説明

コンテナ

【課題】 発生した廃棄物を容易に、長距離にわたって移送する。
【解決手段】 ISO規格の海上コンテナCであって、荷役車両に搭載することができる脱着式コンテナDの相対位置を保持する保持具5を備えている。前記保持具5は、支持板51と、支持板51の上面に設けられるとともにその一部が規制部53aとして機能するリング53とを備え、支持板51とリング53とは固縛部(ボルト52)により海上コンテナCの底面44に固縛されている。脱着式コンテナDの脚部27aまたは走行ローラ27bを、リング53の内側に形成された孔部53bに合致するように搭載することで相対位置を保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷役装置を備えた荷役車両及びコンテナ船に搭載することで運搬することができるコンテナがあり、当該コンテナは、荷役車両の荷役装置と係脱するためのリフトバーと、他の海上コンテナとツイストロックにより固定するための隅金具とを備えている。これによりコンテナに内蔵したものを取り出すことなく陸上及び海上を運搬することができる。すなわち陸上及び海上を運搬することができるためには、リフトバーと隅金具とをコンテナに同時に備えていなければならない。
従来からある荷役車両に搭載するための脱着式コンテナ又はISO規格に準拠した海上コンテナを利用しようとすれば、脱着式コンテナに隅金具を固定するか、海上コンテナにリフトバーを備えるか、いずれかの方法によりコンテナを改造しなければならず、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭61−14968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、従来からある海上コンテナに、脱着式コンテナをそのまま内蔵することが考えられるが、内蔵した脱着式コンテナが海上コンテナの側壁から飛び出してしまい、海上コンテナを破損してしまう。
【0005】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、脱着式コンテナを内蔵したとしても安易に飛び出してしまうことを抑制することができるコンテナを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明のコンテナは、荷役車両に搭載することができる脱着式コンテナの相対位置を保持するコンテナ保持手段を備えたことを特徴とする。これによりコンテナ保持手段が内蔵した脱着式コンテナの相対位置を保持するので、脱着式コンテナが飛び出してしまうことを抑制することができる。
【0007】
前記コンテナ保持手段は、支持板と、支持板上面に設けた規制部とを備えるようにしてもよく、これによると、支持板ごと規制部を移動することができるため、コンテナ内の脱着式コンテナの位置を最適な位置に保持することができる。
【0008】
また、前記コンテナ保持手段は、脱着式コンテナの主桁を支持する支持部を備えるようにしてもよく、これにより、脱着式コンテナの荷重をコンテナ保持手段を介してコンテナに伝えるため、脱着式コンテナの荷重をコンテナ保持手段により分散することができる。
【0009】
また、前記目的を達成するため、海上コンテナに固定するための固縛部と、脱着式コンテナの移動を規制する規制部とを備えたコンテナ保持具であってもよい。これにより、当該保持具の固縛部を既存の海上コンテナに固縛するだけで脱着式コンテナの相対移動を規制することができるコンテナを提供することができるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、脱着式コンテナを内蔵したとしても脱着式コンテナが飛び出してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の保持具を使用した廃棄物輸送方法の概念図である。
【図2】廃棄物コンテナの側面図である。
【図3】本発明を適用した海上コンテナの側面図である。
【図4】海上コンテナの平面図である。
【図5】保持具の拡大斜視図である。
【図6】他の実施形態の保持具を内蔵した海上コンテナの側面図である。
【図7】他の実施形態の保持具を内蔵した海上コンテナの平面図である。
【図8】他の実施形態の保持具の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の保持具を使用した廃棄物輸送方法を示す概念図である。
1は、廃棄物発生地であり、図示のように工場11や工事現場12といった廃棄物が発生する箇所を示している。工場11や工事現場12には、脱着式コンテナDが設置されている。そして、廃棄物が発生すると作業者や、パワーショベル13により脱着式コンテナDに投入する。
