説明

コンクリート中詰め鉄鋼製セグメントおよびトンネルの一次覆工体

【課題】 セグメント自重を低減することで、該セグメント自重により発生する曲げモーメントを低減し、経済性にすぐれたコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを提供する。
【解決手段】シールド工法により構築されるトンネルの一次覆工体として用いられる鋼殻にコンクリートを中詰めすることによって構成されるコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントであって、少なくとも2つの外主桁5aと2つの中主桁5b、中主桁5bを連結する縦リブ16cおよび外主桁5aと中主桁5aを連結する補強プレート21、継手板6、スキンプレート7より構成され、前記2つの中主桁5aの間を蓋板22で閉塞して前記中詰めコンクリート4の流入を防止する閉鎖空間23を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネル等の一次覆工体として用いられる鉄鋼製系のセグメント構造にコンクリートを中詰めして構成されるコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル内一次覆工体は、図6に示すように複数のセグメント1をトンネル円周方向に接続してセグメントリング2を構成し、このセグメントリングをトンネル軸方向に接続して構成される。セグメント1の種類としては、鋼製の主桁を有する標準鋼殻でセグメントを構成するもの、または主桁を有する鋼殻の内部にコンクリートを中詰めしたもの、またはコルゲート型の球状黒鉛製殻体のトンネル内空側およびトンネル地山側にコンクリートを中詰めしたものなどが知られている。
【0003】
図7には、第1従来例として、鋳鋼製の鋼殻3の内部にコンクリート4を中詰めした鉄鋼製セグメント1が示されている。該セグメント1において、一対の主桁5が平行に配設され、左右の主桁5の両端部間が継手板6で連結されており、主桁5と継手板6とで組まれた矩形のセグメント枠の外端面にスキンプレート7が溶接されて、さらに左右の主桁5の間には、トンネル周方向に所定の間隔をあけて複数の補強用縦リブ8が配設され、その両端が溶接で固定されて鋼殻3が構成されている。鋼殻3の内部に中詰めコンクリート4が充填される。
【0004】
なお、継手板6には、鉄鋼製セグメント1をトンネル周方向にボルト接合するための複数のボルト孔10が開設され、主桁5には、セグメントリングをトンネル軸方向に接合するためのボルト孔10が開設されている。また、鉄鋼製セグメント1の内側中央位置において、セグメント組立時にシールド機械のエレクタター装置で吊り上げるための吊り手金具11が縦リブ8とスキンプレート7の内面に溶接され、さらに、スキンプレート7の内外に貫通して、セグメントリングの背面と地山の間隙に裏込めを行うためのグラウト注入孔12が設けられている。
【0005】
鉄鋼製セグメント1において、その自重をできるだけ増加しないで、該鉄鋼製セグメント1に作用する捻りや曲げモーメントに対する剛性を向上するために鋼殻3の構造に種々の改良がなされている。例えば、図7に示すように縦リブ8のトンネル内空側の端縁に円弧状部13を形成し、または第2従来例として図8に示すセグメント1ように縦リブ8のトンネル内空側の端縁にT字状部14を形成することでセグメント強度を向上させている。
【0006】
さらに、コンクリート中詰め鉄鋼製セグメント1では、中詰めコンクリート4が鉄鋼製セグメント1の強度の向上に寄与するとともに、この中詰めコンクリート4により、セグメント内空側に施す二次覆工を不要とならしめる効果もある。コンクリート中詰め鉄鋼製セグメント1では、通常、主桁が2本から4本(3本のものもある)の何れの鋼殻においてもセグメント継手、リング継手用の箱抜き部分(箱抜き部を有しない場合もある)を除いては、鋼殻3の内部に中実状に中詰めコンクリートが隙間なく充填されている。
【特許文献1】特開2003−27894号公報
【特許文献2】特開2002−121999号公報
【特許文献3】特開2000−34897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンクリート中詰め鉄鋼製セグメントの強度を向上する手段として、縦リブ等の形状を工夫することで座屈耐力や曲げモーメントに対する強度を向上させる工夫がなされている。また、鋼殻内部に中詰めコンクリートを中実状に充填することによってもセグメント強度が向上できる。しかし、この中詰めコンクリートの充填により鉄鋼製セグメントの強度を向上させる手段では、セグメント自体の自重が必要以上に増大するとい別の問題に直面する。
【0008】
図9(a)、(b)、(c)は、鋼製セグメントで二次覆工体を構築する場合において、セグメントリングに360°方向から作用する曲げモーメントの大きさを示す模式図で、(a)は自重による曲げモーメントを示し、(b)は外荷重による曲げモーメントを示し、(c)は、前記(a)、(b)に基づいて算出した設計用の曲げモーメントを示し、図(c)を考慮してコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを構築するのであるが、この条件を満たすべく中詰めコンクリートによりセグメントの強度を向上させる場合、セグメントの自重が増大するという別の問題が生じるという不具合がある。
【0009】
具体的には、鋼殻内部に中実にコンクリートが充填されたコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを、セグメントリングの外径が10mを越えるような大口径のシールドトンネルの一次覆工体として用いようとすると、中小口径のシールドトンネル用セグメントに比較してセグメントの自重により発生する曲げモーメントが大幅に増大し、供用後に作用する土水圧による断面力(曲げモーメント、軸力、せん断力)に抵抗するよりも自重による断面力に抵抗するための断面が大きくなり、非常に不経済なセグメントとなってしまう問題点がある。
【0010】
