説明

コンテナ積載用セミトレーラ

【課題】前側位置決め部材が前後方向に移動可能であり、後側位置決め部材が前後方向には移動しないセミトレーラであって、他車両がコンテナの下方に突入することを抑制できるコンテナ積載用セミトレーラを提供する。
【解決手段】標準コンテナ10と長寸コンテナ11とを積載できるトレーラ本体12と、標準コンテナ10および長寸コンテナ11の前側を固定するボルスタ40a及び固定部材48と、標準コンテナ10および長寸コンテナ11の後側を固定する後側締結具28とを有し、ボルスタ40a及び固定部材48を前後方向に移動可能なコンテナ積載用セミトレーラであって、後側締結具28は前後方向に移動せず、標準コンテナ10をトレーラ本体12に積載する場合はバンパ50を前側の位置で固定し、長寸コンテナ11をトレーラ本体12に積載する場合はバンパ50を後側の位置で固定する固定機構53を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長さが異なる複数種類のコンテナを取り替えて積載することのできるコンテナ積載用セミトレーラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、セミトレーラに積載されるコンテナには、長さ寸法20フィートの小型コンテナ、長さ寸法40フィートの大型コンテナがある。一方、近年では、トレーラによる荷物の輸送効率を向上させるために、長さ寸法45フィートの長寸コンテナが用いられるようになっている。このようなニーズに対応するためのセミトレーラとして、例えば、特許文献1に記載されたコンテナシャシが知られている。この特許文献1に記載されたコンテナシャシは、長さ寸法が異なる3種類のコンテナ、具体的には、45フィート、40フィート、20フィートという3種類のコンテナを取り替えて積載できるように構成されている。このコンテナシャシは、走行方向で中央に置かれたメインフレームと、その前方及び後方に置かれる前部フレーム及び後部フレームとを備えている。前部フレーム及び後部フレームは、メインフレームに対して入れ子式にスライド可能に装着されることにより、コンテナシャシの全長が伸縮可能となる構成である。具体的に説明すると、前部フレームは、メインフレームに対してスライドすることにより、伸長位置と短縮位置との2段階で位置決め可能である。
【0003】
これに対して、後部フレームは、メインフレームに対してスライドすることにより、最前方位置と中間位置と最後方位置との3段階に位置決め可能である。さらに、前部フレーム及び後部フレームには、積載するコンテナの底部のコーナー部を固定する緊締具(前側位置決め部材及び後側位置決め部材)が装着されている。そして、前部フレーム及び後部フレームをメインフレームに対してスライドし、かつ、それぞれ所定位置に位置決め固定することにより、長さ寸法が異なる3種類のコンテナに応じてコンテナシャシを伸縮することができる。
【0004】
一方、特許文献1に記載されたコンテナシャシにおいては、後部フレームにバンパが取り付けられており、コンテナシャシの後方に位置する他車両がコンテナシャシに追突した際に、他車両の前部がコンテナの下方空間に突入することを防止できるようになっている。このため、後部フレームをメインフレームに対してスライドして、前後方向における後部フレームの位置を変更すると、前後方向におけるバンパの位置も同時に変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−137608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、長さ寸法が異なる複数種類のコンテナを取り替えて積載することができるセミトレーラの構成として、前部フレームを前後方向に移動可能とする一方、後部フレームは前後方向に移動しないように固定することも考えられる。このようなセミトレーラにおいては、後部フレームを前後方向に移動できないため、長さ寸法が相対的に長いコンテナを積載すると、そのコンテナの後部が、後部フレームよりも後方に迫り出す可能性がある。しかしながら、バンパが後部フレームに取り付けられていると、長さ寸法が相対的に長いコンテナをセミトレーラに積載するときでも、バンパは後方に移動しない。その結果、セミトレーラの前後方向において、積載されたコンテナの後端とバンパとの距離が相対的に長くなり、コンテナの下方に他車両の前部が進入する可能性があった。
【0007】
本発明の目的は、長さ寸法が異なる複数種類のコンテナを取り替えてトレーラ本体に積載し得るようにするにあたり、前側位置決め部材を前後方向に移動可能とし、かつ、後側位置決め部材を前後方向には移動しないように構成したセミトレーラにおいて、積載されるコンテナの長さに関わりなく、他車両の前部がコンテナの下方に進入することを回避することのできる、コンテナ積載用セミトレーラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、コンテナを積載し、かつ、トラクタに牽引されて走行するトレーラ本体と、前記トレーラ本体の前後方向における前記コンテナの前側部分を位置決めする前側位置決め部材と、前記トレーラ本体の前後方向で前記前側位置決め部材よりも後方に設けられ、かつ、前記トレーラの前後方向における前記コンテナの後側部分を位置決めする後側位置決め部材とを有し、前記トレーラ本体の前後方向における長さ寸法が異なるコンテナを取り替えて前記トレーラ本