アウトカムトライアルでトルセトラピブを使用した患者の死亡率が増えたので、トルセトラピブのフェーズIII臨床治験は中止された。死亡率の上昇を引き起こしたメカニズムは現在分からない。安全性及び有効性に関連する特性の最良プロフィールを有するCETP阻害剤を確実に見つけるために新しい化合物が必要とされている。本明細書中に記載されている新規化合物は非常に有力なCETP阻害剤である。
【発明の開示】
【0008】
(発明の概要)
医薬的に許容され得る塩を含めた式Iを有する化合物は下記する有用性を有するCETP阻害剤である。
【0009】
【化10】
【0010】
式Iを有する化合物中、式Iのフェニル環は場合により式Iの構造の他の部分に結合していない4位の1つに−(CH)=の代わりに−N=を有していてもよく;
Xは−O−、−(CR7R8)−及び−NR5から選択され;
Bは−{C(R3)(R4)}q(A2)であり、式Iのヘテロ環式環の−(CH2)−基の1つ上で置換されており;
A1は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基を含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A1は場合によりRbから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
A2は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基をも含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A2は場合によりRcから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
各Ra及びRcは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Ra及びRcがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキル(ここで、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキルは場合により1から7個のハロゲン及び1個の基−OHで置換されている。)から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
Ra及びRcが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが場合により連結して−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記した式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環は場合によりRaから独立して選択される1から2個の基で置換されており、ただし前記Ra基は結合して環を形成するように接続することはできず;
各Rbは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、フェニル、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Rbがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル、−C2−3アルケニル、−NR9R10、−OC1−3アルキル、−CO2H、−CN及び−CO2C1−3アルキルから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、前記した−C1−3アルキル及び−C2−3アルケニルはいずれの場合も場合により1から7個のハロゲン及び場合により1個の基−OHで置換されており、
Rbが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
Rbがフェニルの場合、前記フェニルは場合により1から5個のハロゲンで置換されており、場合により−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−4アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−4アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−4アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合を含み、場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基をも含む5から6員ヘテロ環式環から独立して選択される1から3個の置換基で置換されており、
Rbがフェニルの場合フェニル上の置換基が−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキル、−NR9C(=O)OC1−4アルキル及び−S(O)xC1−4アルキルから選択される場合、前記した置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基は場合により1から5個のハロゲン置換基を含み、場合により−OH、−NR9R10、場合により1から3個のFで置換されている−OCH3、及び場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルから選択される1個の置換基をも含み;
nは0から4から選択される整数であり;
pは0から4から選択される整数であり;
qは0及び1から選択される整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
yは1及び2から選択される整数であり;
R1、R2、R3及びR4は各々独立してH、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル及び−NR9R10からなる群から選択され、ここで、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル及び−OC1−4アルキルは各々場合により1から9個のハロゲンで置換されており、各々場合により−OH、−C(=O)CH3、−OC(=O)CH3、−OC1−2アルキル及び−OC1−2アルキレンOC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の基でも置換されており;
R5はH及びC1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、C1−5アルキルは場合により1から11個のハロゲンで置換されており;
各基R6は場合により式I中のヘテロ環式環の−(CH2)−基上のH原子に対して置換されており、各R6は独立してH、−OH、ハロゲン、−CN、−NO2、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルからなる群から選択され、ここで、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;
R7及びR8は各々独立してH、ハロゲン、−OH及び−C1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、−C1−5アルキルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;
R9及びR10は各々独立してH、−C1−5アルキル、−C(=O)C1−5アルキル及び−S(O)yC1−5アルキルから選択され、ここで、C1−5アルキルはいずれも場合により1から11個のハロゲンで置換されている。
【0011】
(発明の詳細)
医薬的に許容され得る塩を含めた式Iを有する化合物の実施態様において、化合物は以下に示す式Ia、Ib、IcまたはIdを有し得る:
【0012】
【化11】
【0013】
医薬的に許容され得る塩を含めた式Ia、Ib、IcまたはIdで規定される化合物の更なる実施態様において、A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン、場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。)から選択される1個の基から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルである。
【0014】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結して−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、フェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されている。
【0015】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;nは0から2の整数であり;BはA2であり;A2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルである。
【0016】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、式I、Ia、Ib、Ic及びIdのフェニル環は構造の残りに結合していない4位のいずれかで−CH=の代わりに−N=を有し得ない。
【0017】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが結合して架橋部分を形成し得ない。
【0018】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、
A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン及び場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H−、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。)から選択される1個の基から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルであり;
A2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルであり;
各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結されて−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、フェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されており;
R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;
pは1から3個の整数であり;
nは0から2の整数である。
【0019】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、pは1から3である。
【0020】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、nは0から2である。
【0021】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、R6はCH3である。
【0022】
化合物の部分集合を含めた式Iを有する化合物において、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は別段の記載がない限り直鎖状でも分岐状でもよい。
【0023】
定義
「Ac」は、CH3C(=O)−であるアセチルである。
【0024】
「アルキル」は、炭素鎖が別の方法で定義されていない限り直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る飽和炭素鎖を意味する。接頭語「アルカ」を有する他の基、例えばアルコキシ及びアルカノイルも炭素鎖が別の方法で定義されていない限り直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る。アルキル基の例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。
【0025】
「アルキレン」は、単官能性よりもむしろ二官能性であるアルキル基である。例えば、メチルはアルキル基であり、メチレン(−CH2)は対応のアルキレン基である。
【0026】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルケニルの例にはビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が含まれる。
【0027】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキニルの例にはエチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が含まれる。
【0028】
「シクロアルキル」は、別段の記載がない限り3から8個の炭素原子を有する飽和炭素環式環を意味する。この用語はアリール基に縮合しているシクロアルキル環も含む。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が含まれる。「シクロアルキル」は、シクロヘキセニルまたはシクロヘキサジエニルのように1個以上の二重結合を有するようにも定義されるが、シクロアルキル基が芳香族となるような数の二重結合を有することはない。
【0029】
構造中の置換基または基を指すために使用されるとき、「アリール」(及び「アリーレン」)は、環が芳香族であり、炭素環原子を1個しか含有していない単環式または二環式化合物を意味する。用語「アリール」はシクロアルキルまたはヘテロ環に縮合しているアリール基をも指し得る。好ましい「アリール」はフェニル及びナフチルである。一般的にはフェニルが最も好ましいアリール基である。
【0030】
「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環」及び「ヘテロ環式」は、別段の記載がない限り環中に1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を含有する完全または部分的に飽和または芳香族の5から6員環を意味する。ヘテロ環式環は環構造の一部として任意のカルボニル基または−N(O)−基を含有するとも定義され得る。後者の例はピリジンN−オキシドである。
【0031】
「ベンゾヘテロ環」はその各々がN、OまたはSである1から2個のヘテロ原子を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を表し、前記ヘテロ環式環は飽和でも不飽和でもよい(すなわち、ヘテロ環式環はフェニル環の二重結合に加えて1から2個の二重結合を有し得る。)。その例にはインドール、2,3−ジヒドロインドール、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、キノリン及びイソキノリンが含まれる。縮合ヘテロ環が芳香族の場合、ベンゾヘテロ環はベンゾヘテロ芳香族またはベンゾヘテロアリールとも称され得る。
【0032】
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。ハロゲン置換基は最も多くの場合フッ素または塩素である。
【0033】
「Me」はメチルを表す。
【0034】
医薬組成物のような用語「組成物」は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互反応から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。従って、本発明の医薬組成物は本発明化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより作成される組成物を包含する。
【0035】
置換基「テトラゾール」は、2H−テトラゾル−5−イル置換基及びその互変異性体を意味する。
【0036】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iを有する化合物は1個以上の不斉中心を含み得、よってラセミ化合物、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、式Iを有する化合物のすべての異性体及び前記異性体の混合物を包含すると意味する。構造を立体化学的表示をもって示している場合、他の立体化学構造には個々に及びまとめて、例えばエナンチオマー、ジアステレオマー(ジアステレオマーが可能ならば)、ラセミ混合物を含めたエナンチオマー及び/またはジアステレオマーの混合物が含まれる。
【0037】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかはオレフィン二重結合を含み得、別段の記載がない限りE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0038】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかは互変異性体として存在し得る。1例は、ケト−エノール互変異性体として公知のケトン及びそのエノール形態である。個々の互変異性体及びその混合物が式Iを有する化合物の範疇である。
【0039】
1個以上の不斉中心を有する式Iを有する化合物は当業界で公知の方法によりジアステレオマー、エナンチオマー等に分離され得る。
【0040】
或いは、エナンチオマー及びキラル中心を有する他の化合物は公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発物質及び/または試薬を用いて立体特異的合成により合成され得る。
【0041】
本発明のビフェニル及びビアリール化合物の幾つかはNMRスペクトルでアトロプ異性体(回転異性体)の混合物からなり得る。個々のアトロプ異性体及びその混合物も本発明の化合物の範囲内である。
【0042】
塩
用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機または有機塩基及び無機または有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩にはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第一マンガン、第二マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態もとり得る。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には第1級、第2級及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が含まれる。
【0043】
本発明化合物が塩基性である場合、塩は無機及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0044】
本明細書中で使用される場合、式Iを有する化合物の言及は医薬的に許容され得る塩をも含むと意味されると理解されたい。
【0045】
代謝物−プロドラッグ
代謝物それ自体が本発明の範囲に入る治療上活性な代謝物も本発明化合物である。患者に投与するとまたは患者に投与した後本発明化合物に変換される化合物であるプロドラッグも本発明化合物である。
【0046】
有用性
本発明化合物はCETPの強力な阻害剤である。従って、本発明化合物は、CETP阻害剤により治療される疾患及び状態を治療するのに有用である。
【0047】
本発明の1つの態様は、治療有効量の本発明化合物をCETPの阻害により治療または予防され得る疾患または状態の治療を要する患者に対して投与することによる前記疾患または状態を治療するためまたは前記疾患または状態の発症のリスクを低減させるための方法を提供する。患者はヒトまたは哺乳動物であり、ヒトが最も一般的である。「治療有効量」は、具体的な疾患の治療において所望の臨床アウトカムを得るのに有効な化合物の量である。
【0048】
本発明化合物により治療され得る疾患または状態、或いは本発明化合物で治療した結果患者の発症リスクが少なくなり得る疾患または状態にはアテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高β−リポタンパク質血症、低α−リポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再灌流損傷、血管形成再狭窄、高血圧、糖尿病の血管合併症、肥満、内毒素症及びメタボリックシンドロームが含まれる。
【0049】
本発明化合物は、HDL−Cの上昇及び/またはHDL−C/LDL−C比の上昇において特に有効である。本発明化合物はLDL−Cの低下においても有効である。こうしたHDL−C及びLDL−Cの変化はアテローム性動脈硬化症の治療、アテローム性動脈硬化症の発症の抑制または逆転、アテローム性動脈硬化症の発症リスクの低下、またはアテローム性動脈硬化症の予防において有効であり得る。
【0050】
投与及び用量範囲
哺乳動物、特にヒトに対して有効用量の本発明化合物を与えるために適当な投与ルートが使用され得る。例えば、経口、直腸内、局所、非経口、眼内、経肺、鼻腔内等が使用され得る。剤形には錠剤、トローチ剤、分散液剤、懸濁液剤、溶液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾール剤等が含まれる。式Iを有する化合物を経口投与することが好ましい。
【0051】
使用される活性成分の有効用量は、使用する特定化合物、投与モード、治療対象の状態及び治療対象の状態の重症度に応じて変更可能である。用量は当業者により容易に確定され得る。
【0052】
式Iを有する化合物が適応される疾患を治療する場合、本発明化合物を動物またはヒトの体重1kgあたり約0.01から約100mgの1日用量で投与したとき通常満足な結果が得られる。前記用量を1日1回で、または1日2から6回に分割して、または徐放性形態で投与することが好ましい。70kgの成人に対する全1日用量は通常約0.5から約500mgである。特に強力な化合物の場合、成人に対する用量は0.1mgくらいの低量でもよい。投与レジメンは最適の治療応答を与えるように上記した範囲内または範囲外でも調節され得る。
【0053】
経口投与は通常錠剤を用いて実施される。錠剤中の用量の例は0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、250mg及び500mgである。他の経口剤形(例えば、カプセル剤)も同一の用量を有し得る。
【0054】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iを有する化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、活性成分として式Iを有する化合物または医薬的に許容され得る塩、医薬的に許容され得る担体及び場合により他の治療成分を含む。用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機塩基または酸及び有機塩基または酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。医薬組成物は、プロドラッグを投与するならばプロドラッグまたはその医薬的に許容され得る塩をも含み得る。医薬組成物を本質的に式Iを有する化合物及び医薬的に許容され得る担体から構成し、他の治療成分を含まなくてもよい。
【0055】
組成物には経口、直腸内、局所、(皮下、筋肉内及び静脈内を含めた)非経口、眼内(眼用)、経肺(鼻腔内または口腔吸入)または鼻腔内投与に適した組成物が含まれる。いずれの場合も最も適当なルートは治療対象の状態の種類及び重症度、並びに活性成分の種類に依存する。組成物は有利には単位投与形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。
【0056】
実際の使用に際し、式Iを有する化合物は活性成分として慣用の製薬コンパウンディング技術に従って医薬用担体と均密混合して組み合わされ得る。担体は投与、例えば経口または(静脈内を含めた)非経口のために所望する製剤形態に応じて各種形態をとり得る。経口剤形の組成物を調製する場合、懸濁液剤、エリキシル剤や溶液剤のような経口液体製剤のときには一般的な医薬用媒体、例えば水、グリコール、油、アルコール、芳香剤、保存剤、着色剤等が使用され得、散剤、硬または軟カプセル剤や錠剤のような経口固体製剤のときには担体、例えばデンプン、糖、結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が使用され得る。液体製剤よりも固体経口製剤が好ましい。
【0057】
錠剤及びカプセル剤は投与しやすいので最も有利な経口投与単位形態であり、この場合固体医薬用担体が明らかに使用されている。所望ならば、錠剤に標準の水性または非水性技術によりコーティングを被せてもよい。前記組成物及び製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含有していなければならない。組成物中の活性化合物の%は勿論変更可能であり、単位の約2から約60重量%が便利であり得る。治療上有用な組成物中の活性化合物の量は有効な用量が得られるような量である。活性化合物は、例えば滴剤またはスプレー剤として鼻腔内に投与することもできる。
【0058】
錠剤、ピル剤、カプセル剤等は結合剤(例えば、トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン)、賦形剤(例えば、リン酸ジカルシウム)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)及び甘味料(例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリン)も含有し得る。投与単位形態がカプセル剤の場合には、上記したタイプの材料に加えて液体担体(例えば、脂肪油)を含有させてもよい。
【0059】
各種の他の材料をコーティングとして、または投与単位の物理的形態を修飾するために存在させてもよい。例えば、錠剤にシェラック及び/または糖をコーティングしてもよい。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性成分に加えて甘味料としてスクロース、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、染料及び着香剤(例えば、チェリー及びオレンジフレーバー)を含み得る。
【0060】
式Iを有する化合物を非経口的に投与してもよい。活性化合物の溶液剤または分散液剤は、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)を適当に混合した水中で調製され得る。分散液剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中の混合物中でも調製され得る。通常の保存及び使用条件下で、上記製剤は微生物の増殖を防止するために保存剤を含有している。
【0061】
注射用に適した医薬剤形には滅菌水性溶液または分散液、及び滅菌注射用溶液または分散液を即時調合するための滅菌粉末が含まれる。いずれの場合も、剤形は滅菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動性でなければならない。製造及び貯蔵条件下で安定でなければならず、細菌や真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、その適当な混合物及び植物油からなる溶媒または分散媒体であり得る。
【0062】
併用治療
本発明化合物(例えば、式I及びIaからIj)は、式Iを有する化合物が有用である疾患または状態の治療または回復において有用であり得る他の薬物と一緒に使用され得る。他の薬物は、その薬物に対して一般的に使用されているルート及び量で式Iを有する化合物と同時または逐次投与され得る。式Iを有する化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、前記した他の薬物及び式Iを有する化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用治療には、式Iを有する化合物及び1つ以上の他の薬物を異なるスケジュールで投与する治療も含まれる。
【0063】
経口製剤を使用する場合、薬物は単一の配合錠剤または他の経口剤形に配合され得、または薬物を別々の錠剤または他の経口剤形として一緒に包装してもよい。1つ以上の他の活性成分と一緒に使用する場合、本発明化合物及び他の活性成分は各々を単独で使用するときよりも低い用量で使用してもよいとも考えられる。従って、本発明の医薬組成物には式Iを有する化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。
【0064】
本発明化合物(例えば、式I)と一緒に別々に投与されるかまたは同一の医薬組成物で投与され得る他の活性成分の例には、患者の脂質プロフィールを改善する他の物質、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(通常、ロバスタチン、シムバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン及び他のスタチンを含めたスタチン類)、(ii)胆汁酸封鎖剤(コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標))、(iii)ナイアシン及び関連化合物、例えばニコチニルアルコール、ニコチンアミド及びニコチン酸またはその塩、(iv)PPARαアゴニスト、例えばクロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブリート及びエトフィブレートを含めたゲムフィブロジル及びフェノフィブリック酸誘導体(フィブレート)、(v)コレステロール吸収阻害剤、例えばスタノールエステル、β−シトステロール、ステロールグリコシド(例:チクエシド)及びアゼチジノン(例:エゼチミベ)、(vi)選択的ACAT−1及びACAT−2阻害剤及び二重阻害剤を含めたアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、例えばアバシミベ及びメリナミド)、(vii)フェノール系酸化防止剤、例えばプロブコール、(viii)ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)/アポB分泌阻害剤、(ix)抗酸化性ビタミン、例えばビタミンC及びE、及びβ−カロテン、(x)チロミメティックス、(xi)LDL(低密度リポタンパク質)受容体インデューサー、(xii)血小板凝集阻害剤、例えば糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン、(xiii)ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知)、(xiv)葉酸またはその医薬的に許容され得る塩またはエステル、例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩、(xv)阻害剤及びアゴニストの両方を含めたFXR及びLXRリガンド、(xvi)ABCA1遺伝子発現を強化する物質、及び(xvii)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
患者の脂質プロフィールを改善(すなわち、HDL−Cを上昇及びLDL−Cを低下)する際に使用するために本発明化合物と一緒に使用され得る治療用化合物の好ましいクラスにはスチタン及び/またはコレステロール吸収阻害剤が含まれる。本発明化合物とシムバスタチン及び/またはエゼチミベの組合せが特に好ましい。本発明化合物とシムバスタチン以外のスチタン類(例えば、ロバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン及びZD−4522)の組合せも好ましい。
【0066】
最後に、本発明化合物は、他の疾患(例えば、糖尿病、高血圧及び肥満)を治療するのに有用な化合物及び他の抗アテローム硬化性化合物と一緒に使用され得る。前記組合せは、前記疾患(例えば、糖尿病、肥満、アテローム性動脈硬化症及び脂質異常症)または1つ以上のメタボリックシンドロームを伴う疾患を治療するために使用され得る。前記組合せは前記疾患の治療において相乗効果を発揮し得、活性成分を治療以下である用量のような少ない用量で投与し得る。
【0067】
本発明化合物と一緒に投与され得る他の活性成分の例には、主に抗糖尿病性化合物である化合物、例えば
(a)PPARγアゴニスト及び部分アゴニスト、例えばグリタゾン及び非グリタゾン(例:ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、LY−300512及びLY−818)、
(b)ビグアニド、例えばメトホルミン及びフェンホルミン、
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、例えばビルダグリプチン、シタグリプチン及びサキサグリプチン、
(e)インスリンまたはインスリン模擬物質、例えばインスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液及びインスリン吸入製剤、
(f)スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリピジド、グリメピリド及びアセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリベンクラミド及び関連物質、
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン−Q及びサルボスタチン)、
(h)PPARα/γ二重アゴニスト、例えばムラグリタザル、テサグリタザル、ファルグリタザル及びナベグリタザル、
(i)PPARδアゴニスト、例えばGW501516及びWO 97/28149に開示されているもの、
(j)グルカゴン受容体アンタゴニスト、
(k)GLP−1、GLP−1誘導体、GLP−1アナログ、例えばエキセンディン(例:エクセナチド(Byetta))及び非ペプチジルGLP−1受容体アンタゴニスト、
(l)GIP−I、及び
(m)非スルホニル尿素インスリン分泌促進物質、例えばメグリチニド(例:ナテグリチニド及びラペグリニド)
が含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明と一緒に使用され得るこれらの他の活性成分には、5−HT(セロトニン)阻害剤、ニューロペプチドY5(NPY5)阻害剤、メラノコルチン4受容体(Mc4r)アゴニスト、カンナビノイド受容体1(CB−1)アンタゴニスト/逆アゴニスト及びβ3アドレナリン作動性受容体アゴニストを含めた抗肥満化合物も含まれる。これらのリストを以下に詳細に記載する。
【0069】
これらの他の成分には炎症状態を治療するために使用される活性成分、例えばアスピリン、非ステロイド系抗炎症剤、グルココルチコイド、アザルフィジン、及びエトリコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ及びベクストラを含めた選択的シクロオキシゲナ−ゼ−2(COX−2)阻害剤も含まれる。
【0070】
降圧性化合物も本発明化合物と共に併用治療に有利に使用され得る。使用され得る降圧性化合物の例には(1)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばロサルタン、(2)アンギンテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、例えばエナラプリル及びカプトプリル、(3)カルシウムチャネルブロッカー、例えばニフェジピン及びジルチアザム、及び(4)エンドセリアンアンタゴニストが含まれる。
【0071】
抗肥満性化合物が本発明化合物と一緒に投与され得、この抗肥満性化合物には(1)成長ホルモン分泌促進物質及び成長ホルモン分泌促進受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えばNN703、ヘキサレリン及びMK−0677;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイドCB1受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストのようなカンナビノイド受容体リガンド、例えばリモナバント(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、SR−14778及びSR−141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY 65−2520(Bayer);(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、Trecadrine、Zeneca D7114及びSR−59119A;(6)膵リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット(Xenical(登録商標))、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン及びジエチルウンベリフェリルホスフェート;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda);(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えばSB−334867−A;(13)メラノコルチンアゴニスト、例えばMelanotan II;(14)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron)、PT−141及びPT−14(Palatin);(15)5HT−2アゴニスト;(16)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503及びR−1065;(17)ガラニンアンタゴニスト;(18)CCKアゴニスト;(19)CCK−A(コレシストキニンA)アゴニスト、例えばAR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR14613;(20)GLP−1アゴニスト;(21)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(22)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト、例えばヒオペラミド、3−(1H−イミダゾル−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン及びGT2394(Gliatech);(24)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(11β−HSD−1阻害剤)、例えばBVT 3498及びBVT 2733;(25)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト;(26)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(27)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、例えばGW 320659、デシプラミン、タルスプラム及びノミフェンシン;(28)グレリン受容体アンタゴニスト;(29)組換えヒトレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含めたレプチン;(30)レプチン誘導体;(31)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,beta−A1a11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド;(32)CNTF(毛様体神経親和性因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジデ、PD 170,292及びPD 149164(Pfizer);(33)CNTF誘導体、例えばアクソキン(Regeneron);(34)モノアミン再取り込み阻害剤、例えばシブトラミン;(35)UCP−1(脱共役タンパク質−1、2または3)アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)及びレチノイン酸;(36)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(37)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤、例えばセルレニン及びC75;(38)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(39)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(40)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(41)グルココルチコイドアンタゴニスト;(42)アシル−エストロゲン、例えばオレオイル−エストロン;(43)ジカルボキシレート輸送体阻害剤;(44)ペプチドYY、PYY 3−36、ペプチドYYアナログ、誘導体及び断片、例えばBIM−43073D、BIM−43004C;(45)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−G1u32]−(25−36)−pNPY;(46)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵ペプチド(PP);(47)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A;(48)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(49)グルコース輸送体阻害剤;(50)ホスフェート輸送体阻害剤;(51)5−HT(セロトニン)阻害剤;(52)β−ブロッカー;(53)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト);(54)クロベンゾレックス;(55)クロホレクス;(56)クロミノレクス;(57)クロルテルミン;(58)シクレキセドリン;(59)デキストロアンフェタミン;(60)ジフェメトキシジン;(61)N−エチルアンフェタミン;(62)フェンブトラゼート;(63)フェニソレクス;(64)フェンプロポレクス;(65)フルドレクス;(66)フルミノレクス;(67)フルフリルメチルアンフェタミン;(68)レバンフェタミン;(69)レボファセトペラン;(70)メフェノレクス;(71)メタンフェプラモン;(72)メタンフェタミン;(73)ノルシュードエフェドリン;(74)ペントレクス;(75)フェンジメトラジン;(76)フェンメトラジン、(77)ピシロレクス;(78)フィトファーム57;(79)ゾニサミド;(80)アミノレクス;(81)アンフェクロラール;(82)アンフェタミン;(83)ベンズフェタミン;及び(84)クロルフェンテルミン;が含まれる。
【0072】
本発明化合物を用いる上記した併用治療はメタボリックシンドロームの治療においても有用である。1つの広く使用されている定義によれば、メタボリックシンドローム患者は、(1)腹部肥満、(2)高グリセリド血症、(3)低い高密度リポタンパク質コレステロール(HDL)、(4)高い血圧、(5)患者が糖尿病でもあるならば2型糖尿病の特徴の範囲であり得る高い空腹時グルコースの5つの症状から選択される3つ以上の症状を有するとして特徴づけられている。これらの症状の各々は、最近発表されたThird Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection,Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel III、すなわちATP III),National Institutes of Health,2001,N1H Publication No.01−3670において臨床的に定義されている。メタボリックシンドローム患者では、アテローム性動脈硬化症や冠動脈心疾患を含めた上にリストした大血管及び小血管合併症を発症するリスクが高い。上記した組合せは1つ以上のメタボリックシンドロームの症状(例えば、2つの症状、3つの症状、4つの症状、または5つすべての症状)を同時に改善させ得る。
【0073】
CETPアッセイ
CETP阻害剤である化合物を同定すべくICS0を測定するためのインビトロ連続アッセイは、コレステリルエステル脂質ドナーとしてBODIPY(登録商標)−CEを用いるEppsらが記載している方法の改変に基づいて実施した。Eppsら(1995),Method for measuring the activities of cholesteryl ester transfer protein(lipid transfer protein),Chem.Phys.Lipids,77,51−63を参照されたい。
【0074】
アッセイに使用した粒子は以下のソースから作成した:DOPC(ジオレイルホスファチジルコリン)、BODIPY(登録商標)−CE(Molecular Probes C−3927)、トリオレイン(トリグリセリド)及びアポHDLを含有する合成ドナーHDL粒子は本質的にEppsらが記載しているプローブ音波処理により作成したが、ただしバックグラウンド蛍光を減ずるために非拡散性クエンチャー分子であるダブシルジセチルアミドを添加した。ダブシルジセチルアミドは、ダブシルn−スクシンイミドをDMF中ジイソプロピルアミン触媒の存在下でジセチルアミンと95℃で一晩加熱することにより調製した。ヒト血液からの天然リポタンパク質はアクセプター粒子として使用した。1.063g/ml未満の密度を有する粒子を限外遠心により集めた。これらの粒子はVLDL、IDL及びLDLを含む。粒子濃度はBCAアッセイ(米国のPierce)で測定したタンパク質濃度に換算して表示した。粒子は使用するまで4℃で保存した。
【0075】
アッセイは、Dynex Microfluor 2 U底黒色96ウェルプレート(カタログ番号7205)において実施した。CETP、1×CETP緩衝液(50mM トリス(pH7.4),100mM NaCl,1mM EDTA)及び最終濃度の半分のアクセプター粒子を含有するアッセイカクテルを作成し、100μLのアッセイカクテルをプレートの各ウェルに添加した。DMSO中の試験化合物を3μLの容量で添加した。プレートをプレートシェーカーで混合した後、25℃で1時間インキュベートした。ドナー粒子、残りのアクセプター粒子及び1×CETP緩衝液を含有する第2アッセイカクテルを作成した。47μLの第2アッセイカクテルを反応ウェルに添加して、アッセイを開始した。アッセイは150μLの最終容量で25℃で実施した。化合物を試験するとき、材料の最終濃度は5ng/μL ドナー粒子、30ng/μL アクセプター粒子(各々タンパク質含量で表示)、1×CETP緩衝液、0.8nM 組換えヒトCETP(CHO細胞で発現させ、部分精製)、最高2% DMSOであった。アッセイを25℃で45分カイネティックランに設定した蛍光プレートリーダー(Molecular Devices Spectramax GeminiXS)を用いて実施し、サンプルをEx=480nm,Em=511nm,495nmでのカットオフフィルター、フォトマルチプライヤー管の中の設定、カレブレーション・オン及び6読み/ウェルで45秒毎に測定した。
【0076】
