コロナ帯電器を備える画像形成装置
【課題】コロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業を、短時間にて、且つ、調整量の判断に熟練を要することがなく、容易に実施することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、放電ワイヤ21の感光体に対する距離を調整するための調整手段と、コロナ帯電器2によって帯電された領域のうち、コロナ帯電器2の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、コロナ帯電器2の長手方向に沿った基準部22に対し位置決めするための基準マークMoとともに、検知手段の出力に基づいて放電ワイヤ21の感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークMhをシートPに形成する調整モードを実行させる実行手段と、を有する。
【解決手段】画像形成装置は、放電ワイヤ21の感光体に対する距離を調整するための調整手段と、コロナ帯電器2によって帯電された領域のうち、コロナ帯電器2の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、コロナ帯電器2の長手方向に沿った基準部22に対し位置決めするための基準マークMoとともに、検知手段の出力に基づいて放電ワイヤ21の感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークMhをシートPに形成する調整モードを実行させる実行手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。とりわけ、コロナ帯電器の放電ワイヤの高さを調整する機構を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム表面を均一に帯電する帯電手段として、放電ワイヤを用いたコロナ帯電器が用いられている。
【0003】
この放電ワイヤは、汚れや寿命などの原因で、市場(装置が設置された場所)で張り替えられる。しかし、放電ワイヤを張り替える作業によって、感光体ドラム軸方向におけるハーフトーン画像の奥側から手前側方向、即ち、奥・手前方向の濃度傾きの状態が変化してしまう。そのため、放電ワイヤを張り替える度に、コロナ帯電器の奥・手前方向のワイヤ高さを調整して、濃度傾きを調整していた。
【0004】
例えば特許文献1には、放電ワイヤ高さを調整することのできるコロナ帯電器が開示されている(図15参照)。具体的には、当接部材197を前後に移動させることによりスライダー195’の基部195a’がテーパ197aを相対移動させて、放電ワイヤ192の高さ調整している。
【0005】
なお、ハーフトーン画像の奥・手前方向(コロナ帯電器の長手方向)の濃度傾きの状態は使用状況(耐久枚数)によっても影響を受ける。また、市場で感光体ドラムが新品のものと交換しても、感光体ドラムの軸方向(母線方向)の感度の傾きのため、ハーフトーン画像の奥・手前方向に濃度の傾きの状態が変化する。そのため、頻繁に放電ワイヤの高さを調整する必要があった。
【0006】
従来の放電ワイヤの高さ調整の手順(調整工程)について説明する。まず、サービスマン(作業者)は、画像形成装置を操作して記録シートにハーフトーン画像を出力させる。その次に、サービスマンは画像形成装置が出力したハーフトーン画像の奥・手前方向の濃度の傾き度合に基づき、コロナ帯電器の奥・手前の放電ワイヤ高さ位置を調整していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−102740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の調整方法では、サービスマンの技量が未熟であると、調整に要する時間が非常に長くなる。たとえ、熟練されたサービスマンが調整をする場合であったとしもて、1回の調整工程で感光体ドラムの長手方向に均一に帯電できるように放電ワイヤ高さを調整することは困難であった。つまり、調整工程を何度も繰り返して、放電ワイヤの高さを決めるため、ワイヤ高さの調整作業は長い時間が必要となる。
【0009】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、コロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業を、短時間にて、且つ、調整量の判断に熟練を要することがなく、容易に実施することのできる画像形成装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の第一の態様によれば、
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記コロナ帯電器の長手方向に沿った基準部に対し位置決めするための基準マークとともに、前記検知手段の出力に基づいて前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークをシートに形成する調整モードを実行させる実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0012】
本発明の第二の態様によれば、
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に基づいて算出された前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整量に対応する情報を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業を、短時間にて、且つ、調整量の判断に熟練を要することがなく、容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置の構成を説明するための概略図である。
【図2】コロナ帯電器の断面図である。
【図3】放電ワイヤ高さの調整作業を説明するための斜視図と断面図である。
【図4】放電ワイヤ高さと放電ワイヤから感光体ドラムへの放電電流量の関係を示す図である。
【図5】放電電流量と感光体ドラム上での表面電位の関係を示す図である。
【図6】放電ワイヤ高さと感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位の関係を示す図である。
【図7】感光体表面電位(と現像バイアスの差)と画像濃度の関係を示す図である。
【図8】画像形成装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図9】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像の一例を示す図である。
【図10】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像の一例を示す図である。
【図11】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像が印刷された調整用紙を用いて、基準ラインをグリッド線に合わせて調整する作業を示す図である。
【図12】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像が印刷された調整用紙を用いて、基準ラインをコロナ帯電器のケーシング底面に合わせて調整する作業を示す図である。
【図13】基準ラインと調整ラインをシートに出力する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】画像形成装置内に配置された濃度センサを説明するための図である。
【図15】従来のコロナ帯電器における放電ワイヤ高さの調整を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0016】
実施例1
まず、画像形成装置の概略について説明した後、コロナ帯電器の構成について説明する。続いて、放電ワイヤの高さを調整するための画像の出力手順と画像を用いた調整方法について説明する。
【0017】
§1.{画像形成装置の概略について}
以下に画像形成装置の概略構成と画像形成動作について説明する。
【0018】
(画像形成装置の構成について)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例にて、画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したデジタル方式の複写機とされる。ここでは、原稿の画像を読み取って画像形成する複写機としての画像形成装置を具体例として用いる。本実施例にて、画像形成装置は、原稿Dを光学的にスキャンして読み取って画像データを生成する画像読取部(リーダー部)30と、画像データを静電方式により記録材(シート)P上に記録する画像形成部50とを備えている。
【0019】
ここで、原稿Dは、プラテンガラス31上に読み取り面を下に向けた状態に載置されており、光学系はプラテンガラス31に沿って走査して読み取りを行う。この時、光源33により原稿Dの原稿面が照射され、その反射光がミラー34、35、36を介して結像光学系37を介して光電変換手段であるCCD38の受光面に像を結ぶ。
【0020】
本実施例にて、原稿の画像情報を読み取る原稿読取手段としての画像読取部30は、光源33、ミラー34、35、36、結像光学系37及びCCD38を有する光学系、並びに、図示されていない光学系駆動手段にて構成される。画像読取部30にて読み取られた原稿Dの画像データは、CCD38から図示しない読み取り画像処理部に送られ処理された後、画像信号として、画像形成部50に送られる。
【0021】
