コンクリート部材用のシース管、及びこれを埋設したコンクリート部材の製造方法
【課題】コンクリート部材に穴を形成するシース管において、そのシース管をボルトにより型枠に取外し可能に設置する際に、その取付け作業を容易にする。
【解決手段】両端が開口する筒状体8の一端に蓋体9を固設し、該蓋体9に雌ねじ9cを形成したシース管7であって、その蓋体9の内側面には、前記雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向うほど拡径し、ボルト10の挿入側先端を、前記雌ネジ9cに誘導する案内面9eを設ける。
【解決手段】両端が開口する筒状体8の一端に蓋体9を固設し、該蓋体9に雌ねじ9cを形成したシース管7であって、その蓋体9の内側面には、前記雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向うほど拡径し、ボルト10の挿入側先端を、前記雌ネジ9cに誘導する案内面9eを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート部材用のシース管、及びこれを埋設したコンクリート部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート部材に、手摺支柱穴やアンカーボルト埋設穴等の穴を形成する方法として、例えば、図10,11に示すような方法が知られている。
【0003】
この従来方法は、コンクリート型枠101の側枠上部間に支枠102を架設し、該支枠102に、水平方向のシース管取付片103を有する取付部材104を取り付け、前記シース管取付片103の下面に、上端が開口し、下端に蓋体106を固設したシース管105を垂直状に配置し、ボルト107を、前記シース管取付片103に形成したボルト挿通穴108を通じてシース管105内に上方より挿通し、そのボルト107の先端部の雄ネジ109を蓋体106に形成した雌ネジ110に螺着して、シース管105を保持し、その後、コンクリート型枠101内にコンクリートを打設し、そのコンクリート硬化後に、前記ボルト107、支枠102、シース管取付片103、取付部材104をコンクリート型枠101より取外し、シース管105をコンクリート部材に埋設した状態にし、そのシース管105の中空部111を手摺支柱穴やアンカーボルト埋設穴等としている。
【0004】
また、前記蓋体106は、図10,11に示すように、その内側面112の全面が、シース管105を構成する筒状体113の軸心X−Xと直行する面で形成された平板状で形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように蓋体106を固設したシース管105においては、作業者が一方の手で、シース管105をシース管取付片103の下面に垂直状に位置させ、他方の手で、ボルト107をボルト挿通穴108から筒状体113内に挿入し、そのボルト107の雄ネジ109を蓋体106の雌ネジ110に螺着する際、筒状体113の上端開口部がシース管取付片103で閉塞されているため、作業者は、ボルト107の雄ネジ109と、蓋体106の雌ネジ110との位置合せが目視できない。そのため、ボルト107と筒状体113を相対的に径方向に移動して位置合せしなければならず、シース管105の取付け作業が面倒であった。
【0006】
そこで、本発明は、前記ボルト先端の雄ネジと、蓋体に形成した雌ネジとの位置合せを容易にし、シース管の取付け作業を容易にするコンクリート部材用のシース管、及びこれを埋設したコンクリート部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とからなり、
前記筒状体の他端側開口部を、ボルト挿通穴を有する取付部材で塞ぎ、先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入して、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合してコンクリート型枠に対して、取外し可能に配置されるシース管であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けたことを特徴とするコンクリート部材用のシース管である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート部材用のシース管において、前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とを有するシース管と、
コンクリート型枠に対して、前記シース管を取外し可能に配置する取付部材と、を有し、
前記取付部材は、ボルト挿通穴と、該ボルト挿通穴の周辺部から前記コンクリート型枠内方向に突出するシース管の位置決め部材を有し、
前記筒状体の他端部を、前記シース管の位置決め部材に対し係合して、前記筒状体の他端側開口部を、取付部材で塞いだ後に、
先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入し、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合して、前記シース管をコンクリート型枠に対して取外し可能に配置した後に、
