説明

コンテナ落下防止具およびその操作装置

【課題】 下段コンテナ上に載置された上段コンテナが、横風等で落下するのを簡単に防止できるようにする。
【解決手段】 第1連結パイプ2と第2連結パイプ3とを、連結チェーン4で連結してコンテナ落下防止具1を構成する。第1上段コンテナ6の第1下部コーナフィッティング7と、その直下に位置する第1下段コンテナ8の第1上部コーナフィッティング9との間に、第1連結パイプ2を斜めに挿入する。第2上段コンテナ10の第1下部コーナフィッティング11と、その直下に位置する第2下段コンテナ12の第1上部コーナフィッティング13との間に、第2連結パイプ3を斜めに挿入する。これにより、4基のコンテナ6,8,10,12が、コンテナ落下防止具1を介して連結されることになる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、バンプールやヤードに二段あるいは三段に積重ねられているコンテナが、颱風時の強風や地震時の振動等により落下するのを防止するコンテナ落下防止具およびその操作装置に係り、特に着脱操作が容易で、コンテナの滑りや転がりを確実に防止することができるコンテナ落下防止具およびその操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バンプールやヤードに二段あるいは三段に積重ねられているコンテナは、上下のコンテナ間が連結されているわけではなく、下段コンテナの上部に上段コンテナが単に載置されているだけである。
【0003】
このため、颱風時等に、積重ねられているコンテナに横風を受けると、上段側のコンテナに滑りや転がりが生じ、コンテナが落下するという問題がある。
【0004】
そこで従来は、颱風の接近が予想される場合には、その都度上下のコンテナをチェーンで固縛する方法が採られている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来のコンテナ落下防止方法においては、大重量で長大なチェーンで上下のコンテナを固縛する必要があるため、その取付けおよび取外しに多大な時間と多数の作業員とを要し、作業が容易でないとともに、必要な人数の作業員を確保できない場合には、固縛作業あるいは撤去作業を行なうことができないという問題がある。また、作業の巧拙により、上下のコンテナを固縛しても、コンテナの落下を防止できないおそれもある。
【0006】
本考案は、かかる現況に鑑みなされたもので、コンテナへの着脱作業が簡単で、少人数の作業員が短時間で作業を完了させることができ、しかもコンテナの落下を確実に防止することができるコンテナ落下防止具を提供することを目的とする。
【0007】
本考案の他の目的は、隣位するコンテナ間に間隔がある場合であっても何等問題なく作業を行なうことができるコンテナ落下防止具を提供するにある。
【0008】
本考案の他の目的は、各連結パイプのコーナフィッティングへの装着状態を安定させることができるコンテナ落下防止具を提供するにある。
【0009】
本考案の他の目的は、コンテナ落下防止具のコンテナへの着脱作業を、一人の作業員で容易に行なうことができ、しかも梯子等を用いることなく、地上から作業を行なうことができるコンテナ落下防止具用操作装置を提供するにある。
【0010】
本考案のさらに他の目的は、隣位するコンテナのコーナフィッティングの間隔が異なる場合であっても、1回の作業でコンテナ落下防止具のコンテナへの着脱を行なうことができるコンテナ落下防止具用操作装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本考案は、所定長さの第1連結パイプおよび第2連結パイプと、これら両連結パイプの端部間を連結する所定長さの連結紐とを設け、前記第1連結パイプを、上段コンテナの下部コーナフィッティングからのその直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通させるとともに、前記第2連結パイプを、少なくとも前記下段コンテナに隣位する下段コンテナの上部コーナフィッティングに上面側から挿入するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、上段コンテナとその直下の下段コンテナとの間は、第1連結パイプにより連結され、また少なくとも隣位する下段コンテナ相互間は、両連結パイプおよび連結紐を介して連結されることになる。このため、コンテナの落下を確実に防止することが可能となる。また、コンテナへの着脱作業が簡単であるので、少人数の作業員が短時間で作業を完了させることができ、予測が可能な颱風のみならず、予測が極めて困難な地震時にも、常時着脱作業を行なうことにより対処することが可能となる。
【0012】
