説明

コンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材、その施工方法および施工用治具

【課題】 上部工の大幅な掘削や挿入穴の穿孔が必要なく、簡単に目地部からの裏込め材の吸出しを防止することができ、施工も容易なコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材、その施工方法および施工用治具を提供すること。
【解決手段】 補強布12で補強された2枚の防止材本体11,11の両端部を重ねて碇着部13,13を設けて横断面形状を環状とし、防止材本体11,11を重ねるようにして薄くすることで、目地部3の海(水)側から挿着して目地部3内に配置し、環状の横断面内部に充填部材5を充填することで、防止材本体11,11を目地部3の側壁に密着させるように挿着する。
これにより、上部工の掘削や挿入用の穴を穿孔する必要がなく、簡単に目地部3の海(水)側から吸出し防止材10を取り付けて裏込め材の吸出しを防止する。また、目地部3に変位が生じても充填部材5が充填された吸出し防止材10の横断面形状の変化などで対応できるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材、その施工方法および施工用治具に関し、コンクリート製および鋼製構造物の目地部から土砂などの裏込め材が流出するのを防止できる吸出し防止材、吸出し防止材を簡単に施工できる方法およびこれに用いる施工用治具で、既設の港湾構造物などに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
海洋において埋立地等の造成のための護岸や防波堤などの港湾構造物や河川の護岸などの構造物には、コンクリート製および鋼製構造物が用いられることが多く、例えばその1つにコンクリート製のケーソンがあり、例えば、図9に示すように、陸上において護岸となる高さを備えた函体のケーソン1を造り、海上の捨石基礎上に運搬し、ケーソン1のフーチング部2を捨石基礎上に据え付け、ケーソン1,1間の縦方向の目地部3に目地材を設けて遮水や裏込め材の吸出しを防止し、さらにケーソン1,1の上部を上部工4で覆って港湾構造物として使用される。
【0003】
このようなケーソンなどのコンクリート製および鋼製構造物では、老朽化によって目地部から裏込め材の吸出しが生じるような場合があり、その対処法が種々提案されており、例えばケーソン間の目地部の前面に伸縮部を備えた目地板を設置することが提案されている(特許文献1参照)。
また、耐候性ゴムの管体をケーソンの目地部に上下方向に沿って挿入し、拡径部材を構成するボルト・ナットで外側から締め付けることで、管体を弾性変形させて目地部を閉塞できるようにするものがある(特許文献2参照)。
さらに、ケーソンの目地部に跨って上部から挿入穴を切削して穿孔し、この挿入穴に充填材案内体を挿入し、その内部に流動性充填材を所定高さまで充填するようにするものがある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−88548号公報
【特許文献2】特開平10−311015号公報
【特許文献3】特開2000−352035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、コンクリート製および鋼製構造物の目地部の前面に伸縮部を備えた目地板を設置する方法では、見栄えが悪い上に吸出しが落ち着くまでに時間を要するという問題がある。
また、目地部に耐候性ゴムの管体を装着し、ボルト・ナットで拡幅して目地部を閉塞する方法では、目地部の上部を覆っている上部工を掘削する必要があり、大掛かりな工事となるという問題がある。
さらに、目地部を跨いで挿入穴を切削して穿孔し、挿入穴に充填材案内体を挿入し、内部に流動充填材を充填する方法では、挿入穴の切削穿孔のため、上部工の掘削が必要で、その後に挿入穴の穿孔も必要であることから一層大掛かりな工事となるという問題がある。
【0006】
この発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、上部工の大幅な掘削や挿入穴の穿孔が必要なく、簡単に目地部からの裏込め材の吸出しを防止することができ、施工も容易なコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材、その施工方法および施工用治具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためこの発明の請求項1記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材は、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に設置され土砂などの裏込め材の吸い出しを防止するコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材であって、内部に補強布が埋設されゴム・合成樹脂などの弾性変形可能な材料からなる2枚の防止材本体を備え、この防止材本体の両端部をそれぞれ重ね合わせて横断面形状を環状とする碇着部を設け、目地部間の側壁方向に沿って目地部の海(水)側から挿着配置され、環状の横断面内部に充填部材が充填されて目地部間の両側壁に密着させて吸出し防止可能に構成したことを特徴とするものである。
【0008】
