説明

コンテキストベース電力管理

【課題】モバイル機器は複雑なアプリケーションを実行するので消費電力量は増加する。その結果、バッテリはより頻繁に充電する必要が生じ、その事がユーザを煩わすこととなる。バッテリのサイズを大きくすることなくモバイル機器の電池寿命を増加させる。
【解決手段】いくつかの形態によると、処理システムに関連したコンテキスト情報が決定される。その後、コンテキスト情報に基づいて、処理システムに関連した電力状態は第1のパワー状態から第2のパワー状態に自動的に移行される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
処理システムは動作中に電力を消費する。例えば、モバイルコンピュータに関連する処理システムはバッテリから電力を消費する。処理システムのパフォーマンスが向上すると(例えばプロセッサのスピードを増加すること、無線通信を可能にすること、より大きいディスプレイを提供すること、及び/又はより複雑なアプリケーションを実行することで)、処理システムによって消費される電力量は増加する。その結果、バッテリはより頻繁に充電する必要が生じ、その事がユーザを煩わすこととなる。バッテリのサイズを大きくすることは実用的でないことに留意してほしい(なぜなら、モバイルコンピュータが大きくなり過ぎるので)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
電力を節約する目的で、処理システム及び/又は処理システム内のサブシステムは様々な電力状態を用いても良い。例えば、処理システム又はサブシステムは、アクティブに用いられる期間はより高い電力状態で稼動して、比較的アクティブでない期間には低電力状態で稼動しても良い(例えば、ハードディスクドライブは5分間アクセスされなかったときに低電力状態に移行される)。しかしながら、いくつかの場合には、処理システム又はサブシステムは低電力状態に移行されなくても良い。例えば、サブシステムは、ユーザがそのサブシステムを要求するアプリケーションを実行しないときでも低電力状態に置かれなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】いくつかの形態における処理システムを示すブロック図である。
【0004】
【図2】いくつかの形態における方法を示すフロー図である。
【0005】
【図3】いくつかの形態における処理システムを示すブロック図である。
【0006】
【図4】いくつかの形態において実行中のアプリケーションを評価する方法を示すフロー図である。
【0007】
【図5】いくつかの形態における処理システムを示すブロック図である。
【0008】
【図6】いくつかの形態における外部状況を感知する方法を示すフロー図である。
【0009】
【図7】いくつかの形態におけるハードウェア及びソフトウェア電力マネージメントコンポーネントを示すブロック図である。
【0010】
【図8】いくつかの形態におけるコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ここに記したいくつかの実施形態は、「処理システム」を対象とする。ここに記した処理システムとは1つ以上のプロセッサを含む装置を表してもよい。処理システムの例としては、デスクトップパーソナルコンピュータ(PC)、モバイルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、セットトップボックス(例えば、デジタルテレビ受信機に関連した物)、無線電話、及びゲームシステムを含む。
【0012】
例えば、図1は処理システム100のブロック図である。具体的には、処理システム100は様々なサブシステム102を含む。サブシステム102は、例えば、INTEL(r)PENTIUM(r)IVプロセッサ等の1つ以上のプロセッサを含んでも良い。プロセッサは、例えば、オペレーティングシステム及び/又は様々なアプリケーション(ワード処理アプリケーション)を実行しても良い。サブシステムのほかの例としてハードディスクドライブ、オーディオサブシステム、ディスプレイデバイス、通信デバイス及びプリンタが挙げられる。
【0013】
処理システム100は電力ポリシーマネージャ150を含む。電力ポリシーマネージャ150は、例えば、(例えばサブシステム102の1つである)プロセッサによって実行されるオペレーティングシステムに関係しても良い。電力ポリシーマネージャ150は(サブシステム102のいくつかを含む)処理システム100に様々な異なる電力状態を割り当てても良い。例えば、電力ポリシーマネージャ150はハードディスクドライブが10分間アクセスされなかったときに、ハードディスクドライブを低電力状態にしても良い。
