説明

コンテンツオンデマンドシステム

【課題】 コンテンツの視聴を中断することなく、広告情報の提供と、商品/サービスの注文と、を行うことができるコンテンツオンデマンドシステムを提供することである。
【解決手段】 コンテンツ登録サーバ3は、端末13からコンテンツの要求があったときに、コンテンツを端末13へ配信する。広告登録サーバ5は、コンテンツの要求があったときに、コンテンツと関連付けられた広告情報を端末13へ送信する。端末13は、コンテンツ及び広告情報を並行表示し、コンテンツ配信の終了後に、広告情報のリストを表示する。受注サーバ7は、リストから選択された広告情報が示す商品の注文を、端末13から受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの要求に応じてコンテンツを配信するコンテンツオンデマンドシステム及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、双方向通信可能なデジタルテレビ放送を利用し、デジタルテレビ受像機の表示画面中に見ているテレビ番組と関連するバナー広告を張り付ける。ユーザは、バナー広告をクリックすることにより、商品を注文できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−268995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、バナー広告をクリックすると、番組(コンテンツ)に付帯する情報画面が表示され、引き続き番組を視聴することができない。つまり、番組が表示されなくなり、広告情報だけが表示される。この場合でも、放送(ブロードキャスト)であるため、番組は進行しているので、広告情報の表示中は、その番組を見逃すことになる。視聴者は、本来、番組を見たいのであって、広告を見たいわけではないので、番組の視聴を中断してまで、広告を見る視聴者は、そう多くはないであろう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、コンテンツの視聴を中断することなく、広告情報の提供と、商品/サービスの注文と、を行うことができるコンテンツオンデマンドシステム及びその関連技術を提供することである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、広告のコストを削減でき、かつ、ターゲットを絞ることにより、広告の効率を向上できるコンテンツオンデマンドシステム及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によると、コンテンツオンデマンドシステムは、ユーザ端末から、ネットワークを介して、コンテンツの要求があったときに、前記コンテンツを、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ配信する手段と、前記コンテンツの要求があったときに、前記コンテンツと関連付けられた広告情報を、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ送信する手段と、前記コンテンツに関連付けられた前記広告情報のリストを作成する手段と、前記ユーザ端末にて前記コンテンツ及び前記広告情報の並行表示の終了後に前記ユーザ端末に表示された前記リストから選択された前記広告情報が示す商品及び/又はサービスの注文を、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末から受け付ける手段と、を備える。
【0008】
この構成によれば、ユーザ端末にてコンテンツ及び広告情報の並行表示が行なわれる。さらに、この並行表示の終了後に、広告情報のリストが、ユーザ端末に表示され、そのリストに基づいて、注文を行うことができる。よって、コンテンツの視聴を中断することなく、広告情報の提供と、商品/サービスの注文と、を行うことができる。その結果、ザッピングや用事を済ませる等の行為がしばしば行われるテレビCMや特許文献1の情報取得方法と比較して、より高い広告効果が期待できる。
【0009】
