説明

コンシェルジュ装置およびコンシェルジュサービスの提供方法

【課題】利用者の状況の変化への追従や利用者自身が把握していないジャンルの情報の入手ができるようにコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置を提供する。
【解決手段】アクセス履歴収集部11は、利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出する。ライフイベント推定部13は、キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントDB14から、アクセス履歴収集部11で抽出されたキーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定する。サービス提示・収集部15は、ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスDB16から、ライフイベント推定部13で推定されたライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出されたサービスへのリンクおよび手順を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に役立つ情報を配信するコンシェルジュサービスを提供するためのコンシェルジュ装置およびそのサービスの提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話により提供されるサービスに、携帯電話が、まるで「執事」や「コンシェルジュ」のようにその人に役立つ情報を配信するコンシェルジュサービスがある。コンシェルジュサービスでは、事前に配信して欲しい情報あるいはそのジャンル等を利用者が予め登録しておくと、登録内容に伴う情報が配信される。例えば、実際に携帯電話向けのコンシェルジュサービスとして実施されている交通情報、気象情報等の通知においては、事前に路線名や地域等を登録しておくと、その路線での渋滞情報や、その地域での気象情報が配信される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“iコンシェル”、iモードプレス、NTTドコモ、[online]、[2010年3月5日検索]インターネット<URL:http://imode-press.jp/imode/top/topics/i_concier/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のコンシェルジュサービスでは、事前に配信して欲しい情報あるいはそのジャンル等を利用者が予め登録しておく必要があった。このようなコンシェルジュサービスでは、利用者の状況の変化への追従や利用者自身が把握できていないジャンルの情報を入手することは困難であった。例えば、気象情報の配信を受けようとして地域等を事前に登録すると、引越し等で利用者本人の状況が変化した場合には、サービス内容が追従できず、再登録をしない限り、以前登録した内容のまま、情報提示が続けられてしまう。GPS(Global Positioning System)情報の活用等により、利用者の位置や時間により利用者の状況変化への追従の試みはあるものの、この場合でもサービス利用時にGPS情報の活用について、利用者がサービスに対して予め許可、登録しない限り、古い登録内容に伴う情報提供は継続されてしまう。また、同様の理由から、利用者が活用可能な新たなサービスが提供されても、案内を見落とすことがあり、サービスを享受することができないという事態が発生していた。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、利用者が特別な事前登録を行うことなく、利用者の状況の変化への追従や利用者自身が把握していないジャンルの情報を入手することができるようにコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置およびコンシェルジュサービスの提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置であって、利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出するアクセス履歴収集部と、キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントデータベースから、前記アクセス履歴収集部で抽出されたキーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定するライフイベント推定部と、ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスデータベースから、前記ライフイベント推定部で推定されたライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出された前記サービスへのリンクおよび手順を提示するサービス提示・収集部とを備えることを特徴とする。
【0007】
上述した本発明のコンシェルジュ装置において、前記アクセス履歴は、前記利用者が、異なる種別の利用者端末を使用して前記Webページへアクセスしたときのアクセス履歴を含むことが好ましく、前記アクセス履歴からキーワードを抽出する際の抽出対象は、前記利用者端末の種別毎に異なることが好ましい。
また、前記サービス提示・収集部は、定期的にWebページにアクセスして行政サービスの新着情報を取得して、前記サービスデータベースを更新することが好ましい。
【0008】