【0014】
いくつかの実施形態よれば、電力ポリシーマネージャ150は、処理システム100に関連するコンテキスト情報を評価して、その評価に基づいて(サブシステム102のいくつかを含む)処理システムの電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態に移行させても良い。いくつかの形態によると、電力ポリシーマネージャ150は1つ以上のコンテキストアウェア電力マネージャ拡張部に従って動作しても良い。
【0015】
図2はいくつかの実施形態の方法を示すフロー図である。図2のフロー図は、例えば、図1で説明した処理システムに関連しても良い。ここに記したフロー図は固定された順番で実行されなくても良く、実行可能であればどのような順番で実行されても良い。ここに記した方法は、ハードウェアで実行されても、ソフトウェア(マイクロコードを含む)で実行されても、或いは両者を組み合わせて実行されてもよい。例えば、記憶メディアはマシンによって実行されたときに、ここに記したいくつかの形態を実行する命令を格納しても良い。
【0016】
202において、処理システムに関連したコンテキスト情報が決定される。図4及び6に記したとおり、コンテキスト情報は、現在実行中のアプリケーションの評価、又は感知した状況を含んでもよい。コンテキスト情報の他の例として、時間、曜日及び日付が挙げられる。例えば、コンテキスト情報は平日の午前9時から午後5時迄であるか否かを示す情報であっても良い。
【0017】
コンテキスト情報は例えばユーザ使用パターンに基づいても良い。例えば、コンテキスト情報は、携帯デバイスの第1のユーザはたいてい1つの曲を聴く一方で、第2のユーザはたいてい多くの曲を聴く(そして、普通次の曲の選択に30秒有する)ことを示しても良い。
【0018】
204において、コンテキスト情報に基づいて、処理システムの電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態に「自動的に」移行する。ここで用いた「自動的に」とは、ユーザからの入力を必要とせずに実行されるアクションを表す。電力状態は電力マネージャによって直接調整されても良いし、既存の電力ポリシーを調整することで(例えばタイムアウト期間を減らすことで)調整しても良いことに留意してほしい。
【0019】
例えば、ラップトップコンピュータは自動的に、平日の午前9時から午後5時までの間は第1の電力マネージメントポリシーを実行して、そうでない場合は第2のポリシーを実行しても良い。ユーザ使用パターンの場合は、例えば、第1のユーザがある曲を聴き終わった後に、携帯デバイスはオーディオサブシステムを自動的に切り、第2のユーザがある曲を聴き終わった後には(他の曲を選択する可能性が高いので)オーディオサブシステムを切らなくても良い。
【0020】
図3は様々なサブシステムを含む処理システム300のブロック図である。具体的には、処理システム300は、アプリケーション及び情報ファイル(曲及び写真等)を格納するハードディスクドライブ302を含んでも良い。処理システム300はまた、オーディオシステム304を含んでも良い。オーディオサブシステム304及びハードディスクドライブ302は、例えば、国際標準化機構(ISO)/インターナショナルエンジニアリングコンソーシアム(IEC)ドキュメント番号11172−1、タイトル「情報テクノロジ―デジタル記憶メディアのための動画及び関連音声のコード化」(1993)(MP3)によって規定されたMPEG(Motion Picture Experts Group)1プルトコルのオーディオレイヤ3に準じたオーディオ出力を提供する目的で用いられても良い。
【0021】
更に、処理システム300はディスプレイ306(携帯デバイスのスクリーン等)、通信サブシステム308及びプリンタ310を含んでも良い。通信サブシステム308は、例えば、第3世代(3G)無線、第2世代携帯電話(GSM)、及び/又はブルートゥース通信に準じた通信ネットワークを介して情報をやり取りしても良い。一例として、通信サブシステム308は、電気電子学会(IEEE)仕様書番号802.11g(2003)によって規定されたもの等である、イーサネットプロトコル及び/又は符号分割多重接続/衝突回避方式(CDMA/CA)プルトコルに準じて動作する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介して情報を転送及び/又は受信しても良い。
【0022】