本発明の第2の観点によると、コンテンツオンデマンドシステムは、インターネットを含むネットワークに接続された第1端末から、前記ネットワークを介してアクセスされ、前記第1端末によって、コンテンツが登録され、ユーザ端末から、前記ネットワークを介して、前記コンテンツの要求があったときに、前記コンテンツを、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ配信するコンテンツ登録サーバと、前記ネットワークに接続された第2端末から、前記ネットワークを介してアクセスされ、前記第2端末によって、前記コンテンツ及び該コンテンツ中の時間情報に関連付けて、広告情報が登録され、前記コンテンツの要求があったときに、当該コンテンツ及び前記時間情報と関連付けられた前記広告情報を、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ送信する広告登録サーバと、前記ユーザ端末から、前記広告情報が示す商品及び/又はサービスの注文を、前記ネットワークを介して受け付ける受注サーバと、前記受注サーバから、前記広告情報が示す商品及び/又はサービスの配送及び/又は提供の依頼を、前記ネットワークを介して受け付ける配送/提供受付サーバと、を備える。
【0010】
テレビCMとの比較で、本発明の効果を説明する。
【0011】
放送は一度に多くの人に情報を届けるものであり、その専用設備が高額である。また、放送は同じ情報を同時に送るものであるため、CMのためのスペースや時間枠もその時限りのものであり、しかも、キー局が限られており、CMのためのペースや時間枠は貴重である。従って、スペースや時間枠を購入して行われるテレビCMは、高額なものとなる。
【0012】
一方、本発明では、インターネットを利用してコンテンツを配信するものであり、放送と比べて、専用に設ける設備が低額ですむ。また、コンテンツ登録サーバには、任意の第1端末がアクセスでき、多大なコンテンツを登録、配信できる。また、本発明は、ユーザが要求した時だけ要求したコンテンツを提供するオンデマンドシステムなので、時刻により広告の時間枠が定められているわけではない。よって、本発明では、テレビCMと比較して、コストを大幅に抑制できる。
【0013】
また、本発明では、コンテンツ登録サーバには、任意の第1端末がアクセスでき、多大なコンテンツを登録、配信できる。従って、広告主は、ターゲットが視聴するであろうコンテンツを多くの中から選び、しかも、選んだコンテンツ中の最適な時間帯に広告を出すことができるので、ターゲットを小さく絞ることが困難なテレビCMと比較すると、効率的である。
【0014】
さらに、本発明では、インターネットを利用しており、特定のキー局が電波を独占しているテレビ放送と比較して、媒体を利用する際のコストは大幅に小さい。また、広告登録サーバには、任意の第2端末が広告を登録でき、広告主が広告代理店を介さずに直接広告を出すことができる。従って、テレビCMと比較して、莫大な広告費が発生しないので、消費者にとっても、広告主にとってもよく、一部の企業体だけが利益を得るといった構造を改善することができる。また、同様の理由により、中小企業であっても、その経済力に応じて、広告を出すことができる。さらに、同様の理由により、スケールメリットを得にくい多品種少量生産を行う企業でも容易に広告を出すことができる。
【0015】
以上のように、広告のコストを削減でき、かつ、ターゲットを絞ることにより、広告の効率を向上でき、かつ、広告することを希望する企業等は、容易に広告を出すことができる。
【0016】
例えば、前記ネットワークは、ケーブルテレビネットワークを含み、前記コンテンツ登録サーバ、前記広告登録サーバ、及び、前記受注サーバは、前記ケーブルテレビネットワークを介して、前記ユーザ端末と接続される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態によるコンテンツオンデマンドシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のコンテンツオンデマンドシステムにおける通信手順の前段を示す図である。
【図3】図1のコンテンツオンデマンドシステムにおける通信手順の後段を示す図である。
【図4】図1のコンテンツオンデマンドシステムの適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態によるコンテンツオンデマンドシステムの全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、このコンテンツオンデマンドシステムは、コンテンツサーバ1、コンテンツ登録サーバ3、広告登録サーバ5、受注サーバ7、配送/提供受付サーバ9、マーケティングサーバ11、ユーザ宅15に配置される端末(ユーザ端末)13、コンテンツ製作者端末17、広告主端末19、及び、ネットワーク20を含む。サーバ1,3,5,7,9及び11、並びに、端末13,17及び19は、それぞれ、ネットワーク20に接続される。ネットワーク20は、インターネット、LAN、及び、ケーブルテレビネットワーク等を含む。
【0020】
