説明

コンテナ積載用セミトレーラ

【課題】コンテナの積み込み作業の作業性を向上させることにある。
【解決手段】コンテナの四隅に形成された係合孔に係合する係合位置と係合を解除する解除位置との間でツイストロックピンまたはロッキングピンを駆動する4つのエアシリンダ42を設け、それぞれのエアシリンダ42に圧縮空気を供給する供給ライン80を開閉する4つの開閉バルブ54を供給ライン80に直列的に接続する。それぞれの開閉バルブ54は、コンテナがトレーラ本体に積載されてそれぞれの係合孔がツイストロックピンまたはロッキングピンに対応する位置となったときに解除位置から締結位置に駆動される操作ロッド59を備え、4つ全ての操作ロッド59がコンテナにより締結位置に駆動されると、供給ライン80の流路が開放されてそれぞれのエアシリンダ42に圧縮空気が供給されて、ツイストロックピンまたはロッキングピンが係合位置に駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタに牽引されて走行し、積載されたコンテナを運搬するコンテナ積載用セミトレーラに関する。
【背景技術】
【0002】
大型トラックにより運搬可能な積載物はその重量や長さ寸法が道路交通法等で制限されており、当該制限重量や制限寸法を超えるコンテナなどの大きな積載物を運搬する場合には、トラクタとトレーラとの連結車両が用いられる。この連結車両には、トラクタとトレーラとに荷台が設けられたフルトレーラ型と、トレーラのみに荷台が設けられたセミトレーラ型とがあり、セミトレーラ型のトレーラとしてはコンテナを積載するためのコンテナ積載用セミトレーラがある。被牽引車であるトレーラには駆動車輪が設けられておらず、トレーラは牽引車であるトラクタに牽引されて走行し、積載された積載物を運搬するようになっている。
【0003】
トレーラに積載されるコンテナには長さ寸法が20フィートの小型コンテナと長さ寸法が40フィートの大型コンテナとがあり、トレーラにコンテナを積載する際にはコンテナの長辺がトレーラの走行方向に平行となる状態で積載される。コンテナ積載用セミトレーラには小型コンテナ専用タイプと、大型コンテナ専用タイプと、両方のコンテナのいずれをも積載可能な兼用タイプとがある。
【0004】
積載されたコンテナをトレーラに固定するために、トレーラには、コンテナの四隅に形成された係合孔に対応して複数のコンテナ締結装置が設けられている。小型コンテナを運搬する場合には、小型コンテナの前後両端部左右の係合孔に対応して設けられたツイストロック式のコンテナ締結装置と小型コンテナの係合孔とがそれぞれ係合されて小型コンテナがトレーラに固定される。また、大型コンテナを運搬する場合には、大型コンテナの前端部左右の係合孔に対応して設けられたロッキングピン式のコンテナ締結装置、および大型コンテナの後端部左右の係合孔に対応して設けられたツイストロック式のコンテナ締結装置と大型コンテナの係合孔とがそれぞれ係合されて大型コンテナがトレーラに固定される。これらコンテナ締結装置は作業者によりそれぞれ手動操作されてコンテナの係合孔に係合されるのが一般的であるが、作業者によるコンテナ締結装置の操作し忘れなどによってコンテナが固定されていない状態でトレーラが走行することを確実に防止するために、例えば、特許文献1には、コンテナがトレーラに積載されることでコンテナにより自動的に操作されるようにしたコンテナ締結装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−226270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このコンテナ締結装置は、コンテナを支持するコンテナ支持面から上方に突出する操作ロッドと機械的に連結されており、コンテナがコンテナ支持面に積載されることでコンテナにより操作ロッドが駆動されて、コンテナ締結装置がコンテナの係合孔に係合するよう自動操作される。操作ロッドはそれぞれのコンテナ締結装置に隣接して設けられており、それぞれの操作ロッドがコンテナにより駆動されることで対応するコンテナ締結装置が自動的に操作されるようになっている。そのため、トレーラに対するコンテナの積載が完了していない場合でも、コンテナにより1つまたは2つの操作ロッドが駆動されることで、対応するコンテナ締結装置が自動操作されて積載が完了していない状態でコンテナが固定されるおそれがある。この場合、コンテナが1つまたは2つのコンテナ締結装置に固定された状態で、他のコンテナ締結装置に対して位置決めしなければならず、コンテナの積み込み作業が煩雑となる。
【0007】
例えば、コンテナをトレーラに積載する際には、コンテナを後方側左右のコンテナ締結装置に対して位置決めした後に、前方側左右のコンテナ締結装置に対して位置決めするようにしており、後方側のコンテナ締結装置に対して位置決めするときにコンテナにより操作ロッドが駆動されると、後方側のコンテナ締結装置が自動操作されることとなる。そのため、コンテナの後方側が固定された状態でコンテナを前方側のコンテナ締結装置に対して位置決めしなければならず、コンテナの積み込み作業が煩雑となる。
【0008】
本発明の目的は、コンテナの積み込み作業の作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、四隅に係合孔を有するコンテナが積載されるトレーラ本体と、当該トレーラ本体に設けられる車輪とを備え、トラクタに牽引されて前記コンテナを運搬するコンテナ積載用セミトレーラであって、前記トレーラ本体に前記係合孔に対応して設けられ、それぞれ前記係合孔に係合する係合位置と、前記係合孔との係合を解除する開放位置との間で移動自在の複数のロック部材と、前記トレーラ本体に設けられ、それぞれの前記ロック部材を前記係合位置と前記開放位置とにそれぞれ駆動する複数の駆動部材と、前記トレーラ本体に設けられ、前記コンテナが前記トレーラ本体に積載されて前記係合孔が前記ロック部材に対応する位置となったとき、それぞれ前記コンテナにより解除位置から締結位置に駆動される複数の操作部材と、前記トレーラ本体に対する前記コンテナの積載が完了して全ての前記操作部材が前記コンテナにより前記締結位置に駆動されたときに、それぞれの前記駆動部材を駆動させて前記ロック部材を前記係合位置に駆動する直列スイッチ回路とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記駆動部材は、前記トレーラ本体に設けられた流体圧供給源に流体供給配管を介して接続され、流体圧により前記ロック部材を前記係合位置と前記開放位置とに駆動する流体圧アクチュエータであり、前記流体圧供給源からの流体を前記駆動部材に供給する位置と、供給を停止して前記駆動部材内の流体を排出する位置とに手動により操作される手動操作弁を前記流体供給配管に設けることを特徴とする。
【0011】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、それぞれの前記操作部材は、前記流体供給配管に装着された流路切換弁に設けられ、前記流体供給配管の流路を開放する締結位置と、前記流体供給配管の流路を閉塞する解除位置とに作動する操作ロッドであることを特徴とする。
【0012】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、それぞれの前記操作部材は、前記流体供給配管の流路を開閉する電磁弁に電力を供給する電力供給線に設けられ、前記電力供給線を導通位置に操作する締結位置と、前記電力供給線を導通遮断位置に操作する解除位置とに作動する操作スイッチであることを特徴とする。
【0013】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記ロック部材は、前記コンテナの前後両端部左右の前記係合孔に対応して設けられ、前記係合孔を介して前記コンテナ内に入り込む頭部を有し、前記頭部が前記係合孔に係合する係合位置と係合を解除する開放位置との間で回転自在のツイストロックピンであることを特徴とする。
【0014】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記ロック部材は、前記コンテナの前端部左右の前記係合孔に対応して設けられ、前記係合孔に入り込む係合位置と前記係合孔から離れる開放位置との間で軸方向に往復動自在のロッキングピンと、前記コンテナの後端部左右の前記係合孔に対応して設けられ、前記係合孔を介して前記コンテナ内に入り込む頭部を有し、前記頭部が前記係合孔に係合する係合位置と係合を解除する開放位置との間で回転自在のツイストロックピンであることを特徴とする。
【0015】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、全ての前記ロック部材が前記係合位置となったことを検出し、前記トラクタに設けられた報知部材にロック完了を報知させるロック完了検出手段を有することを特徴とする。