画像形成部50は、像担持体として矢印方向(時計方向)に回転駆動されるa−Si感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1の周囲には、帯電器(帯電手段)2、露光装置(露光手段)3、現像器(現像手段)4、転写器(転写手段)5及びクリーニングブレード(クリーニング手段)6等が設置されている。
【0022】
(画像形成動作について)
次に、上記した画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0023】
両面画像形成時には、感光体ドラム1はドラム駆動モータ9により矢印方向(時計方向)に所定速度(本実施例では450mm/sec)で回転駆動され、帯電器2によってその表面が均一に帯電される。そして、感光体ドラム1の表面に露光装置3から入力される画像情報に応じてレーザ光による画像露光Lを行い、露光部分の電荷を除去して静電像を形成する。この静電像は現像器4によりトナーが付着されて反転現像され、トナー像として顕像化される。
【0024】
感光体ドラム1上のトナー像が感光体ドラム1と転写器5との間の転写部位Tに到達すると、このタイミングに合わせて記録材カセット15内から給紙された用紙などの記録材Pがレジストローラ(不図示)によりこの転写部位に給送される。そして、転写器5により記録材Pの表面(片面)に感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
【0025】
トナー像が片面に転写された記録材Pは、搬送装置7によって定着器8の定着ローラ8aと加圧ローラ8b間の定着ニップに搬送される。トナー像が転写された記録材Pは、定着ローラ8aと加圧ローラ8b間の定着ニップで加熱、加圧されてトナー像の定着を受けた後、反転ローラ16の逆回転によって再給紙ベルト17上に搬送される。そして、再給紙ベルト17上に搬送された記録材Pは、再び感光体ドラム1と転写器5との間の転写部位に搬送され、トナー像が転写されていない他方の片面に上記同様にして画像形成が行われた後、外部に排出される。
【0026】
感光体ドラム1上に残留している転写残トナーなどはクリーニングブレード6によって除去され、回収される。
【0027】
また、片面画像形成時には、上記と同様にして定着器8で加熱、加圧されて片面にトナー像の定着を受けた記録材Pは、反転ローラ16の正回転によって再給紙ベルト17上に搬送されることなく外部に排出される。
【0028】
§2.{コロナ帯電器について}
以下に、本実施例のコロナ帯電器の概略構成と、放電ワイヤの調整機構について説明する。
【0029】
(コロナ帯電器の概略構成について)
本実施例にて、コロナ帯電器2は、当業者には周知の構造とされ、図2に示されるように、帯電器シールド(ケーシング)23を備え、その内側に放電ワイヤ21として直径40μm〜100μm程度のタングステンワイヤが長手方向に張設されている。ケーシング23は、底面23aと、両側面23bとを備え、底面23aに対向した位置に開口部23cが形成されており、横断面がコ字状とされ、開口部23cが感光体ドラム1に対向している。また、本実施例では、帯電器2の底面23に、帯電器の長手方向に沿って複数個の、例えば、2〜4つ程度のスロット状の開口部23a1が形成される。この開口部23a1は、詳しくは後述するが、放電ワイヤ21の高さ調整のための画像が形成された記録材である調整用紙Pを帯電器2内へと挿入するのに使用することができる。
【0030】
本実施例にて、スコロトロン方式とされるコロナ帯電器2は、開口部23cにグリッド22を備えており、グリッド22としては、直径50μm〜200μmの導電部材(SUS304、430や他の導電性材料)を用いている。放電ワイヤ21に印加する電圧は、最大で10kV、電流量として1100μA程度の印加電圧が印加され放電動作が行われる。
【0031】
上述した、コロナ帯電器2により、感光体ドラム1は、200V〜600V程度の範囲に帯電される。本実施例では、コロナ帯電器2の放電ワイヤ21の電流量を1100μAとし、グリッド22には、800Vのバイアスを印加して、暗部のドラム表面電位Vdを360Vに帯電させている。
【0032】
このように一様に帯電された帯電後の感光体ドラム1に対し、レーザ露光による画像露光を行なう時の明部電位は50Vとしている。また、現像器4内の現像ローラ4aには、現像バイアスが印加されており、そのDC成分Vdcは230Vに設定されている。
【0033】
(放電ワイヤの高さ調整機構について)
また、放電ワイヤ21とグリッド22間の距離(以下、「ワイヤ高さ」という。)hは、放電ワイヤ21の軸線方向の奥及び手前位置での高さを調整することにより変更可能である。つまり、この放電ワイヤ21の高さは、図3(a)、(b)に示すような、コロナ帯電器2の長手方向一端側及び他端側、即ち、コロナ帯電器2の奥及び手前位置に設けられた調整手段としての調整ビス24によって調整可能である。サービスマンはこの調整ビスをまわすことによって帯電ワイヤの高さを調整することができる。
【0034】
図4に示すように、放電ワイヤ21の高さを小さくする(放電ワイヤ21とグリッド22間の距離hを狭くする。即ち、放電ワイヤ21と感光体ドラム1間の距離を狭くする)と、放電電流量Idrが大きくなる。即ち、放電ワイヤ21の高さを小さくした場合は、放電ワイヤ21に流れる電流が一定でも(定電流)、コロナ帯電器2から感光体ドラム1に放電される放電電流量Idrが大きくなる。さらに、放電電流量Idrが大きくなると感光体ドラム上での表面電位Vsが増加する(図5)。このようにして、コロナ帯電器2のワイヤ高さhを調整することで、感光体ドラム1の表面電位Vsが変わる。
【0035】
こうして、ワイヤ高さhを変化することで、暗部の感光体ドラム1の表面電位Vsが変化する。これに伴い、グリッドバイアス、レーザーパワーを同じ条件で、感光体ドラム1を帯電及び画像露光させると、図6に示すようにハーフトーン部のドラム表面電位VHTも同様に変化する。
【0036】
このように、ワイヤ高さh対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位VHTの関係(図4、5、6、7)は本体のメモリに蓄えられる。
【0037】
§3.{ワイヤ高さ調整手順について}
以下に、本実施例におけるワイヤ高さの調整手順について、簡単に説明する。まず、ワイヤ高さの調節のために、サービスマンは装置にハーフトーン画像をシートに出力させる。続いて、サービスマンは出力されたハーフトーン画像をスキャナで装置に読み取らせる。装置は読み込んだ画像に基づき、コロナ帯電器の長手方向(感光体ドラム母線方向)に少なくとも2点の濃度に基づき濃度の傾きを算出する。なお、放電ワイヤの傾きを検出するためには、濃度を測定する2点の距離が長手方向に離れていたほうが精度良く傾きを検出することができる。そのため、本実施例では、出力されたハーフトーン画像の長手方向の右端部と左端部の濃度に基づき、傾き調整用の画像を出力するものとする。
【0038】
以下に、画像形成装置の制御回路について説明した後、調整手順の概要と、調整用画像を出力する処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0039】
(制御回路について)
図8は本実施例の画像形成装置の各部を制御する制御回路を説明するためのブロック図である。本実施例の制御回路は、制御手段としてのCPU13は、メモリ101に格納されたプログラムに従い、画像形成装置の各部を制御する。さらに、画像形成装置は画像メモリ102と、リーダー部30と、操作部104を備える。
【0040】
本実施例では、本体内のメモリ部101はワイヤ高さhと感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位VHTとの関係をテーブルとして蓄えている。また、本体内のメモリ部101はV−Dカーブテーブルを格納している。算出手段としての本体CPU13はメモリに格納されたテーブルを参照してワイヤ高さを計算する(ワイヤ高さ計算部)。
【0041】
また、感光体ドラムごとにこのワイヤ高さ対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位Vs(VHT)の関係が、特にa−Si感光体ドラムを用いた場合には、変わる。従って、ドラム交換の際には、新品ドラムに添付されたワイヤ高さh対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位VHTの関係データ(数点のデータ)を、サービスマンが操作部104から入力するようにしている。また、本体内のメモリ101には、図7に示すような感光体ドラムの表面電位(現像バイアスVdcとの差分)Vsd対画像濃度Dの関係テーブルが予め記憶されている。
【0042】
なお、図6で示すワイヤ高さh対ハーフトーン部の感光体ドラム上での表面電位VHTの関係テーブルと、図7で示す感光体ドラムの表面電位Vsd対画像濃度Dの関係テーブルとをまとめて1つのテーブルとして記憶させることも考えられる。しかし、電子写真プロセスを利用したデジタル方式の画像形成装置では一般に、出力される画像の階調性を補正するために、図7で示す感光体ドラムの表面電位対画像濃度の関係テーブルを使用することが多い。そのため、本実施例では、敢えて2つのテーブルとして別個に本体内メモリに記憶させ、図7で示す感光体ドラムの表面電位Vsd対画像濃度Dの関係テーブルは、ワイヤ高さhの調整時用と画像の階調性補正時用とに兼用させている。
【0043】
(ワイヤ高さ調整手順の流れについて)
