説明

コンクリート製遮蔽体及びその製作方法

【課題】
アルミニウム−アルカリ反応を防止し、真空容器の中にも格納して使用することができ、複雑な形状を持つコンクリート製遮蔽体を提供する。
【解決手段】
アルミニウム容器1及びアルミニウム蓋4の内面には、耐熱塗料を塗布して形成する耐熱被覆層2、5を設けている。アルミニウム容器1は、内部にコンクリート3を充填し、コンクリート3は一定期間の気乾後に一定の温度で恒量となるまで乾燥させものである。アルミニウム容器1とアルミニウム蓋4とは、コンクリート3の充填用の開口部を溶接して真空気密に封鎖して遮蔽体を構成する。必要に応じて、アルミニウム蓋4を貫通してコンクリート3内で保持されるステンレス製の吊り金具9を設けたり、該アルミニウム容器1の対向する内面同士を補強リブ8で接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速器施設や中性子発生施設や原子力関連施設等において、放射線を発生する装置の周辺に設置する遮蔽体に係り、特にアルミニウム容器の内部にコンクリートを充填して製作するコンクリート製遮蔽体及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高エネルギー加速器施設や中性子発生施設更には原子力関連施設等においては、高エネルギーとなる加速粒子の衝突点及びターゲット周りに、これらの施設から発生する放射線より人体を保護、或いは放射線による測定機器への干渉を防止するため、コンクリート製又は鉄鋼製等の遮蔽体を設けて使用している。
【0003】
この種の放射線の遮蔽体としては、従来から放射化し難い遮蔽体が幾つか提案されている。例えば、放射化し難いアルミニウム製の打ち込み堰板を使用すると共に、粗骨材として鋼球や鋼片等に代えて鉛の短小断片を用い、この粗骨材を放射化し難いアルミニウム製の打ち込み堰板で画定された空間内に敷き込み、この部分にモルタルを注入して硬化させて構築する構造である、コンクリート構造体に一体化されたアルミニウム製の打ち込み堰板を有する遮蔽体が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、一方の面の外側に型枠を兼用する例えばアルミニウム合金のような低放射化合金材と内側に例えばボロンのような中性子吸収及び遮蔽材となる成型パネルを配置した2層構造体を用い、他方の面に遮蔽材と型枠を兼ねる鉄板を用い、これら成型パネルと鉄板との空間に、鉄筋を配設してコンクリートを打設する放射線遮蔽構造体が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
ところで、非特許文献1には、利用する粒子ビームの強度が大きいため、その粒子ビームの衝突点から開放される放射線や熱も大きく、ターゲット周りに配置するビーム輸送用真空ダクトは冷却が難しく、電磁石等の機器は真空容器の中に格納することが記載されている。しかも、真空容器の中には、前記電磁石などの機器等の他に、粒子ビームの衝突点及びターゲット周りから発生する放射線を遮蔽する遮蔽ブロックを収納し、この遮蔽ブロックは下側が鉄製で上側がコンクリート製を使用している。そして、コンクリート製の遮蔽ブロックは、放出ガスを減らすために、低放射化材であるアルミニウム容器の中にコンクリートを詰めたものであり、しかもコンクリートは、アルカリ性であるから、アルミニウムと反応して水素が発生するのを防ぐため、アルミニウム容器の内面に適当な処理を施さなければならないことが記載されている。
【0006】
コンクリートの主成分である水酸化カルシウムは、強アルカリ性であるためアルミニウムと触れると、良く知られているように下記の反応式で示すアルミニウム−アルカリ反応によって水素ガスを発生し、アルミニウムが腐食されるという問題がある。
【0007】
2Al+Ca(OH)+2HO → CaAl+3H
アルミニウムが、アルカリ腐食によって水素ガスを発生する性質は、膨張材としてアルミニウム粉末等を入れて、無収縮モルタルとして利用されている。
【0008】