前記コンクリート型枠内にコンクリートを打設し、前記他端側開口部がコンクリート部材の表面に開口するようにシース管が埋設されたコンクリート部材の製造方法であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けことを特徴とするコンクリート部材の製造方法である。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のコンクリート部材の製造方法において、前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蓋体の内側面に、雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けたことにより、ボルトを筒状体内へ挿入した際、ボルトの先端が、前記蓋体の案内面に当接した後に、該案内面を滑って雌ネジに誘導される。そのため、ボルトの雄ネジと蓋体の雌ネジとの位置合せ操作が容易に行え、シース管の取付け作業が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示すもので、コンクリート型枠へのシース管の設置状態を示す縦断面図。
【図2】図1におけるシース管のA−A線断面図。
【図3】本発明の実施例1に用いる蓋体の拡大断面図。
【図4】図1の取付部材とシース管とボルトを示す斜視図。
【図5】図1のシース管を用いてコンクリート部材に穴を形成した状態のコンクリート部材の側断面。
【図6】本発明の実施例2に用いる蓋体の側断面図。
【図7】本発明の実施例3に用いる蓋体の側断面図。
【図8】本発明の実施例4に用いる蓋体の側断面図。
【図9】本発明の実施例5に用いる蓋体の側断面図。
【図10】従来のシース管とその取り付け状態を示す側断面図。
【図11】図10のシース管の蓋体を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
図1乃至図5は本発明の実施例1を示す。なお、本実施例は平打式でシース管を鉛直状に配置してコンクリートを打設する場合の実施例である。
【0014】
図1は、コンクリート型枠1へのシース管7の設置状態を示す縦断面図で、コンクリート型枠1は、ベッド2と、その周縁に立設した側型枠3とからなる。
【0015】
対向する側型枠3,3の上端間には支枠4が取外し可能に架設され、成形するコンクリート部材に形成する穴(手摺支柱穴、アンカーボルト穴等)の位置に対応する位置において、前記支枠4に取付部材5が取外し可能に備えられている。
【0016】
この取付部材5は、図1,3に示すように、上方に起立し前記支枠4に対して取付ける取付片5aと、水平方向に設けられシース管7を取付けるシース管取付片5bとで、断面がL状に形成されている。該シース管取付片5bの下面5cの高さの位置は、取付部材5を支枠4に取り付けた状態にておいて、コンクリート型枠1内に打設されるコンクリート表面と略同一面となるように設定されているとともに、この下面5cは、後述するシース管7における筒状体8の他端側開口部8a全体を塞ぐことができる面積に形成されている。前記シース管取付片5bの中央部、すなわち、後述するように設置されたシース管7の軸心X−X線上に位置する部分には、該軸心X−Xと同心のボルト挿通穴5dが形成されている。なお、取付部材5の支枠4に対する取り付けは、例えば、図4に示すように、取付片5aに切欠部5eを形成し、この切欠部5eを支枠4に取外し可能に嵌合して取り付ける。
【0017】
前記シース管取付片5bの下面5cには、シース管7の他端側開口部8a内に嵌合する環状の位置決め部材6が下方へ突出して固設されている。該位置決め部材6の外形は、シース管7の他端側開口部8aの内面に沿う形状に形成され、位置決め部材6の外径は、他端側開口部8aの内径より若干小さく設定されて、該位置決め部材6が、シース管7の他端側開口部8aに取外し可能で、かつ、略いっぱいに嵌合するように設定されている。なお、この位置決め部材6は、シース管7の他端部を、これに係合して位置決めできるものであれば良く、前記の環状以外にも、部分的に突出した複数の突起を、適宜間隔を有して環状に設けても良い。
【0018】
次に、シース管7について説明する。
シース管7は、コンクリート部材に形成する穴30(図5参照)の直径及び長さに対応した所望の直径と長さの筒状体8と、蓋体9で構成されている。
【0019】
前記筒状体8は、図1〜5に示すように、その軸心X−X線と直交する横断面形状が円形で、内部に中空部8bを有し、かつ、その両端が開口する円筒状に形成されており、そのコンクリート部材の表面側端(他端)に他端側開口部8aを有し、コンクリート部材の内部側端(一端)に一端側開口部8cを有する。該筒状体8は、例えば、金属製のスパイラルシース管等で形成されている。
【0020】
前記筒状体8の一端側開口部8cには、外径を筒状体8の一端側開口部8cの外径と同等に形成した蓋体9が、その外周部9aを筒状体8の一端側開口部8cの外周面に溶接W等により固着して備えられている。
【0021】
