説明

コンクリートブロック

【課題】若布や昆布などの海洋植物の胞子や根株を直接植栽することができ、海洋植物の生長にともない分解していくコンクリートブロックを提供する。
【解決手段】腐葉土と水を攪拌し、セメント、砂、小石、肥料を配合、混練し、ブロック作成用の型枠に流し込み、その際、胞子や根株を植栽する穴空けて乾燥させ、海洋植物の生長に合わせて適度に分解できるように硬度の調整を図ったコンクリートブロック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、若布や昆布をはじめとする海洋植物の育成を目的に砂、小石、肥料をセメントで固めたブロックで且つ、植物の根が排出する養分によって適度に分解するよう調整を図ったブロックである。
【背景技術】
【0002】
自然界には無数の岩石類が存在する。これらの岩石に植物の自生が生じるか否かは植物が根から排出する養分によって岩石が如何なる反応をするかによって決定する。
こうした事例は代表的な富士山の樹海をはじめ、至る処で観察することができる。
本発明はこの課題を解消するものであり、海洋植物の育成を目的に植物に合わせてブロックの分解能力を調整することにより、自然界に自生する若布や昆布よりも数倍大きく成長させることを可能とした。
この様なブロックと植物の間に発生するブロックの分解と植物の生長に関する開発発明は、今まで提案されていない。
従来のコンクリートブロックには、コンクリートに肥料を混入させたものがある。(例えば、非特許文献1参照)
また、コンクリートの筒に肥料を入れ海中で飛散させるものもある。(例えば、非特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
【特許文献2】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】 再公表特許(A1)日本データサービス株式会社 出願番号2001−522834(P2001−522834)
【非特許文献2】 再公表特許(A1)株式会社マリンプラネット 出願番号2000−248254(P2000−248254)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1の製品はコンクリートの中に肥料を混入し、海洋植物の自生を促すものである。これはブロックに肥料を入れ海中に飛散させるとあるがブロックが硬すぎ自生し難い、また、植物の自生を促すだけであり、植栽をして目的の植物の生長に合わせて分解するブロックでもない。
【0005】
非特許文献2の製品はまた、コンクリートブロックの筒状の中に肥料成分を入れ、海中に飛散させ周辺の藻場を肥沃にするもので、本発明の形態、育苗と異なる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、コンクリートブロックに目的の海洋植物の胞子や根株を直接植栽し、生長させることと、植物がブロックを分解しながら生長するのでブロックが分解し終わるまで継続してブロック内の肥料を養分として生長できるようにブロックの硬度を調整したものである。
【発明の効果】
【0007】
コンクリートブロック硬度を植物の生長に合わせ分解できるようにしたことにより、植物の生長を自生植物の数倍に高めることができる。
【0008】
また、コンクリートブロックが破壊分解され周辺部分に飛散することにより、植物の自生が活発に行なわれる等、藻場の再生にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の例を示す平面図
【図2】 同コンクリートブロックの右側面図
【図3】同コンクリートブロックの胞子、根株植栽用の穴の概要断面図
【図4】同コンクリートブロックの利用形態の例として延縄式設置図
【図5】同コンクリートブロックの利用形態の例として海洋農場設置図
【図6】同コンクリートブロックによる若布の養殖実験記録写真
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0011】
図1においては、1は植物の胞子又は根株等を植栽する穴で、2はブロックを吊上げ、吊下げをするロープ縫縛用及び植物が生長したときに根を張らせる貫通口である。
【0012】
図2においては、同コンクリートブロックの右側面図からみた形態である。
【0013】
図3においては、同コンクリートブロック胞子、根株植栽穴の概要断面で穴へ胞子や根株を植栽する方法を現している。
【0014】
図4においては、同コンクリートブロックを延縄式で設置する場合の形状を示している。
【0015】
図5においては、同コンクリートブロックを形及び大きさを変化させ配列させることにより、海洋農場のような海洋植物農園を作る例図である。
【実施例1】
【0016】
コンクリートブロックの製造
市販の腐葉土(有機培養土)と水を攪拌したもの作り、市販品のセメント(セメント、砂、小石の配合品)と混練させ、ブロック作成用の型枠に流し込みます。
その際、胞子や根株を植栽する穴(直径1.5〜3mm,深さ30mm〜40mm程度)とロープ等で吊るす場合は貫通口も同時に空けて乾燥させ、乾燥後に型枠を外します。
【実施例2】
【0018】
若布の植栽と生長の実験
若布の胞子による実験の結果、長さ2.5m以上の生長があり、自生株の1.5倍以上の大きさに生長した。(図6 コンクリートブロックによる若布の養殖実験記録写真参照)
【産業上の利用可能性】
【0019】
若布、昆布等の食用海洋植物及び鮑、サザエ等の餌としての養殖事業及び珊瑚の死滅による再生事業並びに沿岸漁業活性化の藻場作り、海洋農場、海洋牧場作り並びに水族館、臨海リゾートホテル、やレジャーランド等で海洋農場を作り、観光客にガラス越しで水中の散策や水中でのダイビングを楽しむ施設作り等、用途は多種多様に活用できる。
【0020】
沿岸漁業の人工漁礁及び鮑やサザエ等の養殖漁場及び藻場等に同コンクリートブロックを小石、捨石程度に作成し海中投下するだけで、自生の海洋植物園が形成され豊饒な海を蘇らすことが可能であり、地域及び漁協単位等の取組みには最適である。
【符号の説明】
【・・・・】

【受託番号】
【・・・・】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
[0020]
セメント、砂、小石、肥料を混練し、硬度を植物の生長に合わせて適度に分解できるように硬度の調整を図ったコンクリートブロックである。
【請求項2】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−24071(P2012−24071A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181142(P2010−181142)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(510221021)
【Fターム(参考)】