説明

コンクリート床面の塗装方法

【課題】 コンクリートスラブ等の床面塗装において、耐久性に富む着色塗膜層を形成する。
【解決手段】 コンクリート床面のコンクリート打設後の表面仕上げ後1時間乃至3時間程度経過後にコンクリート面が生乾き状態にある時に、透明色リチウム含有溶液または着色リチウム含有溶液を添加した塗料を用いて、コンクリート床面塗装を行う。これにより、コンクリート表面に塗布された塗料の一部がコンクリート表面に浸透する一方、塗膜としてコンクリート表面に十分な被膜厚の塗装面を形成でき、耐久性に富む着色塗膜層を形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート床面の塗装方法に係り、コンクリートスラブ等の床面コンクリートの打設後、コンクリート硬化が進行する前の所定時間内に、床面に着色塗膜を形成することで、耐久性に富む着色層を形成するコンクリート床面の塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、コンクリート床面等の塗装においては、塗膜がコンクリート素地と十分に接着し、強固でかつ所定の着色に発色できるように、適正な素地面の処理を行うことが重要である。この素地調整が不十分であると、着色のムラや色相の相違、塗膜の剥がれ、割れ、ふくれ、チョーキング等の劣化が早期に生じてしまうという問題があった。そこで、従来、コンクリート等の建築物の塗装工事おいては、建築工事標準仕様書・同解説(JASS18)等に、その塗装対象ごとに、使用可能な塗装材料や工程について詳細に規定されている。
【0003】
また、コンクリート塗り床工程において、塗膜とコンクリート素地との間の密着性を高めるための下地塗り材料、及び塗装工程について、種々の提案がされている(特許文献1,特許文献2)。
【0004】
特許文献1では、コンクリートとしてレジンモルタルを使用したコンクリート床において、たとえばメタクリル酸メチル系樹脂をバインダーとして用い、その表面に一液湿気硬化型のウレタンプライマーを塗布する工法が開示されている。
【0005】
特許文献2では、コンクリート打設後、コンクリートの含水率を5%以下(たとえば打設後25日経過後)になるまでコンクリートの乾燥を図り、その後、所定のエポキシ系、ウレタン系等のプライマーによる下地処理方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平6−99137号公報
【特許文献2】特開2000−265654公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1では、床側のレジンモルタルと、下地材料との化学結合に期待したプライマーを使用することと特徴とするため、特許文献1の工法は、通常のモルタルコンクリート下地にはそのまま使用するメリットがない。
【0008】
また、特許文献2のコンクリート塗り工法でも、コンクリートを十分乾燥させるための養生期間を確保し、その後、下塗り工程、上塗り工程を行うようになっている。そのため、いずれの場合も、コンクリート素地と塗膜との一体化を図ることができるが、コンクリート床施工と、塗装素地調整工程の軽減は図れるが、コンクリート打設直後の数時間の間隔をあけて、引き続き塗装工程を行うことは想定していない。
【0009】
ところで、コンクリート塗装の場合、コンクリート素地の下地処理工程を、簡素化した場合、コンクリートの表面、コンクリート素地の色が影響し、使用した塗料の発色が得られないおそれがある。また、使用する塗料の種類によっては、コテや刷毛塗りの筋跡が残り、いわゆるムラが形成され易い。
【0010】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、コンクリート打設後、コンクリート表面の硬化の進行に合わせ、コンクリート表面にブリーディング水の発生前の生乾き状態で、リチウム含有溶液をベース添加材とした塗料による着色塗膜を形成することで、コンクリートの硬化と塗膜の硬化との調整を図り、コンクリートと着色塗膜とが一体化し、設定された着色の発色と、高い耐久性が得られるようにしたコンクリート床面の塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
