コンクリート供試体用型枠
【課題】コンクリート供試体用型枠を、簡単な構成で軽量・安価な合成樹脂成形品とし、型枠からの供試体の取り出しにも工具等を必要とせず、手作業で簡単に取り出すことができ、廃棄物となる使用済み型枠も少量にする。
【解決手段】合成樹脂製で筒状の周壁11aと有孔の底部11bとを一体化した薄肉の筒状体11からなるコンクリート供試体用型枠10であり、該周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底14aで連結された複数の切り溝14を設け、該筒状体の上部口縁の対向位置に一対の引き裂き用の摘み15を設け、該筒状体の底部上に無孔の底板12を圧嵌する。
【解決手段】合成樹脂製で筒状の周壁11aと有孔の底部11bとを一体化した薄肉の筒状体11からなるコンクリート供試体用型枠10であり、該周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底14aで連結された複数の切り溝14を設け、該筒状体の上部口縁の対向位置に一対の引き裂き用の摘み15を設け、該筒状体の底部上に無孔の底板12を圧嵌する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強度試験に供するコンクリート供試体を成形するための供試体用型枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
強度試験に供されるコンクリート供試体は、直径の2倍の高さをもつ柱状体であって、該供試体用型枠へのコンクリートの充填は、JIS A 1132のコンクリートの強度試験用供試体の作り方に従って行われる。
従来、この種のコンクリート供試体用型枠としては、透明または半透明の合成樹脂製の筒状体の底部に底板を圧入したものが特許文献1等によって知られ、また、特許文献2においては、円筒体の一端部に底板を着脱自在に取り付けて型枠とし、表面が平滑なフィルムをその型枠内に挿入して円筒体の内周面を該フィルムで被覆するようにしたものが知られている。更に、金属缶によって上記型枠を形成し、供試体の成形後に上記缶を特殊な工具で破断して供試体を取り出すようにしたものも多用されている。
【0003】
上記特許文献1のような型枠では、脱型のために底板や成形した供試体自体を下部から押圧して取り出す必要があるが、空気圧を利用する場合にはその空気圧の導入通路を設ける必要があって、その構造が比較的複雑化し、また、機械的な操作力を用いる場合には、成形した供試体を損傷させないようにする必要があるため、脱型設備が複雑化して製造コストを高めることになる。更に、上記特許文献2に開示されているような、表面が平滑なフィルムで型枠内周面を被覆するようにしたものでは、型枠内へのコンクリート・サンプルの充填時にそのフィルムが変形しやすく、その変形によっては適切な供試体が得られないことがある。
【0004】
また、上記金属缶からなる型枠を用いる場合には、供試体の取り出しに特殊な工具を用いる必要があって、取り出そうとする供試体を損傷したり、手指を損傷したりする可能性があり、しかも、コンクリート供試体の製造においては、硬化や養生のために型枠に充填したサンプルを長時間放置する工程が存在し、その間に該サンプルを充填した型枠を直射日光が当たる場所に放置したりすると、金属缶が高温になってコンクリート・サンプルが異常に加熱され、水分の放散や熱による品質の低下が生じるので、断熱性の乏しい金属は基本的に供試体型枠の適切な素材といえるものではない。
【特許文献1】特開2001−205612号公報
【特許文献2】特開昭63−124931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、コンクリート供試体用型枠を、簡単な構成で軽量・安価な合成樹脂成形品として構成し、しかも、その型枠からの供試体の取り出しに工具等を必要とせず、手作業で簡単に取り出すことができ、廃棄物となる使用済み型枠も少量の合成樹脂材だけにすることにある。
また、本発明の他の技術的課題は、硬化あるいは養生中の供試体を適切な環境に置き、品質の良い供試体を製造可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の第1のコンクリート供試体用型枠は、合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、該筒状体の上部口縁の対向位置には周壁を上記切り溝において引き裂くための一対の摘みが設けられ、該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記本発明に係るコンクリート供試体用型枠の好ましい実施形態においては、筒状体の上部口縁の対向位置に設けた摘みの両側に、それぞれ上記切り溝が平行に設けられ、あるいは、上記摘みの両側に設けた切り溝が、筒状体の下端において一体化するV形に形成される。
【0008】