体に積載するにあたり、前記トレーラ本体の前後方向における前記前側位置決め部材の位置を変更することができるように構成されているコンテナ積載用セミトレーラであって、前記後側位置決め部材は、前記トレーラ本体に対して前後方向には移動しないように構成されており、前記トレーラ本体の前後方向における後端側に、前記トレーラ本体の前後方向に移動可能なバンパが設けられており、長さ寸法が短い標準コンテナを前記トレーラ本体に積載する場合は、前記バンパを前側に移動した位置で固定する一方、前記標準コンテナよりも長い長寸コンテナを前記トレーラ本体に積載する場合は、前記バンパを後側に移動した位置で固定する固定機構を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記トレーラ本体の後端側に2本の第1連結部が設けられており、前記バンパは、前記トレーラ本体の幅方向に延ばされた本体部と、この本体部から前方に向けて延ばされた2本の第2連結部とを有しており、前記第1連結部が前記第2連結部を前記トレーラ本体の前後方向にスライド可能に支持することにより、前記バンパが前記トレーラ本体の前後方向に移動可能に構成されており、前記第1連結部または前記第2連結部の何れか一方にピン孔が設けられており、前記第1連結部または前記第2連結部の何れか他方に、前記トレーラ本体の前後方向に沿って複数のピン孔が設けられており、前記第2連結部を前後方向に移動させて、前記第1連結部に設けられたピン孔と前記第2連結部に設けられたピン孔とを前後方向で同じ位置とし、前後方向で同じ位置にあるピン孔同士に位置決めピンを挿入することにより、前後方向の異なる位置で前記バンパが固定されるように構成されており、前記第1連結部に設けられたピン孔及び前記第2連結部に設けられたピン孔、及び前記位置決めピンが、前記固定機構であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、長さ寸法が異なるコンテナを取り替えて積載するにあたり、後側位置決め部材をトレーラ本体の前後方向に移動することはできず、前側位置決め部材をトレーラ本体の前後方向に移動させることで、標準コンテナまたは長寸コンテナを取り替えて積載することができる。ここで、長寸コンテナがトレーラ本体に積載されると、コンテナの後部がトレーラ本体の後端から後方に迫り出す可能性がある。そこで、トレーラ本体に対してバンパを後方に移動させて固定し、トレーラ本体の前後方向で、コンテナの後端とバンパの後端との距離を相対的に短くすることができる。したがって、他車両が後方からトレーラ本体に接近した際に、他車両の前部がコンテナの下方に進入することを、バンパにより抑制できる。
【0011】
本発明によれば、第2連結部を前後方向に移動させて、第1連結部に設けられたピン孔と第2連結部に設けられたピン孔とを前後方向で同じ位置とし、前後方向で同じ位置にあるピン孔同士に位置決めピンを挿入することにより、前後方向の異なる位置でバンパを固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態であるコンテナ積載用セミトレーラの側面図である。
【図2】図1に示すコンテナ積載用セミトレーラの平面図である。
【図3】図1に示すコンテナ積載用セミトレーラの前側位置決め部材の構成を示す斜視図である。
【図4】図1に示すコンテナ積載用セミトレーラの前側位置決め部材の構成を示す分解斜視図である。
【図5】(A)は、長さ40フィートの標準コンテナを下側から見た斜視図、(B)は、長さ45フィートの長寸コンテナを下側から見た斜視図である。
【図6】本発明におけるバンパの構成、及び固定機構の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態で用いる位置決めピンの構成を示す図である。
【図8】図7に示された位置決めピンの使用状態を表す断面図である。
【図9】図7に示された位置決めピンの使用状態を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において、「長さ寸法が長い」または「長さ寸法が短い」とは、長さが異なるコンテナ同士の相対的な長さ関係を意味しており、「長い」または「短い」の境界となる基準寸法がある訳ではない。したがって、本発明の「長さ寸法が異なる複数種類のコンテナ」には、長さ寸法が異なる2種類のコンテナに限らず、長さ寸法が異なる3種類のコンテナも含まれる。本発明において、コンテナの前側部分及び後側部分は、長さ方向における中心を境界として定めることができる。本発明における「コンテナの前側部分」は、前端部分、または前端部分よりも後方のいずれでもよい。本発明における「コンテナの後側部分」は、コンテナの後端部分、または後端部分よりも前方のいずれでもよい。
【0014】
本発明における前側位置決め部材及び後側位置決め部材は、トレーラ本体の前後方向及び左右方向にコンテナを位置決めし、かつ、固定する要素である。その位置決め原理は、接触、係合、噛み合いなどのうちの何れでもよい。本発明における位置決め部材には、突起、ピン、爪、穴(孔)、凹凸部等が含まれる。本発明において、「バンパを前側に移動した位置」と「バンパを後側に移動した位置」とは、トレーラ本体の前後方向におけるバンパの相対的な位置関係を表している。つまり、「バンパを前側に移動した位置」よりも「バンパを後側に移動した位置」の方が、後側にあるという意味であり、「前側」と「後側」とを区別する基準位置がある訳ではない。
