説明

コンテナターミナルとその制御方法

【課題】
ヤードクレーンの移動を極力減らし、荷役効率を上げるコンテナターミナルとその制御方法を提供する。
【解決手段】
蔵置レーン20の一方の端部の外側に第1受渡領域44ともう一方の端部の外側に第2受渡領域47とを設け、第1受渡領域44で周回搬送台車31と往復台車32とが第1ヤードクレーン13を介してコンテナkの受け渡しを行うとき、往復台車32が第2ヤードクレーン14へコンテナkを運搬し、第2ヤードクレーン14が蔵置レーン20の搬出コンテナ領域46で荷役し、第2受渡領域47で外来シャーシ33と往復台車32とが第2ヤードクレーン14を介してコンテナkの受け渡しを行うとき、往復台車32が海側ヤードクレーン13へコンテナkを運搬し、第1ヤードクレーン13が蔵置レーン20の搬入コンテナ領域45で荷役するように構成された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナターミナルにおいて、蔵置レーンを跨ぐヤードクレーンの移動距離を短くして荷役効率を高めると共に、エネルギーの消費を抑えたコンテナターミナルと制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナターミナルは船舶に対してコンテナを積み込み又は積み卸し、陸上輸送用の外来シャーシでコンテナを搬入および搬出する施設である。また、積み卸し又は搬入されたコンテナを一時的に保管する施設でもある。
【0003】
現在、国際航路におけるコンテナ輸送システムの急速な進展に伴い、コンテナターミナル内での荷役や蔵置作業の自動化や省力化が望まれている。すなわち船舶とコンテナターミナル間のコンテナの搬送およびコンテナターミナルでのコンテナの蔵置部分での自動化や高能率化、ならびに低コスト化などが重要になっている。
【0004】
そこで、蔵置レーンを岸壁に対して略直交する向きに延在させ、蔵置レーン間をスイッチバック走行する無人搬送台車を備え、岸壁側と反対側にゲートを設けて外来シャーシとトランスファークレーン(ヤードクレーン)とが荷役を行う領域を設けたコンテナターミナルがある(例えば特許文献1参照)。このコンテナターミナルは、外来シャーシが蔵置領域に有人の外来シャーシが進入することがないため、蔵置面積率が上昇すると共に、コンテナターミナルを自動化することができた。
【0005】
しかし、特に蔵置レーンに保管されたコンテナを外来シャーシへの搬出および外来シャーシから搬入して蔵置レーンに保管する際に、トランスファークレーン(ヤードクレーン)がコンテナを掴みながら蔵置レーン上を移動するため、荷役効率が悪くなるという問題がある。これはトランスファークレーン(ヤードクレーン)の移動速度が約18km/hと遅いためである。
【0006】
また、特許文献1に記載のコンテナターミナルでは、船舶への積み込みおよび外来シャーシへの搬出が効率的に行えるように、コンテナを蔵置レーンに配置するには、やはりトランスファークレーン(ヤードクレーン)の移動距離を多くしなければならない。岸壁クレーンの走行方向と直交する方向、つまり海陸方向に延在する蔵置レーンを設ける場合、外来シャーシから搬入され、船舶へ積み込まれるコンテナを蔵置レーンの海側に配置し、船舶から積み卸しされて外来シャーシへ搬出されるコンテナを蔵置レーンの陸側に配置すると荷役効率は上がる。特許文献1に記載のコンテナターミナルでは特に外来シャーシへの搬出および搬入の際に、トランスファークレーン(ヤードクレーン)がコンテナを掴み上げ、蔵置レーンを走行するため、効率が落ちる。
【0007】
さらに、トランスファークレーン(ヤードクレーン)がコンテナを吊って運搬する方法は荷役効率が悪く、そのため、無駄なエネルギーを消費しているという問題が発生する。
【0008】
一方で、蔵置レーンの長手方向に移動するヤードクレーンを備え、搬出されるコンテナと搬入されたコンテナを区分して蔵置するコンテナターミナルにおいて、図14に示すように、蔵置レーン110を跨ぐヤードクレーン111と、そのヤードクレーン111を跨ぐ大きなヤードクレーン112を設けたコンテナターミナルがある。このコンテナターミナルはヤードクレーン111とヤードクレーン112とが衝突せずにすれ違うことができるため、蔵置レーン110で効率的にコンテナkを配置することができる。しかし、やは
りヤードクレーン111および112を長距離移動させなければならないため、その分時間が掛かってしまう。加えて大型のヤードクレーン112の製造コストや維持コストが高くなるという問題も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4418195号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ヤードクレーンの移動距離を短縮すると共に、外来シャーシから搬入され、船舶へ積み込まれるコンテナと、船舶から積み卸しされて外来シャーシへ搬出されるコンテナとを蔵置レーンに効率よく配置することで、荷役の効率化を図ることができるコンテナターミナルとその制御方法を提供することである。