データを、しばしば0から500または1000秒の曲線の偽線形部分について1秒あたりの相対蛍光単位で表した初期速度を得ることにより評価した。非阻害(DMSOのみ)ポジティブコントロールに対する阻害剤を含むサンプルの割合を比較すると、阻害率が得られた。阻害%対S字4パラメーター式にフィットさせた阻害剤濃度のlogのプロットを使用して、IC50を算出した。
【実施例】
【0077】
以下のスキーム及び実施例は、本発明がより十分に認識し、理解されるように提示されている。出発物質は公知の手順を用いるかまたは以下に示すように製造される。
【0078】
実施例は本発明を限定するものと決して解釈されるべきでない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ規定される。本発明化合物は、上記したアッセイを用いて測定して50μM以下のIC50値を有している。本発明化合物は、好ましくは5nMから15μMの範囲、より好ましくは5nMから5μMの範囲、更に好ましくは5nMから200nMの範囲、特に好ましくは5nMから100nMの範囲のIC50を有している。
【0079】
本発明化合物を製造するための幾つかの方法を以下のスキーム及び実施例に例示する。出発物質は公知の手順によりまたは例示されているように製造される。
【0080】
【化12】
【0081】
本発明で使用される中間体1−2、1−3及び1−4は購入しても、スキーム1に示すように製造してもよい。適切に置換されている2−ハロアニリン1−1(ここで、ハロゲンは好ましくはヨードまたはブロモである。)をDMF中高温でCuCNで処理すると、対応の2−シアノアニリン1−2が生ずる。または、ニトリルは、1−1をパラジウム(II)塩の存在下またはある銅またはニッケル複合体の存在下でKCN及びCuIで処理することにより製造され得る(Smith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.867(2001)及びここに引用されている参考文献参照)。ヨウ化物1−3は、1−2をジヨードメタン中で亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル等で処理することにより製造される(例えば、Smithら,J.Org.Chem.,55,2543(1990)及びここに引用されている参考文献参照)。或いは、ヨウ化物は、まず亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸ナトリウム、硝酸等を用いてジアゾニウムを形成した後、ヨウ化物塩(例えば、ヨウ化銅、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等)の存在下で加熱することにより製造され得る。イソプロパノール及び水中で水酸化カリウムを用いてヨード−ニトリル1−3を加水分解すると、ヨード酸1−4が生ずる。更に、エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等中ボラン、水素化アルミニウムリチウム、ホウ水素化リチウム等を用いて還元すると、2−ヨードアルコール1−5が生ずる。中間体1−5は、溶媒(例えば、ジクロロメタン等)中反応物質(例えば、トリフェニルホスフィン及び四臭化炭素)を用いて臭化ベンジル1−6に変換され得る(Smith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.518−199(2001)及びここに引用されている参考文献参照)。
【0082】
【化13】
【0083】
本発明で使用される中間体2−2はスキーム2に示すように製造され得る。ベンジルアルコール1−5は購入しても、またはスキーム1に概説されている手順に従って製造してもよい。中間体2−1は、1−5をパラジウム触媒の存在下で適切に置換されているアリールボロン酸またはアリールボロネートエステルとカップリングさせるスズキ反応により製造され得る。カップリング反応は、還流下水性アセトン中酢酸Pd(II)及び炭酸カリウムを用いて実施され得る。或いは、反応は、エタノール/トルエン混合物中炭酸ナトリウムの存在下でテトラヒス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを用い得る。或いは、当業者が実施しているように、反応は各種溶媒中、各種リガンド、塩基、プロモーターの存在下で各種パラジウム(0)化合物及びパラジウム(II)塩を用い得る。通常、この反応は加熱及び/またはマイクロ波照射しながら実施されるが、これに限定されない。幾つかの適当な反応条件はMiyauaら,Chem.Rev.,95,2457(1995)及びここに引用されている参考文献、並びにSmith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.868−869(2001)及びここに引用されている参考文献に見つけられ得る。化合物2−2は中間体2−1からスキーム1に記載されているように製造される。
【0084】
【化14】
【0085】
本発明化合物はスキーム3に示すように製造され得る。ベンゾイルアセトニトリル誘導体3−2は、3−1を溶媒(例えば、エタノール、メタノール等)中塩基(例えば、ナトリウムエトキシド)の存在下でヨウ化メチルで処理することにより製造され得る。3−2の還元は、ルイス酸(例えば、四塩化チタン、塩化セリウム等)の存在下で適当な還元剤(例えば、ボラン−ピリジン複合体またはホウ水素化リチウム)で処理するか、またはSmith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.1191−1203(2001)及びここに引用されている参考文献に記載されている方法に従って選択的に実施され得る。ニトリル3−3及び3−4の更なる還元は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等)中還元剤(例えば、ボラン、水素化アルミニウムリウチム等)を用いて実施され得る。アミン3−5及び3−6は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ジクロロメタン等)中トリエチルアミン等の存在下で反応物質(例えば、1,1−カルボニルジイミダゾールまたはトリホスゲン)を用いて1,3−オキサジナン−2−オンに環化され得る。
【0086】
【化15】
【0087】
本発明化合物はスキーム4に示すように製造され得る。アセトフェノン誘導体4−1は、溶媒(例えば、THF等)中でキラル還元剤(例えば、(−)−クロロジイソピンカンフェニルボラン)を用いて、またはSmith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.510−511(2001)に記載されている方法に従って選択的に還元され得る。アミド4−3は溶媒(例えば、アセトニトリル)中反応物質(例えば、ヨードフェニルジアセテート等)で処理することにより1,3−オキサジナン−2−オンに環化され得る。
【0088】
【化16】
【0089】
本発明化合物はスキーム5に従って製造され得る。3−アミノ酪酸誘導体5−1は、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で標準カップリング条件下で反応物質(例えば、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン、クロロギ酸イソブチル、N−メチルモルホリン)を用いて、、またはSmith,M.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.508−509(2001)及びここに引用されている参考文献に記載されている方法に従ってワインレブアミド5−2に変換され得る。アセトフェノン誘導体5−3の選択的還元は、アルコール5−4を生ずるように還元剤(例えば、ホウ水素化ナトリウム等)を用いて実施され得る。アルコール5−4は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン等)の存在下で弱有機塩基(例えば、水素化ナトリウム)で処理することにより対応の4−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンに環化され得る。
【0090】
【化17】
【0091】
本発明化合物はスキーム6に示すように製造され得る。2−ハロベンジルブロミド2−2(ここで、ハロは好ましくはヨードまたはブロモである。)は購入しても、またはスキーム1及び2に記載されているように製造してもよい。2−2をテトラヒドロフラン、DMF等中塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド等)の存在下で適切に置換されている1,3−オキサジナン−2−オン(例えば、5−5)で処理すると、ビアリール1,3−オキサジナン−2−オンが得られる。
【0092】
【化18】
【0093】
ヘテロ環式ビアリールアミン7−5はスキーム7に示すように製造され得る。適切に置換されているアミノピリジン7−1は、亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸等を用いてジアゾニウムを形成した後、濃HClで処理することにより対応のクロロピリジン7−2に変換され得る。その後の7−2の臭素化は溶媒(例えば、四塩化炭素等)中N−ブロモスクシンイミド及び過酸化ベンゾイルを用いて実施され、臭化ベンジル7−3が得られる。ベンジルハロゲン化の他の方法は、Smith,M.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.508−509(2001)及びここに引用されている参考文献に見つけることができる。ヘテロ環式1,3−オキサジナン−2−オン7−4の変換は、7−3をテトラヒドロフラン、DMF等中塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド等)の存在下で適切に置換されている1,3−オキサジナン−2−オン(例えば、5−5)を用いて処理することにより実施され得る。その後、スキーム2に上記されているスズキ反応にかけると、7−5が得られる。
【0094】
中間体1
【0095】
【化19】
【0096】
3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液;14mg,0.34ミリモル)をTHF(2mL)中に含む懸濁液を撹拌し、冷却(0℃)し、これを窒素雰囲気下で6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(24mg,0.137ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液で1滴ずつ処理した。反応物を0℃で20分間撹拌し、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(中間体11;50mg,0.137ミリモル)を添加した。反応物を室温まで加温し、更に3時間撹拌した。飽和NH4Cl(1mL)を添加し、生じた混合物をH2O(20mL)とEtOAC(20mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×20mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(40mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮して、3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色油状物として得た。LCMS=462.0(M+1)+。
【0097】
中間体2
【0098】
【化20】
【0099】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;105mg,2.53ミリモル)をTHF(10mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で撹拌し、ここに(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体20;68mg,0.21ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。生じた混合物を0℃で20分間撹拌した後、3−ブロモ−2−ブロモメチル−6−クロロピリジン(59mg,0.21ミリモル)をTHF(1mL)中溶液として添加した。反応物を室温まで加温した後、14時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、H2O(25mL)とEtOAC(35mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×35mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン――2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明油状物として得た。LCMS=625.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.94−7.90(brs,2H),7.83(s,1H),7.80(d,J=8.2Hz,1H),7.19(d,J=8.2Hz,1H),5.64(m,1H),5.36(d,J=17.6Hz,1H),4.46(d,J=17.6Hz,1H),3.84(m,1H),2.44(m,1H),2.14(m,1H),1.34(d,J=6.2Hz,3H)。
【0100】
中間体3
【0101】
【化21】
【0102】
5−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
ステップA:2−フェニルプロパン−1,3−ジオール
水素化アルミニウムリチウム(1.61g,0.021モル)を無水エーテル(80mL)中に含む懸濁液を冷却(0℃)し、これを窒素雰囲気下でジエチルマロネート(5g,0.021モル)で1滴ずつ処理した。混合物を室温まで加温し、10時間撹拌し、更に2時間還流した。反応物を20% 水性NaOH(5mL)でクエンチし、無機物質を濾過により除去し、有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。シリカゲルを用い、EtOAc:ヘキサン=50:50を溶離液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけた後、標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.41−7.21(m,5H),4.05(dd,J=7.5,3.2Hz,2H),3.97(dd,J=5.8,5.2Hz,1H),3.12(m,1H)。
【0103】
ステップB:3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロパノール−1−オール
水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液;290mg,7.24ミリモル)をTHF(5mL)中に含む懸濁液を撹拌し、冷却し(0℃)、これを窒素雰囲気下で2−フェニルプロパン−1,3−ジオール(1.10g,7.24ミリモル)をTHF(5mL)中に含む溶液で1滴ずつ処理した。反応物を0℃で20分間撹拌し、tert−ブチルジメチルシリルクロリドをTHF中に含む溶液(10mL)を氷冷しながら添加した。反応物を室温まで加温し、更に18時間撹拌した。飽和NH4Cl(5mL)を添加し、生じた混合物をH2O(80mL)とEtOAC(120mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×50mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をEtOAc:ヘキサン=30:70を溶離液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロパノール−1−オールを無色油状物として得た。LCMS=267.3(M+)+。
【0104】
ステップC:2−(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロパノール−1−オール(1.91g,7.15ミリモル)、フタルイミド(1.16g,7.87ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(2.06g,7.87ミリモル)をTΗF(25mL)中に含む溶液を氷冷し、撹拌し、ここにアゾジカルボン酸ジエチル(1.37g,7.87ミリモル)をTΗF(5mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、更に18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗な生成物をEtOAc:ヘキサン=30:70を溶離液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物として得た。LCMS=396.3(M+1)+。1Η NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.80(d,J=3.0Hz,1H),7.79(d,J=3.2Hz,1H),7.69(d,J=3.0Hz,1H),7.67(d,J=3.0Hz,1H),7.28(s,2H),7.24(s,2H),7.20(m,1H),4. (m,2H),3.86(m,2H),3.45(m,1H),0.89(s,9H),−0.05(s,6H)。
【0105】
ステップD:3−アミノ−2−フェニルプロパン−1−オール
2−(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(0.900g,2.28ミリモル)をEtOH(10mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、これをヒドラジン水和物(1.41mL,3.42ミリモル)で処理し、生じた溶液を室温まで加温し、18時間撹拌した。5N 水性HClをEtOH中に含む溶液(25mL)を添加し、生じた二相混合物を3時間撹拌した。混合物をpH=9に達するまで飽和NaHCO3で処理した後、EtOAC(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して、標記化合物を白色固体として得た。LCMS=152.2(M+1)+。
【0106】
ステップE:5−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
3−アミノ−2−フェニルプロパン−1−オール(245mg,1.62ミリモル)をCH2Cl2(10mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、これを窒素雰囲気下でジイソプロピルエチルアミン(1.65mL,9.72ミリモル)及びトリホスゲン(241mg,0.81ミリモル)で処理した。反応物を0℃で更に2時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3(2mL)でクエンチした後、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して、標記化合物を無色油状物として得た。LCMS=178.2(M+1)+。
【0107】
中間体4
【0108】
【化22】
【0109】
2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン
ステップA:2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)プロパン−2−オール
2−フルオロ−4−メトキシアセトフェノン(4.45g,26.5ミリモル)をTHF(50mL)中に含む溶液に0℃で2.4M MeMgBrの溶液(11.6mL,27.8ミリモル)を添加した。混合物を0℃で、次いで室温で4時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。有機層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。EtOAc:ヘキサン=2:8を溶離液として用いるフラッシュカラムにかけた後、標記化合物を油状物として得た。
【0110】
ステップB:2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン
ステップAからの2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)プロパン−2−オール(3.89g,21.14ミリモル)をジクロロメタン(50mL)中に含む溶液に0℃でMsCl(1.95mL,25.4ミリモル)及びトリエチルアミン(6.52mL,46.5ミリモル)を添加した。溶液を0℃で、次いで室温で2時間撹拌した。溶液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。EtOAcヘキサン=1:9を溶離液として用いるフラッシュカラムにかけた後、標記化合物を油状物として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.25(t,J=9.0Hz,1H),6.68(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),6.63(dd,J=13,2.5Hz,1H),5.20(d,J=17.0Hz,2H),3.82(s,3H),2.18(s,3H)。
【0111】
中間体5
【0112】
【化23】
【0113】
1−フルオロ−4−ヨード−2−イソプロピル−5−メトキシベンゼン
2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン(中間体4;1.96g,11.81ミリモル)をMeOH(30mL)中に含む溶液に1気圧の水素及び触媒量のPd/Cを装入した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過した。次いで、硫酸銀(3.68g,11.81ミリモル)及びヨウ素(3.00g,11.81ミリモル)をMeOH(10mL)中に含む混合物に濾液を添加した。溶液の色が明黄色になるまで混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。シリカゲルを用い、EtOAc:ヘキサン=5:95を溶離液として用いるフラッシュカラムにかけた後、標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.61(d,J=8.0Hz,1H),6.56(d,J=12.5Hz,1H),3.90(s,3H),3.18(m,1H),1.28(m,6H)。
【0114】
中間体6
【0115】
【化24】
【0116】
(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸
1−フルオロ−4−ヨード−2−イソプロピル−5−メトキシベンゼン(中間体5;2.61g,8.88ミリモル)をTHF中に含む溶液に−78℃でn−BuLi(4.26mL,10.65ミリモル,2.5M)を1滴ずつ添加した。溶液を−78℃で30分間撹拌した。ホウ酸トリメチル(2.98mL,26.6ミリモル)を添加した。次いで、溶液を−78℃で3時間撹拌した。反応物を−78℃で飽和塩化アンモニウムでクエンチし、混合物を室温まで加温した。有機層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。標記化合物を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.74(d,J=10.0Hz,1H),6.62(d,J=12.5Hz,1H),5.65(br s,2H),3.92(s,3H),3.20(m,1H),1.22(m,6H)。
【0117】
中間体7
【0118】
【化25】
【0119】
2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
2Lフラスコに4−アミノ−3−ヨードベンゾトリフロリド(100g,0.348モル)、CuCN(40g)及びDMF(750mL)を充填した。混合物を還流まで加熱した後、1時間還流下で維持した。反応物を冷却し、濃水酸化アンモニウム(300mL)を含有する水(3L)中に注いだ。混合物にCH2Cl2(1L)を添加した。次いで、混合物をセライトを介して濾過した。層を分離し、水性層をCH2Cl2で逆抽出した。有機抽出物を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をエーテル(1.5L)中に溶解し、生じた溶液を1N 水酸化アンモニウム、水性亜硫酸水素ナトリウム、1N 水性HCl及びブラインで洗浄した。溶液を無水MgSO4で乾燥し、上部にMgSO4の層を含むシリカゲルプラグを介して濾過した。プラグをエーテル(0.5L)で洗浄した。エーテル溶液を合わせ、750mLまで濃縮し、室温で放置した。2日後、生じた固体を集め、ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.68(s,1H),7.58(d,J=8.5Hz,1H),6.81(d,J=8.5Hz,1H),4.80(br s,2H)。
【0120】
中間体8
【0121】
【化26】
【0122】
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(中間体7;15.1g)及びジヨードメタン(24mL)をアセトニトリル(150mL)中に含む溶液に35℃で亜硝酸t−ブチル(21mL)を1滴ずつ添加した。反応物は添加中約35℃に維持した。反応物を30分間エージングした後、60℃に30分間加熱した。反応混合物を冷却し、エーテルで希釈し、水で2回、水性亜硫酸水素ナトリウムで2回、水、ブラインで順次洗浄した。溶液を無水MgSO4で乾燥し、シリカゲルプラグを介して濾過した後、濃縮すると、赤色油状物が生じた。生成物をヘキサン、3:1 ヘキサン/CH2Cl2及び1:1 ヘキサン/CH2Cl2で順次溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.10(d,J=8.5Hz,1H),7.85(d,J=1.8Hz,1H),7.52(dd,J=8.5,1.8Hz,1H)。
【0123】
中間体9
【0124】
【化27】
【0125】
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(中間体8;4g,0.0135モル)を1:1 イソプロパノール:H2O溶液(60mL)中に含む溶液を撹拌し、ここに水酸化カリウム(3.78g,0.0673モル)を添加した。反応物を14時間還流加熱した後、H2O(50mL)とEtOAc(50mL)に分配した。水性層をEtOAc(50mL)で抽出し、6N HClでpH5に酸性化した。水性層を更にEtOAc(4×50mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸を黄色固体として得た。LCMS=317.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.27(d,J=1.6Hz,1H),8.25(d,J=8.2Hz,1H),7.47(dd,J=8.2,1.8Hz,1H)。
【0126】
中間体10
【0127】
【化28】
【0128】
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(中間体9;2.97g,9.4ミリモル)をTHF(300mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここにボラン−THF(THF中1.0M溶液;94mL,94ミリモル)を添加した。反応物を90分間還流加熱した後、更なるガスの発生がなくなるまで6N HClで注意深くクエンチした。反応物をH2O(250mL)で希釈し、EtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な物質をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノールを白色固体として得た。LCMS=285.0(M−17)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.97(d,J=8.3Hz,1H),7.79(s,1H),7.28(d,J=8.4Hz,1H),4.75(s,2H)。
【0129】
中間体11
【0130】
【化29】
【0131】
2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体10;1.13g,3.74ミリモル)をCH2Cl2(25mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここに四臭化炭素(1.86g,5.6ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(1.47g,5.6ミリモル)を順次添加した。反応物を室温で48時間撹拌した。第2量の四臭化炭素(1.2g,3.74ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(0.98g,3.74ミリモル)を添加し、反応物を更に14時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンを透明油状物として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.73(d,J=1.8Hz,1H),7.26(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),4.64(s,2H)。
【0132】
中間体12
【0133】
【化30】
【0134】
[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体11;3.09g,10.2ミリモル)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体6;4.34g,20.5ミリモル)、(Ph3P)4Pd(1.42g,1.23ミリモル)及びNa2CO3(9.11g,85.9ミリモル)をベンゼン/EtOH/H2O(7:1:3,250mL)中に含む混合物をN2下で24時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0から20% EtOAc)により精製して、[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノールを得た。Rf=0.50(ヘキサン中20% EtOAc)。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.86(s,1H),7.59(d,J=6.7Hz,1H),7.30(d,J=7.9Hz,1H),6.99(d,J=8.6Hz,1H),6.68(d,J=12.0Hz,1H),4.52(br s,1H),4.46(br s,1H),3.73(s,3H),3.25−3.17(m,1H),1.82(br s,1H),1.24(d,J=6.8Hz,6H)。
【0135】
中間体13
【0136】
【化31】
【0137】
2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル
四臭化炭素(3.93g,11.8ミリモル)及び[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール(中間体12;3.38g,9.87ミリモル)を乾燥CH2Cl2(56mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここにトリフェニルホスフィン(3.11g,11.8ミリモル)を乾燥CH2Cl2(7mL)中に含む溶液をカニューレにより添加した。反応物を室温まで加温した。2時間後、反応混合物を真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0から20% EtOAc勾配)により精製して、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニルを得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.83(s,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),7.35(d,J=8.0Hz,1H),7.15(d,J=8.6Hz,1H),6.72(d,J=12.0Hz,1H),4.43(br d,J=10.0Hz,1H),4.30(br d,J=10.2Hz,1H),3.76(s,3H),3.30−3.22(m,1H),1.29(d,J=6.9Hz,6H)。
【0138】
中間体14
【0139】
【化32】
【0140】
3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチル−3−オキソプロパンニトリル
ナトリウムエトキシド(0.127g,1.87ミリモル)をEtOH(5mL)中に含む溶液を3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイルアセトニトリル(0.500g,1.78ミリモル)で少しずつ5分間かけて処理した。反応物を30分間還流加熱した後、ヨウ化メチル(0.41mL,6.6ミリモル)を添加した。還流加熱を更に2時間継続した後、反応混合物を冷却し、真空中で濃縮した。残渣をH2O(10mL)とEtOAC(20mL)に分配し、水性相を分離し、EtOAC(2×20mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から20% EtOAc勾配)により精製して、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチル−3−オキソプロパンニトリルを得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.21(s,2H),8.10(s,1H),4.42(q,J=7.1Hz,1H),1.71(d,J=7.1Hz,6H)。
【0141】
中間体15
【0142】
【化33】
【0143】
syn3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル
3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチル−3−オキソプロパンニトリル(中間体14;309mg,1.05ミリモル)を撹拌し、冷却(−30℃)し、これをTiCl4(CH2Cl2中1M溶液;1.58mL,1.58ミリモル)で処理し、1時間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、CH2Cl2(210uL)中に溶解させたボラン(ピリジンとの8M複合体)を5分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を更に2時間撹拌し、1N HCl(2mL)でクエンチし、室温まで加温した。混合物をH2O(10mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1N HCl(3×15mL)、H2O(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から40% EtOAc勾配)により精製して、syn3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリルを得た。LCMS=298.3(M−17)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.91(s,3H),4.95(m,1H),3.11(m,1H),2.74(br d,J=4.1Hz,1H),1.24(d,J=5.9Hz,3H)。
【0144】
中間体16
【0145】
【化34】
【0146】
syn3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
syn3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(中間体15;140mg,0.47ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、ここにBH3をTHF中に含む溶液(THF中1.0M,1.08mL,1.08ミリモル)を1滴ずつ添加した。溶液を室温まで加温し、更に2時間撹拌した。1N HCl(約2mL)をゆっくり添加することにより反応物をクエンチした後、飽和NaHCO3で中和した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、syn3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オールを得た。LCMS=302.1(M+1)+。
【0147】
中間体17
【0148】
【化35】
【0149】
anti6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
syn3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(139mg,0.47ミリモル)及び1’,1’−カルボニルジイミダゾール(86mg,0.53ミリモル)を1:1 THF/C6H6(6mL)中に含む溶液を室温で16時間撹拌した。反応物を1N HCl(2mL)でクエンチした後、H2O(15mL)とCH2Cl2(30mL)に分配した。水性相を分離し、CH2Cl2(2×30mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から30% EtOAc勾配)により精製して、syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=328.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.82(s,1H),7.79(s,2H),5.60(s,1H),5.54(br s,1H),3.83(dd,J=4.8,4.6Hz,1H),3.28(dq,J=5.2,2.0Hz,1H),2.45(m,1H),0.94(d,J=6.9Hz,3H)。
【0150】
実施例18
【0151】
【化36】
【0152】
anti3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル
3−{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}−2−メチル−3−オキソプロパンニトリル(中間体14;371mg,1.26ミリモル)の撹拌し、冷却(−30℃)した溶液をCeCl3(466mg,1.89ミリモル)で処理し、1時間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、LiBH4(THF中2M溶液,0.95mL,1.89ミリモル)を1分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を更に2時間撹拌し、1N HCl(2mL)でクエンチし、室温まで加温した。混合物をH2O(10mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1N HCl(3×15mL)、H2O(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から40% EtOAc)により精製して、anti3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリルを得た。LCMS=298.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.85(s,3H),4.95(m,1H),3.04(m,1H),2.81(br d,J=4.1Hz,1H),1.38(d,J=7.1Hz,3H)。
【0153】
中間体19
【0154】
【化37】
【0155】
anti3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
anti3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(中間体18;170mg,0.57ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、ここにBH3をTHF中に含む溶液(THF中1.0M,1.32mL,1.32ミリモル)を1滴ずつ添加した。溶液を室温まで加温し、更に2時間撹拌した。1N HCl(約2mL)をゆっくり添加することにより反応物をクエンチした後、飽和NaHCO3で中和した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、anti3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オールを得た。LCMS=302.3(M+1)+。
【0156】
中間体20
【0157】
【化38】
【0158】
syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
anti3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(164mg,0.54ミリモル)及び1’,1’−カルボニルジイミダゾール(99mg,0.61ミリモル)を1:1 THF/C6H6(6mL)中に含む溶液を室温で16時間撹拌した。反応物を1N HCl(2mL)でクエンチした後、H2O(15mL)とCH2Cl2(30mL)に分配した。水性相を分離し、CH2Cl2(2×30mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から30% EtOAc勾配)により精製して、anti6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=328.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.82(s,1H),7.84(s,2H),5.61(br d,J=2.3Hz,1H),5.41(d,J=9.9Hz,1H),3.54(m,1H),3.26(m,1H),2.24(m,1H),0.94(d,J=6.7Hz,3H)。
【0159】
中間体21
【0160】
【化39】
【0161】
(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
ステップA:(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタン酸エチル
エチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−オキソブチレート(0.5g,2.14ミリモル)をTHF(5mL)中に含む溶液を撹拌し、ここに(−)−クロロジイソピノカンフェイルボラン(1.71g,5.34ミリモル)をTHF(1mL)中に含む溶液を添加した。生じた溶液を室温で4日間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、高真空下で1時間乾燥した。残渣を酢酸エチル(10mL)中に溶解し、ジエタノールアミン(470mL)を添加した。白色沈澱が形成し、生じた混合物を2時間撹拌した後、固体を濾別し、ペンタンで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から20% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタン酸エチルを透明油状物として得た。LCMS=219.3(M+1−18)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 6.99(s,2H),6.95(s,1H),4.72−4.69(m,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),2.45(t,J=7.3Hz,2H),2.34(s,6H),2.11−2.06(m,2H),1.29(t,J=7.2Hz,3H)。
【0162】
ステップB:(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタンアミド
アンモニアのメタノール溶液(2.0M,4.02mL,8.03ミリモル)を(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタン酸エチル(ステップA;474mg,2.01ミリモル)で処理し、生じた溶液を50℃で16時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から100% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタンアミドを白色固体として得た。LCMS=190.3(M+1−18)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.00(s,2H),6.94(s,1H),5.61(br s,1H),5.40(br s,1H),4.75(dd,J=7.6,2.8Hz,1H),2.43−2.39(m,2H),2.34(s,6H),2.12−2.07(m,2H)。
【0163】
ステップC:(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタンアミド(ステップB;204mg,0.99ミリモル)及びヨードベンゼンジアセテート(317mg,0.99ミリモル)をアセトニトリル(8mL)中に含む溶液を撹拌し、これを40℃で16時間加熱した。反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から100% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=206.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.01(s,2H),7.00(s,1H),5.73(s,1H),5.30(dd,J=9.8,2.8Hz,1H),3.50(dt,J=11,4.8Hz,1H),3.43−3.38(m,1H),2.35(s,6H),2.26−2.21(m,1H),2.14−2.06(m,1H)。
【0164】
中間体22
【0165】
【化40】
【0166】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
ステップA:3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−ブタン酸
(+/−)−3−アミノブタン酸(5g,48.5ミリモル)をH2O(30mL)中に含む懸濁液を撹拌し、冷却(0℃)し、ここにNaOHペレット(3.88g,97ミリモル)を少しずつ添加した。生じた混合物を15分間撹拌すると、透明溶液が生じた。クロロギ酸ベンジル(7.1mL,50ミリモル)をアセトン(30mL)中溶液として15分間かけて1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、3.5時間撹拌した。反応物をEtOAc(20mL)で2回洗浄した。水性層を分離し、6N HClでpH2に酸性化した。形成した沈澱を濾過により集め、H2Oで洗浄し、真空オーブンにおいて乾燥して、3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−ブタン酸を白色固体として得た。LCMS=238.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.34−7.30(m,5H),5.18(br s,1H),5.10(s,2H),4.15−4.10(m,1H),2.59(s,2H),1.27(d,J=6.9Hz,3H)。