コンテンツ製作者端末17は、ネットワーク20を介して、コンテンツ登録サーバ3へアクセスして、コンテンツ製作者が作成したコンテンツを、コンテンツ登録サーバ3に登録(アップロード)する。任意の端末が、コンテンツ製作者端末17として、コンテンツ登録サーバ3に、コンテンツを登録することができる。つまり、任意のコンテンツ製作者が、自分が製作したコンテンツを、自分の端末によって、コンテンツ登録サーバ3に登録することができる。
【0021】
コンテンツとは、番組(報道番組、教育・教養・実用番組、音楽番組、ドラマ、アニメ、映画、スポーツ、その他の娯楽番組)、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたものであり、代表的には、動画である。
【0022】
コンテンツ登録サーバ3は、ストリーミングサーバとして機能し、映像や音声をストリーミング配信することができる。
【0023】
以上のようにして、コンテンツ登録サーバ3には、任意のコンテンツ製作者端末17によって、多くのコンテンツが登録され、コンテンツ登録サーバ3は、登録された各コンテンツをストリーミング配信することができる。
【0024】
コンテンツ製作者端末17は、その利用者、つまり、コンテンツ製作者の氏名又は名称、住所、電話番号、及び銀行口座等を、ネットワーク20を介して、コンテンツ登録サーバ3に登録する。なお、ログインを条件に、コンテンツ製作者端末17がコンテンツ登録サーバ3にコンテンツを登録できるようにしてもよい。
【0025】
また、コンテンツ登録サーバ3は、登録されているコンテンツのガイド(コンテンツガイド)を作成し、コンテンツ製作者端末17によるコンテンツの追加/更新のたびに、そのガイドを更新する。コンテンツ登録サーバ3は、コンテンツの追加/更新のたびに、更新後のコンテンツガイドを、コンテンツサーバ1へ送信する。従って、コンテンツサーバ1は、最新のコンテンツガイドを保持している。
【0026】
広告主端末19は、ネットワーク20を介して、広告登録サーバ5へアクセスして、広告主の商品/サービスの広告情報を、広告登録サーバ5に登録(アップロード)する。任意の端末が、広告主端末19として、広告登録サーバ5に、広告情報を登録することができる。つまり、任意の広告主が、自分の商品/サービスの広告情報を、自分の端末によって、広告登録サーバ5に登録することができる。
【0027】
広告情報は、文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像により製作、若しくはこれらを組み合わせて製作されるものである。
【0028】
具体的には、広告主端末19は、コンテンツ登録サーバ3に登録された、いずれかのコンテンツと関連付けて、広告情報を、広告登録サーバ5に登録する。この場合、広告主端末19は、広告情報と共に時間情報を登録する。時間情報は、広告情報が関連付けられるコンテンツの時間軸上の、どこで、その広告情報を表示するかを示す情報である。
【0029】
例えば、広告主端末19は、広告主の商品/サービスが、コンテンツ登録サーバ3に登録された、あるコンテンツ(例えば動画)に登場する場合、その登場シーンに合わせて、その広告情報が表示されるように、そのコンテンツと関連付けて、時間情報及び広告情報を登録する。
【0030】
以上のようにして、広告登録サーバ5には、任意の広告主端末19によって、コンテンツ登録サーバ3に登録された所望のコンテンツの所望のシーンに関連付けて、広告情報が登録される。
【0031】
また、1つのコンテンツに対して、1つの広告情報が登録されてもよいし、複数の広告情報が登録されてもよい。1つのコンテンツ中において、時間帯を異ならせて、登録すれば、複数の広告情報を登録できる。
【0032】
また、1コンテンツ中の同じ時間帯あるいは重複する時間帯(以下、「同じ時間帯等」、と呼ぶ。)に複数のコンテンツが登録されている場合であっても、次のように、処理することができる。表示位置を異ならせる。あるいは、優先順位に従って、1つの広告情報しか表示しない。例えば、優先順位は、視聴者の反応(人気投票数、苦情数等)に応じて決定してもよいし、新着順等でもよい。あるいは、視聴者(年齢、性別など)に応じて、1つの広告情報しか表示しない。あるいは、時刻に応じて、1つの広告情報しか表示しない。あるいは、ランダムに選択して、1つの広告情報しか表示しない。あるいは、1コンテンツが配信されるたびに、該1コンテンツ中の同じ時間帯等の複数広告情報を巡回的に選択する。
【0033】
広告主端末19は、その利用者、つまり、広告主の氏名又は名称、住所、及び、電話番号等を、ネットワーク20を介して、広告登録サーバ5に登録する。なお、ログインを条件に、広告主端末19が広告登録サーバ5に広告情報を登録できるようにしてもよい。
【0034】
