説明

コレステロール低下薬の使用

【課題】コレステロール低下薬の使用、より詳細には特定の投与量または特定の範囲の投与量のHMG CoAレダクターゼ阻害薬の使用。
【解決手段】その必要があるヒト患者において、脂質レベルまたは脂質比を有益に変化させるための、特定の経口投与量または特定範囲の投与量の化合物(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩の使用、ならびにそのような投与量を含む経口用として適するこの化合物または塩類の医薬組成物、ならびにその調製方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、コレステロール低下薬の使用、より詳細には特定の投与量または特定の範囲の投与量のHMG CoAレダクターゼ阻害薬(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩[以下において”本薬剤”と呼び、後記の式Iに示す(カルシウム塩として)]の投与に関する。本発明はさらに本薬剤の投与量範囲、開始用量および製剤に関する。
【0002】
本薬剤は、EP−A−0521471およびBioorganic and Medicinal Chemistry(1997)5(2)437−444に、コレステロール生合成における主要な律速酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAレダクターゼ(HMG CoAレダクターゼ)の阻害薬として開示されている。本薬剤は高コレステロール血症、高リポタンパク血症およびアテローム性硬化症の処置に有用であると教示されている。HMG CoAレダクターゼ阻害薬は、高コレステロール血症の処置のために最も広く用いられている処方薬である。多数のHMG CoAレダクターゼ阻害薬、すなわちロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)およびセリバスタチン(cerivastatin)が市販されており、’スタチン類’と総称される。スタチン療法は有益であるにもかかわらず、現在市販されているスタチン類の推奨投与量で達成される効力および安全性のレベルのため、患者において得られるのは最適結果に満たない。したがって、現在用いられているスタチン類の同様な投与量より、有意に大幅に脂質レベルを有益に変化させ、かつ同様または向上した安全性プロフィルをもつ代替スタチン類の投与量を見出すことが重要である。
【0003】
意外にも、高コレステロール血症患者に特定の投与量または特定範囲の投与量で経口投与した場合、本薬剤が総コレステロール(TC)および低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を予想以上に低下させ、かつ著しい不都合な副作用がないことを今回見出した。同じ投与量または同じ範囲の投与量で投与した場合、本薬剤は他のリポタンパク質レベルも予想以上に、かつ有益な程度に変更し(たとえば高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)レベルの上昇、トリグリセリド(TG)レベルの低下、およびアポリポタンパク質B−100(Apo−B)レベルの低下)、かつ著しい不都合な副作用がない。他のHMG CoAレダクターゼ阻害薬については、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)肝酵素レベルの上昇が報告されている。意外にも、本薬剤を本明細書に述べる投与量または投与量範囲で経口投与した場合、これらのレベルの臨床的に有意な上昇がみられる頻度はより低いことが今回見出された。
【0004】
したがって本発明の1態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において、LDL−Cレベルを40%以上低下させ、および/または総コレステロールレベルを30%以上低下させ、および/またはトリグリセリドレベルを10%以上低下させ、および/またはアポリポタンパク質B−100レベルを30%以上低下させ、および/またはHDL−Cレベルを5%以上高める方法を含む。
【0005】
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において高コレステロール血症を処置する方法を含む。
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを40%以上低下させる方法を含む。
【0006】
本発明の他の態様は、1日10〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを45%以上低下させる方法を含む。
【0007】
本発明の他の態様は、1日10〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを50%以上低下させる方法を含む。
【0008】
本発明の他の態様は、1日20〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを55%以上低下させる方法を含む。
【0009】
本発明の他の態様は、1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを60%以上低下させる方法を含む。
【0010】
本発明の好ましい態様は、本薬剤で処置する前の患者のLDL−Cレベルが12時間の絶食(水は許容)後に測定して4.1mmol/L以上である、前記処置方法を含む。
【0011】
本発明の他の態様は、1日10〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において総コレステロールレベルを30%以上低下させる方法を含む。
【0012】
本発明の他の態様は、1日10〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において総コレステロールレベルを35%以上低下させる方法を含む。