【0167】
ステップB:ベンジル−{3−[メトキシ(メチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバメート
3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−ブタン酸(ステップA;9.0g,38ミリモル)をCH2Cl2(90mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここにN−メチルモルホリン(10.4mL,95ミリモル)及びクロロギ酸イソブチル(6.2 ml,47.5ミリモル)を添加した。生じた黄色溶液を0℃で5分間撹拌した後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.45g,45.6ミリモル)を5分間かけて少しずつ添加した。反応物を室温まで加温し、14時間撹拌した後、1N HCl(200mL)に注ぎ、CH2Cl2(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を1N HCl(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から50% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、ベンジル−{3−[メトキシ(メチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバメートを透明油状物として得た。LCMS=281.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHZ):δ 7.35−7.29(m,5H),5.61(br s,1H),5.09(s,2H),4.16−4.10(m,1H),3.66(s,3H),3.16(s,3H),2.77−2.72(m,1H),2.59−2.54(m,1H),1.27(d,J=6.6Hz,3H)。
【0168】
ステップC:{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバミン酸ベンジル
マグネシウム削り屑(1.55g,63.76ミリモル)をTHF(50mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下で撹拌し、ここに1,2−ジブロモエタン(135uL)を添加した。混合物を75℃に加熱し、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン(4.59mL,26.79ミリモル)をやさしい還流を維持するためにをゆっくり添加した。反応物を2.5時間やさしく還流加熱した後、室温まで冷却した。別のフラスコにおいて、ベンジル−{3−[メトキシ(メチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバメート(ステップB;5g,17.86ミリモル)をTHF(30mL)中に含む溶液を−20℃で撹拌し、ここにイソプロピルマグネシウムクロリド(18mL,36ミリモル)を1滴ずつ添加した。生じた溶液を−20℃で40分間撹拌した後、グリニャール溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、14時間撹拌した。反応物を1N HCl(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から10% アセトン/ヘキサン勾配)により精製して、{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバミン酸ベンジルを白色固体として得た。LCMS=434.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.39(s,2H),8.07(s,1H),7.37−7.29(m,5H),5.16−5.04(m,3H),4.31−4.23(m,1H),4.16−4.10(m,1H),3.19(dd,J=16.8,6.5Hz,1H),1.34(d,J=6.9Hz,3H)。
【0169】
ステップD:{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル
3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバミン酸ベンジル(ステップC;1g,2.31ミリモル)を無水EtOH/THF(30mL/15mL)中に含む溶液をN2雰囲気下−78℃で撹拌し、ここにホウ水素化リチウム(THF中2.0M,2.31mL,4.62ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応物を−78℃で1時間撹拌した後、1時間かけて−30℃に加温した。反応物を−30℃で1N HCl(30mL)でクエンチし、室温まで加温し、1N HCl(50mL)とEtOAc(100mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×50mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、syn{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル及びanti{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジルを1:2.1比でそれぞれ白色固体及び透明油状物として得た。Syn{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル:LCMS=436.2(M+1)+;1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.82(s,2H),7.76(s,1H),7.39−7.33(m,5H),5.18−5.13(m,2H),4.78−4.74(m,2H),4.68(br s,1H),4.17−4.11(m,1H),1.82−1.75(m,1H),1.64−1.58(m,1H),1.26(d,J=6.8Hz,3H)。anti{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル:LCMS=436.2(M+1)+;1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.84(s,2H),7.78(s,1H),7.38−7.31(m,5H),5.13−5.04(m,2H),4.94−4.91(m,1H),4.81(br s,1H),3.96−3.90(m,1H),3.41(br s,1H),1.99−1.93(m,1H),1.87−1.82(m,1H),1.26(d,J=6.2Hz,3H)。
【0170】
ステップE:syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(24mg,0.61ミリモル)をTHF(4mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で撹拌し、ここにanti{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル(ステップD;177mg,0.41ミリモル)をTHF(6mL)中に含む溶液を5分間かけて1滴ずつ添加した。反応物を室温で14時間撹拌した。反応物を1N HClでクエンチし、EtOAc(50mL)とH2O(25mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から75% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=328.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.88(s,3H),5.54(s,1H),5.42(dd,J=12,1.9Hz,1H),3.87−3.82(m,1H),2.33−2.29(m,1H),1.77−1.70(m,1H),1.33(d,J=6.3Hz,3H)。この化合物をキラルHPLC(5% IPA/ヘプタン,ChiralPak IAカラム)を用いてそのエナンチオマーの(4R,6R)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン及び(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンに分離した。
【0171】
中間体23
【0172】
【化41】
【0173】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;5.6mg,0.139ミリモル)をTHF(0.5mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で撹拌し、ここに(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体22;50mg,0.153ミリモル)をTHF(1mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した後、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−トリフルオロメチル)ベンゼン(中間体11;50.7mg,0.139ミリモル)をTHF(0.5mL)中溶液として1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、14時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、EtOAc(25mL)とH2O(15mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明油状物として得た。LCMS=611.7(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.91(s,2H),7.89(s,1H),7.52(s,1H),7.29−7.26(m,1H),5.44(d,J=10.8Hz,1H),4.88(d,J=16.5Hz,1H),4.62(d,J=16.5Hz,1H),3.77−3.70(m,1H),2.45(dd,J=14.1,5.4Hz,1H),2.06−1.98(m,1H),1.22(d,J=6.2Hz,3H)。
【0174】
中間体24
【0175】
【化42】
【0176】
5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン
ステップA:6−ヨードインダン−5−アミン
5−アミノインダン(423mg,3.17ミリモル)、硫酸銀(990mg,3.17ミリモル)及びヨウ化物(805mg,3.17ミリモル)をメタノール(20mL)中に含む混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、固体を少量のメタノールで洗浄した。濾液を飽和Na2S2O3でクエンチした後、水で希釈した。水性層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)にかけて、6−ヨードインダン−5−アミン(354mg,43%)を得た。LCMS 計算値=258.99;実測値=260.0(M+1)+。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.51(s,1H),6.69(s,1H),3.97(br,s,2H),3.02−2.90(m,1H),2.81(d,J=7.1Hz,3H),2.12−2.02(m,2H)。
【0177】
ステップB:6−アミノインダン−5−カルボニトリル
6−ヨードインダン−5−アミン(135mg,0.52ミリモル)をDMF(2mL)中に含む溶液にシアン化銅(I)(93mg,1.04ミリモル)を添加した。混合物を160℃で1.5時間加熱した。反応混合物を10% NH4OHに注いだ。等量のジクロロメタンを添加し、生じた混合物を濾過した。濾液を2層に分配した。水性層をジクロロメタン(1×)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。残渣をエチルエーテル中に溶解させた。エーテル層を水性亜硫酸水素ナトリウムで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)により精製して、6−アミノインダン−5−カルボニトリル(48.5mg,59%)を得た。LCMS 計算値=158.08;実測値=159.1(M+1)+。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.22(s,1H),6.64(s,1H),4.25(br,s,2H),2.85(t,J=7.4Hz,2H),2.80(t,J=7.4Hz,2H),2.09−2.03(m,2H)。
【0178】
ステップC:6−ヨードインダン−5−カルボニトリル
6−アミノインダン−5−カルボニトリル(48.5mg,0.307ミリモル)、亜硝酸イソアミル(82μL,0.614ミリモル)及びヨウ化物(85.7mg,0.338ミリモル)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、混合物をN2下で80℃で2時間加熱した。反応混合物を飽和Na2S2O3でクエンチし、ジクロロメタンと水に分配した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン中1% EtOAc)により精製して、6−ヨードインダン−5−カルボニトリル(39.7mg,50%)を得た。LCMS 計算値=268.97;実測値=270.0(M+1)+。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.78(s,1H),7.48(s,1H),2.96(t,J=7.5Hz,2H),2.92(t,J=7.5Hz,2H),2.16−2.10(m,2H)。
【0179】
ステップD:6−ヨードインダン−5−カルボアルデヒド
6−ヨードインダン−5−カルボニトリル(36.5mg,0.136ミリモル)をジクロロメタン(1.0mL)中に含む溶液にN2下−78℃で1N DIBALHをトルエン中に含む溶液(272μL,0.272ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応物を−78℃で15分間撹拌した。温度を−78℃に保ちながら、出発物質がTLCにより消えるまで更にDIBALH(2×100μL)を添加した。反応混合物を2N HCl(45mL)に注ぎ、Et2Oで希釈した。混合物を0.5時間撹拌した。Et2O層を分離した。水性層をEt2O(2×)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)により精製して、6−ヨードインダン−5−カルボアルデヒド(27mg,73%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 10.08(s,1H),7.83(s,1H),7.79(s,1H),2.98(t,J=7.5Hz,2H),2.94(t,J=7.5Hz,2H),2.19−2.13(m,2H)。
【0180】
ステップE:(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メタノール
6−ヨードインダン−5−カルボアルデヒド(35.5mg,0.131ミリモル)を無水EtOH(3mL)中に含む溶液にN2下0℃でNaBH4(20mg,0.522ミリモル)を粉末として添加した。混合物を室温まで加温し、0.5時間撹拌した。混合物を水でクエンチした。水性層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)により精製して、(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メタノール(36.3mg,100%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.70(s,1H),7.33(s,1H),4.68(d,J=6.3Hz,2H),2.92−2.88(m,4H),2.12−2.06(m,2H),1.96(t,J=6.4Hz,1H)。
【0181】
ステップF:5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン
(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メタノール(36mg,0.131ミリモル)及び四臭化炭素(52mg,0.158ミリモル)をジクロロメタン(1mL)中に含む溶液にN2下0℃でトリフェニルホスフィン(41mg,0.158ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温まで加温し、4時間撹拌した。混合物に0℃で更に四臭化炭素(52mg,0.158ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(41mg,0.158ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン中1% EtOAc)により精製して、5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン(44.4mg,100%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.72(s,1H),7.36(s,1H),4.62(s,2H),2.89(m,4H),2.11−2.07(m,2H)。
【0182】
中間体25
【0183】
【化43】
【0184】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体22;104mg,0.318ミリモル)を中間体23について記載されているように水素化ナトリウム(油中60%;11.9mg,0.297ミリモル)及び5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン(中間体24;100mg,0.297ミリモル)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=583.8(M+1)+。1Η NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.90(s,2H),7.87(s,1H),7.72(s,1H),7.19(s,1H),5.43(dd,J=11.8,1.7Hz,1H),4.96(d,J=15.8Hz,1H),4.47(d,J=16Hz,1H),3.69−3.62(m,1H),2.90−2.86(m,4H),2.43−2.38(m,1H),2.12−2.05(m,2H),2.00−1.92(m,1H),1.25(d,J=6.2Hz,3H)。
【0185】
中間体26
【0186】
【化44】
【0187】
2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
ステップA:2−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール
2−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール(661.7mg,3.68ミリモル)(2−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オールは文献に記載されている。Helv.Chim.Acta,1971,54,p.868−897参照)をEtOH(40mL)中に含む溶液にAg2SO4(1.15g,3.68ミリモル)及びI2(934mg,3.68ミリモル)を順次添加した。反応物を室温で2時間撹拌した後、固体をセライトパッドを介して濾別した。濾液をから10mLに濃縮した後、EtOAc(50mL)で希釈した。有機溶液を水、水性NaHSO3及びブライン(15mLずつ)で洗浄した。次いで、有機層をヘキサン(50mL)で希釈し、シリカゲルの短プラグを介して(50/50 EtOAc/ヘキサン)を用いて濾過した。濾液を濃縮して、2−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オールを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.76(d,J=2.3Hz,1H),7.32(dd,J=8.7,2.3Hz,1H),6.79(d,J=8.7Hz,1H),3.87(s,3H),3.57(s,2H),1.30(s,6H)。
【0188】
ステップB:2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
乾いたフラスコに2−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール(ステップA;180.0mg,0.584ミリモル)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)・CH2Cl2(47.7mg,0.0584ミリモル)、KOAc(115mg,1.17ミリモル)及びDMSO(8mL)を装入した。ビス(ピナコラト)ジボラン(185.6mg,0.731ミリモル)をTHF(340μL)中に溶解し、反応物に添加した。反応物をN2で脱ガスし、40℃に1時間、次いで60℃で1時間、次いで80℃で12時間加熱した。次いで、反応物を室温まで冷却し、EtOAc(75mL)で希釈し、水(3×25mL)及びブライン(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(5から100% EtOAc/ヘキサン)により精製して、2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オールを得た。Rf=0.25(40% EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(CDCl3,600MHz):δ 7.64(d,J=2.6Hz,1H),7.40(dd,J=8.6,2.7Hz,1H),6.83(d,J=8.7Hz,1H),3.82(s,3H),3.59(d,J=6.6Hz,2H),1.35(s,12H),1.32(s,6H)。
【0189】
中間体27
【0190】
【化45】
中間体28
【0191】
【化46】
【0192】
{1−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]シクロプロピル}メタノール
1−(4−メトキシフェニル)シクロプロパンカルボン酸(1.0g,5.20ミリモル)をTHF(50mL)中に含む溶液にBH3(7.8mLのTHF中1M溶液,7.8ミリモル)を添加した。反応物を室温で15時間撹拌した後、水(10mL)を1滴ずつ添加することにより注意深くクエンチした。溶液の容量をから20mLまで減量した後、混合物をEtOAc(75mL)で抽出した。有機層を水及びブライン(25mLずつ)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、[1−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)シクロプロピル]メタノールを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.26−7.31(m,2H),6.84−6.88(m,2H),3.79(s,3H),3.62(s,2H),0.79−0.85(m,4H)。この物質を中間体26に記載されているように処理して、{1−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]シクロプロピル}メタノールを2ステップで得た。
【0193】
中間体29
【0194】
【化47】
【0195】
2−(ブロモメチル)−3−ヨードナフタレン
ステップA:(3−アミノ−2−ナフチル)メタノール
LiAlH4(95%,0.53g,13.4ミリモル)を乾燥THF(20mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここに3−アミノ−2−ナフトエ酸(85%,1.17g,5.34ミリモル)を乾燥THF(20mL)中に含む溶液を30分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。水(20mL)を添加し、混合物のpHを1N NaOH(20mL)で塩基性に調節した。混合物を濾過し、Et2O(4×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空中で濃縮して、(3−アミノ−2−ナフチル)メタノール(0.88g,95%)を得た。LCMS 計算値=174.1;実測値=174.2(M+1)+。1H NMR(500MHz,CD3OD):δ 7.66(d,J=8.0Hz,1H),7.61(s,1H),7.55(d,J=8.2Hz,1H),7.30−7.27(m,1H),7.18−7.14(m,1H),7.08(s,1H),4.74(s,2H)。
【0196】
ステップB:(3−ヨード−2−ナフチル)メタノール
(3−アミノ−2−ナフチル)メタノール(500mg,2.89ミリモル)を水(3mL)、アセトン(3mL)及び濃HCl(1.6mL)中に含む溶液を0℃に冷却し、NaNO2(219mg,3.18ミリモル)を水(0.7mL)中に含む溶液を添加した。反応物を0℃で2時間撹拌し、KI(719mg,4.33ミリモル)及び濃H2SO4(0.16mL)を水(1.2mL)中に含む溶液を添加した。反応混合物を60℃で2から3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、50% 飽和Na2SO3(30mL)を添加した。混合物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをフラッシュクロマトグラフィー(Si,25×160mm,ヘキサン中0から40% EtOAc勾配)により精製して、(3−ヨード−2−ナフチル)メタノール(423mg,52%)を得た。Rf=0.47(20% EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(600MHz,CD3OD):δ 8.35(s,1H),7.91(s,1H),7.81(d,J=8.0Hz,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.47−7.42(m,2H),4.69(s,2H)。
【0197】
ステップC:2−(ブロモメチル)−3−ヨードナフタレン
四臭化炭素(592mg,1.79ミリモル)及び(3−ヨード−2−ナフチル)メタノール(423mg,1.49ミリモル)を乾燥CH2Cl2(11mL)中に含む溶液をN2下室温で撹拌し、ここにトリフェニルホスフィン(469mg,1.79ミリモル)を乾燥CH2Cl2(2mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温で4時間撹拌し、真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをフラッシュクロマトグラフィー(Si,25×160mm,ヘキサン中0から50% EtOAc勾配)により精製して、2−(ブロモメチル)−3−ヨードナフタレン(469mg,91%)を無色固体として得た。Rr=0.84(20% EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(600MHz,CDCl3):δ 8.39(s,1H),7.94(s,1H),7.78−7.76(m,1H),7.71−7.69(m,1H),7.52−7.48(m,2H),4.76(s,2H)。
【0198】
中間体30
【0199】
【化48】
【0200】
2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
ステップ1:4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
4−ブロモ−3−メチル安息香酸メチル(92g,0.402モル)、(4−メトキシフェニル)ボロン酸(61.1g,0.402モル)、Na2CO3(85.2g,0.804モル)及びPdCl2(PPh3)2(1410mg,2.01ミリモル)にEtOH(1.23L)及び水(0.61L)を添加した。次いで、反応物を80℃に1時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、水(550ml)を添加し、混合物を1時間放置した。生じた固体を濾過し、EtOHとH2Oの溶液(1:1,750mL)で洗浄した。固体を乳鉢及び乳棒を用いて粉砕した後、H2O(250mL)中に室温で1時間スラリー化した後、濾過し、水(2×125mL)で洗浄し、乾燥して、4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.95(s,1H),7.89(d,J=7.9Hz,1H),7.29(d,J=7.9Hz,1H),7.27(d,J=8.7Hz,2H),6.98(d,J=8.7Hz,2H),3.94(s,3H),3.87(s,3H),2.33(s,3H)。
【0201】
ステップ2:3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(71.5g,0.279モル)をアセトニトリル(1.43L)及び水(572mL)中に含む溶液にオキソン(180.1g,0.293モル)を添加した。次いで、KBr(38.2g,0.321モル)を水(143mL)中に含む溶液を30分間かけてゆっくり添加しした。反応物を2.5時間撹拌した後、水(715mL)を添加し、混合物を1時間放置した。固体を濾過し、MeCN/水の溶液(1:1,350mL×2)、水(700mL×2、次いで350mL)で洗浄し、乾燥して、3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.94(s,1H),7.89(d,J=8.1Hz,1H),7.53(d,J=2.2Hz,1H),7.3−7.2(m,2H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),3.96(s,3H),3.94(s,3H),2.32(s,3H)。
【0202】
ステップ3:2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(80.0g,0.239モル)、ピナコールボラン(72.8g,0.287モル)、Pd(dba)2(4120mg,7.17ミリモル)、P(Cy)3(2140mg,7.65ミリモル)及びKOAc(70.3g,0.717モル)にジオキサン(1.2L)を添加した。反応物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。次いで、反応物を室温まで冷却し、濾過した。固体をEtOAc(800mL)中に溶解し、ブライン(2×400mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をTHF(300mL)中に溶解し、[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(47.1g,0.223モル)及び(t−Bu2P)2フェロセンPdCl2を添加した。K2CO3(83.7g,0.606モル)を水(214mL)中に含む溶液を添加し、混合物を45℃に加熱し、9時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、EtOAc(428mL)で希釈した後、水(428mL)及びブライン(428mL)で洗浄した。有機物質にチャーコール(Darco KB−100メッシュ)(21.5g)を添加し、混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、固体物質をEtOAc(428mL)で洗浄した。濾液を濃縮した後、MeOH(677mL)中に再溶解し、1時間放置した。この混合物に2時間かけて水(169mL)を添加した後、混合物を1時間放置した。生じた固体をMeOHと水の溶液(4:1,170mL)で3回洗浄し、乾燥して、2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。
【0203】
ステップ4:2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(1.500g,3.49ミリモル)をCH2Cl2(14mL)中に含む0℃溶液にCBr4(2.429g,7.33ミリモル)、次いでトリフェニルホスフィン(1.830g,6.98ミリモル)をCH2Cl2(15mL)中に含む溶液を順次添加した。溶液を室温まで加温し、12時間撹拌した。反応物を濃縮し、残渣をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン)により精製して、2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。Rf=0.59(50% EtOAc/ヘキサン)。LCMS=494.8(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.95(s,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),7.80(s,1H),7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.40−7.33(m,3H),7.21(d,J=2.3Hz,1H),7.06(d,J=8.5Hz,1H),4.44−4.39(m,2H),3.93(s,3H),3.82(s,3H),2.37(s,3H)。
【0204】
実施例1
【0205】
【化49】
【0206】
3−{[5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体1;51mg,0.11ミリモル)、2−メトキシ−5−イソプロピルフェニルボロン酸(86mg,0.11ミリモル)、炭酸カリウム(76mg,0.55ミリモル)及び酢酸パラジウム(7.4mg,0.011ミリモル)をアセトン(5mL)及びH2O(1mL)中に含む混合物を脱ガスし、N2下で1時間還流加熱した。反応混合物を濃縮し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から20% EtOAc勾配)により精製して、3−{[5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色固体として得た。LCMS=484.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.69(br d,J=3.5Hz,1H),7.62(br d,J=8.0Hz,1H),7.41−7.30(m,5H),7.28(d,J=2.5Hz,1H),7.26(d,J=2.5Hz,1H),7.02(d,J=2.3Hz,1H),6.92(d,J=8.5Hz,1H),5.24(dd,J=9.6,2.5Hz,1H),4.68(d,J=3.2Hz,1H),4.59(d,J=15.5Hz,1H),3.81(s,3H),3.18−3.04(m,1H),3.04−2.88(m,2H),2.11(m,1H),2.02(m,1H),1.12(d,J=7.1Hz,6H)。ラセミ物質を15% IPA/ヘプタン及びADカラムを用いるキラルHPLCにより分離した。
【0207】
実施例1A
以下の化合物を実施例1に記載されている一般的手順に従って製造した。LC/MS(M+1)=462.0。
【0208】
【化50】
実施例2
【0209】
【化51】
【0210】
syn−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;18mg,0.45ミリモル)をTHF(6mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で攪拌し、ここにsyn−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体20;97mg,0.30ミリモル)を少しずつ添加した。生じた溶液0℃で20分間攪拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体13;122mg,0.30ミリモル)をTHF(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温まで加温し、14時間攪拌した。反応物をH2Oでクエンチし、H2O(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、syn−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−5−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=652.4(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の1:1混合物):δ 7.85(s,1H),7.83(s,1H),7.79(s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.01−6.97(m,1H),5.50(br s,0.5H),5.37(br s,0.5H),4.76(d,J=15.6Hz,0.5H),4.59(d,J=15.6Hz,1H),4.51(d,J=15.8Hz,1H),4.44(d,J=15.5Hz),3.49(dd,J=11.8,4.9Hz,0.5H),3.41(dd,J=11.8,4.9Hz,0.5H),3.25(m,1H),2.87(d,J=11.6Hz,1H),2.74(d,J=11.6Hz),2.41−2.30(m,1H),1.22(m,6H),0.84(d,J=7.0Hz,1.5H),0.79(d,J=6.9Hz,1H)。ラセミ物質を3% IPA/ヘプタン及びADカラムを用いるキラルHPLCにより分離した。
【0211】
実施例3
以下の化合物を実施例2に記載されている方法を用いて製造した。LC/MS(M+1)=652.4。
【0212】
【化52】
実施例4
【0213】
【化53】
【0214】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体2;49mg,0.092ミリモル)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体6;21mg,0.101ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(6mg,0.0092ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(3mL,3mL)中に含む混合物をN2下で2時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から15% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色油状物として得た。LCMS=619.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.88(br s,2H),7.84(s,1H),7.68(brs,2H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),7.28(br s,1H),6.71(d,J=12.1Hz,1H),5.88(brs,1H),5.25(br d,J=16.7Hz,1H),4.21(br m,2H),3.95(br m,2H),3.81(s,3H),3.21(m,1H),2.39(m,2H),1.92(m,1H),2.11(3H,s),1.29(br d,9H)。
【0215】
実施例5
【0216】
【化54】
【0217】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(実施例4;16mg,0.026ミリモル)、イソプロペニルボロン酸(22mg,0.26ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(2mg,0.0026ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(1mL,1mL)中に含む混合物をN2下で2.5時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から5% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=625.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.85(br s,3H),7.51(m,2H),7.05(m,1H),6.71(d,J=11.9Hz,1H),5.98(br s,1H),5.35(br s,1H),5.31(br m,1H),4.32(br m,1H),3.79(s,3H),3.22(br m,1H),2.28(s,3H),1.89(m,2H),1.27(br m,9H)。
【0218】
実施例6
【0219】
【化55】
【0220】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロピルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(実施例5;8.0mg,0.011ミリモル)をEtOH(2mL)中に含む溶液に1気圧の水素、触媒量のPd/Cを充填した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過し、濃縮した。シリカゲルを用い、溶離液としてEtOAc:ヘキサン(10:90)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにかけた後、標記化合物の(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロピルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=627.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.86(s,3H),7.68(brs,1H),7.18(brs,1H),7.14(br m,1H),6.71(d,J=11.9Hz,1H),5.31−5.27(m,2H),4.31−4.24(m,2H),3.80(s,3H),2.21(m,1H),1.82(m,1H),1.26(br s,3H),1.21(br m,12H)。
【0221】
実施例7
【0222】
【化56】
【0223】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−クロロ−3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体2;32mg,0.06ミリモル)、2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(中間体x;18mg,0.06ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(4mg,0.006ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(3mL,3mL)中に含む混合物をN2下で2時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から15% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−クロロ−3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色油状物として得た。LCMS=631.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロ異性体の1:1混合物):δ 7.87(br s,2H),7.82(s,1H),7.58(brs,1H),7.44(br d,J=6.8Hz,1H),7.32(brs,1H),7.24(brs,1H),7.02(d,J=8.7Hz,1H),5.62−5.41(br m,0.5H),5.26−5.20(brm,0.5H),5.16−5.11(brm,1H),4.34(brm,3H),3.80(s,3H),3.62−3.44(brm,3H),1.34(brs,3H),1.22(brm,6H)。
【0224】
実施例10
【0225】
【化57】
【0226】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]−6−イソプロペニルピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−クロロ−3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(実施例10;8mg,0.013ミリモル)、イソプロペニルボロン酸(12mg,0.14ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(1mg,0.0013ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(1mL,1mL)中に含む混合物をN2下で2.5時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から15% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=637.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロ異性体の1:1混合物):δ 7.87(br s,2H),7.81(s,1H),7.60(brs,1H),7.44(br d,J=6.8Hz,1H),7.35(brs,1H),7.21(brs,1H),7.01(d,J=8.7Hz,1H),5.16−5.11(brm,1H),4.31(brm,3H),3.76(s,3H),3.61−3.46(brm,3H),1.34(brs,3H),1.32(brm,6H),1.20(br s,6H)。
【0227】
実施例11
【0228】
【化58】
【0229】