また、本発明は、ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置におけるコンシェルジュサービスの提供方法であって、前記コンシェルジュ装置が、利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出するステップと、キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントデータベースから、抽出された前記キーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定するステップと、ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスデータベースから、推定された前記ライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出された前記サービスへのリンクおよび手順を提示するステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
上述した本発明のコンシェルジュサービスの提供方法において、前記アクセス履歴は、前記利用者が、異なる種別の利用者端末を使用して前記Webページへアクセスしたときのアクセス履歴を含むことが好ましく、前記アクセス履歴からキーワードを抽出する際の抽出対象は、前記利用者端末の種別毎に異なることが好ましい。
また、本発明のコンシェルジュサービスの提供方法は、定期的にWebページにアクセスして行政サービスの新着情報を取得して、前記サービスデータベースを更新するステップを更に含むことが好ましい。
【0010】
更に、本発明は、ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置として構成するコンピュータに、利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出するステップと、キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントデータベースから、抽出された前記キーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定するステップと、ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスデータベースから、推定された前記ライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出された前記サービスへのリンクおよび手順を提示するステップとを実行させるためのプログラムとしての特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、利用者の行動履歴を解析し、利用者が現在遭遇しているライフイベントを推定することによって、ライフイベントに関わる活用可能なサービスを利用者に提示するので、利用者が特別な事前登録を行うことなく、利用者の状況の変化への追従や利用者自身が把握できていないジャンルの情報を入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置の構成を示す図である。
【図2】利用者端末が携帯電話端末である場合における、利用者の利用履歴からライフイベントを決定し、メニューを生成するまでの処理の流れを説明する図である。
【図3】利用者端末がPCである場合における、利用者の利用履歴からライフイベントを決定し、メニューを生成するまでの処理の流れを説明する図である。
【図4】サービスDBを更新する処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、インターネットのポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置の構成を示す図である。利用者2は、ポータル上のコンシェルジュ装置を経由して、各サービスにアクセスする。図1に示すコンシェルジュ装置10は、アクセス履歴収集部11と、アクセス履歴DB(アクセス履歴データベース)12と、ライフイベント推定部13と、ライフイベントDB(ライフイベントデータベース)14と、サービス提示・収集部15と、サービスDB(サービスデータベース)16を備える。コンシェルジュ装置10は、コンピュータとして構成することができ、コンシェルジュ装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの記憶部に格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。なお、アクセス履歴DB12と、ライフイベントDB14と、サービスDB16は、コンシェルジュ装置10の内部ではなく、外部に備えるようにしても良い。
【0014】
アクセス履歴収集部11は、サービスプロバイダ3〜3のWebページに接続されており、利用者2のWebページへのアクセス履歴を収集する。アクセス履歴DB12には、アクセス履歴収集部11が収集したアクセス履歴が利用者毎に記録される。アクセス履歴には、利用者2が、通信手段や通信経路が異なる、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話端末、インターネット対応テレビ、インターネット対応街頭端末等の、異なる種別の利用者端末を使用してWebページにアクセスしたときのアクセス履歴が含まれる。アクセス履歴の収集の際、利用者2からの事前登録等は特に必要としない。
また、アクセス履歴収集部11は、アクセス履歴DB12を参照して、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出する。
