説明

コンテナ表示制御装置及びそのプログラム

【課題】 コンテナのタグを使用することなくコンテナのカテゴリを判断することにより、AVアンプが再生不可能なコンテンツを検索するためのコンテナがユーザ操作によって誤って選択されることを防止すること。
【解決手段】 コンテナのタイトルに含まれる文字を判断することによって、コンテナのカテゴリがオーディオであるか否かを判断する。コンテナのタイトルは必ず取得できるので、コンテナのカテゴリがオーディオであるか否かを正確に判断できる。最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリがオーディオであるコンテナが1つのみである場合には、カテゴリがオーディオのコンテナが最上位コンテナに設定される。従って、元の最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナは表示されず、カテゴリがオーディオのコンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧が最初に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ操作によってコンテンツを検索するための複数階層のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプ等のコンテンツ再生装置は、サーバに記録されているコンテンツを、例えばストリーミング形式で取得し、再生することができる。サーバに記録されている多数のコンテンツの中からユーザが再生を所望するコンテンツを検索するために、AVアンプは、サーバからコンテナ情報を取得し、表示装置にコンテナのリストを表示させる。コンテナは、図2に示すサーバに記録されているコンテンツを検索するためのツリーにおける各ノードを示すものであり、フォルダと呼ばれることもある。最上位のコンテナをrootコンテナといい、rootコンテナの1つ下の階層には「すべての音楽」、「すべてのビデオ」および「すべてのイメージ」といったタイトルの3つのコンテナが含まれている。「すべての音楽」コンテナの階層を下位に移動させると、音楽コンテンツを検索可能であり、「すべてのビデオ」コンテナの階層を下位に移動させると、ビデオコンテンツを検索可能であり、「すべてのイメージ」コンテナの階層を下位に移動させると、イメージコンテンツを検索可能である。
【0003】
最初に、AVアンプは、サーバからrootコンテナの1つ下の階層のコンテナに関するコンテナ情報を取得し、図6(a)に示すように、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのタイトルを表示装置に表示させる。ユーザ操作によって、コンテナのタイトルに表示されているカーソルを移動させ、選択することによって、コンテナが選択され、AVアンプは選択されたコンテナのさらに1つ下の階層のコンテナに関するコンテナ情報をサーバから取得して、コンテナのタイトルを表示する。例えば、「すべての音楽」コンテナが選択された場合、図6(b)に示すように、「すべてのコンテンツ」コンテナ、「すべてのアーティスト」コンテナ、「すべてのアルバム」コンテナが表示される。このように、コンテナの選択を繰り返すことにより、最終的には選択されたコンテナによって検索可能なコンテンツのリストが表示され、ユーザは所望のコンテンツを検索できる。
【0004】
ここで、AVアンプが例えばオーディオコンテンツしか再生することができず、ビデオコンテンツやイメージコンテンツを再生できない場合がある。この場合、図6(a)において、「すべてのビデオ」コンテナが選択され、最終的にビデオコンテンツのリストが表示されるが、AVアンプは、これらのビデオコンテンツを再生することがでないので、リストに含まれるビデオコンテンツには再生不可能である旨の情報が表示される。その結果、ユーザは、コンテナの階層を図6(a)に示すrootコンテナの1つ下の階層のコンテナのリストまで戻った後、「すべての音楽」コンテナを選択し直す必要がある。従って、これらの操作が非常に煩雑であり、所望のコンテンツを検索するまでに時間がかかるという問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、下記特許文献1に記載の再生装置が提案されている。この文献には、次の内容が記載されている。オーディオ再生装置2は、サーバ装置のルートコンテナにアクセスし、サーバ装置からルートコンテナ配下のコンテナにそれぞれ付されたタグ(コンテナ属性)を取得するリスト取得部210と、リスト取得部210が取得したタグに基づいて、オーディオコンテンツが含まれているコンテナの有無を判断するタグ解析部230と、タグ解析部230がオーディオコンテンツが含まれていると判断したコンテナの階層のみを表示する階層表示部240とを有する。しかし、サーバからコンテナに付されたタグを取得できない場合には、オーディオコンテンツが含まれるコンテナの有無を判断することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4229184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、サーバに記録された複数カテゴリの複数のコンテンツの中から、ユーザ操作に基づいて、第1カテゴリのコンテンツのみを再生可能なコンテンツ再生装置に再生させるべき所望のコンテンツを検索するために、複数の階層構造を有する複数のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置であって、コンテナのタグを使用することなくコンテナのカテゴリを判断することにより、コンテンツ再生装置が再生不可能なコンテンツを検索するためのコンテナがユーザ操作によって誤って選択されることを防止するコンテナ表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるコンテナ表示制御装置は、サーバに記録された複数カテゴリの複数のコンテンツの中から、ユーザ操作に基づいて、第1カテゴリのコンテンツのみを再生可能なコンテンツ再生装置に再生させるべき所望のコンテンツを検索するために、複数の階層構造を有する複数のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置であって、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナに関するコンテナ情報をサーバから取得するコンテナ情報取得手段と、コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が予め登録されている文字登録部と、最上位コンテナの1つ下の階層の各コンテナについて、タイトルの中に前記文字登録部に登録されている前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が含まれているか否かを判断することによって、コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するカテゴリ判断手段と、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみであるか否かを判断する判断手段と、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみである場合に、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナを最上位コンテナに設定する設定手段とを備える。
【0009】
最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが第1カテゴリであるコンテナが1つのみである場合には、第1カテゴリのコンテナが最上位コンテナに設定されるので、元の最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナは表示されずに、第1カテゴリのコンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧が最初に表示される。従って、元の最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナにコンテンツ再生装置が再生できないカテゴリを検索するためのコンテナが存在する場合でも、ユーザ操作によって当該コンテナが選択されることが防止される。また、コンテナのカテゴリが第1カテゴリであるか否かを、コンテナのタイトルに第1カテゴリであると判断するための文字が含まれているか否かによって判断しているので、各コンテナのタグを取得できない場合でも、コンテナのカテゴリを判断することができる。コンテナのタイトルはコンテナを表示するために必要であるので、必ず取得できるからである。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテナ表示制御装置は、サーバに記録された複数カテゴリの複数のコンテンツの中から、ユーザ操作に基づいて、第1カテゴリのコンテンツのみを再生可能なコンテンツ再生装置に再生させるべき所望のコンテンツを検索するために、複数の階層構造を有する複数のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置であって、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナに関するコンテナ情報をサーバから取得するコンテナ情報取得手段と、コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が予め登録されている文字登録部と、最上位コンテナの1つ下の階層の各コンテナについて、タイトルの中に前記文字登録部に登録されている前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が含まれているか否かを判断することによって、コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するカテゴリ判断手段と、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみであるか否かを判断する判断手段と、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみである場合に、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧を表示させることなく、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧を前記表示装置に表示させる表示制御手段とを備える。
【0011】
元の最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナは表示されずに、第1カテゴリのコンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧が最初に表示される。従って、元の最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナにコンテンツ再生装置が再生できないカテゴリを検索するためのコンテナが存在する場合でも、ユーザ操作によって当該コンテナが選択されることが防止される。また、コンテナのカテゴリが第1カテゴリであるか否かを、コンテナのタイトルに第1カテゴリであると判断するための文字が含まれているか否かによって判断しているので、各コンテナのタグを取得できない場合でも、コンテナのカテゴリを判断することができる。コンテナのタイトルはコンテナを表示するために必要であるので、必ず取得できるからである。