前記蓋体9には、その中央部、すなわち、前記筒状体8の軸心X−X線と同心に、雌ネジ形成部9bが形成され、該雌ネジ形成部9b内に雌ネジ9cが図の上下方向に貫通して形成されている。該蓋体9における外周部9aと雌ネジ形成部9b間の本体部9dの内面は、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かうほど拡径する案内面9eに形成されている。本実施例1においては、案内面9eが、蓋体9の下側で、かつ、左右方向の外側に中心を有する円弧で形成した逆紡錘形状に形成されている。前記案内面9eは、外周部9aと雌ネジ9cの外縁の全体(全長)に亘って形成されている。また、蓋体9は、金属板で形成され、前記の形状をプレス加工にて形成した後に、雌ネジ形成部9bに雌ネジ9cを刻設した。
【0022】
そして、前記筒状体8を、その他端側開口部8aを、前記位置決め部材6の外周に嵌合した状態で、コンクリート型枠1内に配置し、多角形頭部10aを有するボルト10を、ボルト挿通穴5dに上方から挿通し、そのボルト10の先部に刻設した雄ネジ10bを、前記蓋体9の雌ネジ9cに螺合して、筒状体8と蓋体9からなるシース管7を、前記取付部材5のシース管取付片5bに垂設状態で、片持ちに支持するようになっている。
【0023】
なお、前記筒状体8と蓋体9を一体に形成してもよい。
次に、前記シース管7の設置作業とコンクリートの打設について説明する。
【0024】
先ず、コンクリート打設前において、対向する側型枠3,3の上端間に所定の位置において支枠4を架設する。
【0025】
次に、取付部材5を、所定の位置において、そのシース管取付け片5bを、水平姿勢にして、支枠4に取り付ける。
【0026】
次に、作業者が一方の手で、シース管7をコンクリート型枠1内に位置させて、その筒状体8の他端側開口端部8aを、前記取付部材5の位置決め部材6の外周部に嵌合して、図1に示すように垂直姿勢にする。
【0027】
次に、他方の手で、ボルト10を、その雄ネジ10b側から、取付部材5のボルト挿通穴5dを通じて、筒状体8内に挿入する。この挿入時において、ボルト10の雄ネジ10b側の先端が、筒状体8の軸心X−Xより側方にずれていると、そのボルト10の先端が蓋体9の案内面9eに当接し、この案内面9e上を滑って、蓋体9の中心部に形成された雌ネジ9cへ案内誘導され、ボルト10の軸心と筒状体8の軸芯が一致する。
【0028】
この状態で、ボルト10の頭部10aを締め回転すると、ボルト10の雄ネジ10bが、雌ネジ9cに螺合し、シース管7は、押し上げられ、その上端が取付部材5のシース管取付片5bに当接する。
【0029】
これにより、シース管7は、位置決め部材6により水平方向に対して位置決めされ、シース管取付片5bとボルト10により垂直姿勢が保持される。
【0030】
そして、図1の前記の状態でコンクリート型枠1内にコンクリートを打設する。
そして、前記のコンクリートの養生を行い、コンクリートが、位置決め部材6付の取付部材5を外してもシース管7が浮上せず、かつ、コテ押えできる硬さになった状態で、ボルト10を緩め回転して外し、位置決め部材6付の取付部材5及び支枠4を上方へ外し、周辺コテ押えを行う。
【0031】
これにより、図5に示すように、筒状体8の他端側開口部8aが、硬化したコンクリート部材40の表面と略同一位置に開口した状態で、筒状体8と蓋体9が硬化したコンクリート部材40内に残り、埋設される。この埋設されたシース管7の中空部8bにより、コンクリート表面側が開口する手摺支柱穴やアンカーボルト挿入穴等の穴30が形成される。
【0032】
なお、前記実施例は、プレキャストコンクリート部材(PCa部材)に適用した例であるが、本実施例を、現場打ちコンクリート部材、例えば現場打ち基礎にアンカーボルト埋設穴を形成する場合にも適用することができる。
【0033】
また、前記シース管7を水平方向に配置して、竪打式のコンクリート型枠に用いても良い。
[実施例2]
図6は、実施例2を示す。
【0034】
本実施例2は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の本体部9d、すなわち、案内面9eを、筒状体8側で、かつ、筒状体8の軸心X−X線上に中心を有する下方へ湾曲した円弧で形成し、蓋体9における外周部9aと、雌ネジ9cの外縁の間の内面を、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径する曲面となるように形成したものである。すなわち、案内面9eを曲面からなる椀状に形成し、蓋体9を漏斗状に形成し、前記案内面9eを、外周部9aと雌ネジ9cの外縁の全体(全長)に亘って形成したものである。
【0035】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例2においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
[実施例3]
図7は、実施例3を示す。
【0036】
本実施例3は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の本体部9d、すなわち、案内面9eを、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径するテーパ状傾斜面に形成したものである。すなわち、外周部9aと雌ネジ9cの外縁の全体(全長)に亘って案内面9eを逆円錐状に形成し、蓋体9を漏斗状に形成したものである。
【0037】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例3においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