また、広告登録サーバ5は、コンテンツ登録サーバ3に登録されているコンテンツごとに、関連付けて登録されている広告情報のリスト(広告リスト)を作成し、広告主端末19による広告情報の追加/更新のたびに、そのリストを更新する。広告登録サーバ5は、広告情報の追加/更新のたびに、更新後の広告リストを、コンテンツサーバ1へ送信する。従って、コンテンツサーバ1は、最新の広告リストを保持している。
【0035】
サーバ3,5及び端末17,19以外のサーバ及び端末の動作については、通信手順図を参照しながら説明する。
【0036】
図2及び図3は、図1のコンテンツオンデマンドシステムにおける通信手順を示す図である。図2を参照して、ユーザ端末13は、ユーザの操作に応答して、コンテンツサーバ1へ、トップページを要求する。これに応じて、コンテンツサーバ1は、画面制御プログラムを端末13へ送信する。ユーザ端末13は、画面制御プログラムを受信、起動する。起動した画面制御プログラムは、ユーザ端末13のモニタ(図示せず)に、トップページを表示する。
【0037】
次に、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザのトップページの操作に応答して、上記コンテンツガイド及び広告リストをコンテンツサーバ1に要求する。この要求に応答して、コンテンツサーバ1は、コンテンツガイド及び広告リストを、ユーザ端末13に送信する。ユーザ端末13の画面制御プログラムは、コンテンツガイドをモニタに表示する。コンテンツガイドは、コンテンツのリストを含み、各コンテンツに対応して、選択ボタンが配置される。
【0038】
そして、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により押下された選択ボタンの情報(対応するコンテンツの識別情報、日時、ユーザ情報等を含む。)を、マーケティングサーバ11へ送信する。ユーザ情報は、氏名、年齢、性別、住所、及び職業等であり、特に限定されるものではない。
【0039】
また、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、当該選択ボタンの情報(対応するコンテンツの識別情報を含む。)を、広告登録サーバ5へ送信する。広告登録サーバ5は、選択ボタン情報に含まれるコンテンツ識別情報が示すコンテンツに関連付けられた広告情報及び時間情報をユーザ端末13に送信する。
【0040】
さらに、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、当該選択ボタンの情報(対応するコンテンツの識別情報を含む。)を、コンテンツ登録サーバ3へ送信する。コンテンツ登録サーバ3は、選択ボタン情報に含まれるコンテンツ識別情報が示すコンテンツをユーザ端末13にストリーミング配信する。
【0041】
すると、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ストリーミング配信されるコンテンツをモニタに表示する。この場合、画面制御プログラムは、広告登録サーバ5から受信した時間情報が示す時間に、その時間情報と対になっている広告情報を、例えばティッカーとして表示する。また、例えば、画面制御プログラムは、コンテンツの画面を縮小し、余白部分(例えばL字型画面)に、広告登録サーバ5から受信した時間情報が示す時間に、その時間情報と対になっている広告情報を表示することもできる。以上のように、画面制御プログラムは、コンテンツの途中に(コンテンツを中断して)広告情報を挿入するのではなく、コンテンツと並行して広告情報を表示する。
【0042】
そして、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、コンテンツのストリーミング配信が終了した場合、配信終了を示す情報をマーケティングサーバ11へ送信する。また、画面制御プログラムは、コンテンツのストリーミング配信が終了した場合、コンテンツサーバ1から受信した広告リストをモニタに表示する。広告リストには、各広告情報が示す商品/サービスに対応して、選択ボタンが配置される。
【0043】
そして、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により押下された選択ボタンの情報(対応する商品/サービスの識別情報、日時、ユーザ情報等を含む。)を、マーケティングサーバ11へ送信する。
【0044】
また、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、当該選択ボタンの情報(対応する商品/サービスの識別情報を含む。)を、受注サーバ7へ送信する。受注サーバ7は、選択ボタン情報に含まれる商品/サービス識別情報が示す商品/サービスの詳細情報をユーザ端末13に送信する。
【0045】