本実施例の画像形成装置は、ワイヤ高さの調整のための調整モードを実行させる実行手段(CPU)を有している。つまり、調整モードでは、コロナ帯電器2の長手方向に沿った基準部に対し位置決めするための基準マークと共に、放電ワイヤ21の感光体ドラム1に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークをシートに形成させてこれを排出させる。以下に、サービスマンの操作(ステップ1)、調整作業(ステップ5)と、画像形成装置の動作(ステップ2〜ステップ4)について詳しく説明する。なお、調整用紙を読み込んだ後、ワイヤ高さ調整用の画像を出力するまでの画像形成装置の動作については、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0044】
#(ステップ1)
ワイヤ高さの調整を行う際に、サービスマンは操作部104からワイヤ高さ調整モードを選択する。サービスマンの指示を受けて、画像形成装置は画像形成装置本体内の画像メモリ102に蓄えられたデータに基づきハーフトーン画像を記録紙に出力する。これにより放電ワイヤの高さを調整するための調整用紙がプリント出力される。なお、出力されるハーフトーン(中間調)画像はコロナ帯電器のワイヤ高さを調整することを目的としている。そのため、感光体に像露光することなく、画像形成条件(帯電条件及び現像条件)を調整して画像を出力することが好ましい。とりわけ、コントラスト電位と濃度の関係(いわゆるγLUT)がハーフトーン領域においてその傾きが急になる画像形成条件に変更すると、放電ワイヤの傾きを算出する精度が向上するため好ましい。
【0045】
#(ステップ2)
サービスマンは、ステップ1において出力された調整用紙を原稿読み取り手段としてのリーダー部30で装置に読み込ませる。これにより、制御手段としてのCPUはリーダー部30(スキャナ)によって読み込まれた画像を取得する(S101)。これにより、リーダー部30(スキャナ)は、コロナ帯電器2による感光体ドラム1の帯電領域のコロナ帯電器長手方向一端側及び他端側の電位に対応する情報を検出(検知)する検出手段(検知手段)として機能する。
【0046】
本実施例において、感光体の表面電位に対応する情報とは、リーダー部30から得られる輝度信号を変換して求められる濃度である。なぜなら、このように取得した光学濃度から、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd対濃度レベルDの関係テーブルにより、ドラム表面電位を計算することができる。
【0047】
このように、光学濃度からその光学濃度に対する感光体の表面電位が求めれるため、光学濃度を感光体の表面電位に対応する情報と呼ぶ。
【0048】
なお、放電ワイヤの傾きによる帯電電位の差を検出すればよいため、コロナ帯電器によってされた感光体ドラムの領域の少なくとも2点の電位に対応する情報を検出すればよい。無論、放電ワイヤが傾いているとき、帯電領域のコロナ帯電器長手方向の一端と他端部において最も高さが異なるため、その2点の電位に対応する情報を取得することが好ましい。
【0049】
#(ステップ3)
画像形成装置本体は、そのハーフトーン画像の奥・手前の画像濃度レベルをリーダー部30から得られる輝度信号を濃度に変換して求める。制御手段としてのCPU101は読み込んだ画像のうち帯電領域左端部の濃度D1と右端部の濃度D2を取得する(S102)。制御手段としてのCPU(制御装置)13は、メモリに保存されたドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd対濃度レベルDの関係テーブル(以下、「V−Dカーブ」と記す。)を参照する。そして、制御手段としてのCPU(制御装置)13は奥・手前のそれぞれの画像濃度レベル(D1、D2)を関係テーブルから、奥・手前のそれぞれの画像濃度レベルに対するそれぞれのドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsdを算出する。その後、CPU13は、奥・手前それぞれのドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsdを、ドラム表面電位Vsに換算する。その換算式は、ドラム表面電位をVs、現像バイアスのDC成分をVdcとすると、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd=Vdc−Vsである。さらに、CPU13は、奥・手前それぞれのドラム表面電位Vsdから、それに相当するワイヤ高さの差分△hを、図6に示す前述のワイヤ高さh対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位Vs(VHT)の関係テーブルにより求める(S103)。本実施例では、感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位Vs(VHT)は、現像バイアスVdcとの差分である。
【0050】
ここで、例えば、奥側に対し、手前側の表面電位が低い場合には、手前側の表面電位を上げるために△h分だけワイヤ高さを小さくするように、現在のワイヤ高さに対する調整値及び調整後の高さを計算する。なお、現在のワイヤ高さは、工場出荷時から、本体内のメモリ101に記憶されており、ワイヤ高さhの調整が行なわれる度に値が更新されている。
【0051】
#(ステップ4)
上記ステップ3で得られた計算結果に基づき、奥・手前位置でのワイヤ高さをもとに、本体内のCPU13は、画像メモリ102にまず、紙の送り方向の端部からある一定の距離(本実施例では10mm)の位置にある基準マークMoを書き込む。つまり、基準マークMoは、コロナ帯電器2の長手方向に沿った基準部に対して位置決めするためのマークである。同時に、その基準マークMoから紙の送り方向に、奥・手前の端部位置でのワイヤ高さ分だけ距離を隔てた位置にワイヤ高さhの調整マークMhの画像(図9参照)として、画像メモリ102にデータを書き込む(S104)。なお、図9では、マークの形状として線状(ライン画像)の例を示している。
【0052】
ここで、ワイヤ高さhの調整ラインMhは、奥・手前の端部位置のワイヤ高さを基準ラインMoからの距離として印字する。奥・手前端部位置以外の箇所(例えば中央部)では、奥・手前端部位置での高さを線型補間した距離として、画像メモリ102に書き込む(図8参照)。
【0053】
このように、ワイヤ高さ調整用の画像データが画像メモリ102に書き込まれた後に、サービスマンは、操作部104に表示された、「ワイヤ高さ調整用の画像出力」のボタンを押すことにより、図9に示すような画像Mo、Mhを出力させる。
【0054】
なお、ワイヤ高さ調整用の画像の基準マークMoと調整マークMhとは、少なくとも用紙の両端部位置にあれば良い。更に、基準マークMoは、調整用紙Pのコロナ帯電器2に対する位置が合わせられる形状のもの、調整マークMhは、放電ワイヤ21の高さ位置が規定できる形状のものであれば、いかなる形状のものでも構わない。例えば、図10(a)に示すような両端部のみ線があるもの、図10(b)に示すような両端部のみ点があるもの、更には、図10(c)に示すような両端部のみ、2組の三角形状でその2つの三角の交点部で位置を規定するものなどが挙げられる。
【0055】
#(ステップ5)
上記ステップ4で出力された調整用紙を、サービスマンが、コロナ帯電器に合わせて調整する。つまり、図11に示すように、サービスマンは、まず、調整用紙Pを帯電器2の底面23aに形成したスロット状の開口部23a1から帯電器2内へと挿入し、調整用紙Pの基準ラインMoを、基準部としてのコロナ帯電器2のグリッド線22に合わせる。ここで、調整用紙Pの奥・手前方向の位置は、放電ワイヤ21の奥・手前方向の長さに対し、ほぼ中央の位置にセットしても良い。しかし、正確には、図11に示すように、コロナ帯電器2のケーシング23の側面23bに記された奥・手前方向の紙位置の指標25を用紙Pの片側端部に合わせてセット(位置決め)する方が良い。なお、放電ワイヤ21の奥・手前方向の長さLは、帯電領域を最大画像幅より大きくしなければならないので、放電ワイヤの長さL>調整用紙Pの用紙幅Wである。
【0056】
次に、調整用紙Pのワイヤ高さ調整ラインMhに合わせ、放電ワイヤ21の高さを調整する。この高さの調整は、図3(a)、(b)に示すように、コロナ帯電器の奥・手前端部に設けられた調整ビス24をサービスマンがドライバー200で回すことにより調整できる。
【0057】
なお、本実施例では、基準ラインMoを基準部としてのグリッド線22に合わせて調整しているが、変更実施例としては、コロナ帯電器のケーシングの底面23aに合わせて、図12に示すように、高さ調整をすることもできる。
【0058】
つまり、この変更実施例では、ケーシングの底面23aに、2つの開口部23a1を有する帯電器を示したが、先の実施例と同様に、この開口部23a1を貫通して調整用紙Pが設置される。
【0059】
なお、この変更実施例の場合は、上記ステップ4で行なった、ワイヤ高さの調整ラインの算出には、ケーシングの底面23aからの距離として計算される。ワイヤ高さとケーシングの底面23aとの距離は、予め本体メモリ101に格納されている。
【0060】
上述のように、図12では、ケーシングの底面23aに開口部23a1を有する帯電器を示した。しかし、ケーシング底面23aに開口部がない、平板状のケーシング底面の帯電器の場合には、基準ラインMoに合わせて調整用紙Pを折るか若しくは切るなどして、基準ラインMoが用紙Pの端面となるようにする。そして、用紙Pをグリッド22側から帯電器2内へと挿入し、ケーシング底面23aに基準ラインMoを突き当てて、調整することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施例によれば、サービスマンがドラム交換時等で行なっていたコロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業に対して、ワイヤ高さの調整量が出力されたサービス用の調整用紙(記録材)に、基準ラインMoに対する距離として表される。そのため、画像の濃度傾きからワイヤ高さ調整量をサービスマンが判断する必要もなく、しかも、1回で正確な調整値が計算される。従って、トライアンドエラーの作業をする必要がなくなり、サービスマンの負荷を軽減することができるようになる。更に、ワイヤ高さ調整の際には、サービスマンは、ワイヤ高さ調整ラインに合わせて、ワイヤの高さ位置を合わせれば良いので、物差しの目見当で高さを調整する必要がなくなり、調整が容易となる。