出願人は、塗料の着色層がコンクリート床と一体になり、塗膜が耐久性を有するコンクリート床面の塗装方法を求めた結果、コンクリート打設後の生乾き時に、リチウム含有溶液をベース添加材とした塗料による塗装を行なうことで、上述の問題を解決できることを見出した。これは、打設したコンクリートが生乾き状態の時に、よく吸水する性質を利用し、その際にリチウム含有溶液をベース添加材とした塗料を用いることで、その塗膜の安定化を図ることができる点を見いだした点に特徴がある。
【0012】
すなわち、本発明は、コンクリート床面の塗装方法であって、コンクリート打設後、表面仕上げ後およそ1時間乃至3時間程度経過後、前記コンクリート面が生乾き時に、塗装を行うことを特徴とする。
【0013】
コンクリート打設後の表面仕上げ時に、質感を表す透明または着色材を含む塗料を散布しながら、あるいは着色用微粉末を散布しながら仕上げすることを特徴とする。
【0014】
このとき、透明色リチウム含有溶液または着色リチウム含有溶液を添加した塗料を用いることが好ましい。
【0015】
通常のコンクリートで打設されたコンクリート床面は、コンクリート打設、表面仕上げ後、1時間から3時間位で表面に「生乾き」状態となる。この「生乾き」状態が現われるコンクリー表面仕上げ後からの経過時間は、コンクリート配合、通風、気温などの現場条件によって異なるが、おおよそコンクリート打設後、1時間から3時間程度で、最長で5時間までの間で、コンクリート表面がこの状態となる。なお、この「生乾き」状態では、コンクリート表面は溶液状のものを吸水し易く、特に本発明の特徴であるリチウム含有溶液をベース添加材とした塗料を塗布すると、硬化後の塗膜は、硬化が進行するコンクリート表面と一体化することが確認された。
【0016】
そこで、本明細書では「生乾き」状態とは、コンクリート打設、表面仕上げ後、大体5時間位までの経過時間内に現われるコンクリート表面状態、特に1時間から3時間位で表面における、やや乾燥が進行しつつある状態と定義する。
【0017】
一般的に打設された、コンクリートが硬化し、所定の実用強度に達するまでの硬化時間より、コンクリート表面塗装に用いられる塗料が乾燥硬化し、実用に耐えられるまでの時間の方が短いことが知られている。したがって、コンクリートを打設後、生乾き状態で塗装が行われても、コンクリートが硬化するまでの間に、塗膜表面は十分な実用強度まで硬化する。本発明のリチウム含有溶液をベース添加材とした着色材を用いる塗装方法では、均質でムラの無い着色面が簡単に得られる。塗料がワニス等の無色透明でなければ、コンクリート素地の色の影響も少ない。
【0018】
また、塗装方法としては、無色透明のワニス系の塗膜を形成する他、仕上げ時に粉末の着色材を散布等してコンクリート表面に所定の着色を施しながら表面仕上げを行い、その後、生乾き状態で光沢をつける塗料を塗布したりする手法も採用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コンクリート打設後の、コンクリート表面が生乾き状態に、塗布された塗料の一部がコンクリート表面に浸透する一方、塗膜としてコンクリート表面に十分な被膜厚の塗装面を形成することができる。この結果、この塗装被膜は、コンクリートの硬化期間において、水分の散逸等を防止する養生膜としても作用することができるため、本発明によれば、生乾き時にコンクリート塗装を行うことで、高い品質で耐久性のあるコンクリート床の塗装面を形成できるとともに、後の養生作業を省略でき、養生等に要する散水量等も十分少なくでき、また養生剤等の補助剤の使用を要しないので、コンクリート床面の仕上げ作業の作業工程を大幅に短縮できる。
【0020】
また、生乾き時に塗装したコンクリート床では、表面乾燥が防止できるので、コンクリート表面の乾燥による容積変化や、乾燥収縮などによるひび割れの防止、養生時のひび割れ防止も図れる。また、塗料の硬化に伴う色相の変化や質感の低下も防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のコンクリート床面の塗装方法の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0022】