【0013】
図2は、脱着式コンテナDの側面図である。脱着式コンテナDは、前壁21と底面22と左右2枚の側壁23とを溶接することで箱状に形成されている。前壁21の両側は補強桁21aを固定することにより補強し、底面22は、前後方向に延びる主桁22aを固定することにより補強している。脱着式コンテナDの開放後面は、テールゲート24により閉じられている。テールゲート24は脱着式コンテナDの上部に固定したヒンジ24aを介して回動可能に支持されており、テールゲート24の下端はハンドル24bにより開放後面を閉鎖した状態で保持できるようにしている。脱着式コンテナDの開放上面は、2枚の天蓋25を備えており、左右両側の側壁23の上面に固定した回動軸25a周りに手動で開閉することができるとともに、閉鎖した状態で天蓋25を保持するロック25bを前壁21に設けている。
また、脱着式コンテナDの前壁21の上部には、従来公知のアーム式荷役装置を備えた荷役車両Vaのフックと係脱自在な係合部、すなわちリフトバー26を設けている。脱着式コンテナDの底面22の前後左右4箇所には、脱着式コンテナDを設置するための接地部27を固定している。前側に固定した接地部27は脚部27aで、後側に固定した接地部27は走行ローラ27bが回転可能に取付けられている。そして、側壁23の下側にはフォークリフトのフォークを挿入可能なフォークポケット28を開けている。なお、フォークポケット28は、主桁22aの側面に設けてもよい。
そして、図2に示すような脱着式コンテナDを複数の廃棄物発生地1に一個ないしは複数個置くようにしている。
【0014】
図1に戻って廃棄物移送方法の説明をする。
廃棄物発生地1で廃棄された廃棄物により満杯になった脱着式コンテナDを荷役車両Vaにより運搬する。この時、前述のとおり、荷役車両Vaの図示しない荷役装置により脱着式コンテナDを荷役車両Va上に持ち上げて搭載する。
脱着式コンテナDを搭載した荷役車両Vaは、出発港3のコンテナ集約所31まで運搬し、図示しない荷役装置により脱着式コンテナDを降ろす。複数の荷役車両Vaが、複数の廃棄物発生地1とコンテナ集約所31との間を往復することで、脱着式コンテナDをコンテナ集約所31に集約することができる。また、別の日に廃棄物発生地1とコンテナ集約所31との間を往復することで脱着式コンテナDを集約することもできる(コンテナ集約作業)。なお、コンテナ集約所31は、出発港3の敷地内であってその一区画を利用することが望ましいが、出発港3の敷地内に設けることが困難な場合は、出発港3に近い別の場所であってもよい。
【0015】
コンテナ集約所31に集められた脱着式コンテナDは、フォークリフト(図示せず)により海上コンテナCに内蔵される(積載準備)。具体的な方法について図3及び図4を用いて説明する。
【0016】
図3及び図4は、ISO規格に即した20フィート長の海上コンテナCを示した図である。図3は、海上コンテナCの側面図であり、図4はその平面図である。
まず、海上コンテナCの構造について説明する。海上コンテナCは、角パイプなどの鋼材を長方形状に組み上げた底枠41と、底枠41の四隅に立設した支柱42と、角パイプなどの鋼材を長方形状に組み上げるとともに4本の支柱42に四隅を支持された天枠43とにより直方体状に形成されている。
底枠41は、長手方向に沿った2本の縦桁41aと、隣り合う縦桁41a間に配されその両端を縦桁41aの側面に溶接固定した複数の横桁41bと、複数の横桁41bの上面であって、海上コンテナCの略中央に寄った位置に配置した2枚の補強板41cを備えている。
海上コンテナCの底部に相当する底面44は、底枠41の上面に所定大きさの複数の合板を施設して構成し、前後面45・右側面46及び天井47には鉄製の波板を嵌め込み固定している。残りの左側面48は2枚の扉48aにより開閉可能である。扉48aを閉鎖すると海上コンテナCは密閉される。なお、2枚の扉48aは、図示するようにそれぞれが略中央部で屈曲することができる。
海上コンテナCの8つの角には、隅金具49が備えられており、他の海上コンテナCとツイストロック等により連結することができる。
【0017】
底面44の上面には脱着式コンテナDのずれ止めのための保持具5を備えている。保持具5は、長方形の支持板51と、支持板51の両端部に複数のボルト(固縛部)52で固定したリング53とを有している。リング53は、規制部53aと規制部53aに囲まれた孔部53bを備えている。尚、ボルト52は、リング53及び支持板51に設けられた貫通孔を通され、底面44に螺入している。ボルト52は、支持板51とリング53との固定と、保持具5の海上コンテナCへの固定とを一度に行っている。支持板51は、脱着式コンテナDの左右の接地部27(脚部27a同士または走行ローラ27b同士)をその両端で一度に支持することができる長さであり、海上コンテナCの底面44に配置した場合には、支持板51の略中央部を海上コンテナCの底枠41(特に補強板41c)の上方に配置する。