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明におけるコンテナ積載用セミトレーラ(以下、「セミトレーラ」と略記する)が、トラクタ(図示せず)の後方に連結されて連結車両を構成する。トラクタは、トレーラを牽引する駆動源、例えば、エンジン、電動モータ等を有している。本実施形態におけるセミトレーラは、長さ寸法が異なる2種類のコンテナを取り替えて積載することが可能に構成されている。ここでは、図1、図2に示すように、長さ寸法が40フィートである標準コンテナ10と、長さ寸法が45フィートである長寸コンテナ11とを積載可能なセミトレーラを例として説明する。すなわち、標準コンテナ10よりも長寸コンテナ11の方が相対的に長い。セミトレーラは、図示しないトラクタに牽引されて追従走行し、コンテナ10またはコンテナ11をトレーラ本体12の荷台19に積載して運搬することができる。連結車両が直進走行するとき、トレーラ本体12の長さ方向は、連結車両の走行方向と一致する。
【0016】
そして、コンテナ10,11の長さ方向がトレーラ本体12の長さ方向に一致する向きで、コンテナ10,11がトレーラ本体12に積載される。以下、トレーラ本体12の構成を説明する。トレーラ本体12は、その走行方向(連結車両の前後方向)に延びる左右一対の2本の縦梁材13を有している。また、トレーラ本体12は、2本の縦梁材13を相互に連結し、かつ、横方向(連結車両の左右方向)に延びる複数の横梁材14を有している。2本の縦梁材13の前端部分は、その部分よりも後方部分に比べて上方に迫り上がったグースネック部13aを形成している。さらに、グースネック部13aの下端面には、下方、つまり地面に向けて突出するキングピン(図示せず)が設けられている。
【0017】
さらに、2本の縦梁材13の後端を連結する後側締結フレーム25が設けられている。後側締結フレーム25は、連結車両の左右方向に沿って設けられた横梁材である。上記した2本の縦梁材13、複数の横梁材14、後側締結フレーム25等により、本実施形態の荷台19が構成されている。トレーラ本体12の前後方向において、荷台19の前端から後端までの全長Lは、長寸コンテナ11の長さL2よりも短く設定されている。ここで、荷台19の前端とは、グースネック部13aに固定された固定部材48の後端であり、荷台19の後端とは後側締結フレーム25の後端である。なお、固定部材48については後述する。
【0018】
一方、牽引車であるトラクタの後端部にはカプラ(図示せず)が設けられており、カプラとキングピンとが連結されて、トラクタの走行力がトレーラ本体12に伝達されるように構成されている。さらに、荷台19の下部には、左右両側に走行車輪16が設けられた3本の走行車軸17が回転可能に取り付けられている。トレーラ本体12の前後方向で中央部分よりも後方に、3本の走行車軸17が配置されている。上記の荷台19、走行車輪16、走行車軸17等の構成により、本実施形態のトレーラ本体12が構成されている。本実施形態におけるトレーラ本体12には、駆動源の動力が伝達される駆動車輪は設けられていない。そして、トラクタの走行力がトレーラ本体12に伝達されると、走行車輪16が従動回転して、トレーラ本体12がトラクタの後方を追従走行する。
【0019】
さらに、トレーラ本体12がトラクタに連結されていないときに、トレーラ本体12の前側部分を支持するために、ランディングギヤ、つまり支持脚18が設けられている。この支持脚18の上端部は縦梁材13に固定されており、支持脚18の下端部は上下方向に進退移動自在に構成されている。
【0020】
一方、トレーラ本体12の前後方向における前端側、具体的にはグースネック部13a
には、左右一対の2つのボルスタ40a,40bが取り付けられている。2つのボルスタ40a,40bは、トレーラ本体12に積載されるコンテナ10,11の前端部を支持して、コンテナ10,11の前端部を位置決めする機構である。2つのボルスタ40a,40bの構成を、図3及び図4を参照して説明する。グースネック部13aには、ボルスタ40a,40bが着脱自在に取り付けられる第1取付部41a,41bと第2取付部42a,42bとが、それぞれ設けられている。
【0021】
図1に示すように、トレーラ本体12の前後方向で、第1取付部41a,41bよりも前方側に第2取付部42a,42bが配置されている。第1取付部41a,41bは、標準コンテナ10が積載されるときにボルスタ40a,40bが装着される機構であり、第2取付部42a,42bは、長寸コンテナ11が積載されるときにボルスタ40a,40bが装着される機構である。
【0022】
図3は、ボルスタ40a,40bが第1取付部41a,41bに取り付けられた状態を示す斜視図であり、図4は図3の分解斜視図である。図4に示すように、2本の縦梁材13と横梁材14との連結部分に、それぞれ第1取付部41aが形成されている。各第1取付部41aは、トレーラ本体12の左右方向で外側に開口する側方開口部43と、上側に開口する上方開口部44とを有しており、上方開口部44と側方開口部43とが連通している。
【0023】
