説明

コンタクトレンズの販売システムおよび販売方法

【課題】コンタクトレンズ使用者が新たなコンタクトレンズを再入手するに際して、使用者の安全確保を疎かにすることなく、使用者の手続きの簡便化を効率的に図ることが出来る、コンタクトレンズの新規な販売方法および販売システムを提供すること。
【解決手段】各会員(使用者)へのコンタクトレンズの再提供に際して、メーカー側から会員へコンタクトレンズを直接に配送することを許可する承認方法を、各会員毎に関連付けられた店舗によって事前に登録しておく。これにより、各会員を適切に把握し得る店舗の判断に基づいて、会員毎に、宅配で再提供を許可したり、店舗への来店等を条件に再提供するようにするシステムを、効率的に実現せしめ得た。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズを使用者(ユーザ)に提供するための販売システム及び販売方法に係り、特に会員制を採用して新しいコンタクトレンズを必要な時期に再提供するコンタクトレンズの販売システム及び販売方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、眼の角膜に重ね合わされて装用されるコンタクトレンズが広く用いられている。かかるコンタクトレンズは、レンズの材質等によって異なるものの、使用期限が短いもので一日から数週間または数カ月、長くても一年〜数年程度とされている。それ故、コンタクトレンズの使用者は、コンタクトレンズの使用期限が到来する度に、使用していたコンタクトレンズを廃棄し、新たなコンタクトレンズを再入手することが必要になる。
【0003】
ところで、コンタクトレンズは人体に直接に装用されるものであって高度管理医療機器であり、装用状態や取扱状態などによって装用者に健康上の悪影響を及ぼすおそれがある。それ故、コンタクトレンズの新規入手だけでなく再入手も、コンタクトレンズに関して専門的な知識と経験を備えたコンタクトレンズ販売店の管理下で行われるべきである。特に、コンタクトレンズを安全に使用し続けるには、コンタクトレンズ販売店において、各使用者毎に、眼科医による診断結果を考慮したり、過去の使用状況や履歴を確認しつつ、コンタクトレンズの再提供を行うことが有効である。それ故、使用者がコンタクトレンズを新規入手する場合だけでなく再入手する際にも、各使用者が特定のコンタクトレンズ販売店を継続して利用することが望ましい。
【0004】
ところが、近年では、コンタクトレンズの利用者数の増加と使用期限の短い使い捨て型のコンタクトレンズの普及とが相俟って、コンタクトレンズが一般の大量消費財のように扱われる傾向にある。具体的には、再入手の度に店舗まで出向くことが面倒であると感ずる使用者の意向に対応するように、長期間に亘って何等の手続きを必要とすることなくインターネット等で再入手の注文を受けて宅配等による販売を行ったり、販売規制が緩い国外からコンタクトレンズを通販で提供することも行われているようである。しかも、使用者の急増に対応する販売店の増加とそれに伴う顧客の流動により、使用者毎の履歴情報の収集および管理が一層困難になっている。(特許文献1,2参照)
【0005】
このように、使用者のコンタクトレンズの再入手の簡便さだけが先走っており、使用者の安全がおざなりになっているのが現状である。このまま、使用者におけるコンタクトレンズ再入手の簡便さだけが重視される状況が進めば、コンタクトレンズの不適切な装用や取扱い等により使用者の健康状態に悪影響が出始めていても、健康状態が相当に悪化して使用者が自発的に眼科医に行く程になるまではコンタクトレンズを再入手して使用を続けることとなり、使用者の健康に悪影響が及ぼされ続けることが防止できなくなる。そして、使用者の健康状態が相当に悪化した後では、その治療さえも難しくなってしまうおそれがある。
【0006】
なお、このような状況下でも、国内最大手のコンタクトレンズメーカーである本出願人は、使用者の安全を優先し、原則として当該使用者が継続的に利用している販売店(店舗)に来店することを条件として、新たなコンタクトレンズを当該店舗を通じて使用者に再提供してきている。しかしながら、使用者、特に使用期限が短い使い捨て型のコンタクトレンズの使用者には、安全性を確保することの代償として、コンタクトレンズの再入手の手続きに、必要以上の面倒を強いている場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2006−503386号公報
【特許文献2】特表2007−512191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、コンタクトレンズ使用者が新たなコンタクトレンズを再入手するに際して、使用者の安全性の確保と、使用者の手続きの簡易化とを、両立して達成することが出来ると共に、使用者毎の履歴情報の収集および管理も効率的に行うことが可能となる、コンタクトレンズの新規な販売システムおよび販売方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンタクトレンズの販売システムに関する本発明の特徴とするところは、(a)コンタクトレンズを提供するレンズ提供主体の利用に供されるサーバ装置と、(b)前記コンタクトレンズの販売窓口となる複数の店舗の利用にそれぞれ供される複数の店舗用クライアント装置と、(c)前記コンタクトレンズの提供を受ける複数の会員制ユーザの利用にそれぞれ供される複数の会員用クライアント装置と、(d)前記複数の会員制ユーザを個別に特定するユーザ識別情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの配送先情報と、各該会員制ユーザを前記複数の店舗の何れかと関連付ける店舗関連付情報と、各該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズ情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの提供履歴情報と、各該会員制ユーザの有効期限情報とを記憶する、前記サーバ装置に設けられた記憶手段と、(e)前記サーバ装置に対して前記複数の店舗用クライアント装置および前記複数の会員用クライアント装置をそれぞれ接続する通信ネットワーク手段とを、(f)含んで構成されたコンタクトレンズの販売システムであって、(g)前記会員用クライアント装置に設けられて、前記コンタクトレンズを前記レンズ提供主体から前記会員制ユーザへ直接配送することを要求するレンズ発注信号を、該会員用クライアント装置から前記サーバ装置へ送信する発注手段と、(h)前記サーバ装置に設けられて、レンズ提供の承認信号を生成する承認手段として、以下の第一の承認手段および第二の承認手段の何れかを、前記店舗用クライアント装置から送信される選択設定信号により選択して設定可能とする承認方法選択手段と、(i)前記サーバ装置に設けられて、前記会員用クライアント装置からの前記レンズ発注信号を受信することにより、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、該会員制ユーザに関連付けられた店舗の前記店舗用クライアント装置へ承認要求信号を送信する承認要求手段と、該店舗用クライアント装置に設けられて、前記承認信号を生成して該サーバ装置に該承認信号を送信する承認回答手段とを、含む第一の承認手段と、(j)前記サーバ装置に設けられて、前記会員用クライアント装置からの前記レンズ発注信号を受信することにより、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記承認信号を生成する第二の承認手段と、(k)前記サーバ装置に設けられて、前記承認方法選択手段で選択設定された前記承認手段によって得られた前記承認信号に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズ情報および前記配送先情報により該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズおよび配送先を特定して、該会員制ユーザへの該コンタクトレンズの配送を指示する配送指示信号を出力する配送指示出力手段とを、(l)有するコンタクトレンズの販売システムにある。
【0010】
本発明に従う構造とされたコンタクトレンズの販売システムでは、コンタクトレンズの提供を希望するユーザは、発注手段により、会員用クライアント装置を構成する携帯電話等からレンズ提供主体のサーバ装置へ発注信号を送信することで、直接に注文することができる。一方、かかるユーザからのコンタクトレンズ提供の要求に対して、どのような手続きで承認するかは、予め各ユーザ毎に関連付けられたコンタクトレンズ販売店によって決めることができる。即ち、ユーザに関連付けられた店舗は、当該ユーザを良く知っていて互いの信頼性も高いはずであるから、ユーザ毎の事情を考慮してユーザ毎に適切な承認手段を選択採用することにより、安全性と簡便さの要求に対応した手続きを経てコンタクトレンズの再提供を行うことが可能となるのである。
