説明

コンクリート打設に用いる箱抜き用型枠およびそれを用いた箱抜き空間形成工法

【課題】 組み立てが容易でコンクリート打設時には十分な構造強度を保ち、取り出し時には分解が容易であり、コストが低減できる箱抜き用型枠を提供する。
【解決手段】 コンクリート打設構造物の壁面に対して設備収納空間を形成させるため、設備収納空間の内壁面に対応する外形状を持つ箱抜き用型枠100である。箱抜き用型枠100の一部分となる小型枠である複数個の型枠パーツ110と、型枠パーツ同士の間に間挿材120を挟み込みつつ型枠パーツ110同士を連結し、箱抜き用型枠100を製作する。設置現場に搬入・設置し、箱抜き用型枠100を埋め込んでコンクリートを打設・固化する。固化後、間挿材120を切削粉砕・溶解などの方法により除去し、周囲の間挿材120が除去された型枠パーツ110は容易に取り出すことができる。すべての型枠パーツ110を取り出せば、箱抜き空間が形成できる。型枠パーツ110は再利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルなどのコンクリート打設構築物の壁面に対して設備等の設置空間を作るために用いられる箱抜き用型枠およびそれを用いた箱抜き空間形成工法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル工法の発達により何百キロや何キロにもわたる長距離のトンネルも多数施工されている。このような長距離のトンネルの壁面には、非常用設備、例えば、非常電話、消火器・消火栓、誘導表示板などの設置が義務づけられている。この非常用設備は基本的にはトンネル側壁に設置されるため、トンネルの側壁のコンクリート打設の工事において、当該設備を設置するための凹状の設置空間(以下、「箱抜き空間」と呼ぶ。)を設ける必要がある。箱抜き空間はトンネル長、等級、設置すべき設備の種類によって異なるが、消火器・消火栓で50mおきに設置され、非常電話では200mおきに設置される。従って、1,000mトンネルで消火器・栓、非常電話の設備について、総計25箇所以上の箱抜き空間が設けられることとなる。
【0003】
このような箱抜き空間の形成方法としては、特開2001−317293号公報に開示された技術のように、トンネル壁面に箱抜き空間を掘削しておき、防水性シートを敷設し、その中に箱抜き空間の形状と同じ形状に成型した木製の箱抜き用型枠や、鉄製の箱抜き用型枠を入れた上で、覆工コンクリートを打設し、覆工コンクリートの固化後、箱抜き用型枠を取り出して箱抜き空間を形成することにより形成する方法が広く普及している。
【0004】
ここで、従来の箱抜き用型枠のうち木製のものは、個々の小さな木製の型枠同士を釘やネジなどにより締結して一つの大きな箱抜き用型枠として成型せしめるものが一般的である。また、従来の箱抜き用型枠のうち鉄製のものは、個々の小さな鉄製の型枠同士をボルト、ナットにより締結して一つの大きな箱抜き用型枠として成型せしめるものが一般的である。
【0005】
特開2001−317293号公報の技術によれば、箱抜き用型枠は木製であっても鉄製であっても適用可能であるが、覆工コンクリートの固化後、如何に箱抜き用型枠を引き出すかが問題となる。いずれであっても箱抜き用型枠を破壊したり分解したりせずにそのまま箱抜き用型枠全体を簡単に引き抜くことが理想的ではあるが、周囲のコンクリートからの圧力で容易に抜き出すことはできない。
【0006】
そこで、従来の箱抜き空間の形成工法において、コンクリートの打設・固化が完了した後、木製または鉄製の箱抜き用型枠を取り出す工法には以下のものがあった。
木製の箱抜き用型枠の場合であれば、ハンマーなどにより木製の箱抜き用型枠を破壊して取り出すことが一般的である。木製の箱抜き用型枠の全体を壊してしまうこともあれば、木製の箱抜き用型枠の一部を壊し、残りの型枠部分を取り出すためのバールや治具などを突っ込む空間を確保した後、残りの型枠部分を取り出していた。
鉄製の箱抜き用型枠の場合であれば、ボルトやナットの締結具を外し、鉄製の仕切り板を外していき、取り出し可能な部材にまで分解した後、取り出していた。
【0007】
また、特開2001−82095号公報に開示された技術は、鉄製のテーパー形の箱抜き用型枠を採用し、取り出し時に専用の特殊な型枠ハンドリング機械を用いて機械的に取り出すものである。型枠ハンドリング機は、図9に示すようなものとされ、走行体1a上に旋回装置1bを介して旋回体1cを設置して構成された自走式車両1であり、型枠の把持装置3を有している。この把持装置3は、伸縮アーム、高さ調整機構、上下左右の首振り機構並びに縦旋回機構を介して支持させる支持装置4、把持装置を振動させる加振装置を備えている。箱抜き用型枠はテーパー形である必要があり、把持装置3をこのテーパー部分に差し込むことで把持し、振動を与えつつ、箱抜き用型枠全体をそのまま取り出すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−317293号公報
【特許文献2】特開2001−82095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特開2001−317293号公報に記載したように、従来技術では、覆工コンクリートの固化後、如何に箱抜き用型枠を引き出すかが問題となる。箱抜き用型枠を破壊したり分解したりせずにそのまま箱抜き用型枠全体を簡単に引き抜くことは周囲のコンクリートからの圧力で容易にはできない。たとえ木製であっても破壊したり分解したりせずにそのまま引き抜くことは手作業では難しい。
そこで、木製の箱抜き用型枠を用いている場合、木製の箱抜き用型枠を破壊して取り出す工法が採られるが、この工法によれば一度使用した箱抜き用型枠が消費されてしまうため、コスト高を招いてしまうという問題があった。一部分を破壊して残りの部分を取り出して再利用する工法はコストの低減につながるが、一部分の破壊の折りに他の部分にも少なからず影響を与えてしまい、結局多くの部分が再利用できなくなる場合も少なくなかった。
【0010】
次に、鉄製の箱抜き用型枠を用いている場合、鉄製の箱抜き用型枠を分解して取り出す工法が採られるが、鉄製の箱抜き用型枠は各構成部分の重量が大きいため、多数個に分割しなければ取り出せない場合も多い。多数の構成部分に分解するためには、ボルト・ナットの締結個所が多くなってしまい、組み立て時には多数の締結作業が必要となり、取り外し時にも多数の開放作業が必要となる。つまり鉄製の箱抜き用型枠を用いる場合は、効率が悪くなるという問題点がある。特に大規模構造物では、底面からの高さが高い高所作業であるため、鉄製の箱抜き用型枠を用いると多数個所のボルト・ナットの締結作業・解放作業が必要となる場合は、組み立て時も取り外し時も危険を伴う労苦の多い作業となる。
【0011】
結局、箱抜き用型枠を破壊したり分解したりせずに引き抜くためには、特開2001−317293号公報の[0007]段に示唆されているように重機による作業が前提となっている。しかし、重機による箱抜き用型枠の引き出し作業にも問題がある。例えば、特開2001−82095号公報の重機は、鉄製のテーパー形の箱抜き用型枠を採用し、取り出し時に専用の特殊な型枠ハンドリング機械を用いて機械的に取り出すものであるが、作業を行うためにはこのような専用の型枠ハンドリング機が必要となり、この専用の型枠ハンドリング機が一般には高価なものであり、コスト増加を招いてしまう。また、箱抜き用型枠は型枠ハンドリング機の把持部が挿入できるようにテーパー形である必要があり、当該箱抜き用型枠で形成される箱抜き空間の形状がこのテーパー形に対応できる形状でなければならないという設計上の制約もあり、問題が多い。
【0012】
上記問題点に鑑み、本発明は、箱抜き用型枠として組み立てが容易で、コンクリート打設時には箱抜き用型枠として十分な構造強度を保ち、取り出し時には分解が容易であり、コストが低減できるコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の箱抜き用型枠は、コンクリート打設構造物の壁面に対して設備収納空間を形成させるため、前記設備収納空間の内壁面に対応する外形状を持つ箱抜き用型枠であって、前記箱抜き用型枠の一部分となる小型枠である複数個の型枠パーツと、前記型枠パーツ同士の間に間挿する間挿材とを用いて、前記間挿材を挟み込みつつ前記型枠パーツ同士を連結し、複数個の前記型枠パーツと前記間挿材との組み合わせにより前記箱抜き用型枠全体の形状に組み立てたものである。
ここで、前記間挿材が発泡樹脂素材であることが好ましい。例えば、発泡スチロール、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンのいずれかの素材とすることができる。
【0014】
上記構成とすることにより、型枠パーツは木製であっても鉄製であっても単位体積あたりの構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものであり、かつ、間挿されている発泡スチロール等の発泡樹脂の間挿材もコンクリート打設時にかかる力は上下左右の面全体に均等にかかるため、素材を選択すれば単位体積あたりの構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものとなり、本発明のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠全体の構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものとなる。
【0015】
ここで、設置現場への搬入作業や設置作業など外向きへの外力がかかりやすい状況において、型枠パーツ同士がバラバラにならないように間挿材を挟み込んだまましっかりと連結する必要がある。そこで、間挿材を挟み込んだまま型枠パーツ同士を連結する連結部材を用いれば、構造強度を保つことができる。