通常、原子力発電所から発生する種々の固体廃棄物をドラム缶に注入する固化処理の際には、固体廃棄物中の金属アルミニウムが固化材のアルカリで腐食するため、腐食時に発生する水素ガスで固化材中にボイドが生成し、固化材の強度に悪影響を与えるのを改善対策が行われている。例えば、金属アルミニウムの表面に、特にアルミン酸リチウム又はアルミン酸リチウムと水酸化アルミニウムの複塩である保護被膜を生成時等に適切な温度管理を行い、これによって金属アルミニウムのアルカリ腐食を抑制し、水素ガスの発生を抑制できることを提案している(特許文献3参照)。
【0009】
また、自動車の車体の外板に軽量アルミニウム材を使用する際には、成形加工性や化学処理性等に優れたアルミニウム材とするため、アルミニウム材の表面にアニオン性水系ウレタン樹脂、潤滑剤粉末、シリカ粒子、シランカップリング剤、及び水を主成分とする水系塗料組成物を塗装することで、優れた耐アルカリの耐久性を有するようにすることも提案されている(特許文献4参照)。
更には、鋼とコンクリートの複合構造であるが、使用する鋼材の表面に、亜鉛、アルミニウム、マンガン及びこれらの金属を主成分とする合金に、Mg、Inのうちいずれか一種以上を、重量%で0.05%以上、10%以下含有せしめた薄い合金被覆層を形成すると、鋼材がアルカリ腐食環境等であっても優れた耐食性を有するようにすることも提案されている(特許文献5参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2000−88995号公報
【特許文献2】特公平6−77067号公報
【特許文献3】特開平8−179097号公報
【特許文献4】特開平7−331171号公報
【特許文献5】特開平11−158657号公報
【非特許文献1】KEK Internal 2004−3 July 2004 A/H/M/R/D 「J−PARC大強度陽子加速器施設 原子核素粒子実験施設建設グループ ハドロンビームラインサブグループ 第2次中間報告書」 第103頁から第111頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1及び2の如き従来の放射線の遮蔽体は、大気中で使用することを意図した構造体であって、真空環境に配置しては使用できない問題がある。また、アルムニウム容器にコンクリートを充填する際に、アルミニウム−アルカリ反応を防止するため、特許文献3から5に示す表面処理や防水性を確保する処理を施せばよいが、放射線環境下で使用すると、特許文献3及び4や一般に市販されている防水性塗料で形成した保護被膜は変質し、防水性などの機能が失われる可能性がある。そのため、充填したコンクリートを、JASS 5N T−602「コンクリートの乾燥単位容積質量促進試験方法」に準じ、一定の温度で恒量となるまで乾燥を進めた、絶乾と呼ばれる状態まで乾燥状態を進める必要がある。
【0012】
さらに、コンクリートを充填したアルミニウム容器を、真空雰囲気中で使用するには、アルミニウム容器の開口部に、蓋を溶接して密封する必要がある。このため、アルミニウム容器の内面に施した防水処理は、溶接時の熱衝撃に耐えなければならないが、特許文献3及び4や一般に市販されている防水性塗料は、溶接時の熱衝撃に耐え、ピンホールなしに作ることが難しいという問題がある。なお、特許文献5記載の皮膜は、アルミニウム材に対する被膜としての効果が不明確である。
【0013】
本発明の目的は、アルミニウム容器を使用した場合でもアルミニウムのアルカリ腐食を抑え、しかも真空環境中に配置ができ、複雑な形状を持つコンクリート製遮蔽体及びその製作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、アルミニウム容器内にコンクリートを充填してコンクリート製遮蔽体を構成するものであって、アルミニウム容器の内面に耐熱性に優れた無機系塗料を塗布して形成する耐熱被覆層を設け、このアルミニウム容器には、同様に内面に耐熱被覆層を設けたアルミニウム蓋を溶接して密封して構成するようにしたものである。
【0015】
