コンクリートブロックの吊上げ用治具
【課題】コンクリートブロックをクレーンによって積み込みや積み降ろしする際、特に起重機船上等のような揺れの影響を受け易い状況にあっても、安全且つ確実に作業ができるコンクリートブロックの吊上げ用治具を提供する。
【解決手段】コンクリートブロックの吊上げ用治具を、多角形状の金属製の天枠1と、天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされておりコンクリートブロックBを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2と、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックFに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤ3と、天枠1の各角部1bにそれぞれ天枠1に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘が摺動自在に内在されている脚体4と、外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠1に対して鉛直方向に固定されているガイド板6とから構成する。
【解決手段】コンクリートブロックの吊上げ用治具を、多角形状の金属製の天枠1と、天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされておりコンクリートブロックBを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2と、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックFに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤ3と、天枠1の各角部1bにそれぞれ天枠1に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘が摺動自在に内在されている脚体4と、外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠1に対して鉛直方向に固定されているガイド板6とから構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロックをクレーンによって積み込みや積み降ろしする際、特に起重機船上等のような揺れの影響を受け易い状況にあっても、安全且つ確実に作業ができるコンクリートブロックの吊上げ用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンでは、フックが巻き上げ用のワイヤによって吊り下げられているため、そのワイヤが捩れているような場合にはフックが回転したり、風の影響や起重機船上等では波の影響によりフックが大きく揺れたりすることがしばしばある。特にコンクリートブロックのような重量物を大型のクレーンで吊り上げる際は、フックも大型であるため回転したり揺れたりすると、ワイヤの玉掛け作業や玉外し作業は非常に危険なものとなる。またワイヤが玉掛けされた後においても、フックが回転したり揺れたりすると、ワイヤが引っ張られたり撓んだりして作業者がワイヤに巻き込まれて非常に危険な状態にさらされることがある。そのため、大型のクレーンのフックにロープやワイヤを渡して、作業員が長時間に亘ってロープやワイヤを引っ張ってフックを動かないようにして作業を行うなどの方策がとられるが、重労働である上に、フックの急激な動きに対しては必ずしも対応することができない。
【0003】
また、吊り上げられるコンクリートブロックも重量物である上に、特殊な形状をしているものもあり、ワイヤを適切にコンクリートブロックに掛け渡してバランスよく吊り上げないと大きな事故を招くことがある。またこのようなコンクリートブロックにワイヤを張り巡らすように掛け渡す作業や、このように掛け渡された状態を維持したままクレーンのフックに玉掛けすることは非常に危険な作業であり、作業者がワイヤに挟まれるなどの事故が起こり易い。
【0004】
そのため、例えばワイヤを玉掛けするためのワイヤ係止部材をコンクリートブロックに予め固設させることにより、コンクリートブロックにワイヤを張り巡らせることなく、そのワイヤ係止部材に玉掛けするだけで、容易にワイヤで吊り上げることができるコンクリートブロックが使用されることがある。
【0005】
このようなワイヤ係止部材を固設させたコンクリートブロックを使用すれば、クレーンのフックに玉掛けされているワイヤの一端をワイヤ係止部材に引っ掛けるだけで容易にワイヤを取り付けることができるが、このような場合であっても、クレーンのフック等の急激な動きによって、作業者がワイヤに巻き込まれて怪我等をすることがある。
【0006】
このようにコンクリートブロックと、クレーンのフックとを1本のワイヤで直接繋ぐように玉掛けすると、作業員が危険にさらされることがあるという問題に対しては、クレーンのフックに玉掛けするワイヤと、吊り上げ対象物(板状体)に係止させる吊りワイヤとをそれぞれ別々にして、平面形状が長方形を呈する枠材を介してそれぞれのワイヤを連結した吊り治具がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、このようにクレーンフック用のワイヤと、吊り上げ対象物(板状体)用のワイヤとを別々にしても、結局は枠材を介して一体となっているので、クレーンのフックが大きく動けばそのクレーンフック用のワイヤも大きく揺れ、枠材を介して一体となっている吊り上げ対象物(板状体)用のワイヤも大きく動くので、結果的には1本のワイヤとあまり相違がなく、作業者にとっては依然として危険な作業が強いられることになるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−265667号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の問題に鑑み、コンクリートブロックをクレーンによって積み込みや積み降ろしする際、特に起重機船上等のような揺れの影響を受け易い状況にあっても、安全且つ確実に作業ができるコンクリートブロックの吊上げ用治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、コンクリートブロックの吊上げ用治具として、吊り上げるコンクリートブロックの形状に合わせた多角形状の金属製の天枠と、この天枠に掛け渡された桁材に玉掛けされておりコンクリートブロックを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤと、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤとを使用し、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けた錘を天枠の各角部に固定した中空筒状の脚体に摺動自在に内在させれば、コンクリートブロックを吊り上げていない状態では、コンクリートブロック用玉掛けワイヤは、クレーンフック用ワイヤとは無関係に動き得るから、コンクリートブロックに対する玉掛け作業や玉外し作業中に急にクレーンのフックが動いてクレーンフック用ワイヤが引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤは脚体内を上下に摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤは連動して動かないので、非常に安全に作業をすることができ、
またクレーンフック用ワイヤは一端に錘を付けた状態で脚体内を上下に摺動自在に移動できるので、この状態ではクレーンフック用ワイヤは錘の自重によって引っ張られた状態となり撓むことがないので、クレーンのフックが大きく揺れたりしてもクレーンフック用ワイヤが撓んで、作業者がクレーンフック用ワイヤに巻き込まれたりすることがなく安全に作業することができ、