また、箱抜き用型枠の型枠パーツ間に空間が開けられている場合、長さの調整が可能な支持補強部材を用い、当該支持補強部材を型枠パーツ間に適宜張り渡して取り付けることにより型枠パーツ間を支持せしめれば、型枠パーツ間の耐圧を向上でき、箱抜き用型枠全体の耐圧を向上させることができる。なお、支持補強部材を用いる場合、支持される型枠パーツが複数個あるか、支持する支持補強部材が複数個ある場合、型枠パーツと支持補強部材の間に板状の矢板を当てておけば、支持補強部材の力が均等に伝わる。
【0016】
次に、本発明の設備収納空間形成工法は、コンクリート打設構造物の壁面に対して設備収納空間を形成させる箱抜き用型枠を用いた設備収納空間形成工法であって、
小型枠である複数個の型枠パーツと前記型枠パーツ同士の間に間挿する間挿材とを用いて、前記間挿材を挟み込みつつ前記型枠パーツ同士を連結し、複数個の前記型枠パーツと前記間挿材との組み合わせにより、前記設備収納空間の内壁面に対応する外形状を持つ箱抜き用型枠を製作し、現場に搬入する手順と、前記箱抜き用型枠を前記設備収納空間の所定位置に設置する手順と、コンクリートを打設・固化する手順と、前記コンクリートの打設・固化後、前記間挿材の少なくとも一部を破壊する手順と、前記型枠パーツおよび前記間挿材を前記設備収納空間から取り出し、前記箱抜き空間を完成させる手順とを備えた、箱抜き用型枠を用いた箱抜き空間形成工法である。
【0017】
ここで、間挿材が溶剤で溶解可能な発泡剤を素材とする板材で形成されておれば、上記の間挿材の少なくとも一部を破壊する手順において、溶剤を間挿材の少なくとも一部にかけて溶解させることにより破壊することができる。また、発泡剤を素材とした板材は電動ドリルやハンマーやバールなどの工具で切削・破壊可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の箱抜き用型枠およびそれを用いた設備収納空間形成工法によれば、人手で扱いやすい大きさの型枠パーツにより発泡スチロール等の発泡樹脂の間挿材を挟みつつ組み立てるので、組み立て作業が容易で組み立て時の作業効率が向上する。
また、本発明の箱抜き用型枠およびそれを用いた設備収納空間形成工法によれば、型枠パーツは木製であっても鉄製であっても単位体積あたりの構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものであり、かつ、間挿されている発泡スチロール等の発泡樹脂の間挿材もコンクリート打設時にかかる力は上下左右の面全体に均等にかかるため、素材を選択すれば単位体積あたりの構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものとなり、本発明のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠全体の構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものとなる。
【0019】
また、本発明の箱抜き用型枠およびそれを用いた設備収納空間形成工法によれば、取り出し時において、間挿されている発泡スチロール等の発泡樹脂の間挿材は破壊したり溶剤で溶解したりことにより簡単に取り除くことができ、型枠パーツの周囲の間挿材を取り除けば型枠パーツは簡単に取り出すことができる。また、一つの型枠パーツを取り出せば、残りの型枠パーツは複数個併せて引き抜くこともできる場合が多く、引き抜き作業が容易で引き抜き時の作業効率が向上する。
【0020】
また、本発明の箱抜き用型枠およびそれを用いた設備収納空間形成工法によれば、型枠パーツは破壊したり分解したりすることがないので、そのまま再利用することができ、コスト低減に資することができる。また、箱抜き用型枠の形が多様であっても、基本的な型枠パーツの組み合わせによりいろいろなパターンに組み立てることができるので、様々な形状の箱抜き用型枠に対応することができ、コスト低減に資することができる。
また、型枠パーツ単位でリサイクルできるため、幾つかの型枠パーツが壊れても、壊れた型枠パーツの分を補充すれば良く、リサイクルには至便である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の箱抜き用型枠100全体の構成を模式的に示した図
【図2】箱抜き用型枠100の構成を分解して示した分解図
【図3】型枠パーツ110と間挿材120を連結させる方法を示す図
【図4】本発明の箱抜き用型枠100の製作工法を示す図
【図5】本発明の箱抜き用型枠100を用いた箱抜き空間の形成工法を模式的に示す図(その1)
【図6】本発明の箱抜き用型枠100を用いた箱抜き空間の形成工法を模式的に示す図(その2)
【図7】本発明の箱抜き用型枠100を用いた箱抜き空間の形成工法を模式的に示す図(その3)
【図8】支持補強部材130を用いた場合の箱抜き用型枠100全体の構成を模式的に示した図
【図9】特許文献1の構造例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの構成例に限定されるものではない。
