説明

コンクリート施工体の保護方法

【目的】 コンクリート施工体の保護に用いるケイ酸塩を保護層形成成分として含む水性保護塗液の用途・適用箇所を拡大させることで、広範囲のコンクリート施工体に適用可能な、コンクリート施工体の保護方法を提供すること。
【構成】 アルカリケイ酸塩を保護層形成成分として含む水性保護塗液を塗布・浸透させてコンクリート施工体を保護する方法。水性保護塗液を塗布するに際して、高分子ヒドロゾルを併用する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント、砂、砂利、または砕石を適当な割り合いで混ぜ水と練り合わせて硬化させたコンクリートからなる施工体の保護をする方法に関する。特に、湿気・水分・及び塩類、或いは亜流酸ガス等の如く、コンクリートに対して侵食性を示す成分の影響を受けないようにするために、現場施工のコンクリート施工体にケイ酸塩水溶液を塗布して保護を行うに際して適した方法である。
【0002】ここで、コンクリート施工体とは、床、壁、道路、橋、ダム、防波堤、配水管、その他各種構築物(例えば、遊戯用建造物、オブジェ等)、さらには、コンクリートブロック、等を含む概念である。
【0003】なお、本願明細書で、配合単位は、特に断らない限り重量単位である。
【0004】
【従来の技術】土木及び建築の分野で多用されるコンクリートは、セメントに砂・砂利・砕石等の骨材を配した組成物であって、その結合力はセメントと水による水和力によって発生するものであるから、セメントが風化したり、中性化して結合能力を失うと、コンクリートの物理的な強度は失われる。
【0005】コンクリートの強度が低下する現象は、特に、大気中の湿気・水分・塩類、及び酸性ガス等の浸食作用によって、セメントのアルカリ成分が中和されることで促進されることが知られている。
【0006】そこで、この浸食作用からコンクリート施工体を保護をする方法として、アルカリケイ酸塩(以下、単に「ケイ酸塩」という。)を保護層形成成分として含む水性保護塗液を塗布・浸透させてコンクリート施工体を保護する方法が公知である。
【0007】具体的には、ケイ酸塩水溶液並びに、ケイ酸塩水溶液に硬化剤又は硬化促進剤等の添加剤を混合した溶液である水性保護塗液を乾燥状態にあるコンクリート施工体表面へ塗布・浸透させ、乾燥・硬化させる方法であって、そのメカニズムの全容は、次のような理論に基づくものであると文献に述べられている。(ヘルマン・マイヤー著[水ガラス]翻訳者:奥田進、コロナ社発行)即ち、コンクリート施工体表面に塗布・浸透させた水性保護塗液は、溶液の乾燥作用(大気中の炭酸ガスの作用)、或いは、添加剤の硬化作用によって、遊離ケイ酸或いはケイ酸を含む各種化合物類を生成し、遊離ケイ酸は重合して、狭義にはオルトケイ酸となる。すると、これらのケイ酸は水に難溶性であって、さらに塩酸、硫酸、硝酸等の浸食性の化学物質に対して化学的に安定であることから、ケイ酸で被覆され表層が充填されたコンクリート施工体は、化学的安定性を付与されるとともに、コンクリートの相対密度も高められて、コンクリート施工体の表面物理的強度は高められる。
【0008】前記方法で使用する水性保護塗液(ケイ酸塩水溶液)の種類は、限定的ではないが、液状水ガラスと呼称されるものであって、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等の水溶液を挙げることができる。
【0009】これらの水性保護塗液(ケイ酸塩水溶液)は個々に或いは複合的に配した溶液で用いられ、さらに、その溶液には、硬化剤や硬化促進剤が任意の組み合わせで配される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この水性保護塗液をコンクリート施工体に塗布・浸透させて乾燥・硬化させて行う方法によるコンクリート施工体の保護方法では、降雨・流水等でその保護硬化が阻害されるので、当該保護方法を適用する箇所が制限される(屋外部分のコンクリート等には適用困難である。)という問題点があった。即ち、■ケイ酸塩水溶液が自然乾燥して、不溶性のケイ酸或いはケイ酸を含む化合物(以下これらを「不溶性化合物」と称することがある。)を形成するために必要な時間は、その濃度並びにケイ酸塩の種類によって異なる。ケイ酸リチウムの水溶液は数時間で不溶性となるが、ケイ酸カリウムやケイ酸ナトリウム水溶液は、数日から数週間を経て不溶性になること、そして、これらは濃度が高いほど不溶性になり難いことなどが知られている。
【0011】このため、水性保護塗液(ケイ酸水溶液)を塗布直後に、降雨、流水が生じる箇所(現場)では同水溶液が流失してしまい効果を上げることができない。即ち、屋外に露出しているコンクリート施工体、例えば、外壁などには適用できないという制約があった。