この発明の請求項2記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材は、請求項1記載の構成に加え、前記防止材本体には、外表面に目地部の高さ方向に沿う吸い出し防止用の突条部を形成して構成したことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の請求項3記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材は、請求項1または2記載の構成に加え、前記碇着部は、前記補強布を重ねて外側に被覆部材を設けて目地部への挿入用の支持部と兼用可能に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
この発明の請求項4記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記防止材本体は、下端部を塞ぐとともに、内側に折り込んで袋状に形成し、目地部の上下方向の変位に追従して伸長可能に構成したことを特徴とするものである。
【0011】
この発明の請求項5記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法は、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工するに際し、前記目地部の海(水)側から目地部内を清掃した後、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材を施工用治具を用いて防止材本体を重ねた状態として目地部の海(水)側から挿着し、次いで、吸出し防止材の環状の横断面内部に充填部材を充填して目地部間の両側壁に密着させるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項6記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法は、請求項5記載の構成に加え、前記目地部の海(水)側の端に前記吸出し防止材の突出を押える押え部材を設けてコンクリート製および鋼製構造物に固定するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項7記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法は、請求項5または6記載の構成に加え、前記施工用治具に前記吸出し防止材の目地部海(水)側となる前記碇着部を取り付けた後、施工用治具ごと下端部を目地部海(水)側の下端部に装着し、当該下端部を支点として回動させて吸出し防止部材を挿着するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
この発明の請求項8記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法は、請求項5または6記載の構成に加え、前記施工用治具を前記目地部の海(水)側の内側に設置した後、この施工用治具に設けたガイド溝に沿って前記吸出し防止材を挿着するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
この発明の請求項9載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法は、請求項5〜8のいずれかに記載の構成に加え、前記施工用治具を、前記押え部材と兼用してコンクリート製および鋼製構造物に設置したままとするようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
この発明の請求項10記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具は、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工する施工用治具であって、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材の一端部の碇着部が装着される治具本体を備え、この治具本体を目地部の高さ方向に複数に分割・連結可能に構成したことを特徴とするものである。
【0017】
この発明の請求項11記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具は、請求項10記載の構成に加え、前記治具本体に、前記碇着部をスライド可能にガイドするガイド溝を設け、予め目地部の海(水)側の内側に固定した治具本体のガイド溝に碇着部をスライドさせて挿着可能に構成したことを特徴とするものである。
【0018】
この発明の請求項12記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具は、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工する施工用治具であって、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材の上端部が装着される治具本体を備え、この治具本体に、前記吸出し防止材の目地部海(水)側上端部を固定する固定部材と、目地部奥側上端部を係止する係止部材とを設け、目地部に挿着後固定部材を取り外して係止部材の係止を解放可能に構成したことを特徴とするものである。
