説明

コンクリート底のポリシング方法

【課題】色のかたまりやむらなく、均一にコンクリートの底面を染色することができ、工程数の節減によって、工程期間を短縮でき、人材の浪費を減らすことができ、全体的な作業費用を削減することができるコンクリート底のポリシング方法を提供すること。
【解決手段】コンクリート底のポリシング方法が、(a)コンクリート底の表面層を所望のレベルの粗さ又は模様が出るように研削する表面処理ステップと;(b)水溶性色素をエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノールの中から選ばれた一つのアルコールと水とに混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させる染色ステップと;(c)硬化剤と水とを混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させる防水及び強化処理ステップと;(d)前記コンクリート底の表面層を研磨する光沢処理ステップと;を含むこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、別の塗布の技術がなくても、色のかたまりやむらなく、均一にコンクリートの底面を染色できるコンクリート底のポリシング(polishing)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流センター、工場、病院、学校など、各種建物のコンクリート底には、多様な色を望む場合、仕上げ処理として、アクリル系又はエポキシ系ペイントを塗布したり、仕上げ材として、デコタイルなどを使用している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のコンクリート底の仕上げ材として使われるエポキシ系ペイント及びデコタイルなどは、撤去時に、廃棄物として処理されるので、環境親和的ではない。
【0004】
また、従来のコンクリート底のポリシング工法に使われるアクリル系又はエポキシ系ペイントは、コンクリートに塗布する方式であり、ポリシングの光沢作業時に削られ、コンクリートが露出する等、むらが生じ、塗布されたペイント色が底から剥がれたり、浮き上がり現象が発生しやすく、作業の難易度が高いだけでなく、高度に熟練された作業者にとっても綺麗な施工が不可能である。
【0005】
更には、エポキシ系ペイントを使用するポリシング工法は、工程数が多く、工程期間が多くかかるという短所があり、コストも増加するという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、(a)コンクリート底の表面層を所望のレベルの粗さ又は模様が出るように研削する表面処理ステップと;(b)水溶性色素をエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノールの中から選ばれた一つのアルコールと水とに混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させる染色ステップと;(c)硬化剤と水とを混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させる防水及び強化処理ステップと; (d)前記コンクリート底の表面層を研磨する光沢処理ステップと;を含むコンクリート底のポリシング方法を提供する。
【0007】
前記(b)ステップにおいて、前記水溶性色素40から60重量%を、前記アルコール10から30重量%と前記水10から50重量%とに混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させることが望ましい。
【0008】
前記硬化剤は、水溶性液状硬化剤であることが望ましい。
【0009】
前記(c)ステップにおいて、前記硬化剤40から60重量%と水40から60重量%とを混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させることが望ましい。
【0010】
前記(b)ステップと前記(c)ステップとの間に、前記コンクリート底を3から5時間の間乾燥して浸透させるステップを更に含むことを特徴とするコンクリート底のポリシング方法を提供する。
【0011】
前記(c)ステップと前記(d)ステップとの間に、前記コンクリート底を11から13時間の間乾燥して浸透させるステップを更に含むことを特徴とするコンクリート底のポリシング方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンクリート底のポリシング方法によれば、以下のような効果がある。
【0013】
水溶性色素とアルコールと水とを混合して、コンクリート底の表面層に塗布することで、色がかたまるか、濁ることなく、鮮明な染色が可能である。
【0014】
また、別の塗布の技術がなくても、色のかたまりやむらなく、均一にコンクリートの底面を染色することができ、熟練された作業者が不要なので、費用節減の効果がある。
【0015】
更には、工程数の節減によって、工程期間を短縮でき、人材の浪費を減らすことができ、全体的な作業費用を削減することができる。
【0016】
また、コンクリート底のポリシング方法に使われる材料は、親環境的であり、撤去時に廃棄物が生じなく、環境問題を引き起こさない。
【0017】
また、安価な費用で、コンクリートの底面を大理石のような感触でポリシングでき、ポリシングしたコンクリートの底面の強度が高くて、半永久的に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る望ましい実施形態を詳細に説明することにする。
【0019】
図1に示すように、本実施例のコンクリート底のポリシング方法は、以下のようなステップからなる。
【0020】
まず、コンクリート底の表面層を所望のレベルの粗さ又は模様が出るように研削して表面処理する(aステップ)。
【0021】
このステップにおいて、新築のコンクリート底の場合、作業者は、メタルダイアモンドなどの工具が装着された装備を用いて、コンクリート底を表面処理できる。
【0022】
また、他の仕上げ材で仕上げられたコンクリート底の場合、作業者は、既存の仕上げ材を撤去し、酷く凹まれた部分やクラック(crack)などを補修した後、上記のような新築のコンクリート底の場合と同様の方法でコンクリート底を表面処理できる。
【0023】