【0012】■上記問題点を解決するために、水性保護塗液(ケイ酸塩水溶液)に添加剤を併用して、硬化させ、早期に耐水性を高める方法がある。
【0013】この方法に用いられる一般的な添加剤としては、塩酸、リン酸アルミニウム等、酸、塩基性化合物の他に、アミン類が用いられる。
【0014】しかし、これらの添加剤を配した水性保護塗液は、急速に増粘、或いはゲル化を開始して、同塗液が含有するアルカリ成分(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)を分離する等の現象を生じることがある。さらに、この現象は、塗布時の外気温度に比例して加速されるから、塗布に際して、その添加剤の添加量を微妙に調整しなければならないという煩わしさがあり、実用的でない。
【0015】また、過剰量の上記添加剤が添加された水性保護塗液では、塗液に含有される遊離のケイ酸成分が添加剤成分と化合して、コンクリートに含まれる遊離アルカリ成分を包含しながら重合する性質を失うことが知られている。即ち、降雨や流水に対応するために、過剰量の添加剤を配した水性保護塗液は、急激に、液状水ガラス特有の特性を消失してしまうので、コンクリートの成分を包含して、その耐酸性を高める効果が低下してしまう。
【0016】従って、この方法でも、施工直後に降雨や流水の生じる現場(箇所)には有効な方法ではない。
【0017】本発明は、上記にかんがみて、コンクリート施工体の保護に用いるケイ酸塩を保護層形成成分として含む水性保護塗液の用途・適用箇所を拡大させることで、広範囲のコンクリート施工体に適用可能な、コンクリート施工体の保護方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のコンクリート施工体の保護方法は、下記構成により、上記問題点を解決するものである。
【0019】アルカリケイ酸塩を保護層形成成分として含む水性保護塗液を塗布・浸透させてコンクリート施工体を保護する方法であって、水性保護塗液を塗布するに際して、高分子ヒドロゾルを併用することを特徴とする。
【0020】
【手段の詳細な説明】
(1) 以下、本発明のコンクリート施工体の保護方法について詳説する。
【0021】本発明の方法に使用する水性保護塗液は、アルカリケイ酸塩を保護層形成成分として含むとともに、補助成分として高分子ヒドロゾルを含む。
【0022】この水性保護塗液の使用態様は、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとを混合して、又は、個々かつ同時的にコンクリート施工体に塗布・浸透させて行う。
【0023】この際、コンクリート施工体に塗布されコンクリート施工体内側まで水性媒体を介して浸透したケイ酸塩は、従来の同様に重合・硬化して、不溶性化合物(不溶性かつ耐酸性の化合物)となりコンクリート施工体の表面から表面内側に至る保護層が形成される。この不溶性化合物からなる保護層を、コンクリート施工体の外側とともに内側にまで形成させることにより、侵食性成分性質がコンクリート施工体に直接接触又は浸入するのを阻止するとともに、コンクリート施工体の耐酸性を高め、さらには、コンクリート施工体の密度が高まり物理的強度も増大する。
【0024】(2) 本発明において、水性保護塗液の保護層形成成分であるケイ酸塩は、一般式M2 O・nSiO2 で表されるケイ酸塩の単体或いは混合物であり、通常は液状水ガラスと呼称されるものである。前記一般式においてMはLi、K、Na等のアルカリ金属であり、nは整数である。
【0025】また、nの値は、好ましくは1〜3程度であるが、特に限定されない。
【0026】これらは、実際に使用する際における、水溶性や浸透性及びコンクリートに固着する性質に支障がない範囲であれば良い。
【0027】ここで、ケイ酸水溶液は、ケイ酸塩濃度が、通常、30〜800g/L、望ましくは、100〜500g/Lのものを使用する。
【0028】コンクリートに対するこれらのケイ酸塩水溶液の作用は公知であり、古くは、3〜5倍に希釈されたケイ酸ナトリウムの水溶液をコンクリート床に吸収させ、その耐摩耗性、防湿性、耐油性、耐酸性等を高める用途に供された実績があること、また、ケイ酸ナトリウム水溶液は塩基性化合物と併用して耐酸モルタル剤として用いられること等が知られている。
【0029】さらにまた、ケイ酸リチウム水溶液は短時間内に耐水性の皮膜を形成するが、化学的には、不活性であって、コンクリート施工体に塗布して浸透させたときには、単に、アルカリ付与剤として作用することが知られている。なお、ケイ酸リチウムは高価である。