また脚体の天枠側の端部にクレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材を設置すれば、クレーンフック用ワイヤをクレーンのフックに、コンクリートブロック用玉掛けワイヤをコンクリートブロックのワイヤ係止部材にそれぞれ玉掛けした後に、クレーンのフックを引き上げて行くと、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が脚体内を上昇して最終的に脚体の天枠側の端部の中空筒状緩衝材に当接することで、クレーンフック用ワイヤは天枠と連動して動くようになり、この天枠の桁材に玉掛けされているコンクリートブロック用玉掛けワイヤとも一体となって動くようになるので、実際のコンクリートブロックの吊り上げ作業中において確実にコンクリートブロックを吊り上げることができ、
また脚体の天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材を設置すれば、クレーンのフックが急激に動き、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられている錘が脚体の底に衝突しそうになった場合でも錘衝突緩衝材がクッションとなり脚体の破損を防ぐことができると共に、クレーンフック用ワイヤをクレーンのフックに玉掛けしていない不使用状態時などに錘が脚体の底から抜けることを防止することができ、
更に天枠の各角部の上部に、クレーンフック用ワイヤを脚体内に案内する滑車を取り付けておけば、クレーンフック用ワイヤが脚部の角等で傷付いて損傷することがなく、またそのクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘を脚部内でスムーズに摺動自在に動かすことができ、
そして、外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠に対して鉛直方向に固定されているガイド板を設けておけば、そのガイド板を同形のコンクリートブロックの側方に当接させるように移動させるだけで、的確にコンクリートブロック上に位置にさせることができ、更にその位置から吊上げ用治具を降ろしてくることによって、脚体をコンクリートブロック上に正確に載せることが容易にできることを究明して本発明を完成したのである。
【0011】
即ち本発明は、コンクリートブロックをクレーンによって積み込み及び積み降ろしする際に使用されるコンクリートブロックの吊上げ用治具であって、多角形状の金属製の天枠と、天枠に掛け渡された桁材に玉掛けされておりコンクリートブロックを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤと、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤと、天枠の各角部にそれぞれ天枠に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が摺動自在に内在されており、天枠側の端部にクレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材が、天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材がそれぞれ設置されている脚体と、天枠の各角部の上部に取り付けられており、クレーンフック用ワイヤを脚体内に案内する滑車と、外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠に対して鉛直方向に固定されているガイド板とから構成されていることを特徴とするコンクリートブロックの吊上げ用治具である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具は、コンクリートブロックをクレーンによって積み込み及び積み降ろしする際に使用されるコンクリートブロックの吊上げ用治具であって、多角形状の金属製の天枠と、天枠に掛け渡された桁材に玉掛けされコンクリートブロックを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤと、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤと、天枠の各角部にそれぞれ天枠に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が摺動自在に内在されており、天枠側の端部にクレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材が、天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材がそれぞれ設置されている脚体とを有しているから、
コンクリートブロックを吊り上げていない状態では、コンクリートブロック用玉掛けワイヤはクレーンフック用ワイヤとは無関係に動き得るので、コンクリートブロックに対する玉掛け作業や玉外し作業中に急にクレーンのフックが動いてクレーンフック用ワイヤが引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤは脚体内を摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤは連動して動かないので、非常に安全に作業をすることができ、
またクレーンフック用ワイヤは一端に錘を付けた状態で脚体内を摺動自在に移動できるので、この状態では常にクレーンフック用ワイヤは錘の自重によって引っ張られた状態となり撓むことがないので、クレーンのフックが大きく揺れたりしてもクレーンフック用ワイヤが撓んだりすることがないので、作業者がクレーンフック用ワイヤに巻き込まれたりすることがなく安全に作業することができ、
また脚体の天枠側の端部に、クレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材が設置されているから、クレーンフック用ワイヤをクレーンのフックに、コンクリートブロック用玉掛けワイヤをコンクリートブロックのワイヤ係止部材にそれぞれ玉掛けした後に、クレーンのフックを引き上げて行くと、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が脚体内を上昇して最終的に脚体の天枠側の端部の中空筒状緩衝材に当接することで、クレーンフック用ワイヤは天枠と連動して動くようになり、この天枠の桁材に取り付けられコンクリートブロック用玉掛けワイヤとも一体となって動くようになるので、実際のコンクリートブロックの吊り上げ作業中において確実にコンクリートブロックを吊り上げることができ、
また特許文献1の吊り治具の脚体(支持脚8)は、吊り治具を使用しないときに、ワイヤ等を傷めないように、枠材の下に空間を確保するためのものであるが(特許文献1 段落番号0010)、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の脚体は多角形状の天枠の各角部に設けられていて、コンクリートブロック上に脚体を載せることで吊上げ用治具全体を安定した状態で設置できるようにすることも目的とするものであり、玉掛け作業や玉外し作業を安全にすることができ、
更に外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠に対して鉛直方向に固定されているガイド板を有しているから、クレーンのフックから吊り下げられた本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具は、そのガイド板を同形のコンクリートブロックの側方に当接させるように移動させるだけで、的確にコンクリートブロック上に位置にさせることができ、更にその位置から吊上げ用治具を降ろしてくることによって、脚体をコンクリートブロック上に正確に載せることが容易にでき、
また脚体には天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材が設置されているから、クレーンのフックが急激に動き、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられている錘が脚体の底に衝突しそうになった場合でも錘衝突緩衝材がクッションとなり脚体の破損を防ぐことができると共に、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を使用していない時などに錘が脚体の底から抜けることを防止することができ、