【0062】
実施例2
次に、本発明の第二の実施例について、説明する。
【0063】
実施例1においては、上記ステップ4において、ワイヤ高さの調整値を基準ラインMoからの距離として印字された調整用紙をプリント出力させていた。しかし、ワイヤ高さの調整値を操作部104に奥・手前側それぞれの調整値として表示(報知)させても良い。この場合には、実施例1の上記ステップ5で行われていた調整作業は以下のようになる。先ず、サービスマンは、操作部104に表示(報知)された奥・手前側それぞれの調整量に対応する情報、即ち、ワイヤ高さ調整値を読み取る(本実施例では、グリッド線22からの高さを表示する)。そして、サービスマンは、物差しを使用して、グリッド線22とワイヤ線21の距離が、上記の操作部に表示(報知)された奥・手前側それぞれのワイヤ高さ調整となるように調整する。その高さの調整作業は、実施例1と同様である。
【0064】
なお、ワイヤ高さとしては、このようにグリッド線からの高さ(h)として表す他にも、実施例1と同様にケーシング23の底面23aとの距離として表示することもできる。本実施例2によれば、画像の濃度傾きからワイヤ高さ調整量をサービスマンが判断する必要もなく、しかも、1回で正確な調整値が計算されるので、トライアンドエラーの作業をする必要がなくなるという効果の他に、以下の効果を有する。
【0065】
つまり、本実施例ではサービス用の調整紙は出力されないが、高さの調整値は操作部に表示(報知)される。そして、サービスマンは表示された結果に基づき、物差しを用いてワイヤ高さ調整を行う。これにより、サービス用の調整用紙の歪みに起因する、調整誤差を排除することができる。そのため、実施例1の構成に比べて、簡便性は劣るものの高精度にワイヤ高さを調整することができる。
【0066】
実施例3
実施例1及び実施例2では、上記ステップ3で用いた、V―Dカーブのデータが予め本体内のメモリに格納されていたが、V―Dカーブのデータを調整時に作成しても良い。この場合には、前述した、ワイヤ調整時のステップが以下のようになる。
【0067】
なお、ここでは、実施例1で示したステップ1〜5とは異なる点のみ記す。
【0068】
(ステップ1’)ハーフトーン画像の他に、V―Dカーブ作成用に、用紙の送り方向に階調が変化した、階調画像(べた白からべた黒に至るまで、等間隔レベルに変化したもので、本実施例では17階調の画像)を調整用紙Pにプリント出力させる。この階調画像を出力する際には、本体は、図1に示すように、感光体ドラムに対向して設けられた表面電位センサ(表面電位検出手段)14により、感光体ドラム上の階調画像に対するドラム表面電位を測定し、測定データを本体内のメモリ101に格納する。
【0069】
(ステップ2’)上記ステップ1’で出力された、テストトナー像である、ハーフトーン画像と階調画像を本体内の原稿読取手段としてのリーダー部30より読み込ませる。
【0070】
(ステップ3’)本体は、そのハーフトーン画像の奥・手前の濃度レベルに加えて、階調画像の各階調の濃度レベルを、リーダー部30から得られる輝度信号を濃度に変換して求める。本体内のCPU13は、階調画像の各階調に対してのドラム表面電位データ(ステップ1’で得られたもの)と、前記で求められた濃度レベルとを対応させる。ここで、ドラム表面電位データは以下の式により、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsdに換算して、対応づけられる。
【0071】
ドラム表面電位をVs、現像バイアスのDC成分をVdcとすると、
ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd=Vdc−Vs
【0072】
このようにして、対応づけられた、各階調のドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd対濃度レベルDのデータにより、V−Dカーブが作成され、このデータが、本体内のメモリ101に格納される。
【0073】
そして、本体CPU13はこのV−Dカーブを参照し、ハーフトーン画像の奥・手前それぞれの濃度レベルを、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)に対応させる。
【0074】
以下、ハーフトーン画像の奥・手前それぞれに対する、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)をドラム表面電位Vsに対応させる過程、ドラム表面電位Vsとワイヤ高さに対応させる過程は、実施例1(ステップ3)で示した過程と同様である。
【0075】
以下、ステップ4〜5についても、実施例1に示したステップと同様である。
【0076】
本実施例によれば、ワイヤ高さ調整時毎にドラム表面電位対画像濃度の関係テーブルを作成する。従って、実施例1で述べた効果の他に、ドラム表面電位対画像濃度の関係の経時変化や環境変化の要因が排除でき、より高精度なドラム表面電位対画像濃度の関係テーブルを作成するので、高精度なワイヤ高さを調整することができる。
【0077】
実施例4
実施例1、2においては、出力されたハーフトーン画像を読み取る原稿読取手段である本体のリーダー部30を用いていた。しかし、図14に示すように、本体内の転写紙上に形成された画像濃度を検出する画像濃度センサ151、152を奥・手前それぞれに設け、このセンサ151、152からの濃度信号レベルにより奥・手前の濃度傾きを判別しても良い。
【0078】
さらに、実施例3においては、階調画像を読み取る際には、本体のリーダー部30を用いていたが、やはり図14に示すように、中央部に画像濃度センサ150を設け、階調画像の濃度レベルを検出しても良い。
【0079】
そこで、本実施例の画像形成装置は、階調画像の画像濃度を検知する画像濃度センサと、表面電位センサ14を備える。本実施例において、感光体ドラムの表面電位対画像濃度の関係テーブルは、画像濃度センサからの階調画像の画像濃度の検知結果と、表面電位センサからの階調画像のドラム表面電位の検出結果とに基づいて作成することができる。
【0080】
また、本実施例は、本体内にリーダー部30を搭載していないSFP(シングルファンクションプリンタ)にも本発明が適用できるようになる。
【0081】
上記各実施例では、本発明は、像担持体上に形成したトナー像を直接記録材に転写する、所謂、直接転写方式の画像形成装置について説明した。しかし、本発明は、像担持体に形成したトナー像を、中間転写ベルトなどとされる中間転写体に転写し、その後記録材にトナー像を転写する、所謂、中間転写方式の画像形成装置にも適用することができる。中間転写方式の画像形成装置は当業者には周知であるのでこれ以上の説明は省略する。
【0082】
なお、実施例4の場合には、中間転写方式の画像形成装置とされる場合には、像担持体から中間転写体に転写されたトナー画像の濃度を濃度検知センサで検知することも可能である。
【0083】
ここで、コロナ帯電器の奥・手前方向の放電ワイヤの高さを変化させると、感光体ドラムとワイヤとの距離が変化する。そのため、コロナ帯電器から感光体ドラムに流れる放電電流量が変化するため、感光体ドラムの奥・手前方向に沿って感光体の表面電位が変化する。
【符号の説明】
【0084】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 コロナ帯電器(帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像器(現像手段)
5 転写器(転写手段)
8 定着器(定着手段)
13 CPU(制御装置、制御手段)
14 表面電位センサ(表面電位検出手段)
21 放電ワイヤ
22 グリッド線(調整時基準部)
23 ケーシング
30 リーダー部(原稿読取手段)
50 画像形成部
104 本体操作部
150、151、152 画像濃度センサ(濃度検出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。とりわけ、コロナ帯電器の放電ワイヤの高さを調整する機構を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム表面を均一に帯電する帯電手段として、放電ワイヤを用いたコロナ帯電器が用いられている。
【0003】
この放電ワイヤは、汚れや寿命などの原因で、市場(装置が設置された場所)で張り替えられる。しかし、放電ワイヤを張り替える作業によって、感光体ドラム軸方向におけるハーフトーン画像の奥側から手前側方向、即ち、奥・手前方向の濃度傾きの状態が変化してしまう。そのため、放電ワイヤを張り替える度に、コロナ帯電器の奥・手前方向のワイヤ高さを調整して、濃度傾きを調整していた。
【0004】
例えば特許文献1には、放電ワイヤ高さを調整することのできるコロナ帯電器が開示されている(図15参照)。具体的には、当接部材197を前後に移動させることによりスライダー195’の基部195a’がテーパ197aを相対移動させて、放電ワイヤ192の高さ調整している。
【0005】
なお、ハーフトーン画像の奥・手前方向(コロナ帯電器の長手方向)の濃度傾きの状態は使用状況(耐久枚数)によっても影響を受ける。また、市場で感光体ドラムが新品のものと交換しても、感光体ドラムの軸方向(母線方向)の感度の傾きのため、ハーフトーン画像の奥・手前方向に濃度の傾きの状態が変化する。そのため、頻繁に放電ワイヤの高さを調整する必要があった。