[実施例4]
図8は、実施例4を示す。
【0038】
本実施例4は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の外周部9aから内側に向かって、筒状体8の軸心X−Xに対して直交する平板部9fを形成し、前記雌ネジ9cの外縁と平板部9fの内端との間に亘って、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径する曲面に形成したものである。即ち、椀状の案内面9eを蓋体9の一部に形成したものである。
【0039】
前記案内面9eは、筒状体8側で、かつ、筒状体8の軸心X−X線上に中心を有する下方へ湾曲した円弧で形成されている。該案内面9eの上端開口直径R1は、例えば、筒状体8の内径R2を約45〜50mmとし、雌ネジ9cの内径を約6mmとした場合に、約20mm以上に設定することが好ましい。
【0040】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例4においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0041】
更に、本実施例4によれば、一種類の蓋体9で、図8に示す内径R2の筒状体8や、該内径R2より小さい内径の筒状体8にも対応でき、内径R2の異なる筒状体8に対して、蓋体9のプレス金型を変更する必要がなく、シース管7の製作、管理が容易で、コスト低減を図ることができる。
[実施例5]
図9は、実施例5を示す。
【0042】
本実施例4は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の外周部9aから内側に向かって、筒状体8の軸心X−Xに対して直交する平板部9fを形成し、前記雌ネジ9cの外縁と平板部9fの内端との間に亘って、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径するテーパ状の平面に形成したものである。即ち、逆円錐形状の案内面9eを蓋体9の一部に形成したものである。
【0043】
該案内面9eの上端開口直径R1は、例えば、筒状体8の内径R2を約45〜50mmとし、雌ネジ9cの内径を約6mmとした場合に、約20mm以上に設定することが好ましい。
【0044】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例5においても、前記実施例4と同様の作用、効果を奏する。
[その他の実施例]
前記案内面9eの形状は、前記実施例1乃至5に示す形状に限定されず、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向う程拡径し、前記ボルト10の挿入側先端を雌ネジ9cに誘導することができる形状であれば、任意の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 コンクリート型枠
5 取付部材
5b ボルト挿通穴
6 位置決め部材
7 シース管
8 筒状体
8a 一端側開口部
8b 中空部
8c 他端側開口部
9 蓋体
9c 雌ネジ
9e 案内面
10 ボルト
10b 雄ネジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート部材用のシース管、及びこれを埋設したコンクリート部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート部材に、手摺支柱穴やアンカーボルト埋設穴等の穴を形成する方法として、例えば、図10,11に示すような方法が知られている。
【0003】
この従来方法は、コンクリート型枠101の側枠上部間に支枠102を架設し、該支枠102に、水平方向のシース管取付片103を有する取付部材104を取り付け、前記シース管取付片103の下面に、上端が開口し、下端に蓋体106を固設したシース管105を垂直状に配置し、ボルト107を、前記シース管取付片103に形成したボルト挿通穴108を通じてシース管105内に上方より挿通し、そのボルト107の先端部の雄ネジ109を蓋体106に形成した雌ネジ110に螺着して、シース管105を保持し、その後、コンクリート型枠101内にコンクリートを打設し、そのコンクリート硬化後に、前記ボルト107、支枠102、シース管取付片103、取付部材104をコンクリート型枠101より取外し、シース管105をコンクリート部材に埋設した状態にし、そのシース管105の中空部111を手摺支柱穴やアンカーボルト埋設穴等としている。
【0004】
また、前記蓋体106は、図10,11に示すように、その内側面112の全面が、シース管105を構成する筒状体113の軸心X−Xと直行する面で形成された平板状で形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように蓋体106を固設したシース管105においては、作業者が一方の手で、シース管105をシース管取付片103の下面に垂直状に位置させ、他方の手で、ボルト107をボルト挿通穴108から筒状体113内に挿入し、そのボルト107の雄ネジ109を蓋体106の雌ネジ110に螺着する際、筒状体113の上端開口部がシース管取付片103で閉塞されているため、作業者は、ボルト107の雄ネジ109と、蓋体106の雌ネジ110との位置合せが目視できない。そのため、ボルト107と筒状体113を相対的に径方向に移動して位置合せしなければならず、シース管105の取付け作業が面倒であった。