ボルスタ40a,40bは、第1取付部41aに対して着脱自在に構成されている。ボルスタ40aは、トレーラ本体12の左右方向に延びており、その左右方向内側の端部には、側方開口部43に挿入される挿入部45が設けられている。ボルスタ40aの挿入部45を側方開口部43に挿入することにより、ボルスタ40aが第1取付部41aに取り付けられる。ボルスタ40aの挿入部45を側方開口部43から抜き出すことにより、ボルスタ40aを第1取付部41aから取り外すことができる。また、ボルスタ40aの左右方向外側の端部には、それぞれのコンテナ10,11の前側係合孔(後述する)に係合する前側締結具46が設けられている。この前側締結具46は、所謂ロッキングピンであり、前側締結具46は、トレーラ本体12の前後方向に沿って進退移動自在に設けられている。
【0024】
一方、ボルスタ40aの挿入部45には、上側に開口する固定孔47が形成されており、挿入部45が側方開口部43に挿入された状態では、固定孔47と上方開口部44とが連通される。上方開口部44と固定孔47とが連通された状態で、固定部材48を上方開口部44を経由させて固定孔47に挿入することにより、ボルスタ40aが第1取付部41aに固定される。つまり、挿入部45が側方開口部43から抜け出さないように固定される。この固定部材48の後方側の端面には突き当て面48aが形成されており、コンテナ10,11が荷台19上に積載された状態で、それぞれのコンテナ10,11の前端面が固定部材48の突き当て面48aに突き当てられる。
【0025】
なお、トレーラ本体12の左右方向において、左側の縦梁材13に設けられている第2取付部42aの構造は第1取付部41aと左右対称である。また、第2取付部42aにボルスタ40aを着脱する構造は、第1取付部41aにボルスタ40aを取り付ける構造と同じである。トレーラ本体12の左右方向において、右側の縦梁材13に設けられている第1取付部41b及び第2取付部42bの構造は、左側に設けられている第1取付部41aと左右対称である。トレーラ本体12の左右方向において、右側の縦梁材13にに取り付けられている第1取付部41bまたは第2取付部42bにボルスタ40bを着脱する構造は、左側の第1取付部41aにボルスタ40aを着脱する構造と同様である。
【0026】
このように、第1取付部41a,41bにボルスタ40a,40bを取り付けたときと、第2取付部42a,42bにボルスタ40a,40bを取り付けたときとを比べると、トレーラ本体12の前後方向におけるボルスタ40a,40bの位置が異なる。第1取付部41a,41bにボルスタ40a,40bを取り付けたときよりも、第2取付部42a,42bにボルスタ40a,40bを取り付けたときの方が、ボルスタ40a,40bは前方に位置することとなる。
【0027】
次に、荷台19に積載されるコンテナ10,11の構成を、図5に基づいて説明する。図5(A)は、長さ寸法が40フィートの標準コンテナ10を下側から見た斜視図であり、図5(B)は、長さ寸法が45フィートの長寸コンテナ11を下側から見た斜視図である。この標準コンテナ10と長寸コンテナ11とは略同様の形状をしている。コンテナ10,11はそれぞれ直方体形状をしている。コンテナ10,11の前端側の下面にはトンネル凹部21が形成されている。コンテナ10,11は、長手方向がトレーラ本体12のの走行方向となるように荷台19上に積載される。そして、コンテナ10,11を荷台19上に積載する際に、グースネック部13aがトンネル凹部21に入り込んだ状態となる向きで積載される。また、コンテナ10,11の前端下側の角部には、前方に開口する前側係合孔22が形成されている。さらに、コンテナ10,11の後端下側の角部には、下方に開口する後側係合孔23が形成されている。図5においては、標準コンテナ10における前側係合孔22と後側係合孔23との距離と、長寸コンテナ11における前側係合孔22と後側係合孔23との距離とが同じである例が示されている。
【0028】
つぎに、荷台19の後端部を構成する後側締結フレーム25について具体的に説明する。図6に示すように、後側締結フレーム25は、セミトレーラの左右方向に沿って延ばされた部材であり、後側締結フレーム25は、2本の縦梁材13の後端に固定されている。固定方法は、ネジ固定、溶接固定などの何れでもよい。すなわち、後側締結フレーム25は、トレーラ本体12の前後方向には移動しないように固定されている。また、後側締結フレーム25の左右の両端部には、それぞれのコンテナ10,11の後側係合孔23に係合する所謂ツイストロックとしての後側締結具28が上方に突出して設けられている。
【0029】
さらに、ボルスタ40a,40bを第1取付部41a,41bに取り付け、かつ、標準コンテナ10を荷台19上に積載して、標準コンテナ10の前端部をボルスタ40aに接触させて前後方向の位置を規制した状態で、その標準コンテナ10の後側係合孔23に後側締結具28が挿入されて、標準コンテナ10が前後方向に位置決めされるように、前後方向における、第1取付部41a,41bから後側締結具28までの距離が設定されている。
【0030】
さらに、ボルスタ40a,40bを第2取付部42a,42bに取り付け、かつ、長寸コンテナ11を荷台19上に積載して、長寸コンテナ11の前端部をボルスタ40aに接触させて前後方向の位置を規制した状態で、長寸コンテナ11の後側係合孔23に後側締結具28が挿入されて、長寸コンテナ11が前後方向に位置決めされるように、前後方向における、第2取付部42a,42bから後側締結具28までの距離が設定されている。
【0031】