【0006】
従来の放電ワイヤの高さ調整の手順(調整工程)について説明する。まず、サービスマン(作業者)は、画像形成装置を操作して記録シートにハーフトーン画像を出力させる。その次に、サービスマンは画像形成装置が出力したハーフトーン画像の奥・手前方向の濃度の傾き度合に基づき、コロナ帯電器の奥・手前の放電ワイヤ高さ位置を調整していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−102740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の調整方法では、サービスマンの技量が未熟であると、調整に要する時間が非常に長くなる。たとえ、熟練されたサービスマンが調整をする場合であったとしもて、1回の調整工程で感光体ドラムの長手方向に均一に帯電できるように放電ワイヤ高さを調整することは困難であった。つまり、調整工程を何度も繰り返して、放電ワイヤの高さを決めるため、ワイヤ高さの調整作業は長い時間が必要となる。
【0009】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、コロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業を、短時間にて、且つ、調整量の判断に熟練を要することがなく、容易に実施することのできる画像形成装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の第一の態様によれば、
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記コロナ帯電器の長手方向に沿った基準部に対し位置決めするための基準マークとともに、前記検知手段の出力に基づいて前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークをシートに形成する調整モードを実行させる実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0012】
本発明の第二の態様によれば、
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に基づいて算出された前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整量に対応する情報を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業を、短時間にて、且つ、調整量の判断に熟練を要することがなく、容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置の構成を説明するための概略図である。
【図2】コロナ帯電器の断面図である。
【図3】放電ワイヤ高さの調整作業を説明するための斜視図と断面図である。
【図4】放電ワイヤ高さと放電ワイヤから感光体ドラムへの放電電流量の関係を示す図である。
【図5】放電電流量と感光体ドラム上での表面電位の関係を示す図である。
【図6】放電ワイヤ高さと感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位の関係を示す図である。
【図7】感光体表面電位(と現像バイアスの差)と画像濃度の関係を示す図である。
【図8】画像形成装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図9】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像の一例を示す図である。
【図10】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像の一例を示す図である。
【図11】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像が印刷された調整用紙を用いて、基準ラインをグリッド線に合わせて調整する作業を示す図である。
【図12】放電ワイヤ高さを調整するために出力される画像が印刷された調整用紙を用いて、基準ラインをコロナ帯電器のケーシング底面に合わせて調整する作業を示す図である。
【図13】基準ラインと調整ラインをシートに出力する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】画像形成装置内に配置された濃度センサを説明するための図である。
【図15】従来のコロナ帯電器における放電ワイヤ高さの調整を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0016】
実施例1
まず、画像形成装置の概略について説明した後、コロナ帯電器の構成について説明する。続いて、放電ワイヤの高さを調整するための画像の出力手順と画像を用いた調整方法について説明する。
【0017】
§1.{画像形成装置の概略について}
以下に画像形成装置の概略構成と画像形成動作について説明する。
【0018】
(画像形成装置の構成について)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例にて、画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したデジタル方式の複写機とされる。ここでは、原稿の画像を読み取って画像形成する複写機としての画像形成装置を具体例として用いる。本実施例にて、画像形成装置は、原稿Dを光学的にスキャンして読み取って画像データを生成する画像読取部(リーダー部)30と、画像データを静電方式により記録材(シート)P上に記録する画像形成部50とを備えている。
【0019】
ここで、原稿Dは、プラテンガラス31上に読み取り面を下に向けた状態に載置されており、光学系はプラテンガラス31に沿って走査して読み取りを行う。この時、光源33により原稿Dの原稿面が照射され、その反射光がミラー34、35、36を介して結像光学系37を介して光電変換手段であるCCD38の受光面に像を結ぶ。
【0020】
本実施例にて、原稿の画像情報を読み取る原稿読取手段としての画像読取部30は、光源33、ミラー34、35、36、結像光学系37及びCCD38を有する光学系、並びに、図示されていない光学系駆動手段にて構成される。画像読取部30にて読み取られた原稿Dの画像データは、CCD38から図示しない読み取り画像処理部に送られ処理された後、画像信号として、画像形成部50に送られる。
【0021】
画像形成部50は、像担持体として矢印方向(時計方向)に回転駆動されるa−Si感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1の周囲には、帯電器(帯電手段)2、露光装置(露光手段)3、現像器(現像手段)4、転写器(転写手段)5及びクリーニングブレード(クリーニング手段)6等が設置されている。
【0022】
(画像形成動作について)
次に、上記した画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0023】
両面画像形成時には、感光体ドラム1はドラム駆動モータ9により矢印方向(時計方向)に所定速度(本実施例では450mm/sec)で回転駆動され、帯電器2によってその表面が均一に帯電される。そして、感光体ドラム1の表面に露光装置3から入力される画像情報に応じてレーザ光による画像露光Lを行い、露光部分の電荷を除去して静電像を形成する。この静電像は現像器4によりトナーが付着されて反転現像され、トナー像として顕像化される。
【0024】
感光体ドラム1上のトナー像が感光体ドラム1と転写器5との間の転写部位Tに到達すると、このタイミングに合わせて記録材カセット15内から給紙された用紙などの記録材Pがレジストローラ(不図示)によりこの転写部位に給送される。そして、転写器5により記録材Pの表面(片面)に感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
【0025】
トナー像が片面に転写された記録材Pは、搬送装置7によって定着器8の定着ローラ8aと加圧ローラ8b間の定着ニップに搬送される。トナー像が転写された記録材Pは、定着ローラ8aと加圧ローラ8b間の定着ニップで加熱、加圧されてトナー像の定着を受けた後、反転ローラ16の逆回転によって再給紙ベルト17上に搬送される。そして、再給紙ベルト17上に搬送された記録材Pは、再び感光体ドラム1と転写器5との間の転写部位に搬送され、トナー像が転写されていない他方の片面に上記同様にして画像形成が行われた後、外部に排出される。
【0026】
感光体ドラム1上に残留している転写残トナーなどはクリーニングブレード6によって除去され、回収される。
【0027】
また、片面画像形成時には、上記と同様にして定着器8で加熱、加圧されて片面にトナー像の定着を受けた記録材Pは、反転ローラ16の正回転によって再給紙ベルト17上に搬送されることなく外部に排出される。
【0028】
§2.{コロナ帯電器について}
以下に、本実施例のコロナ帯電器の概略構成と、放電ワイヤの調整機構について説明する。
【0029】
(コロナ帯電器の概略構成について)
本実施例にて、コロナ帯電器2は、当業者には周知の構造とされ、図2に示されるように、帯電器シールド(ケーシング)23を備え、その内側に放電ワイヤ21として直径40μm〜100μm程度のタングステンワイヤが長手方向に張設されている。ケーシング23は、底面23aと、両側面23bとを備え、底面23aに対向した位置に開口部23cが形成されており、横断面がコ字状とされ、開口部23cが感光体ドラム1に対向している。また、本実施例では、帯電器2の底面23に、帯電器の長手方向に沿って複数個の、例えば、2〜4つ程度のスロット状の開口部23a1が形成される。この開口部23a1は、詳しくは後述するが、放電ワイヤ21の高さ調整のための画像が形成された記録材である調整用紙Pを帯電器2内へと挿入するのに使用することができる。