(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;7.4mg,0.185ミリモル)をTHF(1.5mL)中に含む懸濁液をN2下、0℃で撹拌し、ここに(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体21;30mg,0.148ミリモル)をTHF(2mL)中溶液を1滴ずつ添加した。反応物を0℃で20分間撹拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体13;50mg,0.123ミリモル)をTHF(1.5mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温まで加温し、72時間撹拌した後、H2Oでクエンチし、EtOAc(25mL)とH2O(10mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をまずフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)、次いでキラルHPLC(Chiralpak ADカラム;15% IPA/ヘプタン)により精製して、(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−2−オンを透明油状物として得た。LCMS=530.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.61(d,J=8Hz,1H),7.34(d,J=8Hz,1H),7.01−6.96(m,4H),6.70(d,J=12.1Hz,1H),5.23−5.13(m,1H),4.66−4.49(m,2H),3.78(s,3H),3.26−3.20(m,1H),3.17−3.06(m,1H),3.01−2.93(m,1H),2.34(s,6H),2.18−2.13(m,1H),2.09−2.02(m,1H),1.29−1.24(m,6H)。
【0230】
実施例12
【0231】
【化59】
【0232】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[4’フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体13;61.7mg,0.152ミリモル)及び(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体22;41.5mg,0.127ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液をN2雰囲気下で攪拌し、ここにカリウムtert−ブトキシド(14.2mg,0.127ミリモル)を添加した。反応物を室温で1時間攪拌し、飽和NH4Clでクエンチした。反応物をEtOAc(15mL)と飽和NH4Cl(10mL)に分配した。水性層をEtOAc(4×25mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[4’フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=652.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.87(s,2H),7.79(s,1H),7.65(s,1H),7.62−7.59(m,1H),7.36−7.32(m,1H),7.03(d,J=10.9Hz,1H),6.70(d,J=11.9Hz,1H),5.21(d,J=10.5Hz,1H),5.10(d,J=16.3Hz,1H),4.39(d,J=16Hz,1H),3.78(s,3H),3.45−3.37(m,1H),3.25−3.18(m,1H),2.32−2.22(m,1H),1.91−1.78(m,1H),1.27−1.21(m,6H),1.02(d,J=6.2Hz,3H)。
【0233】
表1中の化合物を実施例11から12に記載されている方法と同様の方法により製造した。
【0234】
【化60】
【0235】
【表1】
実施例36
【0236】
【化61】
【0237】
(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(6S)−6−(2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(エチル−4−(2−メチルフェニル)−4−オキソブチレートから中間体21に記載した手順と同様の手順により製造;20mg,0.10ミリモル)を実施例11に記載されているように水素化ナトリウム(油中60%;8.0mg,0.20ミリモル)及び2−(ブロモメチル)−2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体27;41mg,0.10ミリモル)で処理して、(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=502.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.78(s,1H),7.67−7.64(m,1H),7.48(d,J=8.1Hz,1H),7.45(s,1H),7.40−7.37(m,1H),7.28−7.24(m,3H),7.19−7.17(m,1H),7.11(dd,J=8,2.1Hz,1H),5.51(dd,J=9.9,2.8Hz,1H),4.69(d,J=15.8Hz,1H),4.45(d,J=15.8Hz,1H),3.31−3.21(m,1H),3.14−3.10(m,1H),2.98−2.93(m,1H),2.35(s,3H),2.20−2.15(m,1H),2.14−2.04(m,1H),1.29(d,J=6.9Hz,6H)。
【0238】
実施例37
【0239】
【化62】
【0240】
(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(6S)−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(エチル−4−(2−メトキシフェニル)−4−オキソブチレートから中間体21に記載した手順と同様の手順により製造;20mg,0.10ミリモル)を実施例11に記載されているように水素化ナトリウム(油中60%;8.0mg,0.20ミリモル)及び2−(ブロモメチル)−2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)−ビフェニル(中間体27;39mg,0.10ミリモル)で処理して、(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=518.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.76(s,1H),7.64(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=6.4Hz,1H),7.44(s,1H),7.37−7.35(m,1H),7.34−30(m,1H),7.26−7.24(m,1H),7.09(dd,J=7.8,2.3Hz,1H),7.06−7−7.00(m,1H),6.90(d,J=8.2Hz,1H),5.66(dd,J=8.7,3.0Hz,1H),4.71(d,J=15.8Hz,1H),4.39(d,J=15.8Hz,1H),3.85(s,3H),3.25−3.17(m,1H),3.09−3.04(m,1H),2.97−2.92(m,1H),2.31−2.25(m,1H),2.06−1.99(m,1H),1.28(d,J=7.1Hz,6H)。
【0241】
実施例38
【0242】
【化63】
【0243】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−tert−ブチル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体23;25mg,0.041ミリモル)、(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(11.1mg,0.053ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(2.7mg,0.0041ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTHF(1.2mL)を密封管において合わせ、80℃で1.5時間加熱した。反応物をH2O(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から30% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−tert−ブチル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=648.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.86−7.83(m,2H),7.78(s,1H),7.68(s,1H),7.63−7.59(m,1H),7.44−7.36(m,2H),7.18(dd,J=6.7,2.4Hz,1H),6.94(d,J=8.7Hz,1H),5.20(d,J=16Hz,1H),5.16(d,J=11.2Hz,1H),4.38(d,J=15.8Hz,1H),3.80(s,3H),3.41−3.34(m,1H),2.29−2.24(m,1H),1.88−1.81(m,1H),1.32(s,9H),1.02(d,J=6.2Hz,3H)。
【0244】
実施例39
【0245】
【化64】
【0246】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体25;25mg,0.043ミリモル)を実施例38に記載されているように(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(11.6mg,0.056ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(2.8mg,0.0043ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTΗF(1.2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明ガラス状物として得た。LCMS=620.1(M+1)+。1Η NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.84−7.82(m,2H),7.75(s,1H),7.36(dd,J=8.5,2.6Hz,1H),7.31(s,1H),7.22(d,J=2.5Hz,1H),7.12(s,1H),6.91(d,J=8.7Hz,1H),5.22(d,J=15.4Hz,1H),5.13(d,J=10.3Hz,1H),4.22(d,J=15.5Hz,1H),3.81(s,3H),3.41−3.32(m,1H),2.99−2.93(m,4H),2.24−2.20(m,1H),2.16−2.11(m,2H),1.82−1.75(m,1H),1.31(s,9H),1.02(d,J=6.1Hz,3H)。
【0247】
実施例40
【0248】
【化65】
【0249】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体23;30mg,0.049ミリモル)を実施例38に記載されているように2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(中間体26;20mg,0.065ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(3.2mg,0.0049ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTHF(1.2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明ガラス状物として得た。LCMS=664.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.86−7.80(m,2H),7.76(s,1H),7.67−7.61(m,2H),7.41−7.37(m,2H),7.21(d,J=2.3Hz,1H),6.96(d,J=8.7Hz,1H),5.38(d,J=15.5Hz,1H),4.95(d,J=11Hz,1H),4.09(d,J=15.5Hz,1H),3.81(s,3H),3.65−3.63(m,1H),3.58−3.55(m,1H),3.41−3.35(m,1H),2.25−2.20(m,1H),1.80−1.72(m,1H),1.28−1.25(m,6H),1.07−1.03(m,3H)。
【0250】
実施例41
【0251】
【化66】
【0252】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体25;30mg,0.052ミリモル)を実施例38に記載されているように2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(中間体26;20mg,0.067ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(3.4mg,0.0052ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTHF(1.2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明ガラス状物として得た。LCMS=636.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.84−7.79(m,2H),7.75(s,1H),7.33(dd,J=8.7,2.5Hz,1H),7.29(s,1H),7.23(d,J=2.3Hz,1H),7.13(s,1H),6.95−6.92(m,1H),5.41(d,J=15.3Hz,1H),4.93(d,J=10.5Hz,1H),3.93(d,J=15.4Hz,1H),3.81(s,3H),3.65−3.61(m,1H),3.57−3.54(m,1H),3.44−3.36(m,1H),2.99−2.94(m,4H),2.20−2.10(m,3H),1.76−1.64(m,1H),1.33−1.25(m,6H),1.05−1.02(m,3H)。
【0253】
実施例42
【0254】
【化67】
【0255】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体23;28mg,0.046ミリモル)を実施例38に記載されているように{1−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]シクロプロピル}メタノール(中間体28;18mg,0.060ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(3.0mg,0.0046ミリモル)、1N K2CO3(2mL)及びTHF(2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=662.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.86−7.82(m,2H),7.76(s,1H),7.66−7.61(m,2H),7.40−7.37(m,1H),7.27−7.24(m,2H),6.96−6.93(m,1H),5.40(d,J=15.6Hz,1H),4.91(d,J=10.5Hz,1H),4.11(d,J=15.6Hz,1H),3.91(s,3H),3.68−3.56(m,2H),3.39−3.32(m,1H),2.24−2.16(m,1H),1.80−1.64(m,1H),1.05(d,J=6.2Hz,3H),0.88−0.74(m,4H)。
【0256】
実施例43
以下の化合物を実施例11から12に記載されている方法と同様の方法により製造した。LC/MS(M+1)=633.9。
【0257】
【化68】
実施例44
【0258】
【化69】
【0259】
4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(31.6mg,0.15ミリモル)をDMF(1.5mL)中に含む溶液にt−BuOK(16.5mg,0.144ミリモル)を添加した。反応物を15分間攪拌した後、2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボンキシレート(75mg,0.152ミリモル)をDMF(1.5mL)中に含む溶液をカニューレを介して添加した。反応物を室温で1時間攪拌した後、飽和NH4Cl溶液(10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で希釈し、ブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10から50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。LCMS=619.8(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,回転異性体存在):δ 7.78−7.94(m,2H),7.68(s,1H),7.60(t,J=9.0Hz,1H),7.25−7.44(m,5H),6.79−7.15(m,4H),5.58(dd,J=9.2,2.5Hz),5.32(dd,J=9.2,2.5Hz),4.76(d,J=15.3Hz,1H),4.57(d,J=15.3Hz),4.48(d,J=15.6Hz),3.92(s,3H),3.86(s),3.84(s,),3.80(s),3.65(s),2.88−3.16(m,2H),2.35(s),2.32(s),1.85−2.20(m,2H)。
【0260】
同様にして、以下の化合物を合成した。
【0261】
【表2】
実施例46
【0262】
【化70】
【0263】
4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸
4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(55.4mg,0.0358ミリモル)をMeOH(1.5mL)中に含む溶液に4M KOH溶液(0.8mL)を添加した。反応物を室温で6時間攪拌した後、1N HCl(5mL)でクエンチし、EtOAc(15mL)で希釈した。水性層をEtOAc(10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(C−18,10から95% MeCN/水+0.1% TFA)により精製して、4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸を得た。LCMS=606.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,回転異性体存在):δ 7.84−8.01(m,2H),7.60−7.67(m,2H),7.26−7.42(m,5H),6.79−7.16(m,4H),5.58(dd,J=9.3,2.7Hz),5.27(dd,J=9.4,2.6Hz),4.84(d,J=14.9Hz),4.77(d,J=15.6Hz),4.48−4.54(m,1H),3.87(s),3.85(s),3.81(s),3.64(s),2.86−3.20(m,2H),2.38(s),2.33(s),1.80−2.24(m,2H)。
【0264】
同様にして、以下の化合物を合成した。
【0265】
【表3】
実施例48
【0266】
【化71】
【0267】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(8mg,0.014ミリモル)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(4mg,0.018ミリモル)及び1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスティノ)フェロセンパラジウムジクロリド(1.0mg,0.0014ミリモル)を1:1 1N K2CO3/THF(1.4mL)中に含む混合物を3回脱ガスし、80℃で2時間加熱した。反応物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から30% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色ガラス状物として得た。LCMS=623.8(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.84(s,2H),7.76(s,1H),7.29(s,1H),7.08−7.01(m,2H),6.66(d,J=5.0Hz,1H),5.22(d,J=15.8Hz,1H),4.68(d,J=10.5Hz,1H),4.21(d,J=15.8Hz,1H),3.78(s,3H),3.44−3.34(m,1H),3.24−3.16(m,1H),2.98−2.92(m,4H),2.27−2.22(m,1H),2.14−2.09(m,2H),1.86−1.78(m,1H),1.27−1.19(m,6H),1.03(d,J=6.1Hz,3H)。
【0268】
実施例49
【0269】
【化72】
【0270】
1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オン
4−フェニル−ピペリジン−2−オン(28.6mg,0.163ミリモル)を上記したように水素化ナトリウム(油中60%;14mg,0.359ミリモル)及び2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(63mg,0.156ミリモル)で処理して、1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オンを無色ガラス状物として得た。LCMS=499.9(M+1)+。1HNMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.57−7.53(m,2H),7.35−7.29(m,3H),7.27−7.22(m,1H),7.19−7.15(m,2H),6.96(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=12.1Hz,1H),4.74(d,J=15.3Hz,1H),4.39(d,J=15.1Hz,1H),3.75(s,3H),3.24−3.18(m,1H),3.12−2.96(m,3H),2.79−2.69(m,1H),2.59−2.48(m,1H),2.04−2.99(m,1H),1.88−1.80(m,1H),1.27−1.20(m,6H)。
【0271】
エナンチオマーをキラルHPLC(ChiralPak IAカラム,5% IPA/ヘプタン)を用いて分離して、(4S)−1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オン及び(4R)−1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オンを得た。
【0272】
実施例50
【0273】
【化73】
【0274】
2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸
ステップA:2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(78.5mg,0.159ミリモル)及び(4S,65)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(43.4mg,0.133ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液を攪拌し、ここにカリウムtert−ブトキシド(14.9mg,0.133ミリモル)を添加した。反応物を室温で2時間攪拌し、飽和NH4Clでクエンチし、EtOAc(10mL)と飽和NH4Cl(10mL)に分配した。水性層をEtOAc(4×25mL)で抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から100% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを無色ガラス状物として得た。LCMS=740.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.89−7.82(m,3H),7.71−7.66(m,2H),7.59(s,1H),7.43(d,J=8.5Hz,1H),7.41−7.38(m,1H),7.30(d,J=8Hz,1H),7.22(d,J=2.2Hz,1H),7.16(d,J=8Hz,1H),7.11−7.07(m,1H),5.38(d,J=15.6Hz,1H),4.65(d,J=11.5Hz,1H),4.32(d,J=15.8Hz,1H),3.93(s,3H),3.92(s,3H),3.30−3.25(m,1H),2.34(s,3H),2.17−2.12(m,1H),1.73−1.65(m,1H),1.08(d,J=6.2Hz,3)。
【0275】
ステップB:2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸
2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(ステップA;48mg,0.065ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む溶液を攪拌し、ここに4M KOH(800μL)を添加した。反応物を室温で4時間攪拌し、飽和クエン酸でクエンチし、EtOAc(25mL)と水(25mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を2:1 ヘキサン:EtOAc+1% AcOHで溶離させる分取薄層クロマトグラフィーにより精製して、2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸を白色固体として得た。LCMS=725.9(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体):δ 7.97−7.94(m,1H),7.86−7.82(m,2H),7.78(d,J=8Hz,1H),7.68−7.66(m,1H),7.63−7.61(m,1H),7.45−7.39(m,2H),7.34(d,J=8Hz,1H),7.25−7.20(m,2H),7.12−7.09(m,1H),5.37(d,J=15.5Hz,1H),4.67(d,J=11.4Hz,1H),4.34(d,J=15.6Hz,1H),3.91(s,3H),3.32−3.26(m,1H),2.36(s,3H),2.19−2.13(m,1H),1.75−1.67(m,1H),1.09(d,J=6.1Hz,3H)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレステローエステル転送タンパク質(CETP)を阻害し、よってHDL−Cの上昇、HDL−Cの低下、並びにアテローム性動脈硬化症の治療及び予防において有用性を有し得る化合物類に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症及びその臨床結果の冠状動脈性心疾患(CHD)、卒中及び末梢血管疾患は工業国のヘルスケアシステムに対して真に大きな負担をかけている。米国だけでも、約1300万人の患者がCHDと診断され、毎年150万人以上の死がCHDに起因している。更に、この死亡数は、肥満及び糖尿病の流行が増え続けているので、次の四分の一世紀にわたり増加すると予想される。
【0003】
哺乳動物において循環リポタンパク質プロフィールの変化がアテローム性動脈硬化症及びCHDのリスクと相関していることは長く認識されている。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、特にスタチン類が冠動脈性事象を減らす際の臨床的成功は、アテローム性動脈硬化症に対する高いリスクと直接相関している循環低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルの低下に基づいている。より最近では、疫学的研究で高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)レベルとアテローム性動脈硬化症の逆の関係が立証され、低い血清HDL−CレベルはCHDに対する高いリスクに関連しているとの結論を導いている。
【0004】
リポタンパク質レベルの代謝コントロールは多くの因子が関与する複雑な動的プロセスである。ヒトにおける1つの重要な代謝コントロールはコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)であり、CETPはコレステリルエステルをHDLからアポB含有リポタンパク質、特にVLDLへの移動を触媒する血清糖タンパク質である(Hesler,C.B.ら,(1987)Purification and characterization of human plasma cholesteryl ester transfer protein,J.Biol.Chem.,262(5),2275−2282参照)。生理学的条件下で、ネット反応は、CETPがトリグリセリドをアポBリポタンパク質からHDLに運び、コレステロールエステルをHDLからapoBリポタンパク質に転移させるヘテロ交換である。
【0005】
ヒトにおいて、CETPは、コレステロールを末梢組織から肝に戻すプロセスの逆コレステロール転移において役割を発揮する。興味あることに、高HDLレベルを有し、冠動脈性心疾患に対して耐性であることが公知の動物(例えば、げっ歯類)を含めた多くの動物はCETPを持っていない(Guyard−Dangremont,V.ら,(1998)Phospholipid and cholesteryl ester transfer activities in plasma from 14 vertebrate species.Relation to atherogenesis susceptibility,Comp.Biochem.Physiol.B Biochem.Mol.Biol.,120(3),517−525参照)。少数の公知のヒトヌル突然変異に対する研究(Hirano,K.I.,Yamashita,S.and Matsuzawa,Y.(2000)Pros and cons of inhibiting cholesteryl ester transfer protein,Curr.Opin.Lipidol.,11(6),589−596参照)を含めた冠動脈性心疾患リスクに対するCETP活性の天然変化の影響を相関させる多くの疫学研究が実施されている。これらの研究は、血漿HDL−C濃度とCETP活性間の逆相関関係を明らかに示し(Inazu,A.ら,(2000)Cholesteryl ester transfer protein and atherosclerosis,Curr.Opin.Lipidol.,11(4),389−396参照)、LDLレベルを低下させながらHDL−Cレベルを上昇させることによりCETP脂質転移活性を薬理学的に阻害することはヒトにとって有利であり得るとの仮説が導かれた。
【0006】
シムバスタチン(ZOCOR(登録商標))のようなスタチン類が治療上大きな進歩を示したにもかかわらず、スチタン類だけではアテローム性動脈硬化症及び結果として生ずるアテローム性硬化性事象の治療及び予防の点で約1/3しかリスクを低減させない。現在、HDL−Cの循環レベルを有利に上昇させる幾つかの薬理学的治療が利用されている。あるスタチン類及び幾つかのフィブレートは適度にHDL−Cを上昇させる。HDL−Cを上昇させるのに最も効果的な治療と臨床的に証明されているナイアシンに対して、一部はほてりのような副作用のために患者はコンプライアンスの問題を訴えている。HDLコレステロールレベルを安全且つ効果的に上昇させる物質は、現存の治療法を補充するメカニズムにより循環脂質プロフィールを有意に改善させ得る薬理学的治療手段を提供することにより重要であるが、未だ対処されていない医学的要望に応えることができる。
【0007】
CETPを阻害する新しいクラスの化合物が幾つかの製薬会社で研究されており、または臨床治験中である。現在CETP阻害剤は市販されていない。長期間アウトカムトライアルでトルセトラピブを使用した患者の死亡率が増えたので、トルセトラピブのフェーズIII臨床治験は中止された。死亡率の上昇を引き起こしたメカニズムは現在分からない。安全性及び有効性に関連する特性の最良プロフィールを有するCETP阻害剤を確実に見つけるために新しい化合物が必要とされている。本明細書中に記載されている新規化合物は非常に有力なCETP阻害剤である。
【発明の開示】
【0008】
(発明の概要)
医薬的に許容され得る塩を含めた式Iを有する化合物は下記する有用性を有するCETP阻害剤である。
【0009】
【化10】
【0010】
式Iを有する化合物中、式Iのフェニル環は場合により式Iの構造の他の部分に結合していない4位の1つに−(CH)=の代わりに−N=を有していてもよく;
Xは−O−、−(CR7R8)−及び−NR5から選択され;
Bは−{C(R3)(R4)}q(A2)であり、式Iのヘテロ環式環の−(CH2)−基の1つ上で置換されており;
A1は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基を含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A1は場合によりRbから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
A2は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基をも含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A2は場合によりRcから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
各Ra及びRcは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Ra及びRcがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキル(ここで、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキルは場合により1から7個のハロゲン及び1個の基−OHで置換されている。)から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
Ra及びRcが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが場合により連結して−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記した式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環は場合によりRaから独立して選択される1から2個の基で置換されており、ただし前記Ra基は結合して環を形成するように接続することはできず;
各Rbは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、フェニル、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Rbがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル、−C2−3アルケニル、−NR9R10、−OC1−3アルキル、−CO2H、−CN及び−CO2C1−3アルキルから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、前記した−C1−3アルキル及び−C2−3アルケニルはいずれの場合も場合により1から7個のハロゲン及び場合により1個の基−OHで置換されており、
Rbが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
Rbがフェニルの場合、前記フェニルは場合により1から5個のハロゲンで置換されており、場合により−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−4アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−4アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−4アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合を含み、場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基をも含む5から6員ヘテロ環式環から独立して選択される1から3個の置換基で置換されており、
Rbがフェニルの場合フェニル上の置換基が−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキル、−NR9C(=O)OC1−4アルキル及び−S(O)xC1−4アルキルから選択される場合、前記した置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基は場合により1から5個のハロゲン置換基を含み、場合により−OH、−NR9R10、場合により1から3個のFで置換されている−OCH3、及び場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルから選択される1個の置換基をも含み;
nは0から4から選択される整数であり;
pは0から4から選択される整数であり;
qは0及び1から選択される整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
yは1及び2から選択される整数であり;
R1、R2、R3及びR4は各々独立してH、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル及び−NR9R10からなる群から選択され、ここで、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル及び−OC1−4アルキルは各々場合により1から9個のハロゲンで置換されており、各々場合により−OH、−C(=O)CH3、−OC(=O)CH3、−OC1−2アルキル及び−OC1−2アルキレンOC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の基でも置換されており;
R5はH及びC1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、C1−5アルキルは場合により1から11個のハロゲンで置換されており;
各基R6は場合により式I中のヘテロ環式環の−(CH2)−基上のH原子に対して置換されており、各R6は独立してH、−OH、ハロゲン、−CN、−NO2、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルからなる群から選択され、ここで、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;
R7及びR8は各々独立してH、ハロゲン、−OH及び−C1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、−C1−5アルキルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;
R9及びR10は各々独立してH、−C1−5アルキル、−C(=O)C1−5アルキル及び−S(O)yC1−5アルキルから選択され、ここで、C1−5アルキルはいずれも場合により1から11個のハロゲンで置換されている。
【0011】
(発明の詳細)
医薬的に許容され得る塩を含めた式Iを有する化合物の実施態様において、化合物は以下に示す式Ia、Ib、IcまたはIdを有し得る:
【0012】
【化11】
【0013】
医薬的に許容され得る塩を含めた式Ia、Ib、IcまたはIdで規定される化合物の更なる実施態様において、A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン、場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。)から選択される1個の基から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルである。
【0014】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結して−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、フェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されている。
【0015】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;nは0から2の整数であり;BはA2であり;A2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルである。
【0016】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、式I、Ia、Ib、Ic及びIdのフェニル環は構造の残りに結合していない4位のいずれかで−CH=の代わりに−N=を有し得ない。
【0017】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが結合して架橋部分を形成し得ない。
【0018】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、
A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン及び場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H−、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。)から選択される1個の基から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルであり;
A2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルであり;
各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結されて−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、フェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されており;
R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;
pは1から3個の整数であり;
nは0から2の整数である。
【0019】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、pは1から3である。
【0020】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、nは0から2である。
【0021】
医薬的に許容され得る塩を含めた上記した化合物の実施態様において、R6はCH3である。
【0022】
化合物の部分集合を含めた式Iを有する化合物において、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は別段の記載がない限り直鎖状でも分岐状でもよい。
【0023】
定義
「Ac」は、CH3C(=O)−であるアセチルである。
【0024】
「アルキル」は、炭素鎖が別の方法で定義されていない限り直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る飽和炭素鎖を意味する。接頭語「アルカ」を有する他の基、例えばアルコキシ及びアルカノイルも炭素鎖が別の方法で定義されていない限り直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る。アルキル基の例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。
【0025】
「アルキレン」は、単官能性よりもむしろ二官能性であるアルキル基である。例えば、メチルはアルキル基であり、メチレン(−CH2)は対応のアルキレン基である。
【0026】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルケニルの例にはビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が含まれる。
【0027】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキニルの例にはエチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が含まれる。
【0028】
「シクロアルキル」は、別段の記載がない限り3から8個の炭素原子を有する飽和炭素環式環を意味する。この用語はアリール基に縮合しているシクロアルキル環も含む。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が含まれる。「シクロアルキル」は、シクロヘキセニルまたはシクロヘキサジエニルのように1個以上の二重結合を有するようにも定義されるが、シクロアルキル基が芳香族となるような数の二重結合を有することはない。
【0029】
構造中の置換基または基を指すために使用されるとき、「アリール」(及び「アリーレン」)は、環が芳香族であり、炭素環原子を1個しか含有していない単環式または二環式化合物を意味する。用語「アリール」はシクロアルキルまたはヘテロ環に縮合しているアリール基をも指し得る。好ましい「アリール」はフェニル及びナフチルである。一般的にはフェニルが最も好ましいアリール基である。
【0030】
「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環」及び「ヘテロ環式」は、別段の記載がない限り環中に1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を含有する完全または部分的に飽和または芳香族の5から6員環を意味する。ヘテロ環式環は環構造の一部として任意のカルボニル基または−N(O)−基を含有するとも定義され得る。後者の例はピリジンN−オキシドである。
【0031】
「ベンゾヘテロ環」はその各々がN、OまたはSである1から2個のヘテロ原子を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を表し、前記ヘテロ環式環は飽和でも不飽和でもよい(すなわち、ヘテロ環式環はフェニル環の二重結合に加えて1から2個の二重結合を有し得る。)。その例にはインドール、2,3−ジヒドロインドール、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、キノリン及びイソキノリンが含まれる。縮合ヘテロ環が芳香族の場合、ベンゾヘテロ環はベンゾヘテロ芳香族またはベンゾヘテロアリールとも称され得る。
【0032】
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。ハロゲン置換基は最も多くの場合フッ素または塩素である。
【0033】
「Me」はメチルを表す。
【0034】
医薬組成物のような用語「組成物」は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互反応から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。従って、本発明の医薬組成物は本発明化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより作成される組成物を包含する。
【0035】
置換基「テトラゾール」は、2H−テトラゾル−5−イル置換基及びその互変異性体を意味する。