次に、水溶性色素を、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノールの中から選ばれた一つのアルコール(alcohol)と水とに混合して、表面処理されたコンクリート底の表面層に、スプレー、ローラ、筆などを使用して塗布する(bステップ)。
【0024】
このように、水溶性色素を、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノールの中から選ばれた一つのアルコールと水とに混合して、コンクリート底の表面層に塗布すると、コンクリート底の表面層に、水溶性色素が浸透して染色される。
【0025】
このステップにおいて、所望の色、様々なデザインなどによって、様々な水溶性色素を使用して塗布できる。
【0026】
上記において、水溶性色素40から60重量%を、前記アルコール10から30重量%と水10から50重量%とに混合して、コンクリート底の表面層に塗布することが、色の鮮明度が上がり、色のかたまりが少なくて、コンクリートの底面に均一に浸透できるという側面において望ましい。
【0027】
コンクリート底の染色後、コンクリート底を3から5時間の間乾燥して浸透させることが望ましい。
【0028】
次に、硬化剤(hardener)と水とを混合して、染色されたコンクリート底の表面層に塗布する(cステップ)。このステップは、コンクリート底の色を保護することはもちろんのこと、防水及び強化処理のために施される。
【0029】
このステップにおいて、硬化剤は、水溶性液状硬化剤であることが望ましい。
【0030】
更には、水溶性液状硬化剤40から60重量%と水40から60重量%とを混合して、コンクリート底の表面層に塗布することが望ましい。
【0031】
防水及び強化処理後、コンクリート底を11から13時間の間乾燥して浸透させることが望ましい。
【0032】
次に、コンクリート底の表面層を研磨して光沢処理する(dステップ)。
【0033】
このステップにおいて、作業者は、レジン・ダイアモンドなどの工具が装着された装備を用いて、コンクリート底を光沢処理できる。
【実施例1】
【0034】
まず、コンクリート底の表面層を、#70番メタルダイアモンド工具が装着された研削機を用いて、全体的に1mm程研削した。
【0035】
次に、水溶性色素50重量%を、エタノール20重量%と水30重量%とに混合して、スプレーを用いてコンクリート底の表面層に塗布し、コンクリートの底面を染色した後、4時間の間コンクリートの底面がよく乾くように乾燥した。
【0036】
次に、水溶性液状硬化剤50重量%と水50重量%とを混合して、如雨露を用いてコンクリートの底面に塗布した。1時間後、ローラを用いて、コンクリート表面のまだ乾いていない部分を引っ張って、乾いている部分に均一に広まるようにする。
【0037】
以後、コンクリートの底面を、12時間の間、よく乾くように乾燥した。
【0038】
次に、コンクリート底の表面層を、#400、#800、#1500、#3000番レジン・ダイアモンド工具が装着された研削機を逐次用いて、総4回に亘って研磨して光沢処理した。
【0039】
以上のように、本発明は、例え、限定された実施形態と図面とにより述べられたが、本発明は、これにより限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が、本発明の技術思想と本願の特許請求範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の望ましい実施形態に係るコンクリート底のポリシング方法を順次示す順序図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コンクリート底の表面層を、所望のレベルの粗さ又は模様が出るように研削する表面処理ステップと;
(b)水溶性色素を、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノールの中から選ばれた一つのアルコール(alcohol)と水とに混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させる染色ステップと;
(c)硬化剤(hardener)と水とを混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させる防水及び強化処理ステップと;
(d)前記コンクリート底の表面層を研磨する光沢処理ステップと;を含むことを特徴とするコンクリート底のポリシング方法。
【請求項2】
前記(b)ステップにおいて、
前記水溶性色素40から60重量%を、前記アルコール10から30重量%と前記水10から50重量%とに混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート底のポリシング方法。
【請求項3】
前記硬化剤は、水溶性液状硬化剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート底のポリシング方法。
【請求項4】
前記(c)ステップにおいて、
前記硬化剤40から60重量%と水40から60重量%とを混合して、前記コンクリート底の表面層に塗布して浸透させることを特徴とする請求項3に記載のコンクリート底のポリシング方法。
【請求項5】
前記(b)ステップと前記(c)ステップとの間に、
前記コンクリート底を、3から5時間の間乾燥して浸透させるステップを、更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート底のポリシング方法。
【請求項6】
前記(c)ステップと前記(d)ステップとの間に、
前記コンクリート底を、11から13時間の間乾燥して浸透させるステップを、更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート底のポリシング方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−114047(P2009−114047A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312944(P2007−312944)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(507398132)ハンスン ディベロップメント カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(507398659)
【Fターム(参考)】