また、上記課題を解決するための本発明の第2のコンクリート供試体用型枠は、合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、該筒状体の上部口縁の外側にフランジが設けられ、該フランジにおける上記切り溝に対応する位置に、嵌入したコインでこじることによって上記切り溝を引き裂くためのスリットが設けられ、該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されていることを特徴とするものである。
【0009】
上述した本発明に係る第1及び第2のコンクリート供試体用型枠においては、上記有孔の底部に、上記周壁の切り溝の下端に連なる切り溝を設けることができ、あるいは、上記筒状体に外嵌する筒状に形成され、上記筒状体への外嵌によりその変形を抑止する高強度の外套体を備えたものとすることができる。
【0010】
上記構成を有するコンクリート供試体用型枠は、供試体の成形に際し、必要に応じて、高強度の外套体を用いてその中に筒状体を嵌挿したうえで、該筒状体内にコンクリート・サンプルを充填し、それを硬化、養生させる。上記筒状体だけで供試体を成形しても供試体の変形がない場合には、必ずしも外套体を用いる必要はない。
上記型枠は、供試体の成形に用いた後は破断して廃棄物となるものであり、そのため、望ましくは、該型枠のみでも使用できる強度を有する範囲内で可及的に薄肉化することにより廃棄物を少なくし、強度不足が懸念される場合には、高強度で繰り返し使用できる外套体を外嵌させることにより、廃棄物を可及的に少なくすることができる。
【0011】
上記型枠内で硬化、養生させたコンクリート供試体を該型枠から取り出すときには、上記第1のコンクリート供試体用型枠の場合は、筒状体の周壁の上部口縁に設けた一対の摘みを両側に引くことによって、各摘みの両側における筒状体周壁に設けた極薄肉底の一対の切り溝に沿って筒状体を破断すればよく、それによって供試体は手作業だけで簡単且つ容易に取り出すことができる。
【0012】
また、上記第2のコンクリート供試体用型枠の場合には、筒状体の上部口縁の外側に設けたフランジにおける対向位置の一対のスリットにそれぞれコインを嵌入してこじることにより、それらのスリットに連なる筒状体周壁の極薄肉底の切り溝に切れ目を発生させ、そのうえで、筒状体周壁上端両側に設けた摘みを両側に引くことによって、上記一対の切り溝に沿って筒状体周壁を破断することができ、この場合にも、供試体は手作業だけで簡単且つ容易に取り出すことができる。
【0013】
なお、ここではコンクリート供試体を成形する型枠について述べたが、地盤の一部にそれを固化させるために固化材を混入した固結材、あるいは、その他の土木建築用のコンクリートに類する素材であって、強度試験に供する供試体の成形を行う型枠についても適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上に詳述した本発明においては、コンクリート供試体用型枠を、簡単な構成で軽量・安価な合成樹脂成形品として構成することができ、しかも、その型枠からの供試体の取り出しに工具等を必要とせず、手作業で簡単に取り出すことができ、廃棄物となる使用済み型枠も少量の合成樹脂材だけにすることができる。また、筒状体を熱伝導率の低い合成樹脂により形成しているので、硬化あるいは養生中の供試体を適切な環境に置き、品質の良い供試体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜図7は、本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第1実施例を示している。この第1実施例の型枠10は、基本的には、合成樹脂製の筒状体11と、金属板または合成樹脂製で、該筒状体11の底部に圧嵌された底板12(図6参照)と、必要に応じて用いられる上記筒状体11の周囲に外嵌させる外套体13(図6及び図7参照)とを備えている。また、必要に応じて上記筒状体11または外套体13に被着する蓋(図示省略)が用いられる。
【0016】
上記合成樹脂製の筒状体11は、図6に示すように、筒状の周壁11aと有孔の底部11bとを一体化した薄肉のもので、その周壁11aにおける上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底14aで連結された複数の切り溝14が平行に設けられ、該筒状体11の上部口縁の対向位置には、周壁11aを上記切り溝14において引き裂くための一対の摘み15が一体に設けられている。上記切り溝14は、この第1実施例では、摘み15の両側にそれぞれ設けられているが、必ずしもその一に限るものではなく、一対の摘み15を引くことにより極薄肉底14aを切り裂きやすい位置に設けていればよい。筒状体11の周壁11aの上端には、必要に応じて、強度を高めるためのフランジ11cが設けられる。
【0017】