【0006】
そこで、本発明は、前記ボルト先端の雄ネジと、蓋体に形成した雌ネジとの位置合せを容易にし、シース管の取付け作業を容易にするコンクリート部材用のシース管、及びこれを埋設したコンクリート部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とからなり、
前記筒状体の他端側開口部を、ボルト挿通穴を有する取付部材で塞ぎ、先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入して、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合してコンクリート型枠に対して、取外し可能に配置されるシース管であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けたことを特徴とするコンクリート部材用のシース管である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート部材用のシース管において、前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とを有するシース管と、
コンクリート型枠に対して、前記シース管を取外し可能に配置する取付部材と、を有し、
前記取付部材は、ボルト挿通穴と、該ボルト挿通穴の周辺部から前記コンクリート型枠内方向に突出するシース管の位置決め部材を有し、
前記筒状体の他端部を、前記シース管の位置決め部材に対し係合して、前記筒状体の他端側開口部を、取付部材で塞いだ後に、
先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入し、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合して、前記シース管をコンクリート型枠に対して取外し可能に配置した後に、
前記コンクリート型枠内にコンクリートを打設し、前記他端側開口部がコンクリート部材の表面に開口するようにシース管が埋設されたコンクリート部材の製造方法であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けことを特徴とするコンクリート部材の製造方法である。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のコンクリート部材の製造方法において、前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蓋体の内側面に、雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けたことにより、ボルトを筒状体内へ挿入した際、ボルトの先端が、前記蓋体の案内面に当接した後に、該案内面を滑って雌ネジに誘導される。そのため、ボルトの雄ネジと蓋体の雌ネジとの位置合せ操作が容易に行え、シース管の取付け作業が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示すもので、コンクリート型枠へのシース管の設置状態を示す縦断面図。
【図2】図1におけるシース管のA−A線断面図。
【図3】本発明の実施例1に用いる蓋体の拡大断面図。
【図4】図1の取付部材とシース管とボルトを示す斜視図。
【図5】図1のシース管を用いてコンクリート部材に穴を形成した状態のコンクリート部材の側断面。
【図6】本発明の実施例2に用いる蓋体の側断面図。
【図7】本発明の実施例3に用いる蓋体の側断面図。
【図8】本発明の実施例4に用いる蓋体の側断面図。
【図9】本発明の実施例5に用いる蓋体の側断面図。
【図10】従来のシース管とその取り付け状態を示す側断面図。
【図11】図10のシース管の蓋体を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
図1乃至図5は本発明の実施例1を示す。なお、本実施例は平打式でシース管を鉛直状に配置してコンクリートを打設する場合の実施例である。
【0014】
図1は、コンクリート型枠1へのシース管7の設置状態を示す縦断面図で、コンクリート型枠1は、ベッド2と、その周縁に立設した側型枠3とからなる。
【0015】
対向する側型枠3,3の上端間には支枠4が取外し可能に架設され、成形するコンクリート部材に形成する穴(手摺支柱穴、アンカーボルト穴等)の位置に対応する位置において、前記支枠4に取付部材5が取外し可能に備えられている。
【0016】
この取付部材5は、図1,3に示すように、上方に起立し前記支枠4に対して取付ける取付片5aと、水平方向に設けられシース管7を取付けるシース管取付片5bとで、断面がL状に形成されている。該シース管取付片5bの下面5cの高さの位置は、取付部材5を支枠4に取り付けた状態にておいて、コンクリート型枠1内に打設されるコンクリート表面と略同一面となるように設定されているとともに、この下面5cは、後述するシース管7における筒状体8の他端側開口部8a全体を塞ぐことができる面積に形成されている。前記シース管取付片5bの中央部、すなわち、後述するように設置されたシース管7の軸心X−X線上に位置する部分には、該軸心X−Xと同心のボルト挿通穴5dが形成されている。なお、取付部材5の支枠4に対する取り付けは、例えば、図4に示すように、取付片5aに切欠部5eを形成し、この切欠部5eを支枠4に取外し可能に嵌合して取り付ける。