更に天枠の各角部の上部に、クレーンフック用ワイヤを脚体内に案内する滑車が取り付けられているから、クレーンフック用ワイヤが脚部の角等で傷付いて損傷することがなく、またそのクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘を脚部内でスムーズに摺動自在に動かすことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の一実施例を示す斜視説明図である。
【図2】図1のコンクリートブロックの吊上げ用治具をクレーンのフックで吊り上げてビーハイブ型のコンクリートブロックへと近づけて行く様子を示す正面説明図である。
【図3】図1のコンクリートブロックの吊上げ用治具のガイド板を、同形のコンクリートブロックの側方に当接させて位置決めをし、各脚体をコンクリートブロック上に載せるように降ろして設置した状態を示す正面説明図である。
【図4】図3の状態から更にクレーンのフックを降ろした状態を示す正面説明図である。
【図5】図4の状態から、コンクリートブロックに固設されているワイヤ係止部材に、コンクリートブロック用玉掛けワイヤを玉掛けした様子を示す正面説明図である。
【図6】図5の状態から錘と中空筒状緩衝材とが再び係止するまでクレーンのフックを引き上げた状態を示す正面説明図である。
【図7】図6の状態から、更にクレーンのフックを引き上げて、コンクリートブロックが吊り上げられる様子を示す正面説明図である。
【図8】図7の平面説明図である。
【図9】図7の状態から、目的位置に移送して降下させ設置した様子を示す正面説明図である。
【図10】図9の状態から、更にクレーンのフックを降ろして、コンクリートブロックのワイヤ係止部材から、コンクリートブロック用玉掛けワイヤを玉外しした様子を示す正面説明図である。
【図11】コンクリートブロックの設置が終わった後に、次のコンクリートブロックの吊り上げ作業をするために、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を移送させる様子を示す正面説明図である。
【図12】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の他の実施例を示す正面説明図である。
【図13】図12の平面説明図である。
【図14】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の更に他の実施例を示す正面説明図である。
【図15】図14の平面説明図である。
【図16】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の更に他の実施例を示す正面説明図である。
【図17】図16の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具について詳細に説明する。
【0015】
図面中、Bはクレーンによって積み込み及び積み降ろしされるコンクリートブロックであり、Fはクレーンのワイヤの先端に取り付けられていて本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具が玉掛けされるフックである。このフックFがワイヤの先端に取り付けられているクレーンは、重量物であるコンクリートブロックBを吊り上げるものであるから大型であり、またこのクレーンは陸上に設置されたものだけでなく、起重機船のような船上に設置されたものであってもよい。
【0016】
1は多角形状の金属製の天枠であり、この天枠1は四角形状のものに限らず、吊り上げるコンクリートブロックBの形状に合わせて様々な多角形状のものが使用できる。この天枠1は、後述するように天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされているコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を介してコンクリートブロックBを吊り下げるものであるから、十分な剛性や強度を有している必要がある。そのため、例えば天枠1としてH形鋼やI形鋼などの形鋼を溶接等により多角形状に形成させたものが好ましく使用でき、また多角形状の天枠1の外部又は内部に補強材を追加的に使用して剛性や強度を高めてもよい。
【0017】
2は天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされておりコンクリートブロックBを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤであり、3は一端に錘3aが取り付けられていて他端がクレーンのフックFに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤであり、4は天枠1の各角部1bにそれぞれ天枠1に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aが摺動自在に内在されており、天枠1側の端部にクレーンフック用ワイヤ3を通し錘3aは通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材4aが、天枠1と反対側の端部に錘衝突緩衝材4bがそれぞれ設置されている脚体である。
【0018】
コンクリートブロックBを吊り上げていない状態では、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2は、クレーンフック用ワイヤ3とは無関係に、天枠1の各角部1bの脚体4内を摺動自在に動き得るので、コンクリートブロックBに対する玉掛け作業や玉外し作業中に、急にクレーンのフックFが動いてクレーンフック用ワイヤ3が引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤ3は脚体4内を摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2は連動して動かないので、非常に安全に作業をすることができるのである。
【0019】
5は天枠1の各角部1bの上部に取り付けられており、クレーンフック用ワイヤ3を脚体4内に案内する滑車であり、この滑車5によってクレーンフック用ワイヤ3が脚部4の角等で傷付いて損傷することがなく、またそのクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aを脚部4内でスムーズに摺動自在に動かすことができるのである。
【0020】
6は外面の形状がコンクリートブロックBの側方Baの一部と同形を成し、天枠1に対して鉛直方向に固定されているガイド板であり、このガイド板6を同形のコンクリートブロックBの側方Baに当接させるように移動させるだけで、本発明に係る吊上げ用治具を的確にコンクリートブロックB上に位置にさせることができ、更にその位置から本発明に係る吊上げ用治具を降ろしてくることによって、脚体4をコンクリートブロックB上に正確に載せることが容易にできるのである。
【0021】
このような本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を実際に使用して、例えば図1〜図11の如き、ビーハイブ型で、予めワイヤ係止部材が固設されているコンクリートブロックBを吊り上げるには、先ず図1のように、四角形状の天枠1の各角部1bから滑車5を介して伸びているクレーンフック用ワイヤ3をクレーンのフックFに玉掛けする。そしてクレーンで本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を吊り上げて、図2の如くビーハイブ型のコンクリートブロックBへと近づけ、図3のように外面の形状がコンクリートブロックBの側方Baの一部と同形を成し、天枠1に対して鉛直方向に固定されているガイド板6を、同形のコンクリートブロックBの側方Baに当接させ、その位置から本発明に係る吊上げ用治具を降ろしていくことによって、正確にコンクリートブロックB上に設置する。