なお、上記筒状体11の内面には、該筒状体11自体の成形及びその内部に充填した供試体用素材の脱型を容易にするために、規格寸法許容範囲内で僅かながら上方に開くテーパーを付している。
また、上記周壁11aと一体に形成された底部11bは有孔としているが、その孔16は、筒状体11の成形における脱型を容易にしたり、底板12の圧嵌を容易にするための通気を目的とするため、通気性を与えるための任意形態にすることができる。更に、この底部11bには、上記周壁11aにおける切り溝14の下端に連なる切り溝17を設け、筒状体11からの供試体の取り出しを一層容易にしている。
【0018】
上記筒状体11の底部11b上には、金属(鉄板)製の無孔の底板12を圧嵌しているが、この底板12は、その周面12aを僅かながら上方側を大径にしたテーパー面とし、それを周壁11a内に圧嵌することにより、該底板12の周りの水密を確保できるようにしている。しかしながら、筒状体11内の周壁11aの底板12が圧嵌される部分に、下方に向かって縮径する底板圧嵌用のテーパー部を形成して、底板をそのテーパー部に圧嵌することにより、底板の周りの水密を確保することもできる。
【0019】
上記型枠10は、供試体の成形に用いた後は廃棄物となるので、該型枠10のみでも使用できる強度を有する範囲内で可及的に薄肉化することにより、廃棄物を少なくすることができる。それによって強度不足が懸念される場合には、図6及び図7に示すような、高強度で繰り返し使用できる合成樹脂製の外套体13を外嵌させることによりその強度を高め、しかも、廃棄物を可及的に少なくすることができる。なお、上記筒状体11だけで供試体を成形しても供試体の変形がない場合には、必ずしもこの外套体13を用いる必要はない。
【0020】
また、コンクリート供試体の製造において、硬化や養生のために型枠10に充填したサンプルを長時間直射日光が当たる場所に放置したりすると、コンクリート・サンプルが異常に加熱され、水分の放散や熱による品質の低下が生じるが、上記外套体13の周囲に熱伝導率の低い断熱層を形成しておくことにより、供試体の品質の低下を抑制することができる。この場合、外套体13は必ずしも合成樹脂製に限るものではなく、熱伝導率が低い任意筒状部材によって形成することができる。
【0021】
上記構成を有するコンクリート供試体用型枠10によって供試体の成形を行うに際しては、筒状体11内の底部11b上に底板12を圧嵌した型枠10を、必要に応じて外套体13の中に嵌挿したうえで、その筒状体11内にコンクリート・サンプルを充填し、それを硬化、養生させる。
上記型枠10内で硬化、養生させたコンクリート供試体を該型枠10から取り出すときには、筒状体11の周壁11aの上部口縁に設けた一対の摘み15を両側に引くことによって、各摘み15の両側における一対の切り溝14に沿ってその極薄肉底14aが破断されるので、筒状体11の周壁11aを開いて成形した供試体を取り出すことができる。このように、供試体の取り出しは手作業だけで簡単且つ容易に行うことができる。
【0022】
図8〜図12は、本発明に係る供試用型枠の第2実施例を示している。この第2実施例の型枠20は、上記第1実施例と比べて、主として切り溝の位置が異なっている。即ち、この第2実施例においては、第1実施例と同様な摘み25の両側に設けたところの、極薄肉底24aで連結されている切り溝24が、筒状体21の周壁21aの下端において一体化するV形に形成されている。このV形の切り溝24は、摘み25による切り溝24の極薄肉底24aの切り裂きを一層容易にするものである。また、それに伴い、底部21bにおける上記切り溝24に連なる切り溝27が、該底部21bの中央における1本の切り溝27として構成されている。
【0023】
この第2実施例におけるその他の構成、作用は、第1実施例と格別の差異がないので、図8〜図12において、第1実施例と共通の部分には第1実施例と同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。なお、この第2実施例では第1実施例のフランジ11cに対応するものを備えていない。また、この第2実施例においても、第1実施例の場合と同様に、外套体13を用いることができる。
【0024】
図13〜図19は、本発明に係る供試用型枠の第3実施例を示している。この第3実施例のコンクリート供試体用型枠30は、上記第1及び第2実施例と同様に、筒状体31の周壁31aにおける上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底34aで連結された複数の切り溝34を設けているが、供試体の取り出しに当たって、その切り溝34における極薄肉底34aの上端に切れ目を入れるために、筒状体31の上部口縁の外側において、上記切り溝34に対応する位置の両側に各一対の補強部31dを有するフランジ31cを設け、該フランジ31cにおける上記一対の補強部31d間に、コインを嵌入してこじることにより上記切り溝34を引き裂くようにしたスリット38を設けている。