【0012】
好ましい実施形態においては、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみでない場合に、前記表示制御手段が、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧を表示させる。
【0013】
例えば、第1カテゴリのコンテナが2つ存在する場合には、ユーザ操作によって、再生可能なコンテンツを検索するための2つの第1カテゴリのコンテナの内、所望のコンテナを選択することができる。
【0014】
好ましい実施形態においては、前記文字登録部が、コンテナのカテゴリが前記第2カテゴリであるか否かを判断するための文字がさらに予め登録されており、前記カテゴリ判断手段が、最上位コンテナの1つ下の階層の各コンテナについて、タイトルの中に前記文字登録部に登録されている前記第2カテゴリであるか否かを判断するための文字が含まれているか否かを判断することによって、コンテナのカテゴリが前記第2カテゴリであるか否かをさらに判断し、前記カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみでない場合に、前記表示制御手段が、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが前記第2カテゴリであるコンテナを表示させず、残りのコンテナの一覧を表示させる。
【0015】
例えば、第1カテゴリのコンテナが2つ存在し、第2カテゴリのコンテナが1つ存在する場合に、2つの第1カテゴリのコンテナのみが表示され、1つの第2カテゴリのコンテナは表示されない。従って、ユーザ操作によって、再生可能なコンテンツを検索するための2つの第1カテゴリのコンテナの内、所望のコンテナを選択することができ、かつ、再生不可能なコンテンツを検索するための第2カテゴリのコンテナが誤って選択されることを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
サーバに記録された複数カテゴリの複数のコンテンツの中から、ユーザ操作に基づいて、第1カテゴリのコンテンツのみを再生可能なコンテンツ再生装置に再生させるべき所望のコンテンツを検索するために、複数の階層構造を有する複数のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置であって、コンテナのタグを使用することなくコンテナのカテゴリを判断することにより、コンテンツ再生装置が再生不可能なコンテンツを検索するためのコンテナがユーザ操作によって誤って選択されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ100及びサーバ200を示すブロック図である。
【図2】複数階層のコンテナを含むツリーを示す図である。
【図3】rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報を示す図である。
【図4】文字リストを示す図である。
【図5】カテゴリがオーディオのコンテナがrootコンテナに設定された際のツリーを示す図である。
【図6】(a)はrootコンテナの1つ下の階層のコンテナのリストを示す図であり、(b)は「すべての音楽」コンテナの1つ下の階層のコンテナのリストを示す図である。
【図7】マイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図8】rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報を示す図である。
【図9】rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのリストを示す図である。
【図10】マイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図11】rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのリストであり、カテゴリがビデオ又はイメージのコンテナを非表示にした図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0019】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(以下、AVアンプという。)100を示すブロック図である。AVアンプ100は、サーバ200にインターネット又はLAN等の任意のネットワーク、電気通信回線を介して接続可能であり、サーバ200に記録されたコンテンツを例えばストリーミング形式で取得して、再生する。サーバ200に記録されているコンテンツには、複数カテゴリのコンテンツが含まれる。カテゴリとは、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、イメージコンテンツ等のコンテンツの種類のことをいう。AVアンプ100は、サーバ200に記録された複数カテゴリのコンテンツの内、第1カテゴリのコンテンツしか再生することができず、1又は複数の第2カテゴリのコンテンツを再生することはできない。本例では、第1カテゴリはオーディオコンテンツであり、第2コンテンツはビデオコンテンツ及びイメージコンテンツである。
【0020】
AVアンプ100は、マイコン1等の制御部、RAM2、ROM3、通信部4、再生部5、表示部6及び操作部7を備える。
