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コンクリート中の超音波伝播速度の自動演算法及び演算装置
説明

コンクリート中の超音波伝播速度の自動演算法及び演算装置

【課題】熟練を必要とせずに音速を決定することができ、これにより、正確なコンクリー卜構造物の厚さ、クラック深さ、空洞などを計測することが可能なコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算法及び演算装置を提供すること。
【解決手段】 超音波を用いて、コンクリート構造物の厚さ、クラック深さ、空洞などを計測する際に必要となるコンクリート中での音速を、送受信探触予を一定の距離d離してコンクリート表面上に設置し、波形を取得し、超音波が送信されてから受信されるまでの伝播時聞Toを自動的に算出し、一定の距離dを伝播時間Toで除すことにより、音速を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算法及び演算装置に係る。より詳細には、幾何学波形形状パターン認識方法を利用したコンクリート中の超音波速度の自動演算法に関する。すなわち、超音波を用いて、コンクリート構造物の厚さ、クラック深さ、空洞などを計測する際に必要となるコンクリート中での音速を、送受信探触子を一定の距離d離してコンクリート表面上に設置し、波形を取得し、超音波が送信されてから受信されるまでの伝播時間Toを自動的に算出し、一定の距離dを伝播時間Toで除すことにより、熟練を必要とせずに音速を決定することができ、これにより、正確なコンクリー卜構造物の厚さ、クラック深さ、空洞などを計測する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平5−332758号公報
【非特許文献1】株式会社東横エルメス、”elmes”、[平成12年4月1日検索]、<URL;http://www3.ctktv.ne.jp/~tyelmes/ >
【0003】
近年、高度成長期に建設されたトンネルや橋などのコンクリート構造物の劣化が深刻となっており、コンクリート構造物の維持管理が社会的に重要な課題となってきている。このような背景の中、超音波を利用して、コンクリー卜構造物の劣化部を測定診断する技術が開発され、例えば、特許文献1に記載された技術が提供されている。また、非特許文献1にはかかる技術を用いた市販装置が記載されている。
【0004】
特許文献1記載技術は、正確にコンクリート構造物の厚さを測定できるコンクリート構造物の厚さ測定方法を提供することを目的とし、被測定物のコンクリート体の片面に超音波振動子の送波器及び受波器を設置し、発振周期を可変して送波器に電気信号を加え、その電気信号により送波器からコンクリート体内に超音波を送波し、コンクリートの対面に反射する反射波を受波器により受波し、受波した受波信号をスペクトル解析器によりフーリエ解析して周波数スペクトルに変換し、各送波周期において得られた周波数スペクトルのデータを全て加算し平均化して処理して行う、コンクリート構造物の厚さ測定方法である。
【0005】
ここで、超音波による測定原理を図6に示す。送信探触子1および受信探触子2をコンクリート構造物9の表面に設置し、超音波10を発生させる。受信された波形を演算部6にて処理し、その結果を表示部7に表示する。超音波を用いたコンクリート内部探査の場合、コンクリート中での超音波の音速の計測が必須である。その模様を図7に示す。コンクリート構造物9、特にトンネルなどの土木構造物の場合には、コンクリート構造物9の片面しか露出しておらず、その片面において音速を計測する必要がある。まず、送信探触子1と受信探触手2を、ある距離dを離して、コンクリート構造物9の表面に設置する。そして、送信探触子1から超音波11を送信する。送信された超音波11は、コンクリート表面およびその近傍を伝播する縦波となる。その縦波を受信探触子2で受信する。
【0006】
受信波形の例を図8に示す。ノイズがない場合の受信波形Fo(t)を図8(a)に示す。音速Vを求めるには、以下の式を利用する。
【0007】
音速V=(探触子間距離d/伝播時間To) ・・・・・・・・(1)
ここで、探触子同士の間隔dは既知である。図8(a)に示されているように、伝播時間Toは、閾値と受信波形との交点から簡易に求めることができる。この伝播時間により、コンクリート中の音速を計測することができる。