【0011】
具体的には、各店舗は、承認方法選択手段により、各会員制ユーザーについて、少なくとも二種類の承認方法の中から何れかを選択して設定することができる。一つの承認方法は、第一の承認手段を選択設定することで実行されるものであり、ユーザからコンタクトレンズ提供を求める発注信号の送信があった場合に、その都度、店舗が確認してコンタクトレンズ提供の承認/非承認を判定し、承認する場合には店舗用クライアント装置からサーバ装置へ承認信号を送信する。もう一つの承認方法は、第二の承認手段を選択設定することで実行されるものであり、ユーザからコンタクトレンズ提供を求める発注信号の送信があった場合に、店舗の確認を必要とすることなく、サーバ装置が承認信号を生成する。そして、何れの承認方法による場合であっても、サーバ装置において承認信号が得られたら、配送指示出力手段により、当該ユーザに対応するコンタクトレンズが、レンズ提供主体からユーザの手元へ直接に発送されて提供されることとなる。
【0012】
従って、各ユーザを良く知っている、予め各ユーザに関連付けられた店舗が、各ユーザの履歴や状況を総合的に考慮して、各ユーザ毎にコンタクトレンズの提供条件を、店舗側の判断に基づいて設定することが可能となる。例えば、過去に充血などの傾向が認められたユーザや連続装用時間が長めのユーザなどには、店舗側の判断により、コンタクトレンズの再提供の要求の都度に店舗が承認を行うこととし、頻繁な検査を要求することも可能であるし、一方、長期間に亘って全く異常が認められていないユーザなどには、店舗側の判断により、店舗の毎々の承認を必要とすることなく、コンタクトレンズの再提供の要求に対して直ちにレンズ提供主体が対応してコンタクトレンズを配送することも可能となる。
【0013】
このように、本発明のコンタクトレンズ販売システムを採用することにより、各ユーザ毎の状況を考慮して、ユーザに近い存在である店舗が、ユーザのコンタクトレンズの再提供への対応方法を適宜に設定することが出来るのであり、それによって、ユーザの危険を未然に防止しつつコンタクトレンズを効率的に提供することでユーザの安全性を確保しつつ、問題の無いユーザにまで過度の負担をかけることが回避され得る。その結果、コンタクトレンズ使用者が新たなコンタクトレンズを再入手するに際して、使用者の安全性の確保と、使用者の手続きの簡易化とが、両立して達成されるのである。
【0014】
また、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズの販売システムでは、コンタクトレンズを提供するユーザとして、所定の会費を支払っていることを条件として認められた会員制ユーザを対象とすることとなる。それ故、毎々のコンタクトレンズの再入手の度に代金を支払う等の物販処理を必要とすることがないことから、コンタクトレンズの再入手に際してユーザの手続きが一層簡易化され得る。また、会員制ユーザを対象とすることにより、各ユーザを特定の販売店に対して一層強固に結びつけることが出来、各販売店が各ユーザの使用状況をより詳細に把握して、コンタクトレンズの提供に際しての安全性を一層高度に確保することが可能となるのである。
【0015】
しかも、本発明のコンタクトレンズ販売システムでは、極めて多数のユーザからのコンタクトレンズの発注情報や、極めて多数の店舗による承認/非承認の情報、更に各ユーザへのコンタクトレンズの配送情報などが、全て、レンズ提供主体のサーバ装置に集められる。それ故、ユーザや店舗の数が非常に増大した場合でも、ユーザ毎の履歴情報の収集および管理も効率的に行うことが可能となり、ユーザおよび店舗への情報提供のサポートも効果的に且つ効率的に実現可能となる。
【0016】
加えて、各ユーザへのコンタクトレンズの提供が、各店舗からでなくコンタクトレンズメーカー等のレンズ提供主体からの配送によって行われることから、各店舗が多種類のコンタクトレンズをストックしておく必要もなく、各店舗での在庫不足によって会員へのレンズ提供が遅れることもない。特に、一日等の短期間での使い捨て型コンタクトレンズが多くなった場合でも、各店舗の在庫や管理の負担が大幅に軽減されるという利点があるし、レンズメーカーからの直送であるが故に、出荷量の少ない稀な規格のコンタクトレンズ等にも迅速且つ効率的に対応することが可能になってユーザの利便性が向上される。
【0017】
さらに、本発明システムにおける第一の承認手段および第二の承認手段の何れでも、ユーザが必要な時に発注手段でコンタクトレンズを注文することが出来、かかる注文に対応した承認手段での承認処理を経て、レンズ提供主体からユーザへ速やかにコンタクトレンズが配送されることとなる。それ故、例えば予めスケジュールされた一定期間毎にコンタクトレンズが自動的に宅配される場合に比して、各会員に応じて柔軟に必要なだけのコンタクトレンズを必要な時に効率的に提供することが可能となるのである。具体的には、例えば一日使い捨て型のコンタクトレンズを使用中に、生活環境の一時的な変化で眼にゴミが入り易くて一日に数回のレンズ交換が続いたり、一日あたり複数回に分けた睡眠で数回のレンズ交換が続いたりして、予定よりも早くコンタクトレンズが無くなった場合にも、予定よりも早い時期にコンタクトレンズの注文をすることで必要なコンタクトレンズの提供を受けることも可能となる。
【0018】
また、本発明システムでは、会員制ユーザを対象として各ユーザの履歴情報を記憶手段に記憶することが出来ることから、継続的な会員ユーザのサポートが可能となり、各店舗やレンズ提供主体(メーカー等)による各会員への安全性の配慮を一層効率的に行うことができる。例えば、各ユーザが自宅に保管しているコンタクトレンズの残り量を推定してそれが一定量以下になった場合にコンタクトレンズ再提供の必要の有無を確認したりコンタクトレンズ再提供の要求確認を行ったりする情報信号を、サーバ装置から会員用クライアント装置に発信する他、提供するコンタクトレンズの種類に適合した目薬やレンズ保存液,洗浄液等のケア用品を提案する情報信号を、サーバ装置から会員用クライアント装置に発信したり、更に、前回の眼科医検診による処方箋の有効期限や会員有効期限などが近づいてきた場合にその情報信号を、必要に応じて眼科医による検診の受診案内情報や会員継続手続案内情報などと共に、サーバ装置から会員用クライアント装置に発信するようにしても良い。
【0019】
さらに、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズ販売システムにおいては、前記承認方法選択手段による選択可能な承認手段として、前記第一及び第二の承認手段に加えて以下の第三の承認手段も選択可能とされていることが望ましい。即ち、選択可能に加えられる第三の承認手段は、前記サーバ装置に設けられて、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記承認信号を所定期間毎に自動的に生成するものである。
【0020】
このような第三の承認手段を、第一及び第二の承認手段に加えて採用することにより、ユーザ毎の使用期間や装用状態等を考慮して、第一及び第二の承認手段よりも更にユーザにとって簡便な第三の承認手段を、店舗が選択設定することが可能になる。これにより、ユーザの状態を良く知り得る店舗が認めた場合には、ユーザは、ユーザ自身による発注信号の毎々の送信を必要とすることなく、所定期間内に亘ってコンタクトレンズの再提供を予め設定された期間毎に自動的に受けることも可能となるのである。
【0021】