【0021】
マイコン1は、ROM3に格納されているAVアンプ100の動作プログラム(コンテナ表示制御プログラムを含む)をRAM2に読み出して実行することにより、後述の各処理を実行する。通信部4は、サーバ200とネットワーク経由で通信し、サーバ200との間で各コマンドを送受信し、又は、サーバ200からコンテンツやコンテナ情報を取得する。再生部5は、サーバ200から取得したコンテンツを再生(デコード、D/A変換及び増幅等)する。再生部5には、スピーカーが接続され、スピーカーから音声が再生される。表示部6は、コンテナリストやコンテンツリスト等を表示する、又は、これらのOSD画面を生成し、外部に接続される表示装置に表示させる。操作部7は、ユーザ操作を受け付けるものであり、操作ボタンやリモコン等である。
【0022】
図2は、サーバ200に記録されている複数カテゴリのコンテンツを検索するための複数階層のコンテナを含むツリーを示す。最上位のコンテナをrootコンテナという。rootコンテナの1つ下の階層のコンテナにはコンテンツと同様にカテゴリという概念が設けられている。つまり、カテゴリがオーディオ(第1カテゴリ)であるコンテナはオーディオコンテンツを検索するためのコンテナであり、カテゴリがビデオ(第2カテゴリ)であるコンテナはビデオコンテンツを検索するためのコンテナであり、カテゴリがイメージ(第2カテゴリ)であるコンテナはイメージコンテンツを検索するためのコンテナである。
【0023】
図2では、rootコンテナの1つ下の階層には「すべての音楽」、「すべてのビデオ」、「すべてのイメージ」といったタイトルの3つのコンテナが含まれている。詳細は後述するが、「すべての音楽」のカテゴリはオーディオであり、下位の階層に移動することによりオーディオコンテンツを検索できる。「すべてのビデオ」のカテゴリはビデオであり、下位の階層に移動することによりビデオコンテンツを検索できる。「すべてのイメージ」のカテゴリはイメージであり、下位の階層に移動することによりイメージコンテンツを検索できる。なお、root階層の1つ下の階層のコンテナの数は3つに限定されず、1つでも2つでもよい。
【0024】
マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツを検索する画面を表示する指示が入力された場合、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報をサーバ200に要求して取得する。図3は、コンテナ情報を示す図である。コンテナ情報には、コンテナIDと、コンテナタイトルとが含まれている。コンテナIDは、コンテナを一意に識別する識別情報であり、コンテナタイトルはコンテナリストに表示するコンテナのタイトルである。
【0025】
マイコン1は、rootコンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナについて、コンテナのカテゴリを判断し、カテゴリがオーディオのコンテナが1つだけ存在するか否かを判断する。コンテナのカテゴリを判断する方法として、以下の方法が存在する。
【0026】
つまり、コンテナのタイトルに所定の文字が含まれているか否かを判断することにより、コンテナのカテゴリを判断する。ROM3には、図4に示す文字リストが格納されている。文字リストは、コンテナのカテゴリに対応付けて、当該カテゴリのコンテナのタイトルに含まれるべき文字が登録されている。従って、コンテナのタイトルにオーディオ、音楽、音声又はミュージック等の(カテゴリがオーディオであると判断するための)文字が含まれている場合には、当該コンテナのカテゴリはオーディオであると判断される。コンテナのタイトルにビデオ、映像、動画、映画又はムービー等の(カテゴリがビデオであると判断するための)文字が含まれている場合には、当該コンテナのカテゴリはビデオであると判断される。コンテナのタイトルにイメージ、静止画、画像、ピクチャー又は写真等の(カテゴリがイメージであると判断するための)文字が含まれている場合には、当該コンテナのカテゴリはイメージであると判断される。なお、コンテナのタイトルに文字リストに登録された文字のいずれも含まれない場合には、その他のカテゴリのコンテナと判断されるとよい。
【0027】
例えば、図2及び図3に示すようなroot階層の1つ下の階層のコンテナの場合には、上記条件に基づいて判断すると、タイトルが「すべての音楽」であるコンテナのカテゴリはオーディオであり、タイトルが「すべてのビデオ」であるコンテナのカテゴリはビデオであり、タイトルが「すべてのイメージ」であるコンテナのカテゴリはイメージである。
【0028】
カテゴリがオーディオのコンテナが1つだけ存在する場合には、マイコン1は、カテゴリがオーディオのコンテナを新たなrootコンテナ(最上位階層のコンテナ)としてRAM2に記憶し、設定する。詳細には、マイコン1は、カテゴリがオーディオのコンテナのコンテナIDをRAM2に記憶する。つまり、図2の場合には、マイコン1は、タイトルが「すべての音楽」であるコンテナを新たなrootコンテナとして設定し、AVアンプ100にとっては、サーバ200に記録されているコンテンツを検索するためのツリーは図5に示すように、「すべての音楽」コンテナ以下のコンテナしか存在しないように扱われる。
【0029】
その結果、マイコン1は、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのリストを表示させず、カテゴリがオーディオのコンテナを自動的に選択し、サーバ200からカテゴリがオーディオのコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報を取得する。そして、マイコン1は、カテゴリがオーディオのコンテナの1つ下の階層のコンテナのリストを表示する。例えば、図2のようなツリーの場合、従来であれば図6(a)に示すようにrootコンテナの1つ下の階層のコンテナが表示されるので、AVアンプ100がビデオコンテンツやイメージコンテンツを再生できないにも関わらず、カテゴリがビデオ又はイメージのコンテナを選択可能になっていた。