図1においては、トレーラ本体12の前後方向で、前側の基準位置F1と前側の基準位置F2との距離が、長さMで表されている。基準位置F1は、第1取付部41a,41bに取り付けたボルスタ40aの後端、及び第1取付部41a,41bに取り付けた固定部材48の後端に相当する位置である。基準位置F2は、第2取付部42a,42bに取り付けたボルスタ40aの後端、及び第2取付部42a,42bに取り付けた固定部材48の後端に相当する位置である。
【0032】
また、トレーラ本体12の前後方向における後側の基準位置R1と後側の迫り出し位置R2との距離が、長さMで表されている。基準位置R1は、後側締結フレーム25の後端に相当する位置である。迫り出し位置R2は、ボルスタ40aおよび固定部材48を第2取付部42a,42bに取り付けて長寸コンテナ11を荷台19に積載した際に、長寸コンテナ11の後端に相当する位置である。そして、2つの長さMは同じ値であり、この長さMは、標準コンテナ10の長さL1と、長寸コンテナ11の長さL2との差の2分の1である。
【0033】
そして、図1及び図2に示すように、トレーラ本体12の後部にはバンパ50が設けられている。このバンパ50は、セミトレーラの後方に位置する他車両(図示せず)がセミトレーラに接近した際に、他車両の前部が、コンテナ10,11の下方、具体的には、トレーラ本体12の下方に突入することを防止する突入防止装置である。トレーラ本体12に対するバンパ50の取り付け構造を、図6を参照して具体的に説明する。2本の縦梁材13の下部には、それぞれマウント部51が固定されている。各マウント部51は縦梁材13に対して、溶接などの方法で固定されている。各マウント部51は金属材料により構成されており、各マウント部51には筒体51aが固定されている。筒体51aには、トレーラ本体12の前後方向に沿って挿入孔51bが設けられている。また、各筒体51aには、トレーラ本体12の左右方向に沿って貫通するピン孔51cが複数、図6の例では2個ずつ設けられている。複数のピン孔51cはトレーラ本体12の前後方向に、所定間隔をおいて配置されている。
【0034】
一方、バンパ50は、トレーラ本体12の左右方向に沿って延ばされた長尺形状の本体部50aと、本体部50aに対して、トレーラ本体12の左右方向に沿って所定間隔をおいて固定された2本の支持部50bとを有している。2本の支持部50bは、トレーラ本体12の前後方向に延ばされ、かつ、相互に平行に配置された棒状体である。本体部50aの長手方向における2本の支持部50bの配置間隔は、トレーラ本体12の左右方向における2個の挿入孔51bの間隔と同じに設定されている。トレーラ本体12を後方側から見た背面断面内において、各支持部50bの外周形状と、挿入孔51bの内周形状とが同じに設定されている。
【0035】
そして、各支持部50bを各挿入孔51bに挿入したり、各支持部50bを各挿入孔51bから抜き出したりできる。また、各支持部50bを各挿入孔51bに挿入した状態で、支持部50bを挿入孔51bに沿ってスライドさせると、バンパ50をトレーラ本体12の前後方向に移動することができる。このような動作及び作用を確保することができるように、各支持部50bの長さ、寸法、各挿入孔51bの寸法、長さが設定されている。
【0036】
一方、各支持部50bには、複数組のピン孔が設けられている。図6には2組のピン孔50c,50dを設けた例が示されている。2組のピン孔50c,50dは、共に2つのピン孔で1組として構成されている。トレーラ本体12の前後方向において、各組を構成するピン孔50c同士の間隔、及びピン孔50d同士の間隔は、ピン孔51c同士の間隔と同じである。
【0037】
さらに、ピン孔50c,50d,51cに挿入したり、ピン孔50c,50d,51cから抜き出したりすることのできる位置決めピン(ストッパーピン)52が2本設けられている。位置決めピン52は、トレーラ本体12の前後方向においてバンパ50を位置決め固定するための部品である。位置決めピン52の構成を図7〜図9に基づいて説明する。位置決めピン52は、軸部52aと、軸部52aの一端に固定されたレバー52bとを有している。軸部52aの外径は、ピン孔51cの内径よりも小さく設定されている。レバー52bは、軸部52aの半径方向における一方に向けて延ばされている。軸部52aの先端側には全周に亘って環状溝52cが設けられており、環状溝52cには軸部52aを半径方向に貫通する孔52dが設けられている。
【0038】
一方、レバー52bにはワイヤ52eの一端が連結されており、ワイヤ52eの他端にはリング52fが連結されている。ワイヤ52eは可撓性を備えており、リング52fにはリンチピン52gが取り付けられている。リング52fの内径は軸部52aの外径よりも大きく設定され、リンチピン52gの長さはリング52fの外径よりも大きく設定されている。また、リング52fの太さとリンチピン52gの太さとを加算した値は、環状溝52cの幅よりも小さく設定されている。環状溝52cの幅とは、軸部52aの軸線に沿った方向の間隔である。さらに、軸部52aの軸線に沿った方向において、レバー52bと環状溝52cとの間の間隔は、筒体51aの幅よりも大きく設定されている。
【0039】
次に、トレーラ本体12の前後方向においてバンパ50を位置決め固定する動作を説明する。まず、バンパ50の支持部50bを挿入孔51bに差し込み、ピン孔51cと、ピン孔50cまたはピン孔50dの何れか一方とを位置合わせする。さらに、図8および図9に示すように、位置合わせされたピン孔に位置決めピン52の軸部52aを差し込む。このように、位置合わせされたピン孔に位置決めピン52の軸部52cを差し込むと、トレーラ本体12の前後方向においてバンパ50が位置決め固定される。