また、本発明は、コンタクトレンズの販売方法として、以下の特徴的構成を備えたものを提案する。(a)コンタクトレンズを提供するレンズ提供主体の利用に供されるサーバ装置と、(b)前記コンタクトレンズの販売窓口となる複数の店舗の利用にそれぞれ供される複数の店舗用クライアント装置と、(c)前記コンタクトレンズの提供を受ける複数の会員制ユーザの利用にそれぞれ供される複数の会員用クライアント装置と、(d)前記複数の会員制ユーザを個別に特定するユーザ識別情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの配送先情報と、各該会員制ユーザを前記複数の店舗の何れかと関連付ける店舗関連付情報と、各該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズ情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの提供履歴情報と、各該会員制ユーザの有効期限情報とを、記憶する、前記サーバ装置に設けられた記憶手段と、(e)前記サーバ装置に対して前記複数の店舗用クライアント装置および前記複数の会員用クライアント装置をそれぞれ接続する通信ネットワーク手段とを、(m)含んで構成されたネットワークシステムを利用したコンタクトレンズの販売方法であって、(n)前記コンタクトレンズを前記レンズ提供主体から前記会員制ユーザへ直接配送することを要求するレンズ発注信号を、該会員用クライアント装置が前記サーバ装置へ送信する発注工程と、(o)レンズ提供の承認信号を生成する承認工程として、以下の第一の承認工程および第二の承認工程の何れかを選択する選択設定信号を、前記店舗用クライアント装置が前記サーバ装置へ送信する承認方法選択工程と、(p)前記会員用クライアント装置からの前記発注信号を受信した前記サーバ装置が、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、該会員制ユーザに関連付けられた店舗の前記店舗用クライアント装置へ前記承認要求信号を送信する承認要求工程と、該店舗用クライアント装置が、前記承認信号を生成して該サーバ装置に該承認信号を送信する承認回答工程とを、含む第一の承認工程と、(q)前記会員用クライアント装置からの前記発注信号を受信した前記サーバ装置が、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記承認信号を生成する第二の承認工程と、(r)前記承認方法選択工程で選択設定された前記承認工程によって生成された前記承認信号に基づいて、前記サーバ装置が、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズ情報および前記配送先情報により該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズおよび配送先を特定して、該会員制ユーザへの該コンタクトレンズの配送を指示する配送指示信号を出力する配送指示出力工程とを、(s)含むことを特徴とするコンタクトレンズの販売方法。
【0022】
本発明におけるコンタクトレンズの販売方法に従えば、前述のコンタクトレンズの販売システムに関する発明において説明したように、各ユーザを良く知っている店舗の判断に基づいて、各ユーザの履歴や状況を総合的に考慮して、各ユーザ毎にコンタクトレンズの提供条件を設定することとなる。そして、特定ユーザに関して店舗が第一の承認工程を選択設定することにより、ユーザからのコンタクトレンズ再提供の要求の都度に店舗が承認/非承認を判定することができる一方、別の特定ユーザに関して店舗が第二の承認工程を選択設定することにより、ユーザからのコンタクトレンズ再提供の要求に際して店舗の承認を不要とすることができる。このように、各ユーザの履歴や状況を良く知り得る店舗が、コンタクトレンズの再提供への対応方法をユーザ毎に設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、問題の無いユーザにまで過度の負担をかけることが回避され得てコンタクトレンズ再入手の手続きの簡易化が達成されるのである。
【0023】
また、本発明に従うコンタクトレンズ販売方法においては、前記承認方法選択工程における選択可能な前記承認工程として、前記第一及び第二の承認工程に加えて以下の第三の承認工程も選択可能とされていることが望ましい。即ち、選択可能に加えられる第三の承認工程は、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記サーバ装置が、前記承認信号を所定期間毎に自動的に生成するものである。
【0024】
このような第三の承認工程を、第一及び第二の承認工程に加えて採用することにより、ユーザ毎の使用期間や装用状態等を考慮して、第一及び第二の承認工程よりも更にユーザにとって簡便な第三の承認工程を、店舗が選択設定することが可能となる。これにより、店舗で認められた特定のユーザは、毎々の発注工程でのレンズ発注信号の送信さえも必要とすることなく、所定期間内に亘ってコンタクトレンズの再提供を予め設定された期間毎に自動的に受けることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、各会員制ユーザへのコンタクトレンズの再提供に際して、各ユーザ毎に関連付けられた店舗を介在させ、ユーザ毎の状況を良く把握し得る店舗の判断により、各ユーザに対応した承認手続を経てコンタクトレンズを提供することができる。これにより、コンタクトレンズ使用者が新たなコンタクトレンズを再入手するに際して、ユーザの安全性の確保を図りつつ、使用状況が良好なユーザへの過度の負担を回避して手続きの簡易化を達成することが可能となる。
【0026】
また、本発明によれば、各ユーザに対応付けられた店舗の判断で設定された承認手続きを経て、レンズ提供主体からユーザへコンタクトレンズが直接配送されることから、ユーザが速やかに且つ効率的にコンタクトレンズを再入手できると共に、ユーザへのコンタクトレンズの提供履歴等の情報をサーバ装置において効率的に収集することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係るコンタクトレンズの販売システムの概要を示す説明図。
【図2】図1に示された販売システムを用いて本発明方法の実施形態であるコンタクトレンズの販売を実行する処理の概要をフローチャートで示す説明図。
【図3】店舗用クライアント装置に表示される会員検索ページの画面の例を示す説明図。
【図4】店舗用クライアント装置に表示される承認方法設定ページの画面の例を示す説明図。
【図5】店舗用クライアント装置に表示される承認方法設定ページの別の画面の例を示す説明図。
【図6】会員がコンタクトレンズの再提供を受ける処理の概要をフローチャートで示す説明図。
【図7】会員用クライアント装置に表示されるアクセス画面の例を示す説明図。
【図8】会員用クライアント装置に表示されるアクセス画面の別の例を示す説明図。
【図9】会員用クライアント装置に表示されるアクセス画面の更に別の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
先ず、図1には、本発明に従うコンタクトレンズの販売方法を実施するために好適に採用される、本発明に従って構成されたコンタクトレンズの販売システムの一実施形態が、モデル的な概略図として示されている。本実施形態の販売システムは、(i)コンタクトレンズのメーカーであり出荷元であるレンズ提供主体によって管理されて用いられるサーバ装置12と、(ii)コンタクトレンズの購入を希望する使用者に対して直接に対応して使用者へのコンタクトレンズの販売窓口となる複数の店舗においてそれぞれ利用される複数の店舗用クライアント装置14と、(iii)販売窓口である何れかの店舗を利用してコンタクトレンズの提供を受ける複数の会員制ユーザにおいてそれぞれ利用される複数の会員用クライアント装置16とを、含んで構成されている。そして、これらサーバ装置12と複数の店舗用クライアント装置14および複数の会員用クライアント装置16が、ワールドワイド・ウェブ(World Wide Web) を使用した通信ネットワーク手段としてのインターネット18等を経由して、相互に接続されたネットワークシステムとして構成されている。
【0030】
なお、上記サーバ装置12や店舗用クライアント装置14,会員用クライアント装置16としては、何れも、インターネットを利用した情報の送受信が出来るように、キーボードやマウス等の入力装置と、CRTや液晶ディスプレイ等の表示装置を備えたコンピュータ等によって構成されたものが採用され得る。特にサーバ装置12は、インターネット上でWebページを提供するWWWサーバで構成されていると共に、店舗用クライアント装置14は、インターネット上でWebページを閲覧するWWWブラウザが導入されて構成されており、会員用クライアント装置16も、WWWブラウザが導入されて構成されることが望ましい。更に、これらサーバ装置12や店舗用クライアント装置14,会員用クライアント装置16には、インターネット上で各種情報を個別的に送受信し得るように、Eメール送受信用ソフトウェアなどの適当なソフトウェアが導入されていると共に、必要に応じて、送受信信号を暗号化および復号化するためのソフトウェアが導入され得る。
【0031】
また、会員用クライアント装置16としては、パーソナルコンピュータの他、上述の如き機能を備えた携帯電話型端末装置(スマートフォン(高機能携帯電話)を含む)等も利用可能である。更に、サーバ装置12としては商品(コンタクトレンズ)の発送処理管理等の目的で印刷装置を備えたものが好適である。また、サーバ装置12,店舗用クライアント装置14,会員用クライアント装置16は、何れも便宜的にサーバおよびクライアントの名称付けをしたものであって、それぞれにWWWブラウザが導入されたり、E−Mail等の通信ソフトが導入される等して、所定の通信プロトコルのもとで双方向の通信を行うサーバ・アンド・クライアントシステムとして相互に動作し得るようになっていることが望ましい。
【0032】