【0025】
この第3実施例においても、筒状体31の上部口縁の対向位置に、上記切り溝34において筒状体31の胴部31aを引き裂くための摘み35を設けているが、上記切り溝34はこの一対の摘み35の中間で互いに対向する位置に設けている。筒状体31の底部31bにおける切り溝37も、上記胴部31aの切り溝34の下端に連なる位置に設けられている。
また、上記フランジ31cに上記スリット38を形成するための補強部31dを設けていることから、この第3実施例における外套体33には、上記補強部31dを受け入れるための切込み33cを設けている。
【0026】
上記構成を有する第3実施例の型枠30は、供試体の取り出しに際し、筒状体31の上部口縁の外側に設けたフランジ31cにおける対向位置のスリット38にそれぞれコインを嵌入してこじることにより、それらのスリット38に連なる筒状体周壁31aの切り溝34における極薄肉底34aに切れ目を発生させ、そのうえで、筒状体31の周壁上端の両側に設けた摘み35を両側に引くことによって、上記一対の切り溝34に沿って筒状体周壁31aを破断することができ、この場合にも、供試体は手作業だけで簡単且つ容易に取り出すことができる。
【0027】
この第3実施例におけるその他の構成、作用は、第1実施例と実質的に同一であるため、図面の第1実施例と共通する部分には第1実施例と同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第1実施例を示す正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】同底面図である。
【図5】図1のA−A位置における水平断面図である。
【図6】上記型枠を外套体に嵌挿した状態の縦断面図である。
【図7】同斜視図である。
【図8】本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第2実施例を示す正面図である。
【図9】同側面図である。
【図10】同平面図である。
【図11】同底面図である。
【図12】図8のB−B位置における水平断面図である。
【図13】本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第3実施例を示す正面図である。
【図14】同側面図である。
【図15】同平面図である。
【図16】同底面図である。
【図17】図13のC−C位置における水平断面図である。
【図18】上記型枠を外套体に嵌挿した状態の縦断面図である。
【図19】同斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
10,20,30 型枠
11,21,31 筒状体
11a,21a,31a 周壁
11b,21b,31b 底部
12 底板
13,33 外套体
14,24,34 切り溝
14a,24a,34a 極薄肉底
15,25,35 摘み
31c フランジ
38 スリット
17,27,37 切り溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、強度試験に供するコンクリート供試体を成形するための供試体用型枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
強度試験に供されるコンクリート供試体は、直径の2倍の高さをもつ柱状体であって、該供試体用型枠へのコンクリートの充填は、JIS A 1132のコンクリートの強度試験用供試体の作り方に従って行われる。
従来、この種のコンクリート供試体用型枠としては、透明または半透明の合成樹脂製の筒状体の底部に底板を圧入したものが特許文献1等によって知られ、また、特許文献2においては、円筒体の一端部に底板を着脱自在に取り付けて型枠とし、表面が平滑なフィルムをその型枠内に挿入して円筒体の内周面を該フィルムで被覆するようにしたものが知られている。更に、金属缶によって上記型枠を形成し、供試体の成形後に上記缶を特殊な工具で破断して供試体を取り出すようにしたものも多用されている。
【0003】
上記特許文献1のような型枠では、脱型のために底板や成形した供試体自体を下部から押圧して取り出す必要があるが、空気圧を利用する場合にはその空気圧の導入通路を設ける必要があって、その構造が比較的複雑化し、また、機械的な操作力を用いる場合には、成形した供試体を損傷させないようにする必要があるため、脱型設備が複雑化して製造コストを高めることになる。更に、上記特許文献2に開示されているような、表面が平滑なフィルムで型枠内周面を被覆するようにしたものでは、型枠内へのコンクリート・サンプルの充填時にそのフィルムが変形しやすく、その変形によっては適切な供試体が得られないことがある。
【0004】