【0022】
本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具が、図3のようにコンクリートブロックB上に設置された状態で、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2が撓むように、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を脚体4の全長よりも僅かに長くしておくことで、コンクリートブロックBに固設されているワイヤ係止部材に容易に玉掛けすることができる。
【0023】
なお、この図3の状態では、クレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aが脚体4内で中空筒状緩衝材4aに当接した状態となっているので、クレーンが揺れてクレーンフック用ワイヤ3が引っ張られたりすると、錘3aが脚体4内で中空筒状緩衝材4aに当接して一体となっている天枠1も大きく揺れたりするので、この天枠1に一端が玉掛けされたコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2の他端を、コンクリートブロックBに玉掛けしようとすると非常に危険な作業となるのである。
【0024】
そこで、図3のように、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具をコンクリートブロックB上に設置した状態から、更に図4のようにクレーンのフックFを降ろしてクレーンフック用ワイヤ3の錘3aを脚体4内で中空筒状緩衝材4aと錘衝突緩衝材4bとの間に位置させて、クレーンフック用ワイヤ3と脚体4との係止状態を解くようにすれば、クレーンが揺れても、クレーンフック用ワイヤ3は脚体4内を摺動するだけで、脚体4及び脚体4が固定されている天枠1も連動して動くようなことがないので、作業者はクレーンの揺れ等の影響を受けることなく、安全にコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2の玉掛け作業をすることができるのである(図5)。
【0025】
このようにコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を、コンクリートブロックBに安全に玉掛けした後に、クレーンのフックFを引き上げていくと、図6の如くクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aは脚体4内の中空筒状緩衝材4aに当接するまで脚体4内を上方へ向けて摺動する。この間はクレーンフック用ワイヤ3のみが引き上げられるだけで、他の天枠1や脚体4等は動かない。そしてこの図6の状態から更にクレーンのフックFが引き上げられると、図7の如く錘3aが脚体4内の中空筒状緩衝材4aに当接した状態で引き上げられるので、天枠1及び脚体4も吊り上げられ、脚体4はコンクリートブロックBから浮いた状態となり、また天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされたコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2も徐々に引き上げられて張った状態となり、遂にはコンクリートブロックBが吊り上げられるのである。
【0026】
このようにして吊り上げられたコンクリートブロックBを目的の位置までクレーンで移動させて破線で示す状態から実線で示す状態に降ろし(図9)、更にクレーンのフックFを引き下げて、クレーンフック用ワイヤ3の錘3aを脚体4内で中空筒状緩衝材4aと錘衝突緩衝材4bとの間に位置させて、クレーンフック用ワイヤ3と脚体4との係止状態を解き、クレーンのフックFが揺れたりしても、クレーンフック用ワイヤ3が脚体4内で摺動するだけの状態にした後に、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を、コンクリートブロックBに固設されているワイヤ係止部材から玉外しするのである(図10)。
【0027】
このように1つのコンクリートブロックBを移送した後に、次のコンクリートブロックBを移送する場合には、クレーンのフックFに本発明に係る吊上げ用治具を玉掛けしたまま、移送したいコンクリートブロックBの場所まで移動させ(図11)、上述の作業を繰り返せばよいのである。
【0028】
また図12及び図13のような直方体状をなす方塊のようなコンクリートブロックBの場合も、予めワイヤ係止部材が固設されている態様であるから、前記のビーハイブ型のコンクリートブロックBと同様な作業によってコンクリートブロックBを吊り上げて移送すればよい。なお、直方体状の方塊の場合、コンクリートブロックBの側方Baにガイド板6を嵌め込むことができるような部位が無いので、図12及び図13の如く、直方体状の方塊の四隅の一つに直角に折曲されたような形状を成すガイド板6を使用すればよい。
【0029】
次にコンクリートブロックBが、図14及び図15の如く、ホロースケヤ型で予めワイヤ係止部材が固設されていない場合には、先ず各脚体4をコンクリートブロックB上に載せるようにして本発明に係る吊上げ用治具を設置し、クレーンフック用ワイヤ3の錘3aを脚体4内で中空筒状緩衝材4aと錘衝突緩衝材4bとの間に位置させる。次にこのコンクリートブロックBの四隅は上下方向に突出しているので、例えばこれらの4つのうち対角線上の2つの突出部にコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2をそれぞれ掛け渡して天枠1の桁材1aに玉掛けする。この場合においても、急にクレーンのフックFが動いてクレーンフック用ワイヤ2が引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤ2は脚体4内を摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤ3は連動して動かないので、安全且つ確実な作業をすることができるのである。
【0030】
そして、クレーンのフックFを引き上げれば、図14の如くクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aは、脚体4内の中空筒状緩衝材4aに当接するまで脚体4内を上方へ向けて摺動し、最終的にはコンクリートブロックBを吊り上げることができるのである。
【0031】
次に、コンクリートブロックBが四脚型の消波ブロックであって、予めワイヤ係止部材が固設されていない態様の場合には、図16及び図17のように、コンクリートブロックBの下方側の三脚にそれぞれ脚体4を載せて本発明に係る吊上げ用治具全体を安定した状態で設置できるように三角形状の天枠1を使用する。その際、ガイド板6は天枠1と少し離れた位置に取り付ける必要があるので、ガイド板6は三角形状の天枠1から外側に向けて補強材を延設してそこに装着すればよい。また必要に応じてこの三角形状の天枠1の外部又は内部に補強材を追加的に使用して剛性や強度を高めてもよい。
【0032】
そして実際にコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を掛け渡すには、図16及び図17のように、例えば下方側の3脚のうちの1脚の下を通し、残りの1脚である立脚部に掛け回した後に、三角形状の天枠1の桁材1aに玉掛けすれば、前記ホロースケヤ型のコンクリートブロックBと同様に安全に玉掛け作業ができ、確実にコンクリートブロックBを吊り上げることができるのである。
【符号の説明】
【0033】
B コンクリートブロック
Ba 側方
F フック
1 天枠
1a 桁材
1b 角部
2 コンクリートブロック用玉掛けワイヤ
3 クレーンフック用ワイヤ
3a 錘
4 脚体
4a 中空筒状緩衝材
4b 錘衝突緩衝材
5 滑車
6 ガイド板