【0036】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iを有する化合物は1個以上の不斉中心を含み得、よってラセミ化合物、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、式Iを有する化合物のすべての異性体及び前記異性体の混合物を包含すると意味する。構造を立体化学的表示をもって示している場合、他の立体化学構造には個々に及びまとめて、例えばエナンチオマー、ジアステレオマー(ジアステレオマーが可能ならば)、ラセミ混合物を含めたエナンチオマー及び/またはジアステレオマーの混合物が含まれる。
【0037】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかはオレフィン二重結合を含み得、別段の記載がない限りE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0038】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかは互変異性体として存在し得る。1例は、ケト−エノール互変異性体として公知のケトン及びそのエノール形態である。個々の互変異性体及びその混合物が式Iを有する化合物の範疇である。
【0039】
1個以上の不斉中心を有する式Iを有する化合物は当業界で公知の方法によりジアステレオマー、エナンチオマー等に分離され得る。
【0040】
或いは、エナンチオマー及びキラル中心を有する他の化合物は公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発物質及び/または試薬を用いて立体特異的合成により合成され得る。
【0041】
本発明のビフェニル及びビアリール化合物の幾つかはNMRスペクトルでアトロプ異性体(回転異性体)の混合物からなり得る。個々のアトロプ異性体及びその混合物も本発明の化合物の範囲内である。
【0042】
塩
用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機または有機塩基及び無機または有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩にはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第一マンガン、第二マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態もとり得る。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には第1級、第2級及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が含まれる。
【0043】
本発明化合物が塩基性である場合、塩は無機及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0044】
本明細書中で使用される場合、式Iを有する化合物の言及は医薬的に許容され得る塩をも含むと意味されると理解されたい。
【0045】
代謝物−プロドラッグ
代謝物それ自体が本発明の範囲に入る治療上活性な代謝物も本発明化合物である。患者に投与するとまたは患者に投与した後本発明化合物に変換される化合物であるプロドラッグも本発明化合物である。
【0046】
有用性
本発明化合物はCETPの強力な阻害剤である。従って、本発明化合物は、CETP阻害剤により治療される疾患及び状態を治療するのに有用である。
【0047】
本発明の1つの態様は、治療有効量の本発明化合物をCETPの阻害により治療または予防され得る疾患または状態の治療を要する患者に対して投与することによる前記疾患または状態を治療するためまたは前記疾患または状態の発症のリスクを低減させるための方法を提供する。患者はヒトまたは哺乳動物であり、ヒトが最も一般的である。「治療有効量」は、具体的な疾患の治療において所望の臨床アウトカムを得るのに有効な化合物の量である。
【0048】
本発明化合物により治療され得る疾患または状態、或いは本発明化合物で治療した結果患者の発症リスクが少なくなり得る疾患または状態にはアテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高β−リポタンパク質血症、低α−リポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再灌流損傷、血管形成再狭窄、高血圧、糖尿病の血管合併症、肥満、内毒素症及びメタボリックシンドロームが含まれる。
【0049】
本発明化合物は、HDL−Cの上昇及び/またはHDL−C/LDL−C比の上昇において特に有効である。本発明化合物はLDL−Cの低下においても有効である。こうしたHDL−C及びLDL−Cの変化はアテローム性動脈硬化症の治療、アテローム性動脈硬化症の発症の抑制または逆転、アテローム性動脈硬化症の発症リスクの低下、またはアテローム性動脈硬化症の予防において有効であり得る。
【0050】
投与及び用量範囲
哺乳動物、特にヒトに対して有効用量の本発明化合物を与えるために適当な投与ルートが使用され得る。例えば、経口、直腸内、局所、非経口、眼内、経肺、鼻腔内等が使用され得る。剤形には錠剤、トローチ剤、分散液剤、懸濁液剤、溶液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾール剤等が含まれる。式Iを有する化合物を経口投与することが好ましい。
【0051】
使用される活性成分の有効用量は、使用する特定化合物、投与モード、治療対象の状態及び治療対象の状態の重症度に応じて変更可能である。用量は当業者により容易に確定され得る。
【0052】
式Iを有する化合物が適応される疾患を治療する場合、本発明化合物を動物またはヒトの体重1kgあたり約0.01から約100mgの1日用量で投与したとき通常満足な結果が得られる。前記用量を1日1回で、または1日2から6回に分割して、または徐放性形態で投与することが好ましい。70kgの成人に対する全1日用量は通常約0.5から約500mgである。特に強力な化合物の場合、成人に対する用量は0.1mgくらいの低量でもよい。投与レジメンは最適の治療応答を与えるように上記した範囲内または範囲外でも調節され得る。
【0053】
経口投与は通常錠剤を用いて実施される。錠剤中の用量の例は0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、250mg及び500mgである。他の経口剤形(例えば、カプセル剤)も同一の用量を有し得る。
【0054】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iを有する化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、活性成分として式Iを有する化合物または医薬的に許容され得る塩、医薬的に許容され得る担体及び場合により他の治療成分を含む。用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機塩基または酸及び有機塩基または酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。医薬組成物は、プロドラッグを投与するならばプロドラッグまたはその医薬的に許容され得る塩をも含み得る。医薬組成物を本質的に式Iを有する化合物及び医薬的に許容され得る担体から構成し、他の治療成分を含まなくてもよい。
【0055】
組成物には経口、直腸内、局所、(皮下、筋肉内及び静脈内を含めた)非経口、眼内(眼用)、経肺(鼻腔内または口腔吸入)または鼻腔内投与に適した組成物が含まれる。いずれの場合も最も適当なルートは治療対象の状態の種類及び重症度、並びに活性成分の種類に依存する。組成物は有利には単位投与形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。
【0056】
実際の使用に際し、式Iを有する化合物は活性成分として慣用の製薬コンパウンディング技術に従って医薬用担体と均密混合して組み合わされ得る。担体は投与、例えば経口または(静脈内を含めた)非経口のために所望する製剤形態に応じて各種形態をとり得る。経口剤形の組成物を調製する場合、懸濁液剤、エリキシル剤や溶液剤のような経口液体製剤のときには一般的な医薬用媒体、例えば水、グリコール、油、アルコール、芳香剤、保存剤、着色剤等が使用され得、散剤、硬または軟カプセル剤や錠剤のような経口固体製剤のときには担体、例えばデンプン、糖、結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が使用され得る。液体製剤よりも固体経口製剤が好ましい。
【0057】
錠剤及びカプセル剤は投与しやすいので最も有利な経口投与単位形態であり、この場合固体医薬用担体が明らかに使用されている。所望ならば、錠剤に標準の水性または非水性技術によりコーティングを被せてもよい。前記組成物及び製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含有していなければならない。組成物中の活性化合物の%は勿論変更可能であり、単位の約2から約60重量%が便利であり得る。治療上有用な組成物中の活性化合物の量は有効な用量が得られるような量である。活性化合物は、例えば滴剤またはスプレー剤として鼻腔内に投与することもできる。
【0058】
錠剤、ピル剤、カプセル剤等は結合剤(例えば、トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン)、賦形剤(例えば、リン酸ジカルシウム)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)及び甘味料(例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリン)も含有し得る。投与単位形態がカプセル剤の場合には、上記したタイプの材料に加えて液体担体(例えば、脂肪油)を含有させてもよい。
【0059】
各種の他の材料をコーティングとして、または投与単位の物理的形態を修飾するために存在させてもよい。例えば、錠剤にシェラック及び/または糖をコーティングしてもよい。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性成分に加えて甘味料としてスクロース、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、染料及び着香剤(例えば、チェリー及びオレンジフレーバー)を含み得る。
【0060】
式Iを有する化合物を非経口的に投与してもよい。活性化合物の溶液剤または分散液剤は、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)を適当に混合した水中で調製され得る。分散液剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中の混合物中でも調製され得る。通常の保存及び使用条件下で、上記製剤は微生物の増殖を防止するために保存剤を含有している。
【0061】
注射用に適した医薬剤形には滅菌水性溶液または分散液、及び滅菌注射用溶液または分散液を即時調合するための滅菌粉末が含まれる。いずれの場合も、剤形は滅菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動性でなければならない。製造及び貯蔵条件下で安定でなければならず、細菌や真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、その適当な混合物及び植物油からなる溶媒または分散媒体であり得る。
【0062】
併用治療
本発明化合物(例えば、式I及びIaからIj)は、式Iを有する化合物が有用である疾患または状態の治療または回復において有用であり得る他の薬物と一緒に使用され得る。他の薬物は、その薬物に対して一般的に使用されているルート及び量で式Iを有する化合物と同時または逐次投与され得る。式Iを有する化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、前記した他の薬物及び式Iを有する化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用治療には、式Iを有する化合物及び1つ以上の他の薬物を異なるスケジュールで投与する治療も含まれる。
【0063】
経口製剤を使用する場合、薬物は単一の配合錠剤または他の経口剤形に配合され得、または薬物を別々の錠剤または他の経口剤形として一緒に包装してもよい。1つ以上の他の活性成分と一緒に使用する場合、本発明化合物及び他の活性成分は各々を単独で使用するときよりも低い用量で使用してもよいとも考えられる。従って、本発明の医薬組成物には式Iを有する化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。
【0064】
本発明化合物(例えば、式I)と一緒に別々に投与されるかまたは同一の医薬組成物で投与され得る他の活性成分の例には、患者の脂質プロフィールを改善する他の物質、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(通常、ロバスタチン、シムバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン及び他のスタチンを含めたスタチン類)、(ii)胆汁酸封鎖剤(コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標))、(iii)ナイアシン及び関連化合物、例えばニコチニルアルコール、ニコチンアミド及びニコチン酸またはその塩、(iv)PPARαアゴニスト、例えばクロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブリート及びエトフィブレートを含めたゲムフィブロジル及びフェノフィブリック酸誘導体(フィブレート)、(v)コレステロール吸収阻害剤、例えばスタノールエステル、β−シトステロール、ステロールグリコシド(例:チクエシド)及びアゼチジノン(例:エゼチミベ)、(vi)選択的ACAT−1及びACAT−2阻害剤及び二重阻害剤を含めたアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、例えばアバシミベ及びメリナミド)、(vii)フェノール系酸化防止剤、例えばプロブコール、(viii)ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)/アポB分泌阻害剤、(ix)抗酸化性ビタミン、例えばビタミンC及びE、及びβ−カロテン、(x)チロミメティックス、(xi)LDL(低密度リポタンパク質)受容体インデューサー、(xii)血小板凝集阻害剤、例えば糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン、(xiii)ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知)、(xiv)葉酸またはその医薬的に許容され得る塩またはエステル、例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩、(xv)阻害剤及びアゴニストの両方を含めたFXR及びLXRリガンド、(xvi)ABCA1遺伝子発現を強化する物質、及び(xvii)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
患者の脂質プロフィールを改善(すなわち、HDL−Cを上昇及びLDL−Cを低下)する際に使用するために本発明化合物と一緒に使用され得る治療用化合物の好ましいクラスにはスチタン及び/またはコレステロール吸収阻害剤が含まれる。本発明化合物とシムバスタチン及び/またはエゼチミベの組合せが特に好ましい。本発明化合物とシムバスタチン以外のスチタン類(例えば、ロバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン及びZD−4522)の組合せも好ましい。
【0066】
最後に、本発明化合物は、他の疾患(例えば、糖尿病、高血圧及び肥満)を治療するのに有用な化合物及び他の抗アテローム硬化性化合物と一緒に使用され得る。前記組合せは、前記疾患(例えば、糖尿病、肥満、アテローム性動脈硬化症及び脂質異常症)または1つ以上のメタボリックシンドロームを伴う疾患を治療するために使用され得る。前記組合せは前記疾患の治療において相乗効果を発揮し得、活性成分を治療以下である用量のような少ない用量で投与し得る。
【0067】
本発明化合物と一緒に投与され得る他の活性成分の例には、主に抗糖尿病性化合物である化合物、例えば
(a)PPARγアゴニスト及び部分アゴニスト、例えばグリタゾン及び非グリタゾン(例:ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、LY−300512及びLY−818)、
(b)ビグアニド、例えばメトホルミン及びフェンホルミン、
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、例えばビルダグリプチン、シタグリプチン及びサキサグリプチン、
(e)インスリンまたはインスリン模擬物質、例えばインスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液及びインスリン吸入製剤、
(f)スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリピジド、グリメピリド及びアセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリベンクラミド及び関連物質、
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン−Q及びサルボスタチン)、
(h)PPARα/γ二重アゴニスト、例えばムラグリタザル、テサグリタザル、ファルグリタザル及びナベグリタザル、
(i)PPARδアゴニスト、例えばGW501516及びWO 97/28149に開示されているもの、
(j)グルカゴン受容体アンタゴニスト、
(k)GLP−1、GLP−1誘導体、GLP−1アナログ、例えばエキセンディン(例:エクセナチド(Byetta))及び非ペプチジルGLP−1受容体アンタゴニスト、
(l)GIP−I、及び
(m)非スルホニル尿素インスリン分泌促進物質、例えばメグリチニド(例:ナテグリチニド及びラペグリニド)
が含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明と一緒に使用され得るこれらの他の活性成分には、5−HT(セロトニン)阻害剤、ニューロペプチドY5(NPY5)阻害剤、メラノコルチン4受容体(Mc4r)アゴニスト、カンナビノイド受容体1(CB−1)アンタゴニスト/逆アゴニスト及びβ3アドレナリン作動性受容体アゴニストを含めた抗肥満化合物も含まれる。これらのリストを以下に詳細に記載する。
【0069】
これらの他の成分には炎症状態を治療するために使用される活性成分、例えばアスピリン、非ステロイド系抗炎症剤、グルココルチコイド、アザルフィジン、及びエトリコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ及びベクストラを含めた選択的シクロオキシゲナ−ゼ−2(COX−2)阻害剤も含まれる。
【0070】
降圧性化合物も本発明化合物と共に併用治療に有利に使用され得る。使用され得る降圧性化合物の例には(1)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばロサルタン、(2)アンギンテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、例えばエナラプリル及びカプトプリル、(3)カルシウムチャネルブロッカー、例えばニフェジピン及びジルチアザム、及び(4)エンドセリアンアンタゴニストが含まれる。
【0071】
抗肥満性化合物が本発明化合物と一緒に投与され得、この抗肥満性化合物には(1)成長ホルモン分泌促進物質及び成長ホルモン分泌促進受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えばNN703、ヘキサレリン及びMK−0677;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイドCB1受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストのようなカンナビノイド受容体リガンド、例えばリモナバント(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、SR−14778及びSR−141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY 65−2520(Bayer);(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、Trecadrine、Zeneca D7114及びSR−59119A;(6)膵リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット(Xenical(登録商標))、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン及びジエチルウンベリフェリルホスフェート;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda);(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えばSB−334867−A;(13)メラノコルチンアゴニスト、例えばMelanotan II;(14)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron)、PT−141及びPT−14(Palatin);(15)5HT−2アゴニスト;(16)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503及びR−1065;(17)ガラニンアンタゴニスト;(18)CCKアゴニスト;(19)CCK−A(コレシストキニンA)アゴニスト、例えばAR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR14613;(20)GLP−1アゴニスト;(21)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(22)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト、例えばヒオペラミド、3−(1H−イミダゾル−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン及びGT2394(Gliatech);(24)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(11β−HSD−1阻害剤)、例えばBVT 3498及びBVT 2733;(25)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト;(26)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(27)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、例えばGW 320659、デシプラミン、タルスプラム及びノミフェンシン;(28)グレリン受容体アンタゴニスト;(29)組換えヒトレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含めたレプチン;(30)レプチン誘導体;(31)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,beta−A1a11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド;(32)CNTF(毛様体神経親和性因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジデ、PD 170,292及びPD 149164(Pfizer);(33)CNTF誘導体、例えばアクソキン(Regeneron);(34)モノアミン再取り込み阻害剤、例えばシブトラミン;(35)UCP−1(脱共役タンパク質−1、2または3)アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)及びレチノイン酸;(36)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(37)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤、例えばセルレニン及びC75;(38)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(39)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(40)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(41)グルココルチコイドアンタゴニスト;(42)アシル−エストロゲン、例えばオレオイル−エストロン;(43)ジカルボキシレート輸送体阻害剤;(44)ペプチドYY、PYY 3−36、ペプチドYYアナログ、誘導体及び断片、例えばBIM−43073D、BIM−43004C;(45)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−G1u32]−(25−36)−pNPY;(46)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵ペプチド(PP);(47)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A;(48)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(49)グルコース輸送体阻害剤;(50)ホスフェート輸送体阻害剤;(51)5−HT(セロトニン)阻害剤;(52)β−ブロッカー;(53)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト);(54)クロベンゾレックス;(55)クロホレクス;(56)クロミノレクス;(57)クロルテルミン;(58)シクレキセドリン;(59)デキストロアンフェタミン;(60)ジフェメトキシジン;(61)N−エチルアンフェタミン;(62)フェンブトラゼート;(63)フェニソレクス;(64)フェンプロポレクス;(65)フルドレクス;(66)フルミノレクス;(67)フルフリルメチルアンフェタミン;(68)レバンフェタミン;(69)レボファセトペラン;(70)メフェノレクス;(71)メタンフェプラモン;(72)メタンフェタミン;(73)ノルシュードエフェドリン;(74)ペントレクス;(75)フェンジメトラジン;(76)フェンメトラジン、(77)ピシロレクス;(78)フィトファーム57;(79)ゾニサミド;(80)アミノレクス;(81)アンフェクロラール;(82)アンフェタミン;(83)ベンズフェタミン;及び(84)クロルフェンテルミン;が含まれる。
【0072】
本発明化合物を用いる上記した併用治療はメタボリックシンドロームの治療においても有用である。1つの広く使用されている定義によれば、メタボリックシンドローム患者は、(1)腹部肥満、(2)高グリセリド血症、(3)低い高密度リポタンパク質コレステロール(HDL)、(4)高い血圧、(5)患者が糖尿病でもあるならば2型糖尿病の特徴の範囲であり得る高い空腹時グルコースの5つの症状から選択される3つ以上の症状を有するとして特徴づけられている。これらの症状の各々は、最近発表されたThird Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection,Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel III、すなわちATP III),National Institutes of Health,2001,N1H Publication No.01−3670において臨床的に定義されている。メタボリックシンドローム患者では、アテローム性動脈硬化症や冠動脈心疾患を含めた上にリストした大血管及び小血管合併症を発症するリスクが高い。上記した組合せは1つ以上のメタボリックシンドロームの症状(例えば、2つの症状、3つの症状、4つの症状、または5つすべての症状)を同時に改善させ得る。
【0073】
CETPアッセイ
CETP阻害剤である化合物を同定すべくICS0を測定するためのインビトロ連続アッセイは、コレステリルエステル脂質ドナーとしてBODIPY(登録商標)−CEを用いるEppsらが記載している方法の改変に基づいて実施した。Eppsら(1995),Method for measuring the activities of cholesteryl ester transfer protein(lipid transfer protein),Chem.Phys.Lipids,77,51−63を参照されたい。
【0074】
アッセイに使用した粒子は以下のソースから作成した:DOPC(ジオレイルホスファチジルコリン)、BODIPY(登録商標)−CE(Molecular Probes C−3927)、トリオレイン(トリグリセリド)及びアポHDLを含有する合成ドナーHDL粒子は本質的にEppsらが記載しているプローブ音波処理により作成したが、ただしバックグラウンド蛍光を減ずるために非拡散性クエンチャー分子であるダブシルジセチルアミドを添加した。ダブシルジセチルアミドは、ダブシルn−スクシンイミドをDMF中ジイソプロピルアミン触媒の存在下でジセチルアミンと95℃で一晩加熱することにより調製した。ヒト血液からの天然リポタンパク質はアクセプター粒子として使用した。1.063g/ml未満の密度を有する粒子を限外遠心により集めた。これらの粒子はVLDL、IDL及びLDLを含む。粒子濃度はBCAアッセイ(米国のPierce)で測定したタンパク質濃度に換算して表示した。粒子は使用するまで4℃で保存した。
【0075】
アッセイは、Dynex Microfluor 2 U底黒色96ウェルプレート(カタログ番号7205)において実施した。CETP、1×CETP緩衝液(50mM トリス(pH7.4),100mM NaCl,1mM EDTA)及び最終濃度の半分のアクセプター粒子を含有するアッセイカクテルを作成し、100μLのアッセイカクテルをプレートの各ウェルに添加した。DMSO中の試験化合物を3μLの容量で添加した。プレートをプレートシェーカーで混合した後、25℃で1時間インキュベートした。ドナー粒子、残りのアクセプター粒子及び1×CETP緩衝液を含有する第2アッセイカクテルを作成した。47μLの第2アッセイカクテルを反応ウェルに添加して、アッセイを開始した。アッセイは150μLの最終容量で25℃で実施した。化合物を試験するとき、材料の最終濃度は5ng/μL ドナー粒子、30ng/μL アクセプター粒子(各々タンパク質含量で表示)、1×CETP緩衝液、0.8nM 組換えヒトCETP(CHO細胞で発現させ、部分精製)、最高2% DMSOであった。アッセイを25℃で45分カイネティックランに設定した蛍光プレートリーダー(Molecular Devices Spectramax GeminiXS)を用いて実施し、サンプルをEx=480nm,Em=511nm,495nmでのカットオフフィルター、フォトマルチプライヤー管の中の設定、カレブレーション・オン及び6読み/ウェルで45秒毎に測定した。
【0076】
データを、しばしば0から500または1000秒の曲線の偽線形部分について1秒あたりの相対蛍光単位で表した初期速度を得ることにより評価した。非阻害(DMSOのみ)ポジティブコントロールに対する阻害剤を含むサンプルの割合を比較すると、阻害率が得られた。阻害%対S字4パラメーター式にフィットさせた阻害剤濃度のlogのプロットを使用して、IC50を算出した。
【実施例】
【0077】
以下のスキーム及び実施例は、本発明がより十分に認識し、理解されるように提示されている。出発物質は公知の手順を用いるかまたは以下に示すように製造される。
【0078】
実施例は本発明を限定するものと決して解釈されるべきでない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ規定される。本発明化合物は、上記したアッセイを用いて測定して50μM以下のIC50値を有している。本発明化合物は、好ましくは5nMから15μMの範囲、より好ましくは5nMから5μMの範囲、更に好ましくは5nMから200nMの範囲、特に好ましくは5nMから100nMの範囲のIC50を有している。
【0079】
本発明化合物を製造するための幾つかの方法を以下のスキーム及び実施例に例示する。出発物質は公知の手順によりまたは例示されているように製造される。
【0080】
【化12】
【0081】
本発明で使用される中間体1−2、1−3及び1−4は購入しても、スキーム1に示すように製造してもよい。適切に置換されている2−ハロアニリン1−1(ここで、ハロゲンは好ましくはヨードまたはブロモである。)をDMF中高温でCuCNで処理すると、対応の2−シアノアニリン1−2が生ずる。または、ニトリルは、1−1をパラジウム(II)塩の存在下またはある銅またはニッケル複合体の存在下でKCN及びCuIで処理することにより製造され得る(Smith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.867(2001)及びここに引用されている参考文献参照)。ヨウ化物1−3は、1−2をジヨードメタン中で亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル等で処理することにより製造される(例えば、Smithら,J.Org.Chem.,55,2543(1990)及びここに引用されている参考文献参照)。或いは、ヨウ化物は、まず亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸ナトリウム、硝酸等を用いてジアゾニウムを形成した後、ヨウ化物塩(例えば、ヨウ化銅、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等)の存在下で加熱することにより製造され得る。イソプロパノール及び水中で水酸化カリウムを用いてヨード−ニトリル1−3を加水分解すると、ヨード酸1−4が生ずる。更に、エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等中ボラン、水素化アルミニウムリチウム、ホウ水素化リチウム等を用いて還元すると、2−ヨードアルコール1−5が生ずる。中間体1−5は、溶媒(例えば、ジクロロメタン等)中反応物質(例えば、トリフェニルホスフィン及び四臭化炭素)を用いて臭化ベンジル1−6に変換され得る(Smith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.518−199(2001)及びここに引用されている参考文献参照)。
【0082】
【化13】
【0083】
本発明で使用される中間体2−2はスキーム2に示すように製造され得る。ベンジルアルコール1−5は購入しても、またはスキーム1に概説されている手順に従って製造してもよい。中間体2−1は、1−5をパラジウム触媒の存在下で適切に置換されているアリールボロン酸またはアリールボロネートエステルとカップリングさせるスズキ反応により製造され得る。カップリング反応は、還流下水性アセトン中酢酸Pd(II)及び炭酸カリウムを用いて実施され得る。或いは、反応は、エタノール/トルエン混合物中炭酸ナトリウムの存在下でテトラヒス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを用い得る。或いは、当業者が実施しているように、反応は各種溶媒中、各種リガンド、塩基、プロモーターの存在下で各種パラジウム(0)化合物及びパラジウム(II)塩を用い得る。通常、この反応は加熱及び/またはマイクロ波照射しながら実施されるが、これに限定されない。幾つかの適当な反応条件はMiyauaら,Chem.Rev.,95,2457(1995)及びここに引用されている参考文献、並びにSmith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.868−869(2001)及びここに引用されている参考文献に見つけられ得る。化合物2−2は中間体2−1からスキーム1に記載されているように製造される。
【0084】
【化14】
【0085】
本発明化合物はスキーム3に示すように製造され得る。ベンゾイルアセトニトリル誘導体3−2は、3−1を溶媒(例えば、エタノール、メタノール等)中塩基(例えば、ナトリウムエトキシド)の存在下でヨウ化メチルで処理することにより製造され得る。3−2の還元は、ルイス酸(例えば、四塩化チタン、塩化セリウム等)の存在下で適当な還元剤(例えば、ボラン−ピリジン複合体またはホウ水素化リチウム)で処理するか、またはSmith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.1191−1203(2001)及びここに引用されている参考文献に記載されている方法に従って選択的に実施され得る。ニトリル3−3及び3−4の更なる還元は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等)中還元剤(例えば、ボラン、水素化アルミニウムリウチム等)を用いて実施され得る。アミン3−5及び3−6は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ジクロロメタン等)中トリエチルアミン等の存在下で反応物質(例えば、1,1−カルボニルジイミダゾールまたはトリホスゲン)を用いて1,3−オキサジナン−2−オンに環化され得る。
【0086】
【化15】
【0087】
本発明化合物はスキーム4に示すように製造され得る。アセトフェノン誘導体4−1は、溶媒(例えば、THF等)中でキラル還元剤(例えば、(−)−クロロジイソピンカンフェニルボラン)を用いて、またはSmith,M.B.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.510−511(2001)に記載されている方法に従って選択的に還元され得る。アミド4−3は溶媒(例えば、アセトニトリル)中反応物質(例えば、ヨードフェニルジアセテート等)で処理することにより1,3−オキサジナン−2−オンに環化され得る。
【0088】
【化16】
【0089】
本発明化合物はスキーム5に従って製造され得る。3−アミノ酪酸誘導体5−1は、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で標準カップリング条件下で反応物質(例えば、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン、クロロギ酸イソブチル、N−メチルモルホリン)を用いて、、またはSmith,M.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.508−509(2001)及びここに引用されている参考文献に記載されている方法に従ってワインレブアミド5−2に変換され得る。アセトフェノン誘導体5−3の選択的還元は、アルコール5−4を生ずるように還元剤(例えば、ホウ水素化ナトリウム等)を用いて実施され得る。アルコール5−4は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン等)の存在下で弱有機塩基(例えば、水素化ナトリウム)で処理することにより対応の4−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンに環化され得る。
【0090】
【化17】
【0091】
本発明化合物はスキーム6に示すように製造され得る。2−ハロベンジルブロミド2−2(ここで、ハロは好ましくはヨードまたはブロモである。)は購入しても、またはスキーム1及び2に記載されているように製造してもよい。2−2をテトラヒドロフラン、DMF等中塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド等)の存在下で適切に置換されている1,3−オキサジナン−2−オン(例えば、5−5)で処理すると、ビアリール1,3−オキサジナン−2−オンが得られる。
【0092】
【化18】
【0093】
ヘテロ環式ビアリールアミン7−5はスキーム7に示すように製造され得る。適切に置換されているアミノピリジン7−1は、亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸等を用いてジアゾニウムを形成した後、濃HClで処理することにより対応のクロロピリジン7−2に変換され得る。その後の7−2の臭素化は溶媒(例えば、四塩化炭素等)中N−ブロモスクシンイミド及び過酸化ベンゾイルを用いて実施され、臭化ベンジル7−3が得られる。ベンジルハロゲン化の他の方法は、Smith,M.and March,J.,“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,ニューヨークに所在のJohn Wiley and Sons,p.508−509(2001)及びここに引用されている参考文献に見つけることができる。ヘテロ環式1,3−オキサジナン−2−オン7−4の変換は、7−3をテトラヒドロフラン、DMF等中塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド等)の存在下で適切に置換されている1,3−オキサジナン−2−オン(例えば、5−5)を用いて処理することにより実施され得る。その後、スキーム2に上記されているスズキ反応にかけると、7−5が得られる。
【0094】
中間体1
【0095】
【化19】
【0096】
3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液;14mg,0.34ミリモル)をTHF(2mL)中に含む懸濁液を撹拌し、冷却(0℃)し、これを窒素雰囲気下で6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(24mg,0.137ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液で1滴ずつ処理した。反応物を0℃で20分間撹拌し、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(中間体11;50mg,0.137ミリモル)を添加した。反応物を室温まで加温し、更に3時間撹拌した。飽和NH4Cl(1mL)を添加し、生じた混合物をH2O(20mL)とEtOAC(20mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×20mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(40mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮して、3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色油状物として得た。LCMS=462.0(M+1)+。
【0097】
中間体2
【0098】
【化20】
【0099】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;105mg,2.53ミリモル)をTHF(10mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で撹拌し、ここに(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体20;68mg,0.21ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。生じた混合物を0℃で20分間撹拌した後、3−ブロモ−2−ブロモメチル−6−クロロピリジン(59mg,0.21ミリモル)をTHF(1mL)中溶液として添加した。反応物を室温まで加温した後、14時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、H2O(25mL)とEtOAC(35mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×35mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン――2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明油状物として得た。LCMS=625.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.94−7.90(brs,2H),7.83(s,1H),7.80(d,J=8.2Hz,1H),7.19(d,J=8.2Hz,1H),5.64(m,1H),5.36(d,J=17.6Hz,1H),4.46(d,J=17.6Hz,1H),3.84(m,1H),2.44(m,1H),2.14(m,1H),1.34(d,J=6.2Hz,3H)。
【0100】
中間体3
【0101】
【化21】
【0102】
5−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
ステップA:2−フェニルプロパン−1,3−ジオール
水素化アルミニウムリチウム(1.61g,0.021モル)を無水エーテル(80mL)中に含む懸濁液を冷却(0℃)し、これを窒素雰囲気下でジエチルマロネート(5g,0.021モル)で1滴ずつ処理した。混合物を室温まで加温し、10時間撹拌し、更に2時間還流した。反応物を20% 水性NaOH(5mL)でクエンチし、無機物質を濾過により除去し、有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。シリカゲルを用い、EtOAc:ヘキサン=50:50を溶離液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけた後、標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.41−7.21(m,5H),4.05(dd,J=7.5,3.2Hz,2H),3.97(dd,J=5.8,5.2Hz,1H),3.12(m,1H)。
【0103】
ステップB:3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロパノール−1−オール
水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液;290mg,7.24ミリモル)をTHF(5mL)中に含む懸濁液を撹拌し、冷却し(0℃)、これを窒素雰囲気下で2−フェニルプロパン−1,3−ジオール(1.10g,7.24ミリモル)をTHF(5mL)中に含む溶液で1滴ずつ処理した。反応物を0℃で20分間撹拌し、tert−ブチルジメチルシリルクロリドをTHF中に含む溶液(10mL)を氷冷しながら添加した。反応物を室温まで加温し、更に18時間撹拌した。飽和NH4Cl(5mL)を添加し、生じた混合物をH2O(80mL)とEtOAC(120mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×50mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をEtOAc:ヘキサン=30:70を溶離液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロパノール−1−オールを無色油状物として得た。LCMS=267.3(M+)+。
【0104】