すると、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、商品/サービスの詳細情報をモニタに表示する。この場合、画面制御プログラムは、当該商品/サービスを購入するための購入ボタンを画面に配置する。
【0046】
ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により押下された購入ボタンの情報(対応する商品/サービスの識別情報、日時、ユーザ情報等を含む。)を、マーケティングサーバ11へ送信する。そして、画面制御プログラムは、ログイン画面をモニタに表示する。
【0047】
ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により入力されたログイン情報及び購入ボタンの情報(対応する商品/サービスの識別情報を含む。)を、受注サーバ7へ送信する。これに応答して、受注サーバ7は、ログイン情報及び購入ボタン情報の確認通知をユーザ端末13へ送信する。そして、画面制御プログラムは、決済・配送画面をモニタに表示する。決済・配送画面は、決済方法及び配送方法をユーザに選択させるための画面である。
【0048】
図3を参照して、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により入力された決済方法及び配送方法の情報を、受注サーバ7へ送信する。これに応答して、受注サーバ7は、決済方法及び配送方法の確認通知をユーザ端末13へ送信する。そして、画面制御プログラムは、最終確認画面をモニタに表示する。最終確認画面は、商品/サービスの購入を最終的に確定するための確定ボタンを含む。
【0049】
そして、ユーザ端末13の画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により押下された確定ボタンの情報(対応する商品/サービスの識別情報、日時、及びユーザ情報等を含む。)を、マーケティングサーバ11へ送信する。さらに、画面制御プログラムは、ユーザ端末13の操作により押下された確定ボタンの情報(対応する商品/サービスの識別情報及びユーザ情報を含む。)を、受注サーバ7へ送信し、取引完了画面をモニタに表示する。これに応答して、受注サーバ7は、確定ボタン情報に含まれる商品/サービスの配送/提供の依頼を、配送/提供受付サーバ9へ送信する。これに応じて、配送/提供センタは、ユーザ端末13のユーザが購入した商品/サービスを、当該ユーザへ、配送/提供する。
【0050】
図4は、図1のコンテンツオンデマンドシステムの適用例を示す図である。図4を参照して、この適用例は、ケーブルテレビネットワーク(CATVネットワーク)39を利用したコンテンツオンデマンドシステムである。
【0051】
このコンテンツオンデマンドシステムは、コンテンツサーバ1、コンテンツ登録サーバ3、広告登録サーバ5、販売会社29に配置される受注サーバ7、配送/提供センタ31に配置される配送/提供受付サーバ9、マーケティングサーバ11、ユーザ宅15に配置されるセットトップボックス(STB)35及びテレビジョンモニタ(TV)37、コンテンツ製作者端末17、広告主端末19、インターネット33、ケーブルテレビネットワーク39、センターモデム23、ハブ25、並びに、ルーター27を含む。コンテンツサーバ1、コンテンツ登録サーバ3、広告登録サーバ5、マーケティングサーバ11、センターモデム23、ハブ25、及び、ルーター27は、ケーブルテレビセンタ21に配置される。
【0052】
サーバ7及び9、並びに、端末17及び19は、それぞれ、インターネット33に接続される。サーバ1,3、5及び11、それぞれ、ハブ25及びセンターモデム23を介して、ケーブルテレビネットワーク39に接続される。サーバ1,3,5及び11は、それぞれ、ハブ25及びルーター27を介して、インターネット33に接続される。STB35は、ケーブルテレビネットワーク39に接続され、さらに、センターモデム23、ハブ25、及びルーター27を介して、インターネット33に接続される。
【0053】
STB35は、ケーブルテレビネットワーク39に接続されており、ケーブルテレビネットワーク39から送られてくる映像/音声信号を復調して、テレビジョンモニタ37に与える。テレビジョンモニタ37は、復調された映像/音声信号を表示/出力する。また、STB35は、ユーザからの指令をケーブルネットワーク39へ送出し、ケーブルテレビセンタ21内のサーバ1,3,5,11や、インターネット33に接続されたサーバ7,9へ与える。
【0054】