このような自重により発生する大きな曲げモーメントのために、大口径シールドトンネル用の鉄筋コンクリート製セグメントでは、セグメント高さが500〜600mmにも及んでいる。
【0011】
例えば、外径5mのシールドトンネルの場合には、自重による曲げモーメントは、土水圧による曲げモーメントを加えた全体の曲げモーメントの30%程度であったのに対し、外径12mのシールドトンネルの場合には、全体の曲げモーメントの80%がセグメントの自重により発生しているという状況である。
【0012】
本発明は、鋼殻内にコンクリートが充填されていない閉空間を構成することによりセグメント自重を低減し、セグメント自重により発生する曲げモーメントを低減することで、前記従来の問題点を解決し、かつ経済性にすぐれたコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、鋼殻のトンネル内空側にコンクリートを打設することにより、二次覆工を不要とするとともに、耐火または耐食性能に優れたコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するため、本発明のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントは次のように構成する。
【0015】
第1発明のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントでは、シールド工法により構築される
トンネルの一次覆工体として用いられる鋼殻にコンクリートを中詰めすることによって構成されるコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントであって、少なくとも2つの外主桁と2つの中主桁、中主桁を連結する縦リブおよび外主桁と中主桁を連結する補強プレート、継手板、スキンプレートより構成され、前記2つの中主桁の間を蓋板で閉塞して前記中詰めコンクリートの流入を防止する閉鎖空間を形成したことを特徴とする。
【0016】
第2発明は、第1発明のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントにおいて、中主桁とスキンプレートおよび主桁を接続するウエブ部材を設けたことを特徴とする。
【0017】
第3発明は、第1または第2発明のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントにおいて、2つの中主桁間に配される縦リブの形状が平板形状またはL形状またはT形状または略矩形状または略円形状であることを特徴とする。
【0018】
第4発明は、第1〜第3発明のいずれかのコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントにおいて、鋼殻を構成する鉄鋼製材料として、構造用鋼材、鋳鋼、球状黒鉛鋳鉄の何れか1つまたは複数を用いることを特徴とする。
【0019】
第5発明は、第1〜第4発明のいずれかのコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントにおいて、2つの中主桁を連結する縦リブまたは蓋板を合成樹脂および/または繊維強化プラスチックで構成したことを特徴とする。
【0020】
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれかのコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントにおいて、中詰めコンクリートとして、普通コンクリートまたは軽量コンクリートを用いることを特徴とする。
【0021】
第7の発明は、第1〜第6発明のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントにおいて、中詰めコンクリートとして、耐火性、耐酸性、耐硫酸塩性のいずれか1つまたは複数を付与したコンクリートを用いることを特徴とする。
【0022】
第8の発明のトンネルの一次覆工体では、第1〜第7発明のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントの何れかのコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを用いて構築されたことを特徴とする。

【発明の効果】
【0023】
本発明に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントによると、従来のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントよりも軽量で、経済的なコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを提供できるという大きな特徴を有している。
【0024】
すなわち、シールド工法により構築されるトンネルの一次覆工体として用いられる鋼殻にコンクリートを中詰めすることによって構成されるコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントであって、少なくとも2つの外主桁と2つの中主桁、中主桁を連結する縦リブおよび外主桁と中主桁を連結する補強プレート、継手板、スキンプレートより構成され、前記2つの中主桁の間を蓋板で閉塞して前記中詰めコンクリートの流入を防止する閉鎖空間を形成したことで、セグメントとしての単位容量重量を軽量化することが可能である。このように本発明によると、セグメント自重により発生する曲げモーメントを低減し、さらに、2つの中主桁を連結する縦リブ、蓋板やスキンプレートに作用する大きな曲げモーメントに対して、経済的に対応することが可能である。さらに、セグメントの内空側に十分な″かぶり″コンクリートを設ければ、道路トンネルなどにおいて、必要となる耐火または耐食性能を付与できる。
【0025】