【0019】
なお、ここでコンクリート製および鋼製構造物とは、ケーソン、PC壁体およびPC加圧矢板などのコンクリートで構成される構造物や鋼材などで構成されるケーソンなどの構造物をいい、コンクリート製および鋼製構造物は、既設のコンクリート製および鋼製構造物に限らず新設するコンクリート製および鋼製構造物のいずれをも含むものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明の請求項1記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材によれば、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に設置され土砂などの裏込め材の吸い出しを防止するコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材であって、内部に補強布が埋設されゴム・合成樹脂などの弾性変形可能な材料からなる2枚の防止材本体を備え、この防止材本体の両端部をそれぞれ重ね合わせて横断面形状を環状とする碇着部を設け、目地部間の側壁方向に沿って目地部の海(水)側から挿着配置され、環状の横断面内部に充填部材が充填されて目地部間の両側壁に密着させて吸出し防止可能に構成したので、補強布で補強された2枚の防止材本体の両端部を重ねて碇着部を設けて横断面形状を環状とし、防止材本体を重ねるようにして薄くすることで、目地部の海(水)側から挿着して目地部内に配置し、環状の横断面内部に充填部材を充填することで、防止材本体を目地部の側壁に密着させることができ、上部工の掘削や挿入用の穴を穿孔する必要がなく、簡単に目地部の海(水)側から吸出し防止材を取り付けて裏込め材の吸出しを防止することができる。
これにより、目地部に変位が生じても充填部材が充填された吸出し防止材の横断面形状の変化などで対応することができる。
【0021】
この発明の請求項2記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材によれば、前記防止材本体には、外表面に目地部の高さ方向に沿う吸い出し防止用の突条部を形成して構成したので、吸い出し防止用の突条部によって目地部の側壁への密着性を高めることができ、一層確実に遮水や裏込め材の吸い出しを防止することができる。
【0022】
この発明の請求項3記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材によれば、前記碇着部は、前記補強布を重ねて外側に被覆部材を設けて目地部への挿入用の支持部と兼用可能に構成したので、碇着部の外側をゴム等の被覆部材で覆うことで、碇着部の剛性を高めて支持部と兼用することができ、目地部への挿着が容易になり、一層簡単に施工することができる。
【0023】
この発明の請求項4記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材によれば、前記防止材本体は、下端部を塞ぐとともに、内側に折り込んで袋状に形成し、目地部の上下方向の変位に追従して伸長可能に構成したので、吸出し防止材の下端部を塞ぐとともに、内側に織り込んで袋状とすることで、目地部の上下方向の変位が生じてもこれに追従して底部が伸長することができ、目地部の底部の遮水や吸出し防止を一層確実に行うことができる。
【0024】
この発明の請求項5記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法によれば、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工するに際し、前記目地部の海(水)側から目地部内を清掃した後、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材を施工用治具を用いて防止材本体を重ねた状態として目地部の海(水)側から挿着し、次いで、吸出し防止材の環状の横断面内部に充填部材を充填して目地部間の両側壁に密着させるようにしたので、清掃した目地部に施工用治具で吸出し防止材を防止材本体を2枚重ねた状態として薄く拘束することで、目地部に海(水)側から挿着することができ、簡単に施工することができるとともに、目地部の清掃も海(水)側から行うことができる。
これにより、上部工の掘削や挿入用の穴を穿孔する必要がなく、簡単に目地部の海(水)側から吸出し防止材を取り付けて裏込め材の吸出しを防止することができるとともに、目地部に変位が生じても充填部材が充填された吸出し防止材の横断面形状の変化などで対応することができる。
【0025】
この発明の請求項6記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法によれば、前記目地部の海(水)側の端に前記吸出し防止材の突出を押える押え部材を設けてコンクリート製および鋼製構造物に固定するようにしたので、目地部の海(水)側の端に押え部材を取り付けることで、吸出し防止材が抜け出すことを押えることができ、確実に挿着状態を維持することができる。
【0026】