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロックをクレーンによって積み込みや積み降ろしする際、特に起重機船上等のような揺れの影響を受け易い状況にあっても、安全且つ確実に作業ができるコンクリートブロックの吊上げ用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンでは、フックが巻き上げ用のワイヤによって吊り下げられているため、そのワイヤが捩れているような場合にはフックが回転したり、風の影響や起重機船上等では波の影響によりフックが大きく揺れたりすることがしばしばある。特にコンクリートブロックのような重量物を大型のクレーンで吊り上げる際は、フックも大型であるため回転したり揺れたりすると、ワイヤの玉掛け作業や玉外し作業は非常に危険なものとなる。またワイヤが玉掛けされた後においても、フックが回転したり揺れたりすると、ワイヤが引っ張られたり撓んだりして作業者がワイヤに巻き込まれて非常に危険な状態にさらされることがある。そのため、大型のクレーンのフックにロープやワイヤを渡して、作業員が長時間に亘ってロープやワイヤを引っ張ってフックを動かないようにして作業を行うなどの方策がとられるが、重労働である上に、フックの急激な動きに対しては必ずしも対応することができない。
【0003】
また、吊り上げられるコンクリートブロックも重量物である上に、特殊な形状をしているものもあり、ワイヤを適切にコンクリートブロックに掛け渡してバランスよく吊り上げないと大きな事故を招くことがある。またこのようなコンクリートブロックにワイヤを張り巡らすように掛け渡す作業や、このように掛け渡された状態を維持したままクレーンのフックに玉掛けすることは非常に危険な作業であり、作業者がワイヤに挟まれるなどの事故が起こり易い。
【0004】
そのため、例えばワイヤを玉掛けするためのワイヤ係止部材をコンクリートブロックに予め固設させることにより、コンクリートブロックにワイヤを張り巡らせることなく、そのワイヤ係止部材に玉掛けするだけで、容易にワイヤで吊り上げることができるコンクリートブロックが使用されることがある。
【0005】
このようなワイヤ係止部材を固設させたコンクリートブロックを使用すれば、クレーンのフックに玉掛けされているワイヤの一端をワイヤ係止部材に引っ掛けるだけで容易にワイヤを取り付けることができるが、このような場合であっても、クレーンのフック等の急激な動きによって、作業者がワイヤに巻き込まれて怪我等をすることがある。
【0006】
このようにコンクリートブロックと、クレーンのフックとを1本のワイヤで直接繋ぐように玉掛けすると、作業員が危険にさらされることがあるという問題に対しては、クレーンのフックに玉掛けするワイヤと、吊り上げ対象物(板状体)に係止させる吊りワイヤとをそれぞれ別々にして、平面形状が長方形を呈する枠材を介してそれぞれのワイヤを連結した吊り治具がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、このようにクレーンフック用のワイヤと、吊り上げ対象物(板状体)用のワイヤとを別々にしても、結局は枠材を介して一体となっているので、クレーンのフックが大きく動けばそのクレーンフック用のワイヤも大きく揺れ、枠材を介して一体となっている吊り上げ対象物(板状体)用のワイヤも大きく動くので、結果的には1本のワイヤとあまり相違がなく、作業者にとっては依然として危険な作業が強いられることになるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−265667号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の問題に鑑み、コンクリートブロックをクレーンによって積み込みや積み降ろしする際、特に起重機船上等のような揺れの影響を受け易い状況にあっても、安全且つ確実に作業ができるコンクリートブロックの吊上げ用治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、コンクリートブロックの吊上げ用治具として、吊り上げるコンクリートブロックの形状に合わせた多角形状の金属製の天枠と、この天枠に掛け渡された桁材に玉掛けされておりコンクリートブロックを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤと、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤとを使用し、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けた錘を天枠の各角部に固定した中空筒状の脚体に摺動自在に内在させれば、コンクリートブロックを吊り上げていない状態では、コンクリートブロック用玉掛けワイヤは、クレーンフック用ワイヤとは無関係に動き得るから、コンクリートブロックに対する玉掛け作業や玉外し作業中に急にクレーンのフックが動いてクレーンフック用ワイヤが引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤは脚体内を上下に摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤは連動して動かないので、非常に安全に作業をすることができ、
またクレーンフック用ワイヤは一端に錘を付けた状態で脚体内を上下に摺動自在に移動できるので、この状態ではクレーンフック用ワイヤは錘の自重によって引っ張られた状態となり撓むことがないので、クレーンのフックが大きく揺れたりしてもクレーンフック用ワイヤが撓んで、作業者がクレーンフック用ワイヤに巻き込まれたりすることがなく安全に作業することができ、
また脚体の天枠側の端部にクレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材を設置すれば、クレーンフック用ワイヤをクレーンのフックに、コンクリートブロック用玉掛けワイヤをコンクリートブロックのワイヤ係止部材にそれぞれ玉掛けした後に、クレーンのフックを引き上げて行くと、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が脚体内を上昇して最終的に脚体の天枠側の端部の中空筒状緩衝材に当接することで、クレーンフック用ワイヤは天枠と連動して動くようになり、この天枠の桁材に玉掛けされているコンクリートブロック用玉掛けワイヤとも一体となって動くようになるので、実際のコンクリートブロックの吊り上げ作業中において確実にコンクリートブロックを吊り上げることができ、
また脚体の天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材を設置すれば、クレーンのフックが急激に動き、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられている錘が脚体の底に衝突しそうになった場合でも錘衝突緩衝材がクッションとなり脚体の破損を防ぐことができると共に、クレーンフック用ワイヤをクレーンのフックに玉掛けしていない不使用状態時などに錘が脚体の底から抜けることを防止することができ、
更に天枠の各角部の上部に、クレーンフック用ワイヤを脚体内に案内する滑車を取り付けておけば、クレーンフック用ワイヤが脚部の角等で傷付いて損傷することがなく、またそのクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘を脚部内でスムーズに摺動自在に動かすことができ、
そして、外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠に対して鉛直方向に固定されているガイド板を設けておけば、そのガイド板を同形のコンクリートブロックの側方に当接させるように移動させるだけで、的確にコンクリートブロック上に位置にさせることができ、更にその位置から吊上げ用治具を降ろしてくることによって、脚体をコンクリートブロック上に正確に載せることが容易にできることを究明して本発明を完成したのである。
【0011】