実施例1は、本発明の箱抜き用型枠の基本構成例および基本工法を示している。実施例2は、支持補強部材を用いて構造強度を向上せしめる工法を示している。
【実施例1】
【0023】
まず、本発明の実施例1に係る箱抜き用型枠100について説明する。
図1は本発明の箱抜き用型枠100全体の構成を模式的に示した図、図2は箱抜き用型枠100の構成を分解して示した分解図である。図1および図2の形状は一例であり、本発明の箱抜き用型枠は多様な形状に対応できることは前述の通りである。
【0024】
実施例1の構成例において、箱抜き用型枠100は、型枠パーツ110、間挿材120の組み合わせとなっている。
【0025】
型枠パーツ110は、箱状の小型枠である。素材としては、木製、合板製(産業廃棄物等を原材料とした合成木材・合板も含む)、FRP製、鉄製など多様な素材が可能である。この例では木質合板製とする。木質合板製であれば、鉄製と比較して、軽量のため扱いやすく、設置・撤去作業時の安全性が向上することが期待できる。
型枠パーツ110の形状は特に限定されず、かならずしも立方体形、直方体形でなくても良く、曲面をもっているものであっても良い。また、奥行き方向の深さも特に限定されない。この構成例ではすべての型枠パーツ110の奥行き方向の深さは同じものとなっている。
【0026】
間挿材120は、板状の資材であり、軽くかつ面全体にかかる圧に対して構造強度の強い素材であることが好ましい。例えば、発泡樹脂が好ましい。一例としては発泡スチロールがある。例えば、ポリスチレンビーズ法発泡で成型し、強度がJISA9511の強度測定方法で1A以上であるものが好ましい。また、ポリスチレン押し出しで成型し、強度がJISA9511の強度測定方法で2種b以上であるものが好ましい。また、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンなどがあり、その他にも発泡樹脂素材は多数のものがある。
これらを間挿材120の素材として採用すれば、軽く扱いやすくなるので組み立て作業が容易で組み立て時の作業効率が向上する。また、これら素材であれば単位体積あたりの構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものとなり、本発明のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠全体の構造強度は十分にコンクリート打設に耐えるものとなる。
【0027】
次に、本発明では取り外し時には箱抜き用型枠100が容易に取り外し可能となるように、間挿材120が破壊できるものや溶解できるものが好ましい。
【0028】
上記した発泡スチロールであれば、面全体で受ける圧に対する構造強度は十分である一方、電動ドリルなど固い刃で集中して切削する場合には容易に切削することができる。つまり、箱抜き用型枠100の取り外し時に電動ドリルなどの工具により簡単に間挿材120を粉砕することができ、型枠パーツ110を容易にバラバラにすることができる。
【0029】
また、上記した発泡スチロールであれば、脂肪族、芳香族、ハロゲン族炭化水素、ケトン類、エステル類等の有機溶剤、またはリモネン系溶剤(アルコール系溶剤は含めず)に対して溶解する。つまり、これら溶剤を発泡スチロールに吹き付けるだけで溶解してゆく性質を備えている。この溶解性により箱抜き用型枠100の取り外し時に間挿材120に溶剤をかけて溶解させることにより型枠パーツ110を容易にバラバラにすることができる。
なお、間挿材120を溶剤で溶解して除去する場合、有毒ガスが発生しない発泡樹脂と溶剤の組み合わせが好ましいが、多量の溶剤を使用すれば溶剤成分が気化したガスを作業員が吸気して気分が悪くなるおそれもあり得るので、作業員の健康管理や換気による作業環境の改善を考慮して行うことが好ましい。
【0030】
次に、型枠パーツ110と間挿材120により箱抜き用型枠100を組み上げる方法について述べる。
型枠パーツ110と間挿材120の連結は、箱抜き用型枠100を一定の構造強度をもって組み上げるためのものであり、組み立て工場からトンネル等の施工現場への運搬と、箱抜き空間となる設置場所での設置作業と、コンクリート打設およびコンクリート固化の際の箱抜き空間の形状維持に耐えるものであれば良い。このうち、もっとも連結強度が求められる場面は箱抜き空間となる設置場所での設置作業時である。なぜならば、組み立て工場からトンネル等の施工現場への運搬時はバラバラにならないように運搬に耐えうるものであれば良く、運搬時の養生により連結強度は保たれる。また、コンクリート打設およびコンクリート固化の際は周囲のコンクリートにより内向きに押圧されて挟まれるので、型枠パーツ110自体の強度、間挿材120の構造強度が求められるものの、両者の間の連結は問題とならない。一方、箱抜き空間となる設置場所での設置作業時は持ち上げるために掴んだり押したりする外力がかかる。そこで、設置作業に伴う外力に耐えうるように型枠パーツ110と間挿材120の連結方法が必要となる。
【0031】