処理システム300は又、オペレーティングシステム及び1つ以上のアプリケーションを実行するプロセッサ350を含んでも良い。例えば、プロセッサ350は、MICROSOFT(r) WINDOWS(r)XPオペレーティングシステム、MICROSOFT(r)INTERNET EXPLORER 5.0(r)ウェブブラウザ、及びMP3音楽の再生に適したメディアプレイヤーを実行しても良い。
【0023】
プロセッサ350又はいくつかの他のコンポーネントは、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)仕様書改訂版2.0b(2002年10月)に準じて動作する電力マネージャを含んでも良い。例えば、プロセッサ350は、S0(フル稼働で最も電力を消費する状態)、S1(システムコンテキストがロストしないローウエイクレイテンシスリープ状態)、及びS2(プロセッサ及びシステムキャッシュコンテキストがリストアされる必要のあるローウエイクレイテンシスリープ状態)等の様々な「スリープ」状態において実行されても良い。更に、プロセッサ350によって消費される電力量を減らす目的で、周波数及び電圧のスケーリングを用いても良い。
【0024】
スリープ状態に加えて、処理システム300は様々なグローバル状態、デバイス電力状態、プロセッサ電力状態及び/又はパフォーマンス状態において動作しても良い。ACPI仕様書はG0からG3までのグローバル状態、D0からD3までの電力状態(D0内のP0からPnまでのデバイスパフォーマンス状態)、及びC0からC3までのプロセッサ電力状態を定義していることに留意してほしい。つまり、様々なサブシステム302、304、306、308及び310のパフォーマンス及び電力必要量は個別に制御されても良い。
【0025】
図4はいくつかの実施形態において実行されるアプリケーションを評価する方法を示すフロー図である。402において、処理システムによって実行される複数のアプリケーションに関連するサブシステムの使用状況が評価される。この評価は、例えば、定期的に、又は現在実行中のアプリケーションのセットにおいて変化が生じたとき(例えば、ユーザが新しいプログラムを立ち上げたとき)に実行されても良い。
【0026】
例えば、図3に戻るが、プロセッサ350は現在ウェブブラウザ及びMP3プレーヤの両方を実行中なので、プロセッサは現在高電力状態(例えば、電圧又は周波数スケーリングを用いていない状態)である。つまり、両方のアプリケーションをサポートする目的で著しい量の処理が要求されるので、ハイレベルの電力消費は当然のことである。
【0027】
更に、ハードディスクドライブ302はノーマル状態であり、オーディオサブシステム304は動作中であり(例えばMP3ファイルを再生する目的で)、ディスプレイ306は明るく(ユーザがウェブページを見られるよう)通信サブシステム308は動作中である(例えば、ユーザがインターネットにアクセスできるよう)。プリンタサブシステム310はオフ状態であるので(どのアプリケーションもプリンタ310を用いないため)、処理システム300によって用いられる電力量を減らすことができる。
【0028】
404において、評価結果に基づいて、サブシステムに関連する電力状態は、第1の電力状態から第2の電力状態に移行される。例えば、実行中のアプリケーションが用いられる可能性が低くなったときに、1つ以上のサブシステムを低電力状態(例えば、低電力ACPIデバイス又はパフォーマンス状態)に移行しても良い。
【0029】
例えば、図5はユーザがウェブブラウザを閉じた後(例えば、ユーザがもはやウェブページにアクセスしないとき)の処理システム300のブロック図である。この場合、プロセッサ350によって消費される電力量を減らす目的で周波数及び電圧のスケーリングを用いなくても良い(なぜなら、MP3プレーヤ1つでは要求される処理電力は少ないので)。
【0030】
更に、MP3プレーヤをサポートする目的で、ハードディスクドライブ302のパフォーマンスは最適化されても良い。この例では、オーディオサブシステム304の電力状態は変化しない(オーディオサブシステム304はMP3プレーヤに必要なので)。ディスプレイ306は「ディム(薄暗い)」電力モードに置かれる(ユーザがディスプレイを見る可能性は低いので)、通信サブシステム308は、処理システム300に消費される電力量を減らす目的で、電源を完全に切られる。その結果、処理システム300に電力を供給する目的で用いられるバッテリの寿命が延びる。
【0031】
実行されるアプリケーションを評価することに加え、電力状態を調整する目的で他のコンテキスト情報を用いても良い。例えば、図6はいくつかの形態における外部状況を感知する方法を示すフロー図である。具体的には、602において外部状況が検知され、604においてその外部状況に基づいて処理システムにおける電力状態が移行される。