【0013】
本発明の他の態様は、1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において総コレステロールレベルを40%以上低下させる方法を含む。
【0014】
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、高コレステロール血症患者を処置してその患者を推奨NCEP指針(または承認されている他の指針)内にする方法を含む。推奨NCEP指針とは、National Cholesterol Education Program−Adult Treatment Panel(NCEP−ATP)II目標LDL−Cレベルを表し、これを参考として本明細書に援用する。これらの指針のまとめはJAMA,1993年6月16日,1993−Vol.629,No.23,p.3015−3023、特に図1、p.3018−3019に示されている。NCEP指針は、臨床顕性の冠動脈性心疾患(CHD)、たとえばそこに記載のアテローム性硬化症を伴う患者が100mg/dl以下のLDL−C濃度にタイトレート(titrated)されることを推奨している。承認された他の指針には、European Atherosclerosis Society(EAS)指針があり、これはそのような患者において目標LDL−Cが115mg/dlという積極的な脂質管理を推奨している。患者が臨床顕性CHDをもたないが、そのような疾患のリスク因子2つ以上を伴う場合、NCEP指針は患者が130mg/dl未満のLDL−C濃度にタイトレートされることを推奨している。患者が臨床顕性CHDをもたず、かつそのようなリスク因子1つを伴うか、または伴わない場合、NCEP指針の目標は160mg/dl未満である。
【0015】
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより高コレステロール血症を処置する方法を含む。
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において高密度脂質(HDL)レベルを高める方法を含む。
【0016】
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを低下させながら、HDLレベルを高めるか、または維持する方法を含む。HDLレベルを高めるか、または維持しながら低下させる好ましいLDL−Cレベルには、前記方法に挙げたLDL−C低下レベル%が含まれる。
【0017】
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてアポリポタンパク質Bレベルを低下させる方法を含む。
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において混合高脂血症を処置する方法を含む。
【0018】
本発明の他の態様は、1日5〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてアテローム性硬化症を処置する方法を含む。
本明細書中で投与量範囲1日5〜80mg、1日10〜80mg、1日20〜80mgまたは1日40〜80mgと述べた場合、さらに本発明の独立した態様である他の具体的な投与量範囲には(適宜)、1日10〜80mg、1日10〜60mg、1日10〜40mg、1日5〜40mg、1日5〜20mg、1日10〜20mg、1日20〜60mg、1日20〜40mgおよび1日40〜60mgが含まれる。
【0019】
したがって、誤解を避けるために、具体的な独立した本発明の態様は下記のものを含む:
(1)その必要がある患者においてLDL−Cレベルを下記の量、低下させる方法:
(i)1日5〜20mgの本薬剤を投与することにより40%以上;
(ii)1日10〜20(好ましくは10)mgの本薬剤を投与することにより45%以上;
(iii)1日10〜20(好ましくは10)mgの本薬剤を投与することにより50%以上;
(iv)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより55%以上;あるいは
(v)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより60%以上;
(2)その必要がある患者において総コレステロールレベルを下記の量、低下させる方法:
(i)1日5〜10mgの本薬剤を投与することにより30%以上;
(ii)1日10〜20mgの本薬剤を投与することにより35%以上;
(iii)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより40%以上;あるいは
(iv)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより45%以上;
(3)その必要がある患者においてHDL−Cレベルを下記の量、高める方法:
(i)1日5〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより5%以上;
(ii)1日5〜20mgの本薬剤を投与することにより8%以上;あるいは
(iii)1日5〜10mg(具体的には1日10mg)の本薬剤を投与することにより10%以上;
(4)その必要がある患者においてアポリポタンパク質B−100レベルを下記の量、低下させる方法:
(i)1日5〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより30%以上;
(ii)1日5〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより35%以上;
(iii)1日10〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより40%以上;