【0008】
受信波形にノイズが重畳している場合は,単なる閾値処理では正確な伝播時間を求めることは困難な場合が多い。ノイズが重畳している受信波形F1(t)の例を図8(b)に示す。
【0009】
コンクリートの表面及びその近傍を伝播する縦波11は大変微弱であり、コンクリートが劣化した場合、コンクリートの表面状態により、ノイズが受信波形に重畳する場合が多い。図8(b)に示す受信波形も、DC成分および高周波成分ノイズが含まれている。そのため、閾値法による伝播時間認識を行った場合、伝播時間はTn2となり、真の伝播時間との間に誤差が発生していることがわかる。図8(b)に示す真の伝播時間は、波形屈曲点αの時間位置である。図8(b)に示すP1は、α地点近傍でもっとも波形振幅値が大きい位置を示す。波形屈曲点αはP1と一致しない。
【0010】
通常、波形屈曲点を算出する方法としては、1次微分、2次微分処理が考えられる。しかし、図8(b)に示すα地点近傍に存在するF1(P1)、および、時間的前方において受信波形にノイズが重畳しているため、微分値の評価が大変難しく、実質的にα地点の認識は困難である。さまざまなノイズにより波形屈曲点の形状が変化するためでもある。
【0011】
そのため、操作するオペレータ毎に認識する時間が異なってしまい計測誤差が発生する、という問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、操作者の熟練度に左右されることなく、音波速度を正確に計測することが可能なコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算法及び演算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算方法は、送信探触子と受信探触子とをコンクリート構造物の表面に設置し、該送信探触子で発生させた超音波を該受信探触子で受信し、受信波形から該超音波の伝播速度を演算する演算方法において、
時間軸上でサーチ範囲T1、T2を設定する手順、
サーチ範囲内で受信波形F(t)のピーク点を抽出する手順、
ピ−ク点近傍において波形円滑度を計算する手順、
ピーク時間Poを規定する手順、
F(T1)とF(Po)を結ぶ基準線Loを設定する手順、
設定した基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3,..n)を設定する手順、
垂線Lsnと波形F(t)との交点までの距離Dnを計算する手順、
距離が最大となる表示線Ld(max)と、波形F(t)との交点座標の伝播時間Toを求める手順、
伝播時間Toからコンクリート中の超音波伝播速度を計算する手順、
を順次行うことを特徴とする。
本発明のコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算装置は、コンクリート構造物の表面に設置した送信探触子及び受信探触子と、
下記の手順を行うための演算手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
時間軸上でサーチ範囲T1、T2を設定する手順、
サーチ範囲内で受信波形F(t)のピーク点を抽出する手順、
ピ−ク点近傍において波形円滑度を計算する手順、
ピーク時間Poを規定する手順、
F(T1)とF(Po)を結ぶ基準線Loを設定する手順、
設定した基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3,..n)を設定する手順、
垂線Lsnと波形F(t)との交点までの距離Dnを計算する手順、
距離が最大となる表示線Ld(max)と、波形F(t)との交点座標の伝播時間Toを求める手順、
伝播時間Toからコンクリート中の超音波伝播速度を計算する手順。
(作用)
【0015】
コンクリート構造物内の超音波伝播速度を自動認識するため、まず、時間軸上でサーチ範囲T1、T2を設定し、サーチ範囲内で受信波形のピーク点を抽出し、ピーク点近傍において波形円滑度を計算し、ピーク時間Poを規定し、F(T1)とF(Po)を結ぶ基準線Loを設定し、設定された基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3…n)を設定し、垂線Lsnと波形F(t)との交点までの距離Dnを計算し、距離が最大となる表示線Ld(max)と、波形F(t)との交点座標の時間Toを求めることにより、コンクリート構造物内の超音波伝播速度を自動認識することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により以下の効果が得られる。