【0040】
さらに、位置決めピン52がピン孔から抜け出すことを防止するための機構について説明する。これは、リンチピン52gを孔52dに挿入し、かつ、リング52fの一部を環状溝52cに位置させることで達成される。このようにすると、リンチピン52gが孔52dから抜け出す方向に移動する力が作用すると、リング52fが軸部52aに係止することで、リンチピン52が孔52dから抜け出す方向に移動することを防止できる。
【0041】
また、リング52fの一部が環状溝52cに位置しており、かつ、リング52fが自重で下方に移動して環状溝52cの底部にリング52fの内周の一部が接触した状態にある。このため、リング52fとリンチピン52gとの連結部分を支点として、リング52fを回転させる向きの力が作用しても、リング52fの一部が軸部52aに接触することで、リング52fが回転することを防止できる。したがって、リンチピン52fが孔52dから不用意に抜け出すことを防止でき、結果的に、位置決めピン52がピン孔から抜け出すことを防止できる。上記したピン孔50c,50d,51c、位置決めピン52等により、本発明の固定機構53が構成されている。
【0042】
次に、位置決めピン52を取り外す動作を説明する。まず、リング52fを掴み上方に持ち上げて、リング52fを環状溝52cから抜け出させる。そして、リング52fとリンチピン52gとの連結部分を支点としてリング52fを回転させて、そのリング52fの内側を軸部52aの先端が通過するようにする。さらに、リンチピン52gを孔52dから抜き出すと、位置決めピン52の軸部52aをピン孔から抜き出すことができる。なお、固定機構53によりトレーラ本体12の前後方向にバンパの位置を2段階に変更し、かつ、その位置に固定する作業は、人間が手作業により行う。
【0043】
例えば、支持部50bを挿入孔51bに挿入してスライドさせて、トレーラ本体12の前後方向で、2つのピン孔50dと2つのピン孔51cとを同じ位置とする。そして、位置が一致しているピン孔50d,ピン孔51cに一方の位置決めピン52を挿入し、位置が一致している残りのピン孔50d,ピン孔51cに他方の位置決めピン52を挿入すると、トレーラ本体12の前後方向においてバンパ50を位置決め固定することができる。
【0044】
本実施形態においては、2つのピン孔50d及び2つのピン孔51cに位置決めピン52を挿入して、トレーラ本体12の前後方向でバンパ50を位置決め固定すると、トレーラ本体12の前後方向におけるバンパ50の後端の位置が、基準位置R1と一致するように、支持部50bにおける2つのピン孔50dの前後方向の位置、筒体51aにおけるピン孔51cの前後方向の位置が設定されている。
【0045】
一方、支持部50bを挿入孔51bに挿入してスライドさせて、トレーラ本体12の前後方向で、2つのピン孔50cと2つのピン孔51cとを同じ位置とする。そして、位置が一致しているピン孔50c,ピン孔51cに一方の位置決めピン52を挿入し、位置が一致している残りのピン孔50c,ピン孔51cに他方の位置決めピン52を挿入すると、トレーラ本体12の前後方向においてバンパ50を位置決め固定することができる。
【0046】
本実施形態においては、2つのピン孔50c及び2つのピン孔51cに位置決めピン52を挿入して、トレーラ本体12の前後方向でバンパ50を位置決め固定すると、トレーラ本体12の前後方向でバンパ50の後端が、基準位置R1と迫り出し位置R2との間に位置される。トレーラ本体12の前後方向において、迫り出し位置R2は基準位置R1よりも後方である。つまり、トレーラ本体12の前後方向において、バンパ50の後端が後側締結フレーム25の後端よりも後方に位置することとなる。このように、バンパ50が迫り出し位置に位置決め固定されると、トレーラ本体12の前後方向において、バンパ50の後端が後側締結フレーム25の後端よりも後方に位置するように、支持部50bにおける2つのピン孔50cの前後方向の位置、筒体51aにおけるピン孔51cの前後方向の位置が設定されている。
【0047】
本実施形態において、標準コンテナ10を荷台19に積載する場合は、左右一対のボルスタ40a,40bを第1取付部41a,41bに取り付ける。そして、荷台19に標準コンテナ10を積載して、前側締結具46を前側係合孔22に係合させ、かつ、固定部材48を標準コンテナ10の前端に接触させ、かつ、後側締結具28を後側係合孔23に係合させると、標準コンテナ10が荷台19上で前後方向に位置決め固定される。具体的には、図1に示すトレーラ本体12の前後方向で、標準コンテナ10の前端が基準位置F1に位置決めされ、標準コンテナ10の後端が基準位置R1に位置決めされる。
【0048】
このように、標準コンテナ10を荷台19上に位置決め固定すると、トレーラ本体12の前後方向で、標準コンテナ10の後端と荷台19の後端とが同じ位置となり、標準コンテナ10の長手方向の中心点は、トレーラ本体12の長手方向の中心点よりも後方に位置する。
【0049】
一方、長寸コンテナ11を荷台19に積載する場合は、左右一対のボルスタ40a,40bおよび固定部材48を第2取付部42a,42bに取り付ける。そして、前側締結具46を長寸コンテナ11の前側係合孔22に係合させ、かつ、固定部材48を長寸コンテナ11の前端に接触させ、かつ、後側締結具28を後側係合孔23に係合させると、長寸コンテナ11が荷台19上で前後方向に位置決め固定される。このようにして、長寸コンテナ11をトレーラ本体12に積載すると、図1に示すトレーラ本体12の前後方向で、長寸コンテナ11の前端を基準位置F2に位置決めし、長寸コンテナ11の後端を迫り出し位置R2に位置決めすることができる。