ステップC:2−(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロパノール−1−オール(1.91g,7.15ミリモル)、フタルイミド(1.16g,7.87ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(2.06g,7.87ミリモル)をTΗF(25mL)中に含む溶液を氷冷し、撹拌し、ここにアゾジカルボン酸ジエチル(1.37g,7.87ミリモル)をTΗF(5mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、更に18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗な生成物をEtOAc:ヘキサン=30:70を溶離液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物として得た。LCMS=396.3(M+1)+。1Η NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.80(d,J=3.0Hz,1H),7.79(d,J=3.2Hz,1H),7.69(d,J=3.0Hz,1H),7.67(d,J=3.0Hz,1H),7.28(s,2H),7.24(s,2H),7.20(m,1H),4. (m,2H),3.86(m,2H),3.45(m,1H),0.89(s,9H),−0.05(s,6H)。
【0105】
ステップD:3−アミノ−2−フェニルプロパン−1−オール
2−(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(0.900g,2.28ミリモル)をEtOH(10mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、これをヒドラジン水和物(1.41mL,3.42ミリモル)で処理し、生じた溶液を室温まで加温し、18時間撹拌した。5N 水性HClをEtOH中に含む溶液(25mL)を添加し、生じた二相混合物を3時間撹拌した。混合物をpH=9に達するまで飽和NaHCO3で処理した後、EtOAC(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して、標記化合物を白色固体として得た。LCMS=152.2(M+1)+。
【0106】
ステップE:5−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
3−アミノ−2−フェニルプロパン−1−オール(245mg,1.62ミリモル)をCH2Cl2(10mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、これを窒素雰囲気下でジイソプロピルエチルアミン(1.65mL,9.72ミリモル)及びトリホスゲン(241mg,0.81ミリモル)で処理した。反応物を0℃で更に2時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3(2mL)でクエンチした後、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して、標記化合物を無色油状物として得た。LCMS=178.2(M+1)+。
【0107】
中間体4
【0108】
【化22】
【0109】
2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン
ステップA:2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)プロパン−2−オール
2−フルオロ−4−メトキシアセトフェノン(4.45g,26.5ミリモル)をTHF(50mL)中に含む溶液に0℃で2.4M MeMgBrの溶液(11.6mL,27.8ミリモル)を添加した。混合物を0℃で、次いで室温で4時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。有機層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。EtOAc:ヘキサン=2:8を溶離液として用いるフラッシュカラムにかけた後、標記化合物を油状物として得た。
【0110】
ステップB:2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン
ステップAからの2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)プロパン−2−オール(3.89g,21.14ミリモル)をジクロロメタン(50mL)中に含む溶液に0℃でMsCl(1.95mL,25.4ミリモル)及びトリエチルアミン(6.52mL,46.5ミリモル)を添加した。溶液を0℃で、次いで室温で2時間撹拌した。溶液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。EtOAcヘキサン=1:9を溶離液として用いるフラッシュカラムにかけた後、標記化合物を油状物として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.25(t,J=9.0Hz,1H),6.68(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),6.63(dd,J=13,2.5Hz,1H),5.20(d,J=17.0Hz,2H),3.82(s,3H),2.18(s,3H)。
【0111】
中間体5
【0112】
【化23】
【0113】
1−フルオロ−4−ヨード−2−イソプロピル−5−メトキシベンゼン
2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン(中間体4;1.96g,11.81ミリモル)をMeOH(30mL)中に含む溶液に1気圧の水素及び触媒量のPd/Cを装入した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過した。次いで、硫酸銀(3.68g,11.81ミリモル)及びヨウ素(3.00g,11.81ミリモル)をMeOH(10mL)中に含む混合物に濾液を添加した。溶液の色が明黄色になるまで混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。シリカゲルを用い、EtOAc:ヘキサン=5:95を溶離液として用いるフラッシュカラムにかけた後、標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.61(d,J=8.0Hz,1H),6.56(d,J=12.5Hz,1H),3.90(s,3H),3.18(m,1H),1.28(m,6H)。
【0114】
中間体6
【0115】
【化24】
【0116】
(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸
1−フルオロ−4−ヨード−2−イソプロピル−5−メトキシベンゼン(中間体5;2.61g,8.88ミリモル)をTHF中に含む溶液に−78℃でn−BuLi(4.26mL,10.65ミリモル,2.5M)を1滴ずつ添加した。溶液を−78℃で30分間撹拌した。ホウ酸トリメチル(2.98mL,26.6ミリモル)を添加した。次いで、溶液を−78℃で3時間撹拌した。反応物を−78℃で飽和塩化アンモニウムでクエンチし、混合物を室温まで加温した。有機層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。標記化合物を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.74(d,J=10.0Hz,1H),6.62(d,J=12.5Hz,1H),5.65(br s,2H),3.92(s,3H),3.20(m,1H),1.22(m,6H)。
【0117】
中間体7
【0118】
【化25】
【0119】
2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
2Lフラスコに4−アミノ−3−ヨードベンゾトリフロリド(100g,0.348モル)、CuCN(40g)及びDMF(750mL)を充填した。混合物を還流まで加熱した後、1時間還流下で維持した。反応物を冷却し、濃水酸化アンモニウム(300mL)を含有する水(3L)中に注いだ。混合物にCH2Cl2(1L)を添加した。次いで、混合物をセライトを介して濾過した。層を分離し、水性層をCH2Cl2で逆抽出した。有機抽出物を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をエーテル(1.5L)中に溶解し、生じた溶液を1N 水酸化アンモニウム、水性亜硫酸水素ナトリウム、1N 水性HCl及びブラインで洗浄した。溶液を無水MgSO4で乾燥し、上部にMgSO4の層を含むシリカゲルプラグを介して濾過した。プラグをエーテル(0.5L)で洗浄した。エーテル溶液を合わせ、750mLまで濃縮し、室温で放置した。2日後、生じた固体を集め、ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.68(s,1H),7.58(d,J=8.5Hz,1H),6.81(d,J=8.5Hz,1H),4.80(br s,2H)。
【0120】
中間体8
【0121】
【化26】
【0122】
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(中間体7;15.1g)及びジヨードメタン(24mL)をアセトニトリル(150mL)中に含む溶液に35℃で亜硝酸t−ブチル(21mL)を1滴ずつ添加した。反応物は添加中約35℃に維持した。反応物を30分間エージングした後、60℃に30分間加熱した。反応混合物を冷却し、エーテルで希釈し、水で2回、水性亜硫酸水素ナトリウムで2回、水、ブラインで順次洗浄した。溶液を無水MgSO4で乾燥し、シリカゲルプラグを介して濾過した後、濃縮すると、赤色油状物が生じた。生成物をヘキサン、3:1 ヘキサン/CH2Cl2及び1:1 ヘキサン/CH2Cl2で順次溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.10(d,J=8.5Hz,1H),7.85(d,J=1.8Hz,1H),7.52(dd,J=8.5,1.8Hz,1H)。
【0123】
中間体9
【0124】
【化27】
【0125】
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(中間体8;4g,0.0135モル)を1:1 イソプロパノール:H2O溶液(60mL)中に含む溶液を撹拌し、ここに水酸化カリウム(3.78g,0.0673モル)を添加した。反応物を14時間還流加熱した後、H2O(50mL)とEtOAc(50mL)に分配した。水性層をEtOAc(50mL)で抽出し、6N HClでpH5に酸性化した。水性層を更にEtOAc(4×50mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸を黄色固体として得た。LCMS=317.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.27(d,J=1.6Hz,1H),8.25(d,J=8.2Hz,1H),7.47(dd,J=8.2,1.8Hz,1H)。
【0126】
中間体10
【0127】
【化28】
【0128】
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(中間体9;2.97g,9.4ミリモル)をTHF(300mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここにボラン−THF(THF中1.0M溶液;94mL,94ミリモル)を添加した。反応物を90分間還流加熱した後、更なるガスの発生がなくなるまで6N HClで注意深くクエンチした。反応物をH2O(250mL)で希釈し、EtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な物質をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノールを白色固体として得た。LCMS=285.0(M−17)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.97(d,J=8.3Hz,1H),7.79(s,1H),7.28(d,J=8.4Hz,1H),4.75(s,2H)。
【0129】
中間体11
【0130】
【化29】
【0131】
2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体10;1.13g,3.74ミリモル)をCH2Cl2(25mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここに四臭化炭素(1.86g,5.6ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(1.47g,5.6ミリモル)を順次添加した。反応物を室温で48時間撹拌した。第2量の四臭化炭素(1.2g,3.74ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(0.98g,3.74ミリモル)を添加し、反応物を更に14時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンを透明油状物として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.73(d,J=1.8Hz,1H),7.26(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),4.64(s,2H)。
【0132】
中間体12
【0133】
【化30】
【0134】
[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体11;3.09g,10.2ミリモル)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体6;4.34g,20.5ミリモル)、(Ph3P)4Pd(1.42g,1.23ミリモル)及びNa2CO3(9.11g,85.9ミリモル)をベンゼン/EtOH/H2O(7:1:3,250mL)中に含む混合物をN2下で24時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0から20% EtOAc)により精製して、[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノールを得た。Rf=0.50(ヘキサン中20% EtOAc)。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.86(s,1H),7.59(d,J=6.7Hz,1H),7.30(d,J=7.9Hz,1H),6.99(d,J=8.6Hz,1H),6.68(d,J=12.0Hz,1H),4.52(br s,1H),4.46(br s,1H),3.73(s,3H),3.25−3.17(m,1H),1.82(br s,1H),1.24(d,J=6.8Hz,6H)。
【0135】
中間体13
【0136】
【化31】
【0137】
2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル
四臭化炭素(3.93g,11.8ミリモル)及び[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール(中間体12;3.38g,9.87ミリモル)を乾燥CH2Cl2(56mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここにトリフェニルホスフィン(3.11g,11.8ミリモル)を乾燥CH2Cl2(7mL)中に含む溶液をカニューレにより添加した。反応物を室温まで加温した。2時間後、反応混合物を真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0から20% EtOAc勾配)により精製して、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニルを得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.83(s,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),7.35(d,J=8.0Hz,1H),7.15(d,J=8.6Hz,1H),6.72(d,J=12.0Hz,1H),4.43(br d,J=10.0Hz,1H),4.30(br d,J=10.2Hz,1H),3.76(s,3H),3.30−3.22(m,1H),1.29(d,J=6.9Hz,6H)。
【0138】
中間体14
【0139】
【化32】
【0140】
3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチル−3−オキソプロパンニトリル
ナトリウムエトキシド(0.127g,1.87ミリモル)をEtOH(5mL)中に含む溶液を3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイルアセトニトリル(0.500g,1.78ミリモル)で少しずつ5分間かけて処理した。反応物を30分間還流加熱した後、ヨウ化メチル(0.41mL,6.6ミリモル)を添加した。還流加熱を更に2時間継続した後、反応混合物を冷却し、真空中で濃縮した。残渣をH2O(10mL)とEtOAC(20mL)に分配し、水性相を分離し、EtOAC(2×20mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から20% EtOAc勾配)により精製して、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチル−3−オキソプロパンニトリルを得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.21(s,2H),8.10(s,1H),4.42(q,J=7.1Hz,1H),1.71(d,J=7.1Hz,6H)。
【0141】
中間体15
【0142】
【化33】
【0143】
syn3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル
3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチル−3−オキソプロパンニトリル(中間体14;309mg,1.05ミリモル)を撹拌し、冷却(−30℃)し、これをTiCl4(CH2Cl2中1M溶液;1.58mL,1.58ミリモル)で処理し、1時間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、CH2Cl2(210uL)中に溶解させたボラン(ピリジンとの8M複合体)を5分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を更に2時間撹拌し、1N HCl(2mL)でクエンチし、室温まで加温した。混合物をH2O(10mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1N HCl(3×15mL)、H2O(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から40% EtOAc勾配)により精製して、syn3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリルを得た。LCMS=298.3(M−17)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.91(s,3H),4.95(m,1H),3.11(m,1H),2.74(br d,J=4.1Hz,1H),1.24(d,J=5.9Hz,3H)。
【0144】
中間体16
【0145】
【化34】
【0146】
syn3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
syn3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(中間体15;140mg,0.47ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、ここにBH3をTHF中に含む溶液(THF中1.0M,1.08mL,1.08ミリモル)を1滴ずつ添加した。溶液を室温まで加温し、更に2時間撹拌した。1N HCl(約2mL)をゆっくり添加することにより反応物をクエンチした後、飽和NaHCO3で中和した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、syn3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オールを得た。LCMS=302.1(M+1)+。
【0147】
中間体17
【0148】
【化35】
【0149】
anti6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
syn3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(139mg,0.47ミリモル)及び1’,1’−カルボニルジイミダゾール(86mg,0.53ミリモル)を1:1 THF/C6H6(6mL)中に含む溶液を室温で16時間撹拌した。反応物を1N HCl(2mL)でクエンチした後、H2O(15mL)とCH2Cl2(30mL)に分配した。水性相を分離し、CH2Cl2(2×30mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から30% EtOAc勾配)により精製して、syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=328.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.82(s,1H),7.79(s,2H),5.60(s,1H),5.54(br s,1H),3.83(dd,J=4.8,4.6Hz,1H),3.28(dq,J=5.2,2.0Hz,1H),2.45(m,1H),0.94(d,J=6.9Hz,3H)。
【0150】
実施例18
【0151】
【化36】
【0152】
anti3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル
3−{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}−2−メチル−3−オキソプロパンニトリル(中間体14;371mg,1.26ミリモル)の撹拌し、冷却(−30℃)した溶液をCeCl3(466mg,1.89ミリモル)で処理し、1時間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、LiBH4(THF中2M溶液,0.95mL,1.89ミリモル)を1分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を更に2時間撹拌し、1N HCl(2mL)でクエンチし、室温まで加温した。混合物をH2O(10mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1N HCl(3×15mL)、H2O(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から40% EtOAc)により精製して、anti3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリルを得た。LCMS=298.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.85(s,3H),4.95(m,1H),3.04(m,1H),2.81(br d,J=4.1Hz,1H),1.38(d,J=7.1Hz,3H)。
【0153】
中間体19
【0154】
【化37】
【0155】
anti3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
anti3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(中間体18;170mg,0.57ミリモル)をTHF(2mL)中に含む溶液を冷却(0℃)し、ここにBH3をTHF中に含む溶液(THF中1.0M,1.32mL,1.32ミリモル)を1滴ずつ添加した。溶液を室温まで加温し、更に2時間撹拌した。1N HCl(約2mL)をゆっくり添加することにより反応物をクエンチした後、飽和NaHCO3で中和した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、anti3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オールを得た。LCMS=302.3(M+1)+。
【0156】
中間体20
【0157】
【化38】
【0158】
syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
anti3−アミノ−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(164mg,0.54ミリモル)及び1’,1’−カルボニルジイミダゾール(99mg,0.61ミリモル)を1:1 THF/C6H6(6mL)中に含む溶液を室温で16時間撹拌した。反応物を1N HCl(2mL)でクエンチした後、H2O(15mL)とCH2Cl2(30mL)に分配した。水性相を分離し、CH2Cl2(2×30mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から30% EtOAc勾配)により精製して、anti6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=328.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.82(s,1H),7.84(s,2H),5.61(br d,J=2.3Hz,1H),5.41(d,J=9.9Hz,1H),3.54(m,1H),3.26(m,1H),2.24(m,1H),0.94(d,J=6.7Hz,3H)。
【0159】
中間体21
【0160】
【化39】
【0161】
(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
ステップA:(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタン酸エチル
エチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−オキソブチレート(0.5g,2.14ミリモル)をTHF(5mL)中に含む溶液を撹拌し、ここに(−)−クロロジイソピノカンフェイルボラン(1.71g,5.34ミリモル)をTHF(1mL)中に含む溶液を添加した。生じた溶液を室温で4日間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、高真空下で1時間乾燥した。残渣を酢酸エチル(10mL)中に溶解し、ジエタノールアミン(470mL)を添加した。白色沈澱が形成し、生じた混合物を2時間撹拌した後、固体を濾別し、ペンタンで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から20% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタン酸エチルを透明油状物として得た。LCMS=219.3(M+1−18)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 6.99(s,2H),6.95(s,1H),4.72−4.69(m,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),2.45(t,J=7.3Hz,2H),2.34(s,6H),2.11−2.06(m,2H),1.29(t,J=7.2Hz,3H)。
【0162】
ステップB:(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタンアミド
アンモニアのメタノール溶液(2.0M,4.02mL,8.03ミリモル)を(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタン酸エチル(ステップA;474mg,2.01ミリモル)で処理し、生じた溶液を50℃で16時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から100% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタンアミドを白色固体として得た。LCMS=190.3(M+1−18)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.00(s,2H),6.94(s,1H),5.61(br s,1H),5.40(br s,1H),4.75(dd,J=7.6,2.8Hz,1H),2.43−2.39(m,2H),2.34(s,6H),2.12−2.07(m,2H)。
【0163】
ステップC:(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシブタンアミド(ステップB;204mg,0.99ミリモル)及びヨードベンゼンジアセテート(317mg,0.99ミリモル)をアセトニトリル(8mL)中に含む溶液を撹拌し、これを40℃で16時間加熱した。反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から100% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=206.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.01(s,2H),7.00(s,1H),5.73(s,1H),5.30(dd,J=9.8,2.8Hz,1H),3.50(dt,J=11,4.8Hz,1H),3.43−3.38(m,1H),2.35(s,6H),2.26−2.21(m,1H),2.14−2.06(m,1H)。
【0164】
中間体22
【0165】
【化40】
【0166】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
ステップA:3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−ブタン酸
(+/−)−3−アミノブタン酸(5g,48.5ミリモル)をH2O(30mL)中に含む懸濁液を撹拌し、冷却(0℃)し、ここにNaOHペレット(3.88g,97ミリモル)を少しずつ添加した。生じた混合物を15分間撹拌すると、透明溶液が生じた。クロロギ酸ベンジル(7.1mL,50ミリモル)をアセトン(30mL)中溶液として15分間かけて1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、3.5時間撹拌した。反応物をEtOAc(20mL)で2回洗浄した。水性層を分離し、6N HClでpH2に酸性化した。形成した沈澱を濾過により集め、H2Oで洗浄し、真空オーブンにおいて乾燥して、3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−ブタン酸を白色固体として得た。LCMS=238.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.34−7.30(m,5H),5.18(br s,1H),5.10(s,2H),4.15−4.10(m,1H),2.59(s,2H),1.27(d,J=6.9Hz,3H)。
【0167】
ステップB:ベンジル−{3−[メトキシ(メチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバメート
3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−ブタン酸(ステップA;9.0g,38ミリモル)をCH2Cl2(90mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここにN−メチルモルホリン(10.4mL,95ミリモル)及びクロロギ酸イソブチル(6.2 ml,47.5ミリモル)を添加した。生じた黄色溶液を0℃で5分間撹拌した後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.45g,45.6ミリモル)を5分間かけて少しずつ添加した。反応物を室温まで加温し、14時間撹拌した後、1N HCl(200mL)に注ぎ、CH2Cl2(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を1N HCl(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から50% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、ベンジル−{3−[メトキシ(メチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバメートを透明油状物として得た。LCMS=281.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHZ):δ 7.35−7.29(m,5H),5.61(br s,1H),5.09(s,2H),4.16−4.10(m,1H),3.66(s,3H),3.16(s,3H),2.77−2.72(m,1H),2.59−2.54(m,1H),1.27(d,J=6.6Hz,3H)。
【0168】
ステップC:{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバミン酸ベンジル
マグネシウム削り屑(1.55g,63.76ミリモル)をTHF(50mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下で撹拌し、ここに1,2−ジブロモエタン(135uL)を添加した。混合物を75℃に加熱し、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン(4.59mL,26.79ミリモル)をやさしい還流を維持するためにをゆっくり添加した。反応物を2.5時間やさしく還流加熱した後、室温まで冷却した。別のフラスコにおいて、ベンジル−{3−[メトキシ(メチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバメート(ステップB;5g,17.86ミリモル)をTHF(30mL)中に含む溶液を−20℃で撹拌し、ここにイソプロピルマグネシウムクロリド(18mL,36ミリモル)を1滴ずつ添加した。生じた溶液を−20℃で40分間撹拌した後、グリニャール溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、14時間撹拌した。反応物を1N HCl(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から10% アセトン/ヘキサン勾配)により精製して、{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバミン酸ベンジルを白色固体として得た。LCMS=434.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.39(s,2H),8.07(s,1H),7.37−7.29(m,5H),5.16−5.04(m,3H),4.31−4.23(m,1H),4.16−4.10(m,1H),3.19(dd,J=16.8,6.5Hz,1H),1.34(d,J=6.9Hz,3H)。
【0169】
ステップD:{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル
3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−3−オキソプロピル}カルバミン酸ベンジル(ステップC;1g,2.31ミリモル)を無水EtOH/THF(30mL/15mL)中に含む溶液をN2雰囲気下−78℃で撹拌し、ここにホウ水素化リチウム(THF中2.0M,2.31mL,4.62ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応物を−78℃で1時間撹拌した後、1時間かけて−30℃に加温した。反応物を−30℃で1N HCl(30mL)でクエンチし、室温まで加温し、1N HCl(50mL)とEtOAc(100mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×50mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、syn{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル及びanti{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジルを1:2.1比でそれぞれ白色固体及び透明油状物として得た。Syn{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル:LCMS=436.2(M+1)+;1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.82(s,2H),7.76(s,1H),7.39−7.33(m,5H),5.18−5.13(m,2H),4.78−4.74(m,2H),4.68(br s,1H),4.17−4.11(m,1H),1.82−1.75(m,1H),1.64−1.58(m,1H),1.26(d,J=6.8Hz,3H)。anti{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル:LCMS=436.2(M+1)+;1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.84(s,2H),7.78(s,1H),7.38−7.31(m,5H),5.13−5.04(m,2H),4.94−4.91(m,1H),4.81(br s,1H),3.96−3.90(m,1H),3.41(br s,1H),1.99−1.93(m,1H),1.87−1.82(m,1H),1.26(d,J=6.2Hz,3H)。
【0170】
ステップE:syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(24mg,0.61ミリモル)をTHF(4mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で撹拌し、ここにanti{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル}カルバミン酸ベンジル(ステップD;177mg,0.41ミリモル)をTHF(6mL)中に含む溶液を5分間かけて1滴ずつ添加した。反応物を室温で14時間撹拌した。反応物を1N HClでクエンチし、EtOAc(50mL)とH2O(25mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から75% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、syn6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=328.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.88(s,3H),5.54(s,1H),5.42(dd,J=12,1.9Hz,1H),3.87−3.82(m,1H),2.33−2.29(m,1H),1.77−1.70(m,1H),1.33(d,J=6.3Hz,3H)。この化合物をキラルHPLC(5% IPA/ヘプタン,ChiralPak IAカラム)を用いてそのエナンチオマーの(4R,6R)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン及び(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンに分離した。
【0171】
中間体23
【0172】
【化41】
【0173】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;5.6mg,0.139ミリモル)をTHF(0.5mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で撹拌し、ここに(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体22;50mg,0.153ミリモル)をTHF(1mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した後、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−トリフルオロメチル)ベンゼン(中間体11;50.7mg,0.139ミリモル)をTHF(0.5mL)中溶液として1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、14時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、EtOAc(25mL)とH2O(15mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明油状物として得た。LCMS=611.7(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.91(s,2H),7.89(s,1H),7.52(s,1H),7.29−7.26(m,1H),5.44(d,J=10.8Hz,1H),4.88(d,J=16.5Hz,1H),4.62(d,J=16.5Hz,1H),3.77−3.70(m,1H),2.45(dd,J=14.1,5.4Hz,1H),2.06−1.98(m,1H),1.22(d,J=6.2Hz,3H)。
【0174】
中間体24
【0175】
【化42】
【0176】
5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン
ステップA:6−ヨードインダン−5−アミン
5−アミノインダン(423mg,3.17ミリモル)、硫酸銀(990mg,3.17ミリモル)及びヨウ化物(805mg,3.17ミリモル)をメタノール(20mL)中に含む混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、固体を少量のメタノールで洗浄した。濾液を飽和Na2S2O3でクエンチした後、水で希釈した。水性層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)にかけて、6−ヨードインダン−5−アミン(354mg,43%)を得た。LCMS 計算値=258.99;実測値=260.0(M+1)+。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.51(s,1H),6.69(s,1H),3.97(br,s,2H),3.02−2.90(m,1H),2.81(d,J=7.1Hz,3H),2.12−2.02(m,2H)。
【0177】
ステップB:6−アミノインダン−5−カルボニトリル
6−ヨードインダン−5−アミン(135mg,0.52ミリモル)をDMF(2mL)中に含む溶液にシアン化銅(I)(93mg,1.04ミリモル)を添加した。混合物を160℃で1.5時間加熱した。反応混合物を10% NH4OHに注いだ。等量のジクロロメタンを添加し、生じた混合物を濾過した。濾液を2層に分配した。水性層をジクロロメタン(1×)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。残渣をエチルエーテル中に溶解させた。エーテル層を水性亜硫酸水素ナトリウムで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)により精製して、6−アミノインダン−5−カルボニトリル(48.5mg,59%)を得た。LCMS 計算値=158.08;実測値=159.1(M+1)+。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.22(s,1H),6.64(s,1H),4.25(br,s,2H),2.85(t,J=7.4Hz,2H),2.80(t,J=7.4Hz,2H),2.09−2.03(m,2H)。
【0178】
ステップC:6−ヨードインダン−5−カルボニトリル
6−アミノインダン−5−カルボニトリル(48.5mg,0.307ミリモル)、亜硝酸イソアミル(82μL,0.614ミリモル)及びヨウ化物(85.7mg,0.338ミリモル)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、混合物をN2下で80℃で2時間加熱した。反応混合物を飽和Na2S2O3でクエンチし、ジクロロメタンと水に分配した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン中1% EtOAc)により精製して、6−ヨードインダン−5−カルボニトリル(39.7mg,50%)を得た。LCMS 計算値=268.97;実測値=270.0(M+1)+。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.78(s,1H),7.48(s,1H),2.96(t,J=7.5Hz,2H),2.92(t,J=7.5Hz,2H),2.16−2.10(m,2H)。
【0179】
ステップD:6−ヨードインダン−5−カルボアルデヒド
6−ヨードインダン−5−カルボニトリル(36.5mg,0.136ミリモル)をジクロロメタン(1.0mL)中に含む溶液にN2下−78℃で1N DIBALHをトルエン中に含む溶液(272μL,0.272ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応物を−78℃で15分間撹拌した。温度を−78℃に保ちながら、出発物質がTLCにより消えるまで更にDIBALH(2×100μL)を添加した。反応混合物を2N HCl(45mL)に注ぎ、Et2Oで希釈した。混合物を0.5時間撹拌した。Et2O層を分離した。水性層をEt2O(2×)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)により精製して、6−ヨードインダン−5−カルボアルデヒド(27mg,73%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 10.08(s,1H),7.83(s,1H),7.79(s,1H),2.98(t,J=7.5Hz,2H),2.94(t,J=7.5Hz,2H),2.19−2.13(m,2H)。
【0180】
ステップE:(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メタノール
