説明

コンクリート製品の製造方法

【課題】加湿装置によって直接的に加湿する方法は、生蒸気を噴出することから、コンクリートブロックが結露し、あるいは他所で結露した水滴が垂れてコンクリートブロック表面にシミを生じる問題があった。また、養生室内の劣化が進み、製品パレットを載せるラックの腐食も早かった。特に、コンクリートブロック表面のシミは、昨今増加している景観用あるいは一般家庭でのガーデニング用としての需要者を考えると大きな問題であった。
【解決手段】本願発明のコンクリート製品の製造方法は、硬練りコンクリートを用いたコンクリート製品の製造方法であり、コンクリートの硬化に必要な水分のほか蒸発用水分を加えて配合された硬練りコンクリートを断熱された養生室内に配置し、養生室内に設置された加熱器によって周辺温度を所定温度に調整するとともに、蒸発用水分を蒸発させることによって周辺湿度を所定湿度に調整して、コンクリートを養生する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、超硬練りコンクリートあるいは0(ゼロ)スランプコンクリートと呼ばれるコンクリート(以下、単に「硬練りコンクリート」という。)を振動、圧縮成型して製造されるコンクリート製品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空洞コンクリートブロックに代表される即時脱型コンクリート製品は、現場打ちコンクリートに比べ施工が速く、また扱いやすく施工が容易であるなど、種々の特長を備えており、従来から土木や建築などの現場での需要が高いものである。昨今では、景観用としてあるいは一般家庭でのガーデニング用としてなど、建設材の用途以外の目的で利用されることも多くなってきた。
【0003】
一方、旧来JIS規格では、空洞コンクリートブロック用のコンクリートの養生方法について、セメントの水和作用を促進し製品の強度その他の性能を向上させることを目的に、養生温度や養生湿度を詳細に規定していたところ、その後のJIS改正によりコンクリート養生の具体的手段は各メーカーの判断に委ねられることとなった。しかしながら、多くのメーカーは旧JIS規格の規定を踏襲し、従来の方法、すなわち図5に示すように生蒸気によって加温、加湿する方法でコンクリート養生を行っているのが現状である。
【0004】
また、通常のコンクリートの場合、コンクリート打設後に数時間(早ければ5時間程度)経過するのを待って脱型するが、硬練りコンクリートの場合、振動、圧縮成型直後に(早ければ7〜8秒で)製品パレット上に脱型するいわゆる即時脱型であることから、通常のコンクリートと硬練りコンクリートではその養生方法も自ずと異なり、通常のコンクリートと硬練りコンクリートの夫々において適切な養生手段が求められるところである。
通常のコンクリートの養生方法としては、例えば特許文献1が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−105421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では上下5段に型枠を収容できる養生室が実施例として紹介されており、この養生室の各段には温度及び湿度を調節するための放熱器と加湿装置が設けられている。そして、型枠内にコンクリートを打設した後、放熱器および加湿装置により温度調整、湿度調整を行いながら所定時間養生し脱型する方法が示されている。
【0007】
しかしながら、このように加湿装置によって直接的に加湿する方法や、生蒸気による加湿方法では次のような問題があった。
コンクリートブロックに直接結露した部分が、白い斑点や筋として残ったり、製品パレットの裏面やラック等に結露し、錆びを帯びた水滴が垂れてブロック表面にシミが付いたり、表面が濡れることによって全体的に色が白っぽくなり、鮮やかな色に仕上がらないという品質上の問題があった。また、養生室内の上下の温度分布の差によってブロック表面の色むらや変色も生じていた。
これらの問題は、昨今増加している景観用あるいは一般家庭でのガーデニング用等のカラーブロックを主体とした需要を考えると、製品そのものの価値を著しく損なう結果となる。
一方、設備の観点からみると、製品パレットを載せるラックの腐食や断熱パネルの劣化も早いという問題があった。さらに環境面からみると、アルカリ分を多く含んだ養生排水を垂れ流すわけにはいかず、排水中和設備を設ける必要があり、そのために多大の費用がかかるという問題もあった。
【0008】