即ち本発明は、コンクリートブロックをクレーンによって積み込み及び積み降ろしする際に使用されるコンクリートブロックの吊上げ用治具であって、多角形状の金属製の天枠と、天枠に掛け渡された桁材に玉掛けされておりコンクリートブロックを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤと、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤと、天枠の各角部にそれぞれ天枠に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が摺動自在に内在されており、天枠側の端部にクレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材が、天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材がそれぞれ設置されている脚体と、天枠の各角部の上部に取り付けられており、クレーンフック用ワイヤを脚体内に案内する滑車と、外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠に対して鉛直方向に固定されているガイド板とから構成されていることを特徴とするコンクリートブロックの吊上げ用治具である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具は、コンクリートブロックをクレーンによって積み込み及び積み降ろしする際に使用されるコンクリートブロックの吊上げ用治具であって、多角形状の金属製の天枠と、天枠に掛け渡された桁材に玉掛けされコンクリートブロックを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤと、一端に錘が取り付けられていて他端がクレーンのフックに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤと、天枠の各角部にそれぞれ天枠に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が摺動自在に内在されており、天枠側の端部にクレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材が、天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材がそれぞれ設置されている脚体とを有しているから、
コンクリートブロックを吊り上げていない状態では、コンクリートブロック用玉掛けワイヤはクレーンフック用ワイヤとは無関係に動き得るので、コンクリートブロックに対する玉掛け作業や玉外し作業中に急にクレーンのフックが動いてクレーンフック用ワイヤが引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤは脚体内を摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤは連動して動かないので、非常に安全に作業をすることができ、
またクレーンフック用ワイヤは一端に錘を付けた状態で脚体内を摺動自在に移動できるので、この状態では常にクレーンフック用ワイヤは錘の自重によって引っ張られた状態となり撓むことがないので、クレーンのフックが大きく揺れたりしてもクレーンフック用ワイヤが撓んだりすることがないので、作業者がクレーンフック用ワイヤに巻き込まれたりすることがなく安全に作業することができ、
また脚体の天枠側の端部に、クレーンフック用ワイヤを通し錘は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材が設置されているから、クレーンフック用ワイヤをクレーンのフックに、コンクリートブロック用玉掛けワイヤをコンクリートブロックのワイヤ係止部材にそれぞれ玉掛けした後に、クレーンのフックを引き上げて行くと、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘が脚体内を上昇して最終的に脚体の天枠側の端部の中空筒状緩衝材に当接することで、クレーンフック用ワイヤは天枠と連動して動くようになり、この天枠の桁材に取り付けられコンクリートブロック用玉掛けワイヤとも一体となって動くようになるので、実際のコンクリートブロックの吊り上げ作業中において確実にコンクリートブロックを吊り上げることができ、
また特許文献1の吊り治具の脚体(支持脚8)は、吊り治具を使用しないときに、ワイヤ等を傷めないように、枠材の下に空間を確保するためのものであるが(特許文献1 段落番号0010)、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の脚体は多角形状の天枠の各角部に設けられていて、コンクリートブロック上に脚体を載せることで吊上げ用治具全体を安定した状態で設置できるようにすることも目的とするものであり、玉掛け作業や玉外し作業を安全にすることができ、
更に外面の形状がコンクリートブロックの側方の一部と同形を成し、天枠に対して鉛直方向に固定されているガイド板を有しているから、クレーンのフックから吊り下げられた本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具は、そのガイド板を同形のコンクリートブロックの側方に当接させるように移動させるだけで、的確にコンクリートブロック上に位置にさせることができ、更にその位置から吊上げ用治具を降ろしてくることによって、脚体をコンクリートブロック上に正確に載せることが容易にでき、
また脚体には天枠と反対側の端部に錘衝突緩衝材が設置されているから、クレーンのフックが急激に動き、クレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられている錘が脚体の底に衝突しそうになった場合でも錘衝突緩衝材がクッションとなり脚体の破損を防ぐことができると共に、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を使用していない時などに錘が脚体の底から抜けることを防止することができ、
更に天枠の各角部の上部に、クレーンフック用ワイヤを脚体内に案内する滑車が取り付けられているから、クレーンフック用ワイヤが脚部の角等で傷付いて損傷することがなく、またそのクレーンフック用ワイヤの一端に取り付けられた錘を脚部内でスムーズに摺動自在に動かすことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の一実施例を示す斜視説明図である。
【図2】図1のコンクリートブロックの吊上げ用治具をクレーンのフックで吊り上げてビーハイブ型のコンクリートブロックへと近づけて行く様子を示す正面説明図である。
【図3】図1のコンクリートブロックの吊上げ用治具のガイド板を、同形のコンクリートブロックの側方に当接させて位置決めをし、各脚体をコンクリートブロック上に載せるように降ろして設置した状態を示す正面説明図である。
【図4】図3の状態から更にクレーンのフックを降ろした状態を示す正面説明図である。
【図5】図4の状態から、コンクリートブロックに固設されているワイヤ係止部材に、コンクリートブロック用玉掛けワイヤを玉掛けした様子を示す正面説明図である。
【図6】図5の状態から錘と中空筒状緩衝材とが再び係止するまでクレーンのフックを引き上げた状態を示す正面説明図である。
【図7】図6の状態から、更にクレーンのフックを引き上げて、コンクリートブロックが吊り上げられる様子を示す正面説明図である。
【図8】図7の平面説明図である。
【図9】図7の状態から、目的位置に移送して降下させ設置した様子を示す正面説明図である。
【図10】図9の状態から、更にクレーンのフックを降ろして、コンクリートブロックのワイヤ係止部材から、コンクリートブロック用玉掛けワイヤを玉外しした様子を示す正面説明図である。
【図11】コンクリートブロックの設置が終わった後に、次のコンクリートブロックの吊り上げ作業をするために、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を移送させる様子を示す正面説明図である。
【図12】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の他の実施例を示す正面説明図である。
【図13】図12の平面説明図である。
【図14】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の更に他の実施例を示す正面説明図である。
【図15】図14の平面説明図である。