この発明の請求項7記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法によれば、前記施工用治具に前記吸出し防止材の目地部の海(水)側となる前記碇着部を取り付けた後、施工用治具ごと下端部を目地部の海(水)側の下端部に装着し、当該下端部を支点として回動させて吸出し防止部材を挿着するようにしたので、施工用治具に吸出し防止材の外側となる碇着部を取り付けておき、下端部を目地部に入れて傾けた状態とし、この下端部を支点として垂直に立てるようにすることで、目地部に吸出し防止材を挿着することができ、簡単に装着することができるとともに、クレーンなどを利用して一層容易に施工することができる。
【0027】
この発明の請求項8記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法によれば、前記施工用治具を前記目地部の海(水)側の内側に設置した後、この施工用治具に設けたガイド溝に沿って前記吸出し防止材を挿着するようにしたので、施工用治具を目地部に設置しておき、この施工用治具のガイド溝を利用して吸出し防止材をスライドさせながら装着することができ、ガイド溝により簡単に挿着することができる。
【0028】
この発明の請求項9載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法によれば、前記施工用治具を、前記押え部材と兼用してコンクリート製および鋼製構造物に設置したままとするようにしたので、施工治具をそのまま残すことで押え部材と兼用することができ、吸出し防止材の抜け出しを機械的に防止することができる。
【0029】
この発明の請求項10記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具によれば、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工する施工用治具であって、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材の一端部の碇着部が装着される治具本体を備え、この治具本体を目地部の高さ方向に複数に分割・連結可能に構成したので、高さ方向に分割したものを連結して使用することができ、運搬が容易となるとともに、目地部の高さに対応した治具本体とすることができ、施工時の取り扱いが容易となる。
【0030】
この発明の請求項11記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具によれば、前記治具本体に、前記碇着部をスライド可能にガイドするガイド溝を設け、予め目地部の海(水)側の内側に固定した治具本体のガイド溝に碇着部をスライドさせて挿着可能に構成したので、ガイド溝に碇着部をスライドさせて挿着することができ、簡単に施工することができる。
【0031】
この発明の請求項12記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具によれば、コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工する施工用治具であって、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材の上端部が装着される治具本体を備え、この治具本体に、前記吸出し防止材の目地部海(水)側上端部を固定する固定部材と、目地部奥側上端部を係止する係止部材とを設け、目地部に挿着後固定部材を取り外して係止部材の係止を解放可能に構成したので、吸出し防止材の挿入方向奥側をピンなどの係止部材で取り付け、挿入方向手前側をボルトなどの固定部材で取り付けておき、挿入後固定部材を外して施工用治具を奥側に押し込んで係止部材を外すことで、目地部内から施工用治具を簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の一実施の形態にかかり、(a)および(b)は吸出し防止材の概略斜視図および底部の縦断面図、(c)は横断面図、(d)は充填部材を充填した状態の横断面図である。
【図2】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工方法の一実施の形態にかかる工程の説明図である。
【図3】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工用治具の一実施の形態にかかり、(a)は施工用治具の組み立て状態および施工用治具への吸出し防止材の装着途中の正面図、(b)は治具本体組み立て状態の中間部の概略斜視図および(c)は治具本体の底部の概略斜視図である。
【図4】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工用治具の一実施の形態の施工方法にかかり、(a)は全体の概略斜視図および(b)は上部工での部分拡大概略斜視図である。
【図5】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工用治具の他の一実施の形態にかかり、(a)は治具本体の概略斜視図および(b)は治具本体の中間部での設置状態の概略斜視図である。
【図6】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工用治具の他の一実施の形態の施工方法にかかり、(a)は構造物への取り付け状態での全体の概略斜視図および正面図、(b)は上部工での部分拡大概略斜視図である。
【図7】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工用治具のさらに他の一実施の形態にかかり、(a)は吸出し防止材を組み立てる前の状態の概略斜視図および(b)は吸出し防止材頂部の部分拡大斜視図である。