本願発明の課題は、このような問題点を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明のコンクリート製品の製造方法は、硬練りコンクリートを用いたコンクリート製品の製造方法において、コンクリートの硬化に必要な水分を加えて配合された硬練りコンクリートを型枠に充填し、振動、圧縮成型して、即時脱型し、養生室内に前記脱型後のコンクリート(脱型後コンクリート)を配置し、養生室内に設置された加熱器によって脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させ、脱型後コンクリートに含まれる水分を蒸発させることによって周辺湿度を所定湿度まで上昇させて脱型後コンクリートを養生する方法である。
【0010】
本願発明のコンクリート製品の製造方法は、硬練りコンクリートを用いたコンクリート製品の製造方法において、コンクリートの硬化に必要な水分のほか蒸発に必要な水分(蒸発水分)を加えて配合された硬練りコンクリートを型枠に充填し、振動、圧縮成型して、即時脱型し、養生室内に前記脱型後のコンクリートを配置し、養生室内に設置された加熱器によって前記脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させ、脱型後コンクリートに含まれる前記蒸発水分を蒸発させることによって周辺湿度を所定湿度まで上昇させ、脱型後コンクリートを養生する方法である。
【0011】
本願発明のコンクリート製品の製造方法は、請求項1又は請求項2記載のコンクリート製品の製造方法において、養生室内の上下方向に設けられた多段の棚の任意の棚の近くに配列された複数の加熱器により、棚の上の脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させる方法である。
【0012】
本願発明のコンクリート製品の製造方法は、請求項3記載のコンクリート製品の製造方法において、棚の上の脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させてからその所定温度に維持し、所定温度まで上昇させるときは、養生室内の上方に設置された加熱器と下方に設置された加熱器が同等又はほぼ同等の熱量で加熱し、脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度に維持するときには、養生室内の上方に設置された加熱器は下方に設置された加熱器よりも小さい熱量で加熱して、脱型後コンクリートを養生する方法とすることもできる。
【0013】
本願発明のコンクリート製品の製造方法は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート製品の製造方法において、養生室の下方に設置された加湿装置によって下層の棚に配置された脱型後コンクリートの周辺湿度を上昇させてコンクリートを養生する方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明のコンクリート製品の製造方法には、次のような効果がある。
(1)養生室内に生蒸気が噴出されないことから、コンクリート表面にシミや色むら、変色が全く発生せず、高品質に仕上がるので、景観用やガーデニング用に適している。
(2)養生室内に加熱器を上下多段に配置し、さらに上下2系統の温度制御をすることで室内全体を均一に加温することができ、コンクリートの色むら、変色がなく高品質に仕上がる。
(3)養生室内に上下多段にコンクリートを配置すると、ブロックの種類、サイズによっては、下方の湿度が上方に比べやや低くなる場合があるが、最下部に単純な水分蒸発装置を設けるなど補助的に加湿を行うことができるので、ブロックの種類、サイズを問わず均一に加湿することができる。
(4)加湿装置を利用する直接加湿方式あるいは、養生室内に生蒸気を吹き出す方式ではないので、養生室内の結露がほとんどなくコンクリートを載せるラック(棚)や断熱パネルなど養生室内の構成部材や機器等が劣化しにくい。
(5)養生室内に生蒸気が噴出されないことから、養生後に室内に漂って結露する余分な湯気を強制排出する設備が不要であり、全体設備の建設費や維持費が削減される。
(6)養生室内に生蒸気が噴出されないことから、アルカリ分を含む養生排水がでないため排水中和設備が不要となり、全体設備の建設費や維持費が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願発明のコンクリート製品の製造方法で製造されるコンクリートブロックの斜視図。
【図2】コンクリートブロック製造プラントの一例を示す全体図。
【図3】(a)は養生室を正面から見た断面図で、(b)は養生室を側方から見た断面図。