(iv)1日20〜80mgの本薬剤を投与することにより45%以上;あるいは
(v)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより50%以上;
(5)その必要がある患者においてトリグリセリドレベルを下記の量、低下させる方法:
(i)1日5〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより10%以上;あるいは
(ii)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより20%以上。
【0020】
さらに、独立した本発明の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mg、より具体的には1日2.5〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを30%以上低下させる方法;
(2)1日2.5〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において総コレステロールレベルを30%以上低下させる方法;
(3)1日2.5〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてHDL−Cレベルを5%以上高める方法;
(4)1日2.5〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてアポリポタンパク質B−100レベルを30%以上低下させる方法;あるいは
(5)1日2.5〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法。
【0021】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを30%以上低下させ、かつHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高める方法;
(2)1日2.5〜10mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを40%以上低下させ、かつHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高める方法;
(3)1日5〜20mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを45%以上低下させ、かつHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高める方法;
(4)1日10〜20mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを50%以上低下させ、かつHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高める方法;
(5)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを55%以上低下させ、かつHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高める方法;あるいは
(6)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを60%以上低下させ、かつHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高める方法。
【0022】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを30%以上低下させ、かつアポリポタンパク質B−100レベルを25%以上低下させる方法;
(2)1日5〜20mg(具体的には1日5〜10mg)の本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを45%以上低下させ、かつアポリポタンパク質B−100レベルを35%以上低下させる方法;
(3)1日10〜20mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを50%以上低下させ、かつアポリポタンパク質B−100レベルを40%以上低下させる方法;
(4)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを55%以上低下させ、かつアポリポタンパク質B−100レベルを45%以上低下させる方法;あるいは
(5)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを60%以上低下させ、かつアポリポタンパク質B−100レベルを50%以上低下させる方法。
【0023】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを30%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(2)1日5〜20mg(具体的には1日5〜10mg)の本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを45%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(3)1日10〜20mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを50%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(4)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを55%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上(より具体的には20%以上)低下させる方法;あるいは