【図8】この発明のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材の施工用治具のさらに他の一実施の形態の施工方法にかかり、(a)は施工開始状態の概略斜視図および(b)は施工完了直前の概略斜視図である。
【図9】この発明の適用対象であるコンクリート製および鋼製構造物のケーソンの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明を実施するための形態について、図面に基づき詳細に説明する。
このコンクリート製および鋼製構造物の吸出し防止材10は、図1に示すように、例えばコンクリート構造物であるケーソン1,1の目地部3の海側から両側壁間に挿着し、環状の横断面形状の内側に充填部材5の充填により両側壁に密着させて遮水および吸出し防止を図るとともに、目地部3の開閉および剪断変位を吸収するものであり、特に、既設のコンクリート構造物であるケーソン1,1の目地部3間から裏込め材の吸い出しが生じている場合の補修に適用して好適なものであるが、新設のコンクリート製および鋼製構造物への適用も可能である。
【0034】
この吸出し防止材10は、ゴム・合成樹脂などの弾性変形可能な材料からなる2枚の防止材本体11,11を備え、内部に補強布12が埋設されて構成されており、この実施の形態では、ケーソン1,1の目地部3の形状に合わせて手前側上端部が斜めに切り欠いた状態としてある。そして、この防止材本体11,11の両端部をそれぞれ重ね合わせて横断面形状を環状とする碇着部13,13が設けてあり、碇着部13,13は、2枚の補強布12,12が重ねられ、その外側をゴムなどで被覆されて横断面形状が直方体状に形成してある。
これにより、吸出し防止材10では、横断面形状が環状とされた防止材本体11,11の両端縁部が碇着部13,13によって閉塞され、防止材本体11,11を重ねるようにすることで、目地部3への挿着を容易にできるとともに、運搬の際には、巻いて運ぶことができるようにしてある。
この吸出し防止材10の底部は、防止材本体11,11を袋閉じ部14で閉塞され、しかも内側(上方)に折り込んであり、目地部3への取り付け後のケーソン1,1の上下方向の変位に対して伸長することで追従して遮水や吸出し防止状態を保持できるようにしてある。
さらに、防止材本体11,11の外表面には、目地部3の上下方向に沿う突条部15が防止材本体11,11の成形の際に一体に形成され、目地部3の側壁への接触面圧を高めることで、遮水性および吸出し防止性を向上できるようにしてあり、この実施の形態では、片側に間隔をあけて6本ずつ設けてある。
【0035】
このように構成した吸出し防止材10の目地部3への施工方法は、例えば図2にその工程を示すように、まず、吸出し防止材10を取り付けるケーソン1,1間の目地部3の取付面の清掃を海(水)側から行う。この目地部3の清掃では、ケーソン1,1の側壁および底部に流出している土砂を排除する。この後、目地部3の空間に吸出し防止材10を挿し込むように挿着し、手前側の碇着部13が目地部3内に位置するようにする(図2(a)参照)。
この吸出し防止材10を目地部3の空間に挿し込む場合には、防止材本体11,11を重ねるようにして薄くしておき、碇着部13の剛性による自立性を利用して挿入用の支持部として挿着することで、施工を容易に行うことができる。
なお、上記の潜水夫などにより施工する場合のほか、実際の吸出し防止材10の目地部3への挿着には、後述する専用の施工用治具を用いることで、施工性を向上できるようにする。
【0036】
こうして目地部3に吸出し防止材10を挿着した後、吸出し防止材10の2枚の防止材本体11,11の環状の内部に充填部材5を充填し、膨らませて防止材本体11,11をそれぞれ目地部3の両側壁に密着させる(図2(b)参照)。
この充填部材5の充填は、ケーソン1,1の上部を覆う上部工4に穴を空け、シュータを設置して充填部材5を投入するようにしたり、上部工4の下面の隙間からシュータの先端を挿し込んで充填部材5を投入するようにする。
充填部材5としては、これまでと同様に、土砂、アスファルトマチックなどを用いるほか、水分との接触で膨張する高吸水性樹脂を混入したものを使用しても良く、こうすることで、充填部材の投入時の目詰まりを無くすなど機械的にポンプなどで圧送して充填することで、施工性を向上することができる。
充填部材5の充填で膨らませて目地部3の両側壁に密着される防止材本体11,11には、突条部15が複数本形成してあるので、突条部15での密着圧力が高まり、確実に遮水することができるとともに、裏込め材の吸出しを防止することができる。
【0037】
次いで、目地部3に挿入し、充填部材5を充填して目地部3の両側壁に密着させて吸出し防止材10が目地部3から抜け出さないようにするため、押え部材16をコンクリート構造物であるケーソン1,1にアンカーボルトなど取り付ける。この押え部材16は、少なくとも目地部3の上下端部の2箇所に取り付けるようにするほか、目地部の高さによってはさらに取付箇所を増加するようにすれば良い(図2(c)参照)。
【0038】