【図4】(a)は下に加温器を設けた養生室の正面図、(b)は(a)のようにラックが上下多段に設置された養生室内を加熱した場合の養生室の上下方向の入熱量の分布、(c)は(b)の養生室内の温度分布、(d)は(b)の養生室内の湿度分布の説明図。
【図5】生蒸気で加温、加湿してコンクリート養生する従来方法を表す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
本願発明のコンクリート製品の製造方法の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、コンクリート製品の一例であるコンクリートブロック1の斜視図である。このコンクリートブロック1は、JISで定められていることもあって幅390mm×高さ190mmのものが多く製造されている。また厚みの規定もあり、100mm、120mm、150mm、190mmの4種類がやはり多く製造されている。
【0017】
このコンクリートブロック1は、空洞ブロックとも呼ばれ、内部には高さ方向に貫通する空洞が複数設けられており、例えば厚み100mmのものは1個当たり10kg程度と軽量である。そのため、人力でも容易に運搬できて、積み重ね作業も容易であり、土木施工現場や建築施工現場で、最も利用される建材のひとつである。
【0018】
図2は、コンクリートブロック製造プラント2の一例を示す全体図である。このコンクリートブロック製造プラント2におけるコンクリートブロック1製造過程について概説する。
【0019】
骨材ビン3に貯蔵された骨材をベルトコンベアに載せて計量室4まで運搬する。同時に、セメントサイロ5に貯蔵されたセメントを計量室4に供給する。計量室4では、硬練りコンクリート用として設計された配合(配合設計については後に詳述する)に従って適量のセメント、骨材、水、あるいは混和材等をそれぞれ計量し、これらの材料はコンクリートミキサー6に投入される。
【0020】
コンクリートミキサー6内で各種材料が混練されると、今度はブロックマシン7まで運搬される。なおここで用いられるコンクリートは硬練りコンクリートであるため、セメントサイロ6で混練された状態のコンクリートは、通常の生コンクリートのように流動性が全くなく、0(ゼロ)スランプとも呼ばれるように自重だけでは変形しないほど、パサパサした状態のコンクリートである。
【0021】
ブロックマシン7まで運搬された硬練りコンクリートは、型枠に振動充填し、振動、圧縮成型後、即座に製品パレット上に脱型される。脱型までの時間はおよそ7〜8秒と極めて早く、これが即時脱型といわれる所以である。
【0022】
脱型後、すなわちコンクリートブロック1の形状となった硬練りコンクリート(これ以降の状態を「コンクリートブロック1」と呼ぶ。)は、製品パレット毎にローディングタワー8によって段積みされていく。このローディングタワー8に、所定数の製品パレットが段積みされると、マザーカー9によって養生室10まで運搬される。
【0023】
養生室10まで運搬されたコンクリートブロック1は、今度はフィンガーカー11によって養生室10内の所定位置まで小運搬される。
この養生室10内で所定時間養生されたコンクリートブロック1が、製品として出荷される。
【0024】
養生室10は、図2にも示すように複数段にラック12(棚)が設けられ、これを一列とするレーンが多数並べられている。この養生室10は、複数段のラック12を設けず多数のコンクリートブロック1を平面配置するものでも、複数段のラック12が設けられたレーンを一列だけ配置するものであってもよい。
【0025】
つぎに図3(a)、(b)を基に、養生室10について説明する。図3(a)は養生室10を正面から見た断面図で、図3(b)は側方から見た断面図である。なおこの図に示す養生室10には15段のラック12が1列だけ設けられ、1段のラック12には5×2個のコンクリートブロック1を配置できる。
【0026】
養生室10は従来同様、断熱壁で構成することができる。また、図3(a)に示すように、ラック12の下方には加熱器13が配置されている。この加熱器13としては、フィン付き蒸気管を配置してこの中に蒸気を通し、養生室10の室温を上昇させる形式を採用することができる。もちろん室内温度を上昇させるものであれば、フィン付き蒸気管の代わりにヒーターをはじめとする従来の技術を加熱器13として採用することができる。
【0027】