【0032】
外部状況は、例えば、周辺の光量であっても良い。この場合、処理システムは、ユーザが暗い部屋に入ってライトを付けた時(例えば、ユーザはサブシステムを用いる可能性が高いので)サブシステムを高電力状態に置く目的で、光センサを用いても良い。他の例として、処理システムに関連する動きを検知して、電力状態を調整する目的に用いても良い。例えば、携帯コンピュータは、ユーザに取り上げられたときに高電力状態に移行しても良い。他の例として、処理システムに関連した位置を検知しても良い。例えば、無線電話サブシステムは、処理システムがユーザの家にあることを、又は無線サービスの範囲内にあることを検知したとき、自動的に低電力状態に移行しても良い。他の例として、遠隔装置に関連する位置が検知されても良い。例えば、ラップトップコンピュータがデジタルカメラが近くに移動したこと(ユーザがブルートゥースを介してカメラから写真を見られるよう)を検知したとき、ラップトップコンピュータ上のディスプレイサブシステムが「明るい」状態に移行されても良い。
【0033】
図7は、いくつかの形態における、ACPIシステム700に関連したハードウェア及びソフトウェア電力管理構成要素のブロック図である。システム700は、システム700に関連したプロセッサ、マザーボード及びサブシステム等のプラットフォームハードウェア710を含む。システム700はまた、起動動作を促進するバイオス(BIOS)720を含む。プラットフォームハードウェア710は、ACPIバイオス730、ACPIレジスタ732、及び/又はACPIテーブル734(これらはバイオスデータの一部であっても良く、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリエレメントにバイオスと共に格納されても良い)を介してACPIドライバ740と情報をやり取りしても良い。(例えば、オペレーティングシステムに不可欠の要素である)ACPIドライバ740は、順にオペレーティングシステム(OS)カーネル750及び1つ以上のデバイスドライバ742と通信しても良い。カーネル750はOS電力管理(OSPM)コード760及び、システム700で実行される1つ以上のアプリケーション770と情報をやり取りしても良い。
【0034】
電力を節約する目的で、ACPIシステム700は様々な電力状態に移行しても良い。様々な電力状態は、例えば、システム700が電力量を段々消費しなくなり、アプリケーション770命令がプラットフォームハードウェア710においてプロセッサによって実行されない(例えば、ACPIスリープ状態S1又はS2)状態を表しても良い。他の電力状態として、「サスペンド・トゥ・ラム」とも呼ばれるACPIスリープ状態S3、及び「ハイバネーション」とも呼ばれるACPIスリープ状態S4等の、システム700がユーザに対して「電源オフ」であるかのような状態であっても良い。
【0035】
システム700の1つ以上の構成要素(又は図7に示されていない他の構成要素)は電力マネージャとして働いても良い。いくつかの形態によれば、電力マネージャはオペレーティングシステムとプラットフォームファームウェアとの間のインターフェース等のEFI(Extensible Firmware Interface)に関連しても良い。BIOS及び/又はEFIにおいてそのようなアプローチを実行することは、既存のオペレーティングシステムを著しく変化させることなく電力管理を向上させることに留意してほしい。
【0036】
いくつかの形態によれば、電力マネージャは単に、現在実行されているアプリーションに基づいて特定のサブシステムの電源を切るかどうかを決定しても良い。この場合、電力マネージャは 現在実行されている複数のアプリケーション770に関連したサブシステム要求値を対象としてプールOR演算を実行しても良い。電力マネージャはその後、プールOR演算結果に基づいてシステム700(例えば、サブシステムを含む)に関連した電力状態を「オン」又は「オフ」に切り替えても良い(例えば、サブシステムは少なくとも1つのアプリケーションがサブシステムを必要としているときにオン状態となる)。
【0037】
単にサブシステムを「オン」又は「オフ」することに加え、電力マネージャは電力状態を様々な他のレベルに移行させても良い(例えば、ディスプレイは20%の明るさにセットされても良い)。例えば、以下のソフトウェアルゴリズムが、n個のサブシステム(例えばデバイス)を含み、j個の異なるアプリケーションを実行できる処理システムの電力状態を移行する目的で用いられても良い。