以上、詳細に説明したように、このような吸出し防止材10およびその施工方法によれば、補強布12で補強された2枚の防止材本体11,11の両端部を重ねて碇着部13,13を設けて横断面形状を環状とし、防止材本体11,11を重ねるようにして薄くすることで、目地部3の海(水)側から挿着して目地部3内に配置し、環状の横断面内部に充填部材5を充填することで、防止材本体11,11を目地部3の側壁に密着させることができ、上部工4の掘削や挿入用の穴を穿孔する必要がなく、簡単に目地部3の海(水)側から吸出し防止材10を取り付けて裏込め材の吸出しを防止することができる。
これにより、目地部3に変位が生じても充填部材5が充填された吸出し防止材10の横断面形状の変化などで対応することができる。
【0039】
また、防止材本体11,11には、外表面に目地部3の高さ方向に沿う吸い出し防止用の突条部15を形成したので、吸い出し防止用の突条部15によって目地部3の側壁への密着性を高めることができ、一層確実に遮水や裏込め材の吸い出しを防止することができる。
【0040】
さらに、この吸出し防止材10によれば、碇着部13,13は、補強布12を重ね合わせて外側に被覆部材を設けたので、碇着部13,13の外側をゴム等の被覆部材で覆うことで、碇着部13,13の剛性を高めて支持部と兼用することができ、目地部3への挿着が容易になり、一層簡単に施工することができる。
【0041】
また、防止材本体11,11は、下端部を袋閉じ部14で塞ぐとともに、内側に折り込んで袋状に形成したので、目地部3の上下方向の変位が生じてもこれに追従して吸出し防止材10の底部が伸長することで、目地部3の底部の遮水や吸出し防止を一層確実に行うことができる。
【0042】
このコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法によれば、清掃した目地部3に吸出し防止材10を防止材本体11,11を2枚重ねた状態として薄く拘束することで、目地部3に海(水)側から挿着することができ、簡単に施工することができるとともに、目地部3の清掃も海(水)側から行うことができる。
これにより、上部工4の掘削や挿入用の穴を穿孔する必要がなく、簡単に目地部3の海(水)側から吸出し防止材10を取り付けて裏込め材の吸出しを防止することができるとともに、目地部3に変位が生じても充填部材5が充填された吸出し防止材10の横断面形状の変化などで対応することができる。
【0043】
また、この吸出し防止材10の施工方法によれば、目地部3の海(水)側の端に押え部材16を取り付けることで、吸出し防止材10が抜け出すことを押えることができ、確実に挿着状態を維持することができる。
【0044】
次に、この吸出し防止材10の施工に用いる施工用治具について、図3および図4により説明する。
この施工用治具20は、吸出し防止材10の一端部の碇着部13が装着される治具本体21を備え、この治具本体21は目地部3の高さ方向に複数に分割したものを連結して使用するようにしてある。
すなわち、治具本体21は、吸出し防止材10の碇着部13が入る中空矩形状の装着部22の前面に防止材本体11,11をスライドさせて通過できる開口部23が形成され、後面には、連結板24が上下にそれぞれボルトで連結されるようになっており、連結板24の上下端部に装着部22をそれぞれ連結すること(図示例では、5個の装着部22および連結板24を用いている)で、目地部3の高さにあわせた施工用治具とすることができるようになっている。さらに、最下部の装着部22には、底板25が吸出し防止材10の目地部3に沿う方向の寸法に合わせて突き出すように取り付けてあり、最上部の装着22の上方に突き出す連結板24は、目地部3の高さより上方に突き出す長さとされ、ケーソン1,1などの上部から操作できるようにしてある。
【0045】
このような施工用治具20では、装着部22と連結板24とを分割した状態で施工現場に運搬し、これを組み立てて目地部3の高さにあわせた施工用治具20とする。
そして、吸出し防止材10の目地部3の海(水)側の手前に位置させる碇着部13を治具本体21の装着部22に入れ、2枚の防止材本体11,11を開口部23に位置させてスライドさせ、施工用治具20の底板25に吸出し防止材10の下端部が当たるまで押し込んで取り付ける。
次に、施工用治具20ごと吸出し防止材10を目地部3の外側にクレーなどを用いて吊り下ろした後、吸出し防止材10を目地部3の空間に入れるように施工用治具20を引き寄せるようにして挿着したり、吸出し防止材10の下端部を先に目地部3に入れるように施工用治具20を傾けた後、施工用治具20の下端部を支点として施工用治具20ごと起こすように回動し、吸出し防止材20を目地部3内に挿着するようにすることもでき、回動操作をクレーンなどを利用して行うことで、作業者の力によることなく簡単に施工することができる。
こうして目地部3に吸出し防止材10を装着した後、施工用治具20ごと押え部材16で固定するようにしたり、最下部の底板25を残し、施工用治具20を上方に引き上げるようにスライドさせて取り外し、その後、押え部材16を取り付けるようにする。
【0046】
この吸出し防止材10の施工方法によれば、施工用治具20に吸出し防止材10の目地部3の海(水)側となる碇着部13を取り付けた後、施工用治具20ごと下端部を目地部3の海(水)側の下端部に装着し、当該下端部を支点として回動させて吸出し防止部材10を挿着するようにしたので、目地部3に吸出し防止材10を挿着することができ、簡単に装着することができるとともに、クレーンなどを利用して一層容易に施工することができる。
【0047】
