説明

コンテナ立体格納庫

【課題】コンテナ搬出入効率及び格納スペース効率共に優れたコンテナ立体格納庫を得る。
【解決手段】コンテナ11を昇降テーブル9上に載置して昇降移動するスタッカークレーン3と、該スタッカークレーン3の昇降テーブル9上に配置され、昇降テーブル9と各格納部との間を移動してコンテナ11の移載を行う台車13とを備え、台車13はコンテナ11の床はり部を支持して昇降できる支持ビーム27を有する昇降支持装置を搭載していることを特徴とするコンテナ格納庫。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば海上コンテナなどのコンテナを格納するコンテナ立体格納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナヤードにおけるコンテナの格納及び荷役作業において要求される事項として、コンテナ格納効率がある。ここでいうコンテナ格納効率とは、コンテナの格納におけるスペース効率およびコンテナ搬出入作業における作業効率である。
コンテナヤードにおけるコンテナ格納方法として、一般的にはコンテナ同士を段積みにして載置することが行なわれている。コンテナ同士を段積みにすると、高さの制限を受けるために広いスペースが必要となり、コンテナ格納効率のうちのスペース効率は高いとは言えない。
しかも、段積みした場合には、例えば下方に積まれたコンテナを先に取り出そうとすると、上方に積まれたコンテナを他の場所に移してから取り出す作業が必要となり、コンテナ搬出入の作業効率が極めて悪いという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するものとして、コンテナ同士を段積みにするのではなく、多数の棚を有するコンテナ建屋を建設して、棚の上にコンテナを載置する形式のものが提案されている。このような形式のものとして例えば以下のようなものがある。
【0004】
コンテナを格納するコンテナ立体格納倉庫部と、このコンテナ立体格納倉庫部においてコンテナを入出庫するコンテナ入出庫装置とを備えると共に、前記コンテナ入出庫装置を、前記コンテナ立体格納倉庫部のラック列沿いに走行移動可能な天井走行型コンテナ巻上クラブと、このコンテナ巻上クラブに巻上索を介して支持されるスプレッダ本体部と、このスプレッダ本体部上から前記ラック列の格納ラック棚内へ、横方向へ自走可能な自走装置付スプレッダとを備えて構成し、前記自走装置付スプレッダのコンテナ結合部を昇降操作可能に備えたことを特徴とするコンテナの立体格納設備(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−150918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコンテナの立体格納設備によれば、各コンテナは各格納ラック棚に1個ずつ収納されるので、各コンテナを取り出す際に、段積にした場合のように上方に積まれたコンテナを他の場所に移すような作業は不要となる。
したがって、コンテナ格納効率のうちの作業効率はよいと言える。
しかしながら、特許文献1に記載されたコンテナの立体格納設備には以下のような問題点がある。
【0006】
特許文献1に記載のコンテナの立体格納設備においては、各コンテナを収容する格納ラック棚内へコンテナを移動する手段として、自走可能な自走装置付スプレッダを用いている。この自走装置付スプレッダは、コンテナ結合部をコンテナの上面四隅に設けられたコーナ金具に結合して、コンテナを保持して格納ラック棚内へ横移動するというものである。
しかしながら、コンテナ上面四隅に設けられたコンテナ金具を保持して横移動させる機構を実現するためには、機構自体が剛性の高いものにしなければならず、極めて大きなものにならざるを得ない。なぜなら、コンテナの上面側を吊り下げるように支持して横移動する機構では、荷重が作用する力点とこれを支持して移動する車輪の位置を鉛直方向で一致させることができず、それ故にモーメントが作用し、重量物であるコンテナを支持するためには剛性を高くする必要があるからである。
【0007】
また、四隅の4点支持であるため、力の作用点において荷重が集中的に作用するため、その集中的に作用する荷重に耐える構造にしなければならず、この点でも自走装置付スプレッダの剛性を高くしなければならず、それ故に自走装置付スプレッダが大きなものにならざるを得ない。
そして、自走装置付スプレッダが大きくなると、それが格納ラック棚内に移動可能なスペースを各格納ラック棚内に確保する必要があり、そのため格納ラック棚内に無駄なスペースができる。しかも、各コンテナをそれぞれの格納ラック棚に収容するため各格納ランク棚内に無駄なスペースができるとすれば、コンテナ立体格納設備全体では過大な無駄スペースとなる。
このように、特許文献1に記載のものでは、コンテナ格納効率のうちの作業効率はよいものの、スペース効率が悪いという問題があった。