【0016】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、全ての前記操作部材が前記コンテナにより前記締結位置に駆動されてから前記ロック部材を前記係合位置に駆動するまでの間にタイムラグを設定するタイマ回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、トレーラ本体に対するコンテナの積載が完了して、コンテナにより全ての操作部材が締結位置に駆動されたときに、それぞれの駆動部材を駆動させてロック部材を係合位置に駆動する直列スイッチ回路を設けたので、コンテナを積載位置に積み込むことでコンテナをトレーラ本体に自動的に固定することができ、コンテナの積み込み作業の作業性が向上されるとともに、コンテナが固定されていない状態で走行することを防止することができる。また、コンテナにより全ての操作部材が締結位置に駆動されることで、コンテナをトレーラ本体に締結するようにしたので、トレーラ本体に対するコンテナの積載が完了していない状態でコンテナが固定されることが防止され、積載位置のもとでトレーラ本体へのコンテナの積載が完了した状態でコンテナをトレーラ本体に固定することができる。これにより、例えば、後方側のロック部材に対して位置決めした後に、前方側のロック部材に対して位置決めしてコンテナをトレーラ本体に積み込むような場合に、後方側のロック部材に対して位置決めするときにコンテナの後方側がロック部材により固定されることがないため、コンテナを前方側のロック部材に対して位置決めし易くなり、コンテナの積み込み作業の作業性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態であるコンテナ積載用セミトレーラの側面図である。
【図2】図1に示すコンテナ積載用セミトレーラの平面図である。
【図3】小型コンテナの全体を示す斜視図である。
【図4】大型コンテナの前方側の床面の形状を示す斜視図である。
【図5】標準型ツイストロック式の緊定装置であるコンテナ締結装置を示す斜視図である。
【図6】図5に示すコンテナ締結装置の断面図である。
【図7】図6におけるA−A線に沿う断面図である。
【図8】コンテナが積載された状態を示す図7に対応する断面図である。
【図9】ロッキングピン式の緊定装置であるコンテナ締結装置を示す斜視図である。
【図10】図9に示すコンテナ締結装置の断面図である。
【図11】コンテナが積載された状態を示す図10に対応する断面図である。
【図12】(A)、(B)はそれぞれトレーラに設けられる空気圧回路および電気回路を示すシステム図である。
【図13】トレーラに設けられる制御装置を示すシステム図である。
【図14】コンテナ締結装置の変形例を示す断面図である。
【図15】図14に示すコンテナ締結装置の動作を示す断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態であるコンテナ積載用セミトレーラに設けられた空気圧回路を示すシステム図である。
【図17】本発明の他の実施形態であるコンテナ積載用セミトレーラに設けられた電気回路を示すシステム図である。
【図18】本発明の他の実施形態であるコンテナ積載用セミトレーラに設けられたコンテナ締結装置の断面図である。
【図19】コンテナが積載された状態を示す図18に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。このコンテナ積載用セミトレーラはトラクタに牽引されて積載物であるコンテナを運搬する際に用いられ、長さ寸法20フィートの小型コンテナ10と長さ寸法40フィートの大型コンテナ11とのいずれをも積載可能な兼用タイプとなっている。コンテナ積載用セミトレーラは、コンテナを積載するトレーラ本体12が走行方向前後に延びる一対の縦梁材13と、縦梁材13を相互に連結し車幅方向に延びる複数の横梁材14とにより構成されており、縦梁材13の前方部は上方に迫り上がるグースネック部13aを形成している。トレーラ本体12の上面には、積載されたコンテナを支持するコンテナ支持面15が形成されており、図1に示すように、小型コンテナ10をコンテナ支持面15に積載するときにはトレーラ本体12の走行方向中央部に配置され、大型コンテナ11をコンテナ支持面15に積載するときにはトレーラ本体12の前端部から後端部にかけて配置される。
【0020】
被牽引車であるトレーラには走行するための駆動車輪が設けられておらず、トレーラ本体12の前端部に牽引車であるトラクタと連結するためのキングピン16が備えられるとともに、トレーラ本体12の後端側の車幅方向両側にそれぞれ走行車輪17が設けられている。トレーラはトラクタの後端部に設けられたカプラとトレーラのキングピン16とが連結され、トラクタに牽引されて走行車輪17により追従走行をする。また、トレーラがトラクタと連結されていないときには、トレーラ本体12の後端側に設けられた走行車輪17と、トレーラ本体12の前端側に設けられたランディングギヤつまり支持脚18とによりトレーラ本体12が支持される。支持脚18はグースネック部13aの後端部外側に取り付けられて上下方向に伸縮自在となっており、トレーラ本体12を支持する際には支持脚18が下方向に延伸され、支持脚18の基端を走行地盤19に当接させてトレーラ本体12を水平に支持するようにする。
【0021】
トレーラに積載される小型コンテナ10および大型コンテナ11はそれぞれ直方体形状をしており、その長辺がトレーラの走行方向に平行となる状態でコンテナ支持面15に積載される。図3に示すように、小型コンテナ10の各角部には隅金具21が取り付けられており、コンテナ床面の前後両端部左右に位置して、隅金具21には下方に開口する長孔からなる係合孔22が形成されている。一方、大型コンテナ11の各角部にも隅金具21が取り付けられており、コンテナ床面の後端部左右に位置して隅金具21には下方に開口する長孔からなる係合孔22が形成され、コンテナ床面の前端部左右に位置して隅金具21には前方に開口する係合孔23が形成されている。図4に示すように、大型コンテナ11の床面の前方側には、車幅方向中央部が上方に向けて窪んだトンネル凹部24が形成されており、トンネル凹部24は大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されたときにグースネック部13aが入り込む形状をしている。
【0022】
コンテナ支持面15に積載されたコンテナをトレーラ本体12に固定するために、トレーラ本体12には複数のコンテナ締結装置28〜31が設けられている。それぞれのコンテナ締結装置28〜31は、コンテナの四隅に形成された係合孔22,23に対応する位置に、左右一対となって横梁材14の車幅方向両端部に配置されている。図1に示すように、小型コンテナ10をトレーラ本体12に固定する場合には、小型コンテナ10の係合孔22とコンテナ締結装置29,30とがそれぞれ締結される。コンテナ締結装置29,30は回転収納型ツイストロック式の緊定装置であり、大型コンテナ11を積載する際にコンテナ支持面15から上方に迫り出さないように横梁材14内に収納可能となっている。また、大型コンテナ11をトレーラ本体12に固定する場合には、大型コンテナ11の係合孔22とコンテナ締結装置31、および係合孔23とコンテナ締結装置28とがそれぞれ締結される。コンテナ締結装置31は標準型ツイストロック式の緊定装置であり、コンテナ締結装置28はロッキングピン式の緊定装置であり、以下にそれぞれの構造を詳細に説明する。
【0023】
図5は標準型ツイストロック式の緊定装置であるコンテナ締結装置を示す斜視図であり、図6は図5に示すコンテナ締結装置の断面図である。図7は図6におけるA−A線に沿う断面図であり、図8はコンテナが積載された状態を示す図7に対応する断面図である。
【0024】
このコンテナ締結装置31は、大型コンテナ11の後端部左右に形成された係合孔22に対応させて、トレーラ本体12の後端部に車幅方向に左右一対となって設けられている。コンテナ締結装置31は、横梁材14の車幅方向両端部に一体に形成される断面略正方形の中空形状の台座部34を有している。台座部34の上面壁34aにはプレート状の天板35が取り付けられ、コンテナ支持面15を形成する天板35の上面に大型コンテナ11の後端部側の隅金具21が積載されるようになっている。
【0025】
天板35の上面には、大型コンテナ11の係合孔22に対応する位置に、受け台36が装着されている。受け台36はコンテナ支持面15から上方に突出して係合孔22に挿通可能な断面略長方形状に形成されており、その長手方向を係合孔22の長手方向と平行となるように車両走行方向に向けて配されている。受け台36には、ロック部材としての円柱形状のツイストロックピン37が受け台36を上下方向に貫通して、その軸を中心に回転自在に装着されており、受け台36から上方に突出するツイストロックピン37の先端部にはコーナーコーンと言われる係合頭部38が備えられている。係合頭部38は、受け台36の断面と同形状の底面となった略四角錐形状に形成されており、係合孔22を介して大型コンテナ11の隅金具21の内部に挿通可能な形状をしている。