【0017】
コンクリート構造物の内部音速を自動的に、かつ正確に測定できる。
操作する人の判断による音速誤差を解消でき、また、操作する人の精神的負担を軽減できる。
作業性が向上する。
従来法では操作者にある程度の熟練が求められたが、本発明によれば、操作者の熟練は必要ない。
【0018】
また、音速が精度よく計測できることにより、以下の効果が発生する。
【0019】
音速が正確に求められるため、従来はコア抜きで行っていたコンクリート厚さ、クラック深さ、空洞深さなどの計測を非破壊で、かつ精度よく行うことが可能となる。
従来のコア抜きによる破壊検査はコンクリートを一部破壊するため、コンクリート構造物の強度低下に結びつく可能性があるが、本発明では完全非破壊検査であるため、コンクリート構造物の強度低下とはまったく関係ない。
超音波探査では完全非破壊でコンクリー卜内部の探査が可能であるため、コンクリート構造物の劣化を推定できる。
コンクリー卜構造物の内部劣化状態を正確に把握することができるため、補修範囲の選定し、最適な補修方法の選定ができ、コンクリー卜構造物を確実に延命化できるだけでなく、コンクリート構造物のライフサイクルコストの最小化に寄与することができる。
【0020】
(実施例)
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
受信波形にノイズがない場合を実施例1として、ノイズが重畳している場合を実施例2とする。
図1に本発明によるフ口―チャートを示す。以下、図1のフローチャートに沿って説明する。
【実施例1】
【0021】
(受信波形にノイズがない場合)
図2(a)に受信被形Fo(t)を示す。横軸単位は時間であり、縦軸単位は電圧(波形振幅値)である。
【0022】
図2(a)に示されている受信波形Fo(t)はノイズが重畳していない理想的な波形である。したがって図8(a)に示されている従来法である閾値法により伝播時間Toを求めることは可能である。本実施例では波形にノイズが重畳した場合でも伝播時間Toを正確に認識できる方法を説明するにあたり、まず波形にノイズが重畳していない場合における本発明の適応例を説明する。
(STEP1)
コンクリー卜中の音速は、標準的には4300(m/s)であることが知られている。
【0023】
コンクリートの劣化、材質などにより音速値にはばらつきがあるが、およそ3500(m/s)から5000(m/s)の間である。したがって図2(a)において計算対象とする時間領域は、音速5000(m/s)に対応する時間T1、および、音速3500(m/s)に対応する時間T2の間の時間内とする。
【0024】
時間T1およびT2は、(1)式により計算される。時間T1およびT2と受信波形との位置関係を図2(a)に示す。
(STEP2)
次に、時間T1およびT2間において、受信波形Fo(t)の波形ピーク時間Pnを検知する。波形ピーク時間の検知方法は、一般的に実施されており本実施例では取り立てて説明は行わない。
【0025】
本処理により図2(a)に示されているように、時間が短い順で、P1、P2の二点が検知される。
(STEP3)
次に、検知された波形ピーク時間Pn近傍の平滑度Soを計算する。図2(a)ではP1近傍としてA領域、P2近傍としてB領域として,示している。以下に本実施例による平滑Soの算出方法を説明する。
【0026】
図2(b)に平滑度Soの算出方法を示す。平滑度Soの計算はA領域、B領域と時間が小さい順に計算を行う。まずA領域の平滑度Soを算出する。時間P1を中心に、時間的に前後5点のサンプリングされている座標に着目する。図2(a)のA領域の拡大図面を図2(b)に示す。時間P1を中心に前後5点のサンプリングされた座標が示されている。時間P1を中心として、なだらかな凸型形状をしている。図2(b)に示されているように、それぞれの座標振幅値をP(1−5)、P(1−4),・・・P(1−1)、およびP(1+1)、P(1+2),・・・P(1+5)と呼称する。
【0027】