【0008】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、作業効率及びスペース効率共に優れたコンテナ立体格納庫を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために発明者は、特許文献1に記載のように従来のコンテナ移動の方法がコンテナの上部四隅のコーナ金具を保持するようにしている点について検討した。
コンテナは原則としてコーナ金具を支持する構造になっており、それ故、従来、コンテナの移動においては、必ずといっていいほどコーナ金具を支持または保持するようにしている。
また、コンテナを載置するときにはコーナ金具の部分を一段高くしてこの部分が載置面に載置され、それ以外の部分は浮き上がるようにするのが通常である。
そのため、コンテナを横移動するときにコンテナ下面のコーナ金具を保持した場合にはコンテナを載置する際にコンテナ下面のコーナ金具を載置位置に載置することができない。そこで、特許文献1のものでは、コンテナの上面のコーナ金具を保持して横移動し、載置するときはコンテナ下面のコーナ金具を支持位置に載置するようにしているのである。
このように、コンテナは移動及び載置のいずれの場合でもコーナ金具を保持するというのが一般的な考えであった。
【0010】
しかしながら、コンテナを横移動するのにコンテナ上面のコーナ金具を保持する考えに固執すると、前述したような無駄スペースが発生する。
そこで、発明者はコンテナはコーナ金具で保持するという従来の既成概念を打ち破り、コンテナを横移動する短時間については、コーナ金具以外の部位、例えば床はり部でコンテナを支持することができないかを考え、かかる考えに基づけばコンテナ下面のコーナ金具以外の部位を支持して横移動し、格納部におけるコンテナ載置部への受け渡しも可能になるとの知見を得た。
また、コンテナを吊り下げるのではなく、コンテナ下面部を下から支持する構造を採用すれば、荷重の力点と車輪の位置を鉛直方向で一致させることができ、そうすれば作用するモーメントを小さくでき、コンテナを支持する例えば台車の剛性を小さくでき、それ故に台車自体をコンパクトにでき、スペース効率を高めることができるとの知見も得た。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成を備えている。
【0011】
(1)本発明に係るコンテナ格納庫は、コンテナを昇降テーブル上に載置して昇降移動するスタッカークレーンと、該スタッカークレーンの前記昇降テーブル上に配置され、前記昇降テーブルと各格納部との間を移動してコンテナの移載を行う台車とを備え、該台車はコンテナの床はり部を支持して昇降できる支持部を有する昇降支持装置を搭載していることを特徴とするものである。
【0012】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、昇降支持装置の支持部は、コンテナの床はり部をその幅方向に所定の間隔を離して支持する少なくとも一対の支持ビームを備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
(3)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、各支持ビームはそれぞれ昇降ジャッキを有し、これら各昇降ジャッキが位置センサによる位置制御により同期して昇降するように構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のものにおいて、台車の走行車輪の幅を台車の軸方向に延長したエリアと、昇降装置の支持部の占めるエリアとが平面視で重なり合う部分があるように設定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、コンテナを昇降テーブル上に載置して昇降移動するスタッカークレーンと、該スタッカークレーンの前記昇降テーブル上に配置され、前記昇降テーブルと各格納部との間を移動してコンテナの移載を行う台車とを備え、該台車はコンテナの床はり部を支持して昇降できる昇降支持装置を搭載しているので、台車をコンパクトにでき、また格納部に設置するレール幅を小さくでき、これによって、格納部における無駄なスペースをなくし、スペース効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るコンテナ格納庫の一部を示す斜視図ある。また、図2はコンテナ格納庫においてコンテナを移載する台車およびコンテナ格納庫のコンテナ載置棚の説明図であり、台車が後述するコンテナ格納部に移動した状態を示している。図3は、台車の斜視図、図4は台車の動作説明図でありその一部(線で囲んだ部分)について内部構造を示している。図5は、図4の一部を拡大して示す拡大図、図6は図2の丸で囲んだA部の拡大図である。
以下、本実施の形態に係るコンテナ格納庫を、図1〜図6に基づいて説明する。
【0017】