【0026】
ツイストロックピン37は、図6に破線で示すように係合頭部38の長手方向が受け台36の長手方向と平行となる開放位置と、図6に二点鎖線で示すように係合頭部38の長手方向が受け台36の長手方向と直交する係合位置との間で回動自在となっている。ツイストロックピン37が開放位置のもとでは、係合頭部38は平面視において受け台36と重なって受け台36とともに係合孔22に挿通可能であり、係合頭部38に干渉することなく大型コンテナ11をトレーラ本体12に対して積み降ろし可能となる。一方、ツイストロックピン37が係合位置のもとでは、係合頭部38はその長手側が受け台36の短手方向両側に突出して係合孔22に挿通不可能であり、係合頭部38に干渉して大型コンテナ11をトレーラ本体12に対して積み降ろし不可能となる。したがって、大型コンテナ11をトレーラ本体12に対して積み降ろしする際にはツイストロックピン37が開放位置に回動され、係合頭部38が係合孔22を介して隅金具21の内部に入り込んだ状態でツイストロックピン37が係合位置に回動されることで、係合孔22からの係合頭部38の抜けが防止されて係合孔22と係合頭部38とが係合され、一対のコンテナ締結装置31により大型コンテナ11の後端部側が固定される。
【0027】
ツイストロックピン37の基端部は天板35および台座部34の上面壁34aを貫通して台座部34内に突出されており、ツイストロックピン37の基端部には、その外周面を覆うように円筒形状のスリーブ39が取り付けられている。スリーブ39はツイストロックピン37とピン結合されており、ツイストロックピン37と一体に回転される。スリーブ39には、車幅方向内側に向けてスリーブ39の径方向に延びるアーム40が設けられており、アーム40をツイストロックピン37の軸を中心として回動させることにより、スリーブ39を介してツイストロックピン37が回動操作されるようになっている。このアーム40を回動させてツイストロックピン37を開放位置と係合位置とに駆動するために、一対のコンテナ締結装置31には駆動部材としてのエアシリンダ42がそれぞれ設けられている。
【0028】
図6に示すように、エアシリンダ42は、台座部34の車両前方側の前面壁34bに固定されたブラケット43に装着されている。ブラケット43は、車両走行方向に延びる一対の側壁43aと、側壁43aの車両前方側の端部を相互に連結する連結壁43bとを備える断面略コの字形状となっており、側壁43aの車両後方側の端部において台座部34の前面壁34bに固定されている。エアシリンダ42は、その軸方向を車両走行方向に向けた状態で、連結壁43bの車両前方側の端面に固定されている。
【0029】
エアシリンダ42は、アルミニウム合金等の非磁性体材料により形成された直方体形状のシリンダケース44を有しており、シリンダケース44の内部に形成されたシリンダ室45内にはピストン46が軸方向に摺動自在に収容されている。このピストン46により、シリンダ室45の軸方向一端側に前進用流体室45aが形成されるとともに、シリンダ室45の軸方向他端側に後退用流体室45bが形成されており、前進用流体室45aおよび後退用流体室45bは図示しない供給ポートを介してエアタンクに連通されている。
【0030】
ピストン46に固定されたピストンロッド47は、シリンダケース44およびブラケット43の連結壁43bを貫通して車両後方側に延びている。台座部34の前面壁34bには、ブラケット43の一対の側壁43aの相互間に位置させて車両走行方向に貫通する貫通孔34cが形成されており、ピストンロッド47はその先端部が貫通孔34cを介して台座部34内に突出された状態で、車両走行方向に往復動自在に配されている。ピストンロッド47の先端部は、ツイストロックピン37と一体に回動するアーム40の先端部に連結部材48を介して連結されており、ピストンロッド47の進退移動によりアーム40がツイストロックピン37の軸を中心として回動されるようになっている。
【0031】
図6に実線で示すように、後退用流体室45bにエアタンクから圧縮空気が供給されてピストン46が後退限位置となると、ピストンロッド47の先端部は台座部34の外部へ迫り出すように車両前方側に後退移動され、これに伴ってアーム40が回動されることでツイストロックピン37が開放位置となる。一方、図6に二点鎖線で示すように、前進用流体室45aにエアタンクから圧縮空気が供給されてピストン46が前進限位置となると、ピストンロッド47の先端部は台座部34の内部へ入り込むように車両後方側に前進移動され、これに伴ってアーム40が回動されることでツイストロックピン37が係合位置となる。すなわち、ピストン46が後退限位置と前進限位置との間で往復動することで、アーム40がツイストロックピン37の軸を中心としてほぼ90度回動され、これにより、ツイストロックピン37が開放位置と係合位置とに駆動される。
【0032】
エアシリンダ42のシリンダケース44の外面には、ピストン46の位置を検出するために、ピストン46に装着された永久磁石50の磁気を検出する磁気センサ51,52が取り付けられている。この磁気センサ51,52としては、ホール素子や磁気抵抗素子等の検出素子を備える近接スイッチなどが用いられる。磁気センサ51,52は、トレーラに設けられたコントローラに接続されており、コントローラに磁気センサ51,52からの検出信号が送られるようになっている。ピストン46の後退限位置に対応して取り付けられた磁気センサ51により永久磁石50の磁気が検出されると、磁気センサ51からコントローラに検出信号が送られ、ピストン46が後退限位置であること、つまりツイストロックピン37が開放位置であることが検出される。一方、ピストン46の前進限位置に対応して取り付けられた磁気センサ52により永久磁石50の磁気が検出されると、磁気センサ52からコントローラに検出信号が送られ、ピストン46が前進限位置であること、つまりツイストロックピン37が係合位置であることが検出される。
【0033】
図7に示すように、コンテナ締結装置31には、エアシリンダ42とエアタンクとを接続する空気圧回路に配される開閉バルブ54が台座部34の内部に設けられている。開閉バルブ54は、エアタンク側に連通される一次側ポート55と、エアシリンダ42側に連通される二次側ポート56と、一次側ポート55と二次側ポート56との連通を開閉する弁体57とを備えており、弁体57がばね部材58により一次側ポート55と二次側ポート56との連通を遮断する解除位置に向けて車両上方側へ付勢されて閉状態となっている。この弁体57には、台座部34の上面壁34aおよび天板35を貫通して、先端部がコンテナ支持面15よりも上方に突出する操作部材としての操作ロッド59が固定されている。図8に示すように、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されると、操作ロッド59の上面に大型コンテナ11の隅金具21が当接されて、大型コンテナ11の自重により操作ロッド59が弁体57とともにばね部材58のばね力に抗して押し下げられ、一次側ポート55と二次側ポート56とを連通させる締結位置に駆動される。すなわち、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されることで、大型コンテナ11により操作ロッド59が解除位置から締結位置に駆動され、開閉バルブ54が開状態に自動操作される。
【0034】
図9はロッキングピン式の緊定装置であるコンテナ締結装置を示す斜視図であり、図10は図9に示すコンテナ締結装置の断面図であり、図11はコンテナが積載された状態を示す図10に対応する断面図である。
【0035】
このコンテナ締結装置28は、大型コンテナ11の前端部左右に形成された係合孔23に対応させて、トレーラ本体12の前端部に車幅方向に左右一対となって設けられている。コンテナ締結装置28は、横梁材14の車幅方向両端部に一体に形成される断面略長方形の中空形状の台座部64を有しており、台座部64は横梁材14の車両前方側が一部カットされた段付き形状部において形成されている。台座部64の車両後方側の後面壁64aには、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されたときに大型コンテナ11の車両前方側の隅金具21が突き当てられるようになっている。
【0036】