【0015】
ライフイベントDB14には、キーワードとライフイベント(結婚、退職、病気等)とが関連付けられて予め記録されている。ライフイベント推定部13は、ライフイベントDB14を検索し、ライフイベントDB14から、アクセス履歴収集部11で抽出されたキーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して、利用者が現在遭遇しているライフイベント(結婚、退職、病気等)を推定する。ライフイベントの推定は、アクセス履歴のみから行うため、利用者2による事前登録等は特に必要としない。
【0016】
サービスDB16には、ライフイベントとサービスとが関連付けられて予め記録されている。サービス提示・収集部15は、サービスDB16を検索し、サービスDB16から、ライフイベント推定部13で推定されたライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に当該サービスへのリンクおよび手順を提示する。また、サービス提示・収集部15は、サービスを提供する自治体等4〜4のWebページおよびその他の公共サービス5のWebページに接続される。
【0017】
また、コンシェルジュ装置10は、利用者属性情報17を、図示しない記憶部に記憶しており、サービス提示・収集部15は、利用者属性情報17を活用して、利用者2が関係する自治体等のWebページからライフイベントに関連するサービスへのリンクを収集する。なお、利用者属性情報17は、利用者2の居住地、年齢、性別等の情報であり、サービス開始時の本人性の確認情報に含まれていることを想定する。属性情報以外の利用者2による事前登録等は特に必要としない。
【0018】
利用者がWebページにアクセスする際、ポータル1を構築するコンシェルジュ装置を経由する。これにより、通信手段や通信経路が異なる、異なる種別の利用者端末であっても、どのWebページにアクセスしたかを判別可能となる。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)からのアクセスだけでなく、携帯電話端末あるいはインターネット対応テレビからのアクセスであっても、アクセス履歴の収集が可能となる。PC用のWebページを携帯電話用に書式変換するようなサービスが提供されているが、コンシェルジュ装置10は、このようなサービスを複数のアクセス手段向けに拡張したものの中に組み込まれることを想定している。
【0019】
図2は、利用者端末が携帯電話端末である場合における、利用者の利用履歴からライフイベントを決定し、メニューを生成するまでの処理の流れを説明する図である。なお、ここでは利用者の本人性確認は済んでいるものとする。
携帯電話端末(利用者端末)に、コンシェルジュサービスを提供するポータル画面を表示し、ポータル画面上で、利用者2が携帯電話端末からURLを入力して(S101)、Webアクセスすると(S102)、コンシェルジュ装置10のアクセス履歴収集部11は、アクセスしたURLと時刻を利用者毎にアクセス履歴DB12に記録するとともに(S103)、利用者2の入力したURLで、サービスプロバイダ3〜3が提供するWebページにアクセスする(S104)。コンシェルジュ装置10のアクセス履歴収集部11は、サービスプロバイダからアクセス結果を取得すると(S105)、アクセス結果の内容と時刻をアクセス履歴DB12に記録し(S106)、アクセス結果を端末種別により整形して携帯電話端末のポータル画面上に表示する(S107)。利用者2は、携帯電話端末の画面に表示されたアクセス結果を閲覧する(S108)。
【0020】
以上の動作を繰り返して、利用者2のアクセスが終了した後、あるいは、利用者2のアクセスの背後で平行して、コンシェルジュ装置10のアクセス履歴収集部11は、アクセス履歴DB12に記録されている、利用者2がアクセスした滞在時間(視聴時間)の長いWebページの内容を全文検索し、出現頻度の高いキーワードを抽出する(S109)。キーワードの抽出には、既存の日本語全文検索システム等のキーワード抽出機能を活用する。抽出されたキーワードについて出現頻度を算出する。
【0021】
出現頻度の算出の際、類義語もあわせてカウントする。アクセス履歴収集部11は、出現頻度が多いキーワードをライフイベント推定部13に受け渡す。出現頻度の大小により受け渡すキーワードを決定する方法としては、上位から積算して全体の60%を占めるキーワードとする方法、出現頻度の上位から中間値まで占めるキーワードとする方法、出現頻度の平均値を算出し平均値以上のキーワードとする方法のいずれかを採用する。
【0022】
キーワードの抽出対象とするWebページの内容は、利用者端末の特徴を考慮し、利用者端末の種別毎に異なるようにしている。携帯電話端末やテレビの場合、画面サイズや画面解像度、操作手段の制約により、一回に表示できる情報量が限られており、視聴時間の長いページ内に利用者が求めている情報が含まれている可能性が高いことに着目し、ページ遷移時の時間を記録し、一連の操作の範囲内で滞在時間の長さで優先順位付けを行った上で、優先順位の高いWebページ(例えば、上位3件等)を抽出対象とする。滞在時間の短いWebページを排除することにより、処理時間の短縮を図るとともに、誤操作により遷移した関係のないページを対象から外して、後述するライフイベントの推定における確度を向上させる効果も期待できる。
また、携帯電話端末では、先頭行や最終行に、本文内容とは関係のない公告、「次へ」や「前へ」等のページ操作が挿入されている場合があるため、先頭行、最終行および先頭行、最終行前後のリンクを含む行については、抽出対象から省く。
【0023】