【0030】
一方、本例では、図5に示すようにカテゴリがオーディオである「すべての音楽」コンテナがrootコンテナに設定されるので、図6(b)に示すように「すべての音楽」コンテナの1つ下の階層のコンテナである「すべてのコンテンツ」コンテナ、「すべてのアーティスト」コンテナ、「すべてのアルバム」コンテナが表示される。そして、ユーザによるコンテナの階層を上の階層に戻る操作によっても、元のrootコンテナの1つ下の階層のコンテナリスト(図6(a)参照)は表示されない。従って、ユーザ操作によって、カテゴリがビデオ又はイメージであるコンテナが誤って選択されることはない。なお、カテゴリがオーディオである「すべての音楽」コンテナの1つ下の階層のコンテナは3つに限定されず、1つでも2つでもよい。
【0031】
図7は、本実施形態のマイコン1の処理を示す図である。マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツを検索する画面を表示する指示が入力されると、サーバ200から図3に示すrootコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報を要求して取得する(S1)。マイコン1は、コンテナ情報内のコンテナのカテゴリを順番にチェックする(S2〜S10)。まず、マイコン1は、コンテナ情報内の最初のコンテナ(ここでは、コンテナIDが1のコンテナ)を選択する(S2)。
【0032】
マイコン1は、選択したコンテナのタイトルをコンテナ情報から読み出して、タイトルの文字列の中に、図4の文字リストにおいてカテゴリがオーディオであると判断するための文字(オーディオ、音楽、音声、ミュージック等)が含まれているか否かを判断する(S3)。含まれている場合には(S3でYES)、マイコン1は、そのコンテナのカテゴリがオーディオであることをRAM2に記憶する(S4)。例えば、図3においてコンテナIDが1のコンテナは、タイトルに音楽という文字が含まれているので、カテゴリがオーディオであると判断され、その旨がRAM2に記憶される。そして、S9に進む。
【0033】
S9において、マイコン1は、図3のコンテナ情報の全てのコンテナについてカテゴリをチェックしたか否かを判断する(S9)。ここでは、未だ全てのコンテナについてカテゴリをチェックし終えていないので(S9でNO)、次のコンテナであるコンテナIDが2のコンテナにカテゴリのチェック対象を進めて(S10)、S3に戻る。
【0034】
コンテナID2のコンテナのタイトルにはカテゴリがオーディオであると判断するための文字(オーディオ、音楽、音声、ミュージック等)が含まれていない(S3でNO)。マイコン1は、タイトルの文字列の中に、カテゴリがビデオであると判断するための文字(ビデオ、映像、動画、映画、ムービー等)が含まれているか否かを判断する(S5)。含まれている場合には(S5でYES)、マイコン1は、そのコンテナのカテゴリがビデオであることをRAM2に記憶する(S6)。例えば、図3においてコンテナIDが2のコンテナは、タイトルにビデオという文字が含まれているので、カテゴリがビデオであると判断され、その旨がRAM2に記憶される。そして、S9に進む。
【0035】
S9において、未だ全てのコンテナについてカテゴリをチェックし終えていないので(S9でNO)、次のコンテナであるコンテナIDが3のコンテナにカテゴリのチェック対象を進めて(S10)、S3に戻る。
【0036】
コンテナID3のコンテナのタイトルにはカテゴリがオーディオであると判断するための文字(オーディオ、音楽、音声、ミュージック等)が含まれていない(S3でNO)。また、コンテナID3のコンテナのタイトルにはカテゴリがビデオであると判断するための文字(ビデオ、映像、動画、映画、ムービー等)が含まれていない(S5でNO)。マイコン1は、タイトルの文字列の中に、カテゴリがイメージであると判断するための文字(イメージ、静止画、画像、ピクチャー、写真等)が含まれているか否かを判断する(S7)。含まれている場合には(S7でYES)、マイコン1は、そのコンテナのカテゴリがイメージであることをRAM2に記憶する(S8)。例えば、図3においてコンテナIDが3のコンテナは、タイトルにイメージという文字が含まれているので、カテゴリがイメージであると判断され、その旨がRAM2に記憶される。そして、S9に進む。
【0037】
S9において、全てのコンテナについてカテゴリをチェックし終えたと判断されるので(S9でYES)、マイコン1は、カテゴリがオーディオであるコンテナは1つだけ存在するか否かを判断する(S11)。図3の例では、コンテナIDが1のコンテナのみがカテゴリがオーディオである(S11でYES)。従って、マイコン1は、カテゴリがオーディである唯一のコンテナ(ここでは、コンテナIDが1のコンテナ)を新たなrootコンテナとして設定し、そのコンテナIDをRAM2に記憶する(S12)。その結果、以降の処理において当該サーバ200からコンテンツを検索する際には、図5に示すように、カテゴリがオーディであるコンテナ(コンテナIDが1のコンテナ)をrootコンテナとしたツリーに基づいて、コンテンツが検索される。
【0038】