(5)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより、LDL−Cレベルを60%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上(より具体的には20%以上)低下させる方法。
【0024】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてHDL−Cレベルを5%以上(具体的には8%以上、より具体的には10%以上)高め、かつアポリポタンパク質B−100レベルを25%以上低下させる方法;あるいは
(2)1日5〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてHDL−Cレベルを5%以上(具体的には8%以上、より具体的には10%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法。
【0025】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを30%以上低下させ、HDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(2)1日2.5〜10mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを40%以上低下させ、HDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(3)1日5〜20mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを45%以上低下させ、HDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(4)1日10〜20mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを50%以上低下させ、HDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;
(5)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを55%以上低下させ、HDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;あるいは
(6)1日40〜80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを60%以上低下させ、HDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法。
【0026】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてHDL−Cレベルを5%以上(具体的には8%以上、より具体的には10%以上)高め、アポリポタンパク質B−100レベルを25%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法;あるいは
(2)1日5〜80mg(具体的には1日5〜40mg、より具体的には1日10〜20mg、特に1日10mg)の本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてHDL−Cレベルを5%以上(より具体的には8%以上)高め、アポリポタンパク質B−100レベルを25%以上低下させ、かつトリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法。
【0027】
本発明の他の態様は下記のものを含む:
(1)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−C/HDL−C脂質比を2.2未満に低下させる方法;
(2)1日5〜10mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−C/HDL−C脂質比を2.0未満に低下させる方法;
(3)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−C/HDL−C脂質比を1.5未満に低下させる方法;
(4)1日80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−C/HDL−C脂質比を1.2未満に低下させる方法;
(5)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において非HDL−C/HDL−C脂質比を2.6未満に低下させる方法;
(6)1日5〜10mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において非HDL−C/HDL−C脂質比を2.2未満に低下させる方法;
(7)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において非HDL−C/HDL−C脂質比を2.0未満に低下させる方法;
(8)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者において非HDL−C/HDL−C脂質比を1.5未満に低下させる方法;
(9)1日1〜5mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてTC/HDL−C脂質比を3.6未満に低下させる方法;
(10)1日5〜10mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてTC/HDL−C脂質比を3.3未満に低下させる方法;
(11)1日20〜40mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてTC/HDL−C脂質比を3.0未満に低下させる方法;あるいは