【0017】
前記シース管取付片5bの下面5cには、シース管7の他端側開口部8a内に嵌合する環状の位置決め部材6が下方へ突出して固設されている。該位置決め部材6の外形は、シース管7の他端側開口部8aの内面に沿う形状に形成され、位置決め部材6の外径は、他端側開口部8aの内径より若干小さく設定されて、該位置決め部材6が、シース管7の他端側開口部8aに取外し可能で、かつ、略いっぱいに嵌合するように設定されている。なお、この位置決め部材6は、シース管7の他端部を、これに係合して位置決めできるものであれば良く、前記の環状以外にも、部分的に突出した複数の突起を、適宜間隔を有して環状に設けても良い。
【0018】
次に、シース管7について説明する。
シース管7は、コンクリート部材に形成する穴30(図5参照)の直径及び長さに対応した所望の直径と長さの筒状体8と、蓋体9で構成されている。
【0019】
前記筒状体8は、図1〜5に示すように、その軸心X−X線と直交する横断面形状が円形で、内部に中空部8bを有し、かつ、その両端が開口する円筒状に形成されており、そのコンクリート部材の表面側端(他端)に他端側開口部8aを有し、コンクリート部材の内部側端(一端)に一端側開口部8cを有する。該筒状体8は、例えば、金属製のスパイラルシース管等で形成されている。
【0020】
前記筒状体8の一端側開口部8cには、外径を筒状体8の一端側開口部8cの外径と同等に形成した蓋体9が、その外周部9aを筒状体8の一端側開口部8cの外周面に溶接W等により固着して備えられている。
【0021】
前記蓋体9には、その中央部、すなわち、前記筒状体8の軸心X−X線と同心に、雌ネジ形成部9bが形成され、該雌ネジ形成部9b内に雌ネジ9cが図の上下方向に貫通して形成されている。該蓋体9における外周部9aと雌ネジ形成部9b間の本体部9dの内面は、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かうほど拡径する案内面9eに形成されている。本実施例1においては、案内面9eが、蓋体9の下側で、かつ、左右方向の外側に中心を有する円弧で形成した逆紡錘形状に形成されている。前記案内面9eは、外周部9aと雌ネジ9cの外縁の全体(全長)に亘って形成されている。また、蓋体9は、金属板で形成され、前記の形状をプレス加工にて形成した後に、雌ネジ形成部9bに雌ネジ9cを刻設した。
【0022】
そして、前記筒状体8を、その他端側開口部8aを、前記位置決め部材6の外周に嵌合した状態で、コンクリート型枠1内に配置し、多角形頭部10aを有するボルト10を、ボルト挿通穴5dに上方から挿通し、そのボルト10の先部に刻設した雄ネジ10bを、前記蓋体9の雌ネジ9cに螺合して、筒状体8と蓋体9からなるシース管7を、前記取付部材5のシース管取付片5bに垂設状態で、片持ちに支持するようになっている。
【0023】
なお、前記筒状体8と蓋体9を一体に形成してもよい。
次に、前記シース管7の設置作業とコンクリートの打設について説明する。
【0024】
先ず、コンクリート打設前において、対向する側型枠3,3の上端間に所定の位置において支枠4を架設する。
【0025】
次に、取付部材5を、所定の位置において、そのシース管取付け片5bを、水平姿勢にして、支枠4に取り付ける。
【0026】
次に、作業者が一方の手で、シース管7をコンクリート型枠1内に位置させて、その筒状体8の他端側開口端部8aを、前記取付部材5の位置決め部材6の外周部に嵌合して、図1に示すように垂直姿勢にする。
【0027】
次に、他方の手で、ボルト10を、その雄ネジ10b側から、取付部材5のボルト挿通穴5dを通じて、筒状体8内に挿入する。この挿入時において、ボルト10の雄ネジ10b側の先端が、筒状体8の軸心X−Xより側方にずれていると、そのボルト10の先端が蓋体9の案内面9eに当接し、この案内面9e上を滑って、蓋体9の中心部に形成された雌ネジ9cへ案内誘導され、ボルト10の軸心と筒状体8の軸芯が一致する。
【0028】
この状態で、ボルト10の頭部10aを締め回転すると、ボルト10の雄ネジ10bが、雌ネジ9cに螺合し、シース管7は、押し上げられ、その上端が取付部材5のシース管取付片5bに当接する。
【0029】
これにより、シース管7は、位置決め部材6により水平方向に対して位置決めされ、シース管取付片5bとボルト10により垂直姿勢が保持される。
【0030】
そして、図1の前記の状態でコンクリート型枠1内にコンクリートを打設する。
そして、前記のコンクリートの養生を行い、コンクリートが、位置決め部材6付の取付部材5を外してもシース管7が浮上せず、かつ、コテ押えできる硬さになった状態で、ボルト10を緩め回転して外し、位置決め部材6付の取付部材5及び支枠4を上方へ外し、周辺コテ押えを行う。
【0031】
これにより、図5に示すように、筒状体8の他端側開口部8aが、硬化したコンクリート部材40の表面と略同一位置に開口した状態で、筒状体8と蓋体9が硬化したコンクリート部材40内に残り、埋設される。この埋設されたシース管7の中空部8bにより、コンクリート表面側が開口する手摺支柱穴やアンカーボルト挿入穴等の穴30が形成される。