コンクリート床のコンクリート打設、表面仕上げ後、1時間から3時間位で表面が「生乾き」状態でとなる。「生乾き」状態で、リチウム含有溶液をベース添加材とした塗料を塗布する。通常のコンクリートで打設されたコンクリート床面は、「生乾き」状態が現われるコンクリート表面仕上げ後からの経過時間は配合、通風、気温などにより異なるが、おおよそコンクリート打設後、1時間から3時間位、最大で5時間程度以内に、リチウム含有溶液をベース添加材とした塗料を塗布することが好ましい。
【0023】
本明細書では「生乾き」とは、コンクリート打設、表面仕上げ後、大体5時間位までの経過時間内に現われるコンクリート表面状態、特に1時間から3時間位で表面における、やや乾燥が進行しつつある状態をさす。
【0024】
一般的に打設された、コンクリートが硬化し、所定の実用強度に達するまでの硬化時間より、コンクリート表面塗装に用いられる塗料が乾燥硬化し、実用に耐えられるまでの時間の方が短いことが知られている。したがって、コンクリートを打設後、生乾き状態で塗装が行われても、コンクリートが硬化するまでの間に、塗膜表面は十分な実用強度まで硬化する。
【0025】
リチウム含有溶液をベース添加材とした塗装には、使用する塗料の粘度、流動性を適正な溶剤で調整することで、コテ、スポンジ塗り、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー、吹き付け塗りなど、種々の塗装方法を採用することができる。また、中塗り、仕上げ塗り等の複数塗装工程を設定した場合には、その塗装方法は適宜使い分けることができることは言うまでもない。また、最終仕上げ時に、液状の着色材をコンクリート表面に散布して表面着色することも可能である。この場合、着色リチウム含有溶液を含有した自然乾燥塗料を用いることが好ましい。
【0026】
本発明に用いる塗料に添加するベース添加材としては、質感を表す透明なリチウム含有溶液または着色されたリチウム含有溶液が有効である。塗料としては、リチウム含有溶液をベース添加材とし、生乾き時に塗布可能な流動性、粘性を有する塗料であれば、その種類は問わない。たとえば、駿河工業(株)の商品名「ペントラシール」のような、リチウム含有溶液を混合した塗料を用いることも可能である。また塗布する直前に「ペントラシール」を更に加え、塗布することも可能である。なお、リチウム含有溶液をベース添加材としていれば、異なる種類の塗料の重ね塗りも可能である。既調合形塗料で、エマルジョン塗料や水溶性塗料はリチウム含有溶液をベース添加材にすると生乾きの状態のコンクリート表面に塗布し易い。
【0027】
本発明に用いる着色材としては、透明あるいは着色されたリチウム含有溶液が有効である。たとえば、リチウム・スチレンマレイン酸混合物を主成分とする、(株)アストユニオンの商品名「アストカラー」が好適である。この着色材は、打設直後のコンクリート表面へ散布して、表面仕上げ時にコンクリート表面に着色するために用いられる。その散布量は、コンクリートの配合、コンクリート素地の色、その後の塗装方法によって異なるが、塗料単位量あたり、たとえば3〜12m2/リットル、好ましくは5〜9m2/リットル程度の床面積に散布(塗布)することにより、所要の塗膜形成が可能となる。
【0028】
[コンクリートのひび割れ防止塗装]
本発明では、コンクリート表面が生乾きの状態にある時に、リチウム含有溶液をベース添加材とし、その表面に塗膜を形成塗布することにより、
(1)乾燥収縮によるひび割れ抑制
(2)養生不足により起こり得るひび割れの防止
(3)乾燥による体積変化に起因するひび割れの抑制
(4)プラスチック収縮ひび割れ抑制
の効果が得られる。
【0029】
すなわち、乾燥収縮は、コンクリート内の水分が部材表面から逸散する際に、部材断面内にもたらされたひずみ勾配の影響を受けて部材表面から発生し、乾燥が部材全体に進行し、収縮変形が起こり、それが拘束されると引張応力が生じて断面全体を貫通するひび割れに至る。本発明のように、生乾き時にコンクリート表面に塗膜を形成することで、封緘養生としての効果を促進することが好ましい。