(12)1日80mgの本薬剤を投与することにより、その必要がある患者においてTC/HDL−C脂質比を2.5未満に低下させる方法。
【0028】
本明細書に述べる方法において、本薬剤の特に適切な出発投与量は1日5〜10mg、殊に1日10mgである。本薬剤の開始および/またはタイトレーション後、脂質レベルを分析し、それに従って投与量を調整してもよい。したがって本発明の他の態様は、本薬剤を1日5または10mgの出発投与量で投与する前記方法、たとえば1日5または10mgの本薬剤の投与により、その必要がある患者においてLDL−Cレベルを40%以上低下させる方法である。本発明の他の態様は下記の投薬方法を含む:1日5または10mgの出発投与量の本薬剤を、その必要がある患者、たとえば慢性心臓疾患(CHD)または末梢血管疾患(PVD)を伴わず、リスク因子1つを伴うか、または伴わない、160mg/dlより高いLDL−Cレベルをもつ患者;CHDまたはPVDを伴わず、そのような疾患のリスク因子2つ以上を伴う、130mg/dlより高いLDL−Cレベルをもつ患者;あるいは臨床顕性のCHDまたはPVDを伴う、100mg/dlより高いLDL−Cレベルをもつ患者に投与することを含む。本薬剤を1日5または10mgの出発投与量で投与することによって有益に処置される他の患者群には、たとえばLDL−Cレベルが>4mmol/Lであり、および/またはTCレベルが>5mmol/Lであり、および/またはHDL−Cレベルが<1mmol/Lであり、および/またはTGレベルが>2mmol/Lである患者が含まれる。予想外に、1日5または10mgの本薬剤の出発投与量は優れた効力、および他のスタチン類の出発投与量に匹敵するか、またはそれより良好な安全性プロフィルをもち、したがって特に有利である。
【0029】
本発明方法を実施する際、本薬剤は医薬組成物の形で患者に投与されるであろう。したがって本発明の他の態様は、5〜80mgの本薬剤を医薬的に許容できる賦形剤または希釈剤と共に含む医薬組成物である。それ自体が本発明の他の独立した態様である具体的な組成物は、たとえば5mg、10mg、20mg、40mgおよび80mgの本薬剤を医薬的に許容できる賦形剤または希釈剤と共に含む。医薬組成物は一般的な単位剤形、たとえば錠剤またはカプセル剤である。したがって、本発明の他の態様は、前記量の本薬剤を含有する錠剤またはカプセル剤である。本発明の組成物は当技術分野で周知の常法により、一般的な医薬賦形剤を用いて得ることができる。好ましくは、本薬剤は1日1回、単一用量として投与される。
【0030】
前記の各処置方法について、本発明の他の態様が前記処置方法に用いる医薬の製造のための特定量の本薬剤の使用を含むことは自明であろう。
好ましくは、本薬剤はビス[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸]カルシウム塩である。本明細書において5mg、10mg、20mg、40mgまたは80mgの投与量の本薬剤(またはそれらを含有する医薬組成物)と述べた場合、これには式Iのカルシウム塩それぞれ5.2mg、10.4mg、20.8mg、41.6mgおよび83.2mgの投与量(またはそれらを含有する医薬組成物)が含まれる。そのような投与量(または組成物)は、投与した際にそれぞれ5mg、10mg、20mg、40mgおよび80mgに相当する量の遊離酸形を与えるように計算される。
【0031】
医薬組成物
以下の例は本明細書に定める使用に適した医薬製剤を説明するが、それらに限定されない:
カプセル剤 mg
本薬剤 5.0
乳糖 42.5
コーンスターチ 20.0
微結晶セルロース 32.0
プレゲル化デンプン 3.3
合成ハイドロタルサイト 1.1
ステアリン酸マグネシウム 1.1
1、2.5または10mgの本薬剤を含有するカプセル剤も、同様にして、全充填量105mgを維持するのに適した、より多量または少量の乳糖を用いて得ることができる。
【0032】
好ましいそのような配合物は、本薬剤がビス[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸]カルシウム塩である配合物である。
【0033】
本発明を説明するために、ビス[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸]カルシウム塩(以下、ZD4522と呼ぶ)およびアトルバスタチン(ATORV)を用いて、原発性高コレステロール血症を伴う被験者においてランダム用量応答並行群試験を実施した。
【0034】
第1目的
この試験の第1目的は、ZD4522の用量と、プラシーボに関するベースラインからのLDL−C低下率%の用量応答関係を推定することであった。
【0035】
第2目的
この試験の第2目的には以下のものが含まれていた:
10および80mgの用量のアトルバスタチンがLDL−Cレベルに与える影響を推定すること;
ZD4522およびアトルバスタチンがHDL−C、TG、TC、アポリポタンパク質A−1、アポリポタンパク質Lp(a)、アポリポタンパク質B−100およびLDL−Cレベルに与える影響を推定すること(間接法による);
経口用量1、2.5、5、10、20および40mgのZD4522(カプセル製剤)の6週間の処置期間にわたる薬物動態を評価すること;ならびに
プラシーボと比較したZD4522の耐容性および安全性を評価すること。
【0036】
試験設計
6週間の食事慣らし(dietary run−in)後、被験者をアトルバスタチン用量(10または80mg)(ラベルを隠さずに供給)、またはプラシーボ、または6種類中の1種類のZD4522用量(盲検として供給)にランダム配分した。この試験の盲検部分が主な目的のためのものであった。公表アトルバスタチン群を含めたのは、この患者集団において証明済みコレステロール低下薬の出発投与量および高投与量についての追加データを得るためであった。
【0037】
試験計画