本考案はまた、第2連結パイプを、第1連結パイプが挿通される上段コンテナに隣位する上段コンテナの下部コーナフィッティングから、その直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通させるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、第1連結パイプ側のみならず、第2連結パイプ側も、上下のコンテナが第2連結パイプで連結されことになり、1つのコンテナ落下防止具で4基のコンテナを連結することが可能となる。
【0013】
本考案はまた、連結紐の長さを調節できるようにしたことを特徴とする。ところで、バンプールの場合には、隣位するコンテナ間に間隔を設けずに設置するのが通例であるが、ヤードの場合には、隣位するコンテナ間に所定の間隔を設けて設置するのが通例である。そして、連結紐の長さを調節できるようにすることにより、バンプールのコンテナの場合にも、またヤードのコンテナの場合にも適用することが可能となる。
【0014】
本考案はまた、各連結パイプを、く字状または円弧状に屈曲させるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、各連結パイプを、上段コンテナの下部コーナフィッティングからその直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通させる際の操作が容易となり、またコーナフィッティングへの装着状態を安定させることが可能となる。
【0015】
本考案はまた、請求項1,2,3または4記載のコンテナ落下防止具のコンテナへの着脱を行なうコンテナ落下防止具用操作装置であって、操作ポールと;操作ポールの上端部に中間部が上下動可能に取付けられた横棒部材と;横棒部材の両端近傍位置から前方に向かって突出し、各連結パイプがそれぞれ装着される第1装着棒および第2装着棒と;前記操作ポールの上端部から上方に立上がり、前記各装着棒に各連結パイプを装着した状態で、連結紐の中間部が引掛けられる係止部材と;を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、コンテナ落下防止具のコンテナへの着脱作業を、一人の作業員で容易に行なうことが可能となり、しかも梯子等を用いることなく、地上から作業を行なうことが可能となる。
【0016】
本考案はまた、両装着棒の間隔を、連結紐の長さに合わせて調節できるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、隣位するコンテナのコーナフィッティングの間隔が異なる場合であっても、コンテナ落下防止具のコンテナへの着脱を、1回の作業で容易に行なうことが可能となる。
【0017】
本考案はさらに、両装着棒を、斜めに下方に向かって突出させるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、両連結パイプも両装着棒に斜め下方に傾斜した状態で装着されることになり、操作ポールを垂直に立てたままの状態で、両連結パイプをコーナフィッティングに斜めに挿通させることが可能となる。このため、作業が極めて容易となる。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図面を参照して説明する。
図1は、本考案の第1の実施の形態に係るコンテナ落下防止具を示すもので、このコンテナ落下防止具1は、例えば200〜220mm程度の長さを有する第1連結パイプ2および第2連結パイプ3と、これら両連結パイプ2,3の基端部間を連結する例えば240〜400mm程度の長さの連結チェーン4とを備えており、前記連結チェーン4の中間部には、長さ調節用フック5が設けられ、この長さ調節用フック5を、第2連結パイプ3または連結チェーン4の第2連結パイプ3側の端部に係止することにより、連結チェーン4の実質的な長さを短くすることができるようになっている。そして、このコンテナ落下防止具1は、図2に示す第1上段コンテナ6の第1下部コーナフィッティング7と、その直下に位置する第1コンテナ8の第1上部コーナフィッティング9との間、第1上段コンテナ6に隣位する第2上段コンテナ10の第1下部コーナフィッティング11と、その直下に位置する第2下段コンテナ12の第1上部コーナフィッティング13との間、および前記両下部コーナフィッティング7,11の間をそれぞれ連結するようになっている。
【0019】
すなわち、前記第1連結パイプ2は、図3および図4に示すように、前記第1下部コーナフィッティング7に、その前面側ら斜めに下方に向けて挿入され、先端部が前記第1上部コーナフィッティング9内部まで到るようになっており、これにより前記両コーナフィッティング7,9が第1連結パイプ2を介し連結されるようになっている。
【0020】