【0032】
なお、前記実施例は、プレキャストコンクリート部材(PCa部材)に適用した例であるが、本実施例を、現場打ちコンクリート部材、例えば現場打ち基礎にアンカーボルト埋設穴を形成する場合にも適用することができる。
【0033】
また、前記シース管7を水平方向に配置して、竪打式のコンクリート型枠に用いても良い。
[実施例2]
図6は、実施例2を示す。
【0034】
本実施例2は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の本体部9d、すなわち、案内面9eを、筒状体8側で、かつ、筒状体8の軸心X−X線上に中心を有する下方へ湾曲した円弧で形成し、蓋体9における外周部9aと、雌ネジ9cの外縁の間の内面を、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径する曲面となるように形成したものである。すなわち、案内面9eを曲面からなる椀状に形成し、蓋体9を漏斗状に形成し、前記案内面9eを、外周部9aと雌ネジ9cの外縁の全体(全長)に亘って形成したものである。
【0035】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例2においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
[実施例3]
図7は、実施例3を示す。
【0036】
本実施例3は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の本体部9d、すなわち、案内面9eを、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径するテーパ状傾斜面に形成したものである。すなわち、外周部9aと雌ネジ9cの外縁の全体(全長)に亘って案内面9eを逆円錐状に形成し、蓋体9を漏斗状に形成したものである。
【0037】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例3においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
[実施例4]
図8は、実施例4を示す。
【0038】
本実施例4は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の外周部9aから内側に向かって、筒状体8の軸心X−Xに対して直交する平板部9fを形成し、前記雌ネジ9cの外縁と平板部9fの内端との間に亘って、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径する曲面に形成したものである。即ち、椀状の案内面9eを蓋体9の一部に形成したものである。
【0039】
前記案内面9eは、筒状体8側で、かつ、筒状体8の軸心X−X線上に中心を有する下方へ湾曲した円弧で形成されている。該案内面9eの上端開口直径R1は、例えば、筒状体8の内径R2を約45〜50mmとし、雌ネジ9cの内径を約6mmとした場合に、約20mm以上に設定することが好ましい。
【0040】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例4においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0041】
更に、本実施例4によれば、一種類の蓋体9で、図8に示す内径R2の筒状体8や、該内径R2より小さい内径の筒状体8にも対応でき、内径R2の異なる筒状体8に対して、蓋体9のプレス金型を変更する必要がなく、シース管7の製作、管理が容易で、コスト低減を図ることができる。
[実施例5]
図9は、実施例5を示す。
【0042】
本実施例4は、前記蓋体9の案内面9eの変形例で、蓋体9の外周部9aから内側に向かって、筒状体8の軸心X−Xに対して直交する平板部9fを形成し、前記雌ネジ9cの外縁と平板部9fの内端との間に亘って、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向かう程拡径するテーパ状の平面に形成したものである。即ち、逆円錐形状の案内面9eを蓋体9の一部に形成したものである。
【0043】
該案内面9eの上端開口直径R1は、例えば、筒状体8の内径R2を約45〜50mmとし、雌ネジ9cの内径を約6mmとした場合に、約20mm以上に設定することが好ましい。
【0044】
その他の構造及びシース管7の設置作業等は前記実施例1と同様である。
本実施例5においても、前記実施例4と同様の作用、効果を奏する。
[その他の実施例]
前記案内面9eの形状は、前記実施例1乃至5に示す形状に限定されず、雌ネジ9cの外縁から筒状体8の他端側開口部8aに向う程拡径し、前記ボルト10の挿入側先端を雌ネジ9cに誘導することができる形状であれば、任意の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 コンクリート型枠
5 取付部材
5b ボルト挿通穴
6 位置決め部材
7 シース管
8 筒状体
8a 一端側開口部
8b 中空部
8c 他端側開口部
9 蓋体
9c 雌ネジ
9e 案内面
10 ボルト