また、さらに軽量化が必要な場合には、中詰め用コンクリートとして軽量コンクリートを用いることも可能であり、さらに、耐火性、耐酸性、耐硫酸塩性などの性能が求められる場合には、必要な特性を付与した特殊コンクリートを中詰めすることで要求性能を満足するコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを提供することが可能となる。
【0026】
特に、高価な特殊コンクリートを用いる場合には、かぶり部分にのみ限定的に特殊コンクリートを用い、その他の部分には、普通コンクリートを用いることにより、さらに経済性を高めることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一要素には同一符号を付して説明する。
【0028】
図1、図2(a)は、第1参考形態に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15を示し、一対の主桁5が平行に配設され、左右の主桁5の両端部間が継手板6で連結されており、主桁5と継手板6で組まれた矩形のセグメント枠の外端面にスキンプレート7が溶接されて、さらに左右の主桁5の間には、トンネル周方向に所定の間隔をあけて複数の補強用縦リブ16が配設され、その両端が溶接で固定されて鋼殻17が構成されている。鋼殻17の内部に中詰めコンクリート4が充填される。
【0029】
第1参考形態のセグメント15においては、補強用縦リブ16が中空の円形鋼管で構成されており、この縦リブ16の両端部は主桁5の側面に隙間が生じないように溶接されている点に特徴がある。したがって、鋼殻17の内部に中詰めコンクリート4を充填したとき、補強用縦リブ16の中空部9への中詰めコンクリート4の流入が防止され、その分使用コンクリート量が低減され、かつセグメント15の自重が低減される。
【0030】
図2(b)は、第2参考形態に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15を示し、補強縦リブ16aが中空の角形鋼管で構成されている点が、第1参考形態と相異し他の構成は第1実施形態と同じである。第2実施形態においても、鋼殻17の内部に中詰めコンクリート4を充填したとき、補強用縦リブ16aの中空部には中詰めコンクリート4の流入が防止され、その分使用コンクリート量が低減され、かつセグメント15の自重が低減される。
【0031】
図2(c)は、第3参考形態に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15を示し、補強縦リブ16bは、長手方向と直交する方向の断面図が略U型の鋼材で構成されており、U型の開口部18がスキンプレート7の内面と密に接触し、隅肉溶接19で固着されるとともに、両端部は主桁5の側面に固着されている点が第1、第2実施形態と相異し、他の構成は第1、第2参考形態と同じである。第3参考形態においても、鋼殻17の内部に中詰めコンクリート4を充填したとき、補強用縦リブ16bの中空部には中詰めコンクリート4の流入が防止され、その分使用コンクリート量が低減され、かつセグメント15の自重が低減される。なお、補強縦リブの断面形状は、内部に中空部ができる構成であれば、楕円形その他の形状であっても構わない。
【0032】
前記のように第1〜第3参考形態によると、鋼殻17を構成する1要素である縦リブ16、16a、16bを中空部材で構成し、中空部9に中詰めコンクリート4が流入するのを防止することで、コンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15の軽量化が実現されている。
【0033】
図3〜図5は、第1実施形態に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15を示す。
第1実施形態では、鋼殻17を構成する部材の間隙を閉鎖することでその内部に中詰めコンクリートの充填を防止する閉鎖空間を構成し、これによりコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15の軽量化が実現されている。
【0034】
さらに説明すると、コンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15は、2つの外主桁5aと2つの中主桁5bが平行に配設され、内外の主桁5a、5bの両端部の間が継手板6で連結されており、各主桁5a、5bと継手板6とで組まれた矩形のセグメント枠の外端面にスキンプレート7が溶接されている。左右の中主桁5bの間には内空側の端縁に円弧状部20が形成された縦リブ16cがセグメント長手方向に所定の間隔を明けて複数配設され、また、左右の外主桁5aと中主桁5bの間には、縦リブ16cと略同一の間隔で補強プレート(ウエブ部材)21が配設されている。縦リブ16cの内空側の先端には円弧状部20を形成することで、座屈耐力や剛性を向上させている。この縦リブ16cの形状は、平板形状またはL形状またはT形状または略矩形状などの何れの形状でもよい。
【0035】
また、2つの中主桁5bの内空側の端縁に跨って蓋板22が配設され溶接にて固着されている。この蓋板22は、中主桁5bの長手方向全長に延びていてこの蓋板22と左右の中主桁5bとスキンプレート7で囲まれる部位に閉鎖空間23が形成されている。したがって、鋼殻17の内部に充填される中詰めコンクリート4は、左右の外主桁5aと中主桁5bの間隙を埋めるように充填されるとともに、蓋板22で閉塞される閉鎖空間23には充填されない。また、中詰めコンクリート4はセグメント躯体の強度向上に加えて、耐火、耐食性能などを付与する二次覆工としても機能するもので、このため中詰めコンクリート4がセグメントの内空側の全表面を覆うように充填される。つまり、中詰めコンクリート4の一部は、蓋板22の表面に所定の厚みで被って装着され、これによりセグメント15の内空側の全表面がフラット面24をなすように充填されている。
【0036】
前記のように第1実施形態によると、セグメント鋼殻3の内部において、蓋板22と左右の中主桁5bとスキンプレート7で囲まれる部位に閉鎖空間23を形成し、この閉鎖空間23には、中詰めコンクリート4が流入するのを防止していることにより、コンクリート中詰め鉄鋼製セグメント15の軽量化が実現されている。