While (forever) // この例では, アルゴリズムは周期的に実行される

For Application 1 though j

If this application is new since last sampling

For Device 1 through n

Application[j].Device[i].
Performance_State;


Else

If application state has
changed (e.g., to idle)

For Device 1 through n

Application[j].Device
[i].Performance_State;




For Device[1..n] in the system

Device[i].Performance_State =
MAX(Application
[1..M].Device[i].Performance_State);


【0038】
すなわち、新しいアプリケーションが実行されると、アルゴリズムは、デバイスごとの原則(例えば、新しいアプリケーションはディスプレイにおいて少なくとも20%の明るさ、及び完全に機能する通信サブシステムを必要とする)においてアプリケーションが必要とするリソースの最小量を決定する。同様に、アプリケーションが実行を止めたとき、パフォーマンスプロファイルは必要に応じて調整されても良い(例えば、0%の明るさで通信サブシステムを全く必要としない状態に)。アルゴリズムはそれから、それぞれのデバイスが必要とする最大値を選択して、必要に応じてデバイスの電力状態を調整する。
【0039】
例えば、3つのアプリケーションを実行中の処理システムを考えてみよう。第1のアプリケーションは40%の明るさレベルを必要とし、第2のアプリケーションは90パーセントの明るさレベルを必要とし、第3のアプリケーションは50%の明るさレベルを必要とする。この場合、電力マネージャはディスプレイサブシステムの明るさレベルを90%にセットしても良い。ユーザが第2のアプリケーションを閉じたとき、電力マネージャはディスプレイサブシステムの明るさレベルを50%に調整しても良い(その結果、電力を節約でき、システムに電力を供給するバッテリの寿命を延ばすことができる)。
【0040】
図8はいくつかの実施形態におけるコンピュータシステム800を示す。コンピュータシステム800はバッテリ820から電力を消費しても良く、ここに記した形態のどれに準じて動作しても良い。例えば、コンピュータシステムは、コンテキスト情報(例えば、動作中のアプリケーション及び/又は外部状況)に基づいて、サブシステムに関連する電力状態を調整するプロセッサ810を含んでも良い。いくつかの形態によると、調整されるサブシステムはプロセッサ810そのものであっても良いことに留意してほしい。
【0041】
以下に様々な他の形態を説明する。これらは可能な限りの形態の定義を形成するものではなく、他にたくさんの形態が可能であることは当業者であれば理解できるであろう。更に、明確にする目的で、以下の形態は簡潔に記されているが、必要であれば、これらの及び他の形態、用途に対応する目的で、上記の記載に如何なる変更を行なえば良いかは当業者であれば理解できるであろう。
【0042】
ACPI電力状態を、ここでは一例として用いたが、本発明の形態は如何なる種類の低電力状態に関連しても良い。更に、特定の機能を実行するものとして、特定のコンポーネントを記してきたが、ここで記した機能はどれもソフトウェアプリケーション、ハードウェアデバイス、オペレーティンシステム、ドライバ及び/又はバイオスによって実行されても良い。
【0043】
ここに記したいくつかの形態は説明だけを目的とする。この記載から、請求項によって限定された範囲内で変更及び改良をすることで他の形態も実行することができることは当業者であれば理解できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々なサブシステムを含む処理システムに関連するコンテキスト情報を決定する工程と、
前記コンテキスト情報に基づいて、前記処理システムに関連した電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態に自動的に移行する工程とを含む方法。
【請求項2】
前記決定工程は、前記処理システムによって実行される複数のアプリケーションに関連するサブシステム使用状況を評価する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移行工程は、前記評価に基づいて、サブシステムに関連した電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態に移行する工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サブシステムの少なくとも1つは、(i)プロセッサ、(ii)ハードディスクドライブ、(iii)オーディオサブシステム、(iv)ディスプレイデバイス、又は(v)通信デバイスの少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コンテキスト情報は、(i)時間、(ii)曜日、(iii)日付、又は(iv)ユーザ使用パターンの少なくとも1つに関連する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記決定工程は、外部状況を検知する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記外部状況は(i)周辺光(ii)前記処理システムに関連した動き、(iii)前記処理システムに関連した位置、又は(iv)遠隔装置に関連した位置の少なくとも1つに関連する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電力状態は、ACPI規格電力