本実施の形態に係るコンテナ格納庫1は、図1、図2に示すように上下昇降及び水平移動可能なスタッカークレーン3の両側に多段棚式のコンテナ格納部5(以下、単に「格納部5」という場合あり)を設けたものであり、クレーン本体7を水平移動させるとともに、コンテナ11を載せた昇降テーブル9を昇降させることにより、昇降テーブル9に載せたコンテナ11を所定のコンテナ格納部5側方に位置せしめ、コンテナ11をコンテナ格納部5に移載格納できるようになっている。
【0018】
コンテナ格納部5及び昇降テーブル9には両者間を、台車13を移動させるためのレール15が設けられ、このレール15上を台車13が移動することでコンテナ11を昇降テーブル9からコンテナ格納部5へ移載できるようになっている。
昇降テーブル9の前後左右の位置には、昇降テーブル9をコンテナ格納部5側に正確に位置決めするための出没可能な位置決めピン(図示なし)が設けられ、この位置決めピンをコンテナ格納部5の底部上面等に係合させることにより昇降テーブル9を所定の位置に位置決めできるようになっている。
【0019】
台車13は、図3、図4に示すように、矩形状のフレーム体から構成され、その両側のフレーム部19には駆動モータ20によって駆動する車輪21が前後方向に複数取り付けられている。
台車13の両側フレーム部19には、図2、図5に示すように、複数の昇降ジャッキ23が設置され、この昇降ジャッキ23の各シリンダロッド25にコンテナを支持するための支持ビーム27が設けられている。
図7はコンテナ11と車輪21、支持ビーム27の配置関係を説明する説明図であり、図7(a)が本実施の形態を示し、これと比較するために特許文献1に対応する吊り下げ方式の場合の配置を図7(b)に示している。
【0020】
支持ビーム27は各車輪21の幅方向中心を前後方向(Y軸方向)に結ぶ軸線のほぼ真上の位置に設けられている(図7(a)参照)。このような配置にすることで、支持ビーム27にコンテナ11が支持されたときに大きなモーメントが作用せず、フレーム部19の剛性を小さくすることができ、それ故にフレーム部19をコンパクトに製作することができる。
なお、支持ビーム27と車輪21の位置関係は、各車輪21の幅方向(X軸方向)中心を前後方向に結ぶ軸線のほぼ真上に支持ビーム27が配置されるのが最も好ましい。
しかし、支持ビーム27の占めるエリアと、各車輪21の幅が占めるエリアを前後方向に結んだときに占められるエリアとが平面視で重なり合う部分があるようにすれば、作用するモーメントも小さく台車13をコンパクトにするという効果を得ることはできる。
【0021】
支持ビーム27は、図3、図4に示すように、フレーム部19に形成された溝28の中に収納されるように設けられている。そして、各フレーム部19の溝28内に設置された支持ビーム27はこの例では、長手方向に6分割され、各支持ビーム27は2台の昇降ジャッキ23によって昇降されるようになっている。支持ビーム27を上昇させた状態では、図4に示すように、支持ビーム27の上面がフレーム部19の上面よりも上方に突出するようになっている。
【0022】
各支持ビーム27は図示しない位置センサによって高さ位置が検出され、その位置情報に基づいて各昇降ジャッキ23を昇降制御するようになっており、各昇降ビームは昇降距離が同じになるように制御されて昇降する。本実施の形態においては、支持ビーム27、昇降ジャッキ23、位置センサ及び昇降ジャッキ23の昇降動作を制御する制御装置によって昇降支持装置が構成される。
支持ビーム27はコンテナの下面コーナ金具の内側、すなわちコンテナの床はり部を支持できるようになっている(図7(a)参照)。このように、支持ビーム27はコンテナの下面床はり部をそのほぼ全長に亘って支持するので荷重が分散され、コーナ金具を支持する場合(図7(b)参照)に比較して、台車をコンパクトにすることができる。
【0023】
また、コンテナ11の床はり部を下方から支持する構造にすることにより、特許文献1に示したような上方からコンテナを吊り下げる構造のように格納部5に無駄なスペースを必要としない。つまり、本実施の形態の場合には、図7(a)に示すようにコンテナ11の幅よりも台車11のフレーム部19の幅を小さくできるが、特許文献1の場合には、図7(b)に示すように、コンテナ11の幅の外側にレールが配置されることになり、自走装置付スプレッダはレールよりもさらに外側に出っ張ることになり、格納部5には幅方向に無駄なスペースを確保しなければならない。
このように、コンテナ11の床はり部を下方から支持する構造にすることにより、格納部5に無駄なスペースがなくなり、コンテナ格納庫全体のスペース効率を向上することができる。
【0024】
以上のように、本実施の形態においては、コンテナ11の下面床はり部を車輪21のほぼ直上位置において、しかもコンテナ11のほぼ全長に亘って支持するようにしたことにより、台車13をコンパクトにでき、また格納部5に設置するレール幅を小さくできる。これによって、格納部5における無駄なスペースをなくし、スペース効率を高めることができる。