また、上記金属缶からなる型枠を用いる場合には、供試体の取り出しに特殊な工具を用いる必要があって、取り出そうとする供試体を損傷したり、手指を損傷したりする可能性があり、しかも、コンクリート供試体の製造においては、硬化や養生のために型枠に充填したサンプルを長時間放置する工程が存在し、その間に該サンプルを充填した型枠を直射日光が当たる場所に放置したりすると、金属缶が高温になってコンクリート・サンプルが異常に加熱され、水分の放散や熱による品質の低下が生じるので、断熱性の乏しい金属は基本的に供試体型枠の適切な素材といえるものではない。
【特許文献1】特開2001−205612号公報
【特許文献2】特開昭63−124931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、コンクリート供試体用型枠を、簡単な構成で軽量・安価な合成樹脂成形品として構成し、しかも、その型枠からの供試体の取り出しに工具等を必要とせず、手作業で簡単に取り出すことができ、廃棄物となる使用済み型枠も少量の合成樹脂材だけにすることにある。
また、本発明の他の技術的課題は、硬化あるいは養生中の供試体を適切な環境に置き、品質の良い供試体を製造可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の第1のコンクリート供試体用型枠は、合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、該筒状体の上部口縁の対向位置には周壁を上記切り溝において引き裂くための一対の摘みが設けられ、該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記本発明に係るコンクリート供試体用型枠の好ましい実施形態においては、筒状体の上部口縁の対向位置に設けた摘みの両側に、それぞれ上記切り溝が平行に設けられ、あるいは、上記摘みの両側に設けた切り溝が、筒状体の下端において一体化するV形に形成される。
【0008】
また、上記課題を解決するための本発明の第2のコンクリート供試体用型枠は、合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、該筒状体の上部口縁の外側にフランジが設けられ、該フランジにおける上記切り溝に対応する位置に、嵌入したコインでこじることによって上記切り溝を引き裂くためのスリットが設けられ、該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されていることを特徴とするものである。
【0009】
上述した本発明に係る第1及び第2のコンクリート供試体用型枠においては、上記有孔の底部に、上記周壁の切り溝の下端に連なる切り溝を設けることができ、あるいは、上記筒状体に外嵌する筒状に形成され、上記筒状体への外嵌によりその変形を抑止する高強度の外套体を備えたものとすることができる。
【0010】
上記構成を有するコンクリート供試体用型枠は、供試体の成形に際し、必要に応じて、高強度の外套体を用いてその中に筒状体を嵌挿したうえで、該筒状体内にコンクリート・サンプルを充填し、それを硬化、養生させる。上記筒状体だけで供試体を成形しても供試体の変形がない場合には、必ずしも外套体を用いる必要はない。
上記型枠は、供試体の成形に用いた後は破断して廃棄物となるものであり、そのため、望ましくは、該型枠のみでも使用できる強度を有する範囲内で可及的に薄肉化することにより廃棄物を少なくし、強度不足が懸念される場合には、高強度で繰り返し使用できる外套体を外嵌させることにより、廃棄物を可及的に少なくすることができる。
【0011】
上記型枠内で硬化、養生させたコンクリート供試体を該型枠から取り出すときには、上記第1のコンクリート供試体用型枠の場合は、筒状体の周壁の上部口縁に設けた一対の摘みを両側に引くことによって、各摘みの両側における筒状体周壁に設けた極薄肉底の一対の切り溝に沿って筒状体を破断すればよく、それによって供試体は手作業だけで簡単且つ容易に取り出すことができる。
【0012】
また、上記第2のコンクリート供試体用型枠の場合には、筒状体の上部口縁の外側に設けたフランジにおける対向位置の一対のスリットにそれぞれコインを嵌入してこじることにより、それらのスリットに連なる筒状体周壁の極薄肉底の切り溝に切れ目を発生させ、そのうえで、筒状体周壁上端両側に設けた摘みを両側に引くことによって、上記一対の切り溝に沿って筒状体周壁を破断することができ、この場合にも、供試体は手作業だけで簡単且つ容易に取り出すことができる。
【0013】