加えて、エネルギーの消費を抑えることができるコンテナターミナルとその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の問題を解決するための本発明のコンテナターミナルは、船舶に対してコンテナを荷役する複数の岸壁クレーンと、コンテナを所定の位置に配置する複数の蔵置レーンと、各該蔵置レーンを跨ぐ少なくとも2台のヤードクレーンと、前記岸壁クレーンと各前記ヤードクレーンとにコンテナを運搬する複数の周回搬送台車と、コンテナターミナルの外部にコンテナを運搬する複数の外来シャーシとを備えたコンテナターミナルにおいて、各前記蔵置レーンの端部の外側で前記周回搬送台車又は前記外来シャーシに対して荷役する一方のヤードクレーンと、各前記蔵置レーンで荷役する他方のヤードクレーンとの間を、各前記蔵置レーンに隣接する領域で長手方向に往復し、コンテナを運搬する往復台車を設けて構成される。
【0012】
この構成によれば、蔵置レーンの端部の外側で周回搬送台車又は外来シャーシと往復台車とが一方のヤードクレーンを介してコンテナを受け渡し、往復台車が他方のヤードクレーンまでコンテナを運搬することができる。往復台車を蔵置レーンの領域でのコンテナの運搬に使用することでヤードクレーンの移動距離(走行距離)を短縮し、荷役作業に掛かる時間を短縮することができる。また、ヤードクレーンの移動距離(走行距離)を短くして、より重量が軽く消費エネルギーの少ない往復台車でコンテナを運搬させることでエネルギーの消費を抑えることができる。
【0013】
また、上記のコンテナターミナルは、前記周回搬送台車に対して荷役する第1ヤードクレーンを介して前記周回搬送台車と前記往復台車との間でコンテナの受け渡しを行う第1受渡領域と、前記外来シャーシに対して荷役する第2ヤードクレーンを介して前記往復台車と前記外来シャーシとの間でコンテナの受け渡しを行う第2受渡領域とを設け、前記往復台車を無人搬送台車で形成し、前記第1受渡領域と前記第2受渡領域とを連絡する往復経路を設けて構成される。
【0014】
この構成によれば、往復台車が第1受渡領域と第2受渡領域まで移動することができ、第1又は第2クレーンがほとんど移動することなく、周回搬送台車又は外来シャーシから往復台車へ、もしくは、往復台車から周回搬送台車又は外来シャーシへコンテナを渡すことができる。そのため、よりヤードクレーンの移動距離を抑えることができる。
【0015】
周回搬送台車に対して第1ヤードクレーンが荷役する第1受渡領域を設けることで、周回搬送台車の走行距離を縮めると同時に、周回搬送台車の台数を削減し、周回搬送台車よ
りもコストの安い往復台車を用いることでコストを削減することができる。また、外来シャーシに対して荷役する第2受渡領域を設けることで、安全性が増す。
【0016】
また、この構成によれば、往復台車は蔵置レーンの長手方向に往復するだけでよく、周回搬送台車よりも製造コストを抑えることができる。さらに往復経路をレールで形成することで、往復台車の制御を単純化することができる。そのため、往復台車に掛かるコストをさらに抑えることができる。
【0017】
その上、上記のコンテナターミナルは、前記周回搬送台車をスイッチバック走行する無人搬送台車で形成し、前記第1受渡領域で前記周回搬送台車の岸壁エプロン領域を循環する走行経路から分岐し、前記蔵置レーンの端部まで延在し、前記往復路と略平行な複数の受渡経路を設けて構成される。
【0018】
この構成によれば、複数の受渡経路と往復台車の往復路とを略平行に設けることができ、且つ第1ヤードクレーンが受渡経路を跨ぐことができるので、第1受渡領域で行われる周回搬送台車と往復台車との第1ヤードクレーンを介したコンテナの受け渡しを円滑にすることができる。受渡経路と往復経路とが略平行に位置することで、周回搬送台車と往復台車にコンテナを載せるときの向きを変える必要を無くすことができる。さらに、第1ヤードクレーンの直下に複数の周回搬送台車を停車させることができるため、船舶に対する荷役効率を高くすることができる。
【0019】
もしくは、上記のコンテナターミナルは、前記周回搬送台車をスイッチバック走行する無人搬送台車で形成し、前記第1受渡領域で前記周回搬送台車の岸壁エプロン領域を循環する走行経路から分岐し、前記往復経路へと延長する共有経路を設けて構成される。
【0020】
この構成によれば、周回搬送台車が第1ヤードクレーンの直下で停止し、第1ヤードクレーンがコンテナを吊り具で巻上げ、周回搬送台車がヤードクレーンの直下から退いたのち、往復台車が第1ヤードクレーンの直下に停止し、第1ヤードクレーンがコンテナを吊り具で巻下ろすことができる。そのため、第1ヤードクレーンのトロリの横行がなく、周回搬送台車と往復台車とのヤードクレーンを介したコンテナの受け渡しに掛かる時間を短縮し、且つ第1ヤードクレーンの操作を単純にすることができる。
【0021】
上記の目的を達成するための本発明のコンテナターミナルの制御方法は、船舶に対してコンテナを荷役する複数の岸壁クレーンと、コンテナを所定の位置に配置する複数の蔵置レーンと、各該蔵置レーンを跨ぐ少なくとも2台のヤードクレーンと、前記岸壁クレーンと各前記ヤードクレーンとにコンテナを運搬する複数の周回搬送台車と、コンテナターミナルの外部にコンテナを運搬する複数の外来シャーシとを備えたコンテナターミナルの制御方法において、各前記蔵置レーンの端部の外側で、一方のヤードクレーンが前記周回搬送台車又は前記外来シャーシに対して荷役し、他方のヤードクレーンが前記蔵置レーンの所定の位置でコンテナを荷役し、各前記蔵置レーンの隣接する領域を長手方向に往復する前記往復台車が各前記ヤードクレーンにコンテナを運搬する。