また、前記第2連結パイプ3は、図3および図4に示すように、前記第1下部コーナフィッティング11に、その前面側から斜めに下方に向けて挿入され、その先端部が前記第1上部コーナフィッティング13内部まで到るようになっており、これにより前記両コーナフィッティング11,13が、第2連結パイプ2を介し連結されるようになっている。
【0021】
また、前記連結チェーン4は、両連結パイプ2,3の基端部間を連結しているので、図3に示すように、各連結パイプ2,3を上下のコーナフィッティング7,9間および11,13間に挿通させた状態において、隣位する両下部コーナフィッティング7,11間が、連結チェーン4を介し連結されるようになっている。
【0022】
図5ないし図7は、前記コンテナ落下防止具1の取扱いの際に用いられる操作装置を示すもので、この操作装置14は、操作ポール15を備えており、この操作ポール15は、基端ポール16と、この基端ポール16の先端に伸縮可能に挿入された先端ポール17とで構成され、先端ポール17は、基端ポール16先端に設けられた締具18の締付けにより、任意の伸縮位置で固定できるようになっている。
【0023】
この先端ポール17の先端には、図5ないし図7に示すように、上端部に横棒部材20を有する棒状の取付け部材19が中間フランジ19a位置までスライド可能に挿入されており、この取付け部材19は、先端ポール17に設けたガイド孔21を通して取付け部材19に螺装した止めビス22を介し、先端ポール17からの抜け止めがなされている。そしてこれにより、取付け部材19は、ガイド孔21の範囲内で先端ポール17に対しスライドできるようになっている。
【0024】
前記横棒部材20の両端近傍位置には、図5ないし図7に示すように、前記コンテナ落下防止具1の各連結パイプ2,3を装着するための第1装着棒23および第2装着棒24が前方に向かって突設されており、かつその突出方向は、図4に示す連結パイプ2,3の向きとほぼ同一角度の斜め下向きとなっている。
【0025】
また、前記先端ポール17には、図5ないし図7に示すように、先端ポール17の背面側に垂直に立上がるL形棒状の係止部材25が固設されており、この係止部材25の上端部は、通常状態において横棒部材20よりも高い位置まで延びている。そして、この係止部材25には、前記各装着棒23,24に各連結パイプ2,3を装着した状態で、連結チェーン4の中間部が横棒部材20の上面側を介して引掛けられるようになっており、これにより、各装着棒23,24が斜め下向きにとなっていても、各連結パイプ2,3が各装着棒23,24から抜け落ちるのを防止できるようになっている。
【0026】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
各上段コンテナ6,10の落下防止に際しては、まず図5および図7に示すように、操作装置14の各装着棒23,24に、コンテナ落下防止具1の各連結パイプ2,3を装着するとともに、連結チェーン4の中間部を、横棒部材20の上面側を通して係止部材25に引掛ける。これにより、各連結パイプ2,3の各装着棒23,24からの抜け落ちが阻止される。
【0027】
そこで、操作ポール15を把持してコンテナ落下防止具1を上昇させ、図3および図4に示すように、各連結パイプ2,3を各下部フィッティング7,11の前面側から上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に斜めに挿入する。この際、各装着棒23,24は、図4に示す連結パイプ2,3の傾きとほぼ同一の傾斜角となっているので、操作装置14を各コンテナ6,8,10,12に接近させつつ稍下降させるだけで、各連結パイプ2,3を上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に容易に挿入することができる。
【0028】
このようにして、各連結パイプ2,3を上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に挿入したならば、そのままの状態で操作ポール15を下降させる。すると、取付け部材19は操作ポール15に対して上下にスライド可能となっているので、取付け部材19、横棒部材20および両装着棒23,24を、両連結パイプ2,3位置に残した状態で、操作ポール15および操作ポール15と一体の係止部材25のみが下降することになる。このため、中間部が係止部材25に引掛けられていた連結チェーン4が、係止部材25から外れてフリーの状態となる。そこで、操作ポール15を操作して、両装着棒23,24を各連結パイプ2,3から抜き出す。
【0029】
一方、図3に示す状態で上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に挿入されているコンテナ落下防止具1を取外す場合には、図5に示す操作装置14を操作ポール15廻りに180度回転させ、係止部材25をコンテナ落下防止具1側に向ける。そして、この係止部材25で連結チェーン4を引掛け、そのまま操作装置1をコーナフィッティング7,9,11,13から遠避ける。すると、連結チェーン4に引張られて両連結パイプ2,3が上下のコーナフィッティング7,9および11,13間から引き抜かれることになる。