【0050】
長寸コンテナ11を荷台19上に位置決め固定すると、トレーラ本体12の前後方向で、長寸コンテナ11の後端は荷台19の後端よりも後方に位置することとなる。また、標準コンテナ10または長寸コンテナ11の何れを荷台19に積載する場合でも、そのコンテナの長手方向の中心が荷台19では同じ位置に設定される。
【0051】
ところで、本実施形態において、標準コンテナ10を荷台19に積載する場合は、バンパ50をトレーラ本体12の前後方向で標準位置に固定する。すると、トレーラ本体12の前後方向で、標準コンテナ10の後端とバンパ50の後端とが同じ位置となる。このため、連結車両が停止しているときまたは走行中に、トレーラ本体12の後方に位置する他車両がトレーラ本体12に接近しても、他車両の前部がバンパ50に接触するため、他車両の全部が標準コンテナ10の下方空間に突入することを防止できる。
【0052】
ところで、本実施形態においては、トレーラ本体12に後側締結フレーム25が固定されており、トレーラ本体12に対して後側締結フレーム25は前後方向には移動しない。このため、長寸コンテナ11を荷台19に積載すると、図1に示すように、長寸コンテナ11の後端は、後側締結フレーム25の後端から長さM分だけ後方に迫り出す。そこで、トレーラ本体12に対してバンパ50を後方に移動して、バンパ50の後端を基準位置R1と迫り出し位置R2との間に位置させて固定する。すると、トレーラ本体12の前後方向において、バンパ50の後端と長寸コンテナ11の後端との距離が相対的に短くなる。したがって、他車両がトレーラ本体12に接近したときに、他車両の前部が長寸コンテナ11の下方空間に突入することを防止し易くなる。言い換えれば、バンパ50の機能を発揮し易い状態を維持できる。
【0053】
また、本実施形態においては、トレーラ本体12の前後方向に沿って、後側締結フレーム25を移動する構成にはなっておらず、そのための移動機構(伸縮機構)を設けずに済む。したがって、構造の複雑化、部品点数の増加、伸縮機構の作動不良または瑕疵等が生じる余地がない。また、本実施形態における固定機構53は、位置決めピン52をピン孔から抜き差しする作業、及び支持部50bをスライドさせる作業を、人為的に行ってバンパ50の位置を変更及び固定するようになっている。したがって、固定機構53の構造を簡略化、軽量化することができる。さらに、本実施形態においては、後側締結フレーム25を前後方向に移動するように構成する必要がなく、トレーラ本体12の汎用性が向上する。
【0054】
ここで、本実施形態において説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、標準コンテナ10及び長寸コンテナ11が、本発明の「長さが異なる複数種類のコンテナ」に相当し、ボルスタ40a,40b及び固定部材48が、本発明の前側位置決め部材に相当し、後側締結具28が、本発明の後側位置決め部材に相当し、筒体51aが、本発明の第1連結部に相当し、支持部50bが、本発明の第2連結部に相当する。また、バンパ50の後端が基準位置R1にある状態が、本発明の「バンパを前側に移動した位置」に相当し、バンパ50の後端が迫り出し位置にある状態が、本発明の「バンパを後側に移動した位置」に相当する。さらに、バンパ50の後端が基準位置R1にある状態と、バンパ50の後端が迫り出し位置にある状態とが、本発明の「前後方向の異なる位置」に相当する。
【0055】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、トレーラ本体12の前後方向で異なる位置にバンパ50を固定するピン孔の構成については、筒体51aに2組のピン孔を設け、支持部50bに1組のピン孔を設けておいてもよい。さらに、長さが異なる3種類のコンテナを取り替えて積載できるように構成することもできる。この場合、縦梁材13には、第1取付部41a,41b及び第2取付部42a,42bに加えて、第3取付部を設ける一方、支持部50bには、2組のピン孔50d,50cに加えて、3組目のピン孔を設ける。第3取付部の構成は、第1取付部41a,41bと同じでよく、トレーラ本体12の前後方向における配置位置が、他の取付部と異なっていればよい。
【0056】
また、3組目のピン孔も、ピン孔50dと同じ構成でよく、トレーラ本体12の前後方向における配置位置が他のピン孔と異なっていればよい。このように構成すれば、トレーラ本体12の前後方向の異なる3箇所に、左右一対のボルスタ40a,40b、及び固定部材48を選択的に取り付けることができる。また、支持部50bを前後方向にスライドさせて、ピン孔51cと3組のピン孔とを選択的に一致させ、かつ、位置決めピン52を挿入することにより、トレーラ本体12の前後方向におけるバンパ50の位置を3段階に変更し、かつ、固定することができる。さらに、トレーラ本体12の前後方向で、バンパ50の後端が、長寸コンテナ11の後端の位置と一致する位置まで移動することができるように、位置変更機構のピン孔の位置を設定することもできる。
【0057】