各病院を合計10回訪問した。これらのうち3回はプラシーボ対照付きの食事慣らし期間中(−6、−2および−1週目)、5回は処置期(0週目=ランダム配分のための訪問、+1、+2、+4および+6週目)に行われ、そして2回の追跡調査のための訪問(+8および+10週目)を行った。
【0038】
被験者数
試料数に基づく主な最終目的は、LDL−C(LDLコレステロール)のベースラインからの%低下である。各群9人の試料数は、0.05両側有意性レベルの2群t−試験を用い、共通標準偏差15%と仮定して、2群間の平均差25%を検出する90%の効力がある。少なくとも90%の効力(シミュレーションに基づく)を保持しながらプラシーボに対する各群の多重比較に合わせるために、これを12人の被験者にまで増加した。この試料数では、大部分の用量範囲について信頼バンド幅10%未満でLDL−Cの低下率%に関する用量−応答曲線を推定することもできる。
【0039】
採用基準
食事慣らし期に採用するには、被験者は下記のすべての基準を満たさなければならなかった:
(1)空腹時LDLコレステロール(>4.14mmol/L、ただし<6.21mmol/L);
(2)空腹時トリグリセリドレベル(<3.39mmol/L);
(3)男性被験者、年齢18〜70歳;女性被験者、年齢50〜70歳;
(4)2年以上月経がないこと、ならびに卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)およびエストラジオールが閉経後範囲内であること(各検査機関の基準範囲(local laboratory range)を採用);
(5)肥満指数≦30kg/m2
【0040】
試験のランダム処置期に採用するには、被験者は下記のすべての基準を満たさなければならない:
(6)空腹時LDLコレステロール>4.14mmol/L、ただし<5.69mmol/L:ランダム配分前の−2および−1週目に行った測定から;最低値は最高値の15%以内;
(7)空腹時TG<3.39mmol/L:ランダム配分前の−6、−2および−1週目;
(8)食物記録評価得点(Food Record Rating Score,FRR)≧15:ランダム配分前の−2および−1週目;American Heart Association Step−1食事によるコンプライアンスを証明するため。
【0041】
除外基準
下記のいずれも試験から除外するための基準とみなす:
(1)コレステロール低下薬を使用している被験者(この療法は食事慣らし期間開始の少なくとも4週間前に停止しなければならない。プロブコル(probcol)を摂取している被験者はこの試験に参加する12カ月前に停止しなければならない);
(2)他のHMG CoAレダクターゼ阻害薬に対する重篤な反応または過敏反応の病歴;
(3)進行性の動脈疾患、たとえば不安定アンギナ、心筋梗塞、一過性虚血性発作(TIA)、脳血管発作(CVA)もしくは冠動脈バイパス移植(CABG)を試験開始の6カ月以内、または血管形成術を3カ月以内に受けた被験者;
(4)悪性疾患の病歴:唯一の悪性疾患が皮膚の基底細胞癌または扁平上皮癌であった被験者を除く。子宮頚部異形成の病歴をもつ女性被験者:試験開始前に連続3回、子宮頚部スメアが正常と記録されない場合;
(5)管理されていない高血圧症(最小血圧≧95mmHg)。チアジド系利尿薬およびベータ遮断薬を摂取している被験者は、それらが試験開始の3カ月前から試験期間中を通じて安定な用量に維持されている限り除外されない;
(6)糖尿病、および/または血漿脂質レベルの変化を伴うことが分かっている他の代謝性内分泌疾患(−6週目のTSHがULCの>1.5倍であることにより判定した、管理されていない甲状腺[機能]低下症、腎炎症候群患者);
(7)診断済みのホモ接合体家族性高コレステロール血症または診断済みのIII型高リポタンパク血症(家族性異常βリポタンパク血症);
(8)下記に詳述する投薬との併用:
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
(9)アルコールおよび/または薬物の乱用歴;
(10)進行性の肝疾患または肝機能障害をもつ被験者:4週目のランダム配分前のいずれかの時点で、肝酵素(ALT、AST、γGT、ALT)またはビリルビンがULCの≧1.5倍高いことにより判定;
(11)ランダム配分前の血清クレアチニン>180μmol/Lの被験者;
(12)食事慣らし期間に入る前3カ月以内に他の試験に参加;
(13)血清CKが−6および−1週目(1回目および3回目の訪問)にULCの>3倍;
(14)臨床的に有意な眼の異常;単純な屈折異常は許容される;
(15)ランダム投薬を受けた被験者はこの試験に再参加できない;
(16)実験者の意見で、被験者の安全性または有効な試験寄与を乱すと思われる重篤または不安定な医学的または精神的状態の被験者;
(17)ホルモン置換療法(HRT)を受けている被験者;
(18)ジゴキシンおよび/またはクマリン系の抗凝固薬を投与されている被験者。
【0045】
試験方法
概要
被験者には試験薬を1日1回、夕食の3時間以後に摂取するように要望した。1、2、3、4、6、7、8、9および10回目の訪問時に、被験者は24時間の絶食(水は許容)後に臨床医を訪れ、空腹時脂質測定のために採血された。被験者は尿試料、ならびに血液学的評価および臨床生化学的評価のための血液試料を提供した。脂質および臨床生化学的測定値が同訪問時に低下した場合、1試料のみを採取した。4、6、7および8回目の訪問時には薬物動態用試料を採集した。すべての訪問時に体重、血圧および心拍数を測定し、記録した。1および10回目の訪問時にECGを実施した。
【0046】
用いた分析研究室はCentres for Disease Control and PreventionおよびNational Heart,Lung and Blood Instituteの標準化プログラムにより特定された脂質分析の標準化について保証されている。
【0047】
分析
(a)脂質
下記の脂質の濃度を測定した:LDL−C、HDL−C、TG、TC、アポA−I、アポA−II、Lp(a)、アポB、LDL−C(Friedewald方程式およびβ−定量法による)。