台座部64の後面壁64aおよび車両前方側の前面壁64bには、大型コンテナ11の係合孔23に対応する位置に、車両走行方向に貫通する円形の貫通孔65が同軸状に形成されている。コンテナ締結装置28は、軸方向を車両走行方向に向けて配されたロック部材としての円柱形状のロッキングピン66を有しており、ロッキングピン66が貫通孔65を貫通して車両走行方向に往復動自在に装着されている。ロッキングピン66の車両後方側の先端部は、係合孔23を介して大型コンテナ11の隅金具21の内部に挿通可能な形状をしている。
【0037】
ロッキングピン66は、図10に示すように台座部64から車両前方側に迫り出して大型コンテナ11の係合孔23から離れる開放位置と、図11に示すように台座部64から車両後方側に迫り出し大型コンテナ11の係合孔23内に入り込む係合位置との間で往復動自在となっている。ロッキングピン66が開放位置のもとでは、ロッキングピン66の先端部が台座部64の内部に配されて後面壁64aよりも車両後方側に突出されず、ロッキングピン66に干渉することなく大型コンテナ11をトレーラ本体12に対して積み降ろし可能となる。一方、ロッキングピン66が係合位置のもとでは、ロッキングピン66の先端部が後面壁64aよりも車両後方側に突出され、ロッキングピン66に干渉して大型コンテナ11をトレーラ本体12に対して積み降ろし不可能となるとともに、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載された状態でロッキングピン66の先端部が係合孔23内に突出される。したがって、大型コンテナ11をトレーラ本体12に対して積み降ろしする際にはロッキングピン66が開放位置に後退移動され、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載された状態でロッキングピン66が係合位置に前進移動されることで、ロッキングピン66の先端部が係合孔23を介して隅金具21の内部に入り込んでロッキングピン66と係合孔23とが係合され、一対のコンテナ締結装置28により大型コンテナ11の前端部側が固定される。
【0038】
横梁材14には、台座部64よりも車両前方側に位置させて、軸方向を上下方向に向けて配された支持ピン67が固定されており、支持ピン67には、支持ピン67の径方向に延びる一対のアーム68,69の基端部が装着されている。一対のアーム68,69は、支持ピン67の軸周りにほぼ90度離間した状態で相互に固定されており、支持ピン67の軸を中心として一体に回転自在に支持されている。車幅方向外側に延びる従動アーム68の先端部にはロッキングピン66の車両前方側の基端部が連結されており、車両前方側に延びる駆動アーム69を支持ピン67の軸を中心として回動させることにより、従動アーム68を介してロッキングピン66が進退操作されるようになっている。この駆動アーム69を回動させてロッキングピン66を開放位置と係合位置とに駆動するために、一対のコンテナ締結装置28には駆動部材としてのエアシリンダ42がそれぞれ設けられている。
【0039】
図10に示すように、コンテナ締結装置28に設けられるエアシリンダ42は、コンテナ締結装置31に設けられるエアシリンダ42と同様の構造となっており、横梁材14の車両前方側の端面に固定されたブラケット71に装着されている。ブラケット71は、車両走行方向に延びる支持壁71aを備えており、車両後方側の端部において横梁材14の車両前方側の端面に固定されている。エアシリンダ42は、その軸方向を車幅方向に向けた状態で、支持壁43aの車幅方向内側の端面および横梁材14の車両前方側の端面に突き当てられて固定されている。
【0040】
ピストン46に固定されたピストンロッド47は、シリンダケース44およびブラケット71の支持壁71aを貫通して車幅方向外側に延びている。ピストンロッド47の先端部は、従動アーム68と一体に回動する駆動アーム69の先端部に連結部材72を介して連結されており、ピストンロッド47の進退移動により駆動アーム69が支持ピン67の軸を中心として回動されるようになっている。
【0041】
図10に示すように、後退用流体室45bにエアタンクから圧縮空気が供給されてピストン46が後退限位置となると、ピストンロッド47の先端部は車幅方向内側に後退移動され、これに伴って駆動アーム69を介して従動アーム68が回動されることでロッキングピン66が開放位置となる。一方、図11に示すように、前進用流体室45aにエアタンクから圧縮空気が供給されてピストン46が前進限位置となると、ピストンロッド47の先端部は車幅方向外側へ前進移動され、これに伴って駆動アーム69を介して従動アーム68が回動されることでロッキングピン66が係合位置となる。すなわち、ピストン46が後退限位置と前進限位置との間で往復動することで、アーム68,69が支持ピン67の軸を中心としてほぼ90度回動され、これにより、ロッキングピン66が開放位置と係合位置とに駆動される。
【0042】
エアシリンダ44のシリンダケース44の外面には、ピストン46の位置を検出するために、ピストン46に装着された磁気を検出する磁気センサ51,52が取り付けられている。ピストン46の後退限位置に対応して取り付けられた磁気センサ51により永久磁石50の磁気が検出されると、磁気センサ51からコントローラに検出信号が送られ、ピストン46が後退限位置であること、つまりロッキングピン66が開放位置であることが検出される。一方、ピストン46の前進限位置に対応して取り付けられた磁気センサ52により永久磁石50の磁気が検出されると、磁気センサ52からコントローラに検出信号が送られ、ピストン46が前進限位置であること、つまりロッキングピン66が係合位置であることが検出される。
【0043】
図10に示すように、コンテナ締結装置28には、エアシリンダ42とエアタンクとを接続する空気圧回路に配される開閉バルブ54が台座部64の内部に設けられている。コンテナ締結装置28に設けられる開閉バルブ54は、コンテナ締結装置31に設けられる開閉バルブ54とほぼ同様の構造となっており、エアタンク側に連通される一次側ポート55と、エアシリンダ42側に連通される二次側ポート56と、一次側ポート55と二次側ポート56との連通を開閉する弁体57とを備え、弁体57がばね部材58により一次側ポート55と二次側ポート56との連通を遮断する解除位置に向けて車両後方側へ付勢されて閉状態となっている。この弁体57には、台座部64の後面壁64aを貫通して、先端部が後壁面64aよりも車両後方側に突出する操作部材としての操作ロッド59が固定されており、操作ロッド59の先端部には、車両上方側に向かうにつれて車両前方側に傾斜する傾斜面59aが形成されている。図11に示すように、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されると、操作ロッド59の傾斜面59aに大型コンテナ11の隅金具21が当接されて、大型コンテナ11の自重により傾斜面59aに沿って操作ロッド59が弁体57とともにばね部材58のばね力に抗して車両前方側に押し返され、一次側ポート55と二次側ポート56とを連通させる締結位置に駆動される。すなわち、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されることで、大型コンテナ11により操作ロッド59が解除位置から締結位置に駆動され、開閉バルブ54が開状態に自動操作される。
【0044】
次に、コンテナ締結装置28,31にそれぞれ設けられたエアシリンダ42に圧縮空気を供給するための空気圧回路について説明する。図12(A)、(B)はそれぞれトレーラに設けられる空気圧回路および電気回路を示すシステム図である。
【0045】
トレーラ本体12には空気圧源(流体圧供給源)としてのエアタンク75が搭載されており、エアタンク75には、トラクタとトレーラとが連結された状態でトラクタ側から供給される圧縮空気が蓄えられるようになっている。コンテナ締結装置28,31にそれぞれ設けられた4つのエアシリンダ42は、前進用流体室45a側の供給ポートが前進用ライン76により相互に並列的に接続されるとともに、後退用流体室45b側の供給ポートが後退用ライン77により相互に並列的に接続されている。エアタンク75と後退用ライン77とを結ぶ供給ライン78にはリリーフ付き減圧弁79が設けられ、エアタンク75内の圧縮空気が減圧弁79により減圧されて、それぞれのエアシリンダ42の後退用流体室45bに供給されている。
【0046】