次に隣り合う2つの座標振幅値の大きさの比較を行う。たとえば、P(1−5)、P(1−4)における電圧の大きさの比較を行う。時間P(1−4)における受信波形Fo(t)の振幅値A(P(1−4))が、時間P(1−5)における受信波形Fo(t)の振幅値A(P(1−5))より大きい場合、符号(+1)を発生させる。発生させた符合(+1)は、図2(b)に示されている左符号群にまとめられる。
【0028】
上記した処理を以下にまとまる。
【0029】
隣り合う2つの座標組は
P(1−5)とP(1−4)、
P(1−4)とP(1−3)、
P(1−3)とP(1−2)、
P(1−2)とP(1−1)、
P(1−1)とP1
となる。
隣り合う2つの座標の振幅値の比較では、
A(P(1−5))<A(P(1−4))
A(P(1−4)<A(P(1―3))
A(P(1−3))<A(P(1―2))
A(P(1−2))<A(P(1−1))
A(P(1−1))<A(P1)
となる。
【0030】
これに対応する左符号は、それぞれ
(+1)
(+1)
(+1)
(+1)
(+1)
となり.左符号群はすべて(+1)の符号となる。
【0031】
同様に.右符号の計算を行う。
【0032】
隣り合う2つの座標組は
P1とP(1+1)
P(1+1)とP(1+2)
P(1+2)とP(1+3)
P(1+3)とP(1+4)
P(1+4)とP(1+5)
隣り合う2つの座標の振幅値Aの比較では、
A(P1)>A(P(1+1))
A(P(1+1))>A(P(1+2))
A(P(1+2))>A(P(1+3))
A(P(1+3))>A(P(1+4))
A(P(1+4))>A(P(1+5))
となる。
【0033】
これに対応する右符号は、それぞれ
(−1)
(−1)
(−1)
(−1)
(−1)
となり、右符号群はすべて(−1)の符号となる。
【0034】
次に円滑度Soを計算する。図2(b)に示されている左符号群の値をすべて加算する。その結果(+5)という総和値が得られる。同様に右符号群の値をすべて加算し、(−5)という総和値が得られる。
【0035】
次に、左右符号群の総和値の合計は(+5)+(−5)となり、0となる。この左右総和値の合計を円滑度So(P1)と呼称する。「時間P1近傍の円滑度So(P1)は0である。」、という意味である。なお、円滑度So(P1)は絶対値で表わす。
次に、円滑度So(P1)と定数Hoとの比較を行う。もし円滑度So(P1)が定数Hoより小さければ、すなわち、
So(P1)<Ho
であれば、時間P1をPoと呼称変更を行う。本実施例では、定数Hoを2としている。
したがって、時間P1をPoと呼称変更する。
【0036】
一方、
So(P1)>Ho、
であれば、STEP3の最初にもどり、次のピ−ク時間P2における円滑度の計算を行う。本実施例では、So(P1)<Ho、であるため、STEP4に進む。
(STEP4)
受信された波形Fo(t)において、時間T1における波形振幅位置Fo(T1)とFo(Po)を結ぶ基準線Loを設定する。その模様を図4(a)に示す。以下に基準線Lo付近を拡大し、伝播時間Toの自動認識方法を説明する。
【0037】
設定された基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3・・n)を設定する。その模様を図4(b)に示す。
【0038】
次に、垂線Lsnと波形Fo(t)との交点までの距離Dnを計算する。その模様を図4(c)に示す。垂線Lsn(n=1,2,3・・n)と波形Fo(t)との交点までの距離を現す表示線Ldnが同図に示されている。距離Dnがもっとも長い表示線Ld(max)を選定する。
【0039】
次に距離が最大となる表示線Ld(max)と、受信波形Fo(t)との交点座標の時間Toを求める。本実施例1では.受信波形にノイズが重畳していないため、受信波形Fo(To)の振幅値は0となっている。
コンクリート表面を伝播する縦波の起生点と時間Toが一致していることがわかる。
【0040】
本認識処理は、基準線Loを用いて座標変換処理を行っていることからハフ変換処理の応用である。
【0041】
時間Toから音速Vを(1)式から算出する。
【0042】
次に、受信波形にノイズが重畳している場合について、説明を行う。
【実施例2】
【0043】
(受信波形にノイズが重畳している場合)
実施例1と同様に、時間T1およびT2を設定する。時間T1およびT2と受信波形との位置関係を、図3(a)に示す。
【0044】
次に、時間T1およびT2との間の時間において、受信波形F1(t)の波形ピーク時間Pnを検知する。