【0022】
この方法によれば、移動速度が往復台車に比べて遅いヤードクレーンによるコンテナの運搬距離を短縮し、ヤードクレーンよりも移動速度の速い往復台車でその短縮した分のコンテナの運搬を行うことができるため、コンテナターミナルの荷役効率を高めることができる。また、ヤードクレーンと往復台車とで消費されるエネルギーを比べたとき、往復台車の方がエネルギーの消費は少ない。そのため、ヤードクレーンの代わりに往復台車でコンテナを運搬することでエネルギーの消費を抑えることができる。
【0023】
また、上記のコンテナターミナルの制御方法は、前記船舶又は前記外来シャーシから前
記蔵置レーンへコンテナを荷役する際に、前記蔵置レーンの端部の外側で、一方のヤードクレーンが前記周回搬送台車又は前記外来シャーシから前記往復台車へとコンテナを渡し、前記往復台車が他方のヤードクレーンにコンテナを運搬し、前記他方のヤードクレーンが前記蔵置レーンにコンテナを配置し、前記蔵置レーンから前記船舶又は前記外来シャーシへコンテナを荷役する際に、前記蔵置レーンからコンテナを一方のヤードクレーンが前記往復台車へ渡し、前記往復台車が他方のヤードクレーンにコンテナを運搬し、前記蔵置レーンの端部の外側で、前記他方のヤードクレーンが前記往復台車から前記周回搬送台車又は前記外来シャーシへとコンテナを渡す。
【0024】
この方法によれば、船舶からコンテナを積み卸す際には、岸壁クレーンからコンテナを受け取った周回搬送台車は蔵置レーンの端部の外側の第1受渡領域で停止し、その場に配置された第1ヤードクレーンがそのコンテナを受け取り、往復台車へコンテナを渡す。コンテナを受け取った往復台車は蔵置レーンの隣接する領域を走行し蔵置レーン上のそのコンテナを収める位置に配置された第2ヤードクレーンまでコンテナを運搬する。運搬されたコンテナを第2ヤードクレーンが蔵置レーンの所定の位置にコンテナを配置することができる。
【0025】
外来シャーシからコンテナを搬入する際には、外来シャーシは蔵置レーンの端部の外側の第2受渡領域で停止し、第2ヤードクレーンがそのコンテナを受け取り、往復台車へそのコンテナを渡す。コンテナを受け取った往復台車はコンテナを収める位置に配置された第1ヤードクレーンまでコンテナを運搬する。運搬されたコンテナを第1ヤードクレーンが蔵置レーンの所定の位置にコンテナを配置することができる。
【0026】
船舶への積み込みおよび外来シャーシへの搬出の際にも同様に、一方のヤードクレーンが蔵置レーンの所定の位置からコンテナを往復台車へ渡し、往復台車が蔵置レーンの端部の外側に配置された他方のヤードクレーンまで、コンテナを運搬する。そのヤードクレーンが周回搬送台車又は外来シャーシにコンテナを渡すことができる。よって、移動速度の遅いヤードクレーンの移動距離を極力少なくして、その分を蔵置レーンの隣接を往復する往復台車を使ってコンテナを運搬することで、コンテナの荷役作業を効率よくすることができる。加えて、荷役効率を上げることによるエネルギーの消費を抑えると共に、ヤードクレーンによるコンテナの運搬を減らし、その分を往復台車が行うことでエネルギーの消費をさらに抑えることができる。
【0027】
加えて、船舶の積み込み又は積み卸しを考慮した場合、蔵置レーンに配置されるコンテナは蔵置レーンの海側に船舶に積み込むコンテナを配置し、蔵置レーンの陸側に船舶から積み卸しされたコンテナを配置するともっとも荷役効率がよい。上記の方法によれば、ヤードクレーンの移動距離を極力減少させた上で、蔵置レーンのコンテナの配置をもっとも効率のよい配置にすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、搬出および搬入に効率のよい位置にコンテナを蔵置レーンに配置する場合でも、ヤードクレーンの移動距離を短縮することができ、且つ蔵置レーンから岸壁クレーンおよび外来シャーシへコンテナを受け渡す際にもヤードクレーンの移動距離を短縮することができるため、コンテナターミナルの荷役効率を上げることができる。また、コンテナターミナルの荷役効率を上げることと、ヤードクレーンでのコンテナの運搬を減少させて消費電力を低くすることで、コンテナターミナルのエネルギーの消費を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のコンテナターミナルを示した平面図である。
【図2】図1のII−IIで示した矢視図である。
【図3】図2のIII−IIIで示した矢視図である。
【図4】図2の海側受渡領域(第1受渡領域)44を拡大した図である。
【図5】図2のV−Vで示した矢視図である。
【図6】図2のVI−VIで示した矢視図である。
【図7】図1のII−IIにおいて、船舶からコンテナを積み卸す動作を示した矢視図である。
【図8】図1のII−IIにおいて、外来シャーシからコンテナを搬入する動作を示した矢視図である。