なお、ここではコンクリート供試体を成形する型枠について述べたが、地盤の一部にそれを固化させるために固化材を混入した固結材、あるいは、その他の土木建築用のコンクリートに類する素材であって、強度試験に供する供試体の成形を行う型枠についても適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上に詳述した本発明においては、コンクリート供試体用型枠を、簡単な構成で軽量・安価な合成樹脂成形品として構成することができ、しかも、その型枠からの供試体の取り出しに工具等を必要とせず、手作業で簡単に取り出すことができ、廃棄物となる使用済み型枠も少量の合成樹脂材だけにすることができる。また、筒状体を熱伝導率の低い合成樹脂により形成しているので、硬化あるいは養生中の供試体を適切な環境に置き、品質の良い供試体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜図7は、本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第1実施例を示している。この第1実施例の型枠10は、基本的には、合成樹脂製の筒状体11と、金属板または合成樹脂製で、該筒状体11の底部に圧嵌された底板12(図6参照)と、必要に応じて用いられる上記筒状体11の周囲に外嵌させる外套体13(図6及び図7参照)とを備えている。また、必要に応じて上記筒状体11または外套体13に被着する蓋(図示省略)が用いられる。
【0016】
上記合成樹脂製の筒状体11は、図6に示すように、筒状の周壁11aと有孔の底部11bとを一体化した薄肉のもので、その周壁11aにおける上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底14aで連結された複数の切り溝14が平行に設けられ、該筒状体11の上部口縁の対向位置には、周壁11aを上記切り溝14において引き裂くための一対の摘み15が一体に設けられている。上記切り溝14は、この第1実施例では、摘み15の両側にそれぞれ設けられているが、必ずしもその一に限るものではなく、一対の摘み15を引くことにより極薄肉底14aを切り裂きやすい位置に設けていればよい。筒状体11の周壁11aの上端には、必要に応じて、強度を高めるためのフランジ11cが設けられる。
【0017】
なお、上記筒状体11の内面には、該筒状体11自体の成形及びその内部に充填した供試体用素材の脱型を容易にするために、規格寸法許容範囲内で僅かながら上方に開くテーパーを付している。
また、上記周壁11aと一体に形成された底部11bは有孔としているが、その孔16は、筒状体11の成形における脱型を容易にしたり、底板12の圧嵌を容易にするための通気を目的とするため、通気性を与えるための任意形態にすることができる。更に、この底部11bには、上記周壁11aにおける切り溝14の下端に連なる切り溝17を設け、筒状体11からの供試体の取り出しを一層容易にしている。
【0018】
上記筒状体11の底部11b上には、金属(鉄板)製の無孔の底板12を圧嵌しているが、この底板12は、その周面12aを僅かながら上方側を大径にしたテーパー面とし、それを周壁11a内に圧嵌することにより、該底板12の周りの水密を確保できるようにしている。しかしながら、筒状体11内の周壁11aの底板12が圧嵌される部分に、下方に向かって縮径する底板圧嵌用のテーパー部を形成して、底板をそのテーパー部に圧嵌することにより、底板の周りの水密を確保することもできる。
【0019】
上記型枠10は、供試体の成形に用いた後は廃棄物となるので、該型枠10のみでも使用できる強度を有する範囲内で可及的に薄肉化することにより、廃棄物を少なくすることができる。それによって強度不足が懸念される場合には、図6及び図7に示すような、高強度で繰り返し使用できる合成樹脂製の外套体13を外嵌させることによりその強度を高め、しかも、廃棄物を可及的に少なくすることができる。なお、上記筒状体11だけで供試体を成形しても供試体の変形がない場合には、必ずしもこの外套体13を用いる必要はない。
【0020】
また、コンクリート供試体の製造において、硬化や養生のために型枠10に充填したサンプルを長時間直射日光が当たる場所に放置したりすると、コンクリート・サンプルが異常に加熱され、水分の放散や熱による品質の低下が生じるが、上記外套体13の周囲に熱伝導率の低い断熱層を形成しておくことにより、供試体の品質の低下を抑制することができる。この場合、外套体13は必ずしも合成樹脂製に限るものではなく、熱伝導率が低い任意筒状部材によって形成することができる。
【0021】
上記構成を有するコンクリート供試体用型枠10によって供試体の成形を行うに際しては、筒状体11内の底部11b上に底板12を圧嵌した型枠10を、必要に応じて外套体13の中に嵌挿したうえで、その筒状体11内にコンクリート・サンプルを充填し、それを硬化、養生させる。
上記型枠10内で硬化、養生させたコンクリート供試体を該型枠10から取り出すときには、筒状体11の周壁11aの上部口縁に設けた一対の摘み15を両側に引くことによって、各摘み15の両側における一対の切り溝14に沿ってその極薄肉底14aが破断されるので、筒状体11の周壁11aを開いて成形した供試体を取り出すことができる。このように、供試体の取り出しは手作業だけで簡単且つ容易に行うことができる。
【0022】