【0030】
しかして、操作装置14を用いることにより、コンテナ落下防止具1を上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に容易に挿入装着することができる。そして、このコンテナ落下防止具1の装着により、上段コンテナ6,10の落下を確実に防止することができる。
【0031】
また、操作ポール15は伸縮可能となっているので、一段目と二段目のコンテナの間のみならず、二段目と三段目のコンテナの間の連結および連結解除も、地上からの作業で容易に行なうことができる。
【0032】
以上までは、上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に両連結パイプ2,3を挿通させる場合について説明したが、例えば図2に示す第1上段コンテナ6の第2下部コーナフィッティング26、第1下段コンテナ8の第2上部コーナフィッティング27、および第3下段コンテナ28の第1上部コーナフィッティング29の部分や、第2上段コンテナ10の第2下部コーナフィッティング30、第2下段コンテナ12の第2上部コーナフィッティング31、および第4下段コンテナ32の第1上部コーナフィッティング33の部分に、コンテナ落下防止具1を装着することもできる。この場合、前記各第1上部コーナフィッティング29,33に挿入される連結パイプ2,3は、下半部のみが各第1上部コーナフィッティング29,33に挿入されるだけであるが、下半部さえ挿入されていれば、上段コンテナ6,10がかなりの横風を受けても、連結パイプ2,3が各第1上部コーナフィッティング29,33から抜け出すおそれがないことは、本発明者等の実験により確認されている。したがって、この部分にも同様に適用することができる。
【0033】
ところで、バンプールにおいては、図2に示すように、各コンテナ6,8,10,12,28,32の間に間隔を設けずに設置するのが通例であるが、ヤードにおいては、各コンテナ6,8,10,12,28,32間に所定の間隔を設けて設置するのが通例である。そしてこの場合には、隣位するコーナフィッティング7,11、9,13、27,29、31,33の間隔が広くなることになる。
このため、コンテナ落下防止具1の連結チェーン4の長さや、操作装置14の両装着棒23,24の間隔を、隣位するコーナフィッティング7,11、9,13、27,29、31,33の間隔に合わせて変更する必要がある。
【0034】
この場合、コンテナ落下防止具1および操作装置14を二種類用意しなければならないことになり、操作装置14の場合には必要数が少ないため大きな問題はないが、コンテナ落下防止具1の方は、必要個数が極めて多いため、二種類用意することは容易でない。
【0035】
そこで、本実施の形態においては、連結チェーン4の長さを調節できるようにし、一種類のコンテナ落下防止具1で、バンプールの場合にもまたヤードの場合にも適用できるようにしている。
【0036】
すなわち、図1に示す連結チェーン4は、広い方の間隔に合わせてその長さが設定されており、その中間部には、長さ調節用フック5が設けられている。そして、この長さ調節用フック5を、第2連結パイプ3または連結チェーン4の第2連結パイプ3側の端部に係止することにより、連結チェーン4の実質的な長さを短くすることができ、これによりバンプールの場合にもまたヤードの場合にも適用できるようになっている。
【0037】
図8は、本考案の第2の実施の形態を示すもので、前記第1の実施の形態における第1連結パイプ2および第2連結パイプ3に代え、第1連結パイプ42および第2連結パイプ43を用いるようにしたものである。
【0038】
すなわち、前記各連結パイプ42,43は、図8に示すように、く字状または円弧状に屈曲した形状をなしており、その屈曲角度は、135〜160度程度に設定されている。
なお、その他の点については、前記第1の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【0039】
しかして、各連結パイプ42,43がく字状または円弧状に屈曲した形状をなしているので、例えば図3に示すように、上下のコーナフィッティング7,9および11,13間に連結パイプ42,43を挿入する際に、作業がより容易となる。
【0040】
図9は、本考案の第3の実施の形態を示すもので、前記第1の実施の形態における横棒部材20,第1装着棒23および第2装着棒24に代え、横棒部材50,第1装着棒53および第2装着棒54を用いるようにしたものである。
【0041】