【0025】
上記においては、主に台車11の構造について説明したが、以下においては、コンテナ載置棚29の構造について説明する。
コンテナ格納部5におけるコンテナ載置棚29には、図2に示すように、コンテナ11のコーナ金具に係合してこれを係止可能なツイストロック金具31と、ツイストロック金具31を回動させる回動手段33とが設置されている。なお、この例ではツイストロック金具31は、コンテナ載置棚29の後辺部(コンテナ11を載置した際にコンテナ11の奥側の短辺が載置される辺部であり、昇降テーブル9の移動路から遠い辺部である。)の両端部に設けられている。
コンテナ11のコーナ金具は、垂直断面がロ字状の金具の下部にロ字の幅よりも狭い幅の係合孔を有している。係合孔の幅がロ字の幅よりも狭いので、係合孔の左右に縁部を有する形状となっている。そして、係合孔を平面視すると、長径と短径のある矩形或いは楕円形状となっている。
一方、ツイストロック金具31は、平面視でコーナ金具の係合孔と相似形の形状を有し、ツイストロック金具31が係合孔と同じ向きにあるときにはツイストロック金具31を係合孔に挿入可能になっている。そして、係合孔に挿入状態でツイストロック金具31を回動させると、ツイストロック金具31が係合孔の縁部に係止してコンテナ11をコンテナ載置棚29に係止する。
【0026】
回動手段33は、図6に示すように、ツイストロック金具31と一体に形成された回動軸35と、回動軸35を回動可能に保持する保持部37と、回動軸35に固定されて台車13の走行するレール15側に延出するレバー39と、レバー39の先端に設けられて各格納部5へ入出する台車13の側面に当接可能なローラ41と、回動軸35に設けられたねじりバネ43とを有している。
【0027】
図8〜図10は上記のように構成された本実施の形態に係るコンテナ格納庫1におけるコンテナ11の格納動作の説明図であり、ツイストロック金具31、回動手段33および台車13を平面視した状態を模式的に示したものである。図8〜図10は模式図であることから、台車13とツイストロック金具31の形状の大小比率は現物とは相違しており、台車13に対してツイストロック金具31側を大きく描いている。
以下、図1〜図10に基づいてコンテナ格納庫1におけるコンテナ格納動作を説明する。
【0028】
昇降テーブル9上の台車13に昇降ジャッキ23の支持ビーム27を介してコンテナ11を載置し、クレーン本体7を所定のコンテナ格納部5のある列まで移動させ、さらにその列において昇降テーブル9を目的とする格納部5の位置に昇降させる。
この昇降テーブル9を所定の格納部5に対して上下方向で正確に位置決めするため、位置決めピンをテーブル側部から突出させ、格納部5の底部に係合させる。図8は昇降テーブル9上の台車13が所定の格納部5の位置に配置された状態を示している。
【0029】
この状態で昇降ジャッキ23を上昇させ、支持ビーム27によってコンテナ11を支持し、駆動モータを駆動させることによって台車13を格納部5に進入させる。
図9は台車13が矢印の方向に移動して格納部5に進入している状態を示している。
台車13が格納部5に進入するとローラ41が台車13の側面に当接し、台車13が移動するに従ってレバー39を回動させ、これに伴ってツイストロック金具31がロック解除方向に回動する。このときねじりバネ43が捻られてレバー39の回動に抵抗するがレバー39が台車13に当接しているのでレバー39はバネの付勢力に抗して回動する。
【0030】
図9に示す状態は台車13がコンテナ11を載置する位置まで移動し終わった状態を示しており、この状態ではレバー39は、ねじりバネ43によってツイストロック金具31をロック方向に回動する方向に付勢されている。
図9に示す状態において、台車13の昇降ジャッキ23を駆動してコンテナ11を下降させ、その下面四隅のコーナ金具を格納部5内の載置部上に載置する。このとき、ツイストロック金具31がロック解除状態にあるので、ツイストロック金具31はコンテナ11のコーナ金具の係合孔に挿入される。
【0031】
コンテナ11を載置すると、台車13を格納部5から退出させるため、昇降テーブル9側に移動させる。台車13が退出方向に移動するとき、ローラ41が台車13に当接している状態ではローラ41は同一位置で回転しており、その後、台車13が退出して台車13からローラ41が外れると、ねじりバネ43の付勢力によって回動軸35がロック方向に回転してツイストロック金具31がコーナ金具を係止する(図10参照)。
【0032】
台車13によって格納部5にあるコンテナ11を運び出す場合の動作は、昇降ジャッキ23を縮退させて台車13からコンテナ11を下ろすのと昇降ジャッキ23を伸長させて台車13にコンテナ11を搭載するのとの違いはあるもののそれ以外は同様であり、以下のような動作となる。
格納部5のコンテナ載置棚29にツイストロック金具31によってロックされたコンテナ11が載置されている場合に、台車13が格納部5へ進入すると、ローラ41が台車13の側面に当接し、台車13が移動するに従ってレバー39を回動させ、これに伴ってツイストロック金具31がロック解除方向に回動する。