第1の方法は、図3(a)に示すように、間挿材120を挟み込んだまま型枠パーツ110同士をボルト・ワッシャー・ナット130aにより連結させる方法である。型枠パーツ110と間挿材120を貫くようにボルト・ナット130aで取り付ける。挟持力を向上するため大きめのワッシャーを用いることが好ましい。型枠パーツ110同士がしっかりと連結されれば、間挿されている間挿材120もしっかりと挟持され、箱抜き用型枠100が組み立てられる。
【0032】
第2の方法は、図3(b)に示すように、シャコ万力等の狭締金具130bによる連結方法である。間挿材120を挟み込んだまま型枠パーツ110同士を挟持するように、シャコ万力等130bで挟んで締める。型枠パーツ110同士がしっかりと狭締金具130bにより連結されれば、間挿されている間挿材120もしっかりと挟持され、箱抜き用型枠100が組み立てられる。
なお、シャコ万力などの狭締金具130bにより挟んで連結する場合、シャコ万力のフレームのような金具が箱抜き用型枠100の前面の端面からはみ出ないように配慮することが好ましい。狭締金具130bのフレーム等がはみ出ているとコンクリート打設作業やその他の作業の邪魔になり、作業員や資材に当たって脱落するおそれもあるからである。そこで、この例では、シャコ万力等の狭締金具130bを取り付ける位置において、型枠パーツ110に切れ込み111(間挿材120にも同様に切れ込み121)を入れておき、シャコ万力等の狭締金具130bをこの切れ込み111の中に入れて型枠パーツ同士を連結せしめている。
【0033】
また、上記方法の組み合わせも可能である。つまり、ボルト・ワッシャー・ナット130aによる連結と、シャコ万力等の狭締金具等の狭締金具130bによる連結とを組み合わせても良い。
【0034】
以下、本発明の箱抜き用型枠100の製作工法、箱抜き空間の形成工法の手順の流れを簡単に示す。図4は本発明の箱抜き用型枠100の製作工法、図5および図6は本発明の箱抜き用型枠100を用いた箱抜き空間の形成工法を模式的に示す図である。
【0035】
(製作手順1)型枠パーツ110、間挿材120の選択・調製
箱抜き用型枠100の製作業者に対して、トンネル建設工事の箱抜き空間の仕様が示され、対応する箱抜き用型枠100が受発注される。
箱抜き用型枠100の施工業者は、箱抜き用型枠100の全体形状やその大きさを基に、製作に必要な型枠パーツ110および間挿材120の形状を選択し、取り揃える。この際には、間挿材120の太さも考慮して必要な型枠パーツ110の数、大まかな配置を設計し、箱抜き用型枠100の全体形状が組み上げられるように設計し、必要な型枠パーツ110や間挿材120を取り揃える(図4(a))。
【0036】
(製作手順2)型枠パーツ110および間挿材120の配置および連結
箱抜き用型枠100の施工業者は、型枠パーツ110を配置し(図4(b))、型枠パーツ110間に間挿材120を間挿させつつ組み立てて行く。必要に応じて、型枠パーツ110と間挿材120のボルト・ナットの連結やシャコ万力等の狭締金具による連結を行っても良い。
【0037】
(製作手順3)箱抜き用型枠100の完成
型枠パーツ110と間挿材120の連結により箱抜き用型枠100の全体形状が完成した後、特に、箱抜き空間の内壁面に対応する背面、上面、底面、左右側面における間挿材120のはみ出しや凹みなどが無いように調製し、箱抜き用型枠100を完成させる(図4(c))。
【0038】
(工事手順1)箱抜き空間の設置場所への搬入と設置
トンネルなどの箱抜き空間の設置場所に箱抜き用型枠100を搬入し、所定の高さに設置する。この設置作業は、従来の箱抜き用型枠の設置作業と同様で良い(図5(a))。
【0039】
(工事手順2)コンクリート打設、固化
トンネルなどの箱抜き空間の設置場所に対して、箱抜き用型枠100を設置した状態にてコンクリートを打設し、コンクリートを固化させる。従来のコンクリート打設・固化の工事作業と同様で良い(図5(b))。
【0040】
(工事手順3)間挿材120の破壊・溶解等による除去
間挿材120を破壊・溶解等により除去する。例えば、電動ドリルなどの工具で切削・粉砕したり、溶剤をかけて溶解させたりすることにより除去する(図6(a))。
使用済みとなった箱抜用枠体100を箱抜き空間から引き出すことができれば良いので、間挿材120はかならずしも全部を破壊・溶解等により除去する必要はなく、一部の間挿材120を先に除去し、型枠110の一部を先に取り出せば良い。
図6(a)の例では、中央上方の型枠パーツ110bの周囲の間挿材120を電動ドリル等の工具による切削や溶剤の吹き付けによる溶解により集中的に除去している。
【0041】
(工事手順4)型枠パーツ110の引き出し
間挿材120を破壊・溶解等により一部の型枠パーツ110を取り出す。周囲の間挿材120が除去されていると、その型枠パーツ110は浮いた状態となり、比較的容易に引き出すことができるようになる。図6(b)の作業手順の例では、中央上方の型枠パーツ110bの周囲の間挿材120が除去されているので、中央上方の型枠パーツ110bを簡単に引き出すことができる。