すなわち、前記横棒部材50の取付け部材19を介しその両側位置には、図9に示すように、例えば雌ねじ部53a,54aが所定間隔で例えば3個ずつ設けられており、これら各雌ねじ部53a,54aには、第1装着棒53および第2装着棒54が着脱可能に螺装連結されるようになっている。そして、各装着棒53,54の各雌ねじ部53a,54aへの螺装位置を変更することにより、両装着棒53,54の間隔を調節できるようになっている。
なお、その他の点については、前記第1の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【0042】
しかして、両装着棒53,54の間隔を調節することができるので、一種類の操作装置14でバンプールの場合にもまたヤードの場合にも作業を行なうことができる。
【0043】
図10は、本考案の第4の実施の形態を示すもので、前記第1の実施の形態における横棒部材20に代え、横棒部材60を用いるようにしたものである。
【0044】
すなわち、この横棒部材60は、図10に示すように、取付け部材19の上端部に固着された筒状の外部材60aと、この外部材60aにスライド可能に挿入された棒状の内部材60bとで構成されており、外部材60aには、第2装着棒24が取付けられているとともに、内部材60bには、第1装着棒23が取付けられ、かつ外部材60aの下面側には、内部材60bのスライド位置を固定するための固定ボルト61が取付けられている。
なお、その他の点については、前記第1の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【0045】
しかして、この横棒部材60の場合にも、両装着棒23,24の間隔を調節することができるので、一種類の操作装置14でバンプールの場合にもまたヤードの場合にも作業を行なうことができる。
【0046】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は、所定長さの第1連結パイプおよび第2連結パイプと、これら両連結パイプの端部間を連結する所定長さの連結紐とを設け、前記第1連結パイプを、上段コンテナの下部コーナフィッティングからのその直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通させるとともに、前記第2連結パイプを、少なくとも前記下段コンテナに隣位する下段コンテナの上部コーナフィッティングに上面側から挿入するようにしているので、上段コンテナとその直下の下段コンテナとの間は、第1連結パイプにより連結され、また少なくとも隣位する下段コンテナ相互間は、両連結パイプおよび連結紐を介して連結されることになる。このため、コンテナの落下を確実に防止することができる。また、コンテナへの着脱作業が簡単であるので、少人数の作業員が短時間で作業を完了させることができ、予測が可能な颱風のみならず、予測が極めて困難な地震時にも、常時着脱作業を行なうことにより対処することができる。
【0047】
本考案はまた、第2連結パイプを、第1連結パイプが挿通される上段コンテナに隣位する上段コンテナの下部コーナフィッティングから、その直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通させるようにしているので、第1連結パイプ側のみならず、第2連結パイプ側も、上下のコンテナが第2連結パイプで連結されことになり、1つのコンテナ落下防止具で4基のコンテナを連結することができる。
【0048】
本考案はまた、連結紐の長さを調節できるようにしているので、バンプールのコンテナの場合にも、またヤードのコンテナの場合にも適用することができる。
【0049】
本考案はまた、各連結パイプを、く字状または円弧状に屈曲させるようにしているので、各連結パイプを、上段コンテナの上部コーナフィッティングからその直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通させる際の操作が容易となり、またコーナフィッティングへの装着状態を安定させることができる。
【0050】
本考案はまた、請求項1,2,3または4記載のコンテナ落下防止具のコンテナへの着脱を行なうコンテナ落下防止具用操作装置であって、操作ポールと;操作ポールの上端部に中間部が上下動可能に取付けられた横棒部材と;横棒部材の両端近傍位置から前方に向かって突出し、各連結パイプがそれぞれ装着される第1装着棒および第2装着棒と;前記操作ポールの上端部から上方に立上がり、前記各装着棒に各連結パイプを装着した状態で、連結紐の中間部が引掛けられる係止部材と;を設けるようにしているので、コンテナ落下防止具のコンテナへの着脱作業を、一人の作業員で容易に行なうことができ、しかも梯子等を用いることなく、地上から作業を行なうことができる。
【0051】
本考案はまた、両装着棒の間隔を、連結紐の長さに合わせて調節できるようにしているので、隣位するコンテナのコーナフィッティングの間隔が異なる場合であっても、コンテナ落下防止具のコンテナへの着脱を、1回の作業で容易に行なうことができる。