【0045】
本処理により、図3(a)に示されているように、時間が短い順で、P1、P2の二点が検知される。
次に、検知された波形ピーク時間Pn近傍の平滑度S1を計算する。図3(a)ではP1近傍としてA1領域、P2近傍としてB領域を示している。以下に本実施例による平滑度S1の定義と、平滑度S1の算出方法を説明する。
【0046】
図3(b)に平滑度S1の算出方法を示す。平滑度S1の計算は時間が小さい順にA領域、B領域と計算を行う。まずA領域の平滑度S1を算出する。時間P1を中心に、時間的に前後5点のサンプリングされている座標に着目する。図3(a)のA領域の拡大図面を図3(b)に示す。時間P1を中心に前後5点のサンプリング座標の振幅値が示されている。受信波形振幅値はなだらかではなく、凹凸が存在することがわかる。図3(b)に示されているように、それぞれの時間をP(1−5)、P(1−4)、・・・P(1−1)、およびP(1+1)、P(1+2)、・・・P(1+5)と呼称している。
【0047】
次に隣り合う2つの座標振幅値の大きさの比較を行う。例えば、P(1−5)、P(1−4)における電圧の大きさの比較を行う。時間P(1−4)における受信波形F1(t)の振幅値A(P(1−4)が、時間P(1−5)における受信波形F1(t)の振幅値A(P(1−5))より大きい場合、符号+1を発生させる。発生させた符合+1は、図3(b)に示されている左符号群にまとめられる。
【0048】
次にP(1−4)、P(1−3)における電圧の大きさの比較を行う。時間P(1−3)における受信波形F1(t)の振幅値A(P(1−3))が、時間P(1−4)における受信波形F1(t)の振幅値A(P(1−4))より小さい場合、符号−1を発生させる。発生させた符合(−1)は、図3(b)に示されている左符号郡にまとめられる。
同様の処理を時間P(1−5)、P(1−4)、...P(1−1)、P1まで順次行う。
【0049】
上記した処理を以下にまとめる。
【0050】
隣り合う2つの座標組は
P(1−5)とP(1−4)、
P(1−4)とP(1−3)、
P(1−3)とP(1−2)、
P(1−2)とP(1−1)、
P(1−1)とP1
となる。
【0051】
隣り合う2つの座標の振幅値Aの比較は、
A(P(1−5))<A(P(1−4))
A(P(1−4))>A(P(1−3))
A(P(1−3))<A(P(1−2))
A(P(1−2))>A(P(1−1))
A(P(1−1))<A(P1)
となる。これに対応する符号は,それぞれ、
(+1)
(−1)
(+1)
(−1)
(+1)
となる。
【0052】
同様に、右符号の計算を行う。実施例1と同様に、時間P1、P(1+1)、P(1+2)・・・P(1+5)における振幅値Aは、A(P1)>A(P(1+1))>A(P(1+2))>.・・A(P(1+5))の関係にある。そのため図3(b)に示されている右符号群はすべて−1となる。
【0053】
次に円滑度S1を計算する。図3(b)に示されている左符号群の値をすべて加算する。その結果+1という総和値が得られる。同様に右符号群の値をすべて加算し−5という総和値が得られる。
【0054】
次に、右左符号群の総和値の合計は(+1)+(−5)となり、円滑度S1は絶対値で表わすため、4となる。この左右総和値の合計を円滑度S1(P1)と呼称する。
【0055】
次に、円滑度S1(P1)と定数Hoとの比較を行う。円滑度S1(P1)は4であり、定数Hoは2、であるため、
円滑度S1(P1)>定数Ho
となる。
したがって、時間P1をPoと呼称変更は行わず、次のピーク点P2における円滑度計算を行う。P2における円滑度計算は、実施例1における図2に示されているノイズがない場合と同様である。
したがって、P1における円滑度S1(P1)は、
円滑度S1(P1)<定数Ho
となるため、時間P2をPoと呼称変更する。
【0056】
受信波形F1(t)において、時間T1における波形振幅位置F1(T1)とF1(Po)を結ぶ基準線Loを設定する。その模様を図5(a)に示す。設定された基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3,…n)を設定する。
【0057】
その模様を図5(a)に示す。
【0058】
