説明

コンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造及び設置方法

【課題】新造船のみでなく、既存船においても大幅な改造を要さずに、バラスト水処理装置を容易に設置できるようにする。
【解決手段】コンテナ船の船倉8内の船倉積みコンテナの積載用区画10のうち、バラスト水ポンプ12を備える機関室7に近い1区画もしくは複数区画分の積載用区画10aを設置スペースとして、コンテナに対応する外形のハウジング用ボックス21の内部にバラスト水処理装置22を装備してパッケージ化した処理装置パッケージ20を設置固定し、処理装置パッケージ20のボックス21より臨出する配管24a,24bを、バラスト水の流水用管路14の一部に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船体のバランス調整のためのバラスト水に含まれる微生物類を処理し死滅又は除去するためのバラスト水処理装置を備えたコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造及び設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主としてコンテナ船などの大型の船舶におけるバラスト水は、船体のバランスを調整するために取り込まれる海水や淡水である。バラスト水は、積み荷が空の時に船腹のバラストタンクに取水し、荷物を積み込む港において積載物の増加に合わせてバラストタンクのバラスト水を排出することで、船体の姿勢を安定に保つものである。
【0003】
コンテナ船等の船舶は世界中を移動しており、それぞれ寄港地でコンテナの積み下ろしが行われ、同時にバラスト水の取水、排水が繰り返されている。そのため、バラスト水は世界中を移動していることになる。
【0004】
ところで、バラスト水には、種々の微生物類(プランクトン等の浮遊生物やその卵、、バクテリア等の微生物)が含まれており、かかる微生物類が荷物積載地の港とは異なる寄港地でバラスト水とともに排出されることで、寄港地の生態系や環境を破壊する可能性が指摘され、さらには人体に対する影響も懸念されている。
【0005】
かかる観点から、国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)において、バラスト水に含まれる微生物類の管理に関する条約(バラスト水管理条約)が採択され、現時点では未発効であるが、バラスト水の取水又は排水時に、バラスト水に含まれる微生物類を死滅又は除去することが求められ、その処理装置を船舶に搭載することが求められている。特に、前記のバラスト水の微生物類を死滅又は除去するための処理装置(バラスト水処理装置とする)を搭載することは、新造船だけでなく、既存船についても求められている。
【0006】
バラスト水処理の方法や装置としては、例えば、バラスト水の流路にバラスト水を通過させるスリット孔を有するスリット板を配置して、スリット孔通過による剪断作用により微生物類を破砕し、さらにスリット板通過により生じたキャビテーションの潰れによる衝撃を利用する方法や装置(特許文献1)、円筒壁による環状流路内での高速水流による剪断作用や高速回転体による衝撃によって微生物類を微粉砕する方法及び装置(特許文献2)、バラスト水の流路の一部で高周波振動を与えてバラスト水にキャビテーション泡を発生させ、キャビテーション泡の崩壊により生じる衝撃波で微生物類を破砕し死滅させるようにした方法及び装置(特許文献3)、その他フィルター装置により微生物類を除去する方法や、紫外線照射を利用する方法、加熱手段を利用する方法、薬剤を利用する方法その他の種々の方法や装置が知られている。
【0007】
ところで、バラスト水処理装置の搭載は、バラスト水ポンプを備える機関室に設置することが望ましい。新造船については、バラスト水処理装置の搭載を考慮して機関室等を設計できることから、その搭載については比較的容易であるが、既存船の場合は、機関室には、既に主機関、補機等の機器類が設置されており、バラスト水の処理装置を搭載する余裕がないため、その設置に多大な労力や改造を要することになり、設置作業に時間がかかり、コスト面での負担も大きくなる。特に、大型のコンテナ船になるほどバラスト水も多量になり、それを処理するバラスト水処理装置も大型化することから、機関室等への設置はさらに困難になる。
【0008】
特許文献4では、バラスト水処理装置を船舶内の後方の舵取機室に設置することが提案されているが、この場合、船体構造や船型を大きく変更することがないとはいうものの、既存船の場合には、舵取機室内にも所定の機器類が既に設置されており、機器類の移動や大幅な改造を必要とし、設置作業に要する期間も長くなる。バラスト水ポンプは、機関室船首側に配置されているのが一般的であるので、仮に後方の舵機室に配置すれば、配管作業のために大幅な改造を要する。