【図9】図1のII−IIにおいて、船舶へコンテナを積み込む動作を示した矢視図である。
【図10】図1のII−IIにおいて、外来シャーシへコンテナを搬出する動作を示した矢視図である。
【図11】本発明に係る第2の実施の形態のコンテナターミナルの一部を示した拡大図である。
【図12】本発明に係る第3の実施の形態のコンテナターミナルを示した図である。
【図13】本発明に係る第4の実施の形態のコンテナターミナルを示した図である。
【図14】従来のコンテナターミナルの一部を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態のコンテナターミナル10とコンテナターミナル10の制御方法について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明に係る第1の実施の形態のコンテナターミナル10は岸壁1に接岸する船舶11と、その船舶11に対してコンテナkを荷役する3台の岸壁クレーン12と、海陸方向もしくは岸壁クレーン12の走行方向と直交する方向(岸壁クレーン12の横行方向)に長手方向を持ち、コンテナkが所定の位置に配置されている蔵置レーン20とを備える。ここでは1例として岸壁クレーン12の横行方向に長手方向を持つ蔵置レーンを6レーンとしたが、コンテナターミナル10によっては、岸壁クレーン12の走行方向に長手方向を持つ蔵置レーンとしたり、また様々なレーン数にすることができる。さらに、岸壁クレーン12も1隻の船舶11に対して何台設置してもよく、船舶11も1隻とは限らない。コンテナターミナル10は一番海側の岸壁エプロン領域41と蔵置レーン20が設置される蔵置領域42とゲートヤード43とを備える。
【0032】
岸壁エプロン領域41に、岸壁クレーン12と、周回搬送台車31の走行経路34とを設ける。岸壁クレーン12は1台の船舶11に対して、吊り具の巻上げ下げとトロリの横行方向(海陸方向)の往復によって、コンテナkの荷役を行う。コンテナkは幅8フィート、高さ8フィート、長さ20フィートまたは40フィートのISO規格コンテナであるが、それ以外の規格のコンテナでもよい。
【0033】
周回搬送台車31は各岸壁クレーン12を通過して、岸壁エプロン領域41内を環状に周回する走行経路34上を走行する無人搬送台車(以下、AGVという)で形成されている。周回搬送台車31はAGVに限らず、有人のものでもよいが、効率面からAGVが適している。走行経路34は磁気テープなどを埋設して形成され、周回搬送台車31はその磁気テープをセンサーで検知することで走行経路34を外れることなく、また、分岐や交差などで進行方向が選択される場合であっても、その進行方向を制御することができる。さらに、周回搬送台車31はスイッチバック走行が可能なように形成されている。
【0034】
周回搬送台車31は岸壁エプロン領域41を環状に周回するだけで、従来に比べると走
行距離が各段に短縮され、故障等が発生しにくく維持コストを抑えることができる。周回搬送台車31は特に上記の構成に限らず、コンテナkを運搬できるものであればよい。
【0035】
蔵置領域42に、複数の蔵置レーン20と、各蔵置レーン20を跨ぎ、その長手方向に往復可能な海側寄りに設けられた第1ヤードクレーン13(以下海側ヤードクレーン13という)と、陸側寄りに設けられた第2ヤードクレーン14(以下陸側ヤードクレーン14という)と、各蔵置レーン20に隣接する領域で蔵置レーン20の長手方向に往復可能な往復台車32と、その往復経路35とを設ける。
【0036】
ゲートヤード43に、少なくとも無人の周回搬送台車31と往復台車32とを制御する制御システムを備え、且つ、有人の岸壁クレーン12と海側ヤードクレーン13と陸側ヤードクレーン14と外来シャーシ33に指示を送る管理棟15や、外部への出入り口になるゲート16とを設ける。また、33は外来シャーシ33を示す。
【0037】
図2に示すように、蔵置レーン20は第1端部21(以下海側端部21という)と第2端部22(以下陸側端部22という)とを備える。岸壁エプロン領域41の海側端部21と接する領域に第1受渡領域44(以下海側受渡領域44という)を設け、蔵置領域42を海側よりの主に搬入されたコンテナを蔵置する搬入コンテナ領域45と、陸側よりの主に搬出されるコンテナを蔵置する搬出コンテナ領域46とを設け、ゲートヤード43の陸側端部22と接する領域に第2受渡領域47(以下陸側受渡領域47という)を設ける。
【0038】
海側受渡領域44は、周回搬送台車31と往復台車32とが海側ヤードクレーン13を介してコンテナkの受け渡しを行う領域である。また、陸側受渡領域47は往復台車32と外来シャーシ33とが陸側ヤードクレーン14を介してコンテナkの受け渡しを行う領域である。
【0039】
従来であれば、周回搬送台車31は蔵置レーン20の中から指定された、例えば蔵置レーン20の各ヤードクレーン13、14まで蔵置レーン20の隣接を走行していた。そのため、周回搬送台車31の走行距離が長く、特に蔵置レーン20の陸側端部22の近傍までコンテナkを運搬する際には、蔵置レーン20を往復してから各岸壁クレーン12に戻るため、時間が掛かっていた。時間が掛かることによる荷役効率の低下を解消するために周回搬送台車31の台数を増やしていた。