マイコン1は、新たにrootコンテナに設定したコンテナIDが1のコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報をサーバ200に要求して、取得する(S13)。このコンテナ情報には、図5のツリーにおいて、コンテナIDが4〜6のコンテナ(タイトルが、「すべてのコンテンツ」、「すべてのアーティスト」、「すべてのアルバム」)の情報が含まれている。マイコン1は、取得したコンテナ情報における各コンテナのタイトルを読み出して、表示部に表示させる(S14)。この場合、図6(b)に示すように、「すべての音楽」コンテナの1つ下の階層である「すべてのコンテンツ」、「すべてのアーティスト」、「すべてのアルバム」のコンテナが表示され、ユーザ操作によって選択可能な状態になる。
【0039】
以上のように、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナの中でカテゴリがオーディオのコンテナが1つだけである場合、そのコンテナの1つ下の階層が最初に表示される。従って、ユーザ操作によって、誤って、カテゴリがビデオ又はイメージのコンテナが選択され、コンテンツの検索に時間がかかるという問題を解決できる。
【0040】
なお、S2において、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報として図8に示す情報を取得した場合を説明する。コンテナIDが1のコンテナはタイトルに音楽が含まれているので(S3でYES)、カテゴリがオーディオである旨が記憶される(S4)。コンテナIDが2のコンテナはタイトルにビデオが含まれているので(S5でYES)、カテゴリがビデオである旨が記憶される(S6)。コンテナIDが3のコンテナはタイトルにミュージックが含まれているので(S3でYES)、カテゴリがオーディオである旨が記憶される(S4)。
【0041】
従って、S11において、カテゴリがオーディオであるコンテナが2つ存在すると判断される(S11でNO)。このとき、マイコン1は、図9に示すように、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのタイトル(「すべての音楽」、「すべてのビデオ」、「すべてのミュージック」)を表示部に表示させる。つまり、rootコンテナは、元のrootコンテナのまま維持され、図2のツリーに従ってコンテンツが検索される。従って、ユーザ操作によって、カテゴリがオーディオである「すべての音楽」又は「すべてのミュージック」のコンテナの内、所望する方を選択して、選択されたコンテナの1つ下の階層のコンテナを表示することができる。このように処理するのは、カテゴリがオーディオである2つのコンテナの内、一方のコンテナを自動的に選択し、選択されたコンテナを新たなrootコンテナとして設定した場合には、オーディコンテンツを検索可能なもう一方のコンテナからコンテンツを検索することができなくなるからである。
【0042】
なお、カテゴリがオーディオであるコンテナが存在しない場合にも、上記と同様に、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのタイトルを表示部に表示させる。つまり、rootコンテナは、元のrootコンテナのまま維持され、図2のツリーに従ってコンテンツが検索される。また、図7の処理では、厳密には、S5〜S8の処理は必須ではない。つまり、コンテナのカテゴリがオーディオであるか否かさえ判断できればよく、コンテナのカテゴリがビデオであるかイメージであるかは不明でもよい。
【0043】
図10は、別の実施形態によるマイコン1の処理を示す。図7と比較して、S15がS21に変更されている。また、図7と異なり、S5〜S8は必須である。S2において、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのコンテナ情報として図8に示す情報を取得した場合を説明する。コンテナIDが1のコンテナはタイトルに音楽が含まれているので(S3でYES)、カテゴリがオーディオである旨が記憶される(S4)。コンテナIDが2のコンテナはタイトルにビデオが含まれているので(S5でYES)、カテゴリがビデオである旨が記憶される(S6)。コンテナIDが3のコンテナはタイトルにミュージックが含まれているので(S3でYES)、カテゴリがオーディオである旨が記憶される(S4)。
【0044】
従って、S11において、カテゴリがオーディオであるコンテナが2つ存在すると判断される(S11でNO)。このとき、マイコン1は、図11に示すように、rootコンテナの1つ下の階層のコンテナのタイトル(「すべての音楽」、「すべてのビデオ」、「すべてのミュージック」)の内、カテゴリがビデオ又はイメージのコンテナを表示させず、残りのコンテナのみを表示させる。つまり、「すべての音楽」および「すべてのミュージック」のコンテナのみが表示される。従って、ユーザ操作によって、カテゴリがオーディオである「すべての音楽」又は「すべてのミュージック」のコンテナの内、所望する方を選択して、選択されたコンテナの1つ下の階層のコンテナを表示することができる。さらに、カテゴリがビデオ又はイメージであるコンテナ(「すべてのビデオ」コンテナ)は表示されないので、ユーザ操作によって、誤ってカテゴリがビデオ又はイメージであるコンテナが選択されて、所望のコンテンツの検索に時間がかかるというも問題を防止できる。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。第1カテゴリがビデオコンテンツであり、第2カテゴリがオーディオコンテンツ及びイメージコンテンツであってもよい。また、カテゴリは、テキストや、PCで使用されるファイル(ワードファイル、エクセルファイル、PDFファイル)等でもよい、コンテナ表示制御装置は、AVアンプ100だけではなく、TV受像機、PC、携帯電話、携帯型AVプレーヤ、ゲーム機、ネットワークAVクライアント等の様々な製品に適用できる。本発明は、上記のコンテナ表示制御装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明はAVアンプ等のコンテンツ再生装置に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0047】