次に、垂線Lsnと波形F1(t)との交点までの距離Dnを計算する。その模様を図5(b)に示す。垂線Lsn(n=1,2,3…n)と波形F1(t)との交点までの距離を現す表示線Ldnが同図に示されている。距離Dnがもっとも長い表示線Ld(max)を選定する。
次に距離が最大となる表示線Ld(max)と、受信波形F1(t)との交点座標を求める。
【0059】
この交点座標は,真の伝播時間を示している波形屈曲点αの座標と一致する。この交点座標の時間Tが真の伝播時間Toである。
時間Toから音速Vを算出する。
【0060】
上記のように、操作者の判断による値のばらつきが無く、また、自動的に受信波形の屈曲点αを認識できるため、正確なコンクリート内部の音速を計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のフローチャート図である。
【図2】実施例1に係り、波形のピーク点抽出と平滑度の計算方法を示すグラフ図である。
【図3】実施例2に係り、波形のピーク点抽出と平滑度の計算方法を示すグラフ図である。
【図4】実施例1に係り、伝播時間Toの自動認識方法を示す図である。
【図5】実施例2に係り、伝播時間Toの自動認識方法を示す図である。
【図6】従来装置のブロック図である。
【図7】音速測定法の原理を示す概念図である。
【図8】従来例に係り、閾値法による伝播時間Toの認識模様を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 送信探触子
2 受信探触子
3 圧電素子
4 電圧発生機
5 受信機
6 演算部
7 表示部
8 制御部
9 コンクリート
10 超音波
11 コンクリート表面を伝播する縦波



【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信探触子と受信探触子とをコンクリート構造物の表面に設置し、該送信探触子で発生させた超音波を該受信探触子で受信し、受信波形から該超音波の伝播速度を演算する演算方法において、
時間軸上でサーチ範囲T1、T2を設定する手順、
サーチ範囲内で受信波形F(t)のピーク点を抽出する手順、
ピ−ク点近傍において波形円滑度を計算する手順、
ピーク時間Poを規定する手順、
F(T1)とF(Po)を結ぶ基準線Loを設定する手順、
設定した基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3,..n)を設定する手順、
垂線Lsnと波形F(t)との交点までの距離Dnを計算する手順、
距離が最大となる表示線Ld(max)と、波形F(t)との交点座標の伝播時間Toを求める手順、
伝播時間Toからコンクリート中の超音波伝播速度を計算する手順、
を順次行うことを特徴とするコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算方法。
【請求項2】
前記受信波形はノイズを含む受信波形であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算方法。
【請求項3】
コンクリート構造物の表面に設置した送信探触子及び受信探触子と、
下記の手順を行うための演算手段と、
を有することを特徴とするコンクリート中の超音波伝播速度の自動演算装置。
時間軸上でサーチ範囲T1、T2を設定する手順、
サーチ範囲内で受信波形F(t)のピーク点を抽出する手順、
ピ−ク点近傍において波形円滑度を計算する手順、
ピーク時間Poを規定する手順、
F(T1)とF(Po)を結ぶ基準線Loを設定する手順、
設定した基準線Loから垂線Lsn(n=1,2,3,..n)を設定する手順、
垂線Lsnと波形F(t)との交点までの距離Dnを計算する手順、
距離が最大となる表示線Ld(max)と、波形F(t)との交点座標の伝播時間Toを求める手順、
伝播時間Toからコンクリート中の超音波伝播速度を計算する手順。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−3288(P2006−3288A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182083(P2004−182083)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000100942)アイレック技建株式会社 (45)
【出願人】(594179177)株式会社エッチアンドビーシステム (5)
【Fターム(参考)】