また、この吸出し防止材10の施工方法によれば、施工用治具20をコンクリート構造物であるケーソン1,1に設置したままとすることで押え部材16と兼用することができ、吸出し防止材10の抜け出しを施工用治具20で機械的に防止することができる。
【0048】
さらに、この吸出し防止材10の施工用治具20によれば、吸出し防止材10の一端部の碇着部13が装着される治具本体21を備え、この治具本体21を目地部3の高さ方向に複数に分割・連結可能に構成したので、高さ方向に分割したものを連結して使用することができ、運搬が容易となるとともに、目地部3の高さに対応した治具本体21とすることができ、施工時の取り扱いが容易となる。
【0049】
次に、この発明の吸出し防止材10の施工用治具の他の一実施の形態について、図5および図6により説明する。
この施工用治具30は、治具本体31に、吸出し防止材10の碇着部13をスライド可能にガイドするガイド溝32を例えば全長にわたって設け、予め目地部3の海(水)側の内側に治具本体31を固定しておき、目地部3の上端に吸出し防止材10を挿入する隙間を確保して全長にわたるガイド溝32に沿って吸出し防止材10の碇着部13をスライドさせて挿着することで、目地部3に施工するようにするものである。
したがって、この治具本体31も治具本体21と同様、碇着部13を囲む矩形断面の装着部22の前面に開口部23を形成することで、吸出し防止材10の碇着部13をスライド可能にガイドするガイド溝32が構成されており、基本的な構成は施工用治具20と略同一とされ、予め吸出し防止材10を取り付けてから目地部3に装着するか、施工用治具30を予め目地部3に固定した後、吸出し防止材10をスライドして取り付けるようにするかの使用方法が相違するものである。
したがって、この施工用治具30では、ガイド溝32を利用して吸出し防止材10を目地部3に挿着した後、そのまま施工用治具30を残すことで作業を完了することで、作業の簡素化を図ることができる。
【0050】
この吸出し防止材10の施工用治具30によれば、施工用治具30を目地部3に設置しておき、この施工用治具30のガイド溝32を利用して吸出し防止材10をスライドさせながら装着することができ、ガイド溝32により簡単に目地部3に吸出し防止材10を挿着することができる。
【0051】
次に、この吸出し防止材10の施工用治具のさらに他の実施の形態について、図7および図8により説明する。
この施工用治具40は、吸出し防止材10の上端部だけを拘束して目地部3に装着するものである。
この施工用治具40の治具本体41は吸出し部材10が装着できる枠状に構成されて吸出し防止材10の奥行きより相当大きくしてある。
この治具本体41には、吸出し防止材10の目地部3の海(水)側上端部を固定する固定部材42が中間部に設けられるとともに、目地部3の奥側上端部を係止する係止部材43が先端部に設けてあり、固定部材42としてボルトが用いられて水平に突き出すようになっており、係止部材43としてピンが用いられて水平に対向して突き出すようになっている。
そして、吸出し防止材10には、固定部材42のボルトがねじ込まれるねじ穴17が形成されるとともに、係止部材43のピンが挿し込まれるピン穴18が形成してある。
また、治具本体41には、枠状の上部と下部にそれぞれ吊り下げ用の穴が形成されたブラケット44が複数設けてあり、図示例では、上部に3個設けられ、下部に1個設けてある。
【0052】
このように構成した施工用治具40の治具本体41には、吸出し防止材10の上端部先端のピン穴18を、内側に突き出した係止部材43のピンに係止した後被せるようにされ、上端部基端の固定部材42のボルトをねじ穴17にねじ込んで施工用治具40に吸出し防止材10が取り付けられる。
こうして吸出し防止材10の上端部を施工用治具40に挿着した後、治具本体41の挿着方向外側のブラケット44を介して吊り下げ、目地部3内に引き入れるようにして挿着する。また、吊り下げた状態で治具本体41の下方に突き出すブラケット44と目地部3の下端部にアンカーボルト45を結ぶワイヤをクレーンなどで引き込むようにし、アンカーボルト45部分を支点として引き込むようにして機械的に吸出し防止材10を目地部3に装着するようにする。
【0053】
この施工用治具40によれば、機械的に吸出し防止材10を目地部3に装着することができ、作業者の負担を軽減して簡単に装着することができる。
なお、吸出し防止材10の挿着完了後は、施工用治具40の基端側(外側)の固定部材42のボルトを外した後、施工用治具40の基端側を持ち上げるようにして奥側に押し込んでピン穴18から係止部材43のピンを引き抜くようにして係止状態を開放することで、施工用治具40を簡単に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ケーソン(コンクリート構造物)
2 フーチング部
3 目地部
4 上部工
5 充填部材
10 吸出し防止材
11 防止材本体
12 補強布
13 碇着部
14 袋閉じ部
15 突条部
16 押え部材
17 ねじ穴
18 ピン穴
20 施工用治具
21 治具本体
22 装着部
23 開口部
24 連結板
25 底板
30 施工用治具
31 治具本体
32 ガイド溝
40 施工用治具
41 治具本体
42 固定部材(ボルト)
43 係止部材(ピン)
44 ブラケット(ワイヤ取付用)
45 アンカーボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に設置され土砂などの裏込め材の吸い出しを防止するコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材であって、