【0030】
本実施例にて、スコロトロン方式とされるコロナ帯電器2は、開口部23cにグリッド22を備えており、グリッド22としては、直径50μm〜200μmの導電部材(SUS304、430や他の導電性材料)を用いている。放電ワイヤ21に印加する電圧は、最大で10kV、電流量として1100μA程度の印加電圧が印加され放電動作が行われる。
【0031】
上述した、コロナ帯電器2により、感光体ドラム1は、200V〜600V程度の範囲に帯電される。本実施例では、コロナ帯電器2の放電ワイヤ21の電流量を1100μAとし、グリッド22には、800Vのバイアスを印加して、暗部のドラム表面電位Vdを360Vに帯電させている。
【0032】
このように一様に帯電された帯電後の感光体ドラム1に対し、レーザ露光による画像露光を行なう時の明部電位は50Vとしている。また、現像器4内の現像ローラ4aには、現像バイアスが印加されており、そのDC成分Vdcは230Vに設定されている。
【0033】
(放電ワイヤの高さ調整機構について)
また、放電ワイヤ21とグリッド22間の距離(以下、「ワイヤ高さ」という。)hは、放電ワイヤ21の軸線方向の奥及び手前位置での高さを調整することにより変更可能である。つまり、この放電ワイヤ21の高さは、図3(a)、(b)に示すような、コロナ帯電器2の長手方向一端側及び他端側、即ち、コロナ帯電器2の奥及び手前位置に設けられた調整手段としての調整ビス24によって調整可能である。サービスマンはこの調整ビスをまわすことによって帯電ワイヤの高さを調整することができる。
【0034】
図4に示すように、放電ワイヤ21の高さを小さくする(放電ワイヤ21とグリッド22間の距離hを狭くする。即ち、放電ワイヤ21と感光体ドラム1間の距離を狭くする)と、放電電流量Idrが大きくなる。即ち、放電ワイヤ21の高さを小さくした場合は、放電ワイヤ21に流れる電流が一定でも(定電流)、コロナ帯電器2から感光体ドラム1に放電される放電電流量Idrが大きくなる。さらに、放電電流量Idrが大きくなると感光体ドラム上での表面電位Vsが増加する(図5)。このようにして、コロナ帯電器2のワイヤ高さhを調整することで、感光体ドラム1の表面電位Vsが変わる。
【0035】
こうして、ワイヤ高さhを変化することで、暗部の感光体ドラム1の表面電位Vsが変化する。これに伴い、グリッドバイアス、レーザーパワーを同じ条件で、感光体ドラム1を帯電及び画像露光させると、図6に示すようにハーフトーン部のドラム表面電位VHTも同様に変化する。
【0036】
このように、ワイヤ高さh対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位VHTの関係(図4、5、6、7)は本体のメモリに蓄えられる。
【0037】
§3.{ワイヤ高さ調整手順について}
以下に、本実施例におけるワイヤ高さの調整手順について、簡単に説明する。まず、ワイヤ高さの調節のために、サービスマンは装置にハーフトーン画像をシートに出力させる。続いて、サービスマンは出力されたハーフトーン画像をスキャナで装置に読み取らせる。装置は読み込んだ画像に基づき、コロナ帯電器の長手方向(感光体ドラム母線方向)に少なくとも2点の濃度に基づき濃度の傾きを算出する。なお、放電ワイヤの傾きを検出するためには、濃度を測定する2点の距離が長手方向に離れていたほうが精度良く傾きを検出することができる。そのため、本実施例では、出力されたハーフトーン画像の長手方向の右端部と左端部の濃度に基づき、傾き調整用の画像を出力するものとする。
【0038】
以下に、画像形成装置の制御回路について説明した後、調整手順の概要と、調整用画像を出力する処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0039】
(制御回路について)
図8は本実施例の画像形成装置の各部を制御する制御回路を説明するためのブロック図である。本実施例の制御回路は、制御手段としてのCPU13は、メモリ101に格納されたプログラムに従い、画像形成装置の各部を制御する。さらに、画像形成装置は画像メモリ102と、リーダー部30と、操作部104を備える。
【0040】
本実施例では、本体内のメモリ部101はワイヤ高さhと感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位VHTとの関係をテーブルとして蓄えている。また、本体内のメモリ部101はV−Dカーブテーブルを格納している。算出手段としての本体CPU13はメモリに格納されたテーブルを参照してワイヤ高さを計算する(ワイヤ高さ計算部)。
【0041】
また、感光体ドラムごとにこのワイヤ高さ対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位Vs(VHT)の関係が、特にa−Si感光体ドラムを用いた場合には、変わる。従って、ドラム交換の際には、新品ドラムに添付されたワイヤ高さh対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位VHTの関係データ(数点のデータ)を、サービスマンが操作部104から入力するようにしている。また、本体内のメモリ101には、図7に示すような感光体ドラムの表面電位(現像バイアスVdcとの差分)Vsd対画像濃度Dの関係テーブルが予め記憶されている。
【0042】
なお、図6で示すワイヤ高さh対ハーフトーン部の感光体ドラム上での表面電位VHTの関係テーブルと、図7で示す感光体ドラムの表面電位Vsd対画像濃度Dの関係テーブルとをまとめて1つのテーブルとして記憶させることも考えられる。しかし、電子写真プロセスを利用したデジタル方式の画像形成装置では一般に、出力される画像の階調性を補正するために、図7で示す感光体ドラムの表面電位対画像濃度の関係テーブルを使用することが多い。そのため、本実施例では、敢えて2つのテーブルとして別個に本体内メモリに記憶させ、図7で示す感光体ドラムの表面電位Vsd対画像濃度Dの関係テーブルは、ワイヤ高さhの調整時用と画像の階調性補正時用とに兼用させている。
【0043】
(ワイヤ高さ調整手順の流れについて)
本実施例の画像形成装置は、ワイヤ高さの調整のための調整モードを実行させる実行手段(CPU)を有している。つまり、調整モードでは、コロナ帯電器2の長手方向に沿った基準部に対し位置決めするための基準マークと共に、放電ワイヤ21の感光体ドラム1に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークをシートに形成させてこれを排出させる。以下に、サービスマンの操作(ステップ1)、調整作業(ステップ5)と、画像形成装置の動作(ステップ2〜ステップ4)について詳しく説明する。なお、調整用紙を読み込んだ後、ワイヤ高さ調整用の画像を出力するまでの画像形成装置の動作については、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0044】
#(ステップ1)
ワイヤ高さの調整を行う際に、サービスマンは操作部104からワイヤ高さ調整モードを選択する。サービスマンの指示を受けて、画像形成装置は画像形成装置本体内の画像メモリ102に蓄えられたデータに基づきハーフトーン画像を記録紙に出力する。これにより放電ワイヤの高さを調整するための調整用紙がプリント出力される。なお、出力されるハーフトーン(中間調)画像はコロナ帯電器のワイヤ高さを調整することを目的としている。そのため、感光体に像露光することなく、画像形成条件(帯電条件及び現像条件)を調整して画像を出力することが好ましい。とりわけ、コントラスト電位と濃度の関係(いわゆるγLUT)がハーフトーン領域においてその傾きが急になる画像形成条件に変更すると、放電ワイヤの傾きを算出する精度が向上するため好ましい。
【0045】
#(ステップ2)
サービスマンは、ステップ1において出力された調整用紙を原稿読み取り手段としてのリーダー部30で装置に読み込ませる。これにより、制御手段としてのCPUはリーダー部30(スキャナ)によって読み込まれた画像を取得する(S101)。これにより、リーダー部30(スキャナ)は、コロナ帯電器2による感光体ドラム1の帯電領域のコロナ帯電器長手方向一端側及び他端側の電位に対応する情報を検出(検知)する検出手段(検知手段)として機能する。
【0046】
本実施例において、感光体の表面電位に対応する情報とは、リーダー部30から得られる輝度信号を変換して求められる濃度である。なぜなら、このように取得した光学濃度から、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd対濃度レベルDの関係テーブルにより、ドラム表面電位を計算することができる。
【0047】
このように、光学濃度からその光学濃度に対する感光体の表面電位が求めれるため、光学濃度を感光体の表面電位に対応する情報と呼ぶ。
【0048】
なお、放電ワイヤの傾きによる帯電電位の差を検出すればよいため、コロナ帯電器によってされた感光体ドラムの領域の少なくとも2点の電位に対応する情報を検出すればよい。無論、放電ワイヤが傾いているとき、帯電領域のコロナ帯電器長手方向の一端と他端部において最も高さが異なるため、その2点の電位に対応する情報を取得することが好ましい。
【0049】
#(ステップ3)