【図16】本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具の更に他の実施例を示す正面説明図である。
【図17】図16の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具について詳細に説明する。
【0015】
図面中、Bはクレーンによって積み込み及び積み降ろしされるコンクリートブロックであり、Fはクレーンのワイヤの先端に取り付けられていて本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具が玉掛けされるフックである。このフックFがワイヤの先端に取り付けられているクレーンは、重量物であるコンクリートブロックBを吊り上げるものであるから大型であり、またこのクレーンは陸上に設置されたものだけでなく、起重機船のような船上に設置されたものであってもよい。
【0016】
1は多角形状の金属製の天枠であり、この天枠1は四角形状のものに限らず、吊り上げるコンクリートブロックBの形状に合わせて様々な多角形状のものが使用できる。この天枠1は、後述するように天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされているコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を介してコンクリートブロックBを吊り下げるものであるから、十分な剛性や強度を有している必要がある。そのため、例えば天枠1としてH形鋼やI形鋼などの形鋼を溶接等により多角形状に形成させたものが好ましく使用でき、また多角形状の天枠1の外部又は内部に補強材を追加的に使用して剛性や強度を高めてもよい。
【0017】
2は天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされておりコンクリートブロックBを吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤであり、3は一端に錘3aが取り付けられていて他端がクレーンのフックFに玉掛けされるクレーンフック用ワイヤであり、4は天枠1の各角部1bにそれぞれ天枠1に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部にクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aが摺動自在に内在されており、天枠1側の端部にクレーンフック用ワイヤ3を通し錘3aは通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材4aが、天枠1と反対側の端部に錘衝突緩衝材4bがそれぞれ設置されている脚体である。
【0018】
コンクリートブロックBを吊り上げていない状態では、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2は、クレーンフック用ワイヤ3とは無関係に、天枠1の各角部1bの脚体4内を摺動自在に動き得るので、コンクリートブロックBに対する玉掛け作業や玉外し作業中に、急にクレーンのフックFが動いてクレーンフック用ワイヤ3が引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤ3は脚体4内を摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2は連動して動かないので、非常に安全に作業をすることができるのである。
【0019】
5は天枠1の各角部1bの上部に取り付けられており、クレーンフック用ワイヤ3を脚体4内に案内する滑車であり、この滑車5によってクレーンフック用ワイヤ3が脚部4の角等で傷付いて損傷することがなく、またそのクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aを脚部4内でスムーズに摺動自在に動かすことができるのである。
【0020】
6は外面の形状がコンクリートブロックBの側方Baの一部と同形を成し、天枠1に対して鉛直方向に固定されているガイド板であり、このガイド板6を同形のコンクリートブロックBの側方Baに当接させるように移動させるだけで、本発明に係る吊上げ用治具を的確にコンクリートブロックB上に位置にさせることができ、更にその位置から本発明に係る吊上げ用治具を降ろしてくることによって、脚体4をコンクリートブロックB上に正確に載せることが容易にできるのである。
【0021】
このような本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を実際に使用して、例えば図1〜図11の如き、ビーハイブ型で、予めワイヤ係止部材が固設されているコンクリートブロックBを吊り上げるには、先ず図1のように、四角形状の天枠1の各角部1bから滑車5を介して伸びているクレーンフック用ワイヤ3をクレーンのフックFに玉掛けする。そしてクレーンで本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具を吊り上げて、図2の如くビーハイブ型のコンクリートブロックBへと近づけ、図3のように外面の形状がコンクリートブロックBの側方Baの一部と同形を成し、天枠1に対して鉛直方向に固定されているガイド板6を、同形のコンクリートブロックBの側方Baに当接させ、その位置から本発明に係る吊上げ用治具を降ろしていくことによって、正確にコンクリートブロックB上に設置する。
【0022】
本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具が、図3のようにコンクリートブロックB上に設置された状態で、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2が撓むように、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を脚体4の全長よりも僅かに長くしておくことで、コンクリートブロックBに固設されているワイヤ係止部材に容易に玉掛けすることができる。
【0023】
なお、この図3の状態では、クレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aが脚体4内で中空筒状緩衝材4aに当接した状態となっているので、クレーンが揺れてクレーンフック用ワイヤ3が引っ張られたりすると、錘3aが脚体4内で中空筒状緩衝材4aに当接して一体となっている天枠1も大きく揺れたりするので、この天枠1に一端が玉掛けされたコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2の他端を、コンクリートブロックBに玉掛けしようとすると非常に危険な作業となるのである。
【0024】
そこで、図3のように、本発明に係るコンクリートブロックの吊上げ用治具をコンクリートブロックB上に設置した状態から、更に図4のようにクレーンのフックFを降ろしてクレーンフック用ワイヤ3の錘3aを脚体4内で中空筒状緩衝材4aと錘衝突緩衝材4bとの間に位置させて、クレーンフック用ワイヤ3と脚体4との係止状態を解くようにすれば、クレーンが揺れても、クレーンフック用ワイヤ3は脚体4内を摺動するだけで、脚体4及び脚体4が固定されている天枠1も連動して動くようなことがないので、作業者はクレーンの揺れ等の影響を受けることなく、安全にコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2の玉掛け作業をすることができるのである(図5)。
【0025】
このようにコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を、コンクリートブロックBに安全に玉掛けした後に、クレーンのフックFを引き上げていくと、図6の如くクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aは脚体4内の中空筒状緩衝材4aに当接するまで脚体4内を上方へ向けて摺動する。この間はクレーンフック用ワイヤ3のみが引き上げられるだけで、他の天枠1や脚体4等は動かない。そしてこの図6の状態から更にクレーンのフックFが引き上げられると、図7の如く錘3aが脚体4内の中空筒状緩衝材4aに当接した状態で引き上げられるので、天枠1及び脚体4も吊り上げられ、脚体4はコンクリートブロックBから浮いた状態となり、また天枠1に掛け渡された桁材1aに玉掛けされたコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2も徐々に引き上げられて張った状態となり、遂にはコンクリートブロックBが吊り上げられるのである。