図8〜図12は、本発明に係る供試用型枠の第2実施例を示している。この第2実施例の型枠20は、上記第1実施例と比べて、主として切り溝の位置が異なっている。即ち、この第2実施例においては、第1実施例と同様な摘み25の両側に設けたところの、極薄肉底24aで連結されている切り溝24が、筒状体21の周壁21aの下端において一体化するV形に形成されている。このV形の切り溝24は、摘み25による切り溝24の極薄肉底24aの切り裂きを一層容易にするものである。また、それに伴い、底部21bにおける上記切り溝24に連なる切り溝27が、該底部21bの中央における1本の切り溝27として構成されている。
【0023】
この第2実施例におけるその他の構成、作用は、第1実施例と格別の差異がないので、図8〜図12において、第1実施例と共通の部分には第1実施例と同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。なお、この第2実施例では第1実施例のフランジ11cに対応するものを備えていない。また、この第2実施例においても、第1実施例の場合と同様に、外套体13を用いることができる。
【0024】
図13〜図19は、本発明に係る供試用型枠の第3実施例を示している。この第3実施例のコンクリート供試体用型枠30は、上記第1及び第2実施例と同様に、筒状体31の周壁31aにおける上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底34aで連結された複数の切り溝34を設けているが、供試体の取り出しに当たって、その切り溝34における極薄肉底34aの上端に切れ目を入れるために、筒状体31の上部口縁の外側において、上記切り溝34に対応する位置の両側に各一対の補強部31dを有するフランジ31cを設け、該フランジ31cにおける上記一対の補強部31d間に、コインを嵌入してこじることにより上記切り溝34を引き裂くようにしたスリット38を設けている。
【0025】
この第3実施例においても、筒状体31の上部口縁の対向位置に、上記切り溝34において筒状体31の胴部31aを引き裂くための摘み35を設けているが、上記切り溝34はこの一対の摘み35の中間で互いに対向する位置に設けている。筒状体31の底部31bにおける切り溝37も、上記胴部31aの切り溝34の下端に連なる位置に設けられている。
また、上記フランジ31cに上記スリット38を形成するための補強部31dを設けていることから、この第3実施例における外套体33には、上記補強部31dを受け入れるための切込み33cを設けている。
【0026】
上記構成を有する第3実施例の型枠30は、供試体の取り出しに際し、筒状体31の上部口縁の外側に設けたフランジ31cにおける対向位置のスリット38にそれぞれコインを嵌入してこじることにより、それらのスリット38に連なる筒状体周壁31aの切り溝34における極薄肉底34aに切れ目を発生させ、そのうえで、筒状体31の周壁上端の両側に設けた摘み35を両側に引くことによって、上記一対の切り溝34に沿って筒状体周壁31aを破断することができ、この場合にも、供試体は手作業だけで簡単且つ容易に取り出すことができる。
【0027】
この第3実施例におけるその他の構成、作用は、第1実施例と実質的に同一であるため、図面の第1実施例と共通する部分には第1実施例と同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第1実施例を示す正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】同底面図である。
【図5】図1のA−A位置における水平断面図である。
【図6】上記型枠を外套体に嵌挿した状態の縦断面図である。
【図7】同斜視図である。
【図8】本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第2実施例を示す正面図である。
【図9】同側面図である。
【図10】同平面図である。
【図11】同底面図である。
【図12】図8のB−B位置における水平断面図である。
【図13】本発明に係るコンクリート供試体用型枠の第3実施例を示す正面図である。
【図14】同側面図である。
【図15】同平面図である。
【図16】同底面図である。
【図17】図13のC−C位置における水平断面図である。
【図18】上記型枠を外套体に嵌挿した状態の縦断面図である。
【図19】同斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
10,20,30 型枠
11,21,31 筒状体
11a,21a,31a 周壁
11b,21b,31b 底部
12 底板
13,33 外套体
14,24,34 切り溝
14a,24a,34a 極薄肉底
15,25,35 摘み
31c フランジ
38 スリット
17,27,37 切り溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、
該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、