【0048】
(b)生化学分析
下記の濃度を測定した:AST、ALT、CK1、γGT、ALPおよび総ビリルビン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、クロリド、ホスフェート、炭酸水素塩、クレアチニン、空腹時血糖および血清チロキシン(T4)、ならびに甲状腺刺激ホルモン(TSH)。
【0049】
外科的不妊処置がなされない場合、女性被験者は1回目の訪問時のFSH、LHおよびエストラジオールの測定によれば閉経後状態にある。
血液学的検査
下記を含めて全血球計数を実施した:赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球数、血小板、赤血球分布幅、分別白血球数%(大型の非染色血球%を含む)、平均血球体積、平均血球ヘモグロビン、平均血球ヘモグロビン濃度。凝固スクリーニングを1および10回目の訪問時にのみ実施した。
【0050】
尿分析
1、3、4、5、6、7、8、9および10回目の訪問時に、10mlの中間尿試料について尿分析を実施し、院内でlabstix/dispstixを用いて下記を検査した:pH、グルコース、血液、ケトン類、タンパク質およびビリルビン。
【0051】
結果
【0052】
【表3】

【0053】
注釈:2において、プラスの数値は脂質パラメーターレベルの平均増加率%、マイナスの数値は脂質パラメーターレベルの平均低下率%を示す。
【0054】
【表4】

【0055】
4 各試験部門においてベースラインからの総コレステロール変化率%に及ぼす影響を図1に示す。前記の臨床プロトコルのとおり、6週間の初期食事慣らし後、ベースラインにおいて投薬を開始した。ベースラインの6週間後に投薬を停止した。
【0056】
5 各試験部門においてベースラインからのLDLコレステロール(Friedewald方程式により計算)変化率%に及ぼす影響を図2に示す。前記の臨床プロトコルのとおり、6週間の初期食事慣らし後、ベースラインにおいて投薬を開始した。ベースラインの6週間後に投薬を停止した。
【0057】
6 各試験部門においてベースラインからのHDLコレステロール変化率%に及ぼす影響を図3に示す。前記の臨床プロトコルのとおり、6週間の初期食事慣らし後、ベースラインにおいて投薬を開始した。ベースラインの6週間後に投薬を停止した。
【0058】
7 各試験部門においてベースラインからのアポリポタンパク質B−100変化率%に及ぼす影響を図4に示す。前記の臨床プロトコルのとおり、6週間の初期食事慣らし後、ベースラインにおいて投薬を開始した。ベースラインの6週間後に投薬を停止した。
【0059】
8 各試験部門においてベースラインからのトリグリセリド変化率%に及ぼす影響を図5に示す。前記の臨床プロトコルのとおり、6週間の初期食事慣らし後、ベースラインにおいて投薬を開始した。ベースラインの6週間後に投薬を停止した。
【0060】
本発明を立証するために、本薬剤を用いて、これより短期間または長期間の代替試験または追加試験を実施しうることは自明であろう。たとえば他のランダム二重盲検法による、所望によりプラシーボ対照付きの試験:選択した用量の本薬剤および比較としての選択した用量の市販スタチン類(たとえばアトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン)を用い、CHDもしくはPVDの病歴またはそのリスク因子をもつか、またはもたない高コレステロール血症被験者において、LDL−Cおよび他の脂質またはリポタンパク質画分の変化、およびたとえば血清トランスアミナーゼレベルに関する本薬剤の安全性を測定する。
【0061】
【化1】

【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本薬剤およびアトルバスタチンがベースラインからの総コレステロール変化率%に及ぼす影響を示す。
【図2】本薬剤およびアトルバスタチンがベースラインからのLDLコレステロール変化率%に及ぼす影響を示す。
【図3】本薬剤およびアトルバスタチンがベースラインからのHDLコレステロール変化率%に及ぼす影響を示す。
【図4】本薬剤およびアトルバスタチンがベースラインからのアポリポタンパク質B−100変化率%に及ぼす影響を示す。
【図5】本薬剤およびアトルバスタチンがベースラインからのトリグリセリド変化率%に及ぼす影響を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩の、経口製剤の製造のための使用であって、
経口製剤が、化合物5〜80mgを含み、その必要があるヒト患者において、LDL−Cレベルを40%以上低下させ、および/または総コレステロールレベルを30%以上低下させ、および/またはトリグリセリドレベルを10%以上低下させ、および/またはアポリポタンパク質B−100レベルを30%以上低下させ、および/またはHDL−Cレベルを5%以上高めるのに用いられ、その際化合物が1日5〜80mg投与される。
【請求項2】
経口製剤が、化合物5〜10mgを含み、その必要があるヒト患者において、LDL−Cレベルを40%以上低下させ、および/または総コレステロールレベルを30%以上低下させ、および/またはトリグリセリドレベルを10%以上低下させ、および/またはアポリポタンパク質B−100レベルを30%以上低下させ、および/またはHDL−Cレベルを5%以上高めるのに用いられ、その際化合物が1日5〜10mg投与される、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項3】
経口製剤が、化合物5〜10mgを含み、その必要があるヒト患者において、LDL−Cレベルを45%以上低下させるのに用いられる、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項4】