画像形成装置本体は、そのハーフトーン画像の奥・手前の画像濃度レベルをリーダー部30から得られる輝度信号を濃度に変換して求める。制御手段としてのCPU101は読み込んだ画像のうち帯電領域左端部の濃度D1と右端部の濃度D2を取得する(S102)。制御手段としてのCPU(制御装置)13は、メモリに保存されたドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd対濃度レベルDの関係テーブル(以下、「V−Dカーブ」と記す。)を参照する。そして、制御手段としてのCPU(制御装置)13は奥・手前のそれぞれの画像濃度レベル(D1、D2)を関係テーブルから、奥・手前のそれぞれの画像濃度レベルに対するそれぞれのドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsdを算出する。その後、CPU13は、奥・手前それぞれのドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsdを、ドラム表面電位Vsに換算する。その換算式は、ドラム表面電位をVs、現像バイアスのDC成分をVdcとすると、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd=Vdc−Vsである。さらに、CPU13は、奥・手前それぞれのドラム表面電位Vsdから、それに相当するワイヤ高さの差分△hを、図6に示す前述のワイヤ高さh対感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位Vs(VHT)の関係テーブルにより求める(S103)。本実施例では、感光体ドラム上でのハーフトーン部の表面電位Vs(VHT)は、現像バイアスVdcとの差分である。
【0050】
ここで、例えば、奥側に対し、手前側の表面電位が低い場合には、手前側の表面電位を上げるために△h分だけワイヤ高さを小さくするように、現在のワイヤ高さに対する調整値及び調整後の高さを計算する。なお、現在のワイヤ高さは、工場出荷時から、本体内のメモリ101に記憶されており、ワイヤ高さhの調整が行なわれる度に値が更新されている。
【0051】
#(ステップ4)
上記ステップ3で得られた計算結果に基づき、奥・手前位置でのワイヤ高さをもとに、本体内のCPU13は、画像メモリ102にまず、紙の送り方向の端部からある一定の距離(本実施例では10mm)の位置にある基準マークMoを書き込む。つまり、基準マークMoは、コロナ帯電器2の長手方向に沿った基準部に対して位置決めするためのマークである。同時に、その基準マークMoから紙の送り方向に、奥・手前の端部位置でのワイヤ高さ分だけ距離を隔てた位置にワイヤ高さhの調整マークMhの画像(図9参照)として、画像メモリ102にデータを書き込む(S104)。なお、図9では、マークの形状として線状(ライン画像)の例を示している。
【0052】
ここで、ワイヤ高さhの調整ラインMhは、奥・手前の端部位置のワイヤ高さを基準ラインMoからの距離として印字する。奥・手前端部位置以外の箇所(例えば中央部)では、奥・手前端部位置での高さを線型補間した距離として、画像メモリ102に書き込む(図8参照)。
【0053】
このように、ワイヤ高さ調整用の画像データが画像メモリ102に書き込まれた後に、サービスマンは、操作部104に表示された、「ワイヤ高さ調整用の画像出力」のボタンを押すことにより、図9に示すような画像Mo、Mhを出力させる。
【0054】
なお、ワイヤ高さ調整用の画像の基準マークMoと調整マークMhとは、少なくとも用紙の両端部位置にあれば良い。更に、基準マークMoは、調整用紙Pのコロナ帯電器2に対する位置が合わせられる形状のもの、調整マークMhは、放電ワイヤ21の高さ位置が規定できる形状のものであれば、いかなる形状のものでも構わない。例えば、図10(a)に示すような両端部のみ線があるもの、図10(b)に示すような両端部のみ点があるもの、更には、図10(c)に示すような両端部のみ、2組の三角形状でその2つの三角の交点部で位置を規定するものなどが挙げられる。
【0055】
#(ステップ5)
上記ステップ4で出力された調整用紙を、サービスマンが、コロナ帯電器に合わせて調整する。つまり、図11に示すように、サービスマンは、まず、調整用紙Pを帯電器2の底面23aに形成したスロット状の開口部23a1から帯電器2内へと挿入し、調整用紙Pの基準ラインMoを、基準部としてのコロナ帯電器2のグリッド線22に合わせる。ここで、調整用紙Pの奥・手前方向の位置は、放電ワイヤ21の奥・手前方向の長さに対し、ほぼ中央の位置にセットしても良い。しかし、正確には、図11に示すように、コロナ帯電器2のケーシング23の側面23bに記された奥・手前方向の紙位置の指標25を用紙Pの片側端部に合わせてセット(位置決め)する方が良い。なお、放電ワイヤ21の奥・手前方向の長さLは、帯電領域を最大画像幅より大きくしなければならないので、放電ワイヤの長さL>調整用紙Pの用紙幅Wである。
【0056】
次に、調整用紙Pのワイヤ高さ調整ラインMhに合わせ、放電ワイヤ21の高さを調整する。この高さの調整は、図3(a)、(b)に示すように、コロナ帯電器の奥・手前端部に設けられた調整ビス24をサービスマンがドライバー200で回すことにより調整できる。
【0057】
なお、本実施例では、基準ラインMoを基準部としてのグリッド線22に合わせて調整しているが、変更実施例としては、コロナ帯電器のケーシングの底面23aに合わせて、図12に示すように、高さ調整をすることもできる。
【0058】
つまり、この変更実施例では、ケーシングの底面23aに、2つの開口部23a1を有する帯電器を示したが、先の実施例と同様に、この開口部23a1を貫通して調整用紙Pが設置される。
【0059】
なお、この変更実施例の場合は、上記ステップ4で行なった、ワイヤ高さの調整ラインの算出には、ケーシングの底面23aからの距離として計算される。ワイヤ高さとケーシングの底面23aとの距離は、予め本体メモリ101に格納されている。
【0060】
上述のように、図12では、ケーシングの底面23aに開口部23a1を有する帯電器を示した。しかし、ケーシング底面23aに開口部がない、平板状のケーシング底面の帯電器の場合には、基準ラインMoに合わせて調整用紙Pを折るか若しくは切るなどして、基準ラインMoが用紙Pの端面となるようにする。そして、用紙Pをグリッド22側から帯電器2内へと挿入し、ケーシング底面23aに基準ラインMoを突き当てて、調整することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施例によれば、サービスマンがドラム交換時等で行なっていたコロナ帯電器の放電ワイヤ高さ調整作業に対して、ワイヤ高さの調整量が出力されたサービス用の調整用紙(記録材)に、基準ラインMoに対する距離として表される。そのため、画像の濃度傾きからワイヤ高さ調整量をサービスマンが判断する必要もなく、しかも、1回で正確な調整値が計算される。従って、トライアンドエラーの作業をする必要がなくなり、サービスマンの負荷を軽減することができるようになる。更に、ワイヤ高さ調整の際には、サービスマンは、ワイヤ高さ調整ラインに合わせて、ワイヤの高さ位置を合わせれば良いので、物差しの目見当で高さを調整する必要がなくなり、調整が容易となる。
【0062】
実施例2
次に、本発明の第二の実施例について、説明する。
【0063】
実施例1においては、上記ステップ4において、ワイヤ高さの調整値を基準ラインMoからの距離として印字された調整用紙をプリント出力させていた。しかし、ワイヤ高さの調整値を操作部104に奥・手前側それぞれの調整値として表示(報知)させても良い。この場合には、実施例1の上記ステップ5で行われていた調整作業は以下のようになる。先ず、サービスマンは、操作部104に表示(報知)された奥・手前側それぞれの調整量に対応する情報、即ち、ワイヤ高さ調整値を読み取る(本実施例では、グリッド線22からの高さを表示する)。そして、サービスマンは、物差しを使用して、グリッド線22とワイヤ線21の距離が、上記の操作部に表示(報知)された奥・手前側それぞれのワイヤ高さ調整となるように調整する。その高さの調整作業は、実施例1と同様である。
【0064】
なお、ワイヤ高さとしては、このようにグリッド線からの高さ(h)として表す他にも、実施例1と同様にケーシング23の底面23aとの距離として表示することもできる。本実施例2によれば、画像の濃度傾きからワイヤ高さ調整量をサービスマンが判断する必要もなく、しかも、1回で正確な調整値が計算されるので、トライアンドエラーの作業をする必要がなくなるという効果の他に、以下の効果を有する。
【0065】
つまり、本実施例ではサービス用の調整紙は出力されないが、高さの調整値は操作部に表示(報知)される。そして、サービスマンは表示された結果に基づき、物差しを用いてワイヤ高さ調整を行う。これにより、サービス用の調整用紙の歪みに起因する、調整誤差を排除することができる。そのため、実施例1の構成に比べて、簡便性は劣るものの高精度にワイヤ高さを調整することができる。
【0066】
実施例3
実施例1及び実施例2では、上記ステップ3で用いた、V―Dカーブのデータが予め本体内のメモリに格納されていたが、V―Dカーブのデータを調整時に作成しても良い。この場合には、前述した、ワイヤ調整時のステップが以下のようになる。
【0067】
なお、ここでは、実施例1で示したステップ1〜5とは異なる点のみ記す。
【0068】
(ステップ1’)ハーフトーン画像の他に、V―Dカーブ作成用に、用紙の送り方向に階調が変化した、階調画像(べた白からべた黒に至るまで、等間隔レベルに変化したもので、本実施例では17階調の画像)を調整用紙Pにプリント出力させる。この階調画像を出力する際には、本体は、図1に示すように、感光体ドラムに対向して設けられた表面電位センサ(表面電位検出手段)14により、感光体ドラム上の階調画像に対するドラム表面電位を測定し、測定データを本体内のメモリ101に格納する。
【0069】