更にまた、サーバ装置12は、基本的に単一のものとして構成されているが、必要に応じて、負荷分散装置を介してインターネット18に接続されて要求される処理を協働して分散処理する複数台のコンピュータ等で構成されていても良い。更にまた、各店舗用クライアント装置14も、同様に、複数台のコンピュータ等によって負荷分散することも可能である。
【0033】
さらに、本実施形態では、各会員からのコンタクトレンズの再提供の要求を速やかに処理し、且つ管理を容易とするために、システムを利用してコンタクトレンズの再提供を受けるコンタクトレンズ使用者は、予め会員登録を必要とする会員制度を採用している。会員となるには、各使用者は、予め特定の店舗として、通常は自宅又は職場に近くて訪問容易な場所にある店舗を選定し、当該特定の店舗に直接に赴いて会員登録をする。尤も、この会員登録の手続きも、インターネット18等を介して会員用クライアント装置16と店舗用クライアント装置14又はサーバ装置12との間での通信処理で行うことも可能であるが、会員登録してコンタクトレンズを最初に受け取るには、少なくとも一回の眼科医による検診を必要とすることが望ましく、コンタクトレンズの使用説明やコンタクトレンズ提供制度の説明も店舗の担当者がユーザ(コンタクトレンズ使用者)に対して直接に口頭で行うことが望ましいことから、店舗への来店を要件として会員登録することが望ましい。
【0034】
また、本実施形態では、店舗用クライアント装置14が設置される店舗として、眼科医が並設または共有されている店舗を採用することが好適である。眼科医が並設又は共有されていることにより、コンタクトレンズ使用者が会員登録する際に眼科医による検診を受けるのが簡便になると共に、眼科医によって作成された処方箋の情報や期限を店舗用クライアント装置14の記憶手段(メモリやハードディスク等)に入力して記憶させておいて必要に応じて参照することも容易となり、更に、眼科医の予約手続きなども、インターネット18等を介して会員用クライアント装置16と店舗用クライアント装置14との間で効率的に処理することが可能となる。
【0035】
会員登録に際しては、使用者(ユーザ)の氏名,住所,生年月日,電話番号やメールアドレス等の連絡先などの個人情報と共に、各使用者を個別に特定するユーザ識別情報としてのIDや、誤処理防止やセキュリティ確保のためのパスワードの情報が入力されて、これらの会員情報が、店舗用クライアント装置14または会員用クライアント装置16からサーバ装置12に送信されてサーバ装置12の記憶手段(メモリやハードディスク等)に記憶される。また、各使用者毎に、特定店舗との関連付け情報と、提供されるコンタクトレンズの配送先情報も入力され、会員情報として、店舗用クライアント装置14または会員用クライアント装置16からサーバ装置12に送信されてサーバ装置12の記憶手段(メモリやハードディスク等)に記憶される。
【0036】
なお、これらの会員情報は、サーバ装置12の記憶手段に加えて、店舗用クライアント装置14の情報記憶手段にも、併せて記憶されても良く、それにより、例えばサーバ装置12との交信が一時的に途絶えたトラブル発生時等に、店舗用クライアント装置14の情報記憶手段の記憶情報に基づいて、来店した使用者に対して住所変更などの要求に対応すると共に、トラブルの復旧後に、店舗用クライアント装置14の情報記憶手段の記憶情報の更新データをサーバ装置12の情報記憶手段に反映して記憶情報を更新して整合させるなどといった処理も可能となる。
【0037】
さらに、会員登録に際しては、発行された処方箋の情報等を参照して、当該会員に適合するコンタクトレンズの情報も、同様に、サーバ装置12の情報記憶手段に記憶されると共に、必要に応じて店舗用クライアント装置14の情報記憶手段にも記憶される。かかるコンタクトレンズ情報としては、例えば、当該会員に提供されるコンタクトレンズの種類,商品名,規格(ベースカーブ,パワー,ダイヤ)などが挙げられる。更に、提供したコンタクトレンズによる矯正視力や裸眼視力等の使用者における眼光学系の情報も併せて記憶させても良い。
【0038】
また、サーバ装置12の情報記憶手段には、各使用者毎に、過去に提供したコンタクトレンズの情報が、提供履歴情報として記憶されるようになっており、必要に応じて店舗用クライアント装置14の情報記憶手段にも記憶される。この提供履歴情報としては、例えば、各使用者毎に提供したコンタクトレンズを特定する情報(種類,商品名,規格等)と、提供した数量、提供した年月日が挙げられ、更にコンタクトレンズ提供方法として、店舗での手渡しかレンズ提供主体からの配送かの区別も、提供履歴情報として記憶させても良い。
【0039】
更にまた、かかるサーバ装置12の情報記憶手段には、各使用者毎に、レンズ再提供の承認方法設定情報が記憶されるようになっている。この承認方法設定情報は、使用者へのコンタクトレンズの再提供を承認する手続きを、予め準備された二種類以上の複数種類の中から選択して設定した情報である。具体的には、本実施形態では、レンズ提供の承認信号を生成する承認方法として、以下の第一〜三の三種類の承認方法が、サーバ装置12で実行可能なプログラムとして準備されており、店舗用クライアント装置14からサーバ装置12へ送信される選択設定信号によってそれら三種類の中から何れかの承認方法を選択設定できるようになっている。
【0040】
第一の承認方法は、使用者からコンタクトレンズ再提供の要求があった場合に、その都度、店舗が承認/非承認の判定を行い、店舗の承認を条件として、レンズ提供主体から使用者へコンタクトレンズの再提供を行うことを実現するものである。そして、第一の承認方法は、承認手段とその工程である承認工程からなる。第一の承認手段は、サーバ装置12に設けられて、コンタクトレンズ再提供を要求する会員用クライアント装置16からの発注信号を受信することにより当該会員制ユーザに関連付けられた店舗の店舗用クラアント装置14へ承認要求信号を送信する承認要求手段と、店舗用クライアント装置14に設けられて、承認信号を生成してサーバ装置12に承認信号を送信する承認回答手段とを含んで構成される。また、第一の承認工程は、承認要求手段、承認回答手段のそれぞれの工程である承認要求工程、承認回答工程を含んで構成される。
【0041】
第二の承認方法は、使用者からコンタクトレンズ再提供の要求があった場合に、店舗による都度の承認/非承認の判定を経ることなく、即ち店舗による都度の承認を不要として、レンズ提供主体から使用者へコンタクトレンズの再提供を行うことを実現するものである。そして、第二の承認方法は、承認手段とその工程である承認工程からなる。従って、第二の承認手段はサーバ装置12に設けられて、コンタクトレンズ再提供を要求する会員用クライアント装置16からの発注信号を受信することにより、店舗用クライアント装置14からの承認信号の受信を要することなく、承認信号を生成し、また第二の承認工程は第二の承認手段によって実現される。
【0042】
第三の承認方法は、使用者からコンタクトレンズ再提供の要求さえも必要とすることなく、店舗による都度の承認も勿論必要とすることなく、予め設定された期限ごとにレンズ提供主体から使用者へコンタクトレンズの再提供を自動的に行うことを実現するものである。そして、第三の承認方法は、承認手段とその工程である承認工程からなる。従って、第三の承認手段はサーバ装置12に設けられて、会員用クライアント装置16からの発注信号と店舗用クライアント装置14からの承認信号の何れの受信も要することなく、予め設定された所定期間毎に承認信号を生成し、また第三の承認工程は第三の承認手段によって実現される。
【0043】
なお、第一〜三の何れの承認方法でも、コンタクトレンズを再提供する使用者は予め登録された会員とされる。即ち、各会員は、予め所定の会費を支払うことで都度のコンタクトレンズ購入の決済処理等を必要とすることなく、コンタクトレンズの再提供を受けることができる。なお、各会員における会費の支払いは、関連付けされた店舗に対して必要な会費(月会費や年会費等)を支払うようにしても良いし、一部を関連付けされた店舗に還元する等を条件としてレンズ提供主体に対して必要な会費を支払うようにしても良い。また、かかる会費の支払いを、クレジットカード会社を介して行わせることも可能であり、それによって、店舗やレンズ提供主体における会費管理の軽減が図られる。
【0044】
また、使用者は、会員制であるが故に、前記第一〜三の何れの承認方法でコンタクトレンズの再提供を受けるに際しても、会員制ユーザの有効期限情報やコンタクトレンズの提供履歴情報が参照される。なお、各会員制ユーザの有効期限情報としては、会費の支払いが為された会員有効期限や店舗等によって設定されたコンタクトレンズ提供可能な有効期限や処方箋の有効期限などを採用することができ、これらの有効期限情報は、サーバ装置12の情報記憶手段に記憶されることを可能としており、必要に応じて店舗用クライアント装置14の情報記憶手段にも記憶される。また、コンタクトレンズの提供履歴情報としては、所定期間内におけるコンタクトレンズの提供数が上限値に達していないかという情報を採用することができる。そして、コンタクトレンズの再提供に際して会員制ユーザの有効期限情報やコンタクトレンズの提供履歴情報が参照されることにより、例えば会費の支払いが為されていない使用者や既にコンタクトレンズ提供数が上限に達した使用者には、コンタクトレンズの再提供が行われない。