【0040】
海側受渡領域44を設けることによって、周回搬送台車31はコンテナkの受け渡しを海側受渡領域44で行い、直ぐに走行経路34に戻り、再び岸壁クレーン12からコンテナkを運搬することができ、次々と船舶11のコンテナkの積み込みおよび積み卸しを行うことができる。そのため、周回搬送台車31の走行距離を少なくすることができるので、コストが掛かる周回搬送台車31の数を減らすと共に、その維持に掛かるコストも減らすことができる。各ヤードクレーン13、14の間でコンテナkを運搬するために往復台車32を設けなければならないが、往復台車32は蔵置レーン20の隣接を往復することができればよいため、周回搬送台車31よりも構造が単純でコストを抑えることができる。
【0041】
また、有人の外来シャーシ33は蔵置レーン20の陸側端部22の外側に設けた陸側受渡領域47で陸側ヤードクレーン14によって荷役されるため、有人の外来シャーシ33を蔵置領域42へ進入させることがない。特に運転手のいる運転席の真上をコンテナkや陸側ヤードクレーン14が通過することがなくなるため、安全性が向上する。
【0042】
搬入コンテナ領域45は、コンテナターミナル10の外部から外来シャーシ33が搬入し、船舶11へ積み込まれるコンテナkを配置する領域である。また、搬出コンテナ領域
46は、船舶11から積み卸しされ、外来シャーシ33がコンテナターミナル10の外部へ搬出するコンテナkを配置する領域である。蔵置レーン20の海側を搬入コンテナ領域45と陸側を搬出コンテナ領域46とに大まかに区別して配置することでより荷役効率が上がる。ただし、この区別は大まかな区別であり、上記の構成には限らない。例えば、船舶から船舶へ荷役するハブ港湾の場合などは区別なくコンテナを蔵置することができる。
【0043】
図3に示すように、往復台車32の往復経路35は、蔵置レーン20の隣接する領域の海側受渡領域44と陸側受渡領域47とを連絡する。往復経路35は磁気テープで形成してもよいが、往復台車32は往復走行しかしないため、レール状に形成してもよい。往復台車32も周回搬送台車31と同様にAGVで形成するが、周回搬送台車31と同等の性能は必要ない。往復台車32はレール上を走行できる車輪と、正逆転制御できるモータ又はモータを定常回転させ車輪を正逆制御する機構とを備え、往復運動を制御する装置で動作を制御するだけなので、周回搬送台車31と比較すると製造コストが安価になる。
【0044】
海側受渡領域44に設けられた周回搬送台車31の受渡経路36は、図4に示すように、走行経路34から分岐して、海側端部21まで延在している。受渡経路36は周回搬送台車31が停止する停止路36aと、走行経路34から周回搬送台車31が停止路36aへの進入を可能にする進入路36bと、停止路36aから周回搬送台車31がスイッチバック走行して、走行経路34への脱出を可能にする脱出路36cとからなる。周回搬送台車31がスイッチバック走行せずに、縦横自在に走行できるように形成されれば、受渡経路36を走行経路34まで延在する停止路36aのみで形成してもよい。周回搬送台車31はコンテナkを受け渡す海側ヤードクレーン13がいちいち移動することがないように、停止路36aで停車するように制御されている。
【0045】
図5に示すように、海側ヤードクレーン13は蔵置レーン20と往復台車32の走行経路34とを跨ぐように設けられている。また、海側受渡領域44において、海側ヤードクレーン13は複数の周回搬送台車31と往復台車32とを跨ぐ。海側ヤードクレーン13は横行するトロリ13aと吊り具13bと蔵置レーン20上を移動するための走行装置13cとを備える。
【0046】
上記のように受渡経路36と海側ヤードクレーン13とを設けることで、複数台の周回搬送台車31がコンテナkを海側受渡領域44へと運搬することができ、1台ずつ順番に運搬するよりも、効率よく運搬することができる。また、周回搬送台車31と往復台車32とが互いの動作を待つことがない。
【0047】
図6に示すように、陸側ヤードクレーン14の構成は海側ヤードクレーン13と同様である。そして、外来シャーシ33は有人であるため、安全性を考慮して、陸側ヤードクレーン14および往復台車32が走行する領域に進入しないように、安全柵17を設ける。安全柵17を設けることによって、有人の外来シャーシ33は蔵置領域42に進入することがなく、陸側ヤードクレーン14や往復台車32との衝突などの事故を防ぐことができる。加えて、コンテナターミナル10を無人で動作する領域と有人で動作させる領域とが区別されるため、無人で動作する領域ではより自動化を推し進めることが可能となる。
【0048】
上記の構成のコンテナターミナル10の少なくとも周回搬送台車31と往復台車32とは自動で動作するように制御されており、その制御はゲートヤード41に設けられている管理棟15のコンピュータで行われている。
【0049】
次に本発明の第1の実施の形態のコンテナターミナル10で行われるコンテナkの荷役動作を説明する。船舶11から周回搬送台車31を使って蔵置レーン20へコンテナkを積み卸す動作を図7に示し、外来シャーシ33から蔵置レーン20へコンテナkを搬入す