(ステップ2’)上記ステップ1’で出力された、テストトナー像である、ハーフトーン画像と階調画像を本体内の原稿読取手段としてのリーダー部30より読み込ませる。
【0070】
(ステップ3’)本体は、そのハーフトーン画像の奥・手前の濃度レベルに加えて、階調画像の各階調の濃度レベルを、リーダー部30から得られる輝度信号を濃度に変換して求める。本体内のCPU13は、階調画像の各階調に対してのドラム表面電位データ(ステップ1’で得られたもの)と、前記で求められた濃度レベルとを対応させる。ここで、ドラム表面電位データは以下の式により、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsdに換算して、対応づけられる。
【0071】
ドラム表面電位をVs、現像バイアスのDC成分をVdcとすると、
ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd=Vdc−Vs
【0072】
このようにして、対応づけられた、各階調のドラム表面電位(現像バイアスとの差分)Vsd対濃度レベルDのデータにより、V−Dカーブが作成され、このデータが、本体内のメモリ101に格納される。
【0073】
そして、本体CPU13はこのV−Dカーブを参照し、ハーフトーン画像の奥・手前それぞれの濃度レベルを、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)に対応させる。
【0074】
以下、ハーフトーン画像の奥・手前それぞれに対する、ドラム表面電位(現像バイアスとの差分)をドラム表面電位Vsに対応させる過程、ドラム表面電位Vsとワイヤ高さに対応させる過程は、実施例1(ステップ3)で示した過程と同様である。
【0075】
以下、ステップ4〜5についても、実施例1に示したステップと同様である。
【0076】
本実施例によれば、ワイヤ高さ調整時毎にドラム表面電位対画像濃度の関係テーブルを作成する。従って、実施例1で述べた効果の他に、ドラム表面電位対画像濃度の関係の経時変化や環境変化の要因が排除でき、より高精度なドラム表面電位対画像濃度の関係テーブルを作成するので、高精度なワイヤ高さを調整することができる。
【0077】
実施例4
実施例1、2においては、出力されたハーフトーン画像を読み取る原稿読取手段である本体のリーダー部30を用いていた。しかし、図14に示すように、本体内の転写紙上に形成された画像濃度を検出する画像濃度センサ151、152を奥・手前それぞれに設け、このセンサ151、152からの濃度信号レベルにより奥・手前の濃度傾きを判別しても良い。
【0078】
さらに、実施例3においては、階調画像を読み取る際には、本体のリーダー部30を用いていたが、やはり図14に示すように、中央部に画像濃度センサ150を設け、階調画像の濃度レベルを検出しても良い。
【0079】
そこで、本実施例の画像形成装置は、階調画像の画像濃度を検知する画像濃度センサと、表面電位センサ14を備える。本実施例において、感光体ドラムの表面電位対画像濃度の関係テーブルは、画像濃度センサからの階調画像の画像濃度の検知結果と、表面電位センサからの階調画像のドラム表面電位の検出結果とに基づいて作成することができる。
【0080】
また、本実施例は、本体内にリーダー部30を搭載していないSFP(シングルファンクションプリンタ)にも本発明が適用できるようになる。
【0081】
上記各実施例では、本発明は、像担持体上に形成したトナー像を直接記録材に転写する、所謂、直接転写方式の画像形成装置について説明した。しかし、本発明は、像担持体に形成したトナー像を、中間転写ベルトなどとされる中間転写体に転写し、その後記録材にトナー像を転写する、所謂、中間転写方式の画像形成装置にも適用することができる。中間転写方式の画像形成装置は当業者には周知であるのでこれ以上の説明は省略する。
【0082】
なお、実施例4の場合には、中間転写方式の画像形成装置とされる場合には、像担持体から中間転写体に転写されたトナー画像の濃度を濃度検知センサで検知することも可能である。
【0083】
ここで、コロナ帯電器の奥・手前方向の放電ワイヤの高さを変化させると、感光体ドラムとワイヤとの距離が変化する。そのため、コロナ帯電器から感光体ドラムに流れる放電電流量が変化するため、感光体ドラムの奥・手前方向に沿って感光体の表面電位が変化する。
【符号の説明】
【0084】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 コロナ帯電器(帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像器(現像手段)
5 転写器(転写手段)
8 定着器(定着手段)
13 CPU(制御装置、制御手段)
14 表面電位センサ(表面電位検出手段)
21 放電ワイヤ
22 グリッド線(調整時基準部)
23 ケーシング
30 リーダー部(原稿読取手段)
50 画像形成部
104 本体操作部
150、151、152 画像濃度センサ(濃度検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記コロナ帯電器の長手方向に沿った基準部に対し位置決めするための基準マークとともに、前記検知手段の出力に基づいて前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークをシートに形成する調整モードを実行させる実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記調整モードを実行するにあたりシートにテストトナー像を形成させるとともに、前記検知手段で前記テストトナー像を検知した結果としての少なくとも2点の電位に対応する情報に基づき算出された前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離の調整量と対応するように調整マークを形成させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
原稿の画像情報を読み取る原稿読取手段を有し、前記原稿読取手段は前記検知手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
基準マーク及び調整マークはライン画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に基づいて算出された前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整量に対応する情報を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記報知手段は前記調整量に対応する情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記コロナ帯電器の長手方向に沿った基準部に対し位置決めするための基準マークとともに、前記検知手段の出力に基づいて前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整マークをシートに形成する調整モードを実行させる実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記調整モードを実行するにあたりシートにテストトナー像を形成させるとともに、前記検知手段で前記テストトナー像を検知した結果としての少なくとも2点の電位に対応する情報に基づき算出された前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離の調整量と対応するように調整マークを形成させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
原稿の画像情報を読み取る原稿読取手段を有し、前記原稿読取手段は前記検知手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
基準マーク及び調整マークはライン画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
感光体と、
前記感光体を帯電する放電ワイヤを備えたコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器により帯電された前記感光体を露光する露光手段と、
前記露光手段により前記感光体に形成された静電像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により前記感光体に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離を調整するための調整手段と、
前記コロナ帯電器によって帯電された領域のうち、前記コロナ帯電器の長手方向に沿って少なくとも2点の、感光体の表面電位に対応する情報を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に基づいて算出された前記放電ワイヤの前記感光体に対する距離をその長手方向に亘って調整するための調整量に対応する情報を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記報知手段は前記調整量に対応する情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−22568(P2011−22568A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135537(P2010−135537)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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