状態である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記電力状態は、(i)グローバル状態、(ii)デバイス電力状態、(iii)スリープ状態、(iv)プロセッサ電力状態、又は(v)パフォーマンス状態の少なくとも1つに関連する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記移行工程は、コンテキストアウェア電力マネージメント拡張部及びオペレーティングシステム電力ポリシーマネージャに従って実行される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記処理システムは、(i)デスクトップパーソナルコンピュータ、(ii)モバイルコンピュータ、(iii)ワークステーション、(iv)サーバ、(v)セットトップボックス、(vi)無線電話、又は(vii)ゲームシステムの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記決定工程は、(i)ソフトウェアプリケーション、(ii)ハードウェアデバイス、(iii)オペレーティングシステム、(iv)ドライバ、又は(v)バイオスの少なくとも1つによって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
様々なサブシステムと、
プロセッサと、
(i)装置に関連したコンテキスト情報を評価し、(ii)前記評価に基づいて、前記装置に関連した電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態に移行する
電力マネージャとを含む装置。
【請求項14】
前記電力マネージャは、前記プロセッサによって実行される複数のアプリケーションに関連したサブシステム要求値を評価する請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記サブシステムの少なくとも1つは、(i)プロセッサ、(ii)ハードディスクドライブ、(iii)オーディオサブシステム、(iv)ディスプレイデバイス、又は(v)通信デバイスの少なくとも1つを含む請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は更に、前記コンテキスト情報に関連した外部状況を検知するセンサを含む請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記センサは、(i)周辺光センサ、(ii)モーションセンサ及び(iii)位置センサの少なくとも1つを含む請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記電力状態はACPI規定電力状態であり、(i)グローバル状態、(ii)デバイス電力状態、(iii)スリープ状態、(iv)プロセッサ電力状態、又は(v)パフォーマンス状態の少なくとも1つと関連する請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記電力マネージャは、コンテキストアウェア電力マネージャ拡張部を用いることに適したオペレーティングシステム電力ポリシーマネージャである請求項13に記載の装置。
【請求項20】
様々なサブシステムと、
プロセッサと、
前記プロセッサに電力を供給するバッテリと、
(i)前記プロセッサによって実行される複数のアプリケーションに関連した最小サブシステム要求値を決定し、(ii)前記サブシステムの最も大きい最小サブシステム要求値に基づいて、サブシステムに関連した電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態に移行する電力マネージャとを含むコンピュータシステム。
【請求項21】
前記サブシステムの少なくとも1つは、(i)プロセッサ、(ii)ハードディスクドライブ、(iii)オーディオサブシステム、(iv)ディスプレイデバイス、又は(v)通信デバイスの少なくとも1つを含む請求項20に記載のコンピュータシステム。
【請求項22】
前記電力状態はACPI規格電力状態であり、(i)グローバル状態、(ii)デバイス電力状態、(iii)スリープ状態、(iv)プロセッサ電力状態、又は(v)パフォーマンス状態の少なくとも1つと関連する請求項20に記載のコンピュータシステム。
【請求項23】
マシンによって実行されたとき、様々なサブシステムを含む処理システムに関連したコンテキスト情報を決定し、前記コンテキスト情報に基づいて、前記処理システムに関連した電力状態を第1の電力状態から第2の電力状態にユーザの入力動作無しで移行させる命令を格納する記憶媒体を含む物品。
【請求項24】
前記コンテキスト情報は、(i)時間、(ii)曜日、(iii)日付、又は(iv)ユーザ使用パターンの少なくとも1つに関連する請求項23に記載の物品。
【請求項25】
前記決定工程は、
(i)周辺光、(ii)前記処理システムに関連した動き、(iii)前記処理システムに関連した位置、又は(iv)遠隔装置に関連した位置の少なくとも1つと関連する外部状況を感知する工程を含む請求項23に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−123824(P2012−123824A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−21253(P2012−21253)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【分割の表示】特願2007−529935(P2007−529935)の分割
【原出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.イーサネット
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】