エアタンク75と前進用ライン76とを結ぶ流体供給配管としての供給ライン80には、コンテナ締結装置28,31にそれぞれ設けられた4つの開閉バルブ54が直列的に接続されている。つまり、この空気圧回路は、供給ライン80の流路を開閉する4つの開閉バルブ54を直列的に接続した直列スイッチ回路となっている。それぞれの開閉バルブ54は、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されていない状態で供給ライン80の流路を閉塞する常閉式の流路切換弁であり、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されて操作ロッド59が解除位置から締結位置に駆動されることで開状態となる。すなわち、大型コンテナ11の係合孔22,23がそれぞれコンテナ締結装置28のロッキングピン66およびコンテナ締結装置31のツイストロックピン37に対応する位置、つまり係合孔22,23とロッキングピン66およびツイストロックピン37とがそれぞれ係合可能となる積載位置への大型コンテナ11の積載が完了すると、大型コンテナ11により4つ全ての操作ロッド59が締結位置に駆動されて、それぞれの開閉バルブ54が開状態となる。一方、大型コンテナ11の積載が完了していない場合には、大型コンテナ11により2つないし4つの操作ロッド59が締結位置に駆動されず、供給ライン80の流路が閉塞された状態のままとなる。
【0047】
エアタンク75と開閉バルブ54との間に位置して、供給ライン80には手動操作弁81が設けられている。手動操作弁81はレバー等の手動操作手段82により操作される流路切換弁であり、エアタンク75側に接続される一次側ポート83と、エアシリンダ42側に接続される二次側ポート84と、排気ポート85とを備えている。この手動操作弁81は、手動操作手段82により一次側ポート83と二次側ポート84とを連通する供給位置と、二次側ポート84と排気ポート85とを連通する排気位置とに操作される。ただし、手動操作弁81を操作する手段としてはレバー等の手動操作手段82に限定されず、トラクタの運転席などに設けられるスイッチを手動操作することで手動操作弁81に信号を送り、手動操作弁81を供給位置と排気位置とに操作する電気操作手段としてもよい。
【0048】
トレーラ本体12に対する大型コンテナ11の積載位置への積載が完了して4つ全ての開閉バルブ54が開状態である場合に、手動操作弁81が供給位置に操作されると、供給ライン80の流路が開放された状態となり、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aに圧縮空気が供給される。前進用流体室45aに供給される圧縮空気の圧力は、減圧弁79を介して後退用流体室45bに供給される圧縮空気の圧力よりも大きいため、ピストン46は前進限位置に前進移動される。このとき、後退用流体室45b内の圧縮空気は減圧弁79のリリーフ孔から排気される。また、トレーラ本体12に対する大型コンテナ11の積載位置への積載が完了して4つ全ての開閉バルブ54が開状態である場合に、手動操作弁81が排気位置に操作されると、供給ライン80の流路は閉塞された状態となり、それぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aと手動操作弁81の排気ポート85とが連通される。減圧弁79を介して後退用流体室45bに供給される圧縮空気の圧力は大気圧よりも大きいため、ピストン46は後退限位置に後退移動される。このとき、前進用流体室45a内の圧縮空気は手動操作弁81の排気ポート85から排気される。
【0049】
一方、トレーラ本体12に対する大型コンテナ11の積載が完了していない場合には、2つないし4つの開閉バルブ54が閉状態であるため、手動操作弁81が供給位置に操作されても供給ライン80の流路は閉塞された状態であり、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aに圧縮空気が供給されることはない。同様に、トレーラ本体12に対する大型コンテナ11の積載が完了していない場合には、手動操作弁81が排気位置に操作されても、2つないし4つの開閉バルブ54が閉状態であるため、それぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aと手動操作弁81の排気ポート85とは連通されず、前進用流体室45a内の圧縮空気が手動操作弁81の排気ポート85から排気されことはない。
【0050】
開閉バルブ54と前進用ライン76との間に位置して、供給ライン80にはタイムラグ設定部86が設けられており、タイムラグ設定部86は供給ライン80の流路を開閉する電磁弁87を有している。電磁弁87は、弁体が供給ライン80の流路を閉塞する解除位置へばね部材88により付勢された常閉式の流路切換弁であり、ソレノイド89に通電されることでばね部材88のばね力に抗して弁体が駆動されて開状態となる。図12(B)に示すように、この電磁弁87のソレノイド89と電源90とを接続し、ソレノイド89に電力を供給する供給ライン91には圧力スイッチ92が接続されている。圧力スイッチ92は、供給ライン91を導通遮断状態に操作する常開式の開閉スイッチであり、タイムラグ設定部86において開閉バルブ54と電磁弁87との間に配置され、供給ライン80の流路を流れる圧縮空気により受圧部が駆動されることで、供給ライン91を導通状態に操作する。
【0051】
供給ライン91には、タイムラグ設定手段としてのタイマ回路93が組み込まれている。タイマ回路93は、供給ライン91と電磁弁87のソレノイド89との接続を開閉する図示しないリレー回路を備えており、圧力スイッチ92によって供給ライン91が導通遮断状態から導通状態に操作されると、任意に設定された時間経過後にリレー回路を閉じて電磁弁87のソレノイド89に通電する。このタイマ回路93により、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aへ圧縮空気を供給する際、大型コンテナ11により4つ全ての操作ロッド59が締結位置に駆動されてからピストン46が前進限位置に前進移動するまでにタイムラグが設定され、大型コンテナ11の積載が確実に完了した状態でツイストロックピン37およびロッキングピン66を係合位置に駆動可能となる。
【0052】
続いて、コンテナ積載用セミトレーラに大型コンテナ11を積み降ろしする際の工程について説明する。図13はトレーラに設けられる制御装置を示すシステム図である。
【0053】
トレーラ本体12にコンテナを積み込む際には、予めトラクタとトレーラとを連結し、トラクタ側とトレーラ側の電気回路および空気圧回路が接続される。図12(A)に示すように、トレーラに設けられる空気圧回路は、手動操作弁81が供給位置に操作されるとともに、それぞれの開閉バルブ54が閉状態となって供給ライン80の流路が閉塞されている。それぞれのエアシリンダ42には、エアタンク75から減圧弁79を介して後退用流体室45bに圧縮空気が供給され、ピストン46が後退限位置に後退移動されている。このエアシリンダ42によって、コンテナ締結装置28,31のツイストロックピン37およびロッキングピン66が開放位置に駆動されて、大型コンテナ11をトレーラ本体12に積み込み可能となっている。
【0054】
大型コンテナ11は、それぞれの係合孔22,23がツイストロックピン37およびロッキングピン66に対応する積載位置のもとでトレーラ本体12に積み込まれる。トレーラ本体12に対する大型コンテナ11の積載が完了すると、コンテナ締結装置28,31にそれぞれ設けられた4つの開閉バルブ54の操作ロッド59が大型コンテナ11により解除位置から締結位置に駆動され、4つ全ての開閉バルブ54が開状態となって供給ライン80の流路が開放される。それぞれのエアシリンダ42には、エアタンク75から前進用流体室45aに圧縮空気が供給されて、ピストン46が前進限位置に前進移動される。このエアシリンダ42によって、ツイストロックピン37およびロッキングピン66は係合位置に駆動されて係合孔22,23にそれぞれ係合される。このように、大型コンテナ11をトレーラ本体12に積載することで、コンテナ締結装置28,31により大型コンテナ11が自動的に締結されるようになっている。
【0055】
このとき、4つ全ての開閉バルブ54が開状態とならないと供給ライン80流路は開放されないため、トレーラ本体12に対する大型コンテナ11の積載が完了していない場合には、大型コンテナ11により1つまたは2つの操作ロッドが締結位置に駆動されても、対応するコンテナ締結装置28,31が自動操作されて積載が完了していない状態で大型コンテナ11が固定されることが防止される。例えば、後方側のコンテナ締結装置31に対して位置決めした後に、前方側のコンテナ締結装置28に対して位置決めして大型コンテナ11をトレーラ本体12に積み込むような場合において、後方側のコンテナ締結装置31に対して位置決めする際に大型コンテナ11により後方側の2つの操作ロッド59が締結位置に駆動されても、対応するツイストロックピン37が駆動されることはなく、大型コンテナ11の後方側がコンテナ締結装置31により固定されることが防止される。これにより、大型コンテナ11を前方側のコンテナ締結装置28に対して位置決めを容易に行うことができる。
【0056】