【0045】
従って、第一〜第三の承認方法によって生成される承認信号は、記憶手段によって記憶されたコンタクトレンズの提供履歴情報および会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として送信される。そして、第一〜三の何れかの承認方法によりサーバ装置12において承認信号が得られた場合には、サーバ装置12は、記憶手段に記憶されたコンタクトレンズ情報および配送先情報に基づいて、該当する使用者に適合するコンタクトレンズおよび配送先を特定して、当該使用者へのコンタクトレンズの配送を支持する配送指示信号を出力する。即ち、サーバ装置12には、配送指示信号を出力する配送指示出力手段が設けられ、その工程である配送指示出力工程により出力された配送指示信号に基づいて、商品としてのコンタクトレンズと配送先を記載したラベルが準備され、宅配便などを利用した発送により、使用者へのコンタクトレンズの再提供が実行されるのである。
【0046】
このような販売システムにより、各会員制ユーザ(使用者)に対してコンタクトレンズを再提供する販売方法を実現する作動を、フロー図および参考画面図を参照しつつ、以下に説明する。
【0047】
本実施形態の販売システムにより各使用者へのコンタクトレンズの再提供を行うに際しては、上記第一〜三の何れの承認方法を適用するかを、各使用者毎に、関連付けられた店舗が設定する。この設定処理は、例えば図2に示すフロー図に従って行われる。
【0048】
先ず、店舗用クライアント装置14から、サーバ装置12のWWWサーバで提供されるサービス提供ページにアクセスして(R1)、店舗用クライアント装置14のWWWブラウザで当該サービス提供ページを表示する(R2)。そして、サービス提供ページにおいて更に設定処理ページにアクセスすることで、使用者を特定して当該使用者における承認方法の設定(初期設定および変更設定を含む)を行うこととなる。
【0049】
ここにおいて、店舗用クライアント装置14からサーバ装置12の設定処理ページへアクセスするに際しては、個人情報保護やミス事前防止などの観点から、予め設定されたIDやパスワード等を店舗用クライアント装置14からサーバ装置12へ送信させて、サーバ装置12において店舗用クライアント装置14の特定と確認が為されたことを条件とすることが望ましい(R3)。
【0050】
そして、サーバ装置12において、店舗用クライアント装置14からの設定処理ページへのアクセス要求が正規のものであると確認されたら、使用者の承認方法設定ページを店舗用クライアント装置14に画面表示させる。具体的には、先ず、図3に例示されている如き、会員である使用者を特定するための情報を入力するための会員検索ページ20を、店舗用クライアント装置14に画面表示させる(R4)。この会員検索ページ20には、使用者を特定するための会員特定情報の入力欄として、例えば使用者である顧客の割当番号やカルテ番号、会員番号、ID番号、氏名、生年月日、電話番号などを店舗用クライアント装置14から入力するための入力欄が設けられている。
【0051】
店舗用クライアント装置14は、かかる会員検索ページ20において会員特定情報の少なくとも一つ、或いは複数を入力し、かかる会員特定情報をサーバ装置12に送信する(R5)。なお、本実施形態では、前述の会員登録の処理により、会員情報や適合するコンタクトレンズ情報等が、店舗用クライアント装置14または会員用クライアント装置16からサーバ装置12に送信されて、サーバ装置12の記憶手段(メモリやハードディスク等)に予め記憶されている。そして、このサーバ装置12の記憶手段に記憶されて会員登録処理が完了した会員(使用者)について、承認方法を設定する処理が行われる。尤も、以下に説明する承認方法の設定処理は、店舗用クライアント装置14からサーバ装置12へ新規の会員登録の処理を行うのと併せて実行することも可能であり、その場合には、例えば図3に示されている如き会員検索ページ20において、新規登録すべき新規会員の特定情報等の登録に必要な情報を入力することによって行うことができる。
【0052】
会員特定情報を店舗用クライアント装置14から受信したサーバ装置12は、受信した会員特定情報に該当する会員を選定し、かかる会員情報を店舗用クライアント装置14に送信する。その際、例えば氏名又は生年月日で特定した場合のように、該当する会員が複数存在する場合もある。その場合には、該当する複数会員の情報を該当会員一覧情報として、サーバ装置12から店舗用クライアント装置14に送信して、図3の中央欄において画面に一覧表示させることが好適である(R6)。そして、店舗用クライアント装置14において複数の該当会員が一覧表示された場合には、店舗用クライアント装置14の画面上でのマウスクリック操作やキーボード入力等により、該当する一人の会員を選択し、当該会員の選択情報を、店舗用クライアント装置14からサーバ装置12に送信する(R7)。
【0053】
このようにして、サーバ装置12の記憶手段に記憶された多数の会員の中から、店舗用クライアント装置14からの送信情報に基づいて該当する一人の会員が選択されると、かかる選択会員の承認方法設定ページ22が、サーバ装置12により、店舗用クライアント装置14において画面表示される(R8)。
【0054】
かかる承認方法設定ページ22としては、例えば図4に示されている態様が採用され得る。即ち、承認方法設定ページ22には、承認方法を設定すべき会員を正確に確認することができるように、例えば使用者である顧客の会員番号、氏名フリガナ、氏名(漢字)、性別、電話番号、生年月日、年齢などの確認情報表示欄が設けられており、それらの欄には、予め入力されてサーバ装置12に記憶された情報が表示されている。
【0055】
また、本実施形態では、承認方法設定ページ22において、当該選択会員に設定されている適合レンズを具体的に特定するレンズ情報表示欄24も設けられている。具体的には、当該選択会員に適合するものとして、予め実施された検査で特定された適合レンズとして、コンタクトレンズ商品名、ベースカーブ(BC)、球面度数の正負別(±)、レンズ度数(POWER)、レンズ外径(DIA)、乱視度数の正負別(C±)、円柱度数(CP)、乱視軸方向(AXIS)の各情報が、左右別(R/L)の各欄(R)(L)中に表示されるようになっている。
【0056】
本実施形態では、各会員は、予め登録された適合レンズに該当するコンタクトレンズだけを、前述の第一〜三の何れかの承認方法による再提供のサービスを受けることが出来るようになっている。換言すれば、予め登録された適合レンズとは異なるレンズを希望する場合には、第一〜三の承認方法による入手が認められず、店舗に直接に赴いて再検査等を受ける必要がある。このようなシステムにより、コンタクトレンズ使用者の安全の確保が図られている。
【0057】
尤も、光学特性が同一のもので、メーカーや商品名、交換時期等が異なる複数種類のコンタクトレンズについては、店舗において予め当該使用者への適合が確認されていることを条件として、店舗用クライアント装置14からサーバ装置12の記憶手段に適合レンズとして登録しておいて、それらの中から、使用者が望むコンタクトレンズを提供可能とするようにしても良い。
【0058】
そして、図4に示されているように、承認方法設定ページ22には、上述の如き会員および適合レンズの確認情報が画面の上側部分に表示されていると共に、画面の中央部分において、当該会員へのコンタクトレンズ提供に際しての承認方法の設定欄が設けられている。具体的には、上述の第一〜三の3種類の承認方法をそれぞれ特定する記載として、「ダイレクト発注の利用を許可する」、「自動発注承認(発注申込の都度承認しない)」、「発注申込不要で定期発送」の記載が表示されており、店舗用クライアント装置14への入力により、それらの表示の横に設けられた選択欄24a,24b,24cに適切なチェックを入れることで、第一〜三の承認方法の何れかの選択情報を入力できるようになっている。
【0059】
すなわち、「ダイレクト発注の利用を許可する」を選択(チェック)しなければ、第一〜三の承認方法の何れも選択されないこととなる。なお、「ダイレクト発注」とは、会員が店舗に行く必要なしに直接にコンタクトレンズの再提供を発注してコンタクトレンズを入手することができる本発明に従うシステムを表している。それ故、当該会員はコンタクトレンズ再提供を受ける毎に店舗を訪れる必要があり、検査などを条件としてコンタクトレンズ再提供を行うことが可能となる。例えば、店舗の判断により、新規会員の場合や、近い過去に眼病を患った会員の場合などには、このようなダイレクト発注の利用を許可しない対応をとることができる。