【0030】(3) 上記高分子ヒドロゾルとしては、ビニル系樹脂エマルション、アスファルトエマルション、SBRラテックス、NBRラテックス、クロロプレンラテックス、アクリル樹脂エマルション、ケイ素樹脂エマルション、等が適当である。ケイ酸塩水溶液に混入しても、異常を起こさない程度に乳化剤、安定剤など調整されたものであれば良く、特に限定されない。この高分子ヒドロゾルは、高分子濃度が、通常、50〜800g/L、望ましくは、100〜600g/Lのものを使用する。
【0031】(4) ここで、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合比は、固形分比(重量比)で、通常、前者/後者=100/5〜100、望ましくは、100/10〜50とする。後者が過少であると、本発明の効果(ケイ酸塩水溶液の流出阻止)を奏し難く、過多であると、ケイ酸塩水溶液の相対量が少なくなり、本来のケイ酸塩水溶液の作用(コンクリート施工体の耐酸性・強度の付与)を奏し難くなる。
【0032】
【実験】ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合溶液がコンクリートに与える作用を調べるために、セメントモルタルを被吸収体として用いて、次の実験を行った。
【0033】(1) 実験1:耐水性の比較試験モルタルに塗布した溶液が塗布処理直後での雨水で流出してしまう状況を確認するため、以下の手順で溶液の流出量を調べ、その耐水性を比較した。
【0034】<実験手順の説明>100℃に保った恒温槽で24時間乾燥させたモルタルの重量(W)を測定しておいてから、表−1に示す組成の溶液に、モルタルを5分間浸漬してから取り出し、濡れ雑巾でその供試体の表面を拭いてから、上記恒温槽で12時間乾燥させて、その重量(T1 )を測定した。そして、直ちに供試体を水中に浸漬し、12時間後に取り出し、恒温槽で12時間乾燥させた後、その重量(T2 )を測定するという方法で溶液の溶出による減量率(S)を測定し、耐水性を比較した。
【0035】なお、供試体用モルタル(試験片)は、下記処方のモルタルを使用して、下記寸法に成形し、成形後2週間放置して調製した。
【0036】モルタルの配合:ポルトランドセメント100部、4号ケイ砂 300部、水 150部、モルタル寸法:50×50×50mm減量率Sは下記の式で求められ、試験の結果を表−2に示す。
【0037】
S(%)={(T2 −T1 )/(T1 −W)}×100(2) 実験2:高分子ヒドロゾルの添加量と耐水性の比較ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合溶液(水性保護塗液)において、ケイ酸塩水溶液の量を一定に保ったまま、高分子ヒドロゾルの添加量を変化させて、実験1で行ったのと同様の方法で、溶液の溶出による減量率を調べて耐水性を比較した。
【0038】この実験でモルタルに塗布して浸漬させた溶液の組成表を表−3に、そして測定結果を表−4に示す。
【0039】実験1及び2における結果から、濃度20%に調整した各種のケイ酸塩水溶液では、モルタルに吸収させた後に12時間乾燥させた時点で、水に溶出してしまう。つまり、コンクリートに塗布、吸収させたケイ酸塩水溶液は、塗布直後の雨水に溶出させられ、その溶液の大部分が流出させられる可能性があることが判明した。
【0040】そして、ケイ酸塩水溶液に、高分子ヒドロゾルを添加した溶液では、明らかに溶出による減量が低減しており、溶液の耐水性が向上する。そして、その耐水性は高分子ヒドロゾルの添加量に比例的に向上することも判明した。
【0041】(3) 実験3:吸水性試験実験1と同一の方法で調整したモルタルに、ケイ酸塩水溶液及びケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合溶液を塗布し、一定時間毎に、その吸水率を測定して、これらの溶液の経時に伴う吸水性の変動を確かめた。
【0042】<試験方法>上記モルタルを前記恒温槽で24時間乾燥させた後、表−1で示した組成の水溶液に5分間浸漬させて、各水溶液を吸収させてから、室温(25℃)で放置・乾燥させて供試体を調製し、次のような手順で各供試体の吸水性を測定した。
【0043】最初に、供試体を恒温槽(100℃)で24時間乾燥させてから、その重量(WB )を測定し、次に、供試体を水中に24時間浸漬させてから取り出し、濡れ雑巾で表面を拭いてから、重量(T3 )を測定して、下記の計算式から吸水率(K)を求めた。
【0044】次に、吸水率の推移変動を調べるために、15日目、30日目、90日目に、それぞれ、同一条件で調製しておいた供試体を24時間水に浸漬させるという方法で行い、吸水率(K)を下記計算式によって求めた。その結果を表−5に示す。
【0045】なお、比較のために、何も吸収させていないモルタルの吸水率も測定した。
【0046】