10b 雄ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とからなり、
前記筒状体の他端側開口部を、ボルト挿通穴を有する取付部材で塞ぎ、先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入して、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合してコンクリート型枠に対して、取外し可能に配置されるシース管であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けたことを特徴とするコンクリート部材用のシース管。
【請求項2】
前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート部材用のシース管。
【請求項3】
両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とを有するシース管と、
コンクリート型枠に対して、前記シース管を取外し可能に配置する取付部材と、を有し、
前記取付部材は、ボルト挿通穴と、該ボルト挿通穴の周辺部から前記コンクリート型枠内方向に突出するシース管の位置決め部材を有し、
前記筒状体の他端部を、前記シース管の位置決め部材に対し係合して、前記筒状体の他端側開口部を、取付部材で塞いだ後に、
先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入し、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合して、前記シース管をコンクリート型枠に対して取外し可能に配置した後に、
前記コンクリート型枠内にコンクリートを打設し、前記他端側開口部がコンクリート部材の表面に開口するようにシース管が埋設されたコンクリート部材の製造方法であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けことを特徴とするコンクリート部材の製造方法。
【請求項4】
前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とする請求項3記載のコンクリート部材の製造方法。
【請求項1】
両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とからなり、
前記筒状体の他端側開口部を、ボルト挿通穴を有する取付部材で塞ぎ、先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入して、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合してコンクリート型枠に対して、取外し可能に配置されるシース管であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けたことを特徴とするコンクリート部材用のシース管。
【請求項2】
前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート部材用のシース管。
【請求項3】
両端が開口する中空部を有する筒状体と、該筒状体の一端に固設され、その中央部に雌ネジを有する蓋体とを有するシース管と、
コンクリート型枠に対して、前記シース管を取外し可能に配置する取付部材と、を有し、
前記取付部材は、ボルト挿通穴と、該ボルト挿通穴の周辺部から前記コンクリート型枠内方向に突出するシース管の位置決め部材を有し、
前記筒状体の他端部を、前記シース管の位置決め部材に対し係合して、前記筒状体の他端側開口部を、取付部材で塞いだ後に、
先部に雄ネジが刻設されたボルトを、前記ボルト挿通穴から筒状体内に挿入し、前記ボルトの雄ネジを前記蓋体の雌ネジに螺合して、前記シース管をコンクリート型枠に対して取外し可能に配置した後に、
前記コンクリート型枠内にコンクリートを打設し、前記他端側開口部がコンクリート部材の表面に開口するようにシース管が埋設されたコンクリート部材の製造方法であって、
前記蓋体の内側面には、前記雌ネジの外縁から筒状体の他端側開口部に向う程拡径し、前記ボルトの挿入側先端を、前記雌ネジに誘導する案内面を設けことを特徴とするコンクリート部材の製造方法。
【請求項4】
前記案内面を、前記蓋体の径方向の少なくとも一部に設けたことを特徴とする請求項3記載のコンクリート部材の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−255252(P2012−255252A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127422(P2011−127422)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000241474)トヨタT&S建設株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000241474)トヨタT&S建設株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
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