加熱器13は、図3(a)、(b)に示すように上下多段に設置することができる。なお、図では2段のラック12ごとに加熱器13を設置しているが、全てのラック12の下方に設置してもよいし、ラック12を2段以上飛ばして設置してもよい。また加熱器13は、図3(a)に示すようにラック12の正面幅方向両端に設置されているが、片側だけでもあるいは3箇所以上に設置してもよい。夫々の加熱器13は図3(b)に示すようにラック12の出入り口側から奥まで配置されている。
【0028】
コンクリートブロック1を養生するにあたっては、あらかじめ養生温度(例えば室温70℃など)を設定しておき、この養生温度となるまで養生室10内を加熱器13で加熱する。そして養生室10内が目標とする養生温度に到達すると、この養生温度を維持するように加熱器13の加熱量を調整する。
【0029】
室内の温度計測と、加熱器13の加熱量調整は、人による目視や判断で行ってもよいし、温度センサを設置し、センサで感知した温度に基づいて自動的に加熱器13の加熱量調整を行ってもよい。また、温度センサに代えて湿度センサを設置し、センサで感知した湿度に基づいて自動的に加熱器13の加熱量調整を行ってもよい。
【0030】
コンクリートブロック1用の硬練りコンクリートは、目標の強度を得るようにセメント、骨材、水、あるいは混和材等を材料に配合設計される。本願発明は脱型後のコンクリートブロック1が保有する水分を蒸発させることで養生室10内の湿度を60〜95%程度に保って、水和反応で必要とする水量を確保することを基本とするものであるため、実際に配合される水の量は、設計された水の量(コンクリートブロック1が硬化するための水和反応に必要な水の量)に、蒸発に必要な水分を加えた量とするのがよい。この場合の水の量は、強度上必要な配合設計で得られた水の量をW0、蒸発用水分の量をW1、セメント量をCとすると、水セメント比は(W0+W1)/Cで求められる。前記蒸発に必要な水分量は、例えば、コンクリートブロック1の重量の2〜3%程度が好ましく、この程度の余剰水分とすることにより、養生室10内が過剰水分にならず、養生に適した雰囲気湿度に保持することができる。
【0031】
脱型後のコンクリートブロック1が養生室10内で養生される際、加熱器13によって養生室10の室温は上がり、その結果コンクリートブロック1の温度も上昇して、コンクリートブロック1内の水分が蒸発し、養生室10の湿度が上昇する。ある程度水分が蒸発して、養生室10が所定の湿度まで達すると、コンクリートブロック1の水分は蒸発しなくなる。蒸発により失われる水分量をW1とし、蒸発せずにコンクリートブロック1内に残る水分量をW0とすれば、コンクリートブロック1内のセメントが水和反応を生じるために必要な水分が残り、目標とする強度を達成するための水セメント比は維持される。
【0032】
一例として、養生室10内が室温70℃、湿度80%の状態で、厚み100mmのコンクリートブロック1を養生すると、1個のコンクリートブロック1から1時間当たり7.5gの水分が蒸発する。一方、養生室10内を室温70℃、湿度80%の状態で維持するためには、1個のコンクリートブロック1が占める空気容積中で5g程度の水分が必要である。実際には、コンクリートブロック1から蒸発する7.5gの水分の一部が養生室10内の隙間から漏れるなどのロスがあるため、結果的に養生室10内の湿度は80〜90%で維持される。
【0033】
ラック12が上下多段に設置された養生室10内を加熱する場合、図4(c)の温度分布グラフの二点鎖線で示すように、上方に比べて下方は室温が低くなる傾向にある。そこで、養生室10内の上方に設置された加熱器13は、下方に設置された加熱器13よりも小さい熱量で加熱して、養生室10内全体を均一又はほぼ均一の室温、例えば70℃前後にすることが望ましい。
【0034】
また、前記した目標とする養生温度に到達するまでは、養生室10内の上方に設置された加熱器13、下方に設置された加熱器13ともに同等の熱量(例えば、可能最大熱量)で加熱して速やかに室温を上げ、一旦目標とする養生温度に到達すると、養生室10内の上方に設置された加熱器13を、下方に設置された加熱器13よりも小さい熱量として、養生室10内全体を均一の室温に保つことができる。この場合も、温度センサや湿度センサを設置して感知温度(湿度)で自動制御することができる。
【0035】
(実施形態2)
本願発明のコンクリート製品の製造方法の第二の実施形態を説明する。この実施形態は、補助的に加湿装置を設置する場合を説明するための実施形態であって、基本的な構成や実施手順等は実施形態1と共通する。
【0036】