ライフイベント推定部13は、アクセス履歴収集部11からキーワードを受け取ると、受け取ったキーワードに基づきライフイベントDB14を検索し、類義語を含め一致するキーワードが多く含まれているライフイベントを抽出して、そのライフイベントを利用者が現在遭遇しているライフイベントと推定する(S110)。例えば、キーワードが、「赤ちゃん」「ミルク」であれば、ライフイベント推定部13は、ライフイベントとして「育児」を推定する。ライフイベントDB14には、キーワードからライフイベントを特定するため、予めライフイベント毎に関連するキーワードを記録しておく。ライフイベント推定部13は、推定したライフイベントの情報をサービス提示・収集部15に受け渡す。
【0024】
サービス提示・収集部15は、ライフイベント推定部13からライフイベントの情報を受け取ると、受け取ったライフイベントの情報に基づいてサービスDB16を検索し、ライフイベントの情報に関連する自治体等4〜4の提供する行政サービス等を抽出する(S111)。そして、サービス提示・収集部15は、抽出したサービス情報を含めた次回アクセス時の利用者提示メニューを利用者毎に生成(検索結果を反映)する(S112)。例えば、サービス提示・収集部15は、ライフイベントが「育児」であれば、サービス情報として「子供手当て」等を検索し、「子供手当て」等のサービスへのリンクおよび手順をポータル画面に追加する。
以上の処理は、利用者のアクセス終了後(一定期間以上、アクセスされない場合)、あるいは、定期的(後述するサービスDBの更新直後)に実施される。
【0025】
図3は、利用者端末がPCである場合における、利用者の利用履歴からライフイベントを決定し、メニューを生成するまでの処理の流れを説明する図である。なお、ここでは利用者の本人性確認は済んでいるものとする。図2の場合とは、キーワードの抽出対象が異なるだけであり、その他は、図2の場合と同様である。
ポータル画面上で、利用者2がPCからURLを入力して(S201)、Webアクセスすると(S202)、コンシェルジュ装置10のアクセス履歴収集部11は、アクセスしたURLと時刻を利用者毎にアクセス履歴DB12に記録するとともに(S203)、利用者2の入力したURLで、サービスプロバイダ3〜3が提供するWebページにアクセスする(S204)。コンシェルジュ装置10のアクセス履歴収集部11は、サービスプロバイダからアクセス結果を取得すると(S205)、アクセス結果の内容と時刻をアクセス履歴DB12に記録し(S206)、アクセス結果を端末種別により整形して携帯電話端末のポータル画面上に表示する(S207)。利用者2は、PCの画面に表示されたアクセス結果を閲覧する(S208)。
【0026】
以上の動作を繰り返して、利用者2のアクセスが終了した後、あるいは、利用者2のアクセスの背後で平行して、コンシェルジュ装置10のアクセス履歴収集部11は、アクセス履歴DB12に記録されている、利用者2がアクセスした滞在時間(視聴時間)の長いWebページへのリンクが含まれるパラグラフを全文検索し、出現頻度の高いキーワードを抽出する(S209)。
【0027】
PCの場合、1ページに表示される情報量が多いため、余分な情報が含まれてしまうので、これを排除するため、利用者がアクセスしたWebページへのリンクが含まれるパラグラフ(空白行で区切られた範囲をパラグラフとみなす)を抽出対象として、出現頻度の高いキーワードを抽出する。なお、リンクが含まれるパラグラフとその前後のパラグラフを抽出対象としても良い。本発明は、このように、キーワードを抽出する際の抽出対象を、利用者端末の特徴を考慮し、利用者端末の種別毎に異なるようにして、後述するライフイベントの推定における確度を向上させている。
【0028】
また、さらに携帯電話端末の場合と同様に、遷移時の時間を記録し、遷移後の滞在時間の長さで優先順位付けを行った上で、優先順位の高いWebページ(例えば、上位3件等)へのリンクが含まれるパラグラフを抽出対象とする。滞在時間の短いWebページへのリンクが含まれるパラグラフを排除することにより、処理時間の短縮を図るとともに、誤操作による関係のないページへのリンクが含まれるパラグラフを対象から外して、後述するライフイベントの推定における確度を向上させる効果も期待できる。
【0029】
ライフイベント推定部13は、アクセス履歴収集部11からキーワードを受け取ると、受け取ったキーワードに基づきライフイベントDB14を検索し、類義語を含め一致するキーワードが多く含まれているライフイベントを抽出して、そのライフイベントを利用者が現在遭遇しているライフイベントと推定する(S210)。サービス提示・収集部15は、ライフイベント推定部13からライフイベントの情報を受け取ると、受け取ったライフイベントの情報に基づいてサービスDB16を検索し、ライフイベントの情報に関連する自治体等4〜4の提供する行政サービス等を抽出する(S211)。そして、サービス提示・収集部15は、抽出したサービス情報を含めた次回アクセス時の利用者提示メニューを利用者毎に生成(検索結果を反映)する(S212)。
【0030】
図4は、サービスDBを更新する処理の流れを説明する図である。自治体等4〜4は、自治体等が提供するWebページに新行政サービスを公示する(S301)。コンシェルジュ装置10のサービス提示・収集部15は、利用者属性情報17を利用し、利用者が居住する、あるいは就労する職場がある自治体を選定して、定期的に自治体のWebページにアクセスし(S302)、掲載日や新着表示などから、新行政サービスの有無をチェックして、新着情報を取得する(S303)。そして、新着情報の内容を全文検索して、出現頻度の高いキーワードを抽出する(S304)。新着情報からのキーワードの抽出および出現頻度の算出には、図2で説明した利用者のアクセス履歴からのキーワードの抽出および出現頻度の算出の場合と同様の方法を用いる。