【0026】
このようにして吊り上げられたコンクリートブロックBを目的の位置までクレーンで移動させて破線で示す状態から実線で示す状態に降ろし(図9)、更にクレーンのフックFを引き下げて、クレーンフック用ワイヤ3の錘3aを脚体4内で中空筒状緩衝材4aと錘衝突緩衝材4bとの間に位置させて、クレーンフック用ワイヤ3と脚体4との係止状態を解き、クレーンのフックFが揺れたりしても、クレーンフック用ワイヤ3が脚体4内で摺動するだけの状態にした後に、コンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を、コンクリートブロックBに固設されているワイヤ係止部材から玉外しするのである(図10)。
【0027】
このように1つのコンクリートブロックBを移送した後に、次のコンクリートブロックBを移送する場合には、クレーンのフックFに本発明に係る吊上げ用治具を玉掛けしたまま、移送したいコンクリートブロックBの場所まで移動させ(図11)、上述の作業を繰り返せばよいのである。
【0028】
また図12及び図13のような直方体状をなす方塊のようなコンクリートブロックBの場合も、予めワイヤ係止部材が固設されている態様であるから、前記のビーハイブ型のコンクリートブロックBと同様な作業によってコンクリートブロックBを吊り上げて移送すればよい。なお、直方体状の方塊の場合、コンクリートブロックBの側方Baにガイド板6を嵌め込むことができるような部位が無いので、図12及び図13の如く、直方体状の方塊の四隅の一つに直角に折曲されたような形状を成すガイド板6を使用すればよい。
【0029】
次にコンクリートブロックBが、図14及び図15の如く、ホロースケヤ型で予めワイヤ係止部材が固設されていない場合には、先ず各脚体4をコンクリートブロックB上に載せるようにして本発明に係る吊上げ用治具を設置し、クレーンフック用ワイヤ3の錘3aを脚体4内で中空筒状緩衝材4aと錘衝突緩衝材4bとの間に位置させる。次にこのコンクリートブロックBの四隅は上下方向に突出しているので、例えばこれらの4つのうち対角線上の2つの突出部にコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2をそれぞれ掛け渡して天枠1の桁材1aに玉掛けする。この場合においても、急にクレーンのフックFが動いてクレーンフック用ワイヤ2が引っ張られたりしても、クレーンフック用ワイヤ2は脚体4内を摺動するだけでコンクリートブロック用玉掛けワイヤ3は連動して動かないので、安全且つ確実な作業をすることができるのである。
【0030】
そして、クレーンのフックFを引き上げれば、図14の如くクレーンフック用ワイヤ3の一端に取り付けられた錘3aは、脚体4内の中空筒状緩衝材4aに当接するまで脚体4内を上方へ向けて摺動し、最終的にはコンクリートブロックBを吊り上げることができるのである。
【0031】
次に、コンクリートブロックBが四脚型の消波ブロックであって、予めワイヤ係止部材が固設されていない態様の場合には、図16及び図17のように、コンクリートブロックBの下方側の三脚にそれぞれ脚体4を載せて本発明に係る吊上げ用治具全体を安定した状態で設置できるように三角形状の天枠1を使用する。その際、ガイド板6は天枠1と少し離れた位置に取り付ける必要があるので、ガイド板6は三角形状の天枠1から外側に向けて補強材を延設してそこに装着すればよい。また必要に応じてこの三角形状の天枠1の外部又は内部に補強材を追加的に使用して剛性や強度を高めてもよい。
【0032】
そして実際にコンクリートブロック用玉掛けワイヤ2を掛け渡すには、図16及び図17のように、例えば下方側の3脚のうちの1脚の下を通し、残りの1脚である立脚部に掛け回した後に、三角形状の天枠1の桁材1aに玉掛けすれば、前記ホロースケヤ型のコンクリートブロックBと同様に安全に玉掛け作業ができ、確実にコンクリートブロックBを吊り上げることができるのである。
【符号の説明】
【0033】
B コンクリートブロック
Ba 側方
F フック
1 天枠
1a 桁材
1b 角部
2 コンクリートブロック用玉掛けワイヤ
3 クレーンフック用ワイヤ
3a 錘
4 脚体
4a 中空筒状緩衝材
4b 錘衝突緩衝材
5 滑車
6 ガイド板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートブロック(B)をクレーンによって積み込み及び積み降ろしする際に使用されるコンクリートブロックの吊上げ用治具であって、
多角形状の金属製の天枠(1)と、
該天枠(1)に掛け渡された桁材(1a)に玉掛けされておりコンクリートブロック(B)を吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤ(2)と、
一端に錘(3a)が取り付けられていて他端がクレーンのフック(F)に玉掛けされるクレーンフック用ワイヤ(3)と、
該天枠(1)の各角部(1b)にそれぞれ該天枠(1)に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部に該クレーンフック用ワイヤ(3)の一端に取り付けられた該錘(3a)が摺動自在に内在されており、該天枠(1)側の端部に該クレーンフック用ワイヤ(3)を通し該錘(3a)は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材(4a)が、該天枠(1)と反対側の端部に錘衝突緩衝材(4b)がそれぞれ設置されている脚体(4)と、
該天枠(1)の各角部(1b)の上部に取り付けられており、該クレーンフック用ワイヤ(3)を該脚体(4)内に案内する滑車(5)と、
外面の形状がコンクリートブロック(B)の側方(Ba)の一部と同形を成し、該天枠(1)に対して鉛直方向に固定されているガイド板(6)と
から構成されていることを特徴とするコンクリートブロックの吊上げ用治具。
【請求項1】
コンクリートブロック(B)をクレーンによって積み込み及び積み降ろしする際に使用されるコンクリートブロックの吊上げ用治具であって、
多角形状の金属製の天枠(1)と、
該天枠(1)に掛け渡された桁材(1a)に玉掛けされておりコンクリートブロック(B)を吊上げるためのコンクリートブロック用玉掛けワイヤ(2)と、
一端に錘(3a)が取り付けられていて他端がクレーンのフック(F)に玉掛けされるクレーンフック用ワイヤ(3)と、
該天枠(1)の各角部(1b)にそれぞれ該天枠(1)に対して鉛直方向に固定されていて、中空筒状を成しその内部に該クレーンフック用ワイヤ(3)の一端に取り付けられた該錘(3a)が摺動自在に内在されており、該天枠(1)側の端部に該クレーンフック用ワイヤ(3)を通し該錘(3a)は通さない大きさの内径を有する中空筒状緩衝材(4a)が、該天枠(1)と反対側の端部に錘衝突緩衝材(4b)がそれぞれ設置されている脚体(4)と、
該天枠(1)の各角部(1b)の上部に取り付けられており、該クレーンフック用ワイヤ(3)を該脚体(4)内に案内する滑車(5)と、
外面の形状がコンクリートブロック(B)の側方(Ba)の一部と同形を成し、該天枠(1)に対して鉛直方向に固定されているガイド板(6)と
から構成されていることを特徴とするコンクリートブロックの吊上げ用治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−28419(P2013−28419A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164412(P2011−164412)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】
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