【0018】
海上コンテナCに脱着式コンテナDを内蔵するには、まず左側面48を開放して、海上コンテナCの底面44に保持具5を、脱着式コンテナDの接地部27の位置に合致した位置に固定する。そして、コンテナ集約所31に集められた脱着式コンテナDを、フォークリフト(図示せず)により開放した左側面48から海上コンテナCに搭載する。図5に示すように前側の保持具5の孔部53bには脚部27aが、後側の保持具5の孔部53bにはローラ27bがそれぞれ合致するように脱着式コンテナDを載置する。その後、海上コンテナCの扉48aを閉鎖して積載準備が完了する。これにより港湾のガントリークレーンによる荷役作業ができるようになるとともに、通常の海上コンテナと隅金具49を介して相互に固定することができる。
【0019】
次に、脱着式コンテナDを内蔵した海上コンテナCを、ガントリークレーン32によりコンテナ船Sに積載する(積載作業)。前述のとおり海上コンテナCは、ISO規格に合致したコンテナであるので、特殊な装置やアタッチメントを介することなくコンテナ船Sに積載することができる。そして、海上コンテナCを積載したコンテナ船Sは、到着港5に向かって移動する(海上移送)。
これにより、一度に大量の数の脱着式コンテナDを移動させることができるので、廃棄物の移送を容易に行うことができる。また、コンテナ船Sは長距離の移送に向くため、通常、荷役車両Vaで移動した場合に比べて長距離の移送が可能になる。さらに、二酸化炭素排出の削減にも寄与することができる。
【0020】
廃棄物処理地6に近い到着港5にコンテナ船Sが到着すると、コンテナ船Sからコンテナ貯留所51にガントリークレーン52を用いて海上コンテナCを荷降ろしする(荷降ろし作業)。ここでも海上コンテナCはISO規格に合致したコンテナであるので、特殊な装置やアタッチメントを介することなくコンテナ船Sから容易に荷降ろしすることができる。
【0021】
コンテナ貯留所51に降ろされた海上コンテナCはその左側面48を開放し、内部から脱着式コンテナDを図示しないフォークリフトによって外側に出される(分離作業)。
そして脱着式コンテナDをコンテナ貯留所51にて他の荷役車両Vbの荷役装置(図示せず)により荷役車両Vbに搭載し、脱着式コンテナDを搭載した荷役車両Vbは廃棄物処理地6の処理場61まで運搬する。処理場61は従来からあるゴミ焼却場やゴミ分別施設等を示しており、処理場61で焼却された焼却灰は最終処分場62にて埋め立てられたり、分別された資源物はリサイクル工場63にてリサイクルされる。なお、脱着式コンテナDを到着港5から処理場61に荷役車両Vbで運搬したが、直接、最終処分場62やリサイクル工場63に運搬してもよい。
【0022】
廃棄物処理地6において、内蔵した廃棄物を取り出すことで空になった脱着式コンテナDは、上記と逆の手順を追って再び廃棄物発生地1まで持っていくようにすればよい。
【0023】
以上のように、上述の廃棄物移送方法では、コンテナ船Sを用いているため、大量のコンテナを長距離にわたって容易に移送することができる。
そして、脱着式コンテナDはテールゲート24及び天蓋25を閉鎖することで密閉することができるので、廃棄物発生地1から出発港3までの移動時や、到着港5から廃棄物処理地6までの移動時に内蔵した廃棄物が飛散してしまうことを防止することができる。また、荷役車両Vaからコンテナ船S、コンテナ船Sから他の荷役車両Vbに移載するときであっても脱着式コンテナDをそのまま海上コンテナCに内蔵または取り出すようにしたため、脱着式コンテナDを開放して投入された廃棄物を移し替える作業を行わない。これにより、脱着式コンテナD内の廃棄物が散乱し、周辺環境を悪化させることはない。
【0024】
脱着式コンテナDをコンテナ船Sに積載するにあたり、一般的に流通している海上コンテナCに内蔵するようにしたので、ガントリークレーンを用いてコンテナ船Sに積載又は荷降ろしする際に特殊な装置やアタッチメントを用意する必要がなく安価にコンテナ船Sを利用することができる。また、隅金具49を備えた脱着式コンテナDをコンテナ船Sに積載するようにしてもよいが、上記実施例であれば、脱着式コンテナDも従来からあるコンテナをそのまま流用することができる。
【0025】