センターモデム23は、ケーブルテレビネットワーク39に接続されており、STB35からの指令を、ハブ25を介して、サーバ1,3,5,11に与える。また、センターモデム23は、STB35からの指令を、ハブ25及びルーター27を介して、インターネット33に送出し、サーバ7,9に与える。さらに、センターモデム23は、サーバ1,3,5,7,9,11からの信号を、ケーブルテレビネットワーク39に適合した信号に変調し、ケーブルテレビネットワーク39へ送出して、STB35に与える。
【0055】
ハブ25は、ケーブルテレビネットワーク39及びセンターモデム23からの信号を、その信号に含まれる宛先情報に従って、ルーター27、コンテンツサーバ1、コンテンツ登録サーバ3、広告登録サーバ5、あるいは、マーケティングサーバ11に与える。また、ハブ25は、ルーター27を介したインターネット33からの信号を、その信号に含まれる宛先情報に従って、センターモデム23、コンテンツサーバ1、コンテンツ登録サーバ3、広告登録サーバ5、あるいは、マーケティングサーバ11に与える。
【0056】
ルーター27は、サーバ1,3,5,11からの信号や、ケーブルテレビネットワーク39及びセンターモデム23を介したSTB35からの信号を、インターネット33に送出する。また、ルーター27は、インターネット33を介したサーバ7,9からの信号をハブ25に与える。
【0057】
ここで、コンテンツ登録サーバ3、コンテンツ製作者端末17、広告登録サーバ5、及び、広告主端末19の動作は、上述の通りである。ただし、上記説明において、ネットワーク20をインターネット33と読み替える。
【0058】
また、STB35は、図1のユーザ端末13に相当し、テレビジョンモニタ37は、ユーザ端末13のモニタ(図示せず)に相当する。そして、サーバ1,3,5,7,11と、STB35と、の間の通信手順は、図2及び図3で説明したとおりである。ただし、上記説明において、ユーザ端末13をSTB35と読み替え、モニタをテレビジョンモニタ37と読み替える。
【0059】
ここで、図4に関連して、商品/サービスの売上げの配分の例を挙げる。販売会社29へ入ってくる商品/サービス代金を、販売会社29、ケーブルテレビセンタ21の運営会社、コンテンツ製作者、並びに、配送/提供センタ31の運営会社に分配する。このように、コンテンツ製作者にも、代金の一部が入ってくるので、より良いコンテンツ製作のインセンティブとなる。
【0060】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、ユーザ端末13(TV37)にてコンテンツ及び広告情報の並行表示が行なわれる。さらに、この並行表示の終了後に、広告情報のリストが、ユーザ端末(TV37)に表示され、そのリストに基づいて、注文を行うことができる。よって、コンテンツの視聴を中断することなく、広告情報の提供と、商品/サービスの注文と、を行うことができる。その結果、ザッピングや用事を済ませる等の行為がしばしば行われるテレビCM(テレビで放映されるコマーシャルメッセージ)や特許文献1の情報取得方法と比較して、より高い広告効果が期待できる。
【0061】
また、マーケティングサーバ11は、ユーザが購入/選択した商品/サービスの情報、購入/選択の日時、及び、ユーザ情報等を蓄積し、統計をとることができる。この統計データは、マーケティングデータとして、価値がある。それ故、マーケティングサーバ11の運営者は、その統計データを販売等して、利益を得ることができる。
【0062】
さて、テレビ番組の前後や番組の途中に流されるコマーシャルメッセージ(テレビCM)について検討する。以下、商品の語は、サービスを含む概念として使用する。
【0063】
広告主は、テレビCMを流すにあたり、媒体社及び広告代理店に莫大な広告宣伝費を支払うことになる。当然、広告主の商品の価格には、その広告宣伝費が含まれることになる。CMのための広告宣伝費が莫大であるがゆえに、1商品の価格に含まれる広告宣伝費も大きくなり、単価も高くなる。CMを見て、商品を購入した消費者にとっては、単価に広告宣伝費が含まれることは比較的受け入れ易いものと考えられる。しかしながら、CMを見ずに購入した消費者にとっては、単価に広告宣伝費が含まれることは受け入れ難いものと考えられる。このように、消費者に不公平感が発生する。
【0064】
確かに、大量に商品を販売する場合は、価格に広告宣伝費が含まれるとしても、スケールメリットにより、価格を抑えることができ、全ての消費者がそのメリットを享受できる。また、テレビCMは放送であるため不特定多数の公衆に伝達されるので、大量に商品を販売する広告主にとっては、テレビCMは優れた広告手段と言えるかもしれない。
【0065】