このコンクリート製遮蔽体の製作は、アルミニウム容器の内面に耐熱性に優れた無機系塗料にて耐熱被覆層を形成して十分に乾燥させ、アルミニウム容器内に一定量のコンクリートを充填して予め定めた一定期間の気乾養生を行い、その後にアルミニウム容器内のコンクリートを恒量となるまで乾燥してから、このアルミニウム容器に、内面側に耐熱塗料を塗布して耐熱被覆層を形成したアルミニウム蓋を真空気密に溶接して接合して製作するものである。コンクリートを恒量となるまで乾燥には、加熱炉の使用や真空乾燥を用いるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のようにコンクリート製遮蔽体を構成すれば、アルミニウム容器内部にコンクリートを充填する場合であっても、アルミニウムのアルカリ腐食を抑え、しかも真空環境中に配置ができ、複雑な形状を持つコンクリート製遮蔽体を提供することができる。
また、本発明の製作方法によれば、真空容器の中に格納して使用できるコンクリート製遮蔽体を容易に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の一実施例であるコンクリート製遮蔽体を、図1(a)及び(b)に示している。アルミニウム容器1は、内部にコンクリート3を充填し、コンクリート3は一定期間の気乾後に一定の温度で恒量となるまで乾燥させる。このアルミニウム容器1は、コンクリート3の充填用の開口部にアルミニウム蓋4を溶接して密封し、遮蔽体を構成する。アルミニウム容器1及びアルミニウム蓋4の内面部分には、それぞれ後述するような耐熱性に優れた無機系塗料を塗布して耐熱被覆層2、5を形成し、これら耐熱被覆層2、5によってアルミニウム−アルカリ反応を防止する。
【0019】
アルミニウム蓋4には、これを貫通して充填したコンクリート3内で保持されるステンレス製の吊り金具9を設けており、この吊り金具9もアルミニウム蓋4と真空気密に密封するために、この例では従来の技術で製作したアルミニウムとステンレスの異材継ぎ手10を用いて接合している。即ち、アルミニウム蓋4とは異材継ぎ手10のアルミニウム側を溶接で接合し、またステンレス製の吊り金具9とは異材継ぎ手10のステンレス側を溶接で接合することにより、真空気密にすることができる。吊り金具9には、例えばアイボルト11などの吊具を取り付け、遮蔽体の吊り上げ時に利用する。
【0020】
コンクリート3で保持される吊り金具9を有しているので、吊って移動する際にもアルミニウム容器1やアルミニウム蓋4に負担を与えることなく吊ることが可能になる。このため、アルミニウムの板厚を薄くして遮蔽体中のコンクリートの比率を高められる利点もある。アルミニウム容器1は、対向する内面同士を補強リブ8で接続して、強度を高めるようにすることもできる。
【0021】
本発明者らが行った耐熱被覆層の形成実験の例を、次に説明する。基材としてアルミニウム板(A5052)100mm×150mm×3mm厚を選択した。耐熱性に優れた無機系塗料には、第1層となる下地材としてシリカを主成分とする水系金属塩系塗料を、第2層となる上塗り材としてシリカを主成分とする金属アルコキシド系塗料を使用し、これらを順に塗布して耐熱被覆層2を形成し、十分乾燥させた。基材のアルミニウム板に塗布した塗料は、マッフル炉を用いて室温から500℃まで10分間で昇温させ、500℃で10分間保持し、マッフル炉内で200℃まで自然冷却後、マッフル炉より取り出して放冷するという熱衝撃を与え、加熱の前後にJIS G 5528−1984「ダグタイル鋳鉄管内エポキシ樹脂粉体塗装」に準拠してピンホール試験を実施した。
【0022】
上記の下地材としては、水系金属塩系塗料S−1000(株式会社日板研究所製)を180g/m程度で塗り、また上塗り材としては、金属アルコキシド系塗料SZ−50(株式会社日板研究所製)を1層が50g/m程度の2層塗りし、加熱の前後で試験電圧1000Vにて火花の発生するようなピンホールがない被膜を得ることができた。これら耐熱性に優れた無機系塗料は、同様の加熱や熱衝撃に耐えることができるものであれば、上記に限定するものではない。
【実施例2】
【0023】