図13に示すように、ピストン46が前進限位置に前進移動されると、ピストン46に装着された永久磁石50の磁気が磁気センサ52により検出され、それぞれの磁気センサ52からロック完了検出手段としてのコントローラ111に検出信号が送られて、対応するツイストロックピン37またはロッキングピン66が係合位置となったことが検出される。コントローラ111は、4つ全てのツイストロックピン37およびロッキングピン66が係合位置となったことを検出すると、大型コンテナ11がトレーラ本体12にロック完了されたことを判定し、トラクタの運転席に設けられた表示灯などの報知部材112に信号を送って、運転手に大型コンテナ11のロック完了を報知する。これにより、運転手は大型コンテナ11がトレーラ本体12に確実に固定されたことを認識することができ、大型コンテナ11が固定されていない状態で走行することが防止される。
【0057】
大型コンテナ11をトレーラ本体12から降ろす際には、大型コンテナ11がコンテナ支持面15に積載された状態で、作業者により手動操作弁81が排気位置に操作される。手動操作弁81が排気位置に操作されると、大型コンテナ11により4つ全ての開閉バルブ54が開状態となっているため、それぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aと手動操作弁81の排気ポート85とが連通される。それぞれのエアシリンダ42には、エアタンク75から減圧弁79を介して後退用流体室45bに圧縮空気が供給され、ピストン46が後退限位置に後退移動される。このエアシリンダ42によって、ツイストロックピン37およびロッキングピン66は開放位置に駆動されて係合孔22,23との係合が解除される。このように、手動操作弁81を排気位置に操作することで、それぞれのコンテナ締結装置28,31による大型コンテナ11の締結が解除され、大型コンテナ11をトレーラ本体12から降ろすことが可能となる。
【0058】
図13に示すように、ピストン46が後退限位置に後退移動されると、ピストン46に装着された永久磁石50の磁気が磁気センサ51により検出され、それぞれの磁気センサ51からコントローラ111に検出信号が送られて、対応するツイストロックピン37またはロッキングピン66が開放位置となったことが検出される。コントローラ111は、4つ全てのツイストロックピン37およびロッキングピン66が開放位置となったことを検出すると、大型コンテナ11がロック解除完了されたことを判定し、トラクタの運転席に設けられた報知部材112やトレーラ本体12に設けられた図示しない報知部材に信号を送って、運転手や作業者に大型コンテナ11のロック解除完了を報知する。これにより、運転手や作業者は大型コンテナ11のトレーラ本体12への締結が確実に解除されたことを認識することができ、大型コンテナ11の締結が解除されていない状態で大型コンテナ11が引き上げられることが防止される。
【0059】
大型コンテナ11がトレーラ本体12から降ろされると、それぞれの開閉バルブ54の操作ロッド59がばね部材58のばね力により解除位置に駆動されて開閉バルブ54が閉状態となるとともに、作業者により手動操作弁81が供給位置に操作され、コンテナを積み込み可能な状態に戻される。なお、手動操作弁81を供給位置に戻す操作は手動操作手段82による操作に限定されず、例えば、手動操作弁81に電気操作手段を設け、コントローラ111により大型コンテナ11がロック解除完了されたことが判定されると、コントローラ111からの信号により電気操作手段が操作されて手動操作弁81を供給位置に戻すようにし、作業者による操作し忘れを防止するようにしても良い。
【0060】
以上においては、コンテナ積載用セミトレーラに大型コンテナ11を積載する場合を説明したが、小型コンテナ10を固定するためのコンテナ締結装置29,30にもエアシリンダ42や開閉バルブ54が設けられており、同様の工程により小型コンテナ10の積み降ろしが可能となっている。コンテナ締結装置29,30は、小型コンテナ10の前後両端部左右の係合孔22に対応して、コンテナ締結装置31と同様にロック部材としてのツイストロックピン37を有している。また、それぞれのコンテナ締結装置29,30に設けられるエアシリンダ42とエアタンク75とを接続する小型コンテナ用の空気圧回路や、磁気センサ51,52とコントローラ111とを接続する小型コンテナ用の制御回路は、大型コンテナ用の空気圧回路および制御回路と別途設けられ、図12(A)、図13に示す空気圧回路および制御回路と同様の構造となっている。
【0061】
このように、トレーラ本体12に対するコンテナの積載が完了して、コンテナにより4つ全ての操作ロッド59が締結位置に駆動されたときに、それぞれのエアシリンダ42を駆動させてツイストロックピン37またはロッキングピン66を係合位置に駆動する空気圧回路を設けたので、コンテナをトレーラ本体12に積み込むことでトレーラ本体12に自動的に固定することができる。したがって、コンテナの積み込み作業の作業性が向上されるとともに、コンテナが固定されていない状態で走行することを防止することができる。
【0062】
また、コンテナにより4つ全ての操作ロッド59が締結位置に駆動されることで、コンテナをトレーラ本体12に締結するようにしたので、トレーラ本体12に対するコンテナの積載が完了していない状態でコンテナが1つまたは2つのコンテナ締結装置28〜31により固定されることが防止され、積載位置のもとでトレーラ本体12へのコンテナの積載が完了した状態でコンテナをトレーラ本体12に固定することができる。これにより、例えば、後方側のコンテナ締結装置30,31に対して位置決めした後に、前方側のコンテナ締結装置28,29に対して位置決めしてコンテナをトレーラ本体12に積み込むような場合に、後方側のコンテナ締結装置30,31に対して位置決めするときにコンテナの後方側がコンテナ締結装置30,31により固定されることがないため、コンテナを前方側のコンテナ締結装置28,29に対して位置決めし易くなり、コンテナの積み込み作業の作業性が向上される。
【0063】
さらに、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aに圧縮空気を供給する供給位置と、供給を停止してそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45a内の圧縮空気を排気する排気位置とに操作される手動操作弁81を設け、コンテナをトレーラ本体12から降ろす際に手動操作弁81を排気位置に操作することで4つ全てのコンテナ締結装置28〜31がロック解除されるようにしたので、コンテナをトレーラ本体12から降ろす際の作業性を向上することができる。
【0064】
なお、前記実施の形態においては、コンテナ締結装置28〜31にそれぞれエアシリンダ42を設けるようにしたが、これに限定されず、左右一対のコンテナ締結装置28〜31のツイストロックピン37およびロッキングピン66を1つのエアシリンダ42により駆動するようにしてもよい。図14はコンテナ締結装置の変形例を示す断面図であり、図15は図14に示すコンテナ締結装置の動作を示す断面図であり、図14および図15において上記の部材と同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図14に示すように、一対のコンテナ締結装置31が設けられる車両後端部の横梁材14内には、車幅方向中央部に位置させて、軸方向を上下方向に向けて配された支持ピン94が固定されており、支持ピン94には、支持ピン94の径方向に延びる3つのアーム95,96の基端部が装着されている。3つのアーム95,96は、支持ピン94の軸周りにほぼ90度間隔で離間した状態で相互に固定されており、支持ピン94の軸を中心として一体に回転自在に支持されている。車両前方側に延びる一方の従動アーム95の先端部は、一方のコンテナ締結装置31のアーム40の先端部に連結部材97を介して連結されており、車両後方側に延びる他方の従動アーム95の先端部は、他方のコンテナ締結装置31のアーム40の先端部に連結部材97介して連結されている。これにより、車幅方向一端側に延びる駆動アーム96を回動させることで、一対の従動アーム95および連結部材97を介して一対のコンテナ締結装置31のツイストロッキングピン37が回動操作されるようになっている。この駆動アーム96を回動させて一対のツイストロックピン37を開放位置と係合位置に駆動するために、一対のコンテナ締結装置31には駆動部材としての1つのエアシリンダ42が設けられている。
【0066】
エアシリンダ42は、車幅方向中央部において横梁材14の車両前方側の端面に固定されたブラケット43に装着されている。横梁材14の車両前方側の端面には、ブラケット34の一対の側壁34aの相互間に位置させて車両走行方向に貫通する貫通孔14aが形成されており、ピストンロッド47はその先端部が貫通孔14aを介して横梁材14内に突出された状態で、車両走行方向に往復動自在に配されている。ピストンロッド47の先端部は、一対の従動アーム95および連結部材97を介して一対のアーム40と一体に回動する駆動アーム96の先端部に連結部材98を介して連結されており、ピストンロッド47の進退移動により駆動アーム96が支持ピン94の軸を中心として回動されるようになっている。