しかしながら、生活の多様化により、多品種少量生産も多くなっている。この場合は、スケールメリットを得ることは困難である。従って、このような商品のテレビCMを流すとなると、商品の価格に、広告宣伝費が大きく乗ってきて、消費者は購入を控え、販売数量、つまり、売上げに影響がでてきて、負のスパイラルに入ってしまう。また、不特定多数の公衆に伝達するテレビCMでは、ターゲットが小さすぎ、効率的とは言えない。よって、多品種少量生産を行う広告主や、そのような商品を購入する消費者にとっては、テレビCMは広告手段としては必ずしも適していない。
【0066】
また、テレビCMを流す経済力があるのは、多くは大企業であり、多くの中小企業は、テレビCMを流す経済力がないのが通常である。さらに、現実的には、媒体社及び広告代理店といった一部の企業体だけが大きな利益を享受しているだけであり、価格に広告宣伝費が上乗せされる消費者や、莫大な広告宣伝費を支払う広告主にとって、テレビCMには疑問がある。ここにも、不公平が発生していると言える。
【0067】
さらに、CMの間は、番組の進行が停止されるため、他のチャンネルに変える(ザッピング行為)人も多く、また、トイレに行ったり、用事を済ませたりする人も多い。一般的に、CMの内容が、テレビ番組の内容と無関係であることも、これらの原因でもある。見る人がいてはじめて、CMの効果があるところ、広告主はCMを流すために莫大な広告宣伝費を拠出していることもあり、費用対効果に関し、この点は、大きな問題である。
【0068】
さらに、近年、テレビ離れが進んでいると言われている。インターネットの普及及び利用時間の増加によって、テレビを視聴する時間が減っているとの指摘もある。テレビとインターネットとの違いの1つは次のとおりである。テレビ放送は、不特定多数に同じ情報を同時に送るブロードキャストであり、テレビCMは不特定多数の公衆に同時に伝達される。一方、インターネットは、ユーザの要求があった時にサービスを提供するオンデマンドであり、ユーザの要求があったサービスを要求があった時に提供する。ブロードキャストからオンデマンドへの完全移行も近い将来あるのかもしれない。
【0069】
以上のような、テレビCMや放送の実情に鑑みて、本発明がなされた。
【0070】
放送は一度に多くの人に情報を届けるものであり、その専用設備が高額である。また、放送は同じ情報を同時に送るものであるため、CMのためのスペースや時間枠もその時限りのものであり、しかも、キー局が限られており、CMのためのペースや時間枠は貴重である。従って、スペースや時間枠を購入して行われるテレビCMは、高額なものとなる。
【0071】
一方、本実施の形態では、インターネットを含むネットワーク20を利用してコンテンツを配信するものであり、放送と比べて、専用に設ける設備が低額ですむ。また、コンテンツ登録サーバ3には、任意のコンテンツ製作者端末17がアクセスでき、多大なコンテンツを登録、配信できる。また、本システムは、ユーザが要求した時だけ要求したコンテンツを提供するオンデマンドシステムなので、時刻により広告の時間枠が定められているわけではない。よって、本実施の形態では、テレビCMと比較して、コストを大幅に抑制できる。
【0072】
また、本実施の形態では、コンテンツ登録サーバ3には、任意のコンテンツ製作者端末17がアクセスでき、多大なコンテンツを登録、配信できる。従って、広告主は、ターゲットが視聴するであろうコンテンツを多くの中から選び、しかも、選んだコンテンツ中の最適な時間帯に広告を出すことができるので、ターゲットを小さく絞ることが困難なテレビCMと比較すると、効率的である。
【0073】
さらに、本実施の形態では、インターネットを含むネットワーク20を利用しており、特定のキー局が電波を独占しているテレビ放送と比較して、媒体を利用する際のコストは大幅に小さい。また、広告登録サーバ5には、任意の広告主端末19が広告を登録でき、広告主が広告代理店を介さずに直接広告を出すことができる。従って、テレビCMと比較して、莫大な広告費が発生しないので、消費者にとっても、広告主にとってもよく、一部の企業体だけが利益を得るといった構造を改善することができる。また、同様の理由により、中小企業であっても、その経済力に応じて、広告を出すことができる。さらに、同様の理由により、スケールメリットを得にくい多品種少量生産を行う企業でも容易に広告を出すことができる。
【0074】
さらに、本実施の形態では、広告情報はコンテンツと並行して表示されるので、広告情報の表示によって、コンテンツの進行が中止されることもなく、ユーザがコンテンツを視聴している限り、広告情報はユーザの目に触れることになる。よって、ザッピングや用事を済ませる等の行為がしばしば行われるテレビCMと比較して、より高い広告効果が期待できる。
【0075】
以上のように、本実施の形態では、広告のコストを削減でき、かつ、ターゲットを絞ることにより、広告の効率を向上でき、かつ、高い広告効果を期待できる。
【0076】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0077】