本発明のコンクリート製遮蔽体の製作方法での工程の一例を、図2(a)から(d)に示している。まず、図2(a)に示すように加工成形したアルミニウム容器1には、その内面に上記した耐熱性に優れた無機系塗料を塗布して耐熱被覆層2を形成し、十分に乾燥させる。次に、図2(b)の如くアルミニウム容器1内に、一定量のコンクリート3を充填し、その後予め定めた期間、例えば4週間程度の気乾養生を行うようにする。
【0024】
充填するコンクリート3の単位容積あたりの質量としては、乾燥単位容積質量で所定の遮蔽性能が得られる配合を選択する。ここで、乾燥単位容積質量は、JASS 5N T−602「コンクリートの乾燥単位容積質量促進試験方法」に準じて、一定の温度で恒量となるまで乾燥させた単位容積あたりのコンクリートの質量である。
【0025】
気乾養生を行ったアルミニウム容器1は、図2(c)のように加熱炉20内に収納し、予め定めた100℃以上の温度、例えば105℃±5℃の温度でコンクリートが恒量となるまで乾燥を進める。この乾燥を行ってから、加熱炉から取り出し、図2(d)に示すように内面側に耐熱塗料を塗布して耐熱被覆層5を形成したアルミニウム蓋4を、アルミニウム容器1に真空気密に溶接接合することにより、真空中でも使用できるコンクリート製遮蔽体が製作できる。
【0026】
上記した製作方法では、コンクリートの恒量となるまで乾燥を早急に行うため、加熱炉を使用したが、これに代えて他の手段によって行うこともできる。またこの製作方法に示すコンクリート製遮蔽体には、アルミニウム容器の対向する内面同士を接続する補強リブや、アルミニウム蓋を貫通してコンクリート3で保持する吊り金具を設けてないが、これらを設けても同様に製作することができる。
【実施例3】
【0027】
本発明のコンクリート製遮蔽体の製作方法における工程の別例を、図3(a)から(d)に示している。この例でも図3(a)及び(b)の工程では、図2と同様に加工成型したアルミニウム容器1の内面に、耐熱性に優れた無機系塗料で耐熱被覆層2を形成し、コンクリート3を充填して十分な気乾養生を行う。
【0028】
次に、アルミニウム容器1の開口部を閉鎖するため、内面側に耐熱被覆層5を形成しすると共に、内部を真空排気するためのポート6を取付けたアルミニウム蓋4を、図3(c)の如くアルミニウム容器1と真空気密に溶接して接合する。アルミニウム蓋4と一体化したアルミニウム容器1の外側には、ヒータ21を取り付け、かつ断熱材22で覆うようにしている。真空排気用のポート6には、真空配管23を接続し、水トラップ又はコールドトラップ24を介して真空排気ポンプ25に接続する。この状態で、アルミニウム容器1を外側からヒータ21を用いて暖めながら、アルミニウム容器1の内部を真空排気し、真空乾燥を進める。
【0029】
真空排気時の断熱膨張によって、アルミニウム容器1の温度が低下することにより、コンクリート3内部の水が凍ってしまうのを防ぐため、ヒータ21の容量はアルミニウム容器1を100℃以上に加熱できることが望ましいが、50〜60℃程度に加熱できる容量であっても十分である。
【0030】
コンクリート3内の水は、水トラップ又はコールドのトラップ24で除去するが、真空排気ポンプ25は水分の空気を排気するため潤滑油を使用しない形式の真空排気ポンプが望ましい。コンクリート3が恒量となるまで乾燥した後、図3(d)に示すように真空排気用ポート6を栓7で密封すれば、コンクリート製遮蔽体が完成する。この製作方法によるコンクリート製遮蔽体であっても、実施例2と同様に補強リブや吊り金具は必要に応じて設けて製作できる。
この真空乾燥方式は、アルミニウム容器1の寸法が大きくなって加熱炉20に入れることができない場合に、恒久的設備である大型の加熱炉を準備せずに、コンクリート製遮蔽体を製作できるという利点がある。
【実施例4】
【0031】
本発明のコンクリート製遮蔽体の一実施例を、図4に示している。この例では、吊り金具を省いたアルミニウム容器1は、対向する内面同士をステンレス鋼などの補強リブ8で接続したもので、他の部分は図1の実施例と同様にして遮蔽体を構成している。このように、アルミニウム容器1の対向する内面同士を補強リブ8で接続すれば、真空雰囲気での内圧によってアルミニウム容器1が膨らんで変形することを抑制することができ、隣り合うアルミニウム容器や別の遮蔽体等と干渉するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例を示すコンクリート製遮蔽体の概略構成図で、(a)は縦断面図、(b)は側面断面図である。