100 AVアンプ
200 サーバ
1 マイコン
2 RAM
3 ROM
4 通信部
5 再生部
6 表示部
7 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバに記録された複数カテゴリの複数のコンテンツの中から、ユーザ操作に基づいて、第1カテゴリのコンテンツのみを再生可能なコンテンツ再生装置に再生させるべき所望のコンテンツを検索するために、複数の階層構造を有する複数のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置であって、
最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナに関するコンテナタイトルをサーバから取得するコンテナ情報取得手段と、
コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が予め登録されている文字登録部と、
最上位コンテナの1つ下の階層の各コンテナについて、タイトルの中に前記文字登録部に登録されている前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が含まれているか否かを判断することによって、コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するカテゴリ判断手段と、
最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみであるか否かを判断する判断手段と、
カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみである場合に、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナを最上位コンテナに設定する設定手段とを備える、コンテナ表示制御装置。
【請求項2】
サーバに記録された複数カテゴリの複数のコンテンツの中から、ユーザ操作に基づいて、第1カテゴリのコンテンツのみを再生可能なコンテンツ再生装置に再生させるべき所望のコンテンツを検索するために、複数の階層構造を有する複数のコンテナを表示装置に表示させるコンテナ表示制御装置であって、
最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナに関するコンテナタイトルをサーバから取得するコンテナ情報取得手段と、
コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が予め登録されている文字登録部と、
最上位コンテナの1つ下の階層の各コンテナについて、タイトルの中に前記文字登録部に登録されている前記第1カテゴリであるか否かを判断するための文字が含まれているか否かを判断することによって、コンテナのカテゴリが前記第1カテゴリであるか否かを判断するカテゴリ判断手段と、
最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみであるか否かを判断する判断手段と、
カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみである場合に、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧を表示させることなく、カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧を前記表示装置に表示させる表示制御手段とを備える、コンテナ表示制御装置。
【請求項3】
カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみでない場合に、前記表示制御手段が、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの一覧を表示させる、請求項2に記載のコンテナ表示制御装置。
【請求項4】
前記文字登録部が、コンテナのカテゴリが前記第2カテゴリであるか否かを判断するための文字がさらに予め登録されており、
前記カテゴリ判断手段が、最上位コンテナの1つ下の階層の各コンテナについて、タイトルの中に前記文字登録部に登録されている前記第2カテゴリであるか否かを判断するための文字が含まれているか否かを判断することによって、コンテナのカテゴリが前記第2カテゴリであるか否かをさらに判断し、
前記カテゴリが前記第1カテゴリであるコンテナが1つのみでない場合に、前記表示制御手段が、最上位コンテナの1つ下の階層の1又は複数のコンテナの内、カテゴリが前記第2カテゴリであるコンテナを表示させず、残りのコンテナの一覧を表示させる、請求項2に記載のコンテナ表示制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテナ表示制御装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテナ表示制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−13703(P2011−13703A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138901(P2009−138901)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】