【0009】
したがって、既存船においても、大幅な機器類の移動や改造を要さずにバラスト水処理装置を設置できることが希求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−200156号公報
【特許文献2】特開2007−44567号公報
【特許文献3】特開2007−98209号公報
【特許文献4】特開2009−67253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の要望に応え、新造船のみでなく、既存船の場合においても大幅な改造を要さずに、バラスト水処理装置を容易に設置することができるバラスト水処理装置の設置構造及び設置方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、船体のバランス調整のためのバラスト水の微生物類を処理し死滅又は除去するためのバラスト水処理装置を備えるコンテナ船において、前記バラスト水処理装置を設置する構造であって、船倉内の船倉積みコンテナの積載用区画のうち、バラスト水ポンプを備える機関室に近い1区画もしくは複数区画分の積載用区画を設置スペースとして、ハウジング用ボックスの内部にバラスト水処理装置を装備してなる処理装置パッケージを設置固定し、該処理装置パッケージ内のバラスト水処理装置の流入側及び流出側の配管を、バラスト水の流水用管路の一部に接続してなることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、バラスト水処理装置をハウジング用ボックスの内部に装備してパッケージ化した処理装置パッケージとして船体とは別に構成しておくことができ、モジュールの陸組が可能なため、大幅な工期短縮が可能になる上、設置するまでの取り扱いが容易で、船体に対する設置作業が容易になる。特に既存船の場合にも、大幅な改造を要さずに設置することができる。
【0014】
前記のバラスト水処理装置の設置構造において、前記処理装置パッケージが、機関室と隔壁を介して隣接する船倉内の船底部上の積載用区画を設置スペースとして設置されてなるものが好ましい。これにより、バラスト水ポンプとバラスト水処理装置とを接続する流水用管路を長くする必要がなく、配管接続が容易になり、しかもコンテナの積載能力を殆ど損わずに設置して実施できることになる。
【0015】
また、前記のバラスト水処理装置の設置構造において、処理装置パッケージにおけるハウジング用ボックスの外形が、1個もしくは複数個分のコンテナ外形に対応しており、該処理装置パッケージが船倉内における1区画もしくは複数区画分の積載用区画に収容されて設置されてなるものとすることができる。これにより、設置作業の際には、船体とは別に構成されている処理装置パッケージを、船倉積みコンテナと同様に吊り下げて降下させるようにして収容し設置固定することができ、設置作業を容易に行うことができる。
【0016】
前記のバラスト水処理装置の設置構造において、処理装置パッケージには、内部のバラスト水処理装置に接続された流水用の配管がハウジング用ボックスの外壁面において臨出して設けられており、該処理装置パッケージが、設置スペースとなる積載用区画に収容され設置固定された状態において、前記配管が、機関室と船倉との間の隔壁を貫通する接続用管路を介してバラスト水ポンプとバラストタンクを接続する流水用管路に接続されてなるものとすることができる。これにより、微生物類を除去処理したバラスト水をバラストタンクに貯留できることになる。
【0017】
また、本発明は、船体のバランス調整のためのバラスト水の微生物類を処理し死滅又は除去するためのバラスト水処理装置をコンテナ船に設置する方法であって、ハウジング用ボックス内にバラスト水処理装置を装備してなる処理装置パッケージを船体とは別に準備し、船倉内の船倉積みコンテナの積載用区画のうち、バラスト水ポンプを備える機関室に近い1区画もしくは複数区画分の積載用区画を設置スペースとして、該スペース内に前記処理装置パッケージを収容して設置固定し、その後、該処理装置パッケージのハウジング用ボックスより臨出している流入側と流出側の配管を、バラスト水の流水用管路の一部に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記したように、本発明のコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造及び設置方法によれば、船倉積みコンテナの積載用区画のうち、バラスト水ポンプを備える機関室に近い積載用区画を設置スペースに利用して、ハウジング用ボックス内にバラスト水処理装置を装備した処理装置パッケージを設置するようにしたことにより、既存船の場合においても、船倉積みコンテナの積載用区画を利用して、かつ船倉積みコンテナの積み込み作業と略同様にして容易に積み込んで設置することができ、そのため既存の機器類の移動等の大幅な改造を要さず、また流水用管路を長くする必要もなく、多大な労力を要さず、短期間の作業で設置でき、コスト面の負担を抑えることができる。