該筒状体の上部口縁の対向位置には周壁を上記切り溝において引き裂くための一対の摘みが設けられ、
該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されている、
ことを特徴とするコンクリート供試体用型枠。
【請求項2】
筒状体の上部口縁の対向位置に設けた摘みの両側に、それぞれ上記切り溝が平行に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項3】
上記摘みの両側に設けた切り溝が、筒状体の下端において一体化するV形に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項4】
合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、
該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、
該筒状体の上部口縁の外側にフランジが設けられ、該フランジにおける上記切り溝に対応する位置に、嵌入したコインでこじることによって上記切り溝を引き裂くためのスリットが設けられ、
該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されている、
ことを特徴とするコンクリート供試体用型枠。
【請求項5】
上記有孔の底部に、上記周壁の切り溝の下端に連なる切り溝が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項6】
上記筒状体に外嵌する筒状に形成され、上記筒状体への外嵌によりその変形を抑止する高強度の外套体を備えている、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項1】
合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、
該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、
該筒状体の上部口縁の対向位置には周壁を上記切り溝において引き裂くための一対の摘みが設けられ、
該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されている、
ことを特徴とするコンクリート供試体用型枠。
【請求項2】
筒状体の上部口縁の対向位置に設けた摘みの両側に、それぞれ上記切り溝が平行に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項3】
上記摘みの両側に設けた切り溝が、筒状体の下端において一体化するV形に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項4】
合成樹脂製で筒状の周壁と有孔の底部とを一体化した薄肉の筒状体からなるコンクリート供試体を成形するための型枠であって、
該筒状体の周壁における上下端間に、引き裂き可能な極薄肉底で連結された複数の切り溝が設けられ、
該筒状体の上部口縁の外側にフランジが設けられ、該フランジにおける上記切り溝に対応する位置に、嵌入したコインでこじることによって上記切り溝を引き裂くためのスリットが設けられ、
該筒状体の底部上に無孔の底板が圧嵌されている、
ことを特徴とするコンクリート供試体用型枠。
【請求項5】
上記有孔の底部に、上記周壁の切り溝の下端に連なる切り溝が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載のコンクリート供試体用型枠。
【請求項6】
上記筒状体に外嵌する筒状に形成され、上記筒状体への外嵌によりその変形を抑止する高強度の外套体を備えている、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載のコンクリート供試体用型枠。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−190225(P2009−190225A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31833(P2008−31833)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(390014580)セイキ工業株式会社 (7)
【出願人】(305044235)株式会社WASC基礎地盤研究所 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(390014580)セイキ工業株式会社 (7)
【出願人】(305044235)株式会社WASC基礎地盤研究所 (9)
【Fターム(参考)】
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