保持具5の支持板51は左右一対の接地部27(脚部27a同士または走行ローラ27b同士)をその両端で支え、中央部の下方には海上コンテナCの補強板41cが配置されることにより、脱着式コンテナDの重量を接地部27や支持板51を介して補強板41cに伝えるようになっている。これにより、接地部27が、海上コンテナCの底面44を突き破ってしまうことを防止することができる。そして、支持板51は補強板41cの上方に配置した場合について説明したが、縦桁41aの上方まで両端を延長するようにして縦桁41aに脱着式コンテナDの重量を伝えてもよく、横桁41bの上方に配置することで横桁41bに伝えるようにしてもよい。
【0026】
また、脱着式コンテナDは、海上コンテナCに固定した保持具5に接地部27を挿入することよりその前後左右位置を保持することができる。なお、リング53により前後左右方向に移動することを規制しているが、脱着式コンテナDが扉48aを内側から開放して海上コンテナCから飛び出すことを防止すればよく、少なくとも海上コンテナCの左側に位置する規制部53aがあればよい。規制部53aは支持板51に突出配置したリング53により形成したが、支持板51に凹みを一体形成するようにして設けてもよい。そして、保持具5はボルト(固縛部)52により海上コンテナCの底面44に固定しているので、脱着式コンテナDの接地部27の位置に応じて保持具5の位置を適宜変更することができる。保持具5は上述の実施例以外のものでもよく、海上コンテナCの底面44に直接規制部を設けても良く、従来公知のラッシングベルト(ベルト製緊縛具)や、海上コンテナCの側面内側に備えたパッド等のクッション材を脱着式コンテナDの側面に当接することで位置を保持するようにしてもよい。
【0027】
図6から図8を用いてコンテナ保持具の他の実施形態について説明する。前述の実施例と変わらない点は詳細な説明を省略し、図には同一の符号を付している。
7は、保持枠であり、前述の保持具5と同じく海上コンテナCに固定されるとともに、海上コンテナCに内蔵した脱着式コンテナDの前後左右位置を保持することができるものである。
【0028】
保持枠本体71は、略平行に配した第一および第二アングル71a,71bと、第一および第二アングル71a,71bの端部にその両端が溶接接続された第三および第四アングル71c,71dと、第一および第二アングル71a71bの中央部にその両端が溶接接続された第五アングル71eとにより、平面視「日」字形状に形成している。また、第一アングル71aの中央部には、第一アングル71aとにより断面「ロ」字状になるように第一補助アングル72aを溶接固定している。なお、第二アングル71bの中央部には同様に第二補助アングル72bを溶接固定している。そして、第一および第二補助アングル72a,72bの上面は、支持部Bを形成している。
【0029】
保持枠本体71の両側には突出部73を一対設けている。突出部73は、断面C型のチャンネルであって、第一アングル71aに略直交するとともに開口部がそれぞれ外方を向かうようにかつ間隔をあけて第一アングル71aの側面に溶接にて固定した一対のチャンネル731,732と、一対のチャンネル731,732の端部に架け渡して溶接固定したアングル733とを備える。なお、第一アングル71aと一対のチャンネル731,732とアングル733とにより囲まれた箇所には開口部Aが形成されている。一対のチャンネル731,732の高さは第一アングル71aと第一補助アングル72aとを組み合わせた高さよりも高くしており、一対のチャンネル731,732が第一補助アングル72aの支持部Bよりも上方に突出している。そして、一対のチャンネル731,732の突出箇所にはテーパ部731a,732aを設けている。
【0030】
第一および第二アングル71a,71bの側面にはそれぞれ2個のハンガ74を溶接固定している。また、第四アングル71dの側面には3つの貫通孔75を空けている。
【0031】
このような支持枠7は2台一組として海上コンテナCに内蔵することで脱着式コンテナDの前後左右位置を保持する。具体的には、支持枠7を海上コンテナCの床板44の上面に配置して、ターンバックルTを床板44に予め備えられたリング44aと支持枠7のハンガ74との間に掛けて引っ張ることによりその張力で海上コンテナCの床板44上面に固定する。もうひとつの支持枠7は180度反転し、第四アングル71dが相対するように床面44の上面に配置し、ターンバックルTにより固定する。また、支持枠7同士は、貫通孔75にボルト・ナット76a,76bにより固縛する。リング44aとハンガ74とは複数あるうちから固定に適したものを適宜選択すればよい。なお、本実施例では、ハンガ74とターンバックルTとの組み合わせが固縛部に相当する。
【0032】