K(%)={(T3 −WB )/WB }×100なお、上記実験で得た結果について考察するために、ケイ酸塩水溶液だけをモルタルに吸収させた場合での吸水性及び吸水性の変動状態を上記と同様の方法で実験して確認をし、溶液番号No. 1、No. 2、No. 3の吸水率測定値を図1のグラフ図に示す。
【0047】実験3の結果から、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムの水溶液は、日時の経過とともに、供試体の吸水性を低減させる性質を持つが、ケイ酸リチウムの水溶液では、初期の吸水性を低減させる効果を有するが、長期的に吸水性を低減させる傾向については、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムの水溶液ほど顕著でないことが判明した。このことは、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムの両水溶液は、セメントモルタルの水溶性を阻害せしめる作用を持つ物質を、時間の経過と共に、形成させやすい性質を持つものと推論できる。
【0048】そこで、ケイ酸塩水溶液を塗布吸収させると、コンクリート層の深部へ水分は浸入し難くなることは確かであり、コンクリート施工体を浸食作用から遠ざける効果を上げることができる。
【0049】つまり、コンクリートを長期的に保護するという観点から、ケイ酸塩水溶液は有用である。
【0050】また、高分子ヒドロゾルは、ケイ酸塩水溶液と混合・併用すると、相乗的に作用して、コンクリートの吸水性を低減させ、さらにケイ酸塩水溶液がコンクリートの吸水性を長期的に低減させるという性質を阻害しないことが判明した。
【0051】(4) 実験4:各種塗料との密着性ケイ酸塩水溶液を塗布・浸透させて乾燥硬化させたコンクリートに対する塗料の密着性は良好ではないことが知られている。そこで、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合溶液に対する塗料の密着性を下記試験方法で試験した。
【0052】<試験方法>下記配合のモルタルを成形し、室温で2週間放置硬化させた後、その平滑な面(ガラス板に密着していた側)に、表−1に示した組成の溶液を飽和状態になるまで塗布し、吸着させて供試体を調製した。各供試体を室温で3週間乾燥させた後、各種塗料を40〜50μmの厚みになるように上塗りを行い、7日間硬化養生した後に、下記ゴバン目試験による密着性の測定を行った。
【0053】塗膜上に1cm角を取り、この中に1mm×1mmのゴバン目を、鋭利な刃物で、100個切り込み、つづいて、そのゴバン目に粘着テープを圧着したのち、直ちにテープを剥離して、塗膜を強制的に剥離させる。そして、剥離を生じたゴバン目の塗膜の数(N)を数え、N/100で剥離指数を表示する。
【0054】なお、試験の結果を表−6に示す。
【0055】モルタルの成形モルタルの配合:セメント 100部、4号ケイ砂 300部、水 140部、モルタル寸法:150×150×24mm実験4の結果から、高分子ヒドロゾルを含むケイ酸塩水溶液は、塗料の密着性を改善させる効果があることが判明した。
【0056】従って、ケイ酸塩水溶液を用いてコンクリート施工体の保護処理を行った後に、さらに、塗装を行う必要がある場合に、高分子ヒドロゾルが有用であると推論できる。
【0057】(5) 実験5:薬品に対する抵抗性試験ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合液を吸着させたコンクリートの薬液に対する抵抗性(耐薬品性)を調べるため、表−1及び2に示した保護塗液(ケイ酸塩水溶液)を、実験1と同一方法で調製したモルタルに塗布・浸透させて、次のような方法で試験を行った。
【0058】<試験方法>モルタルを14日間自然乾燥させた後、ケイ酸塩水溶液及びケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの混合溶液に15分間浸漬させてから、室温(25℃)で、60日間放置した供試体を薬液に浸漬させて、その減量を測定することで、薬品に対する抵抗性を調べた。
【0059】そこで、最初に、吸水性試験を行う直前に、供試体を恒温槽(100℃)で24時間乾燥させてから、その重量(W3 )を測定し、次に、その供試体を各種薬液の溶剤に7日間浸漬させてから、さらに、水道の流水で5分間洗浄して、上記恒温槽で24時間乾燥させ、その重量(T4 )を測定し、減量率(K)を下記計算式で算出した。
【0060】なお、比較のために、何も吸収させていないモルタルについても同様の方法で測定した。
【0061】
K(%)={(T4 −WC )/WC }×100実験5の結果を表−7に示す。