6−ヨードインダン−5−カルボアルデヒド(35.5mg,0.131ミリモル)を無水EtOH(3mL)中に含む溶液にN2下0℃でNaBH4(20mg,0.522ミリモル)を粉末として添加した。混合物を室温まで加温し、0.5時間撹拌した。混合物を水でクエンチした。水性層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン/EtOAc)により精製して、(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メタノール(36.3mg,100%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.70(s,1H),7.33(s,1H),4.68(d,J=6.3Hz,2H),2.92−2.88(m,4H),2.12−2.06(m,2H),1.96(t,J=6.4Hz,1H)。
【0181】
ステップF:5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン
(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メタノール(36mg,0.131ミリモル)及び四臭化炭素(52mg,0.158ミリモル)をジクロロメタン(1mL)中に含む溶液にN2下0℃でトリフェニルホスフィン(41mg,0.158ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温まで加温し、4時間撹拌した。混合物に0℃で更に四臭化炭素(52mg,0.158ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(41mg,0.158ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si,ヘキサン中1% EtOAc)により精製して、5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン(44.4mg,100%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.72(s,1H),7.36(s,1H),4.62(s,2H),2.89(m,4H),2.11−2.07(m,2H)。
【0182】
中間体25
【0183】
【化43】
【0184】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体22;104mg,0.318ミリモル)を中間体23について記載されているように水素化ナトリウム(油中60%;11.9mg,0.297ミリモル)及び5−(ブロモメチル)−6−ヨードインダン(中間体24;100mg,0.297ミリモル)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=583.8(M+1)+。1Η NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.90(s,2H),7.87(s,1H),7.72(s,1H),7.19(s,1H),5.43(dd,J=11.8,1.7Hz,1H),4.96(d,J=15.8Hz,1H),4.47(d,J=16Hz,1H),3.69−3.62(m,1H),2.90−2.86(m,4H),2.43−2.38(m,1H),2.12−2.05(m,2H),2.00−1.92(m,1H),1.25(d,J=6.2Hz,3H)。
【0185】
中間体26
【0186】
【化44】
【0187】
2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
ステップA:2−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール
2−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール(661.7mg,3.68ミリモル)(2−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オールは文献に記載されている。Helv.Chim.Acta,1971,54,p.868−897参照)をEtOH(40mL)中に含む溶液にAg2SO4(1.15g,3.68ミリモル)及びI2(934mg,3.68ミリモル)を順次添加した。反応物を室温で2時間撹拌した後、固体をセライトパッドを介して濾別した。濾液をから10mLに濃縮した後、EtOAc(50mL)で希釈した。有機溶液を水、水性NaHSO3及びブライン(15mLずつ)で洗浄した。次いで、有機層をヘキサン(50mL)で希釈し、シリカゲルの短プラグを介して(50/50 EtOAc/ヘキサン)を用いて濾過した。濾液を濃縮して、2−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オールを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.76(d,J=2.3Hz,1H),7.32(dd,J=8.7,2.3Hz,1H),6.79(d,J=8.7Hz,1H),3.87(s,3H),3.57(s,2H),1.30(s,6H)。
【0188】
ステップB:2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール
乾いたフラスコに2−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール(ステップA;180.0mg,0.584ミリモル)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)・CH2Cl2(47.7mg,0.0584ミリモル)、KOAc(115mg,1.17ミリモル)及びDMSO(8mL)を装入した。ビス(ピナコラト)ジボラン(185.6mg,0.731ミリモル)をTHF(340μL)中に溶解し、反応物に添加した。反応物をN2で脱ガスし、40℃に1時間、次いで60℃で1時間、次いで80℃で12時間加熱した。次いで、反応物を室温まで冷却し、EtOAc(75mL)で希釈し、水(3×25mL)及びブライン(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(5から100% EtOAc/ヘキサン)により精製して、2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オールを得た。Rf=0.25(40% EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(CDCl3,600MHz):δ 7.64(d,J=2.6Hz,1H),7.40(dd,J=8.6,2.7Hz,1H),6.83(d,J=8.7Hz,1H),3.82(s,3H),3.59(d,J=6.6Hz,2H),1.35(s,12H),1.32(s,6H)。
【0189】
中間体27
【0190】
【化45】
中間体28
【0191】
【化46】
【0192】
{1−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]シクロプロピル}メタノール
1−(4−メトキシフェニル)シクロプロパンカルボン酸(1.0g,5.20ミリモル)をTHF(50mL)中に含む溶液にBH3(7.8mLのTHF中1M溶液,7.8ミリモル)を添加した。反応物を室温で15時間撹拌した後、水(10mL)を1滴ずつ添加することにより注意深くクエンチした。溶液の容量をから20mLまで減量した後、混合物をEtOAc(75mL)で抽出した。有機層を水及びブライン(25mLずつ)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、[1−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)シクロプロピル]メタノールを得た。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.26−7.31(m,2H),6.84−6.88(m,2H),3.79(s,3H),3.62(s,2H),0.79−0.85(m,4H)。この物質を中間体26に記載されているように処理して、{1−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]シクロプロピル}メタノールを2ステップで得た。
【0193】
中間体29
【0194】
【化47】
【0195】
2−(ブロモメチル)−3−ヨードナフタレン
ステップA:(3−アミノ−2−ナフチル)メタノール
LiAlH4(95%,0.53g,13.4ミリモル)を乾燥THF(20mL)中に含む溶液をN2下0℃で撹拌し、ここに3−アミノ−2−ナフトエ酸(85%,1.17g,5.34ミリモル)を乾燥THF(20mL)中に含む溶液を30分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。水(20mL)を添加し、混合物のpHを1N NaOH(20mL)で塩基性に調節した。混合物を濾過し、Et2O(4×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空中で濃縮して、(3−アミノ−2−ナフチル)メタノール(0.88g,95%)を得た。LCMS 計算値=174.1;実測値=174.2(M+1)+。1H NMR(500MHz,CD3OD):δ 7.66(d,J=8.0Hz,1H),7.61(s,1H),7.55(d,J=8.2Hz,1H),7.30−7.27(m,1H),7.18−7.14(m,1H),7.08(s,1H),4.74(s,2H)。
【0196】
ステップB:(3−ヨード−2−ナフチル)メタノール
(3−アミノ−2−ナフチル)メタノール(500mg,2.89ミリモル)を水(3mL)、アセトン(3mL)及び濃HCl(1.6mL)中に含む溶液を0℃に冷却し、NaNO2(219mg,3.18ミリモル)を水(0.7mL)中に含む溶液を添加した。反応物を0℃で2時間撹拌し、KI(719mg,4.33ミリモル)及び濃H2SO4(0.16mL)を水(1.2mL)中に含む溶液を添加した。反応混合物を60℃で2から3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、50% 飽和Na2SO3(30mL)を添加した。混合物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをフラッシュクロマトグラフィー(Si,25×160mm,ヘキサン中0から40% EtOAc勾配)により精製して、(3−ヨード−2−ナフチル)メタノール(423mg,52%)を得た。Rf=0.47(20% EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(600MHz,CD3OD):δ 8.35(s,1H),7.91(s,1H),7.81(d,J=8.0Hz,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.47−7.42(m,2H),4.69(s,2H)。
【0197】
ステップC:2−(ブロモメチル)−3−ヨードナフタレン
四臭化炭素(592mg,1.79ミリモル)及び(3−ヨード−2−ナフチル)メタノール(423mg,1.49ミリモル)を乾燥CH2Cl2(11mL)中に含む溶液をN2下室温で撹拌し、ここにトリフェニルホスフィン(469mg,1.79ミリモル)を乾燥CH2Cl2(2mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温で4時間撹拌し、真空中で濃縮すると、粗な生成物が生じた。これをフラッシュクロマトグラフィー(Si,25×160mm,ヘキサン中0から50% EtOAc勾配)により精製して、2−(ブロモメチル)−3−ヨードナフタレン(469mg,91%)を無色固体として得た。Rr=0.84(20% EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(600MHz,CDCl3):δ 8.39(s,1H),7.94(s,1H),7.78−7.76(m,1H),7.71−7.69(m,1H),7.52−7.48(m,2H),4.76(s,2H)。
【0198】
中間体30
【0199】
【化48】
【0200】
2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
ステップ1:4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
4−ブロモ−3−メチル安息香酸メチル(92g,0.402モル)、(4−メトキシフェニル)ボロン酸(61.1g,0.402モル)、Na2CO3(85.2g,0.804モル)及びPdCl2(PPh3)2(1410mg,2.01ミリモル)にEtOH(1.23L)及び水(0.61L)を添加した。次いで、反応物を80℃に1時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、水(550ml)を添加し、混合物を1時間放置した。生じた固体を濾過し、EtOHとH2Oの溶液(1:1,750mL)で洗浄した。固体を乳鉢及び乳棒を用いて粉砕した後、H2O(250mL)中に室温で1時間スラリー化した後、濾過し、水(2×125mL)で洗浄し、乾燥して、4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.95(s,1H),7.89(d,J=7.9Hz,1H),7.29(d,J=7.9Hz,1H),7.27(d,J=8.7Hz,2H),6.98(d,J=8.7Hz,2H),3.94(s,3H),3.87(s,3H),2.33(s,3H)。
【0201】
ステップ2:3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(71.5g,0.279モル)をアセトニトリル(1.43L)及び水(572mL)中に含む溶液にオキソン(180.1g,0.293モル)を添加した。次いで、KBr(38.2g,0.321モル)を水(143mL)中に含む溶液を30分間かけてゆっくり添加しした。反応物を2.5時間撹拌した後、水(715mL)を添加し、混合物を1時間放置した。固体を濾過し、MeCN/水の溶液(1:1,350mL×2)、水(700mL×2、次いで350mL)で洗浄し、乾燥して、3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.94(s,1H),7.89(d,J=8.1Hz,1H),7.53(d,J=2.2Hz,1H),7.3−7.2(m,2H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),3.96(s,3H),3.94(s,3H),2.32(s,3H)。
【0202】
ステップ3:2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(80.0g,0.239モル)、ピナコールボラン(72.8g,0.287モル)、Pd(dba)2(4120mg,7.17ミリモル)、P(Cy)3(2140mg,7.65ミリモル)及びKOAc(70.3g,0.717モル)にジオキサン(1.2L)を添加した。反応物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。次いで、反応物を室温まで冷却し、濾過した。固体をEtOAc(800mL)中に溶解し、ブライン(2×400mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をTHF(300mL)中に溶解し、[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(47.1g,0.223モル)及び(t−Bu2P)2フェロセンPdCl2を添加した。K2CO3(83.7g,0.606モル)を水(214mL)中に含む溶液を添加し、混合物を45℃に加熱し、9時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、EtOAc(428mL)で希釈した後、水(428mL)及びブライン(428mL)で洗浄した。有機物質にチャーコール(Darco KB−100メッシュ)(21.5g)を添加し、混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、固体物質をEtOAc(428mL)で洗浄した。濾液を濃縮した後、MeOH(677mL)中に再溶解し、1時間放置した。この混合物に2時間かけて水(169mL)を添加した後、混合物を1時間放置した。生じた固体をMeOHと水の溶液(4:1,170mL)で3回洗浄し、乾燥して、2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。
【0203】
ステップ4:2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(1.500g,3.49ミリモル)をCH2Cl2(14mL)中に含む0℃溶液にCBr4(2.429g,7.33ミリモル)、次いでトリフェニルホスフィン(1.830g,6.98ミリモル)をCH2Cl2(15mL)中に含む溶液を順次添加した。溶液を室温まで加温し、12時間撹拌した。反応物を濃縮し、残渣をシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン)により精製して、2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’−3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。Rf=0.59(50% EtOAc/ヘキサン)。LCMS=494.8(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.95(s,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),7.80(s,1H),7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.40−7.33(m,3H),7.21(d,J=2.3Hz,1H),7.06(d,J=8.5Hz,1H),4.44−4.39(m,2H),3.93(s,3H),3.82(s,3H),2.37(s,3H)。
【0204】
実施例1
【0205】
【化49】
【0206】
3−{[5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体1;51mg,0.11ミリモル)、2−メトキシ−5−イソプロピルフェニルボロン酸(86mg,0.11ミリモル)、炭酸カリウム(76mg,0.55ミリモル)及び酢酸パラジウム(7.4mg,0.011ミリモル)をアセトン(5mL)及びH2O(1mL)中に含む混合物を脱ガスし、N2下で1時間還流加熱した。反応混合物を濃縮し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から20% EtOAc勾配)により精製して、3−{[5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色固体として得た。LCMS=484.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.69(br d,J=3.5Hz,1H),7.62(br d,J=8.0Hz,1H),7.41−7.30(m,5H),7.28(d,J=2.5Hz,1H),7.26(d,J=2.5Hz,1H),7.02(d,J=2.3Hz,1H),6.92(d,J=8.5Hz,1H),5.24(dd,J=9.6,2.5Hz,1H),4.68(d,J=3.2Hz,1H),4.59(d,J=15.5Hz,1H),3.81(s,3H),3.18−3.04(m,1H),3.04−2.88(m,2H),2.11(m,1H),2.02(m,1H),1.12(d,J=7.1Hz,6H)。ラセミ物質を15% IPA/ヘプタン及びADカラムを用いるキラルHPLCにより分離した。
【0207】
実施例1A
以下の化合物を実施例1に記載されている一般的手順に従って製造した。LC/MS(M+1)=462.0。
【0208】
【化50】
実施例2
【0209】
【化51】
【0210】
syn−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;18mg,0.45ミリモル)をTHF(6mL)中に含む懸濁液をN2雰囲気下0℃で攪拌し、ここにsyn−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体20;97mg,0.30ミリモル)を少しずつ添加した。生じた溶液0℃で20分間攪拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体13;122mg,0.30ミリモル)をTHF(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温まで加温し、14時間攪拌した。反応物をH2Oでクエンチし、H2O(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、syn−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−5−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=652.4(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の1:1混合物):δ 7.85(s,1H),7.83(s,1H),7.79(s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.01−6.97(m,1H),5.50(br s,0.5H),5.37(br s,0.5H),4.76(d,J=15.6Hz,0.5H),4.59(d,J=15.6Hz,1H),4.51(d,J=15.8Hz,1H),4.44(d,J=15.5Hz),3.49(dd,J=11.8,4.9Hz,0.5H),3.41(dd,J=11.8,4.9Hz,0.5H),3.25(m,1H),2.87(d,J=11.6Hz,1H),2.74(d,J=11.6Hz),2.41−2.30(m,1H),1.22(m,6H),0.84(d,J=7.0Hz,1.5H),0.79(d,J=6.9Hz,1H)。ラセミ物質を3% IPA/ヘプタン及びADカラムを用いるキラルHPLCにより分離した。
【0211】
実施例3
以下の化合物を実施例2に記載されている方法を用いて製造した。LC/MS(M+1)=652.4。
【0212】
【化52】
実施例4
【0213】
【化53】
【0214】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体2;49mg,0.092ミリモル)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体6;21mg,0.101ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(6mg,0.0092ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(3mL,3mL)中に含む混合物をN2下で2時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から15% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色油状物として得た。LCMS=619.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.88(br s,2H),7.84(s,1H),7.68(brs,2H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),7.28(br s,1H),6.71(d,J=12.1Hz,1H),5.88(brs,1H),5.25(br d,J=16.7Hz,1H),4.21(br m,2H),3.95(br m,2H),3.81(s,3H),3.21(m,1H),2.39(m,2H),1.92(m,1H),2.11(3H,s),1.29(br d,9H)。
【0215】
実施例5
【0216】
【化54】
【0217】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(実施例4;16mg,0.026ミリモル)、イソプロペニルボロン酸(22mg,0.26ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(2mg,0.0026ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(1mL,1mL)中に含む混合物をN2下で2.5時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から5% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=625.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.85(br s,3H),7.51(m,2H),7.05(m,1H),6.71(d,J=11.9Hz,1H),5.98(br s,1H),5.35(br s,1H),5.31(br m,1H),4.32(br m,1H),3.79(s,3H),3.22(br m,1H),2.28(s,3H),1.89(m,2H),1.27(br m,9H)。
【0218】
実施例6
【0219】
【化55】
【0220】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロピルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(実施例5;8.0mg,0.011ミリモル)をEtOH(2mL)中に含む溶液に1気圧の水素、触媒量のPd/Cを充填した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過し、濃縮した。シリカゲルを用い、溶離液としてEtOAc:ヘキサン(10:90)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにかけた後、標記化合物の(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロピルピリジン−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=627.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.86(s,3H),7.68(brs,1H),7.18(brs,1H),7.14(br m,1H),6.71(d,J=11.9Hz,1H),5.31−5.27(m,2H),4.31−4.24(m,2H),3.80(s,3H),2.21(m,1H),1.82(m,1H),1.26(br s,3H),1.21(br m,12H)。
【0221】
実施例7
【0222】
【化56】
【0223】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−クロロ−3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体2;32mg,0.06ミリモル)、2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(中間体x;18mg,0.06ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(4mg,0.006ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(3mL,3mL)中に含む混合物をN2下で2時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から15% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−クロロ−3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色油状物として得た。LCMS=631.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロ異性体の1:1混合物):δ 7.87(br s,2H),7.82(s,1H),7.58(brs,1H),7.44(br d,J=6.8Hz,1H),7.32(brs,1H),7.24(brs,1H),7.02(d,J=8.7Hz,1H),5.62−5.41(br m,0.5H),5.26−5.20(brm,0.5H),5.16−5.11(brm,1H),4.34(brm,3H),3.80(s,3H),3.62−3.44(brm,3H),1.34(brs,3H),1.22(brm,6H)。
【0224】
実施例10
【0225】
【化57】
【0226】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]−6−イソプロペニルピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−クロロ−3−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(実施例10;8mg,0.013ミリモル)、イソプロペニルボロン酸(12mg,0.14ミリモル)及び1,1−ビス(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(1mg,0.0013ミリモル)を水性炭酸カリウム/THF(1mL,1mL)中に含む混合物をN2下で2.5時間還流加熱した。室温まで冷却した後、水性相を分離し、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空中で濃縮して、粗な生成物を得た。これをシリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0から15% EtOAc勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LCMS=637.2(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロ異性体の1:1混合物):δ 7.87(br s,2H),7.81(s,1H),7.60(brs,1H),7.44(br d,J=6.8Hz,1H),7.35(brs,1H),7.21(brs,1H),7.01(d,J=8.7Hz,1H),5.16−5.11(brm,1H),4.31(brm,3H),3.76(s,3H),3.61−3.46(brm,3H),1.34(brs,3H),1.32(brm,6H),1.20(br s,6H)。
【0227】
実施例11
【0228】
【化58】
【0229】
(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−2−オン
水素化ナトリウム(油中60%;7.4mg,0.185ミリモル)をTHF(1.5mL)中に含む懸濁液をN2下、0℃で撹拌し、ここに(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体21;30mg,0.148ミリモル)をTHF(2mL)中溶液を1滴ずつ添加した。反応物を0℃で20分間撹拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体13;50mg,0.123ミリモル)をTHF(1.5mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温まで加温し、72時間撹拌した後、H2Oでクエンチし、EtOAc(25mL)とH2O(10mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をまずフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から25% EtOAc/ヘキサン勾配)、次いでキラルHPLC(Chiralpak ADカラム;15% IPA/ヘプタン)により精製して、(6S)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−3−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−2−オンを透明油状物として得た。LCMS=530.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.61(d,J=8Hz,1H),7.34(d,J=8Hz,1H),7.01−6.96(m,4H),6.70(d,J=12.1Hz,1H),5.23−5.13(m,1H),4.66−4.49(m,2H),3.78(s,3H),3.26−3.20(m,1H),3.17−3.06(m,1H),3.01−2.93(m,1H),2.34(s,6H),2.18−2.13(m,1H),2.09−2.02(m,1H),1.29−1.24(m,6H)。
【0230】
実施例12
【0231】
【化59】
【0232】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[4’フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体13;61.7mg,0.152ミリモル)及び(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体22;41.5mg,0.127ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液をN2雰囲気下で攪拌し、ここにカリウムtert−ブトキシド(14.2mg,0.127ミリモル)を添加した。反応物を室温で1時間攪拌し、飽和NH4Clでクエンチした。反応物をEtOAc(15mL)と飽和NH4Cl(10mL)に分配した。水性層をEtOAc(4×25mL)で再抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[4’フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=652.3(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.87(s,2H),7.79(s,1H),7.65(s,1H),7.62−7.59(m,1H),7.36−7.32(m,1H),7.03(d,J=10.9Hz,1H),6.70(d,J=11.9Hz,1H),5.21(d,J=10.5Hz,1H),5.10(d,J=16.3Hz,1H),4.39(d,J=16Hz,1H),3.78(s,3H),3.45−3.37(m,1H),3.25−3.18(m,1H),2.32−2.22(m,1H),1.91−1.78(m,1H),1.27−1.21(m,6H),1.02(d,J=6.2Hz,3H)。
【0233】
表1中の化合物を実施例11から12に記載されている方法と同様の方法により製造した。
【0234】
【化60】
【0235】
【表1】
実施例36
【0236】
【化61】
【0237】
(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(6S)−6−(2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(エチル−4−(2−メチルフェニル)−4−オキソブチレートから中間体21に記載した手順と同様の手順により製造;20mg,0.10ミリモル)を実施例11に記載されているように水素化ナトリウム(油中60%;8.0mg,0.20ミリモル)及び2−(ブロモメチル)−2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体27;41mg,0.10ミリモル)で処理して、(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=502.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.78(s,1H),7.67−7.64(m,1H),7.48(d,J=8.1Hz,1H),7.45(s,1H),7.40−7.37(m,1H),7.28−7.24(m,3H),7.19−7.17(m,1H),7.11(dd,J=8,2.1Hz,1H),5.51(dd,J=9.9,2.8Hz,1H),4.69(d,J=15.8Hz,1H),4.45(d,J=15.8Hz,1H),3.31−3.21(m,1H),3.14−3.10(m,1H),2.98−2.93(m,1H),2.35(s,3H),2.20−2.15(m,1H),2.14−2.04(m,1H),1.29(d,J=6.9Hz,6H)。
【0238】
実施例37
【0239】
【化62】
【0240】
(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(6S)−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(エチル−4−(2−メトキシフェニル)−4−オキソブチレートから中間体21に記載した手順と同様の手順により製造;20mg,0.10ミリモル)を実施例11に記載されているように水素化ナトリウム(油中60%;8.0mg,0.20ミリモル)及び2−(ブロモメチル)−2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)−ビフェニル(中間体27;39mg,0.10ミリモル)で処理して、(6S)−3−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−6−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=518.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.76(s,1H),7.64(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=6.4Hz,1H),7.44(s,1H),7.37−7.35(m,1H),7.34−30(m,1H),7.26−7.24(m,1H),7.09(dd,J=7.8,2.3Hz,1H),7.06−7−7.00(m,1H),6.90(d,J=8.2Hz,1H),5.66(dd,J=8.7,3.0Hz,1H),4.71(d,J=15.8Hz,1H),4.39(d,J=15.8Hz,1H),3.85(s,3H),3.25−3.17(m,1H),3.09−3.04(m,1H),2.97−2.92(m,1H),2.31−2.25(m,1H),2.06−1.99(m,1H),1.28(d,J=7.1Hz,6H)。
【0241】
実施例38
【0242】
【化63】
【0243】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−tert−ブチル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体23;25mg,0.041ミリモル)、(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(11.1mg,0.053ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(2.7mg,0.0041ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTHF(1.2mL)を密封管において合わせ、80℃で1.5時間加熱した。反応物をH2O(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から30% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−tert−ブチル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=648.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.86−7.83(m,2H),7.78(s,1H),7.68(s,1H),7.63−7.59(m,1H),7.44−7.36(m,2H),7.18(dd,J=6.7,2.4Hz,1H),6.94(d,J=8.7Hz,1H),5.20(d,J=16Hz,1H),5.16(d,J=11.2Hz,1H),4.38(d,J=15.8Hz,1H),3.80(s,3H),3.41−3.34(m,1H),2.29−2.24(m,1H),1.88−1.81(m,1H),1.32(s,9H),1.02(d,J=6.2Hz,3H)。
【0244】
実施例39
【0245】
【化64】
【0246】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体25;25mg,0.043ミリモル)を実施例38に記載されているように(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(11.6mg,0.056ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(2.8mg,0.0043ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTΗF(1.2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明ガラス状物として得た。LCMS=620.1(M+1)+。1Η NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.84−7.82(m,2H),7.75(s,1H),7.36(dd,J=8.5,2.6Hz,1H),7.31(s,1H),7.22(d,J=2.5Hz,1H),7.12(s,1H),6.91(d,J=8.7Hz,1H),5.22(d,J=15.4Hz,1H),5.13(d,J=10.3Hz,1H),4.22(d,J=15.5Hz,1H),3.81(s,3H),3.41−3.32(m,1H),2.99−2.93(m,4H),2.24−2.20(m,1H),2.16−2.11(m,2H),1.82−1.75(m,1H),1.31(s,9H),1.02(d,J=6.1Hz,3H)。
【0247】
実施例40
【0248】
【化65】
【0249】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体23;30mg,0.049ミリモル)を実施例38に記載されているように2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(中間体26;20mg,0.065ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(3.2mg,0.0049ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTHF(1.2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明ガラス状物として得た。LCMS=664.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.86−7.80(m,2H),7.76(s,1H),7.67−7.61(m,2H),7.41−7.37(m,2H),7.21(d,J=2.3Hz,1H),6.96(d,J=8.7Hz,1H),5.38(d,J=15.5Hz,1H),4.95(d,J=11Hz,1H),4.09(d,J=15.5Hz,1H),3.81(s,3H),3.65−3.63(m,1H),3.58−3.55(m,1H),3.41−3.35(m,1H),2.25−2.20(m,1H),1.80−1.72(m,1H),1.28−1.25(m,6H),1.07−1.03(m,3H)。
【0250】
実施例41
【0251】
【化66】
【0252】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体25;30mg,0.052ミリモル)を実施例38に記載されているように2−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オール(中間体26;20mg,0.067ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(3.4mg,0.0052ミリモル)、1N K2CO3(1.2mL)及びTHF(1.2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({6−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシフェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル}メチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを透明ガラス状物として得た。LCMS=636.1(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.84−7.79(m,2H),7.75(s,1H),7.33(dd,J=8.7,2.5Hz,1H),7.29(s,1H),7.23(d,J=2.3Hz,1H),7.13(s,1H),6.95−6.92(m,1H),5.41(d,J=15.3Hz,1H),4.93(d,J=10.5Hz,1H),3.93(d,J=15.4Hz,1H),3.81(s,3H),3.65−3.61(m,1H),3.57−3.54(m,1H),3.44−3.36(m,1H),2.99−2.94(m,4H),2.20−2.10(m,3H),1.76−1.64(m,1H),1.33−1.25(m,6H),1.05−1.02(m,3H)。
【0253】
実施例42
【0254】
【化67】
【0255】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(中間体23;28mg,0.046ミリモル)を実施例38に記載されているように{1−[4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]シクロプロピル}メタノール(中間体28;18mg,0.060ミリモル)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(3.0mg,0.0046ミリモル)、1N K2CO3(2mL)及びTHF(2mL)で処理して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[5’−[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを白色固体として得た。LCMS=662.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.86−7.82(m,2H),7.76(s,1H),7.66−7.61(m,2H),7.40−7.37(m,1H),7.27−7.24(m,2H),6.96−6.93(m,1H),5.40(d,J=15.6Hz,1H),4.91(d,J=10.5Hz,1H),4.11(d,J=15.6Hz,1H),3.91(s,3H),3.68−3.56(m,2H),3.39−3.32(m,1H),2.24−2.16(m,1H),1.80−1.64(m,1H),1.05(d,J=6.2Hz,3H),0.88−0.74(m,4H)。