【0067】
図14に示すように、後退用流体室45bにエアタンク75から圧縮空気が供給されてピストン46が後退限位置となると、ピストンロッド47の先端部は横梁材14の外部へ迫り出すように車両前方側に後退移動され、これに伴って駆動アーム96が回動されることで一対のツイストロックピン37が開放位置となる。一方、図15に示すように、前進用流体室45aにエアタンクから圧縮空気が供給されてピストン46が前進限位置となると、ピストンロッド47の先端部は横梁材14の内部へ入り込むように車両後方側に前進移動され、これに伴って駆動アーム96が回動されることで一対のツイストロックピン37が係合位置となる。すなわち、ピストン46が後退限位置と前進限位置との間で往復動することで、駆動アーム96が支持ピン94の軸を中心としてほぼ90度回動され、これにより、一対のツイストロックピン37が開放位置と係合位置とに駆動される。
【0068】
このように、横梁材14の車幅方向両端部に設けられた一対のコンテナ締結装置31のツイストロックピン37を1つのエアシリンダ42により駆動するようにしたので、エアシリンダ42の個数を少なくすることができ、コストを低減するとともに、エアタンク75とエアシリンダ42とを接続する空気圧回路や磁気センサ51,52とコントローラ92とを接続する制御回路を簡易な構造とすることができる。なお、前記実施の形態においては、コンテナ締結装置31について説明したが、他のコンテナ締結装置28〜30においても同様に、一対のツイストロックピン37またはロッキングピン66を1つのエアシリンダ42により駆動する構造とすることができる。
【0069】
図16,17は本発明の他の実施形態であるコンテナ積載用セミトレーラに設けられた空気圧回路および電気回路を示すシステム図である。図18は本発明の他の実施形態であるコンテナ積載用セミトレーラに設けられたコンテナ締結装置の断面図であり、図19はコンテナが積載された状態を示す図18に対応する断面図であり、図16〜図19において上記の部材と同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0070】
図16に示す空気圧回路には、図12(A)に示す空気圧回路において供給ライン80に直列的に接続される4つの開閉バルブ54に代えて、供給ライン80の流路を開閉する1つの電磁弁100が設けられている。つまり、この空気圧回路は、供給ライン80の流路を開閉する電磁弁100を直列的に接続した直列スイッチ回路となっている。電磁弁100は、弁体が供給ライン80の流路を閉塞する解除位置へばね部材101により付勢された常閉式の流路切換弁であり、ソレノイド102に通電されることでばね部材101のばね力に抗して弁体が駆動されて開状態となる。
【0071】
この電磁弁100が開状態である場合に手動操作弁81が供給位置に操作されると、供給ライン80の流路が開放された状態となり、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aに圧縮空気が供給されて、ピストン46が前進限位置に前進移動される。また、電磁弁100が開状態である場合に手動操作弁81が排気位置に操作されると、供給ライン80の流路は閉塞された状態となり、それぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aと手動操作弁81の排気ポート85とが連通されて、ピストン46が後退限位置に後退移動される。
【0072】
一方、電磁弁100が閉状態である場合に手動操作弁81が供給位置に操作されても、供給ライン80の流路は閉塞された状態であり、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aに圧縮空気が供給されることはない。同様に、電磁弁100が閉状態である場合に手動操作弁81が排気位置に操作されても、それぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aと手動操作弁81の排気ポート85とは連通されず、前進用流体室45a内の圧縮空気が手動操作弁81の排気ポート85から排気されることはない。
【0073】
図18に示すように、コンテナ締結装置31には、電磁弁100のソレノイド102と電源104とを接続する電気回路に配される操作スイッチ105が台座部34の内部に設けられている。操作部材としての操作スイッチ105は、永久磁石106が装着された操作ロッド107と、永久磁石106の磁気を検出する磁気センサ108とを備えており、操作ロッド107はばね部材109により車両上方側へ付勢されて、磁気センサ108により永久磁石106の磁気が検出されない解除位置となっている。この磁気センサ108としては、ホール素子や磁気抵抗素子等の検出素子を備える近接スイッチなどが用いられる。操作ロッド107は、台座部34の上面壁34aおよび天板35を貫通して、先端部がコンテナ支持面15よりも上方に突出している。図19に示すように、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されると、操作ロッド107の上面に大型コンテナ11の隅金具21が当接されて、大型コンテナ11の自重により操作ロッド107がばね部材109のばね力に抗して押し下げられ、操作ロッド107は永久磁石106の磁気が磁気センサ108により検出される締結位置に駆動される。すなわち、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されることで、大型コンテナ11により操作スイッチ105の操作ロッド107が解除位置から締結位置に駆動され、操作スイッチ105がON状態に自動操作される。このようにトレーラ本体12に積載されたコンテナにより自動操作される操作スイッチ105がコンテナ締結装置28,31にそれぞれ設けられている。
【0074】
図17に示すように、電磁弁100のソレノイド102と電源104とを接続し、ソレノイド102に電力を供給する電力供給線としての供給ライン110には、コンテナ締結装置28,31にそれぞれ設けられた4つの操作スイッチ105が直列的に接続されている。それぞれの操作スイッチ105は、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されていない状態で供給ライン110を導通遮断位置に操作する常開式の開閉スイッチであり、大型コンテナ11がトレーラ本体12に積載されて操作ロッド107が解除位置から締結位置に駆動されることで供給ライン110を導通位置に操作する。すなわち、積載位置への大型コンテナ11の積載が完了すると、大型コンテナ11により4つ全ての操作スイッチ105の操作ロッド107が締結位置に駆動されて、それぞれの操作スイッチ105によって供給ライン110が導通状態となり、電磁弁100のソレノイド102に通電される。一方、大型コンテナ11の積載が完了していない場合には、大型コンテナ11により1つないし4つの操作ロッド107が締結位置に駆動されず、供給ライン110が導通遮断状態のままとなり、電磁弁100のソレノイド102に通電されない。
【0075】
供給ライン110には、タイムラグ設定手段としてのタイマ回路93が組み込まれている。タイマ回路93は、供給ライン110と電磁弁100のソレノイド102との接続を開閉する図示しないリレー回路を備えており、4つ全ての操作スイッチ105によって供給ライン10が導通遮断状態から導通状態に操作されると、任意に設定された時間経過後にリレー回路を閉じて電磁弁100のソレノイド102に通電する。このタイマ回路93により、エアタンク75からそれぞれのエアシリンダ42の前進用流体室45aへ圧縮空気を供給する際、大型コンテナ11により4つ全ての操作ロッド107が締結位置に駆動されてからピストン46が前進限位置に前進移動するまでにタイムラグが設定され、大型コンテナ11の積載が確実に完了した状態でツイストロックピン37およびロッキングピン66を係合位置に駆動可能となる。
【0076】
このように、それぞれのエアシリンダ42とエアタンク75とを接続する供給ライン80に電磁弁100を設け、トレーラ本体12に積載が完了したコンテナにより4つ全ての操作スイッチ105が操作されたときに、電磁弁100のソレノイド102に通電して供給ライン80の流路を開放することで、図1〜図13に示す上記実施の形態と同様の工程によりコンテナの積み降ろしが可能となり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0077】