内部に補強布が埋設されゴム・合成樹脂などの弾性変形可能な材料からなる2枚の防止材本体を備え、この防止材本体の両端部をそれぞれ重ね合わせて横断面形状を環状とした碇着部を設け、
目地部間の側壁方向に沿って目地部の海(水)側から挿着配置され、環状の横断面内部に充填部材が充填されて目地部間の両側壁に密着させて吸出し防止可能に構成したことを特徴とするコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材。
【請求項2】
前記防止材本体には、外表面に目地部の高さ方向に沿う吸い出し防止用の突条部を形成して構成したことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材。
【請求項3】
前記碇着部は、前記補強布を重ねて外側に被覆部材を設けて目地部への挿入用の支持部と兼用可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材。
【請求項4】
前記防止材本体は、下端部を塞ぐとともに、内側に折り込んで袋状に形成し、目地部の上下方向の変位に追従して伸長可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材。
【請求項5】
コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工するに際し、
前記目地部の海(水)側から目地部内を清掃した後、前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材を施工用治具を用いて防止材本体を重ねた状態として目地部の海(水)側から装着し、次いで、吸出し防止材の環状の横断面内部に充填部材を充填して目地部間の両側壁に密着させるようにしたことを特徴とするコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法。
【請求項6】
前記目地部の海(水)側の端に前記吸出し防止材の突出を押える押え部材を設けてコンクリート製および鋼製構造物に固定するようにしたことを特徴とする請求項5記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法。
【請求項7】
前記施工用治具に前記吸出し防止材の目地部の海(水)側となる前記碇着部を取り付けた後、施工用治具ごと下端部を目地部の海(水)側の下端部に装着し、当該下端部を支点として回動させて吸出し防止部材を挿着するようにしたことを特徴とする請求項5または6記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法。
【請求項8】
前記施工用治具を前記目地部の海(水)内側に設置した後、この施工用治具に設けたガイド溝に沿って前記吸出し防止材を挿着するようにしたことを特徴とする請求項5または6記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工方法。
【請求項9】
前記施工用治具を、前記押え部材と兼用してコンクリート製および鋼製構造物に設置したままとするようにしたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地材への吸出し防止材の施工方法。
【請求項10】
コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工する施工用治具であって、
前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材の一端部の碇着部が装着される治具本体を備え、この治具本体を目地部の高さ方向に複数に分割・連結可能に構成したことを特徴とするコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具。
【請求項11】
前記治具本体に、前記碇着部をスライド可能にガイドするガイド溝を設け、予め目地部の海(水)側の内側に固定した治具本体のガイド溝に碇着部をスライドさせて挿着可能に構成したことを特徴とする請求項10記載のコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具。
【請求項12】
コンクリート製および鋼製構造物間の目地部に土砂などの裏込め材の吸い出しを防止する吸出し防止材を挿着・施工する施工用治具であって、
前記請求項1〜4のいずれかに記載の吸出し防止材の上端部が装着される治具本体を備え、この治具本体に、前記吸出し防止材の目地部海(水)側上端部を固定する固定部材と、目地部奥側上端部を係止する係止部材とを設け、目地部に挿着後固定部材を取り外して係止部材の係止を解放可能に構成したことを特徴とするコンクリート製および鋼製構造物の目地部への吸出し防止材の施工用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−246646(P2012−246646A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117663(P2011−117663)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000196624)西武ポリマ化成株式会社 (60)