【0052】
本考案はさらに、両装着棒を、斜めに下方に向かって突出させるようにしているので、両連結パイプも両装着棒に斜め下方に傾斜した状態で装着されることになり、操作ポールを垂直に立てたままの状態で、両連結パイプをコーナフィッティングに斜めに挿通させることができる。このため、作業が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施の形態に係るコンテナ落下防止具を示す部分断面図である。
【図2】図1のコンテナ落下防止具が装着されるコンテナの配置状態を示す説明図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図3を側方から見た断面図である。
【図5】図1のコンテナ落下防止具のコンテナへの取付け,取外しを行なう操作装置を示す部分断面図である。
【図6】操作装置を図5の右方から見た要部構成図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】本考案の第2の実施の形態を示す図1相当図である。
【図9】本考案の第3の実施の形態を示す図6相当図である。
【図10】本考案の第4の実施の形態を示す図6相当図である。
【符号の説明】
1 コンテナ落下防止具
2,42 第1連結パイプ
3,43 第2連結パイプ
4 連結チェーン
5 長さ調節用フック
6 第1上段コンテナ
7,11 第1下部コーナフィッティング
8 第1下段コンテナ
9,13,29,33 第1上部コーナフィッティング
10 第2上段コンテナ
26,30 第2下部コーナフィッティング
12 第2下段コンテナ
27,31 第2上部コーナフィッティング
14 操作装置
15 操作ポール
16 基端ポール
17 先端ポール
18 締具
19 取付け部材
20,50,60 横棒部材
23,53 第1装着棒
24,54 第2装着棒
25 係止部材
28 第3下段コンテナ
32 第4下段コンテナ
53a,54a 雌ねじ部
60a 外部材
60b 内部材
61 固定ボルト

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 所定長さの第1連結パイプおよび第2連結パイプと、これら両連結パイプの端部間を連結する所定長さの連結紐とを備え、前記第1連結パイプは、上段コンテナの下部コーナフィッティングからのその直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通されるとともに、前記第2連結パイプは、少なくとも前記下段コンテナに隣位する下段コンテナの上部コーナフィッティングに上面側から挿入されることを特徴とするコンテナ落下防止具。
【請求項2】 第2連結パイプは、第1連結パイプが挿通される上段コンテナに隣位する上段コンテナの下部コーナフィッティングから、その直下に位置する下段コンテナの上部コーナフィッティングに斜めに挿通されることを特徴とする請求項1記載のコンテナ落下防止具。
【請求項3】 連結紐は、その長さが調節可能ととなっていることを特徴とする請求項1または2記載のコンテナ落下防止具。
【請求項4】 各連結パイプは、く字状または円弧状に屈曲していることを特徴とする請求項1,2または3記載のコンテナ落下防止具。
【請求項5】 請求項1,2,3または4記載のコンテナ落下防止具のコンテナへの着脱を行なうコンテナ落下防止具用操作装置であって、操作ポールと;操作ポールの上端部に中間部が上下動可能に取付けられた横棒部材と;横棒部材の両端近傍位置から前方に向かって突出し、各連結パイプがそれぞれ装着される第1装着棒および第2装着棒と;前記操作ポールの上端部から上方に立上がり、前記各装着棒に各連結パイプを装着した状態で、連結紐の中間部が引掛けられる係止部材と;を具備することを特徴とするコンテナ落下防止具用操作装置。
【請求項6】 両装着棒の間隔は、連結紐の長さに合わせて調節可能となっていることを特徴とする請求項5記載のコンテナ落下防止具用操作装置。
【請求項7】 両装着棒は、斜めに下方に向かって突出していることを特徴とする請求項5または6記載のコンテナ落下防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【登録番号】実用新案登録第3069733号(U3069733)
【登録日】平成12年4月5日(2000.4.5)
【発行日】平成12年6月30日(2000.6.30)
【考案の名称】コンテナ落下防止具およびその操作装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−9554
【出願日】平成11年12月17日(1999.12.17)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)