以上においては、コンテナ積載用セミトレーラに大型コンテナ11を積載する場合を説明したが、小型コンテナ10を固定するためのコンテナ締結装置29,30にもエアシリンダ42や操作スイッチ105が設けられており、同様の工程により小型コンテナ10の積み降ろしが可能となっている。それぞれのコンテナ締結装置29,30のエアシリンダ42とエアタンク75とを接続する小型コンテナ用の空気圧回路、および電磁弁100と電源104とを接続する小型コンテナ用の電気回路は、大型コンテナ用の空気圧回路および電気回路と別途設けられ、図16,17に示す空気圧回路および電気回路と同様の構造となっている。
【0078】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前記実施の形態においては、駆動部材としてエアシリンダ42を用いたが、これに限定されず、例えば、油圧シリンダやスプリングチャンバなどの流体圧アクチュエータを用いてもよい。
【0079】
また、前記実施の形態においては、コンテナ積載用セミトレーラとして小型コンテナ10と大型コンテナ11とのいずれをも積載可能な兼用タイプを記載したが、小型コンテナ専用タイプや大型コンテナ専用タイプにも適用できることはもちろんである。
【0080】
さらに、前記実施の形態においては、ツイストロックピン37およびロッキングピン66の位置を検出するために、エアシリンダ42のピストン46の位置を検出する磁気センサ51,52を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ツイストロックピン37およびロッキングピン66の位置を直接検出するようにセンサを設けるようにしてもよい。
【0081】
さらに、前記実施の形態においては、開閉バルブ54または操作スイッチ105をそれぞれのコンテナ締結装置28〜31に設けるようにしたが、開閉バルブ54または操作スイッチ105の個数や設置位置は種々変更可能であり、積載位置のもとでトレーラ本体12へのコンテナの積載が完了したことを判定可能な個数や設置位置であればよい。
【符号の説明】
【0082】
10 小型コンテナ
11 大型コンテナ
12 トレーラ本体
13 縦梁材
13a グースネック部
14 横梁材
14a 貫通孔
15 コンテナ支持面
16 キングピン
17 走行車輪
18 支持脚
19 走行地盤
21 隅金具
22,23 係合孔
24 トンネル凹部
28〜31 コンテナ締結装置
34 台座部
34a 上面壁
34b 前面壁
34c 貫通孔
35 天板
36 受け台
37 ツイストロックピン(ロック部材)
38 係合頭部
39 スリーブ
40 アーム
42 エアシリンダ(駆動部材、流体圧アクチュエータ)
43 ブラケット
43a 側壁
43b 連結壁
44 シリンダケース
45 シリンダ室
45a 前進用流体室
45b 後退用流体室
46 ピストン
47 ピストンロッド
48 連結部材
50 永久磁石
51,52 磁気センサ
54 開閉バルブ(流路切換弁)
55 一次側ポート
56 二次側ポート
57 弁体
58 ばね部材
59 操作ロッド(操作部材)
59a 傾斜面
64 台座部
64a 後面壁
64b 前面壁
65 貫通孔
66 ロッキングピン(ロック部材)
67 支持ピン
68 従動アーム
69 駆動アーム
71 ブラケット
71a 支持壁
72 連結部材
75 エアタンク(流体圧供給源)
76 前進用ライン
77 後退用ライン
78 供給ライン
79 減圧弁
80 供給ライン(流体供給配管)
81 手動操作弁
82 手動操作手段
83 一次側ポート
84 二次側ポート
85 排気ポート
86 タイムラグ設定部
87 電磁弁
88 ばね部材
89 ソレノイド
90 電源
91 供給ライン
92 圧力スイッチ
93 タイマ回路
94 支持ピン
95 従動アーム
96 駆動アーム
97,98 連結部材
100 電磁弁
101 ばね部材
102 ソレノイド
104 電源
105 操作スイッチ(操作部材)
106 永久磁石
107 操作ロッド
108 磁気センサ
109 ばね部材
110 供給ライン(電力供給線)
111 コントローラ(ロック完了検出手段)
112 報知部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四隅に係合孔を有するコンテナが積載されるトレーラ本体と、当該トレーラ本体に設けられる車輪とを備え、トラクタに牽引されて前記コンテナを運搬するコンテナ積載用セミトレーラであって、
前記トレーラ本体に前記係合孔に対応して設けられ、それぞれ前記係合孔に係合する係合位置と、前記係合孔との係合を解除する開放位置との間で移動自在の複数のロック部材と、
前記トレーラ本体に設けられ、それぞれの前記ロック部材を前記係合位置と前記開放位置とにそれぞれ駆動する複数の駆動部材と、
前記トレーラ本体に設けられ、前記コンテナが前記トレーラ本体に積載されて前記係合孔が前記ロック部材に対応する位置となったとき、それぞれ前記コンテナにより解除位置から締結位置に駆動される複数の操作部材と、
前記トレーラ本体に対する前記コンテナの積載が完了して全ての前記操作部材が前記コンテナにより前記締結位置に駆動されたときに、それぞれの前記駆動部材を駆動させて前記ロック部材を前記係合位置に駆動する直列スイッチ回路とを有することを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項2】
請求項1記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記駆動部材は、前記トレーラ本体に設けられた流体圧供給源に流体供給配管を介して接続され、流体圧により前記ロック部材を前記係合位置と前記開放位置とに駆動する流体圧アクチュエータであり、前記流体圧供給源からの流体を前記駆動部材に供給する位置と、供給を停止して前記駆動部材内の流体を排出する位置とに手動により操作される手動操作弁を前記流体供給配管に設けることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項3】
請求項2記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、それぞれの前記操作部材は、前記流体供給配管に装着された流路切換弁に設けられ、前記流体供給配管の流路を開放する締結位置と、前記流体供給配管の流路を閉塞する解除位置とに作動する操作ロッドであることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項4】
請求項2記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、それぞれの前記操作部材は、前記流体供給配管の流路を開閉する電磁弁に電力を供給する電力供給線に設けられ、前記電力供給線を導通位置に操作する締結位置と、前記電力供給線を導通遮断位置に操作する解除位置とに作動する操作スイッチであることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記ロック部材は、前記コンテナの前後両端部左右の前記係合孔に対応して設けられ、前記係合孔を介して前記コンテナ内に入り込む頭部を有し、前記頭部が前記係合孔に係合する係合位置と係合を解除する開放位置との間で回転自在のツイストロックピンであることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記ロック部材は、前記コンテナの前端部左右の前記係合孔に対応して設けられ、前記係合孔に入り込む係合位置と前記係合孔から離れる開放位置との間で軸方向に往復動自在のロッキングピンと、前記コンテナの後端部左右の前記係合孔に対応して設けられ、前記係合孔を介して前記コンテナ内に入り込む頭部を有し、前記頭部が前記係合孔に係合する係合位置と係合を解除する開放位置との間で回転自在のツイストロックピンであることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、全ての前記ロック部材が前記係合位置となったことを検出し、前記トラクタに設けられた報知部材にロック完了を報知させるロック完了検出手段を有することを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、全ての前記操作部材が前記コンテナにより前記締結位置に駆動されてから前記ロック部材を前記係合位置に駆動するまでの間にタイムラグを設定するタイマ回路を有することを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−51559(P2011−51559A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204768(P2009−204768)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000229357)日本トレクス株式会社 (27)