【0037】
参考形態および本発明の実施形態において、セグメント各部を次のように構成できる。(1)鋼殻17を構成する鉄鋼製材料として、構造用鋼材、鋳鋼、球状黒鉛鋳鉄の何れか1つまたは複数を用いることができる。(2)第1実施形態のセグメント15において、蓋板22や、2つの中主桁5bを連結する補強縦リブ16cを、合成樹脂や繊維強化プラスチックで構成してもよい。これにより、軽量化を更に図ることができる。(3)中詰めコンクリート4として、普通コンクリートまたは軽量コンクリートを用いてもよい。(4)さらに、中詰めコンクリート4として、耐火性、耐酸性、耐硫酸塩性のいずれか1つまたは複数を付与したコンクリートを用いることができる。(5)第1〜第3参考形態または第1実施形態のセグメント15を用いて一次覆工体を構築できる。(6)この一次覆工体において、第1〜第3参考形態または第1実施形態のセグメント15を用いることで、セグメント自重が軽減されている。(7)前記セグメントや一次覆工体は、所期の設計方法を用いて強度および軽量化を設計に基づいて製作できる。

【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1参考形態に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントの鋼殻の斜視図である。
【図2】(a)は、図1の鋼殻に中詰めコンクリートを充填したセグメント断面図、(b)は、第2参考形態に係るセグメントの断面図、(c)は、第3参考形態に係るセグメントの断面図である。
【図3】第1実施形態に係るコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを破断して示す斜視図である。
【図4】(a)は、図3のA−A参考断面図、(b)は、図3のB−B断面図である。
【図5】(a)は、図3のC−C断面図、(b)は、図3のD−D矢視図である。
【図6】コンクリート中詰めセグメントで構築したセグメントリングの斜視図である。
【図7】(a)は、第1例従来のコンクリート中詰めセグメントにおける鋼殻の斜視図、(b)は、図(a)の鋼殻に中詰めコンクリートを充填した断面図である。
【図8】第2従来例のコンクリート中詰めセグメントの断面図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、各々セグメントリングに作用する自重による曲げモーメントと、外荷重による曲げモーメントと、設計の曲げモーメントを示す模式図である。
【符号の説明】
【0039】
1 セグメント
2 セグメントリング
3 鋼殻
4 中詰めコンクリート
5 主桁
5a 外主桁
5b 中主桁
6 継手板
7 スキンプレート
8 縦リブ
9 中空部
10 ボルト孔
11 吊り手金具
12 グラウト注入孔
13 円弧状部
14 T字状部
15 コンクリート中詰め鉄鋼製セグメント
16 補強用縦リブ
17 鋼殻
18 開口部
19 隅肉溶接
20 円弧状部
21 補強プレート(ウエブ部材)
22 蓋板
23 閉鎖空間
24 フラット面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド工法により構築されるトンネルの一次覆工体として用いられる鋼殻にコンクリートを中詰めすることによって構成されるコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントであって、少なくとも2つの外主桁と2つの中主桁、中主桁を連結する縦リブおよび外主桁と中主桁を連結する補強プレート、継手板、スキンプレートより構成され、前記2つの中主桁の間を蓋板で閉塞して前記中詰めコンクリートの流入を防止する閉鎖空間を形成したことを特徴とするコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項2】
中主桁とスキンプレートおよび主桁を接続するウエブ部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項3】
2つの中主桁間に配される縦リブの形状が平板形状またはL形状またはT形状または略矩形状または略円形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項4】
鋼殻を構成する鉄鋼製材料として、構造用鋼材、鋳鋼、球状黒鉛鋳鉄の何れか1つまたは複数を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項5】
2つの中主桁を連結する縦リブまたは蓋板を合成樹脂および/または繊維強化プラスチックで構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項6】
中詰めコンクリートとして、普通コンクリートまたは軽量コンクリートを用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項7】
中詰めコンクリートとして、耐火性、耐酸性、耐硫酸塩性のいずれか1つまたは複数を付与したコンクリートを用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメント。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のコンクリート中詰め鉄鋼製セグメントを用いて構築されたことを特徴とするトンネルの一次覆工体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−24495(P2009−24495A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283036(P2008−283036)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【分割の表示】特願2004−78446(P2004−78446)の分割
【原出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】