【0256】
実施例43
以下の化合物を実施例11から12に記載されている方法と同様の方法により製造した。LC/MS(M+1)=633.9。
【0257】
【化68】
実施例44
【0258】
【化69】
【0259】
4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(31.6mg,0.15ミリモル)をDMF(1.5mL)中に含む溶液にt−BuOK(16.5mg,0.144ミリモル)を添加した。反応物を15分間攪拌した後、2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボンキシレート(75mg,0.152ミリモル)をDMF(1.5mL)中に含む溶液をカニューレを介して添加した。反応物を室温で1時間攪拌した後、飽和NH4Cl溶液(10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で希釈し、ブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10から50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。LCMS=619.8(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,回転異性体存在):δ 7.78−7.94(m,2H),7.68(s,1H),7.60(t,J=9.0Hz,1H),7.25−7.44(m,5H),6.79−7.15(m,4H),5.58(dd,J=9.2,2.5Hz),5.32(dd,J=9.2,2.5Hz),4.76(d,J=15.3Hz,1H),4.57(d,J=15.3Hz),4.48(d,J=15.6Hz),3.92(s,3H),3.86(s),3.84(s,),3.80(s),3.65(s),2.88−3.16(m,2H),2.35(s),2.32(s),1.85−2.20(m,2H)。
【0260】
同様にして、以下の化合物を合成した。
【0261】
【表2】
実施例46
【0262】
【化70】
【0263】
4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸
4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(55.4mg,0.0358ミリモル)をMeOH(1.5mL)中に含む溶液に4M KOH溶液(0.8mL)を添加した。反応物を室温で6時間攪拌した後、1N HCl(5mL)でクエンチし、EtOAc(15mL)で希釈した。水性層をEtOAc(10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(C−18,10から95% MeCN/水+0.1% TFA)により精製して、4’−メトキシ−2”−{[(6S)−6−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]メチル}−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸を得た。LCMS=606.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,回転異性体存在):δ 7.84−8.01(m,2H),7.60−7.67(m,2H),7.26−7.42(m,5H),6.79−7.16(m,4H),5.58(dd,J=9.3,2.7Hz),5.27(dd,J=9.4,2.6Hz),4.84(d,J=14.9Hz),4.77(d,J=15.6Hz),4.48−4.54(m,1H),3.87(s),3.85(s),3.81(s),3.64(s),2.86−3.20(m,2H),2.38(s),2.33(s),1.80−2.24(m,2H)。
【0264】
同様にして、以下の化合物を合成した。
【0265】
【表3】
実施例48
【0266】
【化71】
【0267】
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン
(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(6−ヨード−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(8mg,0.014ミリモル)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(4mg,0.018ミリモル)及び1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスティノ)フェロセンパラジウムジクロリド(1.0mg,0.0014ミリモル)を1:1 1N K2CO3/THF(1.4mL)中に含む混合物を3回脱ガスし、80℃で2時間加熱した。反応物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から30% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{[6−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オンを無色ガラス状物として得た。LCMS=623.8(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.84(s,2H),7.76(s,1H),7.29(s,1H),7.08−7.01(m,2H),6.66(d,J=5.0Hz,1H),5.22(d,J=15.8Hz,1H),4.68(d,J=10.5Hz,1H),4.21(d,J=15.8Hz,1H),3.78(s,3H),3.44−3.34(m,1H),3.24−3.16(m,1H),2.98−2.92(m,4H),2.27−2.22(m,1H),2.14−2.09(m,2H),1.86−1.78(m,1H),1.27−1.19(m,6H),1.03(d,J=6.1Hz,3H)。
【0268】
実施例49
【0269】
【化72】
【0270】
1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オン
4−フェニル−ピペリジン−2−オン(28.6mg,0.163ミリモル)を上記したように水素化ナトリウム(油中60%;14mg,0.359ミリモル)及び2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(63mg,0.156ミリモル)で処理して、1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オンを無色ガラス状物として得た。LCMS=499.9(M+1)+。1HNMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.57−7.53(m,2H),7.35−7.29(m,3H),7.27−7.22(m,1H),7.19−7.15(m,2H),6.96(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=12.1Hz,1H),4.74(d,J=15.3Hz,1H),4.39(d,J=15.1Hz,1H),3.75(s,3H),3.24−3.18(m,1H),3.12−2.96(m,3H),2.79−2.69(m,1H),2.59−2.48(m,1H),2.04−2.99(m,1H),1.88−1.80(m,1H),1.27−1.20(m,6H)。
【0271】
エナンチオマーをキラルHPLC(ChiralPak IAカラム,5% IPA/ヘプタン)を用いて分離して、(4S)−1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オン及び(4R)−1−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−4−フェニルピペリジン−2−オンを得た。
【0272】
実施例50
【0273】
【化73】
【0274】
2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸
ステップA:2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル
2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(78.5mg,0.159ミリモル)及び(4S,65)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1,3−オキサジナン−2−オン(43.4mg,0.133ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液を攪拌し、ここにカリウムtert−ブトキシド(14.9mg,0.133ミリモル)を添加した。反応物を室温で2時間攪拌し、飽和NH4Clでクエンチし、EtOAc(10mL)と飽和NH4Cl(10mL)に分配した。水性層をEtOAc(4×25mL)で抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0から100% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチルを無色ガラス状物として得た。LCMS=740.0(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体の混合物):δ 7.89−7.82(m,3H),7.71−7.66(m,2H),7.59(s,1H),7.43(d,J=8.5Hz,1H),7.41−7.38(m,1H),7.30(d,J=8Hz,1H),7.22(d,J=2.2Hz,1H),7.16(d,J=8Hz,1H),7.11−7.07(m,1H),5.38(d,J=15.6Hz,1H),4.65(d,J=11.5Hz,1H),4.32(d,J=15.8Hz,1H),3.93(s,3H),3.92(s,3H),3.30−3.25(m,1H),2.34(s,3H),2.17−2.12(m,1H),1.73−1.65(m,1H),1.08(d,J=6.2Hz,3)。
【0275】
ステップB:2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸
2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸メチル(ステップA;48mg,0.065ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む溶液を攪拌し、ここに4M KOH(800μL)を添加した。反応物を室温で4時間攪拌し、飽和クエン酸でクエンチし、EtOAc(25mL)と水(25mL)に分配した。水性層をEtOAc(3×25mL)で抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を2:1 ヘキサン:EtOAc+1% AcOHで溶離させる分取薄層クロマトグラフィーにより精製して、2”−({(4S,6S)−6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}メチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル−4−カルボン酸を白色固体として得た。LCMS=725.9(M+1)+。1H NMR(CDCl3,500MHz,アトロプ異性体):δ 7.97−7.94(m,1H),7.86−7.82(m,2H),7.78(d,J=8Hz,1H),7.68−7.66(m,1H),7.63−7.61(m,1H),7.45−7.39(m,2H),7.34(d,J=8Hz,1H),7.25−7.20(m,2H),7.12−7.09(m,1H),5.37(d,J=15.5Hz,1H),4.67(d,J=11.4Hz,1H),4.34(d,J=15.6Hz,1H),3.91(s,3H),3.32−3.26(m,1H),2.36(s,3H),2.19−2.13(m,1H),1.75−1.67(m,1H),1.09(d,J=6.1Hz,3H)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
式Iのフェニル環は場合により式Iの構造の他の部分に結合していない4位の1つに−(CH)=の代わりに−N=を有していてもよく;
Xは−O−、−(CR7R8)−及び−NR5から選択され;
Bは−{C(R3)(R4)}q(A2)であり、式Iのヘテロ環式環の−(CH2)−基の1つ上で置換されており;
A1は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基を含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A1は場合によりRbから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
A2は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基をも含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A2は場合によりRcから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
各Ra及びRcは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Ra及びRcがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキル(ここで、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキルは場合により1から7個のハロゲン及び1個の基−OHで置換されている。)から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
Ra及びRcが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが場合により連結して−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記した式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環は場合によりRaから独立して選択される1から2個の基で置換されており、ただし前記Ra基は結合して環を形成するように接続することはできず;
各Rbは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、フェニル、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Rbがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル、−C2−3アルケニル、−NR9R10、−OC1−3アルキル、−CO2H、−CN及び−CO2C1−3アルキルから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、前記した−C1−3アルキル及び−C2−3アルケニルはいずれの場合も場合により1から7個のハロゲン及び場合により1個の基−OHで置換されており、
Rbが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
Rbがフェニルの場合、前記フェニルは場合により1から5個のハロゲンで置換されており、場合により−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−4アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−4アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−4アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含み、場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基を含む5から6員ヘテロ環式環から独立して選択される1から3個の置換基で置換されており、
Rbがフェニルの場合フェニル上の置換基が−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキル、−NR9C(=O)OC1−4アルキル及び−S(O)xC1−4アルキルから選択される場合、前記した置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基は場合により1から5個のハロゲン置換基を含み、場合により−OH、−NR9R10、場合により1から3個のFで置換されている−OCH3、及び場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルから選択される1個の置換基をも含み;
nは0から4から選択される整数であり;
pは0から4から選択される整数であり;
qは0及び1から選択される整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
yは1及び2から選択される整数であり;
R1、R2、R3及びR4は各々独立してH、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル及び−NR9R10からなる群から選択され、ここで、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル及び−OC1−4アルキルは各々場合により1から9個のハロゲンで置換されており、各々場合により−OH、−C(=O)CH3、−OC(=O)CH3、−OC1−2アルキル及び−OC1−2アルキレンOC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の基でも置換されており;
R5はH及びC1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、C1−5アルキルは場合により1から11個のハロゲンで置換されており;
各基R6は場合により式I中のヘテロ環式環の−(CH2)−基上のH原子に対して置換されており、各R6は独立してH、−OH、ハロゲン、−CN、−NO2、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルからなる群から選択され、ここで、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;
R7及びR8は各々独立してH、ハロゲン、−OH及び−C1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、−C1−5アルキルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;ならびに
R9及びR10は各々独立してH、−C1−5アルキル、−C(=O)C1−5アルキル及び−S(O)yC1−5アルキルから選択され、ここで、C1−5アルキルはいずれも場合により1から11個のハロゲンで置換されている。]
を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
式Ia、Ib、IcまたはId:
【化2】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項3】
式Ia:
【化3】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項4】
式Ib:
【化4】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項5】
式Ic:
【化5】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項6】
式Id:
【化6】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項7】
A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン及び場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合により、ハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H−、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルである請求項1から6のいずれかの化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項8】
各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結して、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、これによりフェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されており;pは1から3である請求項1から6のいずれかの化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項9】
R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;nは0から2の整数であり;BはA2であり;ならびにA2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルである請求項1から6のいずれかの化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項10】
式I、Ia、Ib、Ic及びIdのフェニル環は構造の残りに結合していない4位のいずれかで−CH=の代わりに−N=を有し得ず、ならびにフェニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが結合して架橋基を形成し得ない請求項1から6のいずれか1項の化合物。
【請求項11】
式Ia、Ib、Ic及びIdのフェニル環は場合により式Ia、Ib、IcまたはId中の構造の他の部分に結合していない4位の1つに−(CH)=の代わりに−N=を有していてもよく;
A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン及び場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。)から選択される1個の基、から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルであり;
A2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルであり;
各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結して、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、これによりフェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されており;
R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;
pは1から3の整数であり;ならびに
nは0から2の整数である
請求項2の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項12】
以下の化合物:
【化7】
からなる群から選択される請求項2の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項13】
以下の化合物:
【化8】
(ここで、Rは
【化9】
からなる群から選択される。)
から選択される請求項2の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項14】
治療を要する患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法であり、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項15】
治療を要する患者におけるHDL−Cの上昇方法であり、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項16】
治療を要する患者におけるLDL−Cの低下方法であり、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項17】
アテローム性動脈硬化症の治療用薬剤を製造するための請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用。
【請求項18】
HDL−Cの上昇用薬剤を製造するための請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用。
【請求項19】
請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び
(a)PPARγアゴニスト及び部分アゴニスト、
(b)ビグアニド、
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、
(e)インスリンまたはインスリン模擬物質、
(f)スルホニル尿素、
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤、
(h)(a)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(b)胆汁酸封鎖剤、(c)ナイアシン、ニコチニルアルコール、ニコチンアミド、及びニコチン酸またはその塩、(d)PPARαアゴニスト、(e)コレステロール吸収阻害剤、(f)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、(g)フェノール系抗酸化剤(例えば、プロブコル)、及び(h)ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)/ApoB分泌阻害剤からなる群から選択される1つ以上の化合物、
(i)PPARα/γ二重アゴニスト、
(j)PPARδアゴニスト、
(k)抗肥満化合物、
(l)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤、
(m)抗炎症剤、
(n)グルカゴン受容体アンタゴニスト、
(o)GLP−1、
(p)GIP−1、及び
(q)GLP−1アナログ
からなる群から選択される1つ以上の活性成分を含む医薬組成物。
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
式Iのフェニル環は場合により式Iの構造の他の部分に結合していない4位の1つに−(CH)=の代わりに−N=を有していてもよく;
Xは−O−、−(CR7R8)−及び−NR5から選択され;
Bは−{C(R3)(R4)}q(A2)であり、式Iのヘテロ環式環の−(CH2)−基の1つ上で置換されており;
A1は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基を含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A1が結合している炭素原子へのA1の結合ポイントはA1の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A1は場合によりRbから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
A2は
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香族環、
(b)場合により1から2個の二重結合を含む5から7員非芳香族シクロアルキル環に縮合しているフェニル環、
(c)1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合により1から3個の二重結合及びカルボニル基または−N(O)−基をも含む5から6員ヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、
(d)1から3個のO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子及び場合により1から2個の二重結合を有する5から6員ヘテロ環式環に縮合しているフェニル環を含むベンゾヘテロ環式環(ここで、A2が結合している炭素原子へのA2の結合ポイントはA2の炭素原子である。)、及び
(e)場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル環
からなる群から選択され、A2は場合によりRcから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
各Ra及びRcは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Ra及びRcがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキル(ここで、−C1−3アルキル及び−OC1−3アルキルは場合により1から7個のハロゲン及び1個の基−OHで置換されている。)から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
Ra及びRcが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRa及びRcのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが場合により連結して−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記した式Iのフェニルまたは任意のピリジニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環は場合によりRaから独立して選択される1から2個の基で置換されており、ただし前記Ra基は結合して環を形成するように接続することはできず;
各Rbは独立して−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−C3−8シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、場合により1から3個の二重結合を有する−OC3−8シクロアルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C3−8シクロアルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−6アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−6アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、ハロゲン、−CN、−NO2、フェニル、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含む5から6員ヘテロ環式環からなる群から選択され、
Rbがヘテロ環式環、−C3−8シクロアルキル、−OC3−8シクロアルキル及び−C(=O)C3−8シクロアルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのヘテロ環式環及び−C3−8シクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C1−3アルキル、−C2−3アルケニル、−NR9R10、−OC1−3アルキル、−CO2H、−CN及び−CO2C1−3アルキルから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、前記した−C1−3アルキル及び−C2−3アルケニルはいずれの場合も場合により1から7個のハロゲン及び場合により1個の基−OHで置換されており、
Rbが−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニル、−OC1−6アルキル、−OC2−6アルケニル、−OC2−6アルキニル、−C(=O)C1−6アルキル、−CO2C1−6アルキル、−C(=O)SC1−6アルキル、−NR9C(=O)OC1−6アルキル及び−S(O)xC1−6アルキルからなる群から選択される場合、前記したRbのアルキル、アルケニル及びアルキニルは場合により1から13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR9R10、(d)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−C3−8シクロアルキル、(e)場合により1から9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の置換基でも置換されている−OC1−4アルキル、(f)場合により1から3個の二重結合を有し、場合により1から15個のハロゲンで置換されている−OC3−8シクロアルキル、(g)−CO2H、(h)−C(=O)CH3、及び(i)場合により1から9個のハロゲンで置換されている−CO2C1−4アルキルから独立して選択される1から3個の置換基でも置換されており、
Rbがフェニルの場合、前記フェニルは場合により1から5個のハロゲンで置換されており、場合により−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−C(=O)H、−CO2H、−CO2C1−4アルキル、−NR9R10、−C(=O)NR9R10、−NR9C(=O)OC1−4アルキル、−NR9C(=O)NR9R10、−S(O)xC1−4アルキル、−S(O)yNR9R10、−NR9S(O)yNR9R10、−CN、−NO2、及び1から4個のN、S及びOから独立して選択されるヘテロ原子を有し、場合によりカルボニル基を含み、場合により1から3個の二重結合をも含み、場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基を含む5から6員ヘテロ環式環から独立して選択される1から3個の置換基で置換されており、
Rbがフェニルの場合フェニル上の置換基が−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−C2−4アルキニル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル、−OC2−4アルケニル、−OC2−4アルキニル、−OC3−6シクロアルキル、−C(=O)C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキル、−NR9C(=O)OC1−4アルキル及び−S(O)xC1−4アルキルから選択される場合、前記した置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基は場合により1から5個のハロゲン置換基を含み、場合により−OH、−NR9R10、場合により1から3個のFで置換されている−OCH3、及び場合によりハロゲン、−CH3、−OCH3、−CF3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルから選択される1個の置換基をも含み;
nは0から4から選択される整数であり;
pは0から4から選択される整数であり;
qは0及び1から選択される整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
yは1及び2から選択される整数であり;
R1、R2、R3及びR4は各々独立してH、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−4アルキル及び−NR9R10からなる群から選択され、ここで、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキル及び−OC1−4アルキルは各々場合により1から9個のハロゲンで置換されており、各々場合により−OH、−C(=O)CH3、−OC(=O)CH3、−OC1−2アルキル及び−OC1−2アルキレンOC1−2アルキルから独立して選択される1から2個の基でも置換されており;
R5はH及びC1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、C1−5アルキルは場合により1から11個のハロゲンで置換されており;
各基R6は場合により式I中のヘテロ環式環の−(CH2)−基上のH原子に対して置換されており、各R6は独立してH、−OH、ハロゲン、−CN、−NO2、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルからなる群から選択され、ここで、−OC1−5アルキル、−OC2−5アルケニル、−OC2−5アルキニル、−C1−5アルキル、−C2−5アルケニル及び−C2−5アルキニルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;
R7及びR8は各々独立してH、ハロゲン、−OH及び−C1−5アルキルからなる群から選択され、ここで、−C1−5アルキルは場合によりハロゲンから独立して選択される1から11個の置換基で置換されており;ならびに
R9及びR10は各々独立してH、−C1−5アルキル、−C(=O)C1−5アルキル及び−S(O)yC1−5アルキルから選択され、ここで、C1−5アルキルはいずれも場合により1から11個のハロゲンで置換されている。]
を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
式Ia、Ib、IcまたはId:
【化2】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項3】
式Ia:
【化3】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項4】
式Ib:
【化4】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項5】
式Ic:
【化5】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項6】
式Id:
【化6】
を有する請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項7】
A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン及び場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合により、ハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H−、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルである請求項1から6のいずれかの化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項8】
各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結して、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、これによりフェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されており;pは1から3である請求項1から6のいずれかの化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項9】
R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;nは0から2の整数であり;BはA2であり;ならびにA2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルである請求項1から6のいずれかの化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項10】
式I、Ia、Ib、Ic及びIdのフェニル環は構造の残りに結合していない4位のいずれかで−CH=の代わりに−N=を有し得ず、ならびにフェニル環の隣接する炭素原子上の2個の基Raが結合して架橋基を形成し得ない請求項1から6のいずれか1項の化合物。
【請求項11】
式Ia、Ib、Ic及びIdのフェニル環は場合により式Ia、Ib、IcまたはId中の構造の他の部分に結合していない4位の1つに−(CH)=の代わりに−N=を有していてもよく;
A1は場合により(a)ハロゲン、(b)場合により1から5個のハロゲン及び場合によりフェニル、C3−6シクロアルキル及び−OH(前記したフェニル及びC3−6シクロアルキルは場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の基で置換されている。)から選択される1個の基で置換されているC1−5アルキル、(c)場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキル、(d)場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−4アルケニル、及び(e)場合によりフェニル及びC3−6シクロアルキル(前記したフェニル及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、−CO2H、場合により1から3個のハロゲンで置換されている−CO2C1−3アルキル、場合により1から3個のハロゲン及び場合により1個の−OHで置換されているC1−3アルキル、及び場合により1から3個のハロゲンで置換されている−OC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。)から選択される1個の基、から独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルであり;
A2は場合によりハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキル、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から3個の基で置換されているフェニルであり;
各Raは独立してハロゲン、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−4アルキル、場合により1から3個のハロゲンで置換されているC2−3アルケニル、−OCH3及び−OCF3からなる群から選択され、フェニル環の隣接する炭素原子上の2個のRa基は場合により連結して、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋部分を形成して、これによりフェニル環に縮合しているシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環を形成し、前記したシクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニル環は場合によりハロゲン、CH3、CF3、−OCH3及び−OCF3から独立して選択される1から2個の基で置換されており;
R6は場合により1から3個のハロゲンで置換されているC1−3アルキルであり;
pは1から3の整数であり;ならびに
nは0から2の整数である
請求項2の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項12】
以下の化合物:
【化7】
からなる群から選択される請求項2の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項13】
以下の化合物:
【化8】
(ここで、Rは
【化9】
からなる群から選択される。)
から選択される請求項2の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項14】
治療を要する患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法であり、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項15】
治療を要する患者におけるHDL−Cの上昇方法であり、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項16】
治療を要する患者におけるLDL−Cの低下方法であり、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項17】
アテローム性動脈硬化症の治療用薬剤を製造するための請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用。
【請求項18】
HDL−Cの上昇用薬剤を製造するための請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用。
【請求項19】
請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び
(a)PPARγアゴニスト及び部分アゴニスト、
(b)ビグアニド、
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、
(e)インスリンまたはインスリン模擬物質、
(f)スルホニル尿素、
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤、
(h)(a)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(b)胆汁酸封鎖剤、(c)ナイアシン、ニコチニルアルコール、ニコチンアミド、及びニコチン酸またはその塩、(d)PPARαアゴニスト、(e)コレステロール吸収阻害剤、(f)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、(g)フェノール系抗酸化剤(例えば、プロブコル)、及び(h)ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)/ApoB分泌阻害剤からなる群から選択される1つ以上の化合物、
(i)PPARα/γ二重アゴニスト、
(j)PPARδアゴニスト、
(k)抗肥満化合物、
(l)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤、
(m)抗炎症剤、
(n)グルカゴン受容体アンタゴニスト、
(o)GLP−1、
(p)GIP−1、及び
(q)GLP−1アナログ
からなる群から選択される1つ以上の活性成分を含む医薬組成物。
【公表番号】特表2009−522292(P2009−522292A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548751(P2008−548751)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/049504
【国際公開番号】WO2007/081570
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/049504
【国際公開番号】WO2007/081570
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】
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