さらに、バンパ50側の支持部をパイプ形状とする一方、縦梁材13には筒体に代えて棒状体を取り付け、その棒状体を支持部に挿入することにより、トレーラ本体12の前後方向にバンパ50を移動できるように構成してもよい。この場合、バンパの位置決め固定は、前記実施形態と同様にピン孔及び位置決めピンにより行えばよい。また、荷台19の下部に取り付けられる走行車軸17の数は、図示した3軸に限られず、2軸または4軸の走行車軸であってもよい。さらに、バンパ50を縦梁材13に取り付ける構造に代えて、バンパ50を後側締結フレーム25に取り付けるとともに、バンパ50が後側締結フレーム25に対して前後方向に移動可能となるように、固定機構を設けてもよい。
【0058】
さらに、長寸コンテナ11の前端よりも後方に、前側係合孔22と同様の役割を果たし、かつ、下向きに開口された係合孔(図示せず)を設ける一方、この係合孔に挿入できるように、固定部材48の形状を変更することもできる。このように構成すると、ボルスタ40a,40bを用いることなく、固定部材48を第1取付部41a,41bに取り付けた状態で、長寸コンテナ11をトレーラ本体12に積載し、形状が変更された固定部材48を、下向きに開口された係合孔に挿入して、トレーラ本体12の前後方向で長寸コンテナ11を位置決め固定することができる。
【0059】
さらにまた、図3に示すボルスタ40a,40bおよび固定部材48を、第1取付部41a,41bに取り付けた状態のまま、長寸コンテナ11をトレーラ本体12に積載することができるように、長寸コンテナ11の底部の形状および構造を変更することもできる。
【符号の説明】
【0060】
10 標準コンテナ
11 長寸コンテナ
12 トレーラ本体
13 縦梁材
13a グースネック部
14 横梁材
16 走行車輪
17 走行車軸
18 支持脚
19 荷台
21 トンネル凹部
22 前側係合孔
23 後側係合孔
25 後側締結フレーム
28 後側締結具
40a,40b ボルスタ
41a,41b 第1取付部
42a,42b 第2取付部
43 側方開口部
44 上方開口部
45 挿入部
46 前側締結具
47 固定孔
48 固定部材
48a 突き当て面
50 バンパ
50a 本体部
50b 支持部
50c,50d,51c ピン孔
51 マウント部
51a 筒体
51b 挿入孔
52 位置決めピン
52a 軸部
52b レバー
52c 環状溝
52d 孔
52e ワイヤ
52f リング
52g リンチピン
53 固定機構
L,L1,L2 長さ
F1,F2,R1 基準位置
R2 迫り出し位置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを積載し、かつ、トラクタに牽引されて走行するトレーラ本体と、前記トレーラ本体の前後方向における前記コンテナの前側部分を位置決めする前側位置決め部材と、前記トレーラ本体の前後方向で前記前側位置決め部材よりも後方に設けられ、かつ、前記トレーラの前後方向における前記コンテナの後側部分を位置決めする後側位置決め部材とを有し、前記トレーラ本体の前後方向における長さ寸法が異なるコンテナを取り替えて前記トレーラ本体に積載するにあたり、前記トレーラ本体の前後方向における前記前側位置決め部材の位置を変更することができるように構成されているコンテナ積載用セミトレーラであって、
前記後側位置決め部材は、前記トレーラ本体に対して前後方向には移動しないように構成されており、
前記トレーラ本体の前後方向における後端側に、前記トレーラ本体の前後方向に移動可能なバンパが設けられており、
長さ寸法が相対的に短い標準コンテナを前記トレーラ本体に積載する場合は、前記バンパを前側に移動した位置で固定する一方、前記標準コンテナよりも長い長寸コンテナを前記トレーラ本体に積載する場合は、前記バンパを後側に移動した位置で固定する固定機構を備えていることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、
前記トレーラ本体の後端側に2本の第1連結部が設けられており、
前記バンパは、前記トレーラ本体の幅方向に延ばされた本体部と、この本体部から前方に向けて延ばされた2本の第2連結部とを有しており、
前記第1連結部が前記第2連結部を前記トレーラ本体の前後方向にスライド可能に支持することにより、前記バンパが前記トレーラ本体の前後方向に移動可能に構成されており、
前記第1連結部または前記第2連結部の何れか一方にピン孔が設けられており、前記第1連結部または前記第2連結部の何れか他方に、前記トレーラ本体の前後方向に沿って複数のピン孔が設けられており、前記第2連結部を前後方向に移動させて、前記第1連結部に設けられたピン孔と前記第2連結部に設けられたピン孔とを前後方向で同じ位置とし、前後方向で同じ位置にあるピン孔同士に位置決めピンを挿入することにより、前後方向の異なる位置で前記バンパが固定されるように構成されており、
前記第1連結部に設けられたピン孔及び前記第2連結部に設けられたピン孔、及び前記位置決めピンが、前記固定機構であることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−95298(P2013−95298A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240791(P2011−240791)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000229357)日本トレクス株式会社 (27)