【0030】
また、養生不足は、硬化したコンクリートに発生するひびわれ程度を大きくする。養生の早期打切りは、若材令時のコンクリートの収縮を増加させる。乾燥によるセメントの水和不足は、長期強度を低下させるばかりでなく、耐久性を損なわせる。したがって、コンクリート表面が生乾きの時にコンクリート表面に塗膜を形成することが好ましい。
【0031】
コンクリート硬化に伴うコンクリート体積変化に対して、コンクリートのクリープ、温度差および乾燥収縮による内部応力が作用すると、端辺が支持拘束されたコンクリートスラブ等では、容易にひび割れが生じる。したがって、これらのコンクリート表面が生乾きの時にコンクリート表面に塗膜を形成することで封緘養生としての効果が得られ、コンクリート表面からの乾燥による体積変化に起因するひび割れ防止を図ることができる。
【0032】
プラスチック収縮ひび割れは、打設されたまだ固まらないコンクリートからの水分の増発が、コンクリート表面へのブリーディング速度より速い場合に生じる。このプラスチック収縮ひび割れはコンクリートが打設された直後から発生し始めることが知られている。そこで、コンクリート表面が生乾きの時にコンクリート表面に塗膜を形成することで、コンクリート表面からの蒸発率を減少させ、プラスチック収縮ひび割れを抑制することができる。
【0033】
なお、コンクリート表面が生乾きの時にコンクリート表面に塗膜を形成することで、最終仕上げ時期を早められる効果も奏する。したがって、コンクリートが所定の実用強度に達した時には塗膜面も十分な強度に達している。
【0034】
本発明によるコンクリート床面または一般的なコンクリート硬化後に行なう塗装工程において、コンクリート表面の着色に使用する、リチウム含有溶液をベース添加材としたシーラーとしては、たとえば駿河工業(株)の珪酸リチウムを主成分とするコンクリート表面硬化剤、商品名「ペントラシール」または「ペントラシール244」を用いることが好ましい。これにより、コンクリート表面には、より優れた耐久性、耐候性、表面硬度、耐摩耗性の増進が得られる。
【0035】
以下、本発明による効果を、各種構造物のコンクリート床面に適用した複数の施工例によって確認した例を示す。
[施工例1]
【0036】
鉄筋コンクリート造2階建て建物の2階床ハーフプレキャストコンクリート版床(スラブ厚22cm、プレキャストコンクリートスラブ厚8cm)を、単位セメント量360kg、細骨材率55%、水セメント比45%、スランプ16cmのコンクリートを用いて、2日間に分けて現場打設した。2階床はスレート屋根で覆われており、2階床高さまでポンプ圧送によりコンクリートが供給されるようになっている。2回で打ち継いだコンクリート素地の色は、かなり異なっていた。2日に分けたコンクリート打設後、コンクリート表面はともに打設後、約90分で生乾き状態となった。
【0037】
2日間に分けて打設した生乾き状態の各コンクリート表面に(株)アストユニオンの商品名「アストカラー・グレー」を用いた2回刷毛塗りを行なった。なお、床面積の一部は、比較のために無塗装部分を残した。塗装作業は容易に行え、塗装面にムラは認められなかった。コンクリート素地で色が異なっていた部分でも、塗装後にその色相の差は認められなかった。
【0038】
施工例1の構造物は、コンクリート床のコンクリート打設3週後に倉庫として使用し始めたが、着色塗装した床、無塗装部分の床も同じく実使用に問題はなかったが、着色塗装した床はコンクリート素地の色が押さえられた鮮やかな指定色に塗装され、無塗装部分に比べ、ひび割れ発生が少なかった。無塗装床に発生したひび割れは、乾燥収縮によるものと推定されたが、コンクリート打設3ヶ月後においてもひび割れの進行(幅、長さ、範囲)が認められた。
【0039】
[施工例2]
単位セメント量300kg、細骨材率60%、水セメント比50%、スランプ16cmのコンクリートを用いて、屋外駐車場のコンクリート製の走行面を連続打設した。打設面積が広かったので、2ヶ所の生コン工場からレディミクストコンクリート(生コンクリート)の供給を受け、ブニアンストライカー・チューブ工法で表面仕上げした。両方の生コンクリートは骨材とセメントの銘柄が異なり、仕上げ後のコンクリート素地表面の色はかなり異なった。コンクリートスラブ厚は12cmで、コンクリート打設、約60分後に生乾き状態となり始めた。