【0062】実験5の結果から、ケイ酸塩水溶液はモルタルの薬品に対する抵抗性を高める性質をもっていること、そして、ケイ酸塩水溶液に高分子ヒドロゾルを添加、併用すると、その添加量に比例して、抵抗性はさらに高められる傾向があることが判明した。
【0063】実験1、2、3、4、及び5の結果から、ケイ酸塩水溶液を、コンクリートに吸収させる方法で作用させると、時間の経過と共に、コンクリートの吸水性は低減させられ、さらに、その薬品に対する抵抗性は高められる。
【0064】そして、コンクリートに吸収処理させたケイ酸塩水溶液は、処理後の初期には、水に溶出してしまうが、雨水の影響を受けなければ、時間の経過と共に、耐水性になる。また、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとを併用すると、上記ケイ酸塩水溶液の初期の溶出を抑止でき、高分子ヒドロゾルは、上記ケイ酸塩水溶液の長所を阻害することなく、双方が相乗的に効果し合うことが判明した。
【0065】
【発明の作用・効果】本発明のコンクリート性施工体の保護方法は、上記の如くコンクリートが侵食されるのを防止する方法であって、コンクリートの表面に、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルとの両液を混合し、又は、個々かつ同時的に塗布後、乾燥硬化させて行うことを特徴とする構成により、上記のような作用・効果を有する。
【0066】本発明は、ケイ酸塩水溶液、高分子ヒドロゾルのそれぞれ固有する下記利点を組み合わせて、相乗効果を発揮せしめ、相互の下記欠点を排除してしまうことで、コンクリートが侵食され、損傷、破壊されることを抑止する方法である。
【0067】(1) 無機質のケイ酸塩水溶液がコンクリートの侵食を抑止する性質をもっているが、初期の耐水性に欠如すること。
【0068】(2) そして、速やかに耐水性を発生させるためには、硬化剤等の添加剤を配することが必要になるが、添加剤は、外気気温、ケイ酸塩水溶液の濃度に合わせて、配合量を微妙に調整しなければならないという煩わしさがあり、また、早期の耐水性を付与させるために、添加剤を多量に配合すると、施工の直前に溶液が分離、変質して均一な成分をコンクリートに吸収させることが困難になる等の欠点があること。
【0069】(3) ケイ酸塩水溶液を吸収させたコンクリートは、塗料が密着し難い性質になること。
【0070】(4) 有機質の高分子ヒドロゾルは乾燥して強靭で、防水性のある塗膜を形成して、コンクリートに密着する性質があるが、ヒドロゾル中の高分子固形分は太陽熱、紫外線等で老化させられ、その塗膜が破壊或いは剥離させられるという欠点がある。
【0071】本発明による方法で、コンクリートの侵食を抑止する保護を行う時の利点は次の通りである。
【0072】(1) 本発明による方法で、コンクリート施工体の保護を行うと、ヒドロゾルが形成する塗膜によって、吸収させたケイ酸塩水溶液は、コンクリートの内部に封緘され、施工直後であっても、雨水や流水に流出されることがなくなる。そのために、従来では、施工ができなかった屋外部分のコンクリート施工体等への適用が可能になり、水性保護塗液の適用範囲を拡大できるという利点がある。
【0073】(2) 本発明による方法で、コンクリート施工体の保護を行うとき、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルの混合比率を任意に変化させることができるので、コンクリートの吸水性並びに保護目的等に合わせて、各々の濃度を自由に選択し、組み合わせることができるので、塗布作業を一度で完了することができる等、効率よく作業を行える利点がある。
【0074】(3) 本発明による方法では、高分子ヒドロゾルの配合量を変化させることで、従来塗装が困難であったという欠点を排除できケイ酸塩水溶液を吸収させたコンクリートに塗装を施すことができるようになるという利点がある。
【0075】本発明の方法は、無機質の電解質溶液であるケイ酸塩水溶液と有機質の水系コロイド溶液である高分子ヒドロゾルとを混合してコンクリート施工体に塗布し、吸収させるので、次のような特徴がある。
【0076】つまり、コンクリート施工体に上記混合溶液(水性塗膜)を塗布し、吸収させると、コロイドはその粒子径より小さい孔には浸入できないが、電解質溶液は水が浸透できる範囲には浸透可能である。この浸透性の差異は、上記混合溶液をコンクリート施工体に塗布する時、ケイ酸塩水溶液がコンクリート層の深部まで、そしてヒドロゾルの固形分はその表層部に凝集させられる現象を生じさせる傾向を促すこととなる。