る動作を図8に示し、蔵置レーン20から船舶11へ周回搬送台車31を使ってコンテナkを積み込む動作を図9に示し、蔵置レーン20から外来シャーシ33へコンテナkを搬出する動作を図10に示す。
【0050】
船舶11から周回搬送台車31を使って蔵置レーン20へコンテナkを積み卸す動作と、外来シャーシ33から蔵置レーン20へコンテナkを搬入する動作は周回搬送台車31と外来シャーシ33との違いになるため、ここでは図7に示す、積み卸し動作を説明する。
【0051】
図7に示すように、周回搬送台車31が受渡経路36で停止する前に、海側ヤードクレーン13は海側受渡領域44に移動して待機している。また、海側ヤードクレーン13は周回搬送台車31が停止する位置でコンテナkをつかみ上げられるように、トロリ13aを周回搬送台車31の停車位置まで動かしておく。そして、周回搬送台車31が停止すると同時に、吊り具13bを巻下げ、コンテナkを吊り具13bがつかみ、コンテナkを巻上げる。コンテナkを海側ヤードクレーン13に渡した周回搬送台車31は、スイッチバック走行をして、走行経路34へと戻り、岸壁クレーン12からコンテナkを受け取るために再度、周回する。
【0052】
上記の動作中又は動作完了するまでには、往復台車32が海側受渡領域44に戻って停車している。海側ヤードクレーン13はトロリ13aを往復台車32の真上の位置まで横行させ、吊り具13bを巻下げ、往復台車32へコンテナkを渡す。コンテナkを受け取った往復台車32は往復経路35上を走行し、搬出領域46内のコンテナkを配置する指定の位置で待機している陸側ヤードクレーン14まで走行する。陸側ヤードクレーン14は往復台車32が停止する位置へトロリ14aを移動させて待機している。
【0053】
陸側ヤードクレーン14は、往復台車32が停止すると同時に吊り具14bを巻下げ、コンテナkを吊り具14bが掴み、コンテナkを巻上げる。コンテナkを陸側ヤードクレーン14へ渡した往復台車32は、海側受渡領域44へ戻っていく。コンテナkを巻上げた陸側ヤードクレーン14はトロリ14aを横行させ指定の位置で停止させ、吊り具14bを巻下げ、コンテナkを蔵置レーン20の所定の位置に配置する。以上で船舶11からコンテナkを積み卸しする動作が完了する。この動作を船舶11の指定されたコンテナk全てに対して行う。
【0054】
外来シャーシ33から蔵置レーン20へコンテナkを搬入する動作は上記の動作の周回搬送台車31を外来シャーシ33へ換え、海側ヤードクレーン13と陸側ヤードクレーン14の役割を交換し、コンテナkの往復台車32との受け渡す領域を海側受渡領域44と陸側受渡領域47に換えると同様の動作になる。
【0055】
上記の動作により、船舶11から積み卸しされたコンテナkを外来シャーシ33へ搬出しやすいように蔵置レーン20の陸側寄りに配置することができると共に、その作業の際に各ヤードクレーン13、14の移動を減らすことができるため、荷役効率を上げることができる。その逆で外来シャーシ33から搬入されたコンテナkを船舶11へ積み込みし易いように蔵置レーン20の海側寄りに配置することができる。
【0056】
また、周回搬送台車31は岸壁エプロン領域でのコンテナkの運搬という役割、海側ヤードクレーン13又は陸側ヤードクレーン14のどちらか一方はコンテナkの受け渡しという役割、もう一方はコンテナkの配置という役割、往復台車32は各ヤードクレーン間でのコンテナkの運搬という役割、外来シャーシ33は外部への搬出という役割と、各装置に役割分担をはっきりさせることで制御を容易にし、且つ荷役の高効率を実現することができる。
【0057】
次に、外来シャーシ33から蔵置レーン20へコンテナkを搬入する動作と、蔵置レーン20から船舶11へ周回搬送台車31を使ってコンテナkを積み込む動作を説明するが、海側ヤードクレーン13と陸側ヤードクレーン14の役割を逆にして、周回搬送台車31を外来シャーシ33に換えると同様の方法となるため、ここでは図9に示す、蔵置レーン20の搬入コンテナ領域45に配置されたコンテナkを船舶11に積み込む方法を説明する。
【0058】
海側ヤードクレーン13を海側受渡領域44に移動して待機させ、陸側ヤードクレーン14を搬入コンテナ領域45の陸側よりに移動して待機させておく。船舶11へ積み込むコンテナkと海側ヤードクレーン13との距離を算出し、その距離が予め定められた範囲内であれば海側ヤードクレーン13が搬入コンテナ領域45へ移動してコンテナkを掴み、周回搬送台車31まで運搬する。距離が一定の範囲を超えれば陸側ヤードクレーン14がコンテナkを往復台車32へ渡し、往復台車32が海側ヤードクレーン13へ運搬する。コンテナkを受け取った周回搬送台車31は受渡経路36をスイッチバック走行し、走行経路34へ戻り、岸壁クレーン12へコンテナkを運搬し、岸壁クレーン12がコンテナkを船舶11へ積み込む。以上で船舶11へのコンテナkの積み込みが完了する。
【0059】