【0019】
また、新造船の場合にも、バラスト水処理装置をパッケージ化した処理装置パッケージを前記同様に容易に積み込み、設置し、据え付けて実施することができる。
【0020】
特に、機関室と隔壁を介して隣接する船倉内の船底部上の積載用区画を設置スペースとして利用することにより、処理装置パッケージと機関室内に備えるバラスト水ポンプや船体側部等に備えるバラストタンクとの接続のための配管構成が容易になる上、船倉積みコンテナの積み込み作業の邪魔になることはない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の1実施例を示すバラスト水処理装置を備えるコンテナ船の略示側断面図である。
【図2】同上の一部の拡大略示側断面図である。
【図3】前図のL3−L3線の一部の拡大略示断面図である。
【図4】バラスト水処理装置を備える処理装置パッケージの概略を示す横断平面図である。
【図5】バラスト水処理装置を備える処理装置パッケージの概略を示す一部の縦断側面図である。
【図6】積載用区画にセットした処理装置パッケージ内のバラスト水処理装置と配管接続構造の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0023】
図1に示す大型のコンテナ船において、船体1は概ね船首部2と船尾部3との中央部4とに区分されており、そのうち、前記船首部2には、サイドスラスターが設けられ、また、前記船尾部3には、推進用プロペラ5を駆動するエンジン(図示省略)を備える機関室7及びその関連施設等が設けられている。6は船底部を示す。
【0024】
前記船体1の中央部4における甲板下方の船体1の内部が、積載対象となる所定の規格の船倉積みコンテナCを積載するための船倉8として、前記コンテナCを積載するための多数の積載用区画10が縦、横及び高さ方向に並列して設定されている。前記積載用区画10は、通常、コンテナCの揚降作業のためのガイド機能を有するセルガイド9と船体1構成部材である横隔壁により区画形成されている。そして、前記積載用区画10のうち、前記バスト水ポンプを備える機関室7に近い1区画又は複数区画分の積載用区画10aが、バラスト水中の微生物類を処理し死滅又は除去するための後述する処理装置パッケージ20の設置スペースに利用されている。
【0025】
なお、船体1のバランス調整に使用するバラスト水を貯留するためのバラストタンク11は、例えば、前記船体1の両側部(舷側部)や船底部6等に設けられ、また、バラスト水の取水用のバラスト水ポンプ12は、前記機関室7において海水吸入口13からバラストタンク11に至る取水側の流水用管路14の一部に設けられており、取水口13から取水したバラスト水をバラストタンク11に導入するようになっている。
【0026】
前記バラストタンク11には、バラスト水の排出のために、前記流水用管路14とは別に、前記バラストタンク11から船体1外に開口する排出口に至る排出側の流水用管路(図示省略)が設けられる。前記バラスト水ポンプ12は、前記バラスト水タンク11からのバラスト水の排出の際にも使用される。
【0027】
そして、前記バラスト水ポンプ12からバラストタンク11に至る取水側の流水用管路14の一部に、バラスト水中の微生物類を処理し死滅又は除去するためのバラスト水処理装置が設けられるが、本発明の場合は、前記船倉8における積載用区画10のうちの所要の区画、特には前記バラスト水ポンプ12を備える前記機関室7に近い1区画もしくは複数区画分の積載用区画10a、さらに好ましくは機関室7と隔壁15を介して隣接する船倉8内の船底部6上の積載用区画10aを設置スペースとして、船倉積みコンテナCに対応したハウジング用ボックス21の内部に所定のバラスト水処理装置22を装備してパッケージ化してなる処理装置パッケージ20が設置固定され、該処理装置パッケージ20の前記ボックス21より臨出する流入側及び流出側の配管24a,24bが、前記バラスト水ポンプ12からバラストタンク11に至る流水用管路14に接続構成される。この設置構造について説明する。