【0077】そこで、上記混合溶液をコンクリート施工体に塗布すれば、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルを個々に塗布したときと同様な塗膜構造が形成され得るので、塗布作業を2回に分けて行う必要性を排除でき、経済的に効率よく、簡単に実施できるという利点がある。
【0078】なお、予め降雨が予測されていて、本発明の方法でコンクリート保護を行う場合には、シリコンオイル・ヒドロゾル等、はつ水効果のある高分子ヒドロゾルを、本発明の趣旨を阻害しない程度に添加して作用させると、施工直後の雨水や流水に対してケイ酸塩水溶液の流失をさらに効率よく防止することができる。
【0079】さらに補助的に、酸性化合物、塩基化合物、両性化合物、金属類、脂肪酸類、アミン類等、ケイ酸塩水溶液の耐水性を早期に発生させる成分物質を、本発明の趣旨を阻害しない程度に添加し、併用してもよい。
【0080】また、本発明の方法は、無機質の薬剤と有機質の薬剤を組み合わせることで、相互の薬剤の性質を相乗的に作用させる方法であるから、混合溶液中のケイ酸塩水溶液は、下記のような物質と化合して、不溶性のケイ酸化合物を形成する性質を損なわれない。
【0081】即ち、鉱物質の粉体顔料(例えば、亜鉛華、酸化鉄、クロムブルー、二酸化マンガン、ナポリイエロー、鉛丹等)、鉱物質の体質顔料(例えば、ケイ砂粉、大理石粉、カリオン、ジルコンフラワー等)、細粒子の鉱物質骨材(例えば、ケイ砂、ガラス等)、無機質繊維類(例えば、ケイ酸アルミナ、アスベスト等)、等のように、水中で正に帯電する塩基を持つ物質とケイ酸塩水溶液とは、化合して不溶性の化合物を形成することが知られている。なお、ケイ酸塩水溶液とこれらの物質の混合物は、屋内の壁画を描くための絵の具として、カイムの鉱物質画法(Keimsche Mineralmalerei)で用いられることが知られている。(参考文献:ヘルマン・マイヤー著[水ガラス]翻訳者:奥田進、コロナ社発行)。
【0082】そこで、本発明の方法でコンクリート施工体の保護を行う時、上記物質を組み合わせて配合し、混合して用いれば、コンクリート施工体を着色することができ、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルの濃度及び混合割合を調整することで、その着色層を迅速に耐水性を付与することができる。
【0083】つまり、着色層の初期耐水性は高分子ヒドロゾルによって得られ、後期の耐水性は、上記物質とケイ酸塩水溶液との化合で得られるものであって、初期の耐水性に欠如していたカイムの鉱物質画法の欠点を排除できることとなり、屋外のコンクリート施工体の着色が可能となる。
【0084】また、ケイ酸塩水溶液は木材、紙等に不燃性を付与できる性質があることが知られているので、ケイ酸塩水溶液と高分子ヒドロゾルの濃度及び配合比率を調整することで、これらの材質を着色加工する分野で広く応用でき、防火上有用である。
【0085】本発明の方法では、ケイ酸塩水溶液及び高分子ヒドロゾルの濃度や組み合わせの配合比は限定的ではないので、混合したときにお互いが阻害し合わないように調整されたものであれば良い。
【0086】また、ケイ酸塩水溶液及び高分子ヒドロゾルは、混合せず、個々かつ同時的に、吹き付けるる等の方法で使用してもよい。
【0087】
【実施例】以下に、本発明の方法による実施例を説明する。
【0088】<実施例1>本発明の方法によって、保護を施したコンクリートが塗布直後に雨水に曝された場合に、雨水の吸水性に及ぼす影響を調べるために、表−8・9に示す組成で構成された溶液を調製し、実験1と同様にして調製したセメントモルタルに飽和状態になるまで溶液を吸収させた供試体を作成してから、4時間放置して乾燥させ、さらにまた水中に3時間浸漬させて後、屋外の木製の台上に放置して風雨に曝しておき、15日目、120日目に、各々の供試体の吸水性について下記の方法で比較した。
【0089】吸水性の測定方法:供試体の溶液を吸収させた面に注いだ水の浸透速度を測定することで、供試体の吸水性を確認するために、100ccの目盛りが付されているメスシリンダの底部を目盛位置10ccにて正確に切断し、その底部を供試体表面へ押しつけた状態に保たせた状態にしておいて、エポキシ系接着剤を用いて接着し、固定させた。次に、スポイドを用いて、50ccの水をメスシリンダへ注ぎ、その目盛り上で0.5ccが供試体に吸収されて減じられるまでの時間を測定し、各々の供試体の吸水性を比較した。
【0090】なお、表−8・9における溶液(溶液番号: No.1、 No.2、 No.3、 No.1X、 No.2X、 No.3X、)は、従来方法との差異を対比し、確認するために調製・実施したものである。測定結果を表−10に示す。
【0091】実施例で用いた組成物の詳細は下記の通りである。