【0040】
この生乾きのコンクリート表面に(株)アストユニオンの商品名「アストカラー・ブルー」を用い、2回刷毛塗りを行なった。塗装面にムラは生じず、コンクリート素地の色の差にもかかわらず、塗装面での色相の差は無く、均質な色相と質感を示した。
【0041】
[施工例3]
施工例2とほぼ同じ生コンクリート条件(スランプ12cm)のコンクリートで屋外駐車場を打設した。生コンクリートは生コン車から直接荷卸しし、ブニアンストライカー・チューブ工法で表面仕上げした。コンクリート厚は12cmで、コンクリート打設、約60分後に生乾き状態となり始めた。
【0042】
生乾きのコンクリート表面に(株)アストユニオンの商品名「アストカラー」を用い、2回ローラー塗りを行なった。なお、乾いた塗装面に、(株)アストユニオンの商品名「アストカラー・トップコート(フッ素入り)」を刷毛塗りした。連続工程に近い着色作業であったが、塗装作業は容易に行え、塗装面にムラは認められなかった。
【0043】
[施工例4]
施工例1と同配合のコンクリートを用いて、類似した構造の鉄筋コンクリート造2階建て建物の2階床(デッキプレート敷設、スラブ厚25cm)を、2日間に分けて現場打設した。2階床は、鉄骨造のALCパネル屋根で覆われており、2階床高さまでポンプ圧送によりコンクリートが供給された。2回で打ち継いだコンクリート素地の色は、かなり異なっていた。2日に分けたコンクリート打設後、トロウェル仕上げ後、コンクリート表面はともに打設後、約60分で生乾きが始まった。
【0044】
2日間に分けて打設した各々の生乾き状態のコンクリート表面に(株)アストユニオンの商品名「アストカラー・イエロー」を縦横に2回吹き付けを行なった。なお、床面の一部は比較のため無塗装とした。塗装面にムラは認められなかった。両日打設したコンクリートの素地の色の差にかかわらず、塗装面での色相の差は認められなかった。さらに、全床面に対し、コンクリート打設後3週間経過後に、駿河工業(株)の珪酸リチウムを主成分とするコンクリート表面硬化剤、商品名「ペントラシール」を刷毛で塗布した。
【0045】
施工例4の構造物は、2階コンクリート打設6週後、倉庫として使用し始めた。塗装部、無塗装部のいずれも実使用に問題はなかったが、着色された塗装部の床は無塗装部に比べ、ひび割れがはるかに少なかった。全床面は、塗装部も無塗装部も光沢を帯び、いわゆる鏡仕上げになっていた。塗装部は一層鮮やかな色を示した。なお、無塗装床に発生したひび割れは乾燥収縮によるものであるが、コンクリート打設3ヶ月後、特に変化は認められず、水洗いによる吸水も認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート打設後、表面仕上げ後1時間乃至3時間程度経過後、前記コンクリート面が生乾き時に、透明色リチウム含有溶液または着色リチウム含有溶液を添加した塗料で塗装することを特徴とするコンクリート床面の塗装方法。
【請求項2】
コンクリート打設後の表面仕上げ時に、質感を表す透明または着色材を含む塗料を散布しながら仕上げすることを特徴とするコンクリート床面の塗装方法。
【請求項3】
コンクリート打設後の表面仕上げ時に、着色用微粉末を散布しながら仕上げすることを特徴とするコンクリート床面の塗装方法。
【請求項4】
コンクリート表面仕上げ後、1時間乃至3時間程度経過後、前記コンクリート面が生乾き時に透明色リチウム含有溶液または着色リチウム含有溶液を添加した塗料で塗装することを特徴とする請求項2または3に記載のコンクリート床面の塗装方法。

【公開番号】特開2006−88106(P2006−88106A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279930(P2004−279930)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(591096462)駿河工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】