上記の予め定められた範囲は、例えば、図9に示す、蔵置レーン20の搬入コンテナ領域45の真ん中のコンテナ列24cを範囲とする。その場合、コンテナ列24aのコンテナkを搬入する場合は、海側ヤードクレーン13がコンテナ列24aへ移動し、コンテナkを掴んで海側受渡領域44へ戻り、周回搬送台車31へコンテナkを渡す。一方、蔵置レーン20のコンテナ列24eのコンテナkを搬入する場合は、陸側ヤードクレーン14がコンテナ列24eへ移動し、コンテナkを往復台車32へ渡し、往復台車32が海側ヤードクレーン13までコンテナkを運搬する。そして、海側ヤードクレーン13を介して周回搬送台車31にコンテナkを渡す。この予め定められた範囲は上記に限らず、例えば、予め往復台車32を使用した場合と使用しない場合とで掛かる作業時間を算出しておき、その作業時間を元にしてもよい。
【0060】
蔵置レーン20の搬出コンテナ領域46に配置されたコンテナkを外来シャーシ33に搬出する方法であるが、図10に示すように、上記の船舶11への積み込み方法の海側ヤードクレーン13と陸側ヤードクレーン14の役割を逆にして、周回搬送台車31を外来シャーシ33に換えると同様の方法となる。
【0061】
上記の方法により、各ヤードクレーン13、14がコンテナkを運搬する方が短時間で作業を終えることができる場合は、各ヤードクレーン13、14による運搬を選び、コンテナkの距離が遠く、往復台車32が運搬する方が短時間で作業を終えることが出来る場合は、もう一方のヤードクレーン13又は14と往復台車32による運搬を選ぶことが可能になるため、効率的に荷役を行うことができる。
【0062】
次に、本発明に係る第2の実施の形態のコンテナクレーン10について説明する。図11に示すように、上記の構成のコンテナターミナル10の海側受渡領域44に設けられる受渡経路36と往復台車32が走行する往復経路35とに替えて、共有経路37を設ける。共有経路37は、海側受渡領域44と陸側受渡領域45との間に延在する往復路37aと、走行経路34から周回搬送台車31が往復路37aへの進入を可能にする進入路37bと、往復路37aから周回搬送台車31がスイッチバック走行して、走行経路34への脱出を可能にする脱出路37cとからなる。また、往復路37aは往復台車32が走行できるように形成されている。
【0063】
周回搬送台車31がコンテナkを運搬し、海側ヤードクレーン13がコンテナkを巻上
げる。その後周回搬送台車31がスイッチバック走行し走行経路34に戻ると同時に往復台車32が海側ヤードクレーン13の下へ侵入し、海側ヤードクレーン13からコンテナkを往復台車32へ渡す。
【0064】
上記の動作によれば、周回搬送台車31と往復台車32との走行する経路を一体に形成しているため、海側ヤードクレーン13が吊り具13bの巻上げ下げ動作のみでコンテナkの受け渡しを行うことができる。そのため、トロリ13aを横行させる必要がなくなり、その分作業時間を短縮すると共に、トロリ13aを横行させない分、エネルギーの消費を抑えることができる。
【0065】
本発明に係る第3の実施の形態は、図12に示すように、蔵置レーン20に海側ヤードクレーン13と陸側ヤードクレーン14との間に中間ヤードクレーン15を設ける。例えば、船舶11からコンテナkを積み卸しするときに、陸側ヤードクレーン14と中間ヤードクレーン15とを搬出コンテナ領域46内に待機させ、コンテナkを所定の位置へ配置するときにより近い方が荷役することができるため、さらに荷役効率を上げることができる。
【0066】
本発明に係る第4の実施の形態として、上記の構成に、図13に示すように、蔵置レーン20の隣接で往復経路35の隣にもう一本の往復経路39を設け、もう一台の往復台車38を走行させる。往復台車32と38の2台でコンテナkを運搬することができるため、荷役効率を上げることができる。
【0067】
本発明のコンテナターミナル10は、上記のような構成に限らず、例えば、蔵置レーン20の陸側にもう6本の蔵置レーンを設けてもよい。その場合は周回搬送台車31の走行経路34が蔵置レーン20を周回するように形成し、陸側の蔵置レーンの海側受渡領域までコンテナを運搬するようにする。もしくは、海側の蔵置レーンと陸側蔵置レーンとを往復することができる往復台車を設け、海側蔵置レーンの海側受渡領域でコンテナを受け取った往復台車が陸側蔵置レーンまでコンテナを運搬してもよい。
【0068】
また、蔵置レーン20を岸壁と略並行な方向に長手方向を持つように形成してもよい。その場合でも、各蔵置レーン20の各第1受渡領域44若しくは各第2受渡領域47同士が並ぶように各蔵置レーンを配置するとよい。さらに、各蔵置レーン20の長手方向が複数の方向を向いていてもよい。
【0069】
上記のコンテナターミナル10の制御システムは、管理棟15のパソコンなどで行われ、コンテナターミナル10の全体の制御も行っている。周回搬送台車31と往復台車32の自動運転を制御し、また、それぞれの動作の連動制御も行う。加えて、各ヤードクレーン13、14および岸壁クレーン12を自動化すると岸壁エプロン領域41と蔵置領域42とが完全に無人化することもできる。
【0070】