【0092】(1) ケイ酸ナトリウム水溶液…モル比3、濃度70%の水溶液(2) ケイ酸カリウム水溶液…モル比2、濃度70%の水溶液(3) ケイ酸リチウム水溶液…モル比3.5、濃度70%の水溶液(4) リン酸アルミニウム水溶液…濃度0.5%の水溶液(5) アクリル樹脂エマルション…高分子固形分47%に調製した溶液(6) SBRラテックス…高分子固形分45%に調製した溶液(7) シリコン樹脂ヒドロゾル…高分子固形分3.5%に調製した溶液(8) 配合顔料(ブラウン系色)…下記の配合組成よりなる粉末カオリン 87.9%酸化鉄(赤) 9.7%黒煙 2.2%酸化亜鉛 0.2%実施例1の結果から、本発明によるコンクリート施工体の保護方法では、実施直後の雨水によって、その保護効果を阻害され難く、一旦保護を施したコンクリートは、万一雨水に曝されても、経時と共に非吸水性になっていく。
【0093】また、着色のために前記物質を混合させた溶液の吸水性は、ケイ酸塩水溶液のみを吸収させた場合より、減少していることが明らかになった。さらにまた、ケイ酸塩水溶液にリン酸アルミニウムの希薄水溶液を混合して、硬化を促進させて用いた溶液では、高分子ヒドロゾルを混合したケイ酸塩水溶液より吸水性が大きいことが判明した。
【0094】<実施例2>実施例1で用いた供試体のうちの数種類について、120日間を経過したものについて、実験5と同様の方法で耐薬品性を調べた。
【0095】なお、溶液番号 No.1、 No.2、 No.3は従来の方法であり、比較のために実施した。その溶液番号と試験結果を表−11に示す。
【0096】実施例2の結果から、本方法によるコンクリート保護方法では、塗布直後の雨水によって、その保護効果を阻害され難い、つまり、一旦保護を施したコンクリートは、万一、雨水に曝されても、薬液による減量率が低いので、耐薬品性を維持しているといえる。
【0097】また、本方法で着色させた供試体は、薬液浸漬後にも、塗膜の亀裂、破壊、剥離部分は発見できなかった。
【0098】<実施例3>建築後、1年4ヶ月を経過した駐車場のコンクリート外壁62.8m2に、本発明による方法でコンクリート保護を行うために、市販の3号水ガラス(Na2O・3SiO2)溶液7部、B種カリ水ガラス( K2O・2SiO2 )溶液16部、純水64部及び高分子ヒドロゾルとして市販のアクリル系エマルション(三井東圧社製;固形分50%)に乳化安定剤を加えて調製した溶液13部からなる混合溶液を調製して、上記外壁の表面に、電動式のエアレス型スプレイ塗装機を用いて、単位面積当たり0.24kg/m2を吸収させてなるようにしながら、均一になるように吹き付けた。
【0099】そして、施工後、2時間経過した時点で、上記塗装機を用い、その吐出圧力を微小になるように調製して、霧化させた水道水20リットルを上記外壁部分の一部の面積(8.6m2)に散布しておいた。
【0100】そこで、上記方法でコンクリート保護の施工を施してから8ヶ月を経過した時点で、その施工面を点検するために、次のような試験を試みたが、そのいずれもが満足できる結果であり、本発明方法による目的を達成していた。
【0101】つまり、上記2ヶ所及び該保護を施していないコンクリート素地の3ヶ所に水道水を散布したところ、コンクリート素地は、直ちに水を吸収して、濃い濡れ色に変化したが、保護を施した2ヶ所は容易に濡れ色にならなかった。
【0102】そこで、濃塩酸4.8%、濃硫酸4.2%、濃硝酸4.6%の水溶液を個別に調製して、上記3ヶ所へ、それぞれの溶液を個別の箇所に塗布したところ、コンクリート素地では、いずれの溶液に対しても、酸類とコンクリートが化合して、急激に発泡する現象を示したが、保護を施した箇所では、そのいずれの溶液に対しても発泡せず、耐酸性を発揮していた。
【0103】<実施例4>前記ケイ酸ナトリウム水溶液5.2部、ケイ酸カリウム水溶液21.3部、市販のケイ酸リチウム水溶液(Li2O・2.5SiO2 )3.5部、純水58部及び高分子ヒドロゾルとして、前記アクリル樹脂エマルション12部で構成される溶液を調製し、この溶液に前記鉱物質顔料を組み合わせて、絵の具筆で都合よく展色できる程度まで適量を混合して絵の具にせしめて、乾燥したコンクリート板に着色絵画を描き、屋外(外気温度:18℃)に4時間放置してから、10%塩酸溶液中に15分浸漬させ、さらに水道の流水で洗い、乾燥させた。上記絵の具を塗布し、吸収させ、乾燥させた部分は塩酸の侵食作用を受けず無変化であったが、絵の具を塗布しなかった部分、コンクリート素地部分は塩酸で侵食されて凹面を形成したので、その結果、立体的な美しい画を完成させることができた。この立体画部分は屋外に10ヶ月間放置したが、外観上の遜色は現れていない。