次に、サービス提示・収集部15は、抽出した出現頻度の高いキーワードに基づきライフイベントDB14を検索し、類義語を含め一致するキーワードが多く含まれているライフイベントを抽出し(S305)、ライフイベントをキーとしてサービス情報をサービスDB16へ記録してサービスDB16を更新する(S306)。
【符号の説明】
【0031】
1 ポータル
2 利用者
〜3 サービスプロバイダ
〜4 自治体等
5 その他の公共サービス
10 コンシェルジュ装置
11 アクセス履歴収集部
12 アクセス履歴DB
13 ライフイベント推定部
14 ライフイベントDB
15 サービス提示・収集部
16 サービスDB
17 利用者属性情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置であって、
利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出するアクセス履歴収集部と、
キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントデータベースから、前記アクセス履歴収集部で抽出されたキーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定するライフイベント推定部と、
ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスデータベースから、前記ライフイベント推定部で推定されたライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出された前記サービスへのリンクおよび手順を提示するサービス提示・収集部と、
を備えることを特徴とするコンシェルジュ装置。
【請求項2】
前記アクセス履歴は、前記利用者が、異なる種別の利用者端末を使用して前記Webページへアクセスしたときのアクセス履歴を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンシェルジュ装置。
【請求項3】
前記アクセス履歴からキーワードを抽出する際の抽出対象は、前記利用者端末の種別毎に異なることを特徴とする請求項2に記載のコンシェルジュ装置。
【請求項4】
前記サービス提示・収集部は、定期的にWebページにアクセスして行政サービスの新着情報を取得して、前記サービスデータベースを更新することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンシェルジュ装置。
【請求項5】
ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置におけるコンシェルジュサービスの提供方法であって、
前記コンシェルジュ装置が、
利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出するステップと、
キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントデータベースから、抽出された前記キーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定するステップと、
ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスデータベースから、推定された前記ライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出された前記サービスへのリンクおよび手順を提示するステップと、
を含むことを特徴とするコンシェルジュサービスの提供方法。
【請求項6】
前記アクセス履歴は、前記利用者が、異なる種別の利用者端末を使用して前記Webページへアクセスしたときのアクセス履歴を含むことを特徴とする請求項5に記載のコンシェルジュサービスの提供方法。
【請求項7】
前記アクセス履歴からキーワードを抽出する際の抽出対象は、前記利用者端末の種別毎に異なることを特徴とする請求項6に記載のコンシェルジュサービスの提供方法。
【請求項8】
定期的にWebページにアクセスして行政サービスの新着情報を取得して、前記サービスデータベースを更新するステップを更に含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のコンシェルジュサービスの提供方法。
【請求項9】
ポータル上でコンシェルジュサービスを提供するコンシェルジュ装置として構成するコンピュータに、
利用者のWebページへのアクセス履歴を収集し、収集したアクセス履歴からキーワードを抽出するステップと、
キーワードとライフイベントとが関連付けられて記録されているライフイベントデータベースから、抽出された前記キーワードに関連付けられたライフイベントを抽出して推定するステップと、
ライフイベントとサービスとが関連付けられて記録されているサービスデータベースから、推定された前記ライフイベントに関連付けられたサービスを抽出して、ポータル画面上に、抽出された前記サービスへのリンクおよび手順を提示するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−227746(P2011−227746A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97591(P2010−97591)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)