【0033】
コンテナ11を台車13に搭載すると、台車13を格納部5から退出させるため、昇降テーブル9側に移動させる。台車13が退出方向に移動して、台車13からローラ41が外れると、ねじりバネ43の付勢力によって回動軸35がロック方向に回転する。
【0034】
以上のように、本実施の形態においては、台車13に設けた支持ビーム27によってコンテナ11の床はり部を支持してコンテナ11を格納部5へ搬入又は搬出するようにしたので、台車13をコンパクトにでき、格納部5における無駄なスペースを可及的に小さくできる。これによって、スペース効率を向上できる。
また、台車13の格納部5への進入または退出の動作に伴ってツイストロック金具31のロックおよびロック解除が行なわれるので、ツイストロック金具31を回動させるための駆動力を有する装置を別途設ける必要がない。よって、コンテナ格納庫1でのコンテナ11のズレ、傾動、転倒等の防止を、初期設備コストやメンテナンスコストを低減して実現できる。
【0035】
なお、上記の説明においてはコンテナ載置棚29の後辺部にツイストロック金具31を設けた例を示したが、ツイストロック金具31を設ける位置として、コンテナ載置棚29の前辺部や側辺部を排除するものではない。
もっとも、コンテナが強風、地震によって傾動するのはコンテナ11の長辺側を支点とすると考えられるところ、後辺部の両端側にツイストロック金具31を設ければコンテナ11の長辺の一端を2辺共にコンテナ載置棚29に連結できるので、強風、地震によってコンテナ11の傾動、転倒を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコンテナ格納庫の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るコンテナ格納庫に用いる台車およびコンテナ載置棚の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る台車の説明図である(ジャッキ下降状態)。
【図4】本発明の一実施の形態に係る台車の説明図である(ジャッキ上昇状態)。
【図5】図4の一部を拡大して示す拡大図である。
【図6】図2の一部を拡大して示す拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態の効果を説明する説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るコンテナ格納庫におけるコンテナ移載動作の説明図である(その1)。
【図9】本発明の一実施の形態に係るコンテナ格納庫におけるコンテナ移載動作の説明図である(その2)。
【図10】本発明の一実施の形態に係るコンテナ格納庫におけるコンテナ移載動作の説明図である(その3)。
【符号の説明】
【0037】
1 コンテナ格納庫
3 スタッカークレーン
5 コンテナ格納部
7 クレーン本体
9 昇降テーブル
11 コンテナ
13 台車
15 レール
19 フレーム部
20 駆動モータ
21 車輪
23 昇降ジャッキ
25 シリンダロッド
27 支持ビーム
28 溝
29 コンテナ載置棚
31 ツイストロック金具
33 回動手段
35 回動軸
37 保持部
39 レバー
41 ローラ
43 ねじりバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを昇降テーブル上に載置して昇降移動するスタッカークレーンと、該スタッカークレーンの前記昇降テーブル上に配置され、前記昇降テーブルと各格納部との間を移動してコンテナの移載を行う台車とを備え、該台車はコンテナの床はり部を支持して昇降できる支持部を有する昇降支持装置を搭載していることを特徴とするコンテナ立体格納庫。
【請求項2】
昇降支持装置の支持部は、コンテナの床はり部をその幅方向に所定の間隔を離して支持する少なくとも一対の支持ビームを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ立体格納庫。
【請求項3】
各支持ビームはそれぞれ昇降ジャッキを有し、これら各昇降ジャッキが位置センサによる位置制御により同期して昇降するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテナ立体格納庫。
【請求項4】
台車の走行車輪の幅を台車の軸方向に延長したエリアと、昇降装置の支持部の占めるエリアとが平面視で重なり合う部分があるように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンテナ立体格納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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