【0060】
一方、「ダイレクト発注の利用を許可する」を選択(チェック)した場合には、前記第一〜三の何れかの承認方法により、店舗に行くことなく会員へのコンタクトレンズの提供が行われることとなる。ここにおいて、第一〜三の何れの承認方法が選択されるかは、残りの二つである「自動発注承認(発注申込の都度承認しない)」及び「発注申込不要で定期発送」の何れが選択(チェック)されているか、或いは何れも選択(チェック)されていないか、によって設定可能である。
【0061】
「自動発注承認(発注申込の都度承認しない)」を選択(チェック)した場合には、前記第二の承認方法が設定されることとなり、会員からレンズ再提供の要求があった場合に、店舗による承認/非承認の判定を経ることなく、サーバ装置12において自動的に承認信号が発せられて当該会員に適合するコンタクトレンズの再提供の処理が進められることとなる。
【0062】
また、「発注申込不要で定期発送」を選択(チェック)した場合には、前記第三の承認方法が設定されることとなり、会員からレンズ再提供の要求が無くとも、サーバ装置12において自動的に且つ定期的に承認信号が発せられて当該会員に適合するコンタクトレンズの再提供の処理が進められることとなる。要するに、前回提供済のコンタクトレンズについて、その装用期間や数量のデータをもとに使い終わる時期をサーバ装置12が演算で推定し、提供済のコンタクトレンズが無くなる頃にサーバ装置12が自動的に承認信号を生成することから、会員の発注処理の負担さえも軽減される。
【0063】
また一方、「自動発注承認(発注申込の都度承認しない)」と「発注申込不要で定期発送」の何れも選択(チェック)されずに、「ダイレクト発注の利用を許可する」のみを選択(チェック)した場合には、第一の承認方法が設定されることとなる。即ち、会員からレンズ再提供の要求があった場合に、店舗による承認/非承認の判定が行われ、店舗による承認信号が店舗用クライアント装置14からサーバ装置12へ送信されたことを条件として、当該会員へのコンタクトレンズの再提供の処理が進められることとなる。
【0064】
その他、図4に示された承認方法設定ページ22の画面には、検査受診情報として、最終検査日や検査有効期限の表示欄が設けられており、ここに例えば処方箋の有効期限や有効月数等の情報を設定表示することもできる。例えば、会員の過去や現在の状況を考慮して、検査を受けなければならない期間を会員毎に適切に決定して該当欄に入力することにより設定することも可能となっている。また、有効期間内で当該会員へ提供することができるコンタクトレンズの上限数として、有効期間内のお渡し箱数も設定欄が設けられており、会員制システムでの会費金額に応じてコンタクトレンズ再提供許容数が設定可能となっている。
【0065】
さらに、かかる承認方法設定ページ22の画面では、当該会員における過去の履歴情報も表示されて、適宜に確認できるようになっている。例えば、ダイレクト発注によるコンタクトレンズの提供回数(利用回数)や、検査等の有効期間内で既に提供されたコンタクトレンズ数として、有効期間内のお渡し済箱数の表示欄も設けられている。また、当該会員の会員システムへの登録日や、会員の更新日の表示欄も設けられている。なお、会員システムの運用上、例えば会員の有効期限を1年間、又は数年間とし、会費の支払いを条件として更新可能とすることができる。更にまた、承認方法設定ページ22の下部には、当該会員へ過去に提供したコンタクトレンズの詳細が、一覧表示されるようになっている。ここには、ダイレクト発注で提供されたコンタクトレンズ以外に、店舗窓口で直接に提供されたコンタクトレンズや、適合するコンタクトレンズに変更があった場合の前後に亘って、当該会員へ過去に提供された全てのコンタクトレンズの履歴情報が表示されることが望ましい。
【0066】
そして、図4に示された承認方法設定ページ22において、店舗用クライアント装置14からの入力により第一〜三の何れかの承認方法が選択された後、例えば画面右下の更新ボタンをマウスクリックすることにより、かかる入力情報を、承認方法選択情報として店舗用クライアント装置14からサーバ装置12へ送信する(R9)。これを受信したサーバ装置12は、記憶手段に記憶された会員情報について、当該会員における承認方法の情報を記憶すると共に、記憶情報が更新されたことを報告する設定完了信号を店舗用クライアント装置14へ送信する。具体的には、例えば図5に示されているように、「更新しました」の文字等による設定完了表示26を、店舗用クライアント装置14の画面に表示させる。これにより、特定の会員に対する承認方法の店舗による設定処理が完了する。
【0067】
続いて、予め会員登録されてコンタクトレンズ再提供に際しての承認方法の設定処理が完了した会員が、コンタクトレンズの再提供を受ける処理について説明する。
【0068】
先ず、図6に示されているように、コンタクトレンズ再提供を望む会員は、会員用クライアント装置16からサーバ装置12にアクセスする(S1)。サーバ装置12は、常時待機状態とされており、会員用クライアント装置16からのアクセスに対して、例えば図7に示されている如きアクセス画面28を、会員用クライアント装置16の画面上に表示する(S2)。
【0069】
このアクセス画面28は、会員認証ページを兼ねており、会員であることを確認し且つ識別するために必要な情報を入力するウィンドウが設けられている。なお、かかる会員確認及び識別情報としては、例示の会員番号や生年月日の他、会員毎に予め設定されたID番号、パスワード、氏名などであっても良い。また、アクセス画面28には、レンズ注文ページ30へのログインボタンが表示されており、このログインボタンがクリックされること等により、当該画面において入力した会員確認及び識別情報が、会員用クライアント装置16からサーバ装置12に送信される(S3)。
【0070】
これを受けて、サーバ装置12は、受信した会員確認及び識別情報が正しいか否かを、予めサーバ装置12の記憶手段に記憶された会員情報と照らし合わせることにより、正規の会員からのアクセスであるか否かを判定すると共に当該会員を特定する(S4)。会員の認証が否定されて正規の会員からのアクセスではないと判定された場合には、その後の処理を中止し、例えば「アクセスが許否された」旨の表示を会員用クライアント装置16の画面に行わせるための情報をサーバ装置12から送信したり、図7に示すアクセス画面28へ戻る信号をサーバ装置12から会員用クラアイント装置16に送信する等の処理を実行する。
【0071】
一方、会員の認証が許可されて正規の会員からのアクセスであると判定された場合には、更に、当該会員へのコンタクトレンズ再提供の阻害事由を判定する(S5)。具体的には、会員の認証で特定された当該会員について、サーバ12の記憶手段に記憶された情報に基づき、当該会員の会費の支払いの有無や、会員有効期間の経過の有無、処方箋有効期間の経過の有無、期間内におけるコンタクトレンズ提供数の上限超過の有無、更にダイレクト発注利用許可の有無などを判定する。そして、会員ではあるが、レンズ再提供に関して阻害事由が認められた場合には、その後の処理を中止し、例えば当該阻害事由を具体的に説明する表示を会員用クライアント装置16の画面に行わせるための情報をサーバ装置12から送信する。
【0072】
そして、正規の会員であって且つレンズ再提供の阻害事由も無いことが確認できた場合には、サーバ装置12は、会員用クライアント装置16に対してレンズ注文ページ30の表示情報を送信して、図8に示されている如きレンズ注文ページ30を会員用クライアント装置16の画面に表示させる(S6)。このレンズ注文ページ30には、当該会員に再提供されるコンタクトレンズの種類や数量と共に、送付先が表示されており、それらの内容を会員が確認できるようになっている。
【0073】
そして、会員は、会員用クライアント装置16において、表示されたコンタクトレンズの種類、数量と送付先を確認したら、画面の下方に表示されている「注文」ボタンをマウスクリック等することにより、コンタクトレンズ再提供の申込信号(発注信号)を、会員用クライアント装置16からサーバ装置12に送信する(S7)。この申込信号(発注信号)の送信が、販売システムにおける発注手段、或いは販売方法における発注工程となっており、これにより会員はコンタクトレンズをレンズ提供主体から直接配送されることを要求することができるのである。なお、かかる「注文」に際しては、当該会員において、コンタクトレンズ使用に際して異常が無いことを前提としてコンタクトレンズを再提供するという、注意を促す表示を会員用クライアント装置16の画面に表示したり、コンタクトレンズ使用に際して異常が無いことを自己申告することを条件としてコンタクトレンズ再提供の申込信号の送信を許可したり等することも可能である。
【0074】