一つの型枠パーツ110が除去されると、当該型枠110に隣接する型枠パーツ110は抜けやすくなる。また、型枠パーツ110と間挿材120を塊ごと引き抜くことも可能な場合もある。図6の作業手順の例では、中央上方の型枠パーツ110bに隣接していた左右の型枠パーツ110a、110cを取り除き(図6(c))、続いて上下を分けていた水平の間挿材120や下方にある間挿材120を取り除き(図6(d))、中央下方の型枠パーツ110eを取り除いた後(図7(a)),残りの下方左右の型枠パーツ110d,110fを取り除く(図7(b))。なお、型枠パーツ110を塊ごと引き出すことも可能である場合もある。
【0042】
(工事手順5)箱抜用枠体100全体の引き出しと箱抜き空間の完成
使用済みとなった箱抜用枠体100を全て引き出して箱抜き空間を完成する(図7(b))。
【0043】
(工事手順6)型枠パーツ110および間挿材120の回収・リサイクル
トンネルなどの箱抜き空間が完成した後、型枠パーツ110や破壊や溶解せずに引き出しができた間挿材120を回収する。
なお、回収した型枠パーツ110や間挿材120は次の箱抜用枠体100の製作に向けてリサイクルすることができる。つまり、工事手順4において壊れてしまった型枠パーツがあれば当該型枠パーツのみを製作すれば良く、壊れずに回収された型枠パーツは適宜必要なケレン処理などを施してそのまま用いることができる。また、型枠パーツが壊れてもその一部が傷んだだけなら当該個所の修復によりリサイクルすることも可能な場合がある。間挿材120についても同様であり、リサイクルできる部分はリサイクルすれば良い。この型枠パーツ110や間挿材120のリサイクルにより箱抜用枠体100の製造コストを低減することができる。
【0044】
以上、実施例1において説明した本発明の箱抜き用型枠によれば、人手で扱いやすい大きさの型枠パーツを発泡スチロール等の間挿材を挟みつつ組み立てるので、組み立て作業が容易で組み立て時の作業効率が向上する。また、本発明の箱抜き用型枠によれば、取り出し時において、間挿されている発泡スチロール等の間挿材は破壊したり溶剤で溶解したりことにより簡単に取り除くことができ、型枠パーツの周囲の間挿材を取り除けば型枠パーツは簡単に取り出すことができる。また、一つの型枠パーツを取り出せば、残りの型枠パーツは複数個併せて引き抜くこともできる場合が多く、引き抜き作業が容易で引き抜き時の作業効率が向上する。また、型枠パーツそのまま再利用することができ、コスト低減に資することができる。
【実施例2】
【0045】
実施例2の箱抜き用型枠は、造作する箱抜き空間が大型であり、対応する箱抜き用型枠が大きい場合における、箱抜き用型枠の耐圧を向上させるための補強を行った構造例である。
図8(a)は支持補強部材130を用いた本発明の箱抜き用型枠100a全体の構成を模式的に示した図である。図8(a)の形状は一例であり、本発明の箱抜き用型枠100aは多様な形状に対応できることは前述の通りである。
【0046】
実施例2の構成例において、箱抜き用型枠100aは、消火栓などを含む防災設備用の箱抜き空間を形成する箱抜き用型枠であり、型枠パーツ110、間挿材120に加え、支持補強部材130を用いている。箱抜き用型枠100aは、背面付近はB−B線断面図に見るように型枠パーツ110と間挿材120で全面が覆われているが、中心付近から前面にかけてはA−A線断面図に見るように周囲に型枠パーツ110と間挿材120が設けられているが、中央部分には大きな空間が空いているような形状をなっている。ここでは説明の便宜上、B−B線断面で現れる16個の型枠パーツを、110Ba、110Bb、110Bc、110Bd、110Be、110Bf、110Bg、110Bh、110Bi、110Bj、110Bk、110Bl、110Bm、110Bn、110Bo、110Bpとして示している。同様に、A−A線断面で現れる13個の型枠パーツを型枠パーツ110Aa、110Ab、110Ac、110Ad、110Ae、110Af、110Aj、110Ak、110Al、110Am、110An、110Ao、110Apとして示している。つまり、A−A線断面で現れる型枠パーツには、B−B線断面で現れる型枠パーツ110Bg、110Bh、110Biに相当する3つの型枠パーツがなく、中央に空間が空いているような形状となっている。
なお、型枠パーツ110Ap、110Bpは配管を設けるための空間を形成する型枠パーツである。
【0047】
この中央の大きな空間部分に、縦方向に型枠パーツ間を支える支持補強部材130aが5本、横方向に型枠パーツ間を支える支持補強部材130bが2本、また、紙面奥方向から手前方向にかけて補強する柱となる支持補強部材130cが10本設けられた構成となっている。
【0048】