また、制御システムは蔵置レーン20に配置される1つ1つのコンテナkの管理も行っている。搬入および搬出される順番にコンテナkを積み上げるように各装置に指示を出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のコンテナターミナルは、コンテナを荷役する際に、ヤードクレーンの移動を極力減らし、代わりに往復台車でコンテナの運搬をするので、荷役効率を上げると共にエネルギーの消費を抑えることができる。そのため、岸壁などに設け、海上輸送と陸上輸送との拠点として用いることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 岸壁 32 往復台車
10 コンテナターミナル 33 外来シャーシ
11 船舶 34 走行経路
12 岸壁クレーン 35 往復経路
13 海側ヤードクレーン 36 受渡経路
14 陸側ヤードクレーン 37 共有経路
15 管理棟 41 岸壁エプロン領域
16 ゲート 42 蔵置領域
17 安全柵 43 ゲートヤード
20 蔵置レーン 44 海側受渡領域
21 海側端部 45 搬入コンテナ領域
22 陸側端部 46 搬出コンテナ領域
31 周回搬送台車 47 陸側受渡領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に対してコンテナを荷役する複数の岸壁クレーンと、コンテナを所定の位置に配置する複数の蔵置レーンと、各該蔵置レーンを跨ぐ少なくとも2台のヤードクレーンと、前記岸壁クレーンと各前記ヤードクレーンとにコンテナを運搬する複数の周回搬送台車と、コンテナターミナルの外部にコンテナを運搬する複数の外来シャーシとを備えたコンテナターミナルにおいて、
各前記蔵置レーンの端部の外側で前記周回搬送台車又は前記外来シャーシに対して荷役する一方のヤードクレーンと、各前記蔵置レーンで荷役する他方のヤードクレーンとの間を、各前記蔵置レーンの隣接する領域を長手方向に往復し、コンテナを運搬する往復台車を設けたことを特徴とするコンテナターミナル。
【請求項2】
前記周回搬送台車に対して荷役する第1ヤードクレーンを介して前記周回搬送台車と前記往復台車との間でコンテナの受け渡しを行う第1受渡領域と、前記外来シャーシに対して荷役する第2ヤードクレーンを介して前記往復台車と前記外来シャーシとの間でコンテナの受け渡しを行う第2受渡領域とを設け、
前記往復台車を無人搬送台車で形成し、前記第1受渡領域と前記第2受渡領域とを連絡する往復経路を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンテナターミナル。
【請求項3】
前記周回搬送台車をスイッチバック走行する無人搬送台車で形成し、前記第1受渡領域で前記周回搬送台車の岸壁エプロン領域を循環する走行経路から分岐し、前記蔵置レーンの端部まで延在し、前記往復路と略平行な複数の受渡経路を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナターミナル。
【請求項4】
前記周回搬送台車をスイッチバック走行する無人搬送台車で形成し、前記第1受渡領域で前記周回搬送台車の岸壁エプロン領域を循環する走行経路から分岐し、前記往復経路へと延長する共有経路を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナターミナル。
【請求項5】
船舶に対してコンテナを荷役する複数の岸壁クレーンと、コンテナを所定の位置に配置する複数の蔵置レーンと、各該蔵置レーンを跨ぐ少なくとも2台のヤードクレーンと、前記岸壁クレーンと各前記ヤードクレーンとにコンテナを運搬する複数の周回搬送台車と、コンテナターミナルの外部にコンテナを運搬する複数の外来シャーシとを備えたコンテナターミナルの制御方法において、
各前記蔵置レーンの端部の外側で、一方のヤードクレーンが前記周回搬送台車又は前記外来シャーシに対して荷役し、他方のヤードクレーンが前記蔵置レーンの所定の位置でコンテナを荷役し、各前記蔵置レーンの隣接する領域を長手方向に往復する前記往復台車が各前記ヤードクレーンにコンテナを運搬することを特徴とするコンテナターミナルの制御方法。
【請求項6】
前記船舶又は前記外来シャーシから前記蔵置レーンへコンテナを荷役する際に、前記蔵置レーンの端部の外側で、一方のヤードクレーンが前記周回搬送台車又は前記外来シャーシから前記往復台車へとコンテナを渡し、前記往復台車が他方のヤードクレーンにコンテナを運搬し、前記他方のヤードクレーンが前記蔵置レーンにコンテナを配置し、
前記蔵置レーンから前記船舶又は前記外来シャーシへコンテナを荷役する際に、前記蔵置レーンからコンテナを一方のヤードクレーンが前記往復台車へ渡し、前記往復台車が他方のヤードクレーンにコンテナを運搬し、前記蔵置レーンの端部の外側で、前記他方のヤードクレーンが前記往復台車から前記周回搬送台車又は前記外来シャーシへとコンテナを渡すことを特徴とする請求項5に記載のコンテナターミナルの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−201482(P2012−201482A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69868(P2011−69868)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)