この発注信号を受信したサーバ装置12は、注文が完了したことを報告する注文完了信号を会員用クライアント装置16へ送信するようにしてもよい。具体的には、例えば、図9に示されているように、「注文完了」の文字等による注文完了表示32を会員用クライアント装置16の画面に表示させる。これにより、ユーザ(コンタクトレンズ使用者)が、「注文」ボタンを複数回クリックすること等による注文の重複などの誤注文を防ぐことができる。
【0075】
その後、前述の図2に示されている如き処理に従って予め設定されている承認方法に従って、会員用クライアント装置16からの発注信号に対して、当該会員へのコンタクトレンズの再提供を行うか否かの判定処理を行い、承認信号が得られた場合にはコンタクトレンズの再提供のための配送指示信号を出力する。
【0076】
具体的には、図6に示されているように、発注信号を受信したサーバ装置14は、当該会員に対する承認方法として第一の承認方法が選択設定されているか否かを判断する(S8)。そして、第一の承認方法が設定されている場合には、サーバ装置12は、当該会員(会員用クライアント装置12)に対応付けられた特定の店舗(店舗用クライアント装置14)に対して承認要求信号を送信する(S9)。
【0077】
この承認要求信号の送信は、例えばE−Mail等で行っても良いが、例えば店舗用クライアント装置14からのアクセスの待機状態で常時機能しているサーバ装置12のWWWサーバで提供される情報ページにおいて、各店舗毎への連絡用ページを作成し、当該連絡用ページにおいて該当店舗に関連付けられた会員からの承認要求信号の一覧情報を表示するようにしても良い。このような承認要求の一覧情報の表示を行う連絡用ページを準備することにより、例えば各店舗が営業日において少なくとも一回はサーバにアクセスして当該連絡用ページを確認することにより、各店舗は、関連付けられた会員からの承認要求の有無を効率的に確認して処理することが可能となる。
【0078】
そして、店舗用クライアント装置14でサーバ12から承認要求信号を受信した店舗では、必要に応じて店舗用クライアント装置14やサーバ装置12の記憶手段に記憶された情報を参照したり、店舗内情報を参照する等して、要求のあった会員へのコンタクトレンズの再提供を、ダイレクト発注(メーカーからの直送)の処理で許可するか否かを判定する。なお、この判定は、予め店舗用クライアント装置14に導入された判定用ソフトウェアにより、会員毎に入力される条件、たとえば過去の問題発生の頻度や時期、装用条件、涙液状態、会員継続月数などを考慮して、店舗用クライアント装置14が自動的に判定するようにしても良い。
【0079】
かかる判定の結果、店舗用クライアント装置14において承認要求を否定する信号が入力された場合には、ダイレクト発注によるコンタクトレンズの再提供の処理を中止する(S10)。なお、必要に応じて承認要求を拒否する信号を店舗用クライアント装置14からサーバ装置12に送信し、また、ダイレクト発注によるコンタクトレンズの再提供に応じられない旨を、店舗用クライアント装置14から会員用クライアント装置16へ、直接に又はサーバ装置12を介して間接に送信し、併せて当該会員へ店舗への来店を促すことができる。
【0080】
判定の結果、店舗用クライアント装置14において承認要求を認める許可信号が入力された場合には、店舗用クライアント装置14からサーバ装置12へ承認信号を送信する(S11)。
【0081】
一方、上述のサーバ装置12における第一の承認方法の選択の有無判定(S8)の結果、当該会員への承認方法として第一の承認方法が設定されていない場合には、サーバ装置12は、第二の承認方法が選択されていると判定し、会員用クライアント装置16からの発注信号に対して、自動的に承認信号を生成する(S12)。
【0082】
このようにして、会員用クライアント装置16から送信された発注信号に対して、第一の承認方法に従って店舗用クライアント装置14からサーバ装置12に承認信号が送信されることにより、または第二の承認方法に従ってサーバ装置12で承認信号が生成されることにより、サーバ装置12において承認信号が取得された場合には、サーバ装置12において、当該会員へのコンタクトレンズ再提供を指示するレンズ配送指示信号が出力される(S13)。このレンズ配送指示信号の出力は、例えばレンズ配送指示を表示するために設置されたモニタ画面への表示や、レンズ配送を指示する印刷物を作成するプリンタ装置への出力(印刷)などによって行うことが可能である。なお、レンズ配送を指示する印刷物として、会員への配達先を記載した配達用ラベルや、配達物であるコンタクトレンズの光学特性や数量等を記載した内容表示ラベルを採用しても良い。
【0083】
かかるレンズ配送指示信号の出力により、コンタクトレンズの発送を手配する現場へ指示が出されて、当該会員に適合したコンタクトレンズが、当該会員に指定された配送先に向けてメーカーから宅配便などによって直接に配達する処理が実行されることとなる。
【0084】
また、レンズ配送指示信号の出力と併せて、又はその後、発送処理の完了等の適切な処理段階において、サーバ装置12から店舗用クライアント装置14や会員用クライアント装置16に対して、レンズ配送完了の報告信号を送信しても良い(S14)。
【0085】
さらに、サーバ装置12は、記憶手段に記憶された当該会員の履歴情報を更新して、当該会員へのコンタクトレンズの発送を記録する(S15)。具体的には、コンタクトレンズの再提供を行った会員に関する情報に関して、当該再提供を行った日(発送日)や再提供したレンズ数(箱数)を更新し、店舗用クライアント装置14の情報記憶手段にも、このような会員情報が記憶されて例えばミラーリング運用等されている場合には、サーバ装置12から店舗用クライアント装置14へ情報信号を送信して、記憶情報を同様に更新する。これにより、当該会員に対し所定期間内に提供されたレンズの情報を正確に把握し、確認することが可能となる。
【0086】
これにより、会員からのコンタクトレンズ再提供の要求に応えたコンタクトレンズの発送処理を完了する。
【0087】
なお、サーバ装置12は、コンタクトレンズの会員への発送後、その配達状況の情報を会員用クライアント装置16に提供することも可能である。この配達状況の情報提供は、例えば依頼先の宅配業者が提供する荷物配達状況の確認システムを利用することによって容易に実現可能である。具体的には、サーバ装置12において、会員へ発送した各荷物について宅配業者の管理番号を入力して記憶させておき、サーバ装置12から会員用クライアント装置16にレンズ配送完了の報告信号を送信するのと併せて、かかる荷物の問合せ番号を知らせることによって実現可能である。また、会員用クライアント装置16から荷物の配達状況の問合せ信号をサーバ装置12が受信した場合に、対応する荷物の宅配業者の管理番号を、サーバ装置12から会員用クライアント装置16に送信したり、荷物の宅配業者が提供するウェブページのリンク先情報を提供することも可能である。
【0088】
上述の如きシステムを利用して会員がコンタクトレンズの再提供を受けることにより、当該会員が予め関連付けされた特定の店舗による適切な判断に基づいて、当該店舗の責任でかかる再提供の処理条件を、会員毎に設定することができることから、各会員の安全を有効に且つ効率的に確保しつつ、認められた会員へは宅配によるコンタクトレンズの再提供に対応することで高度な利便性を達成し得るのである。
【0089】
すなわち、会員を直接に知っている店舗の判断により、コンタクトレンズの再提供に問題が無いと認定された場合には、例えば第二の承認方法が設定されることで、会員からの発注の都度の店舗判定の必要もなく、会員用クライアント装置16から直接に発注信号を受信したサーバ装置12で承認信号が自動生成されて、直ちにコンタクトレンズ再提供の処理が進められることにより、会員はメーカー直送で極めて速やかにコンタクトレンズを再入手することが可能となる。また、コンタクトレンズの再提供に問題が無いと認定された場合には、例えば第三の承認方法を設定することも可能であり、それによって、会員からの都度の発注も必要なく、ましてや店舗の都度の承認も必要なく、サーバ装置12による管理下において、予めスケジュールされた期間毎に定期的に会員へのコンタクトレンズの再提供が実行されることとなる。そして、このような会員にとって簡便なコンタクトレンズの再入手は、全ての使用者に対して、たとえ会員制であっても、例えば単に処方箋期限内であり且つ提供許容数量を超えていないことのみをもって一定期間毎に自動的にコンタクトレンズを再提供し続けるような場合に比して、会員を実態的に管理している店舗の判断によって、予め選抜された特定会員のみを対象に、期間を限定して提供されるサービスであることから、各会員の安全性も併せて確保することが可能となるのである。
【0090】