(1)上記では、ケーブルテレビセンタ21は、オンデマンドにより、コンテンツ登録サーバ3に登録されたコンテンツをSTB35へ送信した。ただし、オンデマンドによるコンテンツの提供だけでなく、それに加えて、従来どおり、ケーブルテレビセンタ21に放送用ヘッドエンド装置を設置し、地上波テレビ放送や衛星放送を、ブロードキャストにより、STB35へ送信することもできる。
【0078】
(2)コンテンツサーバ1は、物理的に1つのコンピュータで構成することもできるし、処理を複数のコンピュータに分散させて構成することもできる。もちろん、分散処理する場合の各コンピュータの設置場所は、同じ建物内でもよいし、違う建物内でもよく、また、同一国内でもよいし、複数国に分散して設置してもよい。また、図4のシステムにおいて、各サーバ1,3,5,7,9,11の設置場所は、これに限定されない。なお、コンテンツサーバ1は、ハードウェア及びソフトウェアを含む概念として使用している。これらの点は、他のサーバ3,5,7,9,11についても同様である。
【0079】
(3)本明細書及び特許請求の範囲において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…コンテンツサーバ、3…コンテンツ登録サーバ、5…広告登録サーバ、7…受注サーバ、9…配送/提供受付サーバ、11…マーケティングサーバ、13…ユーザ端末、15…ユーザ宅、17…コンテンツ製作者端末、19…広告主端末、20…ネットワーク、21…ケーブルテレビセンタ、23…センターモデム、25…ハブ、27…ルーター、29…販売会社、31…配送/提供センタ、33…インターネット、35…セットトップボックス(STB)、37…テレビジョンモニタ(TV)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から、ネットワークを介して、コンテンツの要求があったときに、前記コンテンツを、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ配信する手段と、
前記コンテンツの要求があったときに、前記コンテンツと関連付けられた広告情報を、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ送信する手段と、
前記コンテンツに関連付けられた前記広告情報のリストを作成する手段と、
前記ユーザ端末にて前記コンテンツ及び前記広告情報の並行表示の終了後に前記ユーザ端末に表示された前記リストから選択された前記広告情報が示す商品及び/又はサービスの注文を、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末から受け付ける手段と、を備えるコンテンツオンデマンドシステム。
【請求項2】
インターネットを含むネットワークに接続された第1端末から、前記ネットワークを介してアクセスされ、前記第1端末によって、コンテンツが登録され、ユーザ端末から、前記ネットワークを介して、前記コンテンツの要求があったときに、前記コンテンツを、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ配信するコンテンツ登録サーバと、
前記ネットワークに接続された第2端末から、前記ネットワークを介してアクセスされ、前記第2端末によって、前記コンテンツ及び該コンテンツ中の時間情報に関連付けて、広告情報が登録され、前記コンテンツの要求があったときに、当該コンテンツ及び前記時間情報と関連付けられた前記広告情報を、前記ネットワークを介して、前記ユーザ端末へ送信する広告登録サーバと、
前記ユーザ端末から、前記広告情報が示す商品及び/又はサービスの注文を、前記ネットワークを介して受け付ける受注サーバと、
前記受注サーバから、前記広告情報が示す商品及び/又はサービスの配送及び/又は提供の依頼を、前記ネットワークを介して受け付ける配送/提供受付サーバと、を備えるコンテンツオンデマンドシステム。
【請求項3】
前記ネットワークは、ケーブルテレビネットワークを含み、
前記コンテンツ登録サーバ、前記広告登録サーバ、及び、前記受注サーバは、前記ケーブルテレビネットワークを介して、前記ユーザ端末と接続される、請求項2記載のコンテンツオンデマンドシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−26990(P2013−26990A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162657(P2011−162657)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】