ラック12が上下多段に設置された養生室10内を加湿する場合、図4(d)の湿度分布グラフの二点鎖線で示すように、上方に比べて下方が低湿になる傾向にある。そこで、図4(a)に示すように養生室10の下方に加湿装置14を設置することができる。この加湿装置14によって養生室10下方の湿度を高め、下層のラック12(棚)に配置された脱型後のコンクリートブロック1の周辺湿度を上昇させて、養生室10内全体を均一に所定の湿度、例えば70〜90%で維持することができる。
【0037】
この加湿装置14の一例としては、表面に微小な穴が多数設けられたポーラスパイプを養生室10に設置し、この中に60〜80℃の蒸気ドレンを通して蒸気を発散させる手段が挙げられる。もちろん湿度を上昇させるものであれば、ポーラスパイプの設置に代えて従来の技術を用いた加湿装置14を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本願発明のコンクリート製品の製造方法は、コンクリートブロックの製造に限らず、インターロッキングブロック、平板ブロック、縁石ブロック、擁壁用ブロックなど即時脱型可能なコンクリート製品に応用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 コンクリートブロック
2 コンクリートブロック製造プラント
3 骨材ビン
4 計量室
5 セメントサイロ
6 コンクリートミキサー
7 ブロックマシン
8 ローディングタワー
9 マザーカー
10 養生室
11 フィンガーカー
12 ラック
13 加熱器
14 加湿装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬練りコンクリートを用いたコンクリート製品の製造方法において、
コンクリートの硬化に必要な水分を加えて配合された硬練りコンクリートを型枠に充填し、振動、圧縮成型して、即時脱型し、
養生室内に前記脱型後のコンクリート(脱型後コンクリート)を配置し、養生室内に設置された加熱器によって脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させ、脱型後コンクリートに含まれる水分を蒸発させることによって周辺湿度を所定湿度まで上昇させて脱型後コンクリートを養生することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
【請求項2】
硬練りコンクリートを用いたコンクリート製品の製造方法において、
コンクリートの硬化に必要な水分のほか蒸発に必要な水分(蒸発水分)を加えて配合された硬練りコンクリートを型枠に充填し、振動、圧縮成型して、即時脱型し、
養生室内に脱型後コンクリートを配置し、養生室内に設置された加熱器によって前記脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させ、脱型後コンクリートに含まれる前記蒸発水分を蒸発させることによって周辺湿度を所定湿度まで上昇させ、脱型後コンクリートを養生することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコンクリート製品の製造方法において、
養生室内の上下方向に設けられた多段の棚の任意の棚の近くに配列された複数の加熱器により、棚の上の脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のコンクリート製品の製造方法において、
棚の上の脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度まで上昇させてからその所定温度に維持し、
所定温度まで上昇させるときは、養生室内の上方に設置された加熱器と下方に設置された加熱器が同等又はほぼ同等の熱量で加熱し、
脱型後コンクリートの周辺温度を所定温度に維持するときには、養生室内の上方に設置された加熱器は下方に設置された加熱器よりも小さい熱量で加熱して、
脱型後コンクリートを養生することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート製品の製造方法において、
養生室の下方に設置された加湿装置によって下層の棚に配置された脱型後コンクリートの周辺湿度を上昇させて脱型後コンクリートを養生することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−68502(P2011−68502A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218804(P2009−218804)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000142687)株式会社桂機械製作所 (5)
【Fターム(参考)】