なお、店舗用クライアント装置14やサーバ装置12は、何れも、そのハードウェア及び/又はソフトウェアの全部又は一部が他の場所に設置されてインターネット18で接続された装置等によって提供されていても良い。例えば、発注信号の送信に際してアクセスするアクセス画面28は、サーバ装置12から提供されるものであるが、かかるアクセス画面28において当該会員に関連付けられた店舗名を表示する等して、あたかも関連付けられた店舗用クライアント装置14から提供されたサービス又はアクセス画面28であるように見せることも可能である。また、店舗用クライアント装置14の機能の一部をサーバ装置12で実行させることも可能であり、更に、サーバ装置12や店舗用クライアント装置14の情報記憶手段を、通信ネットワークシステム18を介することで、物理的に異なる場所に設置することも可能である。
【0091】
さらに、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、図2や図6に示された各フローを順次に実行するためのハードウェアとソフトウェアの協働によって、各情報の送受信手段や特定条件の判定手段などが構成されており、ハードウェアとしては前述の如きコンピュータや携帯端末等の情報記憶手段を備えたプログラム実行処理装置が適宜に採用され得る。
【0092】
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様は、本発明の趣旨を逸脱しないかぎり、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである。
【符号の説明】
【0093】
12:サーバ装置
14:店舗用クライアント装置
16:会員用クライアント装置
18:インターネット(ネットワークシステム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズを提供するレンズ提供主体の利用に供されるサーバ装置と、
前記コンタクトレンズの販売窓口となる複数の店舗の利用にそれぞれ供される複数の店舗用クライアント装置と、
前記コンタクトレンズの提供を受ける複数の会員制ユーザの利用にそれぞれ供される複数の会員用クライアント装置と、
前記複数の会員制ユーザを個別に特定するユーザ識別情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの配送先情報と、各該会員制ユーザを前記複数の店舗の何れかと関連付ける店舗関連付情報と、各該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズ情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの提供履歴情報と、各該会員制ユーザの有効期限情報とを記憶する、前記サーバ装置に設けられた記憶手段と、
前記サーバ装置に対して前記複数の店舗用クライアント装置および前記複数の会員用クライアント装置をそれぞれ接続する通信ネットワーク手段と
を、含んで構成されたコンタクトレンズの販売システムであって、
前記会員用クライアント装置に設けられて、前記コンタクトレンズを前記レンズ提供主体から前記会員制ユーザへ直接配送することを要求するレンズ発注信号を、該会員用クライアント装置から前記サーバ装置へ送信する発注手段と、
前記サーバ装置に設けられて、レンズ提供の承認信号を生成する承認手段として、以下の第一の承認手段および第二の承認手段の何れかを、前記店舗用クライアント装置から送信される選択設定信号により選択して設定可能とする承認方法選択手段と、
前記サーバ装置に設けられて、前記会員用クライアント装置からの前記レンズ発注信号を受信することにより、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、該会員制ユーザに関連付けられた店舗の前記店舗用クライアント装置へ承認要求信号を送信する承認要求手段と、該店舗用クライアント装置に設けられて、前記承認信号を生成して該サーバ装置に該承認信号を送信する承認回答手段とを、含む第一の承認手段と、
前記サーバ装置に設けられて、前記会員用クライアント装置からの前記レンズ発注信号を受信することにより、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記承認信号を生成する第二の承認手段と、
前記サーバ装置に設けられて、前記承認方法選択手段で選択設定された前記承認手段によって得られた前記承認信号に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズ情報および前記配送先情報により該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズおよび配送先を特定して、該会員制ユーザへの該コンタクトレンズの配送を指示する配送指示信号を出力する配送指示出力手段と
を、有することを特徴とするコンタクトレンズの販売システム。
【請求項2】
前記承認方法選択手段による選択可能な前記承認手段として、前記第一及び第二の承認手段に加えて以下の第三の承認手段も選択可能とされている請求項1に記載のコンタクトレンズの販売システム。
前記サーバ装置に設けられて、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記承認信号を所定期間毎に自動的に生成する第三の承認手段。
【請求項3】
コンタクトレンズを提供するレンズ提供主体の利用に供されるサーバ装置と、
前記コンタクトレンズの販売窓口となる複数の店舗の利用にそれぞれ供される複数の店舗用クライアント装置と、
前記コンタクトレンズの提供を受ける複数の会員制ユーザの利用にそれぞれ供される複数の会員用クライアント装置と、
前記複数の会員制ユーザを個別に特定するユーザ識別情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの配送先情報と、各該会員制ユーザを前記複数の店舗の何れかと関連付ける店舗関連付情報と、各該会員制ユーザに適合するコンタクトレンズ情報と、各該会員制ユーザへのコンタクトレンズの提供履歴情報と、各該会員制ユーザの有効期限情報とを、記憶する、前記サーバ装置に設けられた記憶手段と、
前記サーバ装置に対して前記複数の店舗用クライアント装置および前記複数の会員用クライアント装置をそれぞれ接続する通信ネットワーク手段と
を、含んで構成されたネットワークシステムを利用したコンタクトレンズの販売方法であって、
前記コンタクトレンズを前記レンズ提供主体から前記会員制ユーザへ直接配送することを要求するレンズ発注信号を、該会員用クライアント装置が前記サーバ装置へ送信する発注工程と、
レンズ提供の承認信号を生成する承認工程として、以下の第一の承認工程および第二の承認工程の何れかを選択する選択設定信号を、前記店舗用クライアント装置が前記サーバ装置へ送信する承認方法選択工程と、
前記会員用クライアント装置からの前記発注信号を受信した前記サーバ装置が、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、該会員制ユーザに関連付けられた店舗の前記店舗用クライアント装置へ前記承認要求信号を送信する承認要求工程と、該店舗用クライアント装置が、前記承認信号を生成して該サーバ装置に該承認信号を送信する承認回答工程とを、含む第一の承認工程と、
前記会員用クライアント装置からの前記発注信号を受信した前記サーバ装置が、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記承認信号を生成する第二の承認工程と、
前記承認方法選択工程で選択設定された前記承認工程によって生成された前記承認信号に基づいて、前記サーバ装置が、前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズ情報および前記配送先情報により該ユーザに適合するコンタクトレンズおよび配送先を特定して、該ユーザへの該コンタクトレンズの配送を指示する配送指示信号を出力する配送指示出力工程と
を、含むことを特徴とするコンタクトレンズの販売方法。
【請求項4】
前記承認方法選択工程における選択可能な前記承認工程として、前記第一及び第二の承認工程に加えて以下の第三の承認工程も選択可能とされている請求項3に記載のコンタクトレンズの販売方法。
前記記憶手段に記憶された前記コンタクトレンズの提供履歴情報および前記会員制ユーザの有効期限情報による提供制限を受けていないことを条件として、前記サーバ装置が、前記承認信号を所定期間毎に自動的に生成する第三の承認工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114509(P2013−114509A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260895(P2011−260895)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000138082)株式会社メニコン (150)
【Fターム(参考)】