なお、この構成例では、支持補強部材130による支持する力が型枠パーツ110の壁面に均等に伝わるように、上下に1枚ずつ矢板140a,140bを設けた構造となっている。この構成例では矢板140aは、上面において3つの型枠パーツ110Ab、110Ac、110Adに接し、下面において縦方向に型枠パーツ間を支える5本の支持補強部材130aに接し、5本の支持補強部材130aが上下方向に支える力を均等に上方の3つの型枠パーツ110Ab、110Ac、110Adに伝える板状体となっている。同様に、矢板140bは、上面において5本の支持補強部材130aに接し、下面において3つの型枠パーツ110Al、110Am、110Anに接し、5本の支持補強部材130aが上下方向に支える力を均等に下方の3つの型枠パーツ110Al、110Am、110Anに伝える板状体となっている。
【0049】
なお、横方向に型枠パーツ間を支える2本の支持補強部材130bはそれぞれ左右一つずつの型枠パーツ110Afと110Ajにしか当接していないので特に矢板は当てられておらず直接型枠パーツ110Afと110Ajの間に張り渡すように取り付けられている。
【0050】
紙面奥から紙面手前に設けられている10本の支持補強部材130cは縦方向に支える支持補強部材130aや横方向に支える支持補強部材130bに添えるように針金などで結び付けることにより、縦方向の支持補強部材130aおよび横方向の支持補強部材130bを相互に結びつけ、さらに補強するものとなっている。
【0051】
それぞれの支持補強部材130a,130b,130cは、鉄製などの構造強度の強いものとなっており、その長さは調整できる構造となっている。例えば、図示は省略するがネジ式で長さが可変な構造をしており、ネジを回すことによりその長さが調節できるようなものでも良い。この支持補強部材130を型枠パーツ110間に張り渡しておくことにより箱抜き用型枠100aの立体的な耐圧性を向上させる。
【0052】
矢板140は型枠パーツ間に支持補強部材130の力を均等に伝えるものであれば良く、例えば、木製、合板製(産業廃棄物等を原材料とした合成木材・合板も含む)、FRP製、鉄製など多様な素材が可能である。この例では木質合板製とする。木質合板製であれば、鉄製と比較して、軽量のため扱いやすく、設置・撤去作業時の安全性が向上することが期待できる。
【0053】
支持補強部材130の取り付け方としては、補強する型枠パーツ110間の距離よりやや短い長さにして型枠パーツ110間に入れ、その後、ネジを回して支持補強部材130を長くし、型枠パーツ110間にしっかりと張り渡すように取り付ければ良い。
【0054】
実施例2の箱抜き用型枠100aを用いる場合の作業手順を整理しておく。
まず、実施例2の箱抜き用型枠100aの製作手順1aから製作手順3aは、実施例1の箱抜き用型枠100の製作手順1から製作手順3とそれぞれ同様で良い。
【0055】
次に、実施例2の箱抜き用型枠100aの工事手順1aから工事手順6aは、実施例1の箱抜き用型枠100の工事手順1から工事手順6とほぼ同様で良いが、以下の部分で異なる。
【0056】
実施例2の工事手順1aの箱抜き空間の設置場所への搬入と設置においては、トンネルなどの箱抜き空間の設置場所に箱抜き用型枠100aを搬入して所定の高さに設置した後、コンクリート打設・固化時にかかる押圧を考慮し、大きな空間部分などの適切な個所において、型枠パーツ110間に張り渡すように支持補強部材130を取り付ける。ネジ式など長さが調整できる構造の場合は、長さを調整し、しっかりと型枠パーツ110の内壁間を支持するように取り付けることも行う。
【0057】
実施例2の工事手順2aのコンクリート打設・固化は、実施例1の工事手順2と同様で良い。
【0058】
実施例2の工事手順3aは、実施例1の工事手順3に説明した間挿材120の破壊・溶解等による除去に先立ち、支持補強部材130の取り外し作業を行う。支持補強部材130の取り外しは、支持補強部材130の長さを短くして引き抜けばよい。ネジ式により長さの調整ができるタイプであれば、ネジを回して長さを短くし、支持補強部材130を引き抜く。
この後、実施例1の工事手順3の間挿材120の破壊・溶解等による除去を行えばよい。
【0059】
実施例2の工事手順4aから工事手順6aは、実施例1の工事手順4から工事手順6と同様で良い。
【0060】
以上、本実施例2の箱抜き用型枠100aによれば、箱抜き用型枠が大きい場合や中央付近などに大きな空間が空いている形状であっても、支持補強部材130を適宜配置することにより箱抜き用型枠100a全体の耐圧を向上させることができる。
【0061】
以上、本発明の箱抜き用型枠の構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の箱抜き用型枠は、トンネルなどのコンクリート構造物において各種設備を設置する箱抜き空間を製作するために用いる箱抜き用型枠について広く適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
100 箱抜き用型枠
110 型枠パーツ
120 間挿材
130 支持補強部材