【0104】<実施例5>前記ケイ酸ナトリウム水溶液20部、ケイ酸カリウム水溶液15部、純水55部及び、高分子ヒドロゾルとして、アクリル樹脂エマルション(三井東圧社製:樹脂固形分45%)10部で構成される溶液を調製し、実施例4と同様にして絵の具を調製し、寸法が70×70×4.8mmの段ボール紙の表裏に単位面積当たり0.53kg/m2となるように塗布し、室温(25℃)で4週間放置してから、家庭用のガスコンロの上にかざして燃焼させたが、発炎現象を発することなく焦げて、燃焼した。また、その燃焼状態は火源から遠ざけると、やがて類焼が停止してしまう傾向にあった。さらに、上記燃焼試験に際して、絵の具を塗布してない段ボールは、コンロの火にかざしてから3秒後に発炎して燃焼を開始し、そのままコンロ上にとどめると、27秒後に燃焼が終了したが、絵の具を塗布した段ボールは火にかざしてから9秒後に発煙が生じ、52秒後に燃焼が終了し、赤熱色を呈する炭化物になった。このことから、本発明の保護塗液は、段ボール紙の着色加工において、難燃性を付与できることが分かる。
【0105】<実施例6>前記ケイ酸ナトリウム水溶液17部、ケイ酸リチウム水溶液3部、純水52部及び、高分子ヒドロゾルとして、アクリル樹脂エマルション(三菱油化バデッシュ社製:樹脂固形分46%)18部、シリコン系ヒドロゾル(信越化学製:ヒドロゾル固形分0.3%に調製した溶液)2部で構成される溶液を調製し、毎日、水道水で洗浄作業が行われる食品工場のコンクリート床(コンクリート打設後19日を経過)213m2に単位面積当たり0.31kg/m2となるように塗布・浸透させてコンクリート施工体の保護を行った。その後、1年8ヶ月を経過した時点で施工場所を点検したところ、コンクリート表面は平滑な状態となり、光沢を維持しており、鉛筆硬度を調べたところ9Hであった。そこで保護処理を施さなかった場所のコンクリートは表面が粗密で光沢なく、鉛筆硬度は3Hであって、容易に粉塵を発生させやすい状態であったことから、本方法はコンクリート床にも応用でき、コンクリート施工体の保護効果を上げることができるものである。
【0106】<実施例7>前記ケイ酸ナトリウム水溶液15部、ケイ酸カリウム水溶液3部、純水60部及び、高分子ヒドロゾルとして、アクリル樹脂エマルション(三井東圧社製;樹脂固形分45%)22部で構成される溶液を調製し、コンクリート外壁(13.7m2:建築後3年経過)に、単位面積当たり0.22kg/m2塗布し、吸収させた後11日間放置乾燥させてから、アクリル樹脂系塗料を塗布した。その後、20ヶ月経過した時点で、塗装箇所を点検したが、塗膜の剥離部分は確認できなかった。
【0107】以上、7つの実施例から、本発明による方法で実施するコンクリート施工体の保護方法は、コンクリートの吸水性を減じる性質、酸性物質に対して抵抗する性質を有するケイ酸塩水溶液に高分子ヒドロゾルを作用させて、ヒドロゾルの有する特性、すなわち、密着性及び塗膜の強靭性を効果的に発揮させることで、ケイ酸塩水溶液の初期耐水性に係わる不都合さを排除させることを可能にすることが裏づけられた。
【0108】
【表1】


【0109】*1)Na2 O・3SiO2 、*1)K2 O・2SiO2 、*3)Li2 O・3.5SiO2 、*4)アクリル樹脂固形分47%
【0110】
【表2】


【0111】*1)Na2 O・3SiO2 、*1)K2 O・2SiO2 、*3)Li2 O・3.5SiO2 、*4)アクリル樹脂固形分47%
【0112】
【表3】


【0113】
【表4】


【0114】
【表5】


【0115】
【表6】


【0116】
【表7】


【0117】
【表8】


【0118】
【表9】


【0119】
【表10】


【0120】
【表11】


【図面の簡単な説明】
【図1】実験3におけるケイ酸水溶液の吸水率推移を示すグラフ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルカリケイ酸塩を保護層形成成分として含む水性保護塗液を塗布・浸透させてコンクリート施工体を保護する方法であって、前記水性保護塗液を塗布するに際して、高分子ヒドロゾルを併用することを特徴とするコンクリート施工体の保護方法。
【請求項2】 コンクリート施工体を保護するために使用され、アルカリケイ酸塩を保護層形成成分として含む水性保護塗液において、前記水性保護塗液が、補助成分として高分子ヒドロゾルを含むことを特徴とすコンクリート施工体用水性保護塗液。

【図1】
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【公開番号】特開平8−91959
【公開日】平成8年(1996)4月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−224629
【出願日】平成6年(1994)9月20日
【出願人】(391033344)
【出願人】(594156835)