そして、コンテナ集約所31に集められた脱着式コンテナDを、フォークリフト(図示せず)により開放した海上コンテナCの左側面48から搭載する。前側の突出部73の開口部Aには脚部27aが合致するように脱着式コンテナDを載置する。このとき、脱着式コンテナDの主桁22aは一対のチャンネル731,732のテーパ部731a,732aにガイドされ、支持部Bにスムーズに載置することができる。なお、ローラ27bは第一及び第二アングル71a,71bの外方であって後側の突出部73の後方に位置している。その後、海上コンテナCの扉48aを閉鎖して積載準備が完了する。これにより港湾のガントリークレーンによる荷役作業ができるようになるとともに、他の海上コンテナと隅金具49を介して相互に固定することができる。
【0033】
保持枠の高さを脱着式コンテナDの接地部分から主桁22aの下面までの高さよりも高く形成しているため、保持枠7は、その上部(具体的には第一および第二補助アングル72a,72bの上面の支持部B)に主桁22aを支持し、脱着式コンテナDの重量を受けている。このとき保持枠7は、脱着式コンテナDの荷重を第一〜第五アングル71a〜71eに分散して海上コンテナCの床面44に伝えるため、脱着式コンテナDを直接海上コンテナCに搭載した場合に比べ重量集中による床面44の破損を抑制することができる。
【0034】
そして、脱着式コンテナDの脚部27aは四方を囲まれた支持枠7の開口部Aに配置しているため、脱着式コンテナDが海上コンテナCに対して相対的に移動しようとしたとしても前後方向は一対のチャンネル731,732が移動を制限する。
一方、脱着式コンテナDの左右方向への移動は、脱着式コンテナDの主桁22aの外方に支持枠7の一対のチャンネル731,732が配置するため、主桁22aと一対のチャンネル731,732の突出部分とが当接することにより制限される。また、脱着式コンテナDは、前部は脚部27aが第一及び第二アングル材71a,71bまたはアングル733もしくはその両方に当接することにより移動が制限され、後部はローラ27bが第一及び第二アングル71a,71bに当接することにより脱着式コンテナDの左右方向への移動をさらに制限することができる。
支持枠7の一部または全ての構成部品が脱着式コンテナDの移動を規制する規制部の役割を果たしている。
【0035】
なお、上記他の実施形態では支持枠7をアングルを溶接接続することにより形成したが、角パイプのような他の部材を用いて製造してもよい。支持枠7を固縛するための固縛部として、ハンガ74とターンバックルTとの組み合わせを用いたが、ボルト・ナットのようなその他の固縛構造を用いて支持枠7を海上コンテナCに固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 廃棄物発生地
11 工場
12 工事現場
D 脱着式コンテナ
22 底面
27 接地部
27a 脚部
27b 走行ローラ
Va 荷役車両
3 出発港
31 コンテナ集約所
32 ガントリークレーン
C 海上コンテナ
41 底枠
41a 縦桁
41b 横桁
41c 補強板
44a リング
5 保持具
51 支持板
52 ボルト
53 リング
53a 規制部
S コンテナ船
5 到着港
51 コンテナ貯留所
52 ガントリークレーン
Vb 他の荷役車両
6 廃棄物処理地
61 処理場
62 最終処分場
63 リサイクル工場
7 支持枠
71 支持枠本体
73 突出部
74 ハンガ
A 開口部
B 支持部
T ターンバックル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役車両に搭載することができる脱着式コンテナの相対位置を保持するコンテナ保持手段を備えたことを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記コンテナ保持手段は、支持板と、支持板上面に設けた規制部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ。
【請求項3】
前記コンテナ保持手段は、脱着式コンテナの主桁を支持する支持部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ。
【請求項4】
海上コンテナに固定するための固縛部と、脱着式コンテナの移動を規制する規制部とを備えたコンテナ保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−250711(P2012−250711A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122085(P2011−122085)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【出願人】(596068969)大栄環境株式会社 (3)
【出願人】(508081798)井本商運株式会社 (5)
【Fターム(参考)】