140 矢板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート打設構造物の壁面に対して設備収納空間を形成させるため、前記設備収納空間の内壁面に対応する外形状を持つ箱抜き用型枠であって、
前記箱抜き用型枠の一部分となる小型枠である複数個の型枠パーツと、
前記型枠パーツ同士の間に間挿する間挿材とを備え、
前記間挿材を挟み込みつつ前記型枠パーツ同士を連結し、複数個の前記型枠パーツと前記間挿材との組み合わせにより前記箱抜き用型枠全体の形状に組み立てた、コンクリート打設に用いる箱抜き用型枠。
【請求項2】
前記間挿材が発泡樹脂素材である請求項1に記載のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠。
【請求項3】
前記間挿材の前記発泡樹脂素材が発泡スチロール、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンのいずれかの素材である請求項2に記載のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠。
【請求項4】
前記間挿材を挟み込んだまま前記型枠パーツ同士を連結する連結部材を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠。
【請求項5】
長さの調整が可能な構造を備え、前記箱抜き用型枠の前記型枠パーツ間に空間が開けられている場合、前記型枠パーツ間に張り渡して取り付けることにより前記型枠パーツを支持せしめ、前記型枠パーツ間の耐圧を向上させる支持補強部材を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠。
【請求項6】
前記支持にかかる前記型枠パーツが複数個あるか、前記支持にかかる前記支持補強部材が複数個ある場合、前記型枠パーツと前記支持補強部材の間に、前記支持補強部材の力を前記型枠パーツに均等に伝えるための矢板を設けたことを特徴とする請求項5に記載のコンクリート打設に用いる箱抜き用型枠。
【請求項7】
コンクリート打設構造物の壁面に対して設備収納空間を形成させる箱抜き用型枠を用いた設備収納空間形成工法であって、
小型枠である複数個の型枠パーツと前記型枠パーツ同士の間に間挿する間挿材とを用いて、前記間挿材を挟み込みつつ前記型枠パーツ同士を連結し、複数個の前記型枠パーツと前記間挿材との組み合わせにより、前記設備収納空間の内壁面に対応する外形状を持つ箱抜き用型枠を製作し、現場に搬入する手順と、
前記箱抜き用型枠を前記設備収納空間の所定位置に設置する手順と、
コンクリートを打設・固化する手順と、
前記コンクリートの打設・固化後、前記間挿材の少なくとも一部を破壊する手順と、
前記型枠パーツおよび前記間挿材を前記設備収納空間から取り出し、前記箱抜き空間を完成させる手順とを備えた、箱抜き用型枠を用いた箱抜き空間形成工法。
【請求項8】
前記間挿材が溶剤で溶解可能な発泡剤を素材とする板材で形成されており、前記間挿材の少なくとも一部を破壊する手順において、前記溶剤を前記間挿材の少なくとも一部にかけて溶解させることにより破壊することを特徴とする請求項6に記載の箱抜き用型枠を用いた箱抜き空間形成工法。
【請求項9】
前記間挿材が切削可能な発泡剤を素材とする板材で形成されており、前記間挿材の少なくとも一部を破壊する手順において、前記間挿材を切削することにより破壊することを特徴とする請求項6に記載の箱抜き用型枠を用いた箱抜き空間形成工法。
【請求項10】
前記箱抜き用型枠を前記設備収納空間の所定位置に設置する手順において、前記箱抜き用型枠の前記型枠パーツ間に空間が開けられている場合、長さの調整が可能な支持補強部材を前記型枠パーツ間に張り渡して取り付けることにより前記型枠パーツを支持せしめ、前記型枠パーツ間の耐圧を向上させることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の箱抜き空間形成工法。
【請求項11】
前記支持にかかる前記型枠パーツが複数個あるか、前記支持にかかる前記支持補強部材が複数個ある場合、前記型枠パーツと前記支持補強部材の間に、前記支持補強部材の力を前記型枠パーツに均等に伝えるための矢板を設けたことを特徴とする請求項10に記載の箱抜き空間形成工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−185197(P2010−185197A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29215(P2009−29215)
【出願日】平成21年2月11日(2009.2.11)
【特許番号】特許第4519190号(P4519190)
【特許公報発行日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(509042541)永井木工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】