経口製剤が、化合物5〜10mgを含み、その必要があるヒト患者において、総コレステロールレベルを35%以上低下させるのに用いられる、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項5】
経口製剤が、化合物5〜10mgを含み、その必要があるヒト患者において、トリグリセリドレベルを10%以上低下させるのに用いられる、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項6】
経口製剤が、化合物5〜10mgを含み、その必要があるヒト患者において、アポリポタンパク質B−100レベルを35%以上低下させるのに用いられる、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項7】
経口製剤が、化合物5〜10mgを含み、その必要があるヒト患者において、HDL−Cレベルを8%以上高めるのに用いられる、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項8】
経口製剤を1日1回、単一用量として投与する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
5〜80mgの(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩を医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと共に含む、経口投与に適する医薬組成物。
【請求項10】
5〜10mgの(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩を医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと共に含む、経口投与に適する医薬組成物。
【請求項11】
5.2〜10.4mgの(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸カルシウム塩を医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと共に含む、請求項9または10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
化合物またはその医薬的に許容できる塩を医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと混合することを含む、請求項9、10または11に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項13】
1日5〜80mgの化合物(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩を経口投与することにより、その必要があるヒト患者において、LDL−Cレベルを40%以上低下させ、および/または総コレステロールレベルを30%以上低下させ、および/またはトリグリセリドレベルを10%以上低下させ、および/またはアポリポタンパク質B−100レベルを30%以上低下させ、および/またはHDL−Cレベルを5%以上高める方法。
【請求項14】
1日5〜10mgの(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
LDL−Cレベルを45%以上低下させる方法である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
総コレステロールレベルを35%以上低下させる方法である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
トリグリセリドレベルを10%以上低下させる方法である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
アポリポタンパク質B−100レベルを35%以上低下させる方法である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
LDL−Cレベルを10%以上高める方法である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
1日5〜10mgの(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩を投与することにより、その必要がある患者においてLDL−C/HDL−C脂質比を2.0未満に低下させる方法。
【請求項21】
1日5〜10mgの(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸またはその医薬的に許容できる塩を、
(i)慢性心臓疾患または末梢血管疾患を伴わず、そのような疾患のリスク因子1つを伴うか、または伴わない、160mg/dlより高いLDL−Cレベルをもつ患者;
(ii)慢性心臓疾患または末梢血管疾患を伴わず、そのような疾患のリスク因子2つ以上を伴う、130mg/dlより高いLDL−Cレベルをもつ患者;あるいは
(iii)臨床的顕性の慢性心臓疾患または末梢血管疾患を伴う、100mg/dlより高いLDL−Cレベルをもつ患者
に投与することを含む投薬方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−137023(P2011−137023A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35406(P2011−35406)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【分割の表示】特願2000−596939(P2000−596939)の分割
【原出願日】平成12年2月1日(2000.2.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】