【図2】本発明の一実施例である加熱炉を用いたコンクリート製遮蔽体の製作方法の概略製作工程図である。
【図3】本発明の他の実施例である真空乾燥を行うコンクリート製遮蔽体の製作方法の概略製作工程図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すコンクリート製遮蔽体の概略構成図で、(a)は縦断面図、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1…アルミニウム容器、2、5…耐熱被覆層、3…コンクリート、4…アルミニウム蓋、6…ポート、7…栓、8…補強リブ、9…吊り金具、10…異材継ぎ手、11…アイボルト、20…加熱炉、21…ヒータ、22…断熱材、23…真空配管、24…トラップ、25…真空排気ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム容器内にコンクリートを充填して構成するコンクリート製遮蔽体において、前記アルミニウム容器及びアルミニウム蓋の内面に耐熱性に優れた無機系塗料を塗布して形成する耐熱被覆層を設け、前記アルミニウム容器は、内面に耐熱被覆層を設けたアルミニウム蓋と溶接して密封して構成したことを特徴とするコンクリート製遮蔽体。
【請求項2】
請求項1において、前記耐熱被覆層は、シリカを主成分とする水系金属塩系塗料の下地材の第1層と、シリカを主成分とする金属アルコキシド系塗料の上塗り材の第2層からなることを特徴とするコンクリートを充填したコンクリート製遮蔽体。
【請求項3】
請求項1において、前記アルミニウム容器は、対向する内面間を接続する補強リブを設けて構成したことを特徴とするコンクリート製遮蔽体。
【請求項4】
請求項1又は3のいずれかににおいて、前記アルミニウム蓋には、アルミニウム容器内のコンクリートまで延びて保持される吊り金具を設けて構成したことを特徴とするコンクリート製遮蔽体。
【請求項5】
アルミニウム容器の内面に耐熱性に優れた無機系塗料にて耐熱被覆層を形成して十分に乾燥させ、前記アルミニウム容器内に一定量のコンクリートを充填して予め定めた一定期間の気乾養生を行い、その後前記アルミニウム容器内のコンクリートを恒量となるまで乾燥してから、前記アルミニウム容器には内面側に耐熱塗料を塗布して耐熱被覆層を形成したアルミニウム蓋を真空気密に溶接して接合したことを特徴とするコンクリート製遮蔽体の製作方法。
【請求項6】
請求項5において、コンクリートの恒量となるまで乾燥は、前記アルミニウム容器を加熱炉内に収納して予め定めた温度で行うことを特徴とすることをコンクリート製遮蔽体の製作方法。
【請求項7】
アルミニウム容器の内面に耐熱性に優れた無機系塗料にて耐熱被覆層を形成して十分に乾燥させ、前記アルミニウム容器内に一定量のコンクリートを充填して予め定めた一定期間の気乾養生を行い、その後前記アルミニウム容器と内面に耐熱被覆層を設けたアルミニウム蓋とを真空気密に溶接して接合し、アルミニウム蓋と一体化した前記アルミニウム容器の外側にヒータを取り貼り付けると共に断熱材で覆い、前記アルミニウム容器をヒータにて暖めながら内部を真空排気する真空乾燥を行い、前記コンクリートを恒量となるまで乾燥した後前記アルミニウム容器を密封することを特徴とするコンクリート製遮蔽体の製作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−33348(P2007−33348A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219818(P2005−219818)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【出願人】(504151365)大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 (125)
【出願人】(591249541)日立セメント株式会社 (2)