【0028】
前記処理装置パッケージ20は、前記船体1とは別に、船倉積みコンテナCの一つ又は複数個分に対応した外形をなすもの、特には、前記ハウジング用ボックス21による外形の縦、横、高さがそれぞれ船倉積み用コンテナCの整数倍、好ましくは1〜数倍(図は横、高さが2倍)の箱形をなすものとし、該ボックス21の内部に、バラスト水処理装置22を装備して全体をパッケージ化して構成しておき、据え付けまではコンテナCと同様にして取り扱えるようにする。
【0029】
前記バラスト水処理装置22は、例えば、図4及び図5に略示するように、処理装置パッケージ20の内部に微生物類を除去するための処理工程部25を有するバラスト水処理装置22を装備するとともに、該バラスト水処理装置22への流入側の配管24aと、流出側の配管24bとを、ハウジング用ボックス21の外部に臨出させて設けておく。
【0030】
かかるバラスト水処理装置22としては、詳細な図示説明は省略するが、処理工程部25の構成が、剪断作用や衝撃を利用する方式、高周波や紫外線を利用する方式、あるいはフィルター構造を利用する方式等、従来より公知の各種の処理方式の処理装置を利用できる。いずれの場合も、前記ボックス21内にはそれぞれの処理方式に応じた配電盤、制御器、タンクやバルブ等の必要な装置類、機器類が装備されて構成されるとともに、流入側及び流出側の配管24a,24bが前記ボックス21の外部に臨出して設けられる。
【0031】
前記ボックス21の外部に臨出する流入側及び流出側の配管24a,24bは、処理装置パッケージ20を前記積載用区画10aによる所定の設置スペースに設置固定した後、例えば機関室7との間の隔壁15を貫通する管路14a,14bを介して前記バラスト水ポンプ12とバラストタンク11とを接続する流水用管路14に接続される。
【0032】
前記のようにコンテナ外形に対応した形状の前記ボックス21内にバラスト水処理装置22を装備してパッケージ化した処理装置パッケージ20を船体1とは別に構成しておくことにより、船体1内への設置作業においては、該処理装置パッケージ20を、通常のコンテナCの場合と同様に、クレーン等で吊り下げて船倉8内の所定の積載用区画10aに降下させて収容することにより容易に設置固定することができる。
【0033】
そして、前記処理装置パッケージ20を設置した状態において、前記ボックス21の外部に臨出する流入側と流出側の配管24a,24bを、それぞれ機関室7と船倉8との間の隔壁15を貫通する管路14a,14bを介して流水用管路14と接続する。16a及び16bは前記管路14a,14bと流水用管路14との接続部を示しており、これらの接続部16a,16bには切り替え用の開閉バルブ等を備えて構成される。
【0034】
前記処理装置パッケージ20の設置構造においては、機関室7と隔壁15を介して隣接する区画で、船倉8内の船底部6上の少なくとも1区画を含む1もしくは複数の積載用区画10aを設置スペースとして利用するのが、配管接続の容易性や、流水用管路の長さを短縮する上では特に好ましい。また、前記のようにすることにより、船倉積みコンテナCの積載効率や積載作業に対する影響を抑えることもできる。
【0035】
前記処理装置パッケージ20は、船倉積み用コンテナCと同様に吊り下げた状態にして船倉8内における船底部6上の積載用区画10aに収容して設置固定することができるので、前記ハウジング21の外形を、船倉8内において積載用区画10を仕切るセルガイド9の配置に対応した形状をなすもの、好ましくは縦、横、高さが、船倉積み用コンテナCの整数倍の箱形をなすものとして、セルガイド9により囲まれた1区画もしくは複数区画分の積載用区画10a内に収容して設置できるように形成しておくのがよく、これにより、他の積載用区画10のコンテナ積載作業に影響を与えずに、所定の積載用区画10a内にのみ具合よく収容できることになる。
【0036】
例えば、前記処理装置パッケージ20のハウジング21による外形が、2区画分の積載用区画10aに相当する横幅を有するものである場合、ハウジング21の外周部における前後部の幅方向中央部に、2区画分の積載用区画10a,10aの中央に位置するセルガイド9に対応する切欠(図示せず)を設けておくことにより、前記同様に、処理装置パッケージ20の全体を吊り下げ状態で降下させることができ、問題なく設置固定することができる。
【0037】
そのため、既存船の場合においても、上記したように、船倉8内の積載用区画10のうち、船底部6上で船尾部3の機関室7に近い積載用区画、特には隔壁15を介して隣接する積載用区画10aを設置スペースとして、前記処理装置パッケージ20を上方より該積載用区画10a内に降下させて収容し設置固定するとともに、ハウジング21より臨出させて設けた流入側及び流出側の配管24a,24bを、それぞれ前記機関室7内に設置されているバラスト水ポンプ12からバラストタンク11に至る流水用管路14に対し、機関室7と船倉8との間の隔壁15を貫通する管路14a,14bを介して接続するだけでよく、機関室7内の既存の機器類を移動させる等の大幅な改造を要することなく、バラスト水処理装置22を設置できることになる。そのため、バラスト水処理装置22を設置する作業のための停留期間が短くなり、かかるバラスト水処理装置の設置にかかるコストの増大を抑えることができる。
【0038】
特に、バラスト水処理装置22は、船体1とは別に、コンテナ形状に対応したハウジング用ボックス21内に組み込んでパッケージ化した処理装置パッケージ20として構成しておくことで、設置固定するまでは通常のコンテナと同様に取り扱うことができ、しかも船体に対する設置作業も容易になるため、新造船、既存船の別なく、各種のコンテナ船に適用できることになる。
【符号の説明】
【0039】
C…船倉積みコンテナ、1…船体、2…船首部、3…船尾部、4…中央部、5…航行推進用プロペラ、6…船底部、7…機関室、8…船倉、9…セルガイド、10,10a…積載用区画、11…バラストタンク、12…バラスト水ポンプ、13…海水吸入口、14…取水側の流水用管路 、14a,14b…管路、15…隔壁、16a,16b…接続部、20…処理装置パッケージ、21…ハウジング用ボックス、22…バラスト水処理装置、24a,24b…流入側と流出側の配管、25…フィルター装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体のバランス調整のためのバラスト水中の微生物類を処理し死滅又は除去するためのバラスト水処理装置を備えるコンテナ船において、前記バラスト水処理装置を設置する構造であって、
船倉内の船倉積みコンテナの積載用区画のうち、バラスト水ポンプを備える機関室に近い1区画もしくは複数区画分の積載用区画を設置スペースとして、ハウジング用ボックスの内部にバラスト水処理装置を装備してなる処理装置パッケージを設置固定し、該処理装置パッケージ内のバラスト水処理装置の流入側及び流出側の配管を、バラスト水の流水用管路の一部に接続してなることを特徴とするコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造。
【請求項2】
前記処理装置パッケージが、機関室と隔壁を介して隣接する船倉内の船底部上の積載用区画を設置スペースとして設置されてなる請求項1に記載のコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造。
【請求項3】
処理装置パッケージにおけるハウジング用ボックスの外形が、1個もしくは複数個分のコンテナ外形に対応しており、該処理装置パッケージが船倉内における1区画もしくは複数区画分の積載用区画に収容されて設置されてなる請求項1または2に記載のコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造。
【請求項4】
処理装置パッケージには、内部のバラスト水処理装置の流入側と流出側の配管がハウジング用ボックスの外壁面において臨出して設けられており、該処理装置パッケージが、設置スペースとなる積載用区画に収容され設置固定された状態において、前記両配管が、バラスト水ポンプとバラストタンクとを接続する流水用管路に、機関室と船倉との間の隔壁を貫通する接続用管路を介して接続されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造。バラスト水の流水用管路の
【請求項5】
船体のバランス調整のためのバラスト水の微生物類を処理し死滅又は除去するためのバラスト水処理装置をコンテナ船に設置する方法であって、
ハウジング用ボックス内にバラスト水処理装置を装備してなる処理装置パッケージを船体とは別に準備し、船倉内の船倉積みコンテナの積載用区画のうち、バラスト水ポンプを備える機関室に近い1区画もしくは複数区画分の積載用区画を設置スペースとして、該スペース内に前記処理装置パッケージを収容して設置固定し、その後、該処理装置パッケージのハウジングボックスより臨出している流入側と流出側の配管を、